JPH06319961A - 膜モジュール - Google Patents

膜モジュール

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JPH06319961A
JPH06319961A JP11083593A JP11083593A JPH06319961A JP H06319961 A JPH06319961 A JP H06319961A JP 11083593 A JP11083593 A JP 11083593A JP 11083593 A JP11083593 A JP 11083593A JP H06319961 A JPH06319961 A JP H06319961A
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JP
Japan
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membrane module
tetrafluoroethylene
copolymer
membrane
ozone
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JP11083593A
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English (en)
Inventor
Yukiharu Arakawa
幸晴 荒川
Yoshiaki Kageura
能章 影浦
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 中空糸状膜(a)、ハウジング部(b)、端
部密封剤(c)からなる膜モジュールであって、端部密
封剤がフルオロオレフィン単量体と水酸基含有ビニル単
量体を必須の単量体成分とする水酸基含有フルオロオレ
フィン共重合体樹脂からなることを特徴とする膜モジュ
ール。 【効果】 耐オゾン性及び酸、アルカリ等の耐薬品性を
有する膜モジュ−ルの提供が可能となり、これにより長
期にわたるオゾン及び酸、アルカリ等の成分を含んだ液
体の膜処理及びオゾン含有水による繰り返し洗浄(逆洗
を含む)が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸、アルカリ等の薬品
あるいはオゾン等の強い酸化作用を有する成分を含んだ
液体を膜処理するのに好適な膜モジュールに関する。よ
り好適には、河川水又は地下水を原水として上水を得る
際の水処理及び廃水処理等各種水処理において、オゾン
を含む水を大量に濾過処理する等の用途に適した耐オゾ
ン性を有する膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】河川水や工業廃水等を浄化するにあた
り、従来はポリ塩化アルミニウム等の凝集剤を用いて水
中の濁度物質を凝集、フロック形成させることによって
浄化を行っている。凝集剤添加による水の浄化法につい
ては、例えば、丹保憲二、小笠原紘一共著「浄水の技
術」技報堂(1985)第2章に詳しい記述がある。しかし
この様な方法では、原水(河川水、地下水、廃水等)の
水質が変動すると、有効な処理を行うにはその変動に応
じて添加する凝集剤の量やpH等を最適化していく必要
があり、いわゆるジャーテストといった予備テストが要
求される。この様に、従来法では操作が煩雑である上に
フロック形成池や沈殿池、砂濾過設備等の大型設備が必
要であった。
【0003】以上のような凝集沈殿法の持つ欠点を克服
し、コンパクトな設備でかつ原水変動に大きく左右され
ることなく安定した水質を得るために、膜を用いた新た
なプロセスが提案されてきている。しかし、膜を用いた
場合には、処理水の透過流速が経時的に急減するといっ
た問題があった〔ニューメンブレンテクノロジーシンポ
ジュウム 92,日本膜学会・(社)日本能率協会主
催,予稿集SESSION3(1992)〕。
【0004】これらの問題を解決するために、近年オゾ
ンによって原水をあらかじめ処理することにより処理水
の透過速度の経時的減少を抑制したり〔Jour.AW
WA,77(No.60−65)(1985)〕、濾過
膜の前で原水にオゾンを注入し、オゾンを含んだ原水を
濾過することにより目詰まりを抑える方法(特開平4−
108518号公報)や、洗浄時や逆洗時にオゾンを含
む水を用いることにより、低下した透過流速の回復をは
かる方法が提案されている(特開昭63−93310号
公報、特開平3−249927号公報)。
【0005】こうしたオゾン処理は、膜の目詰まりが有
機物質に起因する場合に特に有効であるが、逆にこのオ
ゾンの強い酸化作用に耐え得る膜モジュールが要求され
る。例えば、中空糸状膜を用いてオゾンを含む水を濾過
する方法においては、この膜モジュールを構成する膜、
ハウジング部、端部密封剤は、各々の構造材としての機
能はもちろんのこと耐オゾン性をも兼ね備えたものでな
くてはならない。
【0006】従来、耐オゾン性を有する膜モジュールと
しては、例えば、セラミック膜を用いた膜モジュールや
All−PVDFのスタック型水処理システム〔Ultrep
ureWater,7(No.6)P.32−36,38−40
(1992)〕等が知られている。ところがこれらの膜
モジュールは、セラミック膜モジュールにおいては高価
であり、かつ設備のコンパクト化に限界があるといった
問題がある。また、All−PVDFのスタック型水処
理システムにおいても、設備のコンパクト化が難しい上
に、更にはプロセス的に優れているクロスフローが不可
能等の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機系中空
糸状膜を用いて大量の水処理を行うに際し、オゾンの強
い酸化力を受けても劣化することが少なく、かつ酸、ア
