JPH06323108A - コンバインドサイクル発電プラント - Google Patents

コンバインドサイクル発電プラント

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JPH06323108A
JPH06323108A JP13239993A JP13239993A JPH06323108A JP H06323108 A JPH06323108 A JP H06323108A JP 13239993 A JP13239993 A JP 13239993A JP 13239993 A JP13239993 A JP 13239993A JP H06323108 A JPH06323108 A JP H06323108A
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JP
Japan
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exhaust gas
stainless steel
boiler
turbine
combined cycle
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Withdrawn
Application number
JP13239993A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Uematsu
美博 植松
Naoto Hiramatsu
直人 平松
Sadayuki Nakamura
定幸 中村
Manabu Oku
学 奥
Hajime Toritani
初 鳥谷
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Hitachi Ltd
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]

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  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンバインドサイクル発電プラントのガスタ
ービンの作動流体の温度を1300℃級に高め,その排
気ガスを600〜700℃の温度に保持して排気ガスボ
イラーに導く。 【構成】 圧縮空気とLNGを反応させて1300℃級
の燃焼ガスを発生させてこれをガスタービンの作動流体
とし,このガスタービンの排気ガスをボイラーに導くた
めの排ガス管路を,C:0.03%以下, Si:0.80%〜1.2
0%, Mn:0.60%〜1.50%, Cr:11.0%〜15.0%, N
b:0.20%〜0.80%, N:0.03%以下を含有し且つ 0.2
≦Nb−8(C+N) ≦0.5 および 1.4≦Nb+1.2Si≦2.
0の関係を同時に満足するようにこれらの元素を含有し,
残部がFeおよび製造上の不可避的不純物からなるフエ
ライト系ステンレス鋼,で構成したコンバインドサイク
ル発電プラント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は, 熱効率が約46〜48%に
達する1300℃級高効率コンバインド発電プラントに関す
る。
【0002】
【従来の技術】コンバインドサイクル発電プラントは,
高い熱効率と優れた環境特性およびプラント運用性が評
価され, 大容量発電設備として全国で建設されている。
この発電プラントは,燃焼ガスを作動流体とするガスタ
ービンと,ガスタービンの排気ガスを熱源とする排気ガ
スボイラーと,このボイラーで発生する高圧蒸気で駆動
する蒸気タービンとを備え,ガスタービンと蒸気タービ
ンの両出力を結合して発電するものである。
【0003】近年では,コンバインドサイクル発電プラ
ントのガスタービンの作動流体の温度(燃焼ガス温度)
を従来の1100℃級から1300℃級まで上昇させる
ことが提案され,これによれば,プラントの熱効率を従
来の約43%から約46〜48%程度にまで向上できるとされ
ている。これに伴い, 燃焼温度の上昇を許容するような
プラント全体の冷却技術の改良並びに高温部材の開発等
を含めた全体的な技術開発が必要となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】1300℃級のコンバ
インドサイクル発電プラントを構築する場合,排気ボイ
ラーでは可及的高温の高圧蒸気を採取してこれを蒸気タ
ービンに供給することが当該プラントのメリットを発揮
する上で重要課題であり,このためにはガスタービンか
ら出る高温の排気ガスを出来るだけ高温のまま排気ボイ
ラーに導くことが必要となる。
【0005】ガスタービンから出る排気ガスは,従来の
1100℃級プラントでは最高温度で500〜600℃
程度であったが,1300℃級プラントでは600〜7
00℃に保った状態で排気ボイラーに導入することが要
求される。このため,かような高温の多量の排気ガスを
トラブルなく導くことができる排ガス管路を構成するこ
