JPH06324134A - 船舶安全管理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】漁業協同組合等に所属する船舶を対象として、
基地局からのシーケンス制御によって呼び出された所属
船が返送する自船の位置を受信して、各所属船の位置を
基地局に設置した表示器に描出した海図上に表示して所
属船の動向を効果的に把握することを目的とする。 【構成】選択呼出機能付送受信機とコンピュータとアン
テナ、表示器とを具備した基地局１と、被選択呼出機能
付送受信機と、信号変換器と、航法装置と、アンテナと
を具備した船舶局群２で構成されたシステムにおいて、
基地局からのコンピュータ制御されたシーケンスに従っ
て発射される選択呼出電波に呼応して返送される位置情
報を含んだ電波を受信解読処理して、基地局において各
船舶の位置を表示器に描出した海図上にプロットするよ
うにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数の船舶が所属する
漁業協同組合等において、個々の船舶の動向を把握する
とともに、遭難時にその位置を迅速に知るために用いら
れる船舶安全管理システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】漁業協同組合等においては、組合事務所
等に陸上無線局を開設して無線電話による交信によって
所属する船舶の動向を把握する方法が広く行なわれてい
る。しかしながら、従来においては、音声による交信に
よってのみ情報の交換を行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そのため、常時人員を
配置する必要があり、また、所属船個々の位置の記録等
の煩雑な事務手続も人手よって行われていたので、刻々
変化する各船舶の動向を迅速に把握することが困難であ
った。

【０００４】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、極力省力化を目指すとともに、迅
速、かつ正確に所属船個々の位置を知ることのできるシ
ステムを得ることを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係わる船舶安全
管理システムは基地局から設定したタイムスケジュール
に従って所属船を順次選択的に呼出し、この選択呼出し
に呼応して自動的に送信される所属船個々の位置情報を
基地局で受信、処理して表示器に描出した海図上に所属
船の現在位置を識別符号を付して表示させるものであ
る。また、各船には航法装置を内蔵したラジオブイを装
備しておき、遭難時に発射される位置情報を持たせた緊
急電波によって、随時基地局の表示器にその位置を自動
的に表示するようにするものである。

【０００６】

【作用】本発明の船舶安全管理システムによれば、所属
する船舶の存在位置を常時基地局において自動的に把握
することができる。また、ラジオブイからの緊急通報も
その位置を含めて受信することができる。

【０００７】

【実施例】以下，本発明の１実施例について図面を参照
して説明する。図１は本発明のシステム構成を示す図で
あって、１は基地局、２は船舶局、３はラジオブイで航
法装置を内蔵してある。基地局１からはタイムスケジュ
ールに従って呼出電波が発射される。船舶局２において
は、自局に割り当てられた選択呼出信号を解読すると同
時に予め測定してある位置データ、自局符号等で変調さ
れた電波を発射する。基地局１ではこの電波を受信復調
して、局符号を確認するとともに位置データを処理して
表示された海図上にその船の位置をプロットする。３は
ラジオブイで航法装置を内蔵しており、緊急時には独自
に位置データを救難電波に乗せて発射する。基地局はこ
れを受けて随時表示された海図上にラジオブイの位置を
表示する。

【０００８】図２は基地局に設置される装置の構成を示
す系統図である。１１は選択呼出機能付送受信機，１２
はコンピュータ、１３は送受信用のアンテナ、１４は表
示器である。選択呼出機能付送受信機１１はコンピュー
タ１２に記憶されたタイムスケジュールに従って送信状
態に設定され、指定した順序と間隔をもって選択呼出信
号で変調された電波をアンテナ１３を介して発射する。
選択呼出機能付送受信機１１の一送信終了後は受信状態
に設定されるので、呼出電波受信と同時に発射される呼
出指定を受けた船舶からの位置情報で変調された電波を
アンテナ１３を介して受信、復調する。復調された位置
データはコンピュータ１２に伝送されて座標変換処理を
施され、コンピュータ１２によって表示器１４上に描き
だされた海図上にその位置を識別符号をつけて表示す
る。一回の送受信操作を完了すると、コンピュータ１２
は次の選択呼出を選択呼出機能付送受信機１１に指令
し、以下順次同様動作を繰り返すことによって、所属全
船の位置表示を行う。