ルカリ等の薬品にも強い、長期間安定した水処理が可能
な膜モジュールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
標を達成すべく鋭意研究を行った結果、本発明の膜モジ
ュールにより、かかる目的を達成することができること
を見出だした。すなわち、本発明は、以下のとおりであ
る。 1.中空糸状膜、ハウジング部及び端部密封剤からなる
膜モジュールであって、該端部密封剤が、フルオロオレ
フィン単量体と水酸基含有ビニル単量体を必須の単量体
成分として得られる水酸基含有フルオロオレフィン共重
合体樹脂からなることを特徴とする膜モジュール。 2.中空糸状膜がフッ素系樹脂からなり、ハウジング部
がステンレス鋼、フッ素系樹脂又は塩素系樹脂からなる
ことを特徴とする1記載の膜モジュール。 3.中空糸状膜が、ポリテトラフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共
重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデン
フルオライド、ポリビニルフルオライドから選ばれるフ
ッ素系樹脂からなる1又は2記載の膜モジュール。 4.ハウジング部が、ポリテトラフルオロエチレン、テ
トラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
オロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン
共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロト
リフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデ
ンフルオライド、ポリビニルフルオライドから選ばれる
フッ素系樹脂からなる1、2又は3記載の膜モジュー
ル。 5.ハウジング部が、ポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニ
リデンから選ばれる塩素系樹脂からなる1、2又は3記
載の膜モジュール。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の膜モジュールの構造の1例を図1に示した。図中
のa)が中空糸状膜、b)がハウジング部、c)が端部
密封剤を示す。本発明の膜モジュールに用いられる端部
密封剤は、耐オゾン性及び酸、アルカリ等の耐薬品性に
優れることはもちろんのこと、密封後の機械的強度、硬
度、中空糸状膜及びハウジング部との接着強度、更には
モジュール製造時の加工性等に優れることが必要であ
る。例えば、耐オゾン性に優れるフッ素系樹脂による溶
融接着法を適用した場合、その樹脂の融点が高いと中空
糸状膜及びハウジング部の材質が変形する恐れがあり好
ましくない。
【0010】また、無機系接着剤の中にも耐オゾン性及
び耐薬品性に優れるものもあるが、耐水性に劣る等の欠
点を有しており、本発明に適応するのは難しい。本発明
者らは、端部密封剤として必要な要件を充分に考慮し、
硬化挙動と硬化物の特性について検討した結果、フルオ
ロオレフィン単量体と水酸基含有ビニル単量体を必須の
単量体成分として得られる水酸基含有フルオロオレフィ
ン共重合体樹脂(以下、水酸基含有フルオロオレフィン
共重合体樹脂と略記する。)が、本発明の端部密封剤と
して最も優れていることを見出だした。
【0011】本発明における水酸基含有フルオロオレフ
ィン共重合体樹脂のフルオロオレフィン単量体として
は、例えばテトラフルオロエチレン、ビニルフルオライ
ド、ビニリデンフルオライド、クロロトリフルオロエチ
レン等のフルオロエチレン系、ヘキサフルオロプロペ
ン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、
1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、2−ク
ロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン等
のフルオロプロペン系、オクタフルオロ−1−ブテン、
オクタフルオロ−2−ブテン、1,1,2−トリフルオ
ロ−1−ブテン、デカフルオロ−1−ペンテン等を挙げ
ることができるが、これらの中でフルオロエチレン化合
物、フルオロプロペン化合物が好ましく、特にテトラフ
ルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサ
フルオロプロペンが重合性が良く、また耐オゾン性に優
れ好適である。これらのフルオロオレフィンはそれぞれ
単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いて
も良い。
【0012】本発明における水酸基含有フルオロオレフ
ィン共重合体樹脂の水酸基含有ビニル単量体としては、
例えば2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒド
ロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘ
キシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエ
ーテル類、2−ヒドロキシアリルビニルエーテル、4−
ヒドロキシブチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキ
ルアリルエーテル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート等の水酸基含有(メタ)アクリレート類、2−ヒド
ロキシエチルクロトネート、4−ヒドロキシプロピルク
ロトネート等の水酸基含有クロトン酸エステル類、アリ
