JPH06320887A - 医療カード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 他の医療機関等において医療情報を利用する
ことができ、かつ最適な治療または応急処置を速やかに
決定することができるようにすることにある。 【構成】 本発明の医療カードは、カードの種類および
所持者の氏名が目視可能に記された台紙と、前記所持者
の医療情報が陽画で縮小して記録された、前記台紙に配
置されたフィルムと、該フィルムを前記台紙に固定する
固定手段とを含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、個人の医療情報を縮小
して記録した医療カードに関する。

【０００２】

【従来の技術】医療機関等における診療の結果は、通
常、患者に対し口頭で説明される。また、健康診断の結
果は、所定の用紙に印刷した後、患者に渡されるが、健
康診断の結果の印刷に用いられている用紙は薄くしかも
大きく携帯に不便であるから、患者はその用紙を携帯し
ない。

【０００３】このため、いずれの場合も、後日他の医療
機関等において診療または健康診断等いわゆる診療を受
ける場合、他の医療機関等において前回の診療または健
康診断の結果すなわち医療情報を利用することができな
い。また、特に、意識のない患者に対する救急医療をす
る場合に、医師がその患者から医療情報を聞くことがで
きないから、その患者に対する最適な治療または応急処
置の決定に時間を要する。

【０００４】

【解決しようとする課題】本発明の目的は、他の医療機
関等において医療情報を利用することができ、かつ最適
な治療または応急処置を速やかに決定することができる
ようにすることにある。

【０００５】

【解決手段、作用、効果】本発明の医療カードは、カー
ドの種類および所持者の氏名が目視可能に記された台紙
と、前記所持者の医療情報が陽画で縮小して記録され
た、前記台紙に配置されたフィルムと、該フィルムを前
記台紙に固定する固定手段とを含むことを特徴とする。

【０００６】本発明の医療カードにおけるフィルムは、
例えば、診療、健康診断等の診療をした医療機関等にお
いてその患者の医療情報を所定の用紙に記入または印刷
し、それを写真撮影技術によりフィルムに陽画で写し取
り、そのフィルムを現像することにより、作成すること
ができる。

【０００７】本発明の医療カードは、例えば、上記のよ
うに作成したフィルムを、カードの種類および所持者の
氏名が目視可能に記録された台紙に配置し、その状態で
フィルムを固定手段により台紙に固定することにより、
作成することができる。

【０００８】このようにして作成された医療カードは、
診療をした医療機関等において、その患者に対して発行
される。このような医療カードは、それ自体がカードで
あることから、携帯に便利であり、従って、名刺入れ、
カード入れ等に収容された状態で携帯することができ
る。

【０００９】フィルムは、例えば、診療をした医療機関
等においてその患者の医療情報を所定の用紙に記入また
は印刷し、それを写真撮影技術によりフィルムに陽画で
写し取り、そのフィルムを現像することにより、作成す
ることができる。

【００１０】フィルム上の医療情報は、陽画であるが、
縮小されているから、肉眼で直接読み取ることはできな
い。しかし、拡大鏡、フィルム用投影機、フィルム透視
鏡等、医療機関等に用意または設置されている既存の機
械器具を利用して、フィルム上の医療情報を読み取るこ
とができる。従って、プライバシーが保護されるにもか
かわらず、フィルム上の医療情報の読み取りに特殊な機
械器具を必要としない。また、救急患者の場合、救急隊
員が救急車内において拡大鏡等によりフィルム上の医療
情報を読み取ることができる。

【００１１】医療機関等においては、患者から医療カー
ドを受け、その医療カードに記録された医療情報を読み
取ることにより、前回の診療または健康診断の結果を利
用することができる。また、特に、意識をなくした患者
に対する救急医療を行なう場合には、その患者が所持す
る医療カードを探し、その医療カードに記録された医療
情報を読み取ることにより、その患者に対する最適な治
療または応急処置を速やかに行うことができる。

【００１２】上記のように、本発明によれば、携帯に便
利であり、プライバシーが保護されるにもかかわらず、
特殊な機械器具を必要とすることなく、医療情報を読み
取ることができ、他の医療機関等において前回の診療ま
たは健康診断の結果を利用することができ、最適な治療
または応急処置を速やかに決定することができる。

【００１３】前記固定手段は、少なくとも前記フィルム
を包囲する透明シート製のカバー、または前記台紙およ
び前記フィルムを包囲する透明シート製のカバーとする
ことが好ましい。これにより、フィルムがカバーにより
保護されて損傷されにくいから、携帯により便利にな
り、また公知のフイルム・ラミネート技術によりフィル
ムを、またはフィルムと台紙とを保護することができ
る。いずれの場合も、カードの形状は、５０〜６５ｍｍ
の幅および８０〜９５ｍｍの長さを有する長方形とする
ことができる。

【００１４】前記台紙に長方形の切欠部を形成し、前記
フィルムを前記切欠部に配置することが好ましい。これ
により、光をフィルムの背面から投射することにより、
医療情報をより容易にかつ確実に読み取ることができ
る。

