JPH0631896Y2 - 釣 竿 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主として船釣に用いる釣竿、詳しくはロッド本
体の竿尻側にリール取付部を設けると共に、該リール取
付部の後方にグリップを設けた釣竿に関する。

（従来の技術） 一般にこの種の釣竿は、例えば実開昭６１−１５０４７
４号公報に開示されている如く、ロッド本体の竿尻近く
に、リール取付部を備えたリールシートを組付けると共
に、該ロッド本体における前記リールシートと竿尻との
間には、例えばエチレン酢ピコポリマーなど発泡性合成
樹脂から形成してなる可撓性のあるグリップを嵌めてい
る。

ところで、以上の釣竿を船釣で用いて、大物の魚がかゝ
った場合には、ロッド本体の竿尻を腰に当でがうと共
に、ロッド本体における前記リールシートの前方を片手
で持ちながら、他方の手でリールを操作するのである
が、かゝった魚が例えば左右に走るような時には、竿が
海中に引き込まれるのを防止するための、前記ロッド本
体における前記リールシートと竿尻との間、即ち前記グ
リップを挿嵌した部位を、船べりの上縁に添えながら、
船べりに沿って魚の走る方向に移動するのである。

（考案が解決しようとする課題） ところが以上の如く船べりに添える部位には、前述の如
く可撓性のあるグリップが嵌められているので、前記ロ
ッド本体が船べりに対してスムーズに滑らず、そのため
魚の動きに即応した移動は行えなくなってかゝった魚を
取り逃がす虞れがあるし、また前記グリップが船べりを
滑らせた時に破損することも考えられるのである。

本考案は以上の実情に鑑みて開発したもので、目的とす
るところは、船べりに対して円滑に滑らせることが出
来、しかもグリップが破損する虞れの極めて少ない釣竿
を提供するにある。

（課題を解決するための手段） しかして、本考案によれば、ロッド本体（１）における
竿尻側の周方向一側に、釣用リールを取付けるリール取
付部（２０）を設けると共に、このリール取付部（２
０）の後方にグリップ（５）を取付けた釣竿であって、
前記グリップ（５）における前記リール取付部側表面と
反対側表面との少なくとも一方に、前記グリップ（５）
より耐摩耗性硬質材料から成る所定長さの滑り体（７）
を取付けたことを特徴とするものである。

（作用） 本考案によれば、前記グリップ（５）に取付けた滑り体
（７）を船べりに添えることで、該滑り体（７）を介し
てロッド本体（１）を船べりに沿わせてスムーズに滑ら
せることが出来るのである。

（実施例） 以下本考案にかゝる釣竿を図面に示す実施例に従って説
明する。

図において（１）は、継竿タイプの釣竿における竿尻側
を構成するロッド本体であって、このロッド本体（１）
は、高強度繊維に合成樹脂を含浸して成るプリプレグを
巻装した上で加圧焼成して形成した既知構造のものであ
る。

このロッド本体（１）には、該ロッド本体（１）の外周
に嵌める円筒状のシート本体（２１）と、該シート本体
（２１）の長さ方向一端側に形成してなるねじ部（２
２）に螺合するねじ環（２３）と、前記シート本体（２
１）に遊挿して前記ねじ環（２３）の操作により前後に
移動する可動受け体（２４）と、前記シート本体（２
１）の長さ方向他端側に固定した固定受け体（２５）と
から成るリールシート（２）を取付け、該リールシート
（２）における前記両受け体（２４）（２５）間のリー
ル取付部（２０）に両軸受リール（３）を装着するよう
に成している。

また、前記ロッド本体（１）における前記リールシート
（２）の前方側外周に、円筒状のフロントグリップ
（４）を挿嵌すると共に、前記ロッド本体（１）におけ
る前記リールシート（２）の後方側（竿尻側）外周に
は、同じく円筒状のリヤグリップ（５）を挿嵌している
のであって、これら両グリップ（４）（５）は、何れも
エチレン酢ビコポリマーなどの発泡性合成樹脂材料から
形成している。