ルアルコール等が代表的に例示されるが、これらの中で
ヒドロキシアルキルビニルエーテル類がフルオロオレフ
ィンとの反応性が良好で好ましい。これらの水酸基含有
ビニル単量体はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以
上を組み合わせて用いても良い。
【0013】本発明において水酸基含有フルオロオレフ
ィン共重合体樹脂は、前記必須の単量体成分の他に、こ
れら必須の単量体成分と共重合することができる他のビ
ニル単量体類を必要に応じて共重合することができる。
かかるビニル単量体類としては例えばエチレン、プロピ
レン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン等のハロオレフィン類、酢酸ビニル、n−
酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸
ビニル、ビバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカル
ボン酸ビニルエステル類、酢酸イソプロペニル、プロピ
オン酸イソプロベニル等のカルボン酸イソプロベニルエ
ステル類、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエー
テル、イソブチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニ
ルエーテル類、2,3−ジヒドロフラン等の環状ビニル
エーテル類、ペンタフルオロエチルビニルエーテル、2
−パーフルオロオクチルエチルビニルエーテル等のフル
オロビニルエーテル類、スチレン、ビニルトルエン等の
芳香族ビニル化合物、ギ酸アリル、酢酸アリル、酪酸ア
リル、安息香酸アリル等のアリルエステル類、アリルエ
チルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエー
テル類等が挙げられる。これらのビニル単量体はそれぞ
れ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用い
ても良い。
【0014】本発明において、水酸基含有フルオロオレ
フィン共重合体樹脂の重合に使用する上記各単量体成分
の比率は、該共重合体の収率及び耐オゾン性等の観点か
らフルオロオレフィン10〜80モル%、水酸基含有ビ
ニル単量体2〜50モル%、他の共重合可能なビニル単
量体0〜60モル%が好ましく、更に好ましくはフルオ
ロオレフィン40〜60モル%、水酸基含有ビニル単量
体5〜30モル%、他の共重合可能なビニル単量体5〜
50モル%である。
【0015】本発明における水酸基含有フルオロオレフ
ィン共重合体樹脂の重合方法については特に制限はな
く、例えば塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液
重合法などを用いるここができるが、重合反応操作の安
定性等の点から、キシレン、トルエン等の低級アルキル
置換ベンゼン、酢酸ブチル等のエステル類、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、t−ブタノール等のアルコ
ール類、フッ素原子1個以上を有する飽和ハロゲン化炭
化水素類等を溶媒とする溶液重合法、水性媒体中での乳
化重合法、溶媒との分離を不要とする塊状重合法などが
好ましく用いられる。
【0016】本発明における水酸基含有フルオロオレフ
ィン共重合体樹脂の分子量は、テトラヒドロフランを溶
媒にし、分子量既知の単分散ポリスチレンを標準物質と
して用い、ゲルパーミションクロマトグラフ(GPC)
法により測定して求めた数平均分子量(Mn)が、50
0〜200000、好ましくは2000〜100000
の範囲である。
【0017】本発明において水酸基含有フルオロオレフ
ィン共重合体樹脂に流動性を与えるための溶媒として
は、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、n−ブ
タノール等のアルコール類、酢酸ブチル等のエステル
類、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチルセロ
ソルブ等のグリコールエーテル類等が代表的なものとし
て挙げられ、市販の各種シンナーも使用可能である。
【0018】前記溶媒の含有量は、硬化前の粘度、硬化
時の収縮率等の点から、水酸基含有フルオロオレフィン
共重合体樹脂に対し5〜60wt%が好ましく、更に好
ましくは15〜40wt%である。本発明において水酸
基含有フルオロオレフィン共重合体樹脂の硬化前の粘度
は例えば遠心接着機を用いてモジュール化する際の成形
加工性から、2000ポイズ以下が好ましく、更に好ま
しくは1000ポイズ以下である。
【0019】本発明において水酸基含有フルオロオレフ
ィン共重合体樹脂の硬化剤としては、1分子中に2個以
上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが好
適である。該多価イソシアネートとしてはヘキサメチレ
ンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニレンジ
イソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の
脂肪族若しくは脂環族ジイソシアネート、これらイソシ
アネート化合物の2量体、3量体又はこれらイソシアネ
ート化合物とエチレングリコール、グリセリン、トリメ
チロールプロパン等の低分子ポリオールとの反応生成物
などが代表的なものとして挙げられる。
【0020】次ぎに本発明に使用される中空糸状膜とし
ては、いわゆる限外濾過膜やマイクロフィルターが挙げ
られ、その平均孔径は、透水性能及び濾過性能より0.
