JPH06319368A - 乾燥砂地地帯での植生化方法 - Google Patents
乾燥砂地地帯での植生化方法Info
- Publication number
- JPH06319368A JPH06319368A JP5132764A JP13276493A JPH06319368A JP H06319368 A JPH06319368 A JP H06319368A JP 5132764 A JP5132764 A JP 5132764A JP 13276493 A JP13276493 A JP 13276493A JP H06319368 A JPH06319368 A JP H06319368A
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- Japan
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- sand
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、飛び砂現象を利用して地中に形成さ
れた滞水層と、埋め込まれた結露シートにより、低廉な
費用で且つ簡単な作業で植生を可能にする乾燥砂地地帯
での植生化方法を明らかにするものである。 【構成】本発明の植生化方法は、 乾燥砂地の凹部1
を中心にして丘頂部2に向かって遮水シート3を敷設し
て、その上部に飛び砂による砂の堆積を行わしめて地中
滞水層を形成し、更に砂の堆積に並行して滞水層の上方
に結露シート6・7の敷設を行い、その上部に一定量の
砂の堆積が完了したら防風ネット8を配備して砂の堆積
・流失を防止し、植生植物の播種・移植を行うこと、
滞水層に溜めておかれた水を地表側に上昇せしめる途
中で結露シート6・7の下面で結露させることにより水
分の蒸発量を制限すること、を特徴とする。
れた滞水層と、埋め込まれた結露シートにより、低廉な
費用で且つ簡単な作業で植生を可能にする乾燥砂地地帯
での植生化方法を明らかにするものである。 【構成】本発明の植生化方法は、 乾燥砂地の凹部1
を中心にして丘頂部2に向かって遮水シート3を敷設し
て、その上部に飛び砂による砂の堆積を行わしめて地中
滞水層を形成し、更に砂の堆積に並行して滞水層の上方
に結露シート6・7の敷設を行い、その上部に一定量の
砂の堆積が完了したら防風ネット8を配備して砂の堆積
・流失を防止し、植生植物の播種・移植を行うこと、
滞水層に溜めておかれた水を地表側に上昇せしめる途
中で結露シート6・7の下面で結露させることにより水
分の蒸発量を制限すること、を特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飛び砂現象を利用して
乾燥砂地の地中に滞水層を形成すると共に、結露シート
の利用により地表部からの水分蒸発量を極力制限して植
生を可能にする砂漠等の乾燥砂地地帯での植生化方法に
関する。
乾燥砂地の地中に滞水層を形成すると共に、結露シート
の利用により地表部からの水分蒸発量を極力制限して植
生を可能にする砂漠等の乾燥砂地地帯での植生化方法に
関する。
【0002】
【発明の背景】砂漠等の乾燥地帯では、植生に必要な表
土が失われて砂が堆積した状態となっており表土の保水
力が弱いので、供給された水は地下深くに浸透してしま
い、植生に必要な地表近くはすぐに乾燥するので、乾燥
地帯に適した植生以外は早晩枯れ死を免れない。
土が失われて砂が堆積した状態となっており表土の保水
力が弱いので、供給された水は地下深くに浸透してしま
い、植生に必要な地表近くはすぐに乾燥するので、乾燥
地帯に適した植生以外は早晩枯れ死を免れない。
【0003】従って、このような乾燥地帯で植生を行う
には水と土の両面での様々な改善が必要である。水に関
して云えば、水源の確保や用水施設の問題だけでなく、
地中水分の蒸発に伴う地表近くでの塩分の堆積という厄
介な重要問題があり、土に関しては、風による作土の流
失や飛び砂による作土表面への砂の堆積等々の問題があ
る。
には水と土の両面での様々な改善が必要である。水に関
して云えば、水源の確保や用水施設の問題だけでなく、
