JPH0631868B2 - 使用済イオン交換樹脂の処理方法及び装置 - Google Patents

使用済イオン交換樹脂の処理方法及び装置

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JPH0631868B2
JPH0631868B2 JP11895584A JP11895584A JPH0631868B2 JP H0631868 B2 JPH0631868 B2 JP H0631868B2 JP 11895584 A JP11895584 A JP 11895584A JP 11895584 A JP11895584 A JP 11895584A JP H0631868 B2 JPH0631868 B2 JP H0631868B2
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、原子力発電所などから発生する放射性の使用
済イオン交換樹脂(廃樹脂)の処理方法およびその装置
に係り、さらに詳しくは、熱分解により廃樹脂の量を減
少させるとともに安定な無機化合物に処理する方法およ
び装置に関する。
〔発明の背景〕
原子力発電所などの運転に伴い種々の放射性物質を含む
廃液が発生するが、これらの廃液はイオン交換樹脂を用
いて処理されることが多い。この際に発生する放射性使
用済イオン交換樹脂(以下廃樹脂ともいう)の処理が原
子力発電所の運転上の1つの課題とされている。例え
ば、沸騰水型原子力発電所においては、発生する放射性
廃棄物量のかなりの部分が廃樹脂で占められている。
従来、この廃樹脂はセメントあるいはアスファルト等の
固化剤と混合してドラム缶中に固化され、施設内に貯蔵
保管されている。しかしならが、これらの放射性廃棄物
の量は年々増加する傾向にあり、その保管場所の確保お
よび保管中の安全性の確保が重要な問題となつている。
さらに、廃樹脂は有機物であるため、長期間保存すると
これが分解・腐敗する可能性もある。このため、廃樹脂
を固化処理するに際しては、容積を可能な限り小さく
(減容)すると共に、これを安定な無機物に分解する
(無機化)ことに大きな感心が払われてきている。
使用済イオン交換樹脂の減容無機化処理法は、大別し
て、酸分解法に代表される湿式法と、流動床法に代表さ
れる乾式法がある。
このうち湿式法を用いれば、廃樹脂を分解処理した後、
分解残渣を含む放射性廃液を蒸発濃縮などの手段で再度
処理しなければならない等の問題がある。
例えば、湿式法の代表である酸分解法の例としてHED
L法(Handford Engineering Development Labo
ratory法)と呼ばれるものがある。これは、150〜3
00℃の温度にて濃硫酸(97重量%程度)と硝酸(6
0重量%程度)を用いて廃樹脂を酸分解する方法であ
る。また酸分解法の他の例として、特開昭53−88500 号
公報に示されているものもある。これは濃硫酸と過酸化
水素(30%程度)を用いて樹脂を酸分解する方法があ
る。しかしながら、これらの酸分解による方法では、廃
樹脂を溶解して分解し、その分解液を蒸発濃縮するの
で、減容比は大きくとれるが、強酸性液のハンドリン
グ、濃縮された強酸性液による装置の腐食防止、回収さ
れた濃縮液の固化技術等が未確立であるなど、多くの困
難な問題点がある。
そこで、他の湿式法として特開昭57−1446号公報に示さ
れているように、強酸性液の使用を避け、鉄触媒の存在
下で過酸化水素を用いて廃樹脂を分解する方法が提案さ
れている。しかし、この方法は、大量の過酸化水素を必
要とするため、過酸化水素が高価であることを考えると
コスト高になるとともに、廃樹脂の分解も不十分で有機
物のまま残留してしまうという問題がある。
他方、乾式法にあつては、その一般的な廃樹脂の熱分解
システムは第2図に示すようなものであつて、廃樹脂貯
蔵タンク1に貯蔵された廃樹脂は、分解装置2にて熱分
解され、残渣3は固化容器4に移されて固化剤5で固化
される。熱分解により発生する排ガス中の窒素化合物及
び硫黄化合物は吸収塔6でアルカリにより吸収、回収さ
れて放射性二次廃棄物7となり残渣と同様固化される。
乾式法の代表例に流動床法があり、これは例えば特開昭
57−12400 号公報に示されるように、廃樹脂を流動床を
用いて燃焼する方法である。
乾式法は湿式法のような問題がない点は優れているが、
その代表である流動床法を用いた場合には次の(1)〜(5)
のような問題点がある。
(1) 残渣や放射性物質の飛散量が大きい。すなわち、