001〜5μmが好ましく、更に好ましくは0.002
〜1μmである。また、その寸法は、圧力損失、膜強度
及び充填効率の点から外径が5〜1mm、内径が4.5
〜0.5mm、有効長が0.3〜3mのものが好まし
い。
【0021】本発明における中空糸状膜の材質は、オゾ
ンの強い酸化作用に耐え得るという点でフッ素系樹脂で
ある。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(EPE)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合
体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(P
CTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共
重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド
(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)等が
挙げられる。特に耐オゾン性、耐酸性、耐アルカリ性及
び成形加工性に優れること、更に膜としての機械的強度
にも優れているという点からETFE、PCTFE、P
VDFが好ましく、更に好ましくは耐オゾン性、機械的
強度に優れ、且つ膜としての成形がより容易なPVDF
が好ましい。
【0022】本発明における中空糸状膜は、公知の方法
で製造することができる。例えば、溶剤等を用いて混合
溶液とした後、中空糸状にノズルから吐出し、凝固剤等
で成形するいわゆる湿式法等を採用することにより三次
元網目構造とすることができる。また、いわゆる延伸法
や、界面剥離法、エッチング放射線等により多孔膜とす
ることも可能である。例えば、特公平3−215535
号公報に示された、混合抽出法により成形されたPVD
F多孔性膜は、耐酸化性、透水性能、濾過性能、及び機
械的強度等に優れた特性を備えるためより好ましい方法
として挙げることができる。
【0023】次ぎに、本発明に使用されるハウジング部
の材質は、ー般に耐オゾン性の優れるステンレス鋼、特
にSUS316を挙げることができ本発明に使用でき
る。しかしながら、ステンレス鋼はー般に高価であり、
また重量が大きいことから、膜モジュールの据付け、交
換等の作業性が悪くなる等の欠点がある。本発明では、
次ぎに例示する樹脂製が好ましい。すなわち、ハウジン
グ部用耐オゾン性樹脂としては、例えば、ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレン
−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフル
オロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチ
レン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデ
ンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド
(PVF)等のフッ素系樹脂及びポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等の塩素系樹脂
等が挙げられる。
【0024】耐オゾン性、耐酸性、耐アルカリ性、成形
加工性及び機械的強度等の点から本発明のハウジジング
部に好ましいフッ素系樹脂としてはETFE、PVDF
であり、より好ましくはPVDFである。また塩素系樹
脂としてはPVCが挙げられる。塩素系樹脂は、フッ素
系樹脂に比べ一般に耐オゾン性と言う点ではやや劣るも
のの、ハウジング部はその強度維持等のために必要な、
ある程度の厚み(1〜10mm)を有しているために、
表層部のわずかな劣化がおこってもそれが使用される条
件(オゾン濃度、温度、使用期間等)によっては充分使
用可能である。PVCは一般に高価なフッ素系樹脂に比
べ安価であり、且つ、機械的強度、成形加工性が優れて
いるため、本発明のハウジング部のより好ましい材質と
なり得る。尚、PVCには、硬質及び軟質の種類がある
が、本発明には硬質タイプが適用される。
【0025】本発明の膜モジュールを適用するに当たり
膜モジュールの大きさは、処理水量により自由に選択で
きる。上水処理の如く大量の水を処理する場合、通常は
ハウジングの外径は3〜10インチであるが、場合によ
ってはそれ以上の物が使用される。またその長さは1〜
2mが一般的である。また、本発明における膜モジュー
ル用端部密封剤である水酸基含有フルオロオレフィン共
重合体樹脂は、耐オゾン性以外にも優れた耐酸性及び耐
アルカリ性をも有しており、酸及びアルカリ成分を含ん
だ液体等の膜処理、例えば半導体製造工程での洗浄に使
用される薬品の膜処理等においても劣化することが少な
く、長時間安定して使用することができる。
【0026】
【実施例】
【0027】
【実施例1〜12】 <端部密封剤用材質の評価>本発明に用いる端部密封剤
用材質の耐オゾン性の評価を下記の方法により行なっ
た。表1のNo.1〜3に示すフルオロオレフィン単量
