JPH06321172A - 高速横安定性船体構造 - Google Patents

高速横安定性船体構造

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JPH06321172A
JPH06321172A JP5208620A JP20862093A JPH06321172A JP H06321172 A JPH06321172 A JP H06321172A JP 5208620 A JP5208620 A JP 5208620A JP 20862093 A JP20862093 A JP 20862093A JP H06321172 A JPH06321172 A JP H06321172A
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hull
lateral stability
ship
length
bow
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JP5208620A
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English (en)
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Sukehide Washio
祐秀 鷲尾
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チャイン型,ラウンドビルジ型を問わず、単
胴のトランザム型船体であって造波抵抗が少なく、しか
も横安定性に優れた高速横安定性船体構造を提供するこ
と。 【構成】 単胴トランサム型の船体であって、吃水線の
若干上方で乾舷の両船側外板に沿ってほぼ船首部から船
尾部に向かって少なくとも船長の10%以上の長さにわ
たって延びる波返し材を備えてなる船体において、最深
部の深さが300mm以上で外面は平坦であり、内面は
水の流れがスムースに流れるべく多少湾曲した倒立異形
U字状断面を有するとともに倒置溝型断面の長尺波返し
材を具えたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船側外板に沿って船首
部から船尾方向に向って延びる波返し材を備えた高速横
安定性船体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の単胴のトランサム型高速船として
は、図15の側面図、図16の図15のB−B横断面
図、図17の図15のC−C横断面図に示すチャイン型
高速船、及び図18の側面図、図19の図18のB−B
横断面図、図20の図18のC−C横断面図に示すラウ
ンドビルジ型高速船がある。上記各図において、1は静
止時の水面、2は航走時に船首部から生ずる船体表面に
沿って這い上がる波又はスプレー、3は船尾トランサム
に生ずる波、4は船の進行方向、5は上甲板、6は船底
キール部、7はチャイン、8はラウンドビルジである。
従来の単胴のトランサム型高速船において、高速走行時
に、船首部分から生ずる船体表面に沿って這い上がる波
又はスプレー2に対する対策としては、図15、図1
6、及び図17に示すように、ビルジ部分を角張らせた
チャイン型とするか、又は、図18、図19、及び図2
0に示すようなラウンドビルジ型では、船体を長さ/巾
比の大きい細長型とするか、又はスプレー2の這い上が
りを防止するための非常に小規模の波返し材つまりスプ
レーストリップの付加が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に船舶がある速度
以上の高速を達成しようとする場合、船型によっては単
に馬力を増すだけでは無理であって、造波抵抗のラスト
ハンプを越えることが可能な船型とすることが必要であ
り、一般にトランサムを有する高速域での滑走性能を考
慮した船型が適していることはよく知られいる。その場
合でも、抵抗を少なくし、より高速を出すためには、長
さ/巾比の大きい細長船型にして、造波抵抗を少しでも
減らそうとする試みがなされるが、この場合、ある一定
以上の長さ/巾比を有する船型でかつある速度以上にな
ると、横安定性を失って横傾斜つまりヒールを起こし、
