JPH06324034A - 血液分離剤 - Google Patents

血液分離剤

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JPH06324034A
JPH06324034A JP11157293A JP11157293A JPH06324034A JP H06324034 A JPH06324034 A JP H06324034A JP 11157293 A JP11157293 A JP 11157293A JP 11157293 A JP11157293 A JP 11157293A JP H06324034 A JPH06324034 A JP H06324034A
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JP
Japan
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blood
agent
boiling point
oligomer
cyclopentadiene
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Pending
Application number
JP11157293A
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English (en)
Inventor
Shigeru Sawayama
茂 沢山
Hideki Yamanouchi
秀木 山之内
Satoshi Toki
鴇  聖史
Mariko Kimura
麻里子 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 常圧における沸点が200℃以上のシクロペ
ンタジエンオリゴマーまたはその水添物と、常圧におけ
る沸点が200℃以上の炭化水素とを含有する血液分離
剤 【効果】 本発明の血液分離剤は、炭化水素系ポリマー
であり、常圧における沸点が200℃以上であるため、
低沸点成分を含まず真空採血管に特に適しており、また
血液分離操作中の測定対象各種薬物に対する吸着も少な
く実用上極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空採血管での使用に
適した血液分離剤に関する。より詳しくは、シクロペン
タジエンオリゴマーまたはその水添物を含有する血液分
離剤に関するものである。血液分離剤は血液中に共存す
る、血清成分と血餅成分あるいは、血漿成分と血球成分
をその比重差を利用して分離する際に存在させる、両成
分の中間的な比重を有する物質で、両成分の間に隔壁を
形成せしめ、これら両成分の分離操作を容易にする目的
で使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりかかる分離操作に用いられる血
液分離剤として種々の化合物が知られている。例えば、
シリコーン油(特開昭54−2120号公報等)、アク
リル系重合油(特開昭54−63797号公報等)塩素
化ポリブテン油(特開昭57−9718号公報等)、α
−オレフィン/マレイン酸ジエステル共重合体(特開昭
62−199644号公報等)などを主成分とし、これ
らに比重や粘度の調整あるいは形状の保持のためのチク
ソトロピー化剤としてシリカや粘土等の無機物微粒子を
添加したものが知られている。最近では臨床の現場にお
いて薬物療法が盛んに行われており、このため薬物の血
中濃度を正確に、しかも迅速に測定する必要性が高くな
っているが、上記の如き血液分離剤は簡便かつ迅速に血
液分離処理ができることから、使用されることが多くな
りつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの油を主
体とした血液分離剤は、チクソトロピー化剤との親和性
が不十分であることから、加熱処理や長期保存あるいは
遠心分離などの条件下で相分離が生じ、ゲルの物性変化
による隔壁機能の低下や油分の分離による分離血液成分
への汚染などを起こしやすいといった欠点がある。ま
た、耐熱性が不十分なので、分離剤を入れた採血管を調
整、充填、滅菌する工程での分解物の発生と、これによ
る血液分離成分への汚染を起こしやすいといった問題が
ある。更に、比重や粘度を調整するために相溶性のある
油を混合した場合には、チクソトロピー化剤との親和性
の相異から、血液分離剤の性状に経時変化が起こった
り、熱安定性が悪いという欠点があり、また、比重が低
い油を混合した場合には、分離成分への汚染がおきやす
いという欠点を有している。
【0004】一方、従来の血液分離剤を用いた場合例え
ば、病院薬学vol.12、No.6、401(198
6)、九州薬学会報第40号、39(1986)等に既
に報告されているように、使用する血液分離剤の影響に
より血清中に含有されていた薬物成分が経時的に減少す
るという問題点がある。これは、血液の分離操作中に使