体50モル%と4−ヒドロキシブチルビニルエーテル1
0モル%、イソブチルビニルエーテル20モル%、エチ
ルビニルエーテル10モル%、2,3−ジヒドロフラン
10モル%を重合してなる水酸基含有フルオロオレフィ
ン共重合体樹脂をキシレンに溶かして70wt%溶液を
作り、この水酸基含有フルオロオレフィン共重合体樹脂
溶液に対し、10wt%のヘキサメチレンジイソシアネ
ートの三量体で硬化させた。この硬化物からなる厚み1
mm、横10mm、縦50mmの試験片をそれぞれオゾ
ン濃度7ppmの水中に浸漬し、浸漬時間1500時間
後に取り出し、各試験片について重量、引張破断強度、
破断伸度の測定、更に電子顕微鏡による表面観察を行な
った。表1に各測定項目について、浸漬前の測定値に対
する浸漬後の保持率を示した。No.1〜3は本発明を
構成する端部密封剤用材質であり、No.4は本発明外
の端部密封剤用材質である。この結果は、本発明を構成
する端部密封剤が高い耐オゾン性を有することを示すも
のである。なお、引張試験はJISK6911の方法で
行った。
【0028】<中空糸状膜の評価>平均孔径0.1〜
0.3μm、外径2.0〜2.5mm、内径1.0〜
1.5mmの表2に示した材質からなる中空糸状膜をそ
れぞれオゾン濃度7ppmの水中に浸漬し、浸漬時間1
500時間後に取り出し、各膜について重量、引張破断
強度、破断伸度の測定、更に電子顕微鏡による表面観察
を行なった。表2に各測定項目について、浸漬前の測定
値に対する浸漬後の保持率(%)及び電顕観察による表
面状態の変化を示した。No.1〜3は本発明を構成す
る中空糸状膜であり、No.4〜5は本発明外の中空糸
状膜である。この結果は、本発明を構成する膜が極めて
高い耐オゾン性を有することを示すものである。
【0029】なお、引張試験はJISK6301の測定
方法で、チャック間50mm、引張速度200mm/m
inで行なった。 <ハウジング部用材質の評価>本発明のハウジング部用
材質の耐オゾン性の評価を下記の方法により行なった。
【0030】表3に示す材質からなる厚み2mm、幅1
0mm、長さ50mmの試験片をそれぞれオゾン濃度7
ppmの水中に浸漬し、浸漬時間1500時間後に取り
出し、各試験片について重量、引張破断強度、破断伸度
の測定、更に電子顕微鏡による表面観察を行なった。表
3に各測定項目について、浸漬前の測定値に対する浸漬
後の保持率及び電子顕微鏡観察による表面状態の変化を
示した。No.1〜4は本発明を構成するハウジング部
用材質であり、No.5〜6は本発明外のハウジング部
用材質である。この結果は、本発明を構成するハウジン
グ部が高い耐オゾン性を有することを示すものである。
【0031】なお、引張試験は、JISK6911の方
法で行なった。次ぎに、中空糸状膜、ハウジング部及び
端部密封剤が、表4に示す材質からなり、中空糸膜が1
00本充填された外径42mmφ、内径38mmφ、長
さ350mmの膜モジュールを作製した。尚、表4の端
部密封剤は、本発明に用いる水酸基含有フルオロオレフ
ィン共重合体樹脂の原料であるフルオロオレフィン単量
体を示した。
【0032】即ち、本実施例において端部密封剤は、表
4に示すフルオロオレフィン単量体50モル%と4−ヒ
ドロキシブチルビニルエーテル10モル%、イソブチル
ビニルエーテル20モル%、エチルビニルエーテル10
モル%、2,3−ジヒドロフラン10モル%からなる水
酸基含有フルオロオレフィン共重合体樹脂をキシレンに
溶かして70wt%溶液を作り、この水酸基含有フルオ
ロオレフィン共重合体樹脂に対し、10wt%のヘキサ
メチレンジイソシアネートの三量体で硬化させることに
よって得られたものである。
【0033】次いで得られた各膜モジュールにオゾン濃
度7ppmの水を濾過圧力2.0Kg/cm2 で連続透
水濾過し、目視判定及び気密試験において膜モジュール
の耐オゾン性及び耐久性を評価した。その結果を表4に
示す。この結果は、目視判定及び気密試験共に良好であ
り、本発明の膜モジュールが耐オゾン性を充分に有する
ことを示すものである。
【0034】次ぎに表4のNo.2、4、7、9のモジ
ュールに10%の硫酸及び10%の水酸化ナトリウム溶
液を水温30℃、濾過圧力2.0kg/cm2 で連続3
0日透水した後目視判定及び気密試験において何の変化
もなく優れた耐酸性、耐アルカリ性を示した。尚、気密
試験の方法は、オゾン水を連続透水濾過した後、膜モジ
ュールを水中に浸漬し、各膜のバブルポイントの1/2
の空気圧を加え、中空糸膜、ハウジング部及び端部密封
部からのリークをチェックした。
【0035】
【比較例】中空糸状膜、ハウジング部及び端部密封剤
が、表5に示す材質からなり、中空糸膜が100本充填
された外径42mmφ、内径38mmφ、長さ350m
mの膜モジュールを作製した。尚、表5の端部密封剤に
おいてNo.1〜3は、実施例と同様にフルオロオレフ
ィン単量体で略記しており、実施例と同様にして得られ
たものである。これらの各膜モジュールを、オゾン濃度
7ppmの水を濾過圧力2.0Kg/cm2 で連続透水
濾過し、膜モジュールの耐オゾン性及び耐久性を実施例
と同じ方法で評価した。その結果を表5に示す。この結
果は、中空糸状膜の材質にPE、ハウジング部の材質に