地中水分の蒸発に伴う地表近くでの塩分の堆積という厄
介な重要問題があり、土に関しては、風による作土の流
失や飛び砂による作土表面への砂の堆積等々の問題があ
る。
【0004】砂漠等の乾燥地帯では、日射量が多いため
供給された水分の蒸発が激しく、蒸発量以上に水分の供
給を行う植生方法を行うと、水源の枯渇や地中塩分の堆
積の問題が生じる。そこで、供給された水分の蒸発を防
止して、用水量の低減化や塩分堆積の防止を計る必要が
ある。
供給された水分の蒸発が激しく、蒸発量以上に水分の供
給を行う植生方法を行うと、水源の枯渇や地中塩分の堆
積の問題が生じる。そこで、供給された水分の蒸発を防
止して、用水量の低減化や塩分堆積の防止を計る必要が
ある。
【0005】更に、砂漠等の乾燥地帯でも微量ながら降
雨があるが、これを有効に利用して用水量の低減化を計
ることも重要である。
雨があるが、これを有効に利用して用水量の低減化を計
ることも重要である。
【0006】そこで、作土層中の水分を維持させるため
に、吸水性樹脂その他の土壌改良材を混入したり、地中
の一定深さに不透水性のシートを埋設する植生方法が行
われている(特開昭58−120910号参照)。この
ようなシート埋設による植生方法は地中塩分の堆積の問
題をも解決するものであるが、地表を掘り起こしてシー
トを敷設するので費用がかかり過ぎる難点がある。
に、吸水性樹脂その他の土壌改良材を混入したり、地中
の一定深さに不透水性のシートを埋設する植生方法が行
われている(特開昭58−120910号参照)。この
ようなシート埋設による植生方法は地中塩分の堆積の問
題をも解決するものであるが、地表を掘り起こしてシー
トを敷設するので費用がかかり過ぎる難点がある。
【0007】また、上記したシート埋設による植生方法
は、シートより上部の地中水分の蒸発防止には全く関係
していない。
は、シートより上部の地中水分の蒸発防止には全く関係
していない。
【0008】他方、地表を礫や植物繊維、更にはアスフ
ァルト等の資材で覆ってしまうマルチングと呼ばれる方
法がある。この方法は、地表面の保護には役立つもので
あるが、気温が高い場合には隙間から蒸発する水分が多
過ぎ、作土中の水分の蒸発を制限する手法としては十分
ではない。
ァルト等の資材で覆ってしまうマルチングと呼ばれる方
法がある。この方法は、地表面の保護には役立つもので
あるが、気温が高い場合には隙間から蒸発する水分が多
過ぎ、作土中の水分の蒸発を制限する手法としては十分
ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、砂漠
等の乾燥砂地地帯の植生化には解決すべき多くの問題点
があるが、本発明は、従来のシート敷設法を改善して、
低廉な費用で、且つ簡単な作業により実施することがで
き、作土中の水分の蒸発を極力制限し用水量を著しく低
下させることが可能である改善された乾燥砂地地帯にお
ける植生化方法を明らかにすることを目的とするもので
ある。
等の乾燥砂地地帯の植生化には解決すべき多くの問題点
があるが、本発明は、従来のシート敷設法を改善して、
低廉な費用で、且つ簡単な作業により実施することがで
き、作土中の水分の蒸発を極力制限し用水量を著しく低
下させることが可能である改善された乾燥砂地地帯にお
ける植生化方法を明らかにすることを目的とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明に係る砂漠等の乾燥砂地地帯での植生化方法は、乾
燥砂地の凹部を中心にして丘頂部に向かって遮水シート
を敷設して、その上部に飛び砂による砂の堆積を行わし
めて地中滞水層を形成し、更に砂の堆積に並行して上記
滞水層の上方に結露シートの敷設を行い、この結露シー
トの上部に一定量の砂の堆積が完了したら防風ネットを
配備して砂の堆積・流失を防止し、植生用の植物の播種
ないし移植を行うこと、 飛び砂の堆積及び結露シー
トの敷設を繰り返して重複層を形成すること、又は、
滞水層に溜めておかれた灌漑用水ないしは降雨水を地
表部側の水分蒸発に伴って地表側に上昇せしめる途中で
滞水層の上部に配置された結露シートの下面で結露させ
ることにより水分の蒸発量を制限すること、を各々特徴