【００１５】前記フィルムに、さらに、前記所持者の、
氏名、住所、生年月日、年齢、性別、体重、身長、健康
保険証番号および緊急連絡先を含む個人情報を記録する
ことが好ましい。これにより、台紙に目視可能に記すべ
き個人情報を少なくすることができると共に、台紙に記
された氏名とフィルムに記録された氏名との一致を確認
することができる。

【００１６】前記台紙に、さらに、当該カードの発行機
関とその連絡先とを目視可能に記録することが好まし
い。これにより、発行機関以外の医療機関等で診療また
は健康診断をする場合に、前回の診療または健康診断の
詳細な結果を問い合わせることができる。

【００１７】前記医療情報は、当該カードの所持者の、
血液型、健康診断の各種の結果、および特記事項等を含
むことができる。

【００１８】

【実施例】図１〜３を参照するに、医療カード１０は、
長方形の台紙１２と、該台紙に配置された長方形のフィ
ルム１４と、台紙１２およびフィルム１４をサンドウィ
ッチ状に一体的に被覆する透明な合成樹脂製の薄いシー
トからなるカバー１６とを含み、また通常のカードとほ
ぼ同じ大きさを有する長方形に形成されている。台紙１
２は長方形状の切欠部１８を有しており、フィルム１４
は切欠部１８内に配置されている。カバー１６は、フィ
ルム１４を台紙１２に固定する手段として作用する。

【００１９】図１に示すように、台紙１２の表面には、
医療カード１０の種類を特定する文字２０およびマーク
２２と、患者すなわち当該カードの所持者の、氏名２
４、性別２６、および識別記号２８と、当該カードの作
成年月３０とが、その他の必要な文字３０，３２と共
に、印刷等により目視可能に記録されている。図３に示
すように、台紙１２の裏面には、当該カードを作成した
機関３４と、問い合わせ先３６とが、任意な説明文３
８，４０，４２等と共に、印刷等により目視可能に記録
されている。

【００２０】フィルム１４は、図４に示すように、当該
カードの所持者の医療情報４４と個人情報４６とを縮小
して陽画で記録したマイクロフィルムであることが好ま
しい。しかし、フィルム１４は、通常の陽画のフィルム
であってもよい。

【００２１】図４に示す例では、医療情報４４は、当該
カードの所持者の、血液型、アレルギーの有無、担当医
療機関、健康診断の各種の結果、持病、使用中の補助器
具、現在または過去の病気、および特記事項等を含む。
担当医療機関は、名称、電話番号、および担当医を含
む。

【００２２】個人情報４６は、所持者の、氏名、住所、
生年月日、年齢、性別、体重、身長、健康保険証番号、
献血手帳の番号、国籍、パスポート番号、および緊急連
絡先等を含む。緊急連絡先は、その名称または氏名、電
話番号、および本人との関係を含む。

【００２３】図４に示す例では、医療情報４４および個
人情報４６の記載欄が空欄になっているが、実際には当
該カードの所持者に応じた医療情報４４および個人情報
４６が記録されている。

【００２４】なお、台紙１２に目視可能に記録する情報
２０〜４２、およびフィルム１４に縮小して陽画で記録
する情報４４，４６は、必要に応じて、増減または変更
することができる。

【００２５】フィルム１４は、例えば、診療行為を行な
った医療機関等において所定の医療情報および個人情報
を所定の用紙に記入または印刷し、それをマイクロフィ
ルム作成技術等の写真撮影技術によりフィルムに陽画で
写し取り、そのフィルムを現像することにより、作成す
ることができる。

【００２６】医療カード１０は、例えば、上記のように
作成したフィルム１４を、図１および図２に示す所定の
情報が目視可能に記録された台紙１２の切欠部１８内に
配置し、その状態で、台紙１２とフィルム１４とを透明
な合成樹脂製の薄いシートにサンドウィッチ状に挟み、
その状態でシートを光、熱等により台紙１２とフィルム
１４とに加圧接着すると共に、シートの縁部を光、熱等
により互いに加圧接着することにより、作成することが
できる。

【００２７】このようにして作成された医療カード１０
は、診療をした医療機関等において、患者に渡される。
医療カード１０は、それ自体がカードであることと、フ
ィルム１４がカバー１６により保護されて損傷されにく
いこととから、携帯に便利である。従って、患者は、受
けた医療カード１０を、名刺入れ、カード入れ等の収容
ケースに収容した状態で携帯することができる。医療カ
ード１０による収容ケース等の損傷を防止するために、
カード１０の各隅部を弧状にすることが好ましい。

【００２８】フィルム１４上の情報は、陽画であるが、
縮小されているから、肉眼で直接読み取ることはできな
い。しかし、拡大鏡、フィルム用投影機、フィルム透視
鏡等、医療機関等に用意または設置されている既存の機
械器具を利用して、フィルム１４上の情報を読み取るこ
とができる。従って、プライバシーが保護されるにもか
かわらず、特殊な機械器具を必要とすることなく、フィ
ルム１４上の情報の読み取ることができる。また、救急
患者の場合、救急隊員が救急車内において拡大鏡等によ
りフィルム１４上の情報を読み取ることができる。

