JPH06322806A - 局部洗浄装置付便器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 別個独立のプレ洗浄用ノズルを必要とせず、
良好な洗浄効果および脱臭効果を得ることのできる局部
洗浄装置付便器の提供を目的とする。 【構成】 外筒６内に収納される収納位置から、便器の
鉢面側へ突出する使用位置にわたり移動可能な内筒３を
備え、内筒３の先端には、用便者の局部に向かって洗浄
水を噴出させるシャワー孔２ａを上面に有し、下部外周
に鉢面に向かって洗浄水を噴出させるプレ洗浄孔２ｂを
有するノズル部２が設けられ、ノズル部２の上面を収納
位置において覆蓋するカバー突部１が便器側に設けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、局部洗浄装置付便器
の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来、局部洗浄装置付便器
は図７の断面概略図で示すように、便器本体５１には鉢
面５１ａとその後方に排水口５１ｂが形成されており、
便器本体５１の上面後方には便座ボックス５２が設けら
れており、この便座ボックス５２に開閉可能に便座５３
と便蓋５４が取付けられている。この便座ボックス５２
内の下部にはノズルが設けられており、図５の便座５３
を開けた状態の平面図において、また図６で要部を拡大
して示すように、中央部に鉢面５１ａ側へ突出してプレ
洗浄用ノズル５５が設けられ、その側方にシャワーノズ
ル５６とチャームノズル５７が設けられ、さらにシャワ
ーノズル５６の側方には温風吹出口５８が設けられてお
り、シャワーノズル５６は尻洗浄用の洗浄水を噴出させ
るものであり、またチャームノズル５７は女性局部洗浄
用の洗浄水を噴出させるものである。また、プレ洗浄用
ノズル５５は便座５３上に用便者が着座した時に、自動
的に先端から鉢面５１ａ側へ洗浄水を噴出させて鉢面５
１ａを濡らし、鉢面５１ａに汚物の汚れが付きにくい状
態とするものである。このように、従来においてはシャ
ワーノズル５６とは別個にプレ洗浄用ノズル５５を設け
る必要があり、部品点数が多く、構造が複雑化し、高価
なものになってしまうという問題点があった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、プレ洗浄用ノズルを別
体で設ける必要のない局部洗浄装置付便器を提供せんこ
とを目的とし、その要旨は、便器本体の鉢面の後方部位
に配設される外筒と、該外筒内に収納される収納位置か
ら前記鉢面側へ突出する使用位置にわたり摺動移動可能
な内筒とを備え、該内筒の先端には、前記使用位置にお
いて用便者の局部に向かって洗浄水を噴出させるシャワ
ー孔を上面に有し、下部外周に前記鉢面に向かって洗浄
水を噴出させるプレ洗浄孔を有するノズル部が設けられ
ているとともに、該ノズル部の上面を前記収納位置にお
いて覆蓋するカバー突部が便器本体側に設けられている
ことである。

【０００４】

【作用】内筒の先端にはノズル部が設けられ、このノズ
ル部は上面にシャワー孔を有するとともに、下部外周に
は鉢面に向かって洗浄水を噴出させるプレ洗浄孔が形成
されているため、内筒が鉢面側に突出する使用状態にお
いて、シャワー孔から用便者の局部に向かって洗浄水を
噴出させると同時に、プレ洗浄孔から鉢面に向かって洗
浄水が噴出されて鉢面を良好に洗浄することができ、鉢
面上に落下した汚物をこの洗浄水により排水口側へ良好
に落下させることができ、かつ、排水口周辺にプレ洗浄
孔から噴出される洗浄水により水のカーテンを形成させ
て臭気を遮断し、脱臭効果を向上させることができる。
また、内筒が収納される収納位置においては、便座への
用便者の着座と同時にシャワー孔およびプレ洗浄孔から
洗浄水を噴出させて鉢面を濡らし、汚れが付きにくい状
態とすることができ、シャワー孔から上方側へ噴出され
るシャワー水は、カバー突部に衝突して上方へ噴出する
ことが妨げられ、ノズル部の上面側を良好に洗浄するこ
とができる。

【０００５】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は便器本体５１の後方部位の便座ボックス５
２の下部に配置されるシリンダの収納位置における概略
構成図であり、また図２は内筒が突出した使用位置の状
態図であり、また図３は内筒の斜視図、また図４はシリ
ンダを構成する外筒の斜視図である。

【０００６】本例では、便座ボックス５２の前端側に下
方へ垂下状にカバー突部１が形成されたものとなってお
り、このカバー突部１の下面１ａは水平面となってお
り、この下面１ａの下方に、ノズル部２が収納位置にお
いて隙間Ｓを形成させて配置される構造となっており、
ノズル部２は図３の斜視図で示すように円筒状に形成さ
れ、その上面側にはシャワー孔２ａ，２ａ，２ａが複数
形成されており、また、ノズル部２の下部外周には窪み
状に凹溝２ｃが形成され、この凹溝２ｃには全周にわた
り所定間隔でプレ洗浄孔２ｂ，２ｂ，２ｂが形成された
ものとなっている。