用する血液分離剤の影響により測定しようとする薬物成
分が血液分離剤に吸収されてその血中濃度が経時的に減
少するためである。
【0005】特開平1−295163号はかかる薬物吸
収のない血液分離剤としてシクロペンタジエンオリゴマ
ーを主成分とする血液分離剤を提案している。同公報に
は、シクロペンタジエンオリゴマーは極性基がないので
薬物の吸収が少なく、また比重1以上のものを比較的容
易に得られる点で血液分離剤として利点を有することが
挙げられ、具体例としてシクロペンタジエン石油樹脂を
用いた血液分離剤が開示されている。
【0006】しかしながら、かかるシクロペンタジエン
石油樹脂を主成分とする血液分離剤を真空採血管に用い
ると、採血管内壁が撥水化し、血液の凝固が遅くなる。
これはシクロペンタジエン石油樹脂中に低分子の揮発成
分が存在することが原因であるが、かかる低分子成分は
樹脂が流動性を有するための必須成分であり、かかる低
分子成分を除去すると粘度が上昇し、血液分離剤として
取扱いが困難になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる欠点の
ない実用的に優れた血液分離剤、すなわち、薬物吸着が
なく、しかも真空採血管に良好に使用し得る血液分離剤
の開発を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、常圧に
おける沸点が200℃以上のシクロペンタジエンオリゴ
マーまたはその水添物と、常圧における沸点が200℃
以上の炭化水素化合物とを含有する血液分離剤により達
成される。以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】本発明でいう、常圧における沸点が200
℃以上のシクロペンタジエンオリゴマーまたはその水添
物は特に限定されないが、例えばシクロペンタジエンあ
るいはジシクロペンタジエンを熱重合させて得られるオ
リゴマー、あるいは熱重合の後、水素添加することによ
って得られるオリゴマーを、温度約150℃、圧力5t
orr.の条件で減圧蒸留を行い、仕込量に対して、約
8%程度の留分を除去して得られる。
【0010】本発明でいう常圧における沸点200℃以
上の炭化水素としては、特に限定されるものではない
が、好ましくは下記一般式(I)で示される炭化水素又
はその水添物が挙げられる。
【0011】
【化2】
【0012】(式中、n,p,q及びrは夫々0または
1を表わす。)一般式(I)で示される化合物の水添率
は特に限定されず、100%迄可能であり、水添率が1
00%の場合の化合物は下記一般式(II)で表わされ
る。
【0013】
【化3】
【0014】(式中、n,p,q及びrは前記と同義を
示す。)一般式(I)で示される化合物又はその水添物
としては、具体的にはジベンジルトルエン(綜研化学
(株)社製、商品名NeoSK−OIL 1400
等)、水素化トリフェニル(新日鉄化学(株)社製、商
品名サームエス−900等)等が挙げられる。
【0015】本発明に於けるシクロペンタジエンオリゴ
マーまたはその水添物と、常圧における沸点が200℃
以上の炭化水素の配合量は特に規定されるものではな
く、得られる配合物が血液分離剤として好適な粘度、比
重となる広い範囲から選ばれる。具体的には、例えば、
重量比でシクロペンタジエンオリゴマーまたはその水添
物1に対し、0.01〜0.20、好ましくは0.05
〜0.15の範囲で配合される。
【0016】本発明の混合物は、血液中の成分の分離に
使用される血液分離剤として特に有用である。この場
合、分離されるべき血液成分の比重、あるいは分離操作
の点から、混合物としては温度25℃における比重が、
1.00〜1.08好ましくは、1.028〜1.06
0また粘度が1,000〜1,500,000cP、好
ましくは、10,000〜400,000cPの範囲で
あるものが好適に使用される。粘度が低すぎる場合は、
得られる分離剤の保存安定性が劣り、分離剤が高温で重
力等による移動を生じやすく、形状保持が困難となり、
好ましくない。粘度が高すぎると、高粘性のためハンド
リングや採血管への分注操作が容易でない欠点が生じ
る。また、浮上性確保が不十分であり、分離性能も劣
る。
【0017】本発明の混合物は淡黄色、透明であって、
特に血液に対して不活性である。即ち、血液の吸着、溶
出等の現象を生じさせる恐れがなく、揮発分を含まず、
経時的に安定である。また、極性が低いため、血清中に
含有される薬物に対する吸着、溶解性が低く、薬物の測
定値に悪影響を与えず、より正確な検査値が得られる。
【0018】本発明の血液分離剤は、高沸点が200℃
以上の炭化水素の混合割合を変えることによって血清分
離剤の粘度、比重を任意の値に調整することができる。
必要に応じ比重調整剤やゲル化剤等、血液分離剤に添加
されている種々の添加剤を配合することも可能である。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実