かつ針路の安定性も失って安全な高速航走ができなくな
る。同時に、この現象は静止時に十分な復原性を有して
いても、ある範囲以上の復原性を有していないと、高速
での不安定性を増大する傾向にあることは近年の研究で
ある程度判ってきている。要するに、従来船型では高速
での安定した航走を達成するには、ある長さ/巾比以下
で、かつ、静止時の復原力が十分に大きくない場合は、
ある高速以上では横の不安定現象が発生するため速力を
上げることができない。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みて提案さ
れたもので、チャイン型,ラウンドビルジ型を問わず、
単胴のトランサム型船体であって造波抵抗が少なく、し
かも横安定性に優れた高速横安定性船体構造を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、大巾な横揺に対し
復原力を与えることのできる構成の波返し材を具えた高
速横安定船体を提供することを目的としている。更にま
た、本発明は、船側外板の特定位置に特定の形状、構造
の効率的な波返し材を備え、横揺れ復原力が大きく、高
速横安定性に優れたトランサム型船体を提供することを
目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、単胴
トランサム型の船体であって、両船側外板に沿ってほぼ
船首部から船尾部に向って延びる波返し材を備えてなる
船体において、前記波返し材は、少くとも船長の約10%
の長さを有して船体の前部垂線よりも後方に設けられる
と共に、船体の肩部よりも前方においては船側外板上で
船首に向って上り勾配で伸び、かつ、船側外板と協働し
て形成する内面は水の流れがスムーズに流れるべく放物
線状に湾曲し、最深部の深さが100mm以上の倒立型
U字状断面を有することを特徴とする。
【0006】請求項2の発明は、請求項1において、前
記波返し材の下端部内面の傾斜角を、外向き45゜以下
としたことを特徴とする。
【0007】請求項3の発明は、請求項1又は2におい
て、前記倒立型U字状断面が、前記肩部より後方におい
ては、長さ方向にほぼ一定の深さを有することを特徴と
する。
【0008】請求項4の発明は、前記波返し材は、前記
肩部より後方においては、チャイン付近に、下方に向っ
て設けられていることを特徴とする。
【0009】請求項5の発明は、前記波返し材が、船体
の前部垂線から前記肩部にわたってのみに設けられてい
ることを特徴とする。
【0010】請求項6の発明は、前記倒立型U字状断面
は、後方に向って深さが漸減していることを特徴とす
る。
【0011】請求項7の発明は、前記波返し材は、船体
静止時における吃水線の上方に設けられていることを特
徴とする。
【0012】請求項8の発明は、前記波返し材の長さ
が、船体の長さの約10〜30%としたことを特徴とす
る。
【0013】
【作用】一般に船が高速航走するにしたがって、船首の
部分から波が船体表面に沿って、上に這い上がり、やが
ては重力によって落下することになる。このような船体
が造る波を、その水膜の薄いものについては一般にスプ
レーと呼んでいる。しかしながら、本発明の構成によれ
ば、船首部分から船体表面に沿って這い上がる波又はス
プレーが発生する船首部から船尾方向に向かって船側部
分に沿って延びるとともに、船側外板との間に倒立U字
状断面を形成する波返し材を設けることにより、その内
面に沿って上昇及び下降する波又はスプレーは、船体の
外方に直接放出せず、一旦、船体の倒立U字状断面の上
端凹所に衝突するとともに斜め下外方へUターンするた
め、衝突による動圧及び下外方への噴出力による上向き
の反力ベクトル11が発生する。そして、反力ベクトル
成分11は復原力として作用するため、高速航走時の横
安定性が向上する。すなわち、船体が横傾斜すると、傾
斜した方の船側に設けられた波返し材の反力が、他方の
波返し材の反力よりも大きくなるため、船体を復元しよ
うとするモーメントを生ずることになる。
【0014】
【実施例】本発明を、ラウンドビルジ型船型に適用した
実施例を図面について説明する。図1、図2、図3は、
本発明の高速横安定性船体構造の第1の実施例を示し、