【０００７】なお、ノズル部２の上面の面積は前記カバ
ー突部１の下面１ａの面積よりも小さく形成されてお
り、ノズル部２の上面側はカバー突部１で覆蓋できるも
のとなっている。ノズル部２には円筒状の内筒３が接続
されており、内筒３の他端部には外方へ拡径した鍔部３
ａ，３ｂが形成されており、この各鍔部３ａ，３ｂの外
周にはオーリングＯが嵌合されている。鍔部３ａ，３ｂ
間の内筒３には対向する位置に一対の通孔３ｃ，３ｄが
形成されており、一方側の通孔３ｃには外部より接続管
４を接続可能となっており、接続管４には外部から温水
が圧送される構造となっている。なお、図１で示すよう
に接続管４には、接続管４を開閉可能なプレ洗浄用電磁
弁５が設けられており、このプレ洗浄用電磁弁５は用便
者が便座５３上に着座した時に開作動されるように構成
されている。

【０００８】一方、シリンダを構成する外筒６が円筒状
に形成され、その内部には同心状に円筒状の内壁６ｂが
形成されており、この内壁６ｂと外壁６ａ間に水路Ｒが
形成されている。また、外壁６ａおよび内壁６ｂの前端
中央部には、貫通状に摺動孔６ｇが形成されており、他
端側の内壁６ｂの中心部には端面孔６ｄが形成され、端
面孔６ｄの外側の外壁６ａの中心部には外方へ突出する
突管部６ｆが形成されており、この突管部６ｆには外部
から接続管７が接続され、接続管７には外部から温水が
圧送される構造となっており、接続管７には接続管７を
開閉するシャワー用電磁弁８が設けられている。このシ
ャワー用電磁弁８は、用便者が図示しないシャワースイ
ッチをＯＮすることにより開作動されるものである。

【０００９】また、前記内壁６ｂの前端側には対向して
一対の通孔６ｃ，６ｃが形成されており、内壁６ｂの後
端部側の上面には貫通状に差込孔６ｅが形成されてい
る。この差込孔６ｅには前記接続管４が外壁６ａを貫通
して接続されるものであり、内壁６ｂ内には、前記内筒
３の鍔部３ａ，３ｂの外周が摺接し、オーリングＯによ
りシールされるものとなっている。内壁６ｂ内に内筒３
が収納された状態では、図１に示すように内壁６ｂの差
込孔６ｅの内側に内筒３の通孔３ｃが整合状態となる。
この状態で便座５３上に用便者が着座すると、前記プレ
洗浄用電磁弁５がＯＮされて開き、接続管４を通り外部
から洗浄水が差込孔６ｅ，通孔３ｃを通り内筒３内に流
入されて、洗浄水は先端のノズル部２に達し、ノズル部
２のシャワー孔２ａから上方へ噴出するとともに、プレ
洗浄孔２ｂからも噴出されることとなる。

【００１０】この内筒３の収納位置では図１に示すよう
に、シャワー孔２ａの上面にはカバー突部１が配置され
ているため、シャワー孔２ａから上方へ噴出する洗浄水
はカバー突部１の下面１ａに衝突して跳ね返り、上方側
への噴出が防がれるとともに、下面１ａに衝突して跳ね
返った洗浄水によりノズル部２の上面は良好に洗浄され
る。また、プレ洗浄孔２ｂから噴出される洗浄水は便器
本体５１の鉢面５１ａに霧状に噴出されて、鉢面５１ａ
を良好に濡らし、鉢面５１ａに汚れが付きにくい状態を
形成することができる。

【００１１】次に、用便後に用便者が図示しないシャワ
ースイッチをＯＮした時には、前記プレ洗浄用電磁弁５
は閉じられており、シャワー用電磁弁８が開かれ、この
時は図２に示すように接続管７を通し外部から温水が圧
送され、温水は外筒６の外壁６ａと内壁６ｂ間の水路Ｒ
を通り前方側へ流入し、かつ内壁６ｂの端面孔６ｄから
内壁６ｂ内部に入り、内筒３を外側へ押圧し、内筒３を
外筒６から前方側へ突出させることとなり、内筒３は便
器本体５１の鉢面５１ａ側に伸び出し、伸びきった状態
では内壁６ｂに形成されている通孔６ｃ，６ｃと内筒３
の通孔３ｃ，３ｄとが整合状態となり、この状態で水路
Ｒを通ってくる温水が通孔６ｃ，３ｃおよび６ｃ，３ｄ
を介して内筒３内に流入され、内筒３内に流入した温水
はさらにノズル部２に達してシャワー孔２ａから上方へ
噴出し、用便者の局部を洗浄することができ、同時にプ
レ洗浄孔２ｂから噴出される温水は、鉢面５１ａを洗浄
し、鉢面５１ａ上に溜まっている汚物を良好に排水口５
１ｂ側へ流して排水口５１ｂに落下させることができ、
落下させた後にも排水口５１ｂの上面側はプレ洗浄孔２
ｂから噴出される温水のカーテンにより、上方へ上昇し
ようとする臭いを遮断して、脱臭効果を得ることができ
る。用便者が例えば用便毎にシャワースイッチをＯＮし
たような場合には、その都度シャワー孔２ａから噴出す
る温水により用便者の局部を洗浄できるとともに、同時
に鉢面５１ａをプレ洗浄孔２ｂから噴出する洗浄水によ
り洗浄して、汚物を排水口５１ｂに落下させ、かつプレ
洗浄孔２ｂから噴出する洗浄水により水のスクリーンを
形成して、汚物からの臭いの戻りをなくして、脱臭効果
を向上させることができ、良好な便器の使用状態を得る
ことができる。

