JPH06322075A - ポリアミン樹脂及びその製造方法 - Google Patents

ポリアミン樹脂及びその製造方法

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JPH06322075A
JPH06322075A JP13277293A JP13277293A JPH06322075A JP H06322075 A JPH06322075 A JP H06322075A JP 13277293 A JP13277293 A JP 13277293A JP 13277293 A JP13277293 A JP 13277293A JP H06322075 A JPH06322075 A JP H06322075A
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JP
Japan
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group
general formula
aromatic
aliphatic
heterocyclic group
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JP13277293A
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English (en)
Inventor
Kunio Mori
邦夫 森
Yoshiyuki Oishi
好行 大石
Hirotsugu Sekiguchi
洋嗣 関口
Hiroshi Amano
博 天野
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NAGASE CHIBA KK
Original Assignee
NAGASE CHIBA KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 低表面エネルギーと低いガラス転移温度を有
し、各種有機溶媒に可溶で低吸湿性の新規なポリアミン
樹脂及びその製造方法を提供する。 【構成】 2個以上のエポキシ基を含有するポリエポキ
シ化合物と一般式(I) R1−NHR2(I) (式中、R1は水素、脂肪族基、芳香族基又は複素環基
を示し、R2は脂肪族基、芳香族基及び/又は複素環基
が置換基として結合した置換シリル基を示す)で表わさ
れるアミン化合物との反応物からなる、分子中に一般式
(II) (式中、R1及びR2は前記と同じ意味を有する)で表わ
される骨格構造を1〜1000個含有することを特徴と
するポリアミン樹脂。2個以上のエポキシ基を有するポ
リエポキシ化合物と、上記式(I)で表わされるアミン
化合物を有機溶媒の存在下又は不存在下で反応させるこ
とを特徴とする前記ポリアミン樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアミン樹脂、特に有
機溶媒に可溶で、なおかつ低い表面エネルギーと低いガ
ラス転移温度を有する低吸湿性の新規なポリアミン樹脂
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミン樹脂及びその製造方法は、例
えば高分子化学、第17巻、第187号、703ページ
(1960年)などによって公知である。このような従
来のポリアミン樹脂は極性が大きく、高いガラス転移温
度を有し、有機溶媒に対する低い溶解性を示し、また高
い表面エネルギーを示すため、その成形性及び吸湿性に
問題があり、このことがポリアミン樹脂の工業的利用を
妨げる大きな原因となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低表面エネ
ルギーと低いガラス転移温度を有し、各種有機溶媒に可
溶で低吸湿性の新規なポリアミン樹脂及びその製造方法
を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低表面エ
ネルギーと低いガラス転移温度を有し、各種有機溶媒に
可溶で低吸湿性の新規なポリアミン樹脂を製造するべく
鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。即ち、本発明
によれば、2個以上のエポキシ基を含有するポリエポキ
シ化合物と一般式(I) R1−NHR2 (I) (式中、R1は水素、脂肪族基、芳香族基又は複素環基
を示し、R2は脂肪族基、芳香族基及び/又は複素環基
が置換基として結合した置換シリル基を示す)で表わさ
れるアミン化合物との反応物からなる、分子中に一般式
(II) (式中、R1及びR2は前記と同じ意味を有する)で表わ
される骨格構造を1〜1000個含有することを特徴と
するポリアミン樹脂が提供される。
【0005】また、本発明によれば、2個以上のエポキ
シ基を有するポリエポキシ化合物と、一般式(I) R1−NHR2 (I) (式中、R1は水素、脂肪族基、芳香族基又は複素環基
を示し、R2は脂肪族基、芳香族基及び/又は複素環基