とする。
明に係る砂漠等の乾燥砂地地帯での植生化方法は、乾
燥砂地の凹部を中心にして丘頂部に向かって遮水シート
を敷設して、その上部に飛び砂による砂の堆積を行わし
めて地中滞水層を形成し、更に砂の堆積に並行して上記
滞水層の上方に結露シートの敷設を行い、この結露シー
トの上部に一定量の砂の堆積が完了したら防風ネットを
配備して砂の堆積・流失を防止し、植生用の植物の播種
ないし移植を行うこと、 飛び砂の堆積及び結露シー
トの敷設を繰り返して重複層を形成すること、又は、
滞水層に溜めておかれた灌漑用水ないしは降雨水を地
表部側の水分蒸発に伴って地表側に上昇せしめる途中で
滞水層の上部に配置された結露シートの下面で結露させ
ることにより水分の蒸発量を制限すること、を各々特徴
とする。
【0011】
【発明の具体的構成】以下、本発明の方法を具体的実施
例をもって詳細に説明する。
例をもって詳細に説明する。
【0012】図1〜図4は、本発明に係る乾燥砂地地帯
での植生化方法の実施過程を示すものであり、そして、
図5は本発明の作用を示す説明図であり、以下、順次説
明する。
での植生化方法の実施過程を示すものであり、そして、
図5は本発明の作用を示す説明図であり、以下、順次説
明する。
【0013】図1は、飛び砂現象により生じた砂丘の低
地部1を中心として、丘頂部2に向かって展開する状態
で不透水性の遮水シート3を敷設し、適当な間隔で留め
具4を打ち込み固定する。遮水シート3の端部は、風に
よるまくれを防止するために砂袋5などで押えておくの
が好ましい。
地部1を中心として、丘頂部2に向かって展開する状態
で不透水性の遮水シート3を敷設し、適当な間隔で留め
具4を打ち込み固定する。遮水シート3の端部は、風に
よるまくれを防止するために砂袋5などで押えておくの
が好ましい。
【0014】遮水シート3を構成する素材としては、不
透水性のものであれば種々の合成樹脂系・ゴム系・アス
ファルト系或いは混合・混成物系の各種シートを単層で
或いは積層体で利用することが可能である。
透水性のものであれば種々の合成樹脂系・ゴム系・アス
ファルト系或いは混合・混成物系の各種シートを単層で
或いは積層体で利用することが可能である。
【0015】遮水シート3に代えて、又は、これと併用
して一定の厚みのアスファルト等の塗設による遮水層を
形成するようにしてもよい。
して一定の厚みのアスファルト等の塗設による遮水層を
形成するようにしてもよい。
【0016】尚、遮水シート3は連続する1枚のシート
である必要はなく、複数枚を溶着・接着・重ね合わせ等
により連続したものを利用してもよい。
である必要はなく、複数枚を溶着・接着・重ね合わせ等
により連続したものを利用してもよい。
【0017】また、遮水シート3を敷設する場所として
は、図1に示すように、砂丘の低地部1を中心とするこ
とが好ましいが、低地部1が複数に分かれている地形部
分であってもよいし、極端な場合には、飛び砂の堆積が
期待できる場所であれば、平坦に近い地形部分であって
もよい。
は、図1に示すように、砂丘の低地部1を中心とするこ
とが好ましいが、低地部1が複数に分かれている地形部
分であってもよいし、極端な場合には、飛び砂の堆積が
期待できる場所であれば、平坦に近い地形部分であって
もよい。
【0018】図1に示す状態で一定期間放置しておき、
飛び砂現象により、遮水シート3の上部に砂が堆積する
のを待ち、図2に示すように、堆積した砂の段丘部に不
透水性の結露シート6を適当な間隔を置いて敷設し、留
め具4により固定する。結露シート6は、段丘部に山型
ないし傘型になる状態で敷設するのが好ましいが、平坦
型であってもよい。
飛び砂現象により、遮水シート3の上部に砂が堆積する
のを待ち、図2に示すように、堆積した砂の段丘部に不
透水性の結露シート6を適当な間隔を置いて敷設し、留
め具4により固定する。結露シート6は、段丘部に山型
ないし傘型になる状態で敷設するのが好ましいが、平坦
型であってもよい。
【0019】結露シート6の敷設が完了したら、そのま
ま放置し、飛び砂現象による砂の体積を待ち、結露シー
ト6の上に一定量の砂が堆積したら、図3に示すよう
に、二段目の結露シート7を前記と同様の方法により敷