【０００９】図３は本発明の表示画面の一例を示したも
のである。・・・・・・・▲１９▼▲２０▼は各
所属船の認識番号と位置を、★１０はラジオブイの位置
を示す。

【００１０】図４は船舶局に設置される装置の構成を示
す系統図である。２１は被選択呼出機能付送受信機、２
２は信号変換器、２３は航法装置、２４はアンテナであ
る。船舶局においては、航法装置２３を常時動作させ
て、自船位置を測定し、符号化した位置データを信号変
換器２２に出力している。信号変換器２２は符号化され
た位置データを搬送波を変調するのに適した信号に変換
して被選択呼出機能付送受信機２１に加えてある。基地
局から呼出電波が発射されると、アンテナ２４を介して
被選択呼出機能付送受信機２１で受信される。この時送
信電波の持つ呼出信号が解読されて自船に割当られた呼
出信号と一致していることが確認されると、被選択呼出
機能付送受信機２１は即座に応答電波を発射する。この
応答電波は位置データで変調されているから、これを受
信する基地局に自船の位置を通報することができる。

【００１１】図５は本発明の付属装置として用いられ
る、ラジオブイの構成を示す系統図である。３１はアン
テナ、３２は送信機，３３は航法装置、３４は電池、３
５は船内電源接続端子である。ラジオブイ３は通常船舶
の甲板等に設置しておき、船内電源接続端子３５から船
内電源の供給を受けて、航法装置３３を動作させ自船の
位置を継続して測定している。遭難等の緊急事態が発生
した場合には本船から取り外して船外に持ち出して使用
する。この時、ラジオブイに供給される電源は船内電源
接続端子３５に接続されている船内電源線を取り外すこ
とによって、ラジオブイに内蔵した電池３４に自動的に
切り換わると同時に、測定してある自己位置を緊急用に
割り当てられた周波数の電波に乗せて発射するようにし
てある。基地局１ではこの緊急周波数を常時監視するよ
うにしてあるから、緊急信号の受信と同時に警報を発す
るとともに画面上に発射位置を表示する。

【００１２】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、漁
業協同組合等に所属する船舶の動向を自動的に、かつ正
確に常時把握することができる。また、全ての操作がコ
ンピュータに入力したプログラムによって実行されるの
で大きな省力効果が得られる。さらに、緊急事態の発生
を、その存在位置を含めて短時聞に認知することができ
るので、迅速な救難行動を発動できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による船舶安全管理システム
の全体構成を表す図である。

【図２】本発明によるシステムにおける基地局内の構成
を示す系統図である。

【図３】本発明によるシステムの基地局における表示画
面の一例を示す図である。

【図４】本発明によるシステムにおける船舶局の構成を
示す系統図である。

【図５】本発明によるシステムにおけるラジオブイの構
成を示す系統図である。

【符号の説明】

１ 基地局 ２ 船舶局
３ ラジオブイ １１ 選択呼出機能付送受信機 １２ コンピュータ
１３ アンテナ １４ 表示器 ２１ 被選択呼出機能付送受信機 ２２ 信号変換器
２３ 航法装置 ２４ アンテナ ３１ アンテナ ３２ 送信機 ３３ 航法装置
３４ 電池 ３５ 船内電源接続端子

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基地局からの選択呼出しに呼応して通報さ
   れる複数の指定船舶の位置を海図上に点描するようにし
   た船舶安全管理システムにおいて、 ａ）基地局には、指定船舶を特定コードで呼出す選択呼
   出機能付送受信機と、応答電波の符号化された船位情報
   を復調する復調器と、復調して得られた複数の船位デー
   タを表示器に描かれた海図上に識別符号を付加して点描
   するための表示演算装置を具備し ｂ）船舶局には、測定した船位情報を符号化して送出す
   る機能を有する電波航法装置と、符号化された船位デー
   タを伝送するに適した信号に変換する変換器と、選択呼
   出信号の解読可能な被選択呼出機能付送受信機を具備
   し、基地局からの選択呼出信号の解読と同時に船位デー
   タで変調された電波を自動的に送出するようにしたこと
   を特徴とする船舶安全管理システム。
2. 【請求項２】請求項１の記載の船舶安全管理システムに
   おいて、該システムと同一周波数帯で動作し、同一モー
   ドで自己位置データを送信することのできる、航法装置
   を内蔵したラジオブイからの情報に基づいて、基地局に
   おいてその位置を表示するようにしたことを特徴とする
   船舶安全管理システム。