図1はその側面図、図2は図1のB−B横断面図、図3
は図1のC−C横断面図を示す。図4、図5、図6は、
本発明の船体構造の第2の実施例を示し、図4はその側
面図、図5は図4のB−B横断面図、図6は図4のC−
C横断面図を示す。図7、図8、図9、図10は、本発
明の船体構造の試験結果を示す説明図で、図7は供試模
型船の側面図、図8は船速とヒール角の関係を示す水槽
試験結果のグラフ、図9は図7の右半分断面図、図10
は図9における波返し材を設けた部分の拡大図である。
図11、図12は、本発明の船体構造の第3の実施例を
示し、図11はその側面図、図12は図11のB−B横
断面図を示す。図13、図14は、本発明の船体構造の
第4の実施例を示し、図13はその側面図、図14は図
13におけるA−A、B−B、C−C、D−D横断面に
おける波返し材部分の拡大断面図である。
【0015】上図中、1は静止時の水面、2は航走時に
船首部から生ずる船体表面に沿って這い上がる波又はス
プレー、3は船尾トランサムに生ずる波、4は船の進行
方向、5は上甲板、6は船底キール部、9は船側外板と
の間に倒立U字状断面を形成する波返し材である。
【0016】まず、図1、図2、図3に示す本発明の船
体構造の第1の実施例において、最大幅部は船尾端付近
にあり、波返し材9は、静止時における吃水線1の上方
で、乾舷の両船側外板に沿って前部垂線よりも後方に設
けられるとともに、船首部から船尾に向かって下り勾配
で延びている。そして、波返し材9の長さは、船長の1
/3〜1/2以上、最深部の深さdは300mm以上と
している。船側外板と波返し材9とにより形成されるも
のの断面形状は、図10の拡大図に示すように、末広が
りの倒立U字状断面をなす。また、外板と協働して形成
される内面の凹部10は、水の流れがスムースに流れる
ように、放物線状に湾曲した倒立型U字状断面をなして
いる。なお、波返し材9の下端部内面の傾斜角αは、横
安定に寄与する下向きの反力ベクトル成分11(図2)
を大きくするために、少なくとも外向き45度以下とす
べきである。なお、第1の実施例では、波返し材9は、
前部垂線付近から船尾端までの長尺ものを使用している
が、後記の第3、4の実施例に示すように、実用上は、
波返し材9の長さは、船長の約20%前後、最深部の深
さdは100mm以上であれば有効である。
【0017】このような構造によれば、高速航走時に船
首部から船体表面に沿って這い上がる波又はスプレー2
を、そのまま船体外部遠方に跳ね返して飛ばしてしまわ
ないために、図2に示すように、横安定に大きく寄与す
る反力ベクトル成分11を横安定力ベクトルとして利用
し得る効果がある。ちなみに、従来型でも、角型のチャ
インやスプレーを抑えるためのスプレーストリップなど
にも、図16に示すような横安定に寄与するベクトル1
2は生ずるが、その大きさは小さく十分でない。そのた
めには、図2に示すように、波返し材9と船体外板とに
より協働して形成される凹部10は、下端部において開
口部の幅Bが最大で、この幅は上方へゆくにつれて狭く
なる放物線状の滑らかな内面の断面を有している。そし
て、この内面に沿って上昇及び下降する波又はスプレー
は、船体の外方に直接放出せず、一旦、船体の倒立U字
状断面の上端凹所に衝突するとともに斜め下外方へUタ
ーンするため、衝突による動圧及び下外方への噴出力に
よる上向きの反力ベクトル11が発生する。このよう
に、反力ベクトル成分11を復原力に利用することが重
要である。それ故、波返し材9は強固な構造を有する。
【0018】次に、図4、図5、図6に示す本発明の船
体構造の第2の実施例について説明する。なお、第1の
実施例のものは、船体構造に対し波返し材9を付加した
形状のものであり、既存船の改造等に有効であるが、第
2の実施例のものは、建造時から船体構造の一部とした
ものである。なお、同一規模の船舶においては、第1、
2の実施例共、水面下の形状及び排水量は、ほぼ同一で
ある。図4、図5、図6に図示のものでは、静止時にお
ける吃水線1の上方で、最大幅部(通常船型では船長の
50%より前方に位置する)付近からは、チャイン付近
に、下方に向く波返し材9が設けられている。
【0019】本発明者は、さらに、波返し材9の長短
が、船体の高速航走時のヒール角の安定性に及ぼす影響
