JPH06321999A - 側鎖にクラウンエーテルが一次元配列したポリペプチド及びその製造法 - Google Patents

側鎖にクラウンエーテルが一次元配列したポリペプチド及びその製造法

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JPH06321999A
JPH06321999A JP10855093A JP10855093A JPH06321999A JP H06321999 A JPH06321999 A JP H06321999A JP 10855093 A JP10855093 A JP 10855093A JP 10855093 A JP10855093 A JP 10855093A JP H06321999 A JPH06321999 A JP H06321999A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規物質である、側鎖にクラウンエーテルが
一次元配列したしかも高分子量のポリペプチドおよびそ
の優れた合成法の提供。 【構成】 α−ヘリックスの構造の、ポリ(酸性アミノ
酸エステル)単独重合ポリペプチドまたは酸性アミノ酸
エステルを含む共重合ポリペプチドを適当な液体の表面
上に展開して単分子膜を形成し、分子軸回りの回転が拘
束される二次元固体膜の状態でエステル結合部分のうち
液相側に配向しているものを選択的に加水分解し、生じ
た遊離のカルボキシル基にアミノ基を有するクラウンエ
ーテルを酸アミド縮合反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、側鎖にクラウンエーテ
ルが一次元配列したポリペプチド及びその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】生体内における情報伝達の一つとして細
胞内外の選択的なイオン輸送が挙げられる。このような
機能の発現はイオンチャネル形成タンパク質による二分
子膜中でのイオン透過経路の形成によって担われてい
る。一方、イオノフォア分子によるカチオンの輸送も情
報伝達の一手段である。
【0003】これまで、イオンチャネルのモデルとして
α−ヘリックス構造を形成する両親媒性シーケンシャル
ポリペプチドが多く用いられてきた。近年、イオノフォ
アであるクラウンエーテルをコアとする新たなイオンチ
ャネルの構築が試みられている。
【0004】この種のイオノフォア分子の合成に関して
は、例えば、ペプチドの逐次合成法(固相ペプチド合成
法)により側鎖にクラウンエーテルが一次元配列したポ
リペプチドが報告されている(N. Voyer, J. Am. Chem.
Soe., 113, 1818〜1821 (1991) )。しかしながら、こ
の方法では高重合度のポリペプチドを合成することは難
く、実際この報告で得られているポリペプチドの重合度
は21に過ぎない。一方、高分子量のポリペプチドの側鎖
にクラウンエーテルを反応させると、クラウンエーテル
がランダムに配列したものが得られるというのが従来の
技術水準であった。
【0005】従って、側鎖にクラウンエーテルが一次元
配列した、しかも高分子量のポリペプチドは新規物質で
あり、このような物質の優れた合成法の開発が強く望ま
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前項記載の技術的背景
下に、本発明の目的は、種々の用途の期待される新規物
質である、側鎖にクラウンエーテルが一次元配列したし
かも高分子量のポリペプチドおよびその優れた合成法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、単分子膜反応法を利用すれば前項記載の目的が容
易に達成できることを知見し、このような知見に基いて
本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、α−ヘリックス構造
の、側鎖にクラウンエーテルが一次元配列した、ポリ酸
性アミノ酸単独重合ポリペプチドまたは酸性アミノ酸を
含む共重合ポリペプチドおよびこの種の共重合体の合成
法に関する。
【0009】以下、本発明を逐次詳細に説明するが、説
明の便宜上、先ず、本発明の製造法について説明する。