とが必要となる。
【0006】1100℃級プラントの排ガス管路部材と
しては, 2.25Cr-1.0Mo鋼やSUH409鋼などの耐熱鋼が使
用されてきたが, 上述のように排気ガス温度が600〜
700℃程度にまで上昇すると, 長時間使用によって排
ガス流による消音材の高温疲労破壊や自重による内板の
クリープ破壊を生じる可能性が大きくなる。
【0007】これらの各種破壊を防止するためには, ダ
クト部全体の設計変更を行なうか,もしくはより耐熱性
に優れた材料を適用する必要がある。前者に対しては,
基本的には板厚を厚くし, さらに応力集中部に補強材を
用いるよう対策を行うことになるが,この場合には材料
総重量の増加によるコスト増やダクト部の組立時におけ
る溶接施工の負荷が大きくなる。さらに, 使用材料の厚
肉化によりダクト部の熱損失が大きくなることから, 本
プラントの最大の特徴である高効率発電が達成できなく
なる可能性もある。
【0008】一方, 後者に対しては, 従来の低Crフエ
ライト系ステンレス鋼に代えてオーステナイト系ステン
レス鋼の適用が考えられる。しかし, オーステナイト系
ステンレス鋼は, 熱膨張係数が大きいため, 毎日稼働と
停止を繰り返す発電プラントでは, 溶接部の熱疲労破壊
が懸念され, 結果としてダクト部の設計変更も必要にな
ると考えられる。さらに, オーステナイト系ステンレス
鋼は, フエライト系ステンレス鋼に比べ高価であるた
め, 建設コストの増大も招くことになる。
【0009】以上のように, 現状では, 1300℃級コ
ンバインド発電プラントの建設には1100℃級プラン
トのダクト材から大幅な設計変更が必要であり, 設計変
更による発電効率の低下, 建設コストの上昇および現場
施工性の悪化を招くものと考えられる。もし, 板厚の増
大や補強材使用を行わずに1100℃級プラントと同様
な排ガス管路が開発されれば, 高効率発電プラントの早
期普及がより有望となると考えられる。本発明は, この
要望を満たすことを課題としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,燃焼ガ
スを作動流体とするガスタービンと,このガスタービン
の排気ガスを熱源とする排気ガスボイラーと,このボイ
ラーで発生する高圧蒸気で駆動する蒸気タービンと,該
ガスタービンと該蒸気タービンを結合して発電する発電
機とからなるコンバインドサイクル発電プラントにおい
て,圧縮空気とLNGを反応させて1300℃級の燃焼
ガスを発生させてこれを前記ガスタービンの作動流体と
し,このガスタービンの排気ガスを前記のボイラーに導
く排ガス管路の構成材料を次のステンレス鋼,すなわ
ち,質量%において, C:0.03%以下, Si:0.80%〜
1.20%, Mn:0.60%〜1.50%, Cr:11.0%〜15.0%,
Nb:0.20%〜0.80%, N:0.03%以下を含有し,場合
によっては更にCu:0.02%〜0.30%未満を含有し,且
つ 0.2≦Nb−8(C+N) ≦0.5 1.4≦Nb+1.2Si≦2.0 の関係を同時に満足するようにこれらの元素を含有し,
残部がFeおよび製造上の不可避的不純物からなるフエ
ライト系ステンレス鋼,で構成したことを特徴とする1
300℃級のコンバインドサイクル発電プラントを提供
する。
【0011】
【作用】本発明によれば,ガスタービンの排気ガスをボ
イラーに導く排ガス管路の構成材料として,請求項1に
記載した特定のフエライト系ステンレス鋼を使用するた
め,圧縮空気とLNGを反応させて約1300℃の高温
高圧ガスを発生させてこれを前記ガスタービンの作動流
体とする1300℃級のコンバインドサイクル発電プラ
ントであっても,この排ガス管路を通じて600〜70
0℃の高温の排ガスをボイラーに送気できる。この結
果,ボイラーでは高温の高圧蒸気を安定して取り出すこ
とができるようになり,高効率発電プラントが有利に構
築できる。
【0012】また,当該フエライト系ステンレス鋼を使
用することにより,従来の1100℃級プラントのもの
と同様に,材料特性的には十分な耐久性を具備する13
00℃級プラントの高温排ガス管路が経済的に構成でき
る。
【0013】
【実施例】図1にコンバインドサイクル発電プラントの
概略図を示した。1はガスタービン,2は圧縮機,3は
燃焼室であり,圧縮機2で高圧に圧縮された空気と燃料
4を燃焼室3に導いて高温高圧の燃焼ガスを発生させ,
この燃焼ガスを作動流体としてガスタービン1を駆動す
る。このガスタービン1の出力軸5は発電機6に接続さ
れ,その回転動力が発電機6の発電エネルギーに供され
る。
【0014】一方,7は蒸気タービンであり,その出力
軸も発電機6に接続され,その回転動力が発電機6の発
電エネルギーに供される。この蒸気タービン7に供給さ
れる高圧蒸気は,排気ガスボイラー8から高圧蒸気管路
9を経て供給される。10は復水器である。
【0015】排気ガスボイラー8には,その熱媒として
ガスタービン1からの排気ガスが導入され,この排気ガ
スを熱源として高圧蒸気が取り出される。ガスタービン
1の排気ガスを排気ガスボイラー8に導くためのに排ガ