について水槽試験を行ったところ、下記の事項が判明し
た。すなわち、図7に示すような、波返し材9を船長の
約1/5にわたって船首部のみに付設したA型船及び波
返し材9を船長の約4/5以上としたB型船と、従来型
船とについて試験したところ、図8のグラフに示すよう
に、波返し材9を付けない従来型船(○印)では30k
tを超えるとヒール角φが増加するが、B型船(●印)
では40ktを超えるとヒール角φの増加が目立ち、A
型船(☆印)では、約45ktを超えるとヒール角φの
漸増が始まる。なお、B型船の波返し材9は、静止時に
おいて最大幅部(通常船型では船長の50%より前方に
位置する)付近から水面下に没している。
【0020】これにより、A型船のように、波返し材9
を、静止時における吃水線1の上方で船首部のみに設け
ると共に、その長さを船長の約1/5前後(約10%〜
30%の長さ)とし、その深さをd≧100mmとすれ
ば、さらにより良い結果が得られることが判明した。こ
れに加えて、波返し材9は、静止時における吃水線1よ
り上方に設けられているので、航走時でも推進抵抗が増
加することがない。これらの試験結果により、波返し材
9の位置は、船首部の吃水線1の上方であって、前部垂
線よりも後方であるとともに、肩部つまり最大船幅位置
よりも前方の範囲(すなわち、図15においてスプレー
2の大きく発生する部分のみ)に選定することが、最も
効果的かつ経済的であるといえる。なお、上述の試験
は、12.3分の1の長さ3.8m、幅0.63mの模
型船で試験を行ったもので、30ktは試験では4.4
m/s(フルード数0.7)、40ktは試験では5.
9m/s(フルード数1.0)である。また、フルード
数(F)とはF=V/√(G・L)である。ここに、
G:9.8m/s2 、L:船長(m)、V:船速(m/
s)を示す。
【0021】つぎに、この試験結果に基づく図11、図
12に示す発明の船体構造の第3の実施例につき説明す
る。第3の実施例における船首部波返し材9は、図11
の側面図、図12の横断面図に示すように、その後端を
央部に比べて後端に行くにつれて、深さdを減少させて
いる。すなわち、後部については、這い上がる波の高さ
が低いので、その効果があまり期待できず、深いままで
あればむしろ抵抗増加につながることもあるからであ
る。また、波返し材9の長さは船長の約10%〜30
%、最深部の深さは約100mm以上、下端部内面の傾
斜角αは外向き45度以下としている。このような構造
によれば、波返し材9は常に吃水線1より上方に位置す
るため、推進抵抗を減少させることができる。
【0022】さらに、図13、図14に示す本発明の船
体構造の第4の実施例につき説明する。第4の実施例に
おける船首部波返し材9は、図13の側面図、及び図1
4の断面図に示すように、その前後端を央部に比べて前
後端に行くにつれて深さdを減少させている。すなわ
ち、船首部波返し材9の前部付近においては、波自体が
這い上がるのに高すぎるか、又は、前部垂線に近すぎ
て、波が這い上がるポイントからずれるため、深さを深
くする必要がないので、第3の実施例に加えて、前部に
ついても、深さを減少させている。なお、第3の実施例
と同様に、波返し材9の長さは船長の約10%〜30
%、最深部の深さは約100mm以上、下端部内面の傾
斜角αは外向き45度以下としている。このような構造
によれば、スプレー2の大きさに応じて船首部波返し材
9の高さが決定されており、材料費を最小にすることが
でき、第2の実施例のごとく、船体構造の一部とする場
合は、特に有効である。図11,図13とも波返し材9
はチヤイン7に沿ってその下方へ向かって設けられてい
る。
【0023】上記各実施例に示す高速横安定性船体構造
によれば、従来船型で横安定に問題が生じる速度域ま
で、高速を出し得る効果があり、又は同一速度域であっ
てもより細長く長さ/巾比選ぶことができ抵抗を減らす
ことが可能である。さらに、同一速度域,同一長さ/巾
比でも、より横復原性能を減少させる、つまり、重心を
上昇させる配置が可能となる。また、各実施例のもので
は、高速域における横安定性の向上の効果のみを狙って
いるので、ベースとなる船型(吃水線1以下の部分)は
従来型そのものを採用できるから、波返し材9を付加し
たことによる中低速域の抵抗増加はない。さらに、従来