が置換基として結合した置換シリル基を示す)で表わさ
れるアミン化合物を有機溶媒の存在下又は不存在下で反
応させ、分子中に一般式 (式中、R1及びR2は前記と同じ意味を有する)で表わ
される骨格構造を1〜1000個含有するポリアミン樹
脂を生成させることを特徴とするポリアミン樹脂の製造
方法が提供される。
【0006】本発明で用いるポリエポキシ化合物として
は、従来公知の各種のもの、特に、エポキシ樹脂の製造
用原料として用いられているポリエポキシ化合物であれ
ばどのようなものでも使用可能である。このようなポリ
エポキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパンジ
グリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンジグリシジルエーテル、レゾルシノール
ジグリシジルエーテル、フロログリシノールトリグリシ
ジルエーテル、トリヒドロキシビフェニルトリグリシジ
ルエーテル、テトラグリシジルベンゾフェノン、ビスレ
ゾルシノールテトラグリシジルエーテル、テトラメチル
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルCジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフル
オロアセトンジグリシジルエーテル、1,3−ビス〔1
−(2,3−エポキシプロパキシ)−1−トリフルオロ
メチル−2,2,2−トリフルオロエチル〕ベンゼン、
1,4−ビス〔1−(2,3−エポキシプロパキシ)−
1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロメ
チル〕ベンゼン、4,4’−ビス(2,3−エポキシプ
ロポキシ)オクタフルオロビフェニル、フェノールノボ
ラック型ビスエポキシ化合物等の芳香族系グリシジルエ
ーテル化合物;アリサイクリックジエポキシアセター
ル、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイ
クリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘ
キセンジオキシド等の脂環式ポリエポキシ化合物;ジグ
リシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレ
ート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジメチル
グリシジルフタレート、ジメチルグリシジルヘキサヒド
ロフタレート、ジグリシジル−p−オキシベンゾエー
ト、ジグリシジルシクロペンタン−1,3−ジカルボキ
シレート、ダイマ一酸グリシジルエステル等のグリシジ
ルエステル化合物;ジグリシジルアニリン、ジグリシジ
ルトルイジン、トリグリシジルアミノフェノール、テト
ラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジグリシジル
トリブロムアニリン等のグリシジルアミン化合物;ジグ
リシジルヒダントイン、グリシジルグリシドオキシアル
キルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレート等
の複素環式エポキシ化合物等が例示される。
【0007】本発明においては、下記一般式IVで表わさ
れるビスエポキシ化合物を好ましく用いることができ
る。
【化2】 (式中、Xは脂肪族基、芳香族基又は複素環基である。
また脂肪族基には、鎖状の脂肪族基と環状の脂肪族基が
包含される。)
【0008】脂肪族基としては、鎖状又は環状の脂肪族
2価アルコールから誘導される脂肪族2価アルコール残
基、鎖状又は環状の脂肪族2価チオアルコールから誘導
される脂肪族2価チオアルコール残基、オキシカルボン
酸から誘導されるオキシカルボン酸残基、メルカプトア
ルコールから誘導されるメルカプトアルコール残基、メ
ルカプトカルボン酸から誘導されるメルカプトカルボン
酸残基、脂環式2価カルボン酸から誘導される脂環式2
価カルボン酸残基、脂環式2価アルコールから誘導され
る脂環式2価アルコール残基等が挙げられる。これらの
脂肪族残基を与える具体的化合物を例示すると、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリブチレングリコール、チオグリコール、液状
チオコール(液状ポリサルファイド)、トリグリコー
ル、ジメルカプタン、グリコール酸、チオグリコール
酸、メルカプトプロピオン酸、ヘキサヒドロフタル酸、
シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサ
ン−1,4−ジカルボン酸、シクロペンタン−1,3−
ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、オクタヒドロナ
フタレンジカルボン酸、ビシクロアルカンジカルボン酸
等が挙げられる。
【0009】芳香族基としては、芳香族2価フェノール
