JPH06322407A - 超硬粉末射出成形に用いるバインダ - Google Patents
超硬粉末射出成形に用いるバインダInfo
- Publication number
- JPH06322407A JPH06322407A JP14532593A JP14532593A JPH06322407A JP H06322407 A JPH06322407 A JP H06322407A JP 14532593 A JP14532593 A JP 14532593A JP 14532593 A JP14532593 A JP 14532593A JP H06322407 A JPH06322407 A JP H06322407A
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- ultra
- injection molding
- cemented carbide
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 超硬原料粉末中のコバルト粉末の酸化を防止
し、クラックの無い健全な超硬粉末射出成形品を得る。 【構成】 超硬原料粉末とバインダとの混合物を射出成
形し、これを脱バインダした後焼結して超硬製品を製造
するに際し、前記バインダの組成が、ポリプロピレンを
35〜55重量パーセント,低分子量ポリスチレンを1
0〜20重量パーセント,パラフィンワックスを20〜
40重量パーセント,ジオクチルフタレートを1〜2重
量パーセントであることを特徴とするものである。本発
明で利用する、前記低分子量ポリスチレンの平均分子量
は750、前記パラフィンワックスの融点は摂氏45度
のものを用いることができ、脱バインダ時に於いて逐次
分解又は気化するため最適である。
し、クラックの無い健全な超硬粉末射出成形品を得る。 【構成】 超硬原料粉末とバインダとの混合物を射出成
形し、これを脱バインダした後焼結して超硬製品を製造
するに際し、前記バインダの組成が、ポリプロピレンを
35〜55重量パーセント,低分子量ポリスチレンを1
0〜20重量パーセント,パラフィンワックスを20〜
40重量パーセント,ジオクチルフタレートを1〜2重
量パーセントであることを特徴とするものである。本発
明で利用する、前記低分子量ポリスチレンの平均分子量
は750、前記パラフィンワックスの融点は摂氏45度
のものを用いることができ、脱バインダ時に於いて逐次
分解又は気化するため最適である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超硬粉末射出成形用の
バインダに関し、詳しくは、用いるバインダの組成を工
夫したものである。
バインダに関し、詳しくは、用いるバインダの組成を工
夫したものである。
【0002】
【従来の技術】超硬粉末射出成形用のバインダとして
は、開示されておらず、金属粉末射出成形に用いるバイ
ンダの一種であるポリプロピレン,カルナウバワック
ス,パラフィンワックス,ジオクチルフタレートの混合
物を、バインダーとして使用することが考えられる。
は、開示されておらず、金属粉末射出成形に用いるバイ
ンダの一種であるポリプロピレン,カルナウバワック
ス,パラフィンワックス,ジオクチルフタレートの混合
物を、バインダーとして使用することが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たバインダを用いて射出成形した後、窒素や不活性ガス
等の非酸化性雰囲気中にて脱バインダを行うと、超硬原
料粉末に含まれるコバルト粉末は、バインダに含まれる
酸素により酸化し、粒子径が増大することによりクラッ
クが発生するため健全な焼結体を得ることができないの
である。
たバインダを用いて射出成形した後、窒素や不活性ガス
等の非酸化性雰囲気中にて脱バインダを行うと、超硬原
料粉末に含まれるコバルト粉末は、バインダに含まれる
酸素により酸化し、粒子径が増大することによりクラッ
クが発生するため健全な焼結体を得ることができないの
である。
【0004】本発明は、前記問題を解決すべくなされた
ものであり、クラックの無い超硬粉末射出成形品を得る
ことを目的とするものである。
ものであり、クラックの無い超硬粉末射出成形品を得る
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、超硬原料粉末
とバインダとの混合物を射出成形し、これを脱バインダ
した後焼結して超硬製品を製造するに際し、前記バイン
ダの組成が、ポリプロピレンを35〜55重量パーセン
ト,低分子量ポリスチレンを10〜20重量パーセン
ト,パラフィンワックスを20〜40重量パーセント,
ジオクチルフタレートを1〜2重量パーセントであるこ
とを特徴とするものである。
とバインダとの混合物を射出成形し、これを脱バインダ