ス管路11が施設されるが,この排ガス管路11は,ダ
クト部12a,12bとサイレンサ部13とからなって
いる。1300℃級プラントでは,この排ガス管路11
を通過する排気ガス温度は600〜700℃に保持され
る必要がある。
【0016】図2は,本発明に従うダクト部12とサイ
レンサ部13を図解して示したものである。サイレンサ
部13では外枠材で囲われるダクト内空間に消音部材1
4が内部に装着されているが,このサイレンサ部13の
みならずダクト部12も,その外枠材は内板材15と外
板材16との間に断熱材17を挟み込んだサンドウイッ
チ構造を有している。断熱材17はダクト内を通過する
排気ガスの放冷を防止し,600〜700℃に保持する
作用を果たす。
【0017】図3は外枠材の断面の一部を拡大して示し
たものである。図示のように,内板材15と断熱材17
は,溶接によって一体的に構成された外板材16から支
持具18によって支持されている。すなわち,内板材1
5は,適当な大きさの切り板を,各切り板の継目に適当
な隙間を設けたうえ,該隙間の位置で外板側に固定され
た支持具18によって,断熱材15を挟み込みながらそ
の端縁で支持される。支持具18は,一端が外板材16
の内面に溶接された支持棒19と,この支持棒19の他
端に溶接接合されたワッシャー部20とからなってい
る。
【0018】このような内板材15の支持構造を採用す
ることにより,内板材15の各隙間が,高温の排気ガス
に曝される時間帯と稼動停止時の低温時間帯との繰り返
しによって内板材が受ける熱ひずみ変形並びに自重によ
る変形を吸収する作用を果たすと共に,内板材同士の溶
接接合部を少なくすることができる結果,溶接割れの問
題を回避できる。
【0019】一方,内板材15が前記のように変形に対
して拘束を受けないような支持構造を採用すると,ダク
ト内を高速で流れる多量の排気ガス流によって,高い周
波数で振動するようになることは否めない。したがっ
て,内板材15の材料特性としては,高温排気ガスに繰
り返し曝されることによる耐熱性に加え,振動による高
温疲労特性に優れることが要求される。
【0020】消音部材14については,ダクト材に要求
される高温強度,耐熱性,高温疲労特性等の高温特性に
加え,溶接部の高温特性と更には穴あき加工のための打
抜き性等にも優れていなければならない。これは次のよ
うな理由による。
【0021】図4は消音部材14の構造例を図解したも
のであるが,ダクト内に取付けられる消音部材14は,
外皮材としてパンチング板14を用いた中空プレートの
形状を有しており,この中空プレートを排気ガスの流れ
と平行にダクト内に多数枚組み込むことによって排気ガ
スの渦流の発生を抑制し,且つ外皮板としてパンチング
板22を用いることにより,さらに消音効果をあげるよ
うになっている。
【0022】このパンチング板22は,短冊状の板を互
いにクロスしながらイゲタに組み込んだチャンネル構造
の枠組23に点溶接される。また枠組23は3〜9mmの
短冊状の板を隅肉溶接で結合したものであり,その空隙
には保温材が装填される。このようにパンチング加工が
なされ且つ多数の溶接部を有する消音部材14は穴あき
加工性,溶接部の高温強度,高温疲労強度,クリープ強
度等が併せて要求される。
【0023】このように,1300℃級プラントの排ガ
ス管路の場合には,1100℃級プラントの従来材料を
用いたのでは使用中に破損する可能性があり,そのまま
適用することはできず,ここに新たな材料開発が必要と
されたわけであるが,この課題は,質量%において,
C:0.03%以下, Si:0.80%〜1.20%, Mn:0.60%〜
1.50%, Cr:11.0%〜15.0%, Nb:0.20%〜0.80%,
N:0.03%以下を含有し且つ 0.2≦Nb−8(C+N) ≦
0.5 および 1.4≦Nb+1.2Si≦2.0の関係を同時に満足
するようにこれらの元素を含有し, 残部がFeおよび製
造上の不可避的不純物からなるフエライト系ステンレス
鋼を用いることによって解決された。
【0024】このフエライト系ステンレス鋼の各成分の
含有量範囲を定めた理由の概要は次のとおりである。
【0025】CおよびN:CおよびNは, 一般的にはク
リープ強度およびクリープ破断強度などの高温強度の対
しては最も有効な元素とされているが, その反面, 含有
量が多くなると耐酸化性, 加工性ならびに靭性が低下す
る。また, 後述するように,本発明プラントの場合に必
要な高温強度, つまり700℃で SUH 409 Lの600℃の0.2
%耐力と同等の値を得るためには, 0.2%以上の固溶Nb
が必要であるが,CおよびNを添加するとNbの添加量
も増加させる必要があり, 経済性のある鋼が製造できな
い。したがって, CおよびNは低い方が好ましく, それ
ぞれ0.03%以下とする。
【0026】Si:Siは高温疲労特性に特に有効であり
0.8%以上添加することにより高温疲労特性を大きく改
善する。また, 高温酸化特性および高温塩害特性にも有
効である。しかしSiを過剰に添加すると硬さが上昇し,
加工性および靭性が低下することから, Siの範囲は0.