から誘導される芳香族2価フェノール残基、芳香族2価
カルボン酸から誘導される芳香族2価カルボン酸残基、
オキシ芳香族カルボン酸から誘導されるオキシ芳香族カ
ルボン酸残基、芳香族アミンから誘導される芳香族アミ
ン残基等が挙げられる。これらの芳香族残基を与える具
体的化合物を例示すると、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノ
ールA、テレフタル酸、フタル酸、p−オキシ安息香
酸、アニリン、トリブロモアニリン、トルイジン等が挙
げられる。複素環基としては、ヒダントインから誘導さ
れるヒダントイン残基、例えば、ジメチルヒダントイ
ン、メチルエチルヒダントイン、ペンタメチレンヒダン
トイン等のヒダントイン化合物から誘導される残基を例
示することができる。
【0010】本発明で反応原料として用いるアミン化合
物を表わす前記一般式(I)において、R1としては、
水素、脂肪族基、芳香族基又は複素環基が用いられる。
脂肪族基としては、メチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノ
ニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テ
トラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシ
ル、オクタデシル、ビニル、プロペニル、アリル、イソ
プロペニル、ブテニル、ペンテニル、エチニル等の炭素
数1〜22の鎖状脂肪族基;シクロプロピル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル等の環状脂
肪族基を例示することができる。芳香族基としては、フ
ェニル、トリル、キシリル、メシチル、メトキシフェニ
ル、シアノフェニル、ニトロフェニル、クメニル、ベン
ジル、メチルベンジル、メトキシベンジル、シアノベン
ジル、ニトロベンジル、フェニルエチル、α−メチルベ
ンジル、ジフェニルメチル、トリチル、スチリル、シン
ナミル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等を例
示することができる。複素環基としては、フリル、フル
フリル、チエニル、テニル、ピロリル、ピリジル等を例
示することができる。
【0011】一般式(I)におけるR2は、ケイ素原子
に脂肪族基、芳香族基及び/又は複素環基が少なくとも
一個結合した置換シリル基を示すが、この場合の脂肪族
基、芳香族基及び複素環基の具体例としては、前記した
ものを例示することができる。置換シリル基の具体例と
しては、例えば、ジメチルシリル基、トリメチルシリル
基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、t−
ブチルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、トリ
フェニルシリル基、シクロヘキシルジメチルシリル基、
ベンジルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル
基、フリルジメチルシリル基、ピリジルジメチルシリル
基等を挙げることができる。
【0012】本発明のポリアミン樹脂は、前記したポリ
エポキシ化合物に対し、前記一般式(I)で表わされる
アミン化合物を反応させることにより得ることができ
る。アミン化合物としては、前記一般式(I)のアミン
化合物を単独で使用することもできるし、二種以上を混
合して使用することもできる。また、20〜99モル%
の前記一般式(I)のR2が置換シリル基であるアミン
化合物に、80〜1モル%のR2が水素からなるアミン
化合物を混合することもできる。前記一般式(I)のR
2が水素からなるアミン化合物を混合して併用する場
合、前記一般式(I)からなるアミン成分が20モル%
未満となると本発明のポリアミン樹脂の特徴である低表
面エネルギー、低ガラス転移温度及び有機溶媒への良好
な溶解性の点で劣るようになる。前記一般式(I)で表
されるアミン化合物を単独で使用し、ポリエポキシ化合
物の二種以上を混合して使用することもできる。
【0013】本発明におけるポリエポキシ化合物と一般
式(I)で表わされるアミン化合物との反応は、有機溶
媒の存在下又は不存在下において、0〜250℃、好ま
しくは60〜160℃の温度で実施される。この場合、
得られるポリアミン樹脂の分子量は、アミン化合物とポ
リエポキシ化合物の仕込み量に依存し、これらの反応成
分を等モル量にすると高分子量のポリアミン樹脂を製造
することができる。有機溶媒としては、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミ
ド系溶媒、ベンゼン、アニソール、ジフェニルエーテ
ル、ニトロベンゼン、ベンゾニトリルのような芳香族系
溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロ
ロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンのよう
なハロゲン化炭化水素系溶媒、テトラメチルスルホン等
のイオウ系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル系溶媒、さらにアセトン、メチルエチルケトン
等のケトン系溶媒等を例示することができる。
【0014】本発明で得られるポリアミン樹脂は、その
分子中に、前記一般式(II)で表わされる骨格構造を1
〜1000個含有するものである。この骨格構造が10
00個を超えると、有機溶媒への溶解性及び成形性が劣
るようになるので、一般式(II)で表わされる骨格構造
は1〜1000個の範囲に規定するのがよい。本発明に
おいて、ポリエポキシ化合物として、一般式(IV)で
表わされるビスエポキシ化合物を用いるときには、下記
一般式(III)で表わされるポリアミン樹脂を得ること
ができる。
【化1】 (式中、R1、R2、X及びnは前記と同じ意味を有す
る。)
【0015】本発明のポリアミン樹脂は原料として用い
たポリエポキシ化合物及びアミン化合物の種類により、
その有機溶媒への溶解性、ガラス転移温度及び表面エネ
ルギーが変化する。本発明のポリアミン樹脂は、一般的
には、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、
ジクロロメタン等の有機溶媒の全て又は一部に可溶性を
示し、−10℃〜100℃付近のガラス転移温度を有
し、かつ40〜50erg/cm2付近の低い表面エネ
ルギーを有している。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0017】実施例1 3.80g(0.01mol)のビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンジグリシジルエーテル(分子量38
0)と2.22g(0.01mol)のN−トリメチル
シリル−4−フェニルブチルアミンを窒素気流下、10
0℃で12時間反応させることによりポリアミン樹脂を
収率99%で得た。この樹脂の物性を以下に示す。 (1)赤外線吸収スペクトル:1106cm-1(C−
N)、983cm-1(Si−O)、841cm-1(Si
−CH3) (2)1H−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3):0.
20ppm(s、9H,Si−CH3)、1.53−
1.83ppm(m,11H,C−CH3,C−CH2
C)、2.5−2.9ppm(m,8H,N−CH2
Ph−CH2)、3.8−4.2ppm(m,7H,O
−CH,O−CH2)、6.8−7.2ppm(m,1
4H、芳香環) (3)固有粘度:0.25dL/g(テトラヒドロフラ
ン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (4)分子量 重量平均分子量(Mw):28,200 数平均分子量(Mn):8,100 分子量分布(Mw/Mn):3.5 (5)ガラス転移温度(示差走査熱量測定):29℃ このポリアミン樹脂は、テトラヒドロフラン、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、トルエンに可溶で、テトラヒド
ロフラン溶液から無色透明なキャストフィルムを作成し
た。フィルムに対する水及びヨウ化メチレンの接触角
は、それぞれ82.3度と44.2度で、表面エネルギ
ーは44.6erg/cm2であった。
【0018】実施例2 3.80g(0.01mol)のビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンジグリシジルエーテル(分子量38
0)と1.79g(0.01mol)のN−トリメチル
シリルベンジルアミンを窒素気流下、100℃で12時
間反応させることによりポリアミン樹脂を99%の収率
で得た。この樹脂の物性を以下に示す。 (1)赤外線吸収スペクトル:1069cm-1(C−
N)、984cm-1(Si−O)、840cm-1(Si
−CH3) (2)1H−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3):0.
20ppm(s、9H,Si−CH3)、1.69pp
m(s、7H,C−CH3)、2.5−2.9ppm
(m,4H,N−CH2)、3.8−4.2ppm
(m,9H,O−CH,O−CH2、Ph−CH2)、
6.6−7.1ppm(m,14H、芳香環) (3)固有粘度:0.24dL/g(テトラヒドロフラ
ン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (4)分子量 重量平均分子量(Mw):28,000 数平均分子量(Mn):7,000 分子量分布(Mw/Mn):4.0 (5)ガラス転移温度(示差走査熱量測定):43℃ このポリアミン樹脂は、テトラヒドロフラン、クロロホ
ルム、トルエンに可溶で、テトラヒドロフラン溶液から
無色透明なキャストフィルムを作成した。フィルムに対
する水及びヨウ化メチレンの接触角は、それぞれ91.