設する。
ま放置し、飛び砂現象による砂の体積を待ち、結露シー
ト6の上に一定量の砂が堆積したら、図3に示すよう
に、二段目の結露シート7を前記と同様の方法により敷
設する。
【0020】結露シート6及び7の敷設は、図3に示す
ように、交互に入りくんだ重ならない状態となるのが好
ましい。
ように、交互に入りくんだ重ならない状態となるのが好
ましい。
【0021】結露シート7の敷設の段階では、結露シー
ト6は砂中に埋まった状態であるので、結露シート6の
位置を示す標識を立てておくか、或いは、結露シート6
の敷設フォーマットを予め規定しておくのが好ましい。
ト6は砂中に埋まった状態であるので、結露シート6の
位置を示す標識を立てておくか、或いは、結露シート6
の敷設フォーマットを予め規定しておくのが好ましい。
【0022】結露シート6・7の敷設は、図示のような
二段でも、或いは三段以上にわたって行ってもよい。
二段でも、或いは三段以上にわたって行ってもよい。
【0023】結露シート6・7は、水蒸気を通さない材
質のものであれば、種々のものが利用可能である。上記
した遮水シート3と同一の素材を利用してもよい。
質のものであれば、種々のものが利用可能である。上記
した遮水シート3と同一の素材を利用してもよい。
【0024】図4に示すように、最上部の結露シート7
の上に一定量の砂の堆積があれば、植生地として完成
し、それ以上の飛び砂の堆積を防止するために、或い
は、植生地表面の砂の飛散流失を防止するために、周囲
を防風ネット8で囲繞する。防風ネット8は、植生地を
囲繞する形でなく、一定の間隔の柵状に設けるようにし
てもよい。
の上に一定量の砂の堆積があれば、植生地として完成
し、それ以上の飛び砂の堆積を防止するために、或い
は、植生地表面の砂の飛散流失を防止するために、周囲
を防風ネット8で囲繞する。防風ネット8は、植生地を
囲繞する形でなく、一定の間隔の柵状に設けるようにし
てもよい。
【0025】尚、防風ネット8を設置することと並行し
て、植生地の表層を保護するために各種の材料でマルチ
ングを行うことも好ましい態様である。
て、植生地の表層を保護するために各種の材料でマルチ
ングを行うことも好ましい態様である。
【0026】尚、適当な間隔で通気筒9を埋設しておく
のが好ましい。この通気筒9は、地中の気圧を大気圧ま
で低下させ、供給された水や雨水が浸透するのを助ける
ものであるが、遮水シート3や結露シート6・7等の位
置や深さを示す指標として機能させることができる。
のが好ましい。この通気筒9は、地中の気圧を大気圧ま
で低下させ、供給された水や雨水が浸透するのを助ける
ものであるが、遮水シート3や結露シート6・7等の位
置や深さを示す指標として機能させることができる。
【0027】結露シート6・7の上部への砂の堆積に並
行して、各種の土壌改質材や肥料分等を混入させるよう
にすることも好ましい態様である。
行して、各種の土壌改質材や肥料分等を混入させるよう
にすることも好ましい態様である。
【0028】以上により植生地は完成し、用水パイプラ
イン、施肥用パイプライン、スプリンクラー等の地上施
設の施工を併用することも可能である。
イン、施肥用パイプライン、スプリンクラー等の地上施
設の施工を併用することも可能である。
【0029】播種及び小さな苗木の移植は、結露シート
7の存在しない部分に行うことが好ましく、このように
することにより、伸長する根が結露シート7の下面側に
回り込むのを可能にすることができる。
7の存在しない部分に行うことが好ましく、このように
することにより、伸長する根が結露シート7の下面側に
回り込むのを可能にすることができる。
【0030】尚、木本植物の植え込みの場合は、結露シ
ート6又は7の敷設と同時に行ってもよい。
ート6又は7の敷設と同時に行ってもよい。
【0031】図5に従って、本発明の方法により完成さ
れた植生地の機能を説明する。
れた植生地の機能を説明する。
【0032】遮水シート3は不透水性のシートにより構
成され、砂丘の低地部1に敷設されるので、地上の給水
施設から供給された水、或いは降雨による雨水は、作土
中を一部吸着されながら浸透下降して行き、遮水シート