8 %以上1.20%以下とする。
【0027】Mn:Mnは高温酸化特性とくに耐スケール
剥離性を改善するが, 過剰の添加は加工性および溶接性
が問題となる。十分な耐スケール剥離性を有し, なおか
つ加工性および溶接性に影響を及ぼさないようにMnの
範囲は0.60%以上1.50%以下とする。
【0028】Cr:Crはフエライト相を安定させるとと
もに, 高温用材料で重要視される耐酸化性の改善に不可
欠な元素である。耐酸化性の面からはCrは高いほど好
ましいが, 過剰に添加すると鋼の脆化を招き, また硬さ
の上昇によって加工性も劣化する。したがって, Crの
範囲は11.0%以上15.0%以下とする。
【0029】Nb:Nbは高温強度を維持させるのに必要
不可欠な元素である。しかも強力な炭窒化物生成元素で
あるため, 固溶強化により著しい高温強度の上昇を図る
ためには, CおよびNの低減化に加え, 0.2%以上のNb
の添加が必要である。しかし, Nbを過剰に添加すると
溶接高温割れ感受性が高くなる。十分な高温強度を維持
し, なおかつ溶接高温割れ感受性にさほど影響を及ぼさ
ないようにNbの範囲は, 0.2%以上0.8%以下とする。
【0030】Cu:Cuは低温靭性の改善に有効である。
本成分系の場合, Cuは微量添加での関係を満足するよ
うにこれらの元素を含有させるのがよい。
【0031】以下に,当該フエライト系ステンレス鋼の
各種特性を試験例を用いて具体的に説明する。
【0032】〔試験例〕表1に供試材の化学成分値を示
した。表中のD01からD05は本発明で規定する成分組成
の鋼, D06およびD07は(C+N,Nb,Si)の範囲が本
発明で規定する範囲から外れている比較鋼である。いず
れの鋼も真空溶解炉にて30kg溶製し, 鍛造, 熱延により
厚み 3.0mmの熱延鋼帯とした。これを1050℃で焼鈍した
うえ切断して鋼板とした後, 切削加工を行ってから各種
試験に供した。
【0033】表2に高温特性試験の結果と加工性試験の
結果を合わせて示した。高温引張試験はJIS G 0567に準
拠して700 ℃で行い, 高温疲労試験は JIS Z 2217 に準
拠して600 ℃で行った。加工性試験は,各鋼について曲
げ試験片を作製しJIS Z 2248の曲げ試験の押曲げ法にお
いて割れ発生までの曲げ角度で評価した。打抜き性は直
径10mm, クリアランス0.5 mmで打ち抜いた後のかえり高
さで評価した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表2の結果に見られるように,本発明材は
700℃の0.2%耐力が100N/mm2以上の高温強度を示して
いる。この値は従来の13Crフエライト系ステンレス鋼
板では得ることのできなかったものであり,従来の1100
℃級プラントの排ガス管路部材に使用されたSUH 409 L
鋼(表2のD6に相当するもの)の約2倍の高温強度特
性を有している。
【0037】また高温疲労特性についてみると,本発明
材はすべて200N/mm2で105 サイクル以上, 180N/mm2で10
7 サイクル以上の破損繰返し数を示し, 優れた高温疲労
特性を示すことがわかる。加工性についてみると, 本発
明材はすべて密着まで曲げ加工が可能であり, 高温強化
を図っても加工性の劣化は認められない。打抜き性につ
いても打抜き時の割れは発生せず, かえりも小さい。
【0038】これに対し, 比較鋼はいずれも良好な加工
性は示すものの高温強度および高温疲労特性が十分では
なく,本発明プラントの排ガス管路部材には使用できな
い。
【0039】さらに,表2のD02の3mmの熱延焼鈍板
を, 図3で説明した排ガス管路の内板材15,図4で説
明したパンチング板22とチャンネル部の枠組材23に
使用するため,これらの形状に曲げ加工,隅肉溶接およ
びパンチング加工を施した。その施工性をD07の6mmの
熱延焼鈍板を用いた場合と比較して表3に示した。なお
D07の溶接部には補強材を取付けた。
【0040】
【表3】
【0041】表3に見られるようにD02はD07に比べて
何ら遜色なく,曲げ加工, 隅肉溶接性が良好であり,パ
ンチング時に割れは発生せずに作製できた。
【0042】表4は,D02で構成した排ガス管路とD07
で構成した排ガス管路を使用した場合の発電プラントの
発電効率を比較したものである。D02を用いた場合には
耐熱性に優れるため, 燃焼温度および排気ガス温度の高
温化が可能であり, 高い発電効率が得られている。これ