【0010】本発明の製造法は、α−ヘリックス構造
の、ポリ(酸性アミノ酸エステル)単独重合ポリペプチ
ドまたは酸性アミノ酸エステルを含む共重合ポリペプチ
ドを適当な液体の表面上に展開して単分子膜を形成し、
分子軸回りの回転が拘束される二次元固体膜の状態でエ
ステル結合部分のうち液相側に配向しているものを選択
的に加水分解し、生じた遊離のカルボキシル基にアミノ
基を有するクラウンエーテルを酸アミド縮合反応させる
ことを特徴とするα−ヘリックス構造の、側鎖にクラウ
ンエーテルが一次元配列した、ポリ酸性アミノ酸単独重
合ポリペプチドまたはポリ酸性アミノ酸を含む共重合ポ
リペプチドの製造法に関する。
【0011】本発明の製造法において、原料ポリペプチ
ドのモノマーアミノ酸は酸性アミノ酸(すなわち、グル
タミン酸またはアスパラギン酸)を必須とし、これに他
の非酸性アミノ酸が加わっていてもよい。これは、酸性
アミノ酸のカルボキシル基を介してクラウンエーテルを
導入するためである。また、このカルボキシル基は、ク
ラウンエーテルを一次元配列で導入するためには、当初
アルキルエステルの形としておく必要がある。アルキル
基は、メチル基などの低級アルキル基が工業上有利であ
ることはもちろんである。従って、本発明の製造法の原
料の一であるポリペプチドは、ポリ(酸性アミノ酸エス
テル)単独重合ポリペプチドまたは酸性アミノ酸エステ
ルおよび非酸性アミノ酸(エステル)を構成アミノ酸と
する酸性アミノ酸エステルを含む共重合ポリペプチドで
ある。
【0012】これらのポリペプチドの重合度は、単分子
膜を形成する限りは特別の制限はなく、後出実施例1に
みるように、重合度50程度のポリペプチドも容易に本発
明の原料として得る。また、アミノ酸は、光学活性体の
形態でもラセミ体の形態でもポリペプチドがなんらかの
二次構造をつくるものであればよい。さらにまた、α−
ヘリックスは、タンパク質の代表的な二次構造であるこ
とは周知の通りである。
【0013】適当な液体は、その表面上に原料ポリペプ
チドを展開して単分子膜を形成し、液相側に配向した原
料ポリペプチドのエステル部分を加水分解剤を受容して
加水分解し、アミノ基を有するクラウンエーテルを受容
して酸アミド縮合を行なわせることのできる液体で、そ
の代表例として水の他にテトラヒドロフラン等を挙げる
ことができる。
【0014】本発明の製造法においては、まず、適当な
液体の表面上に原料ポリペプチドを展開して単分子膜を
形成し、分子軸回りの回転が拘束される二次元固体膜の
状態でエステル結合部分のうち液相側に配向しているも
のを選択的に加水分解するが、このような方法自体には
特別の制限はなく適宜公知の方法によることができる。
このような加水分解により、側鎖にクラウンエーテルを
一次元配列で導入すべき遊離カルボキシル基の一次元配
列が生成する。
【0015】つぎに、このようにして生じた遊離カルボ
キシル基を介してクラウンエーテルを導入する。クラウ
ンエーテルには12−クラウン−4、15−クラウン−5、
18−クラウン−6、24−クラウン−8、ジベンゾ−18−
クラウン−6、ベンゾ−18−クラウン−6等種々のもの
が知られているが、これらが遊離カルボキシル基を介し
て酸アミド結合(縮合反応)によりポリペプチドに導入
されるので、アミノ基を有することが必要である以外に
は特別の制限はない。なお、このような縮合反応自体に
も特別の制限はなく、適宜公知方法によることができ
る。
【0016】なお、このようにして合成された目的物質
である、側鎖にクラウンエーテルが一次元配列した、ポ
リ酸性アミノ酸単独重合ポリペプチドまたはポリ酸性ア
ミノ酸を含む共重合ポリペプチドを反応液から分離する
には格別の困難はなく、例えば、エーテル再沈後遠心分
離によることができる。
【0017】さて、このようにして合成された目的物質
において、遊離のカルボキシル基は、アミノ基を有する
クラウンエーテルの使用量にもよるが、その全てにクラ
ウンエーテルが導入されるとは必らず、また、用途にも
よるがその全てにクラウンエーテルが導入されることが
必ずしも必要ではない。
【0018】また、上記の工程において液相側に配向し
ていなかったために加水分解を受けなかったエステル結
合部分は、必要によりまたは所望により、クラウンエー
テル導入後に例えば温和な条件(エステル基と等モルの