3の底部に滞水層10となって止まる。
成され、砂丘の低地部1に敷設されるので、地上の給水
施設から供給された水、或いは降雨による雨水は、作土
中を一部吸着されながら浸透下降して行き、遮水シート
3の底部に滞水層10となって止まる。
【0033】日射の強い昼間は地中の温度も上昇し、表
層近くの水分の蒸発が起こり、これに伴って、地中では
毛細管現象により水分の上昇があるが、結露シート6・
7が作土の途中に複数段にわたって設けられているの
で、地中を上昇する水ないし蒸気は、結露シート6・7
に捕まって地表へ達するのが阻止される。
層近くの水分の蒸発が起こり、これに伴って、地中では
毛細管現象により水分の上昇があるが、結露シート6・
7が作土の途中に複数段にわたって設けられているの
で、地中を上昇する水ないし蒸気は、結露シート6・7
に捕まって地表へ達するのが阻止される。
【0034】結露シート6・7に捕まった蒸気は、夜間
の気温低下により、或いは飽和によって結露して液体に
戻り、作土中を浸透下降する。
の気温低下により、或いは飽和によって結露して液体に
戻り、作土中を浸透下降する。
【0035】上記のように、作土中の水分は循環し、蒸
発による水分喪失が大幅に低減されるので、従来のシー
ト埋設による植生方法に比較して、用水量を著しく低下
させることが可能である。
発による水分喪失が大幅に低減されるので、従来のシー
ト埋設による植生方法に比較して、用水量を著しく低下
させることが可能である。
【0036】遮水シート3は、水の浸透下降を制限する
と共に、遮水シート3より下層の地中塩分が上昇するの
を防止する働きを持っている。
と共に、遮水シート3より下層の地中塩分が上昇するの
を防止する働きを持っている。
【0037】上記した作用から明らかであるが、滞水層
10を形成する遮水シート3の敷設深さは、植生する草
本ないし木本植物の根の伸長深さより下であることが好
ましい。滞水層10の水位が高いと、根が水に漬かった
状態となり、根腐れを生じさせる虞がある。滞水層10
の水位が低くとも、滞水層10と結露シート6・7との
間に水の循環があり、植生植物に対し十分な水分の供給
が可能である。
10を形成する遮水シート3の敷設深さは、植生する草
本ないし木本植物の根の伸長深さより下であることが好
ましい。滞水層10の水位が高いと、根が水に漬かった
状態となり、根腐れを生じさせる虞がある。滞水層10
の水位が低くとも、滞水層10と結露シート6・7との
間に水の循環があり、植生植物に対し十分な水分の供給
が可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る乾燥砂地地帯での植生化方
法によれば、下記の効果がある。
法によれば、下記の効果がある。
【0039】 自然の飛び砂現象を利用し、大型土木
機械による砂の掘り起こし作業が不要であり、砂地にシ
ートを張るだけの軽作業であるから、施工コストを大幅
に低減することが可能である。
機械による砂の掘り起こし作業が不要であり、砂地にシ
ートを張るだけの軽作業であるから、施工コストを大幅
に低減することが可能である。
【0040】 結露シート6・7を併用するので、蒸
発により失われる水分量が少なく、従来のシート埋設に
よる植生化方法に比較して著しく用水量を低減化するこ
とが可能であるだけでなく、長期にわたる給水制限にも
耐え得る。
発により失われる水分量が少なく、従来のシート埋設に
よる植生化方法に比較して著しく用水量を低減化するこ
とが可能であるだけでなく、長期にわたる給水制限にも
耐え得る。
【0041】 遮水シート3及び結露シート6・7を
利用して地中の水分の上昇を遮断するので、塩分の移動
や集積が生じない利点がある。
利用して地中の水分の上昇を遮断するので、塩分の移動
や集積が生じない利点がある。
【0042】 地中の任意の深さに結露シート6・7
を埋設するので、そこで生じた結露による水分を植物の
根が吸収でき、根の伸長の態様を異にする様々な植物を
利用して植生が可能である。
を埋設するので、そこで生じた結露による水分を植物の
根が吸収でき、根の伸長の態様を異にする様々な植物を
利用して植生が可能である。