5度と39.4度で、表面エネルギーは49.7erg
/cm2であった。
【0019】実施例3 実施例2と同じ試薬を用い、120℃で12時間反応さ
せることによりポリアミン樹脂を得た。この樹脂につい
ての赤外線吸収スペクトル及び1H−核磁気共鳴スペク
トルの結果より、実施例2と同じ構造のポリアミン樹脂
であることを確認した。この樹脂の分子量特性を以下に
示す。 重量平均分子量(Mw):36,900 数平均分子量(Mn):10,500 分子量分布(Mw/Mn):3.5
【0020】実施例4 実施例2と同じ試薬を用い、140℃で12時間反応さ
せることによりポリアミン樹脂を得た。この樹脂につい
ての赤外線吸収スペクトル及び1H−核磁気共鳴スペク
トルの結果より、実施例2と同じ構造のポリアミン樹脂
であることを確認した。この樹脂の物性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.28dL/g(テトラヒドロフラ
ン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):41,400 数平均分子量(Mn):14,300 分子量分布(Mw/Mn):2.9
【0021】実施例5 実施例2と同じ試薬を用い、160℃で12時間反応さ
せることによりポリアミン樹脂を得た。この樹脂につい
ての赤外線吸収スペクトル及び1H−核磁気共鳴スペク
トルの結果より、実施例2と同じ構造のポリアミン樹脂
であることを確認した。この樹脂の分子量特性を以下に
示す。 重量平均分子量(Mw):27,500 数平均分子量(Mn):11,600 分子量分布(Mw/Mn):2.4
【0022】実施例6 3.80g(0.01mol)のビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンジグリシジルエーテル(分子量38
0)と1.65g(0.01mol)のN−トリメチル
シリルアニリンを窒素気流下、100℃で12時間反応
させることによりポリアミン樹脂を99%の収率で得
た。この樹脂の物性を以下に示す。 (1)赤外線吸収スペクトル:1100cm-1(C−
N)、985cm-1(Si−O)、841cm-1(Si
−CH3) (2)固有粘度:0.14dL/g(テトラヒドロフラ
ン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (3)分子量 重量平均分子量(Mw):1,800 数平均分子量(Mn):1,400 分子量分布(Mw/Mn):1.3 (4)ガラス転移温度(示唆走査熱量測定):−2.8
℃ このポリアミン樹脂は、テトラヒドロフラン、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、トルエンに可溶であった。
【0023】実施例7 3.40g(0.01mol)のビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタンジグリシジルエーテル(分子量34
0)と1.79g(0.01mol)のN−トリメチル
シリルベンジルアミンを窒素気流下、100℃で12時
間反応させることによりポリアミン樹脂を99%の収率
で得た。この樹脂の物性を以下に示す。 (1)赤外線吸収スペクトル:1070cm-1(C−
N)、985cm-1(Si−O)、840cm-1(Si
−CH3) (2)1H−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3):0.
20ppm(s、9H,Si−CH3)、2.6−2.