アルカリの添加など)下でケン化反応に付することによ
り加水分解することができる。このような加水分解反応
液から目的物質を分離するにも格別の困難はなく、例え
ば、エーテル再沈によることができる。
【0019】先に述べたように、本発明は、例えば、こ
のようにして製造されるべきα−ヘリックス構造の、側
鎖にクラウンエーテルが一次配列したポリ酸性アミノ酸
単独重合ポリペプチドまたは酸性アミノ酸を含む共重合
ポリペプチドにも関する。
【0020】このようなポリペプチドにおいては、酸性
アミノ酸のカルボキシル基のうちポリペプチドのペプチ
ド結合に関与していないカルボキシル基は、クラウンエ
ーテルとの酸アミド結合に関与しているものの他に、場
合によりエステルの形態のままであるおよび/または加
水分解されて遊離のカルボキシル基の形態である。
【0021】本発明の単独重合または共重合ポリペプチ
ドには、例えば次のような利用分野を挙げることができ
る。すなわち、無機イオン・有機化合物分析用試薬、セ
ンサー感応素子、薬品除放担体、規制された有機反応
場、規制された重合反応場、特定の無機イオン・有機化
合物の輸送・分離、バイオエレクトロニクス素子(エレ
クトロンキャリヤー)、放射性分子などの汚染分子の濃
縮・貯蔵、新規液晶構造形成素子(包接基質の種類によ
り液晶特性を制御)、新規結晶構造形成素子(包接基質
の種類により結晶構造を制御)、および非線形光学材料
(尿素、ニトロアニリンなどを包接して液晶または結晶
構造形成素子とする)。また、高分子量体が容易に得ら
れるためにそれ自体フィルム状、繊維状、チューブ状等
に成形でき、機能材料および素子として利用できる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0023】実施例1 (a)原料の合成 原料の一である4′−アミノベンゾ−18−クラウン−6
−エーテルを次のようにして合成した。すなわち、鉄粉
(0.4 g)を含む濃塩酸23mlに90〜95℃で4′−ニトロ
ベンゾ−18−クラウン−6−エーテル(1.0 g)のN,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)(20ml)溶液を滴
下した後、約1時間 100℃に保持して反応させた(反応
式I(図1)およびL. Gatterman他「有機化学実験書」
(共立出版(株)1963年)参照)。反応液をろ過した
後、ろ液に水酸化カリウムを加えて鉄を沈澱させ、さら
にクロロホルム(800 ml)中に目的の4′−アミノベン
ゾ−18−クラウン−6−エーテル(0.6 g)を抽出した
(R. Ungaro et al., J. Am.Chem. Soc.,98, 5198(197
6)参照)。
【0024】もう一つの原料であるポリ(γ−メチル−
L−グルタメート)(PMG)を次のようにして合成し
た。すなわち、N−カルボキシ−γ−メチル−L−グル
タミン酸無水物(MG・NCA)(5.0 g)を脱水した
1,2−ジクロロエタン(EDC)(100 ml)に溶解さ
せ、重合開始剤としてn−ヘキシルアミン(0.135 g)
を加え、室温に24時間保持して重合させた(反応式II
(図2)参照)。得られたポリペプチド(4.4 g)の分
子量は 7.4×103 (重合度51)であった。
【0025】(b)本発明の化合物の合成 本発明の化合物である側鎖にクラウンエーテルを有する
ポリペプチド(シーケンシャル共重合体)を次のように
して合成した。
【0026】すなわち、まず、トラフにイオン交換水を
満たし、前出(a)で得た分子量 7.4×103 (重合度5
1)のPMG(0.075 g)のクロロホルム(50ml)溶液
を一定量展開した後、クロロホルムの蒸発により水面上
にPMG単分子膜を形成した。棒状であるPMGの軸回
りの回転が拘束される二次元固体膜の状態で水相側に配
向している側鎖のみを 2.5Mの水酸化カリウム水溶液
(10ml)を水相に加えることで選択的に加水分解した。
10分後当量の塩酸を水相に加え反応を停止し、単分子膜
をサッキングして回収し、凍結乾燥して目的のam. −66
/34−MG/GA(すなわち、両親媒性のメチルグルタ
メート/L−グルタミン酸シーケンシャルポリペプチ
ド)を分離取得した(図3および M. Higuchi et al.,
Macromolecules, 23, 361 (1990)参照)。