した後焼結して超硬製品を製造するに際し、前記バイン
ダの組成が、ポリプロピレンを35〜55重量パーセン
ト,低分子量ポリスチレンを10〜20重量パーセン
ト,パラフィンワックスを20〜40重量パーセント,
ジオクチルフタレートを1〜2重量パーセントであるこ
とを特徴とするものである。
【0006】本発明で、利用する、前記低分子量ポリス
チレンの平均分子量が750、前記パラフィンワックス
の融点が摂氏45度のものを用いることができ、脱バイ
ンダ時に於いて逐次分解又は気化するため最適である。
チレンの平均分子量が750、前記パラフィンワックス
の融点が摂氏45度のものを用いることができ、脱バイ
ンダ時に於いて逐次分解又は気化するため最適である。
【0007】
【作用】本発明によるバインダと超硬原料粉末とを混練
した後、射出成形した成形体を、窒素又は不活ガス性雰
囲気中において徐々に加熱すると、摂氏約150度から
バインダが分解又は気化を開始し脱バインダが進行す
る、摂氏約450度まで達すると脱バインダは完了す
る。この温度範囲に於いて超硬原料粉末に含まれるコバ
ルト粉末は、非常に活性な状態であり、酸素が存在する
と速やかに酸化してしまう。
した後、射出成形した成形体を、窒素又は不活ガス性雰
囲気中において徐々に加熱すると、摂氏約150度から
バインダが分解又は気化を開始し脱バインダが進行す
る、摂氏約450度まで達すると脱バインダは完了す
る。この温度範囲に於いて超硬原料粉末に含まれるコバ
ルト粉末は、非常に活性な状態であり、酸素が存在する
と速やかに酸化してしまう。
【0008】しかし、前記バインダ中に含まれる酸素の
量は、0.16〜0.32重量パーセントと低く、コバ
ルト粉末の酸化は表面のみの僅かにとどまる。この時の
成形体強度は非常に低い状態にあるが、酸化によるコバ
ルト粉末の粒子径の変化は小さいためクラックが発生す
ることはない。脱バインダ完了後、炉内の真空度を0.
01トル以下に保ちながら更に昇温すると、コバルト粉
末の表面のコバルト酸化物は速やかに還元され、摂氏約
1250度以上に到達させると、コバルトと炭化タング
ステンは、液相を形成し焼結が進行し、焼結温度におい
て所定時間保持する事によりクラックの無い健全な超硬
の焼結体を得ることができるのである。
量は、0.16〜0.32重量パーセントと低く、コバ
ルト粉末の酸化は表面のみの僅かにとどまる。この時の
成形体強度は非常に低い状態にあるが、酸化によるコバ
ルト粉末の粒子径の変化は小さいためクラックが発生す
ることはない。脱バインダ完了後、炉内の真空度を0.
01トル以下に保ちながら更に昇温すると、コバルト粉
末の表面のコバルト酸化物は速やかに還元され、摂氏約
1250度以上に到達させると、コバルトと炭化タング
ステンは、液相を形成し焼結が進行し、焼結温度におい
て所定時間保持する事によりクラックの無い健全な超硬
の焼結体を得ることができるのである。
【0009】
【実施例】平均粒子径が6.2ミクロンの炭化タングス
テン90重量パーセントと平均粒子径が1.5ミクロン
のコバルト10重量パーセントとをアセトン中ボールミ
ルにより120時間混合した後、アルゴンガス気流中に
て乾燥し原料粉末を調製した。
テン90重量パーセントと平均粒子径が1.5ミクロン
のコバルト10重量パーセントとをアセトン中ボールミ
ルにより120時間混合した後、アルゴンガス気流中に
て乾燥し原料粉末を調製した。
【0010】前記原料粉末を100重量部として、表1
に示す配合比のバインダーを5.5重量部加えて、摂氏
170度に保持した加圧ニーダにより30分間混練を行
い5種類の混練体を得た。
に示す配合比のバインダーを5.5重量部加えて、摂氏
170度に保持した加圧ニーダにより30分間混練を行
い5種類の混練体を得た。
【0011】
【表1】
【0012】得られた混練体は、冷却した後粉砕機によ
り約5ミリメートル程度の大きさに粉砕してペレットを
作製した。得られたペレットは、射出成形機に入れ、射
出温度摂氏180度,射出圧力1300キログラム/平
方センチメートルにて、摂氏60度に保持した金型内に
圧入し、充分冷却した後取り出し、成形体を得た。
り約5ミリメートル程度の大きさに粉砕してペレットを
作製した。得られたペレットは、射出成形機に入れ、射
出温度摂氏180度,射出圧力1300キログラム/平
方センチメートルにて、摂氏60度に保持した金型内に
圧入し、充分冷却した後取り出し、成形体を得た。
【0013】該成形体は、脱脂焼結兼用炉を用い50ト
ルの窒素雰囲気下において60時間かけて摂氏450度
迄昇温し、この摂氏450度を2時間保持し脱バインダ
を完了した。その後炉内を0.001〜0.0001ト
ルの真空に保持しながら1時間当たり摂氏200度の速
度にて摂氏1400度迄昇温し2時間保持した後冷却し
て焼結体を得た。
ルの窒素雰囲気下において60時間かけて摂氏450度