9ppm(m、4H,N−CH2)、3.7−4.1p
pm(m,11H,O−CH2,Ph−CH2,Ph−C
2−Ph)、6.8−7.4ppm(m,14H、芳
香環) (3)固有粘度:0.13dL/g(テトラヒドロフラ
ン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (4)分子量 重量平均分子量(Mw):21,300 数平均分子量(Mn):6,900 分子量分布(Mw/Mn):3.1 (5)ガラス転移温度(示唆走査熱量測定):32℃ このポリアミン樹脂は、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエンに可溶
で、テトラヒドロフラン溶液から無色透明なキャストフ
ィルムを作成した。フィルムに対する水及びヨウ化メチ
レンの接触角は、それぞれ85.1度と24.0度で、
表面エネルギーは53.0erg/cm2であった。
【0024】実施例8 8.00g(0.01mol)のビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジブロモフェニル)プロパンジグリシジルエ
ーテル(分子量800)と1.79g(0.01mo
l)のN−トリメチルシリルベンジルアミンを窒素気流
下、100℃で12時間反応させることによりポリアミ
ン樹脂を99%の収率で得た。この樹脂の物性を以下に
示す。 (1)赤外線吸収スペクトル:1069cm-1(C−
N)、983cm-1(Si−O)、840cm-1(Si
−CH3) (2)1H−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3):0.
20ppm(s、9H,Si−CH3)、1.66pp
m(s、7H,C−CH3)、2.7−2.9ppm
(m、4H,N−CH2)、3.9−4.4ppm
(m,9H,O−CH2,O−CH2、Ph−CH2)、
6.8−7.3ppm(m,10H、芳香環) (3)固有粘度:0.17dL/g(テトラヒドロフラ
ン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (4)分子量 重量平均分子量(Mw):41,200 数平均分子量(Mn):12,900 分子量分布(Mw/Mn):3.2 (5)ガラス転移温度(示差走査熱量測定):86℃ このポリアミン樹脂は、テトラヒドロフラン、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、トルエンに可溶で、テトラヒド
ロフラン溶液から無色透明なキャストフィルムを作成し
た。フィルムに対する水及びヨウ化メチレンの接触角は
それぞれ89.7度と27.4度で、表面エネルギーは
54.2erg/cm2であった。
【0025】比較例1 実施例1において、アミン化合物として、N−トリメチ
ルシリル−4−フェニルブチルアミンに代えて、4−フ
ェニルブチルアミンを用いた以外は同様にして実験を行
った。この場合に得られたポリアミン樹脂は以下の物性
を有するもので、実施例1のポリアミン樹脂に比べて、
そのガラス転移点は高く、かつそのフィルムに対する水
の接触角も小さいものであった。 (1)重量平均分子量(Mw):18100 (2)ガラス転移温度(Tg):44℃ (3)水の接触角 :71度
【0026】比較例2 実施例2において、アミン化合物として、N−トリメチ
ルシリル−4−ベンジルアミンに代えて、ベンジルアミ
ンを用いた以外は同様にして実験を行った。この場合に
得られたポリアミン樹脂は以下の物性を有するもので、
実施例2のポリアミン樹脂に比べて、そのガラス転移点
は高く、かつそのフィルムに対する水の接触角も小さい
ものであった。 (1)重量平均分子量(Mw):19700 (2)ガラス転移温度(Tg):54℃ (3)水の接触角 :84度
【0027】比較例3 実施例6において、アミン化合物として、N−トリメチ
ルシリルアニリンに代えて、アニリンを用いた以外は同
様にして実験を行った。この場合に得られたポリアミン
樹脂は以下の物性を有するもので、実施例6のポリアミ
ン樹脂に比べて、そのガラス転移点は高いものであっ
た。 (1)重量平均分子量(Mw):33000 (2)ガラス転移温度(Tg):89℃ (3)水の接触角 :81度
【0028】比較例4 実施例7において、アミン化合物として、N−トリメチ
ルシリルベンジルアミンに代えて、ベンジルアミンを用
いた以外は同様にして実験を行った。この場合に得られ