【0043】 遮水シート3及び結露シート6・7の
配置については、地形や植生の目的に対応して様々な設
計変更が可能であり、多様な植生に対応できる。
配置については、地形や植生の目的に対応して様々な設
計変更が可能であり、多様な植生に対応できる。
【図1】本発明の方法の実施過程の最初を示す断面図
【図2】本発明の方法の実施過程の第2段階を示す断面
図
図
【図3】本発明の方法の実施過程の第3段階を示す断面
図
図
【図4】本発明の方法の実施過程の第4段階を示す断面
図
図
【図5】本発明の作用を示す説明図
1−砂丘の低地部 2−丘頂部 3−遮水シート 4−留め具 5−砂袋 6−結露シート 7−結露シート 8−防風ネット 9−通気筒 10−滞水層
Claims (3)
- 【請求項1】乾燥砂地の凹部を中心にして丘頂部に向か
って遮水シートを敷設して、その上部に飛び砂による砂
の堆積を行わしめて地中滞水層を形成し、更に砂の堆積
に並行して上記滞水層の上方に結露シートの敷設を行
い、この結露シートの上部に一定量の砂の堆積が完了し
たら防風ネットを配備して砂の堆積・流失を防止し、植
生用の植物の播種ないし移植を行うことを特徴とする乾
燥砂地地帯での植生化方法。 - 【請求項2】飛び砂の堆積及び結露シートの敷設を繰り
返して重複層を形成することを特徴とする請求項1記載
の乾燥砂地地帯での植生化方法。 - 【請求項3】滞水層に溜めておかれた灌漑用水ないしは
降雨水を地表部側の水分蒸発に伴って地表側に上昇せし
める途中で滞水層の上部に配置された結露シートの下面
で結露させることにより水分の蒸発量を制限することを
特徴とする乾燥砂地地帯での植生化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5132764A JPH06319368A (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | 乾燥砂地地帯での植生化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5132764A JPH06319368A (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | 乾燥砂地地帯での植生化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06319368A true JPH06319368A (ja) | 1994-11-22 |
Family
ID=15089012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5132764A Pending JPH06319368A (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | 乾燥砂地地帯での植生化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06319368A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008000093A (ja) * | 2006-06-23 | 2008-01-10 | Takenaka Komuten Co Ltd | 緑陰緑化構造及び緑陰緑化工法 |
JP2008306952A (ja) * | 2007-06-12 | 2008-12-25 | Aita Kogyo:Kk | 植物育成床、給水装置、及び、管材 |
JP2015073531A (ja) * | 2013-10-11 | 2015-04-20 | 光弘 高橋 | 砂漠などの緑化方法 |
CN110810102A (zh) * | 2019-11-08 | 2020-02-21 | 甘肃省治沙研究所 | 一种沙地固沙治理及种植一体化方法 |
-
1993
- 1993-05-11 JP JP5132764A patent/JPH06319368A/ja active Pending
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