流動気体下で廃樹脂を分散・燃焼させるため、残渣や放
射性物質が排ガス中ヘ随伴・飛散される。このため、排
ガス処理用のフイルタの負荷が大きくなる。
(2) 廃樹脂を燃焼すると、SOx・NOx等の有害ガ
スが発生する。このため、アルカリスクラバー等による
排ガス処理が必要になるが、その排ガス処理量が膨大で
ある。すなわち、流動床法では、廃樹脂を流動化させる
ために、化学当量の3〜5倍の酸素を含む空気を供給し
なければならず、したがつて排ガス量が多くなる。
(3) 減容・無機化処理後の放射性廃棄物は、残渣だけ
でなく、排ガス処理に伴ない発生するNaNOやNa2SO4
(SOx+NaOH→Na2SO4+HO)も含む。このため、1K
gの廃樹脂を処理した場合、処理後の放射性廃棄物は約
0.7Kgとなるだけであり減容比が小さい。但し、減容
比は次式で定義される。
上記の点について説明すると、陽イオン交換樹脂及び陰
イオン交換樹脂の燃焼による熱分解反応は各々次式で表
わされる。
但し、ここでの樹脂分子式は元素分析により決定したも
ので、一般に知られている分子式とは異なつている。こ
の式から、陽イオン交換樹脂1mol からは2mol のNa2
SO4が、陰イオン交換樹脂1mol からは、1mol のNaN
Oが発生する。
いま陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂と量の比が
2:1(このような廃樹脂が一般的)である1Kgの廃樹
脂を処理するとすれば、その中には1.76mol の陽イ
オン交換樹脂と、1.41mol の陰イオン交換樹脂とが含ま
れている。この場合発生する二次廃棄物としては、Na2
SOが3.52mol 、NaOHが1.41mol とな
り、これを重量換算すれば、NaSOが0.5Kgが
0.12Kg、合計で0.62Kgの二次廃棄物が発生す
る。これに熱分解の残渣を加えると、前記の値0.7Kg
となる。これを従来の既存の放射性廃棄物処理設備にて
減容、ペレツト化した場合、減容比は1/4となるにす
ぎない。
また、この他にも放射性廃棄物として、H2O、CO
が生成し、その量は、H2Oが2.3Kgである。残渣の
発生量を0.03Kgとすれば、廃樹脂の熱分解により発
生する放射性廃棄物中に占めるイオウ化合物、及び窒素
化合物の含有率は、18重量%となる。廃樹脂として、
陽イオン交換樹脂のみ1Kgを熱分解した場合、上記含有
率は、24重量%で、陰イオン交換樹脂のみ1Kgを熱分
解した場合は、上記含有率は、9重量%となる。すなわ
ち、上記含有率は、陽イオン交換樹脂のみ熱分解したと
き最も悪くなり、24重量%にもなる。従つて、放射性
廃棄物の発生量低減の観点からは、より一層の減容が望
ましいことは明白である。
(4) 600〜900℃の温度で燃焼させるため、残渣
の一部は、溶融状態にある。このため、残渣が流動床炉
壁に付着し、長期間使用すると分解率が低下し、また長
期使用に伴い炉材の劣化が起こる。
(5) 溶融せずに炉外へ取り出された放射性の残渣は、
微粉末(粒径:1〜100μm)のため、その取扱いが
難しい。
また、前記いずれの従来方法にも共通する問題として、
減容・無機化処理を行つた後の残渣処理の問題がある。
すなわち、いずれの処理方法を用いたとしても、処理前
の使用済樹脂に対し1〜20wt%の分解残渣が残るの
で、この残渣をドラム缶等に貯蔵するために残渣を適当
な形態に加工する必要がある。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、放射性の使用済イオン交換樹脂の熱分
解を行う反応容器の熱負荷による劣化を軽減すると共
に、反応容器内に残った使用済イオン交換樹脂の残渣を
容易に取り出して残渣の蓄積を防止し、反応容器を繰返
し使用できる使用済イオン交換樹脂の処理方法及び装置
を提供することにある。
本発明の他の目的は、使用済イオン交換樹脂の大幅な減
容化を計ると共に、分解の際に発生する排ガスを選択的
に処理することのできる使用済イオン交換樹脂の処理方
法およびその装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、放射性の使用済イオン交換樹脂
(廃樹脂)を低い温度で熱分解すること、廃樹脂の大幅
な減容処理を実現すること、熱分解の際に発生する排ガ
ス(分解ガス)を処理するためのフイルタを含む排ガス
処理設備の負荷を軽減すること、有害な排ガスである硫
黄化合物および窒素化合物と他の排ガスとを選択的に処
理し、生成する廃棄物中の硫黄化合物および窒素化合物