たポリアミン樹脂は以下の物性を有するもので、実施例
7のポリアミン樹脂に比べて、そのガラス転移点は高
く、かつそのフィルムに対する水の接触角も小さいもの
であった。 (1)重量平均分子量(Mw):21300 (2)ガラス転移温度(Tg):53℃ (3)水の接触角 :73度
【0029】比較例5 実施例8において、アミン化合物として、N−トリメチ
ルシリルベンジルアミンに代えて、ベンジルアミンを用
いた以外は同様にして実験を行った。この場合に得られ
たポリアミン樹脂は以下の物性を有するもので、実施例
8のポリアミン樹脂に比べて、そのガラス転移点は高
く、かつそのフィルムに対する水の接触角も小さいもの
であった。 (1)重量平均分子量(Mw):46200 (2)ガラス転移温度(Tg):105℃ (3)水の接触角 :82度
【0030】実施例9 実施例1において、表1に示すポリエポキシ化合物とア
ミン化合物を用いた以外は同様にして反応を行った。こ
の反応により得られたポリアミン樹脂の収率を表1に示
す。なお、表1において、ポリエポキシ化合物は一般式
(III)におけるM1、M2及びXを特定して示した。ま
た、ポリアミン化合物は、一般式(I)におけるR1
びR2を特定して示した。
【0031】また、表1に示したX(1)〜X(12)
は次の式で表わされるものである。
【化3】
【化4】
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明は一般式(II)で表される骨格構
造を含有するポリアミン樹脂及びこのポリアミン樹脂の
有利な製造方法を提供するものである。従来のポリアミ
ン樹脂の多くは、極性が大きく吸湿性で、高いガラス転
移温度と高い表面エネルギーを有しているのに対し、本
発明のポリアミン樹脂は広範囲の有機溶媒に可溶で、な
おかつ低いガラス転移温度と低い表面エネルギーを有す
る低吸湿性の樹脂であるので工業材料としての価値が大
きい。また、本発明は、充分に高分子量のポリアミン樹
脂を製造するための有利な方法を提供するものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2個以上のエポキシ基を含有するポリエ
    ポキシ化合物と一般式(I) R1−NHR2 (I) (式中、R1は水素、脂肪族基、芳香族基又は複素環基
    を示し、R2は脂肪族基、芳香族基及び/又は複素環基
    が置換基として結合した置換シリル基を示す)で表わさ
    れるアミン化合物との反応物からなる、分子中に一般式
    (II) (式中、R1及びR2は前記と同じ意味を有する)で表わ
    される骨格構造を1〜1000個含有することを特徴と
    するポリアミン樹脂。
  2. 【請求項2】 一般式(III) 【化1】 (式中、R1は水素、脂肪族基、芳香族基又は複素環基
    を示し、R2は脂肪族基、芳香族基及び/又は複素環基
    が置換基として結合した置換シリル基を示し、Xは脂肪
    族基、芳香族基又は複素環基を示し、nは1〜1000
    の整数を示す)で表わされるポリアミン樹脂。
  3. 【請求項3】 2個以上のエポキシ基を有するポリエポ
    キシ化合物と、一般式(I) R1−NHR2 (I) (式中、R1は水素、脂肪族基、芳香族基又は複素環基
    を示し、R2は脂肪族基、芳香族基及び/又は複素環基
    が置換基として結合した置換シリル基を示す)で表わさ
    れるアミン化合物を有機溶媒の存在下又は不存在下で反
    応させ、分子中に一般式 (式中、R1及びR2は前記と同じ意味を有する)で表わ
    される骨格構造を1〜1000個含有するポリアミン樹
    脂を生成させることを特徴とするポリアミン樹脂の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 ポリエポキシ化合物として、一般式 【化2】 (式中、Xは脂肪族基、芳香族基又は複素環基を示す)
    で表されるビスエポキシ化合物を用いて、一般式 【化1】 (式中、R1は水素、脂肪族基、芳香族基又は複素環基
    を示し、R2は脂肪族基、芳香族基及び/又は複素環基
    が置換基として結合した置換シリル基を示し、Xは脂肪
    族基、芳香族基又は複素環基を示し、nは1〜1000
    の整数を示す)で表わされるポリアミン樹脂を得る請求
    項3の方法。
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