迄昇温し、この摂氏450度を2時間保持し脱バインダ
を完了した。その後炉内を0.001〜0.0001ト
ルの真空に保持しながら1時間当たり摂氏200度の速
度にて摂氏1400度迄昇温し2時間保持した後冷却し
て焼結体を得た。
【0014】得られた5種類のバインダの配合から作製
した焼結体は、いづれも密度が14.4グラム/立方セ
ンチメートルであり、クラックの無い健全な焼結体であ
った。
した焼結体は、いづれも密度が14.4グラム/立方セ
ンチメートルであり、クラックの無い健全な焼結体であ
った。
【0015】実施例と同様にして、表1に示す比較例1
の配合のバインダを用いて実施したが、脱バインダ途中
に於けるコバルト粉末の著しい酸化により、コバルト粉
末が膨張したためクラックが発生し、健全な焼結体は得
られなかった。
の配合のバインダを用いて実施したが、脱バインダ途中
に於けるコバルト粉末の著しい酸化により、コバルト粉
末が膨張したためクラックが発生し、健全な焼結体は得
られなかった。
【0016】
【発明の効果】本発明による、超硬粉末射出成形に用い
るバインダは、以下のような著効を奏ずる。 1)焼結時に於いて焼結品の酸素量が少ないため一酸化
炭素や二酸化炭素の形で形成される気孔が少ない。 2)ポリプロピレンや低分子量ポリスチレンをバインダ
ーに多く使用しているため、成形体の強度が高くハンド
リングが容易になる。
るバインダは、以下のような著効を奏ずる。 1)焼結時に於いて焼結品の酸素量が少ないため一酸化
炭素や二酸化炭素の形で形成される気孔が少ない。 2)ポリプロピレンや低分子量ポリスチレンをバインダ
ーに多く使用しているため、成形体の強度が高くハンド
リングが容易になる。
Claims (3)
- 【請求項1】 超硬原料粉末とバインダとの混合物を射
出成形し、これを脱バインダした後焼結して超硬製品を
製造するに際し、前記バインダの組成が、ポリプロピレ
ンを35〜55重量パーセント,低分子量ポリスチレン
を10〜30重量パーセント,パラフィンワックスを2
0〜40重量パーセント,ジオクチルフタレートを1〜
2重量パーセントである超硬粉末射出成形に用いるバイ
ンダ。 - 【請求項2】 前記低分子量ポリスチレンの平均分子量
が750である請求項1記載の超硬粉末射出成形に用い
るバインダ。 - 【請求項3】 前記パラフィンワックスの融点が摂氏4
5度である請求項1記載の超硬粉末射出成形に用いるバ
インダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14532593A JPH06322407A (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | 超硬粉末射出成形に用いるバインダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14532593A JPH06322407A (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | 超硬粉末射出成形に用いるバインダ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06322407A true JPH06322407A (ja) | 1994-11-22 |
Family
ID=15382557
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14532593A Pending JPH06322407A (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | 超硬粉末射出成形に用いるバインダ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06322407A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007314870A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-12-06 | Toyo Kohan Co Ltd | 硬質合金焼結体の製造方法及び硬質合金焼結体 |
-
1993
- 1993-05-11 JP JP14532593A patent/JPH06322407A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007314870A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-12-06 | Toyo Kohan Co Ltd | 硬質合金焼結体の製造方法及び硬質合金焼結体 |
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