ある速度域を超えると、横不安定を生じていた船型や、
静止時には十分な復原性を有していても高速時には不安
定となるために配置上重心を上昇させることが不可能で
あった船型なども、波返し材9を追設することで性能を
向上させることが可能となる。
【0024】また、第1、2の実施例に示す高速横安定
性船体構造では、図2、図3、図5、図6に示すような
断面形状を有しているので、横揺れが生じた場合、波返
し材9が水中に浸漬し、横揺れ抵抗となることを利用し
て大幅な横揺れに対する復原力が期待できる。この第
1、2の実施例では、波返し材9の凹部垂れ下がりの施
工範囲を、船首端に近い個所から船尾端までを長大にし
た場合の実施例を示しているが、現実には、第3、4の
実施例に示すように、船首部のみで船長の約1/5前後
(約10%〜30%の長さ)であれば実用上の効果は大
きい。このような構造によれば、第1、2の実施例と実
質的に同一の作用効果を奏するほか、船側部にビルジキ
ール,スプレーストリップ,フィンスタビライザーのよ
うな突起部がないので、接岸,接舷等の場合に支障を来
すことがない。以上、本発明を図示した実施例に基づい
て具体的に説明したが、本発明がこれらの実施例に限定
されず特許請求の範囲に示す本発明の範囲内で、その形
状、構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもな
い。
【0025】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、単胴トランサ
ム型の船体であって、両船側外板に沿ってほぼ船首部か
ら船尾部に向って延びる波返し材を備えてなる船体にお
いて、前記波返し材は、少くとも船長の約10%の長さを
有して船体の前部垂線よりも後方に設けられると共に、
船体の肩部よりも前方においては船側外板上で船首に向
って上り勾配で伸び、かつ、船側外板と協働して形成す
る内面は水の流れがスムーズに流れるべく放物線状に湾
曲し、最深部の深さが100mm以上の倒立型U字状断
面を有することにより、チャイン型,ラウンドビルジ型
を問わず、単胴のトランサム型船体であって造波抵抗が
少なく、しかも横安定性に優れ、特にフルード数が0.
7以下でも横安定性に優れた高速横安定性船体構造を得
るから、本発明は産業上極めて有益なものである。
【0026】請求項2の発明によれば、請求項1におい
て、前記波返し材の下端部内面の傾斜角を、外向き45
゜以下としたことにより、請求項1の発明による効果の
ほか、波返し材による復原力を特に大きくすることがで
きるので、本発明は産業上極めて有益なものである。
【0027】請求項3の発明によれば、請求項1又は2
において、前記倒立型U字状断面が、前記肩部より後方
においては、長さ方向にほぼ一定の深さを有することに
より、請求項1及び2の発明による効果のほか、特にフ
ルード数が1以下でも横安定性に優れた高速安定性船体
構造を得るから、本発明は産業上極めて有益なものであ
る。
【0028】請求項4の発明によれば、前記波返し材
は、前記肩部より後方においては、チャイン付近に、下
方に向って設けられていることにより、請求項3の発明
による効果のほか、特にフルード数が1以下でも横安定
性に優れた高速安定性船体構造を得るから、本発明は産
業上極めて有益なものである。
【0029】請求項5の発明によれば、前記波返し材
が、船体の前部垂線から前記肩部にわたってのみに設け
られていることにより、請求項2の発明による効果のほ
か、航走時に推進抵抗が増加することがないから、本発
明は産業上極めて有益なものである。
【0030】請求項6の発明によれば、前記倒立型U字
状断面は、後方に向って深さが漸減していることによ
り、請求項5の発明による効果のほか、波返し材の後部
は這い上がる波の高さが低いの、波返しの効果は少な
く、深さを漸減したことで抵抗減を図ることができるか
ら、本発明は産業上極めて有益なものである。
【0031】請求項7の発明によれば、前記波返し材
は、船体静止時における吃水線の上方に設けられている
ことにより、請求項6の発明による効果のほか、特に横
揺れが生じた場合、波返し材が水中に浸漬し、横揺れ抵
抗となることを利用して大幅な横揺れに対する復原力が