PEあるいはPSf、端部密封剤の材質にエポキシ樹脂
を使用した例であるが、これらはいずれも膜モジュール
としての欠陥を示しており、耐オゾン性膜モジュールと
しては使用できないことを示すものである。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【発明の効果】本発明により、耐オゾン性及び酸、アル
カリ等の耐薬品性を有する膜モジュ−ルの提供が可能と
なり、これにより長期にわたるオゾン及び酸、アルカリ
等の成分を含んだ水の膜処理及びオゾン含有水による繰
り返し洗浄(逆洗を含む)が可能となる。
【0042】また、この膜モジュールを用いた水処理シ
ステムでは、設備がコンパクトになると共にこの分野で
の膜処理システムとして優れるとされるクロスフロー方
式による処理方法をも採用できる等極めて多くの利点を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜モジュールの1例であるラボモジュ
ールを示す概略図である。
【符号の説明】
a) 中空糸状膜 b) ハウジング部 c) 端部密封剤

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空糸状膜、ハウジング部及び端部密封
    剤からなる膜モジュールであって、該端部密封剤が、フ
    ルオロオレフィン単量体と水酸基含有ビニル単量体を必
    須の単量体成分として得られる水酸基含有フルオロオレ
    フィン共重合体樹脂からなることを特徴とする膜モジュ
    ール。
  2. 【請求項2】 中空糸状膜がフッ素系樹脂からなり、ハ
    ウジング部がステンレス鋼、フッ素系樹脂又は塩素系樹
    脂からなることを特徴とする請求項1記載の膜モジュー
    ル。
  3. 【請求項3】 中空糸状膜が、ポリテトラフルオロエチ
    レン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
    ビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘ
    キサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチ
    レン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキ
    ルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−
    エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、
    クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリ
    ビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライドから
    選ばれるフッ素系樹脂からなる請求項1又は2記載の膜
    モジュール。
  4. 【請求項4】 ハウジング部が、ポリテトラフルオロエ
    チレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
    ルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−
    ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエ
    チレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアル
    キルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン
    −エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレ
    ン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、
    ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド
    から選ばれるフッ素系樹脂からなる請求項1、2又は3
    記載の膜モジュール。
  5. 【請求項5】 ハウジング部が、ポリ塩化ビニル及びポ
    リ塩化ビニリデンから選ばれる塩素系樹脂からなる請求
    項1、2又は3記載の膜モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005520679A (ja) * 2002-03-19 2005-07-14 マイクロリス・コーポレイシヨン 中空糸膜接触装置およびプロセス

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JP2005520679A (ja) * 2002-03-19 2005-07-14 マイクロリス・コーポレイシヨン 中空糸膜接触装置およびプロセス
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