の割合を極めて低い値に抑えて放射性二次廃棄物の発生
量を低減することを可能にすると共に、その得られた排
樹脂の熱分解残渣を、ホツトプレス処理にて成形物とす
る処理方法を提供するにあり、更に他の目的はこの処理
方法を実施するための装置を提供することにある。
〔発明の概要〕
本発明の第1の目的は、使用済イオン交換樹脂を反応容
器内で熱分解処理する使用済イオン交換樹脂の処理方法
において、前記使用済イオン交換樹脂のうち陽イオン交
換樹脂に触媒として遷移金属を予めイオン交換により吸
着させる工程と、前記使用済イオン交換樹脂のうち陰イ
オン交換樹脂に触媒として遷移金属を含む陰イオン性原
子団を予めイオン交換により吸着させる工程と、前記熱
分解処理後に前記反応容器内に残った使用済イオン交換
樹脂の残渣を前記反応容器内でホットプレス処理して成
形物とする工程とを有することである。
本発明の第2の特徴は、使用済イオン交換樹脂を反応容
器内で熱分解処理する使用済イオン交換樹脂の処理装置
において、前記使用済イオン交換樹脂に触媒を吸着させ
る手段と、前記反応容器を加熱する手段と、前記反応容
器内部の雰囲気を入れ換える雰囲気供給手段と、前記使
用済イオン交換樹脂を前記反応容器内に供給する供給手
段と、前記熱分解処理の際に発生する分解ガスを分離し
て処理する排ガス分離処理手段と、前記熱分解処理の際
に前記反応容器内に残った前記使用済イオン交換樹脂の
残渣を前記反応容器内でホットプレスする手段とを備え
たことである。
本発明の第3の特徴は、使用済イオン交換樹脂の貯蔵タ
ンクと、遷移金属イオンの溶解した水溶液の貯蔵タンク
と、遷移金属を含む陰イオン性原子団の溶解した水溶液
の貯蔵タンクと、前記3つの貯蔵タンクに接続され、内
容物を攪拌する手段を備え、前記使用済イオン交換樹脂
のうち陽イオン交換樹脂に前記遷移金属を、前記使用済
イオン交換樹脂のうち陰イオン交換樹脂に前記陰イオン
性原子団をイオン交換により夫々吸着させる調整タンク
と、該調整タンクを経た使用済イオン交換樹脂を熱分解
させる反応容器と、該反応容器内の雰囲気を不活性雰囲
気又は酸化性雰囲気に入れ換える雰囲気供給手段と、第
一段階である前記不活性雰囲気中の熱分解で発生する硫
黄酸化物ガス及び窒素酸化物ガスを処理する排ガス処理
手段と、第二段階である前記酸化性雰囲気中の熱分解で
発生するガスを濾過燃焼する排ガス処理手段と、前記反
応容器内に残った前記使用済イオン交換樹脂の残渣を前
記反応容器内でホットプレスで処理するホットプレス手
段とを備えたことである。
本発明の処理方法の実施に当つては、前記の両工程に先
立つて、使用済陽イオン交換樹脂には触媒として遷移金
属を予めイオン交換により吸着せしめ、使用済イオン交
換樹脂には触媒として遷移金属を含む陰イオン性原子団
を予めイオン交換により吸着せしめておくことが好まし
い。使用済陽イオン交換樹脂に吸着せしめる上記の遷移
金属としては白金、パラジウム、鉄で代表される周期律
表第VIII族または銅で代表される周期律表第I族の遷移
金属が好適であり、また、使用済イオン交換樹脂に吸着
せしめる上記遷移金属を含む陰イオン性原子団として
は、塩化白金酸、塩化パラジウム酸、ヘキサシアン鉄
(III)酸に代表される周期律表第VIII族の、又は過マ
ンガン酸に代表される周期律表第VII族の遷移金属を含
む陰イオン性原子団が好適である。また、好ましくは、
前記両工程における熱分解は240℃以上、420℃以
下の温度で行うのがよい。
また、本発明の処理装置を実施に当つては、反応容器
は、単一の固定床式反応容器として、その内部雰囲気を
切替える雰囲気入換用導管および前記各排ガス処理手段
に選択的に連通するガス導出用導管を備えたものであつ
てもよく、又は、夫々前記第一段階および第二段階に対
する各別の且つ連接された移動床式反応容器として、そ
の内部に、夫々、不活性雰囲気および酸化性雰囲気を与
える導管ならびに夫々前記の排ガス処理手段に連通する
導管を夫々備えているものであつてもよい。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の原理及び思想について説明する。
イオン交換樹脂は一般に、スチレンとジビニルベンゼン
(D.V.B.)の共重合体を基材とし、これにイオン交
換基として、陽イオン交換樹脂の場合にはスルホン酸基
を、また陰イオン交換樹脂の場合には4級アンモニウム
基を結合させた構造を有する芳香族系有機高分子化合物
である。このようなイオン交換樹脂の熱分解機構を検討
すると、イオン交換性の熱分解は、酸素を必要としない