【００１２】なお、局部の洗浄後には、図示しないバネ
等を介し図１のように内筒３が外筒６内に収納されるた
め、この収納時にも自動的にプレ洗浄用電磁弁５が開く
ように制御すれば、シャワー孔２ａから上方へ噴出され
る洗浄水がカバー突部１の下面１ａで跳ね返って、シャ
ワー孔２ａの周辺を良好に洗浄することができ、ノズル
２に汚物が付着しているような場合にも、良好にノズル
部２を洗浄することができる。

【００１３】このように本例では、用便者の局部を洗浄
するためのシャワー水を噴出させるシャワー孔２ａとと
もに、鉢面５１ａに洗浄水を噴出するプレ洗浄孔２ｂを
ノズル２に設けたため、従来のように別個独立のプレ洗
浄用ノズル５５を必要とせず、部品点数が減少して構造
が簡単となり、コストを低減させることができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明の局部洗浄装置付便器は、便器本
体の鉢面の後方部位に配設される外筒と、該外筒内に収
納される収納位置から前記鉢面側へ突出する使用位置に
わたり摺動移動可能な内筒とを備え、該内筒の先端に
は、前記使用位置において用便者の局部に向かって洗浄
水を噴出させるシャワー孔を上面に有し、下部外周に前
記鉢面に向かって洗浄水を噴出させるプレ洗浄孔を有す
るノズル部が設けられているとともに、該ノズル部の上
面を前記収納位置において覆蓋するカバー突部が便器本
体側に設けられていることにより、使用位置において、
ノズル部のシャワー孔から用便者の局部に向かって洗浄
水を噴出させて局部を洗浄すると同時に、プレ洗浄孔か
ら便器の鉢面に向かって洗浄水を噴出させて鉢面を洗浄
し、鉢面上の汚物を良好に排水口に落下させることがで
き、しかもプレ洗浄孔から噴出される洗浄水により水の
スクリーンを形成して臭いの戻りをなくし、脱臭効果を
あげることができ、また内筒の収納位置においてはプレ
洗浄孔から良好に鉢面に洗浄水を噴出させて鉢面を濡ら
し、鉢面を汚れにくい状態とすることができ、またシャ
ワー孔から噴出する洗浄水はカバー突部の下面で跳ね返
り、良好にノズル部が洗浄されてノズル部を清潔な状態
に維持することが可能となる。また、従来のように別個
独立のプレ洗浄用ノズルを必要とせず、部品点数が減少
し、簡単な構造とし得る効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】便座ボックスの下部に配置されたシリンダの収
納位置の概略構成図である。

【図２】内筒が伸び出した使用位置における概略構成図
である。

【図３】内筒の斜視構成図である。

【図４】外筒の斜視構成図である。

【図５】従来の局部洗浄装置付便器の平面構成図であ
る。

【図６】図５のノズル部分の拡大図である。

【図７】従来の局部洗浄装置付便器の縦断面構成図であ
る。

【符号の説明】 １ カバー突部 １ａ 下面 ２ ノズル部 ２ａ シャワー孔 ２ｂ プレ洗浄孔 ３ 内筒 ３ａ，３ｂ 鍔部 ３ｃ 通孔 ４ 接続管 ５ プレ洗浄用電磁弁 ６ 外筒 ６ａ 外壁 ６ｂ 内壁 ６ｃ 通孔 ６ｄ 端面孔 ７ 接続管 ８ シャワー用電磁弁 ５１ 便器本体 ５１ａ 鉢面 ５１ｂ 排水口 ５２ 便座ボックス ５３ 便座 Ｓ 隙間 Ｒ 水路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 便器本体の鉢面の後方部位に配設される
   外筒と、該外筒内に収納される収納位置から前記鉢面側
   へ突出する使用位置にわたり摺動移動可能な内筒とを備
   え、該内筒の先端には、前記使用位置において用便者の
   局部に向かって洗浄水を噴出させるシャワー孔を上面に
   有し、下部外周に前記鉢面に向かって洗浄水を噴出させ
   るプレ洗浄孔を有するノズル部が設けられているととも
   に、該ノズル部の上面を前記収納位置において覆蓋する
   カバー突部が便器本体側に設けられていることを特徴と
   する局部洗浄装置付便器。