に対し, D07を用いたものでは,D02より板厚を二倍に
し且つ溶接部の補強を行うことによってかなりの排ガス
温度まで使用可能であるが,それでもD02に比べると発
電効率は約2%(相対値)劣る。
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように, 本発明によれば,
燃焼ガス温度が1300℃級のコンバインドサイクル発
電プラントにおいて,排気ガスボイラーに供給する排ガ
ス温度を700℃に維持することができるようになり,
この結果,高い発電効率が達成できる。そして排ガス温
度700℃で長時間使用し, しかも毎日稼働と停止を繰
り返すような場合でも排ガス管路は十分な耐久性を示
し,排ガス管路の構造自体も特別に厚肉化や補強を要し
ないから経済的に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインドサイクル発電プラントの全体構成
を示す概略図である。
【図2】コンバインドサイクル発電プラントの排ガス管
路の一部を示す切欠斜視図である。
【図3】図2の排ガス管路の枠材の断面を拡大した図で
ある。
【図4】排ガス管路に装着される消音部材の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ガスタービン 2 圧縮機 3 燃焼器 5 タービン出力軸 6 発電機 7 蒸気タービン 8 排気ガスボイラー 10 復水器 11 排ガス管路 12 排ガスダクト 13 サイレンサ 14 消音部材 15 内板材 16 外板材 17 断熱材 22 パンチング板 23 チャンネル構造の枠材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02C 7/22 B 7910−3G (72)発明者 中村 定幸 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 奥 学 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 鳥谷 初 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼ガスを作動流体とするガスタービン
    と,このガスタービンの排気ガスを熱源とする排気ガス
    ボイラーと,このボイラーで発生する高圧蒸気で駆動す
    る蒸気タービンと,該ガスタービンと該蒸気タービンを
    結合して発電する発電機とからなるコンバインドサイク
    ル発電プラントにおいて,圧縮空気とLNGを反応させ
    て1300℃級の燃焼ガスを発生させてこれを前記ガス
    タービンの作動流体とし,このガスタービンの排気ガス
    を前記のボイラーに導く排ガス管路の構成材料を次のス
    テンレス鋼,すなわち,質量%において, C:0.03%以
    下, Si:0.80%〜1.20%, Mn:0.60%〜1.50%, C
    r:11.0%〜15.0%, Nb:0.20%〜0.80%, N:0.03%
    以下を含有し且つ 0.2≦Nb−8(C+N) ≦0.5 および 1.4≦Nb+1.2Si
    ≦2.0 の関係を同時に満足するようにこれらの元素を含有し,
    残部がFeおよび製造上の不可避的不純物からなるフエ
    ライト系ステンレス鋼,で構成したことを特徴とするコ
    ンバインドサイクル発電プラント。
  2. 【請求項2】 ステンレス鋼は,さらにCu:0.02%〜
    0.30%未満を含有する請求項1に記載のコンバインドサ
    イクル発電プラント。
  3. 【請求項3】 ステンレス鋼は,700℃の 0.2%耐力が1
    00N/mm2以上で且つ600℃の高温疲労における107サイク
    ル強さが180N/mm2以上の特性を有する請求項1または2
    に記載のコンバインドサイクル発電プラント。
JP13239993A 1993-05-12 1993-05-12 コンバインドサイクル発電プラント Withdrawn JPH06323108A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005015538A1 (ja) * 2003-08-07 2007-09-27 バブコック日立株式会社 ダクト壁構造

Cited By (2)

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