施例によって限定されるものではない。 実施例1(ジシクロペンタジエンオリゴマー中の軽沸成
分の留去) ジシクロペンタジエンのオリゴマー(トーネックス社製
商品名ECR−327)220gを300ミリリット
ルのフラスコに仕込み、液温度約150℃、圧力約5t
orr.の条件で減圧蒸留を行い、軽沸成分を留去し、
203gの釜残液を得た。この釜残液は淡黄色透明の液
体で25℃における粘度が109万cP、比重=1.0
41であった。また釜残液中の分子量200以下のオリ
ゴマーの占める割合は8%以下であった。
【0020】実施例2 実施例1で得た釜残液7.5gに対し、沸点350℃の
水素化トリフェニル(新日鉄化学(株)社製 商品名サ
ームエス−900)を0.5g添加し、70〜80℃の
水浴にて加熱し、スパチェラにて撹拌混合した。得られ
た混合物(本発明分離剤)の25℃に於ける粘度は25
1,000cP、比重は1.037であった。
【0021】実施例3 実施例1で得た釜残液7.5gに対し、沸点390℃の
ジベンジルトルエン(綜研化学(株)社製 商品名Ne
oSK−OIL 1400)を0.5g添加し、70〜
80℃の水浴にて加熱し、スパチェラにて撹拌混合し
た。得られた混合物(本発明分離剤)の25℃に於ける
粘度は138,000cP、比重は1.039であっ
た。
【0022】試験例4(薬物吸着評価) 実施例2〜3で得られた各混合物(本発明分離剤)を次
の方法により評価した。重合体をそれぞれ約1.5g取
り、一定口径の試験管に入れ、これに一定濃度の薬物
(フェニルトイン及びリドカイン)を含有した牛血清1
ccを加えて25℃で静置した。72時間後、牛血清だ
けを採取してこの中に含まれる薬物量を蛍光免疫抗体法
により測定した。もとの牛血清の薬物濃度に対する72
時間放置後の牛血清中の薬物濃度の割合を求め、薬物残
存率とした。
【0023】結果を表−1に示す。また、比較のため、
現在血清分離剤として市販されている分離剤A(シリコ
ンを主成分として、これをシリカ微粒子でゲル化した
物)及び分離剤B(ポリエステルを主成分として、これ
をシリカ微粒子でゲル化した物)さらに、比較例1とし
てシクロペンタジエンオリゴマー(シクロペンタジエン
の熱重合品、比重1.036、粘度168,000cP
/25℃、数平均分子量220)を用いて同様の評価を
行った。結果を表−1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明の血液分離剤は、炭化水素系ポリ
マーであり、常圧における沸点が200℃以上であるた
め、低沸点成分を含まず真空採血管に特に適しており、
また血液分離操作中の測定対象各種薬物に対する吸着も
少なく実用上極めて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 木村 麻里子 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常圧における沸点が200℃以上のシク
    ロペンタジエンオリゴマーまたはその水添物と、常圧に
    おける沸点が200℃以上の炭化水素とを含有する血液
    分離剤
  2. 【請求項2】 常圧における沸点200℃以上の炭化水
    素が下記一般式(I)で示される化合物またはその水添
    物である請求項1に記載の血液分離剤 【化1】 (式中、n,p,q及びrは夫々0または1を表す)
  3. 【請求項3】 一般式(I)で示される化合物またはそ
    の水添物3〜20重量%と、常圧における沸点が200
    ℃以上のシクロペンタジエンオリゴマーまたはその水添
    物80〜97重量%との混合物を主成分とする請求項2
    に記載の血液分離剤
JP11157293A 1993-05-13 1993-05-13 血液分離剤 Pending JPH06324034A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007139018A1 (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Sekisui Chemical Co., Ltd. 血清または血漿分離用組成物及び血液検査用容器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007139018A1 (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Sekisui Chemical Co., Ltd. 血清または血漿分離用組成物及び血液検査用容器
US8642254B2 (en) 2006-05-25 2014-02-04 Sekisui Chemical Co., Ltd. Composition for separation of serum or plasma and container for blood test

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