【００２９】医療機関等においては、患者から医療カー
ド１０を受け、そのフィルム１４に記録されている医療
情報および個人情報を読み取ることにより、前回の診療
または健康診断の結果を利用することができ、また読み
取った個人情報を基に患者と医療カードとの同一性を確
認することができる。また、特に、意識をなくした患者
に対する救急医療を行なう場合には、その患者が所持す
る医療カード１０を探し、その医療カードに記録された
医療情報および個人情報を読み取ることにより、その患
者に対する最適な治療または応急処置を速やかに行うこ
とができる。

【００３０】フィルム１４上の情報の読み取りに際して
は、光をフィルム１４の背面に投射することが好まし
い。これにより、フィルム１４上の情報の読み取りが容
易になり、フィルム１４上の情報を正確に読み取ること
ができる。

【００３１】フィルム１４は、図示の例のように台紙１
２の切欠部１８より小さくてもよいし、大きくてもよ
い。フィルム１４が台紙１２の切欠部１８より大きい場
合、光をフィルムの背面に投射することができるよう
に、フイルム１４上の情報記録部分の大きさを台紙１２
の切欠部１８より小さくし、その情報記録部分が台紙１
２の切欠部１８と整列するように、フィルムを配置する
ことが好ましい。

【００３２】しかし、台紙１２に切欠部２８を形成する
ことなく、フィルム１４を台紙１２の表面に配置しても
よい。この場合、フィルム上の情報の読み取りを容易に
すべく、台紙１２のフィルム配置箇所を白色のような高
明度の色彩にすることが好ましい。

【００３３】医療カードは、仕上がり寸法で、５０〜６
５ｍｍの幅と、８０〜９５ｍｍの長さとを有する長方
形、好ましくは５０〜６５ｍｍの幅と、８０〜９５ｍｍ
の長さとを有する長方形、５０〜５５ｍｍの幅と、８０
〜８５ｍｍの長さとを有する長方形に形成される。しか
し、より好ましくは、医療カード１０は、定期券、テレ
ホンカード、銀行カード、クレジットカード等、通常の
各種のカードとほぼ同じ大きさに形成される。

【００３４】台紙１２とフィルム１４とをカバー１６に
よりサンドウィッチ状に挟むことにより、フィルム１４
を台紙１２に固定する代わりに、接着剤等によりフィル
ム１４を台紙１２に固定してもよいし、フィルム１４よ
りやや大きい透明のシートをフィルム１４に被せ、シー
トを台紙１２に接着することにより、フィルム１４を台
紙１２に固定してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の医療カードの一実施例を示す表面図で
ある。

【図２】図１における２−２線に沿って得た拡大断面図
である。

【図３】図１に示す医療カードの背面図である。

【図４】フィルムに記録される情報の記録フォーマット
の一実施例を示す図である。

【符号の説明】

１０ 医療カード １２ 台紙 １４ フィルム １６ カバー １８ 切欠部 ２０〜４２ 台紙に目視可能に記録された各種の情報 ４４ 医療情報 ４６ 個人情報

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カードの種類および所持者の氏名が目視
   可能に記された台紙と、前記所持者の医療情報が陽画で
   縮小して記録された、前記台紙に配置されたフィルム
   と、該フィルムを前記台紙に固定する固定手段とを含
   む、医療カード。
2. 【請求項２】 前記固定手段は、少なくとも前記フィル
   ムを包囲する透明シート製のカバーを備える、請求項１
   に記載の医療カード。
3. 【請求項３】 前記固定手段は、前記台紙および前記フ
   ィルムを包囲する透明シート製のカバーを備える、請求
   項１または２に記載の医療カード。
4. 【請求項４】 ５０〜６５ｍｍの幅と、８０〜９５ｍｍ
   の長さとを有する長方形に形成されている、請求項１〜
   ３のいずれか１項に記載の医療カード。
5. 【請求項５】 前記台紙は長方形の切欠部を有してお
   り、前記フィルムは前記切欠部に配置されている、請求
   項１〜４のいずれか１項に記載の医療カード。
6. 【請求項６】 前記フィルムには、さらに、前記所持者
   の、氏名、住所、生年月日、年齢、性別、体重、身長、
   健康保険証番号および緊急連絡先を含む個人情報が記録
   されている、請求項１〜５のいずれか１項に記載の医療
   カード。
7. 【請求項７】 前記台紙には、さらに、当該カードの発
   行機関とその連絡先とが目視可能に記録されている、請
   求項１〜６のいずれか１項に記載の医療カード。
8. 【請求項８】 前記医療情報は、当該カードの所持者
   の、血液型、健康診断の各種の結果、および特記事項等
   を含む、請求項１〜７のいずれか１項に記載の医療カー
   ド。