【0027】ついで、このようにして得られたam.−66
/34−MG/GA(0.018 g)をDMF(10ml)に溶解
させ、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)
(0.020 g)およびジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC)(0.027 g)を添加し、さらに前出(a)で
得た4′−アミノベンゾ−18−クラウン−6−エーテル
(0.145 g)を添加し、1時間氷冷の後室温で3日間撹
拌して縮合反応させ、エーテル再沈することで目的物を
分離取得した(反応式III (図4)参照)。
【0028】すなわち、このものは紫外可視分光測定に
より、側鎖の27モル%(これはヘリックス側面側鎖の約
80%に相当する)にクラウンエーテルが導入された本発
明の化合物(seq−MG/CrG)であることが確認
された。
【0029】(c)比較化合物の合成 比較化合物である側鎖にクラウンエーテルを有するポリ
ペプチド(ランダム共重合体)を次のようにして合成し
た。
【0030】すなわち、PMG(0.10g)と4′−アミ
ノベンゾ−18−クラウン−6−エーテル(0.26g)をE
DC(50ml)に溶解させ、p−トルエンスルホン酸水和
物(p−TS)(0.082 g)を触媒とし、70℃に2日間
保持して反応させることでPMG側鎖に部分的に4′−
アミノベンゾ−18−クラウン−6−エーテルを導入し、
エーテル再沈後遠心分離して目的物を分離取得した(反
応式IV(図5)参照)。
【0031】すなわち、このものは紫外可視分光測定に
より側鎖の10%にクラウンエーテルが導入された比較化
合物(r−MG/CrG)であることが確認された。
【0032】(d)側鎖にクラウンエーテルを有するポ
リペプチドの二次構造 (b)および(c)で得られた2種のポリペプチドのト
リメチルリン酸(TMP)溶液中での二次構造を日本分
光工業(株)製「J− 600型円二色分散計」を用いる円
偏光二色性(CD)測定により検査した。
【0033】モル楕円率[θ]は次式により算出した。
[θ]=(θ×Mw)/(C×L) 。ここで、Mwは1残基当たりの平均分子量、θは楕円
率、Cは濃度、Lは光路長である。
【0034】すなわち、側鎖にクラウンエーテルを有す
るポリペプチドのTMP溶液中における二次構造を確認
するためにCD測定を行ったのである。
【0035】図6にr−MG/CrGとseq−MG/
CrGのTMP中におけるCDスペクトルを示した。両
者とも典型的なα−ヘリックスのパターンを示してお
り、 222nmのモル楕円率よりα−ヘリックス含率はr−
MG/CrGが76%、そしてseq−MG/CrGが84
%であった。
【0036】また、r−MG/CrGおよびseq−M
G/CrGは共にメタノール中における吸収スペクトル
では観察された側鎖ベンゾクラウンに基づくピーク(図
7参照)が、CDスペクトルでは同波長領域に何のスペ
クトルも示さなかった。即ち、r−MG/CrGおよび
seq−MG/CrGは共に側鎖ベンゾクラウンエーテ
ルはCD活性な規則構造を形成していないことが示唆さ
れた。
【0037】(e)側鎖ベンゾクラウンエーテルの配向
構造 (b)および(c)で得られた2種のポリペプチドのメ
タノール溶液中における側鎖ベンゾクラウンエーテルの
配向構造を蛍光スペクトルの測定により評価した。すな
わち、ポリペプチドのメタノール溶液を光路長10mmの石
英セルに満たし、島津製作所(株)製「RF−540 型分
光蛍光光度計」を用い、室温で測定した。なお、励起波
長は 280nmで行った。
【0038】図8にr−MG/CrGとseq−MG/
CrGの 280nmで励起した蛍光スペクトルを示した。r
−MG/CrGは、 320nm付近にモノマー発光、そして
長波長側にわずかにエキシマー発光が観察されるのに対
し、seq−MG/CrGは同波長領域のモノマー発光
が抑制され、 470nmに最大蛍光波長を有するエキシマー
発光が見られた。すなわち、seq−MG/CrGの側
鎖に導入されたクラウンエーテルが、α−ヘリックスの
片側面に集中して存在することを裏付けた。
【0039】図9にエキシマー発光とモノマー発光の蛍
光強度比(Ie/Im)と、側鎖に導入されたベンゾクラウ