できるから、本発明は産業上極めて有益なものである。
【0032】請求項8の発明によれば、前記波返し材の
長さが、船体の長さの約10〜30%としたことによ
り、請求項7の発明による効果のほか、外側部にビルジ
キール,スプレーストリップ,フィンスタビライザー等
の突起部がないので、接岸,接舷時等に支障を来さない
から、本発明は産業上極めて有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す側面図である。
【図2】図1のB−B横断面図である。
【図3】図1のC−C横断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す側面図である。
【図5】図4のB−B横断面図である。
【図6】図4のC−C横断面図である。
【図7】本発明の船体構造の試験における供試模型船の
側面図である。
【図8】図7の模型船による船速とヒール角の関係を示
す水槽試験結果のグラフである。
【図9】図7の前半分断面図である。
【図10】図9における波返し材を設けた部分の拡大図
である。
【図11】本発明の第3の実施例を示す側面図である。
【図12】図11のB−B横断面図である。
【図13】本発明の第4の実施例を示す側面図である。
【図14】図13におけるA−A,B−B,C−C,D
−D線に沿う横断面における波返し材部分の拡大断面図
である。
【図15】従来のチャイン型高速船の側面図である。
【図16】図15のB−B横断面図である。
【図17】図15のC−C横断面図である。
【図18】従来のラウンドビルジ型高速船の側面図であ
る。
【図19】図18のB−B横断面図である。
【図20】図18のC−C横断面図である。
【符号の説明】
1 静止時の水面 2 波又はスプレー 3 船尾に生ずる波 4 船の航走方向 5 上甲板 6 船底キール部 7 チヤイン 9 波返し材 10 凹部 11 ベクトル成分

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単胴トランサム型の船体であって、両船
    側外板に沿ってほぼ船首部から船尾部に向って延びる波
    返し材を備えてなる船体において、前記波返し材は、少
    くとも船長の約10%の長さを有して船体の前部垂線より
    も後方に設けられると共に、船体の肩部よりも前方にお
    いては船側外板上で船首に向って上り勾配で伸び、か
    つ、船側外板と協働して形成する内面は水の流れがスム
    ーズに流れるべく放物線状に湾曲し、最深部の深さが1
    00mm以上の倒立型U字状断面を有することを特徴と
    する高速横安定性船体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記波返し材の下端
    部内面の傾斜角を、外向き45゜以下としたことを特徴
    とする高速横安定性船体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記倒立型U
    字状断面が、前記肩部より後方においては、長さ方向に
    ほぼ一定の深さを有することを特徴とする高速横安定性
    船体。
  4. 【請求項4】 前記波返し材は、前記肩部より後方にお
    いては、チャイン付近に、下方に向って設けられている
    ことを特徴とする請求項第3項に記載の高速横安定性船
    体。
  5. 【請求項5】 前記波返し材が、船体の前部垂線から前
    記肩部にわたってのみに設けられていることを特徴とす
    る請求項第2項に記載の高速横安定性船体。
  6. 【請求項6】 前記倒立型U字状断面は、後方に向って
    深さが漸減していることを特徴とする請求項第5項に記
    載の高速横安定性船体。
  7. 【請求項7】 前記波返し材は、船体静止時における吃
    水線の上方に設けられていることを特徴とする請求項第
    6項に記載の高速横安定性船体。
  8. 【請求項8】 前記波返し材の長さが、船体の長さの約
    10〜30%としたことを特徴とする請求項第7項に記
    載の高速横安定性船体。
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