また前記ロッド本体（１）の竿尻には、該ロッド本体
（１）の開口を閉鎖する栓体（６）を挿嵌している。

しかして以上の構成からなる釣竿において、第１図及び
第２図に示す実施例では、前記リヤグリップ（５）にお
ける前記リール取付部（２０）とは反対側表面に、該グ
リップ（５）よりも耐摩耗性に優れた硬質材料から成る
滑り体（７）を設けたのである。

具体的には、前記リヤグリップ（５）における前記リー
ル取付部（２０）とは反対側表面を、全長にわたって一
部切欠いて平滑な取付面部（５１）を形成する一方、前
記リヤグリップ（５）と同一長さとした平板状の滑り体
（７）を硬質ゴム材料から形成し、前記リヤグリップ
（５）の成形時、前記滑り体（７）を前記取付面部（５
１）に加硫接着しているのである。

以上の構成からなる釣竿を船釣で用いて、大物の魚がか
ゝった場合には、前述の如く竿尻を腰に当てがって前記
フロントグリップ（４）を手で持つと共に、リヤグリッ
プ（５）に設けた前記滑り体（７）を船べり上縁に当
て、前記リール取付部（２０）に取付けたリール（３）
を操作するのであって、また例えばかゝった魚が左右に
走るような時には、前記滑り体（７）を介してロッド本
体（１）を船べりに対して滑らせながら、竿を移動させ
るのである。

しかして前記滑り体（７）は耐摩耗性に優れた硬質ゴム
から形成しているので、船べりに対して円滑にすべり、
しかも該滑り体（７）が摩耗したり破損する虞れは非常
に少ないのである。

以上の実施例では、前記滑り体（７）を平板状に形成し
たが、第３図に示す如く前記リヤグリップ（５）の外周
面と同一曲率の円弧面（７１）を備えた滑り体（７０）
を前記取付面部（５１）に取付けてもよい。

また以上の実施例では、前記滑り体（７）を前記グリッ
プ（５）に加硫接着したが、接着剤により接着してもよ
いし、あるいはビス止めしてもよい。

また以上の実施例では前記滑り体（７）を硬質ゴムから
形成したが、耐熱及び耐摩耗性に優れた硬質の合成樹脂
材料から形成してもよいし、あるいはステンレスなどの
金属板から形成してもよい。

また以上の実施例では、前記滑り体（７）を前記グリッ
プ（５）の全長にわたって設けたが、例えばロッド本体
（１）の竿尻から前記リールシート（２）側に寄った位
置に所要長さの滑り体（７）を部分的に取付けるように
してもよい。

また以上の実施例では、前記滑り体（７）を前記リヤグ
リップ（５）における前記リール取付部（２０）とは反
対側表面に設けたが、例えばスピニングリールを用いる
釣竿では、前記リヤグリップ（５）におけるリール取付
部（２０）側表面に取付けるのが好ましく、またスピニ
ングリールと両軸受リールの両者を使用する竿では、前
記リヤグリップ（５）におけるリール取付部（２０）側
表面と、リール取付部（２０）とは反対側表面の両方に
前記滑り体（７）を設けるのが好ましい。

（考案の効果） 以上の如く本考案によれば、グリップ（５）に設けた滑
り体（７）を船べりに当てがうようにすれば、該滑り体
（７）を介してロッド本体（１）を船べりに沿わせてス
ムーズに滑らせることが出来て、かゝった魚の引きに即
応した竿さばきが行なえ魚を取り逃がすことも少なくな
るし、また前記グリップ（５）が破損したり摩耗するこ
とも少ないのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかゝる釣竿の一実施例を示す一部省略
正面図、第２図は第１図II−II線拡大断面図、第３図は
別の実施例を示す要部の拡大断面図である。 （１）……ロッド本体 （２０）……リール取付部 （５）……グリップ （７）……滑り体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ロッド本体（１）における竿尻側の周方向
   一側に、釣用リールを取付けるリール取付部（２０）を
   設けると共に、このリール取付部（２０）の後方にグリ
   ップ（５）を取付けた釣竿であって、前記グリップ
   （５）における前記リール取付部側表面と反対側表面と
   の少なくとも一方に、前記グリップ（５）より耐摩耗性
   硬質材料から成る所定長さの滑り体（７）を取付けたこ
   とを特徴とする釣竿。