ンの残基モル濃度との関係を示した。同図において、縦
軸は強度比で、横軸はベンゾクラウン残基のモル濃度の
対数である。分子間作用によるエキシマーが生じないと
思われる低濃度領域において、Ie/Imは一定値を示し、
seq−MG/CrGのほうがr−MG/CrGよりも
高い値を示した。これは分子内作用によるエキシマーが
seq−MG/CrGにより多く存在することを示して
いる。以上の結果よりseq−MG/CrGの側鎖ベン
ゾクラウンエーテルはランダムに導入されたr−MG/
CrGとは異なり、CD活性ではないがベンゾクラウン
エーテルが接近して側鎖配向していることが示唆され
た。
【0040】(f)本実施例のまとめ α−ヘリックス構造を形成するポリ(γ−メチル−L−
グルタメート)の片側面にクラウンエーテルが集中して
存在するポリペプチドを単分子膜反応、続いて縮合反応
をすることにより調製した(seq−MG/CrG)。
また、比較物質としてPMGのα−ヘリックスの周囲に
クラウンエーテルをランダムに導入したポリペプチドを
調製した(r−MG/CrG)。
【0041】調製した両ポリペプチドは共に、円偏光二
色性スペクトルよりα−ヘリックス構造が保持されてい
ることが確認された。分光蛍光測定において、seq−
MG/CrGはr−MG/CrGと比較して分子内エキ
シマーが多く存在することが確認された。すなわち、s
eq−MG/CrGはα−ヘリックスの片側面にクラウ
ンエーテルが集中しており、側鎖が接近して存在するこ
とが示された。
【0042】
【発明の効果】本発明により、種々の用途を有する、側
鎖にクラウンエーテルが一次元配列したポリペプチド
(新規物質)が容易に提供されるところとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1(a)における反応式を示す。
【図2】実施例1(a)における反応式を示す。
【図3】実施例1(b)における単分子膜の形成を示
す。
【図4】実施例1(b)における反応式を示す。
【図5】実施例1(c)における反応式を示す。
【図6】実施例1で合成したポリペプチドのCD測定の
結果を示す。
【図7】実施例1で合成したポリペプチドの吸収スペク
トルを示す。
【図8】実施例1で合成したポリペプチドの蛍光スペク
トルを示す。
【図9】実施例1で合成したポリペプチドの蛍光強度比
とクラウンエーテルの濃度との関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 9/02 B 7188−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−ヘリックス構造の、側鎖にクラウン
    エーテルが一次元配列した、ポリ酸性アミノ酸単独重合
    ポリペプチドまたは酸性アミノ酸を含む共重合ポリペプ
    チド。
  2. 【請求項2】 α−ヘリックス構造の、ポリ(酸性アミ
    ノ酸エステル)単独重合ポリペプチドまたは酸性アミノ
    酸エステルを含む共重合ポリペプチドを適当な液体の表
    面上に展開して単分子膜を形成し、分子軸回りの回転が
    拘束される二次元固体膜の状態でエステル結合部分のう
    ち液相側に配向しているものを選択的に加水分解し、生
    じた遊離のカルボキシル基にアミノ基を有するクラウン
    エーテルを酸アミド縮合反応させることを特徴とするα
    −ヘリックス構造の、側鎖にクラウンエーテルが一次元
    配列した、ポリ酸性アミノ酸単独重合ポリペプチドまた
    はポリ酸性アミノ酸を含む共重合ポリペプチドの製造
    法。
JP10855093A 1993-05-10 1993-05-10 側鎖にクラウンエーテルが一次元配列したポリペプチド及びその製造法 Pending JPH06321999A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018038165A1 (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 公益財団法人川崎市産業振興財団 ポリマー、ポリマーの製造方法、及び薬物複合体

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