脱離反応であるのに対し、高分子基体の熱分解は酸素を
必要とする酸化反応である。
本発明はこのことに着目し、まず第1段階では不活性雰
囲気中で熱分解を行なつてイオン交換基のみを選択的に
分解させ、その後の段階において酸化雰囲気中で高分子
基体を完全に熱分解する。このようにして発生する分解
ガスを前段階と後段階で分離する。こうすることによ
り、入念な排ガス処理を必要とする硫黄酸化物ガス(S
Ox)および窒素酸化物ガス(NOx)を前段階におい
てのみ発生させることができ、排ガス処理のほとんど不
要な二酸化炭素ガス(CO)、水素ガス(H)は後
段階において発生させることができ、したがつて処理の
必要な排ガス量を大幅に低減できると共に、残渣を安定
な無機化合物にすることができる。
また、このようなイオン交換樹脂に触媒として遷移金属
をイオン吸着させると、イオン交換基は130〜300
℃で、また高分子基体(スチレンとD.V.B.の共重合
体)は240〜300℃で、熱分解する。もし触媒をイ
オン吸着させない場合には、500℃以上で熱分解を行
う必要があることになろう。このように、触媒を用いる
ことにより、熱分解温度を低減でき、炉材の選定が容易
になるばかりでなく、長期使用に伴う炉材の劣化も防止
できる。
また、静止雰囲気またはこれに近い状態のもとで廃樹脂
を熱分解すれば残渣や放射性物質の飛散を防止すること
ができ、廃ガス処理用のフイルタの負荷を著しく軽減で
きる。特に、420℃以下で熱分解を行うことにより、
137などの揮発性の放射性核種の飛散も完全に防ぐ
ことができる。したがつて、NOxやSOxを排ガス処
理した結果生じるNa2SO4等の廃棄物を非放射性とみ
なすことができるから、生ずる放射性廃棄物は残渣のみ
となり、熱分解処理後の放射性廃棄物量は、約1/20
と大幅に低減される。
さらに本発明は、酸化性雰囲気での熱分解後の残渣が一
部溶融状態になつていることに着目し、この残渣をホツ
トプレス処理して取り扱いの容易な成形物に加工すると
共に放射性廃棄物の容積も元の約1/30にまで低減す
るものである。
次に本発明の実施例を図面を引用して詳細に説明する。
イオン交換樹脂には、陽イオン元素を吸着する陽イオン
交換樹脂と、陰イオン元素を吸着する陰イオン交換樹脂
との2種類がある。
陽イオン交換樹脂は、スチレン とジビニルベンゼン との共重合体を高分子基体とし、これにイオン交換基で
あるスルホン酸基(SO3H)を結合させた架橋構造をも
ち、かつ立体構造を有し、次のような構造式であらわさ
れる。又、分子式は、(C16153S)であらわさ
れる。
一方、陰イオン交換樹脂は、陽イオン交換樹脂と同じ高
分子基体にイオン交換基である4級アンモニウム基(N
3OH)を結合させたもので、次のような構造式であ
らわされる。又、分子式は、(C2026ON)であら
わされる。
このような分子構造を有する廃樹脂を分解すると、高分
子基体は炭素と水素から構成されているためにCO
などの分解ガスを、またイオン交換基は硫黄または
窒素から構成されているためSOx,NOxなどの分解
ガスを発生する。このうち、高分子基体の分解により発
生するCO2,Hなどは特別な排ガス処理を必要としな
いが、イオン交換基の分解により発生するSOx,NOx
などは有害なため、これを直接大気中に放出することが
できない。そのためSOx,NOxなどはアルカリスク
ラバーなどにより入念な排ガス処理を行い、(2)式に示
すような反応を行わしめ、Na2SO4,NaNO等の固
形形態としてこれを回収する必要がある。
更に、本発明者らは、従来の流動床法では廃樹脂の減容
比が1/3〜1/4と悪い理由、及び排ガス処理用のフイル
タ負荷が大きい理由を検討した。その結果、流動床法で
は流動気体下で廃樹脂を分酸・燃焼させるため、分解残
渣や放射性物質が排ガス中へ随伴・飛散することがわか
つた。このため、排ガス処理用のフイルタ負荷が大きく
なるばかりでなく、アルカリスクラバーによる排ガス処
理の結果発生するNa2SO,NaNO等の2次廃棄
物中にも放射性物質が混入し、これが放射性廃棄物とな
り減容比が低下することがわかつた。すなわち、廃樹脂
1Kgを流動床で焼却すると、分解残渣は数パーセント
(30g程度)になるが、同時に放射性廃棄物が0.7
Kg程度発生する。
以上の検討結果から本発明者らは、廃樹脂の減容比を向
上させるべく、廃樹脂の熱分解特性、及び、熱分解時の
放射性物質の飛散挙動について基礎的な検討を行つた。
以下では、まずのその実験結果を示す。
第3図に、示差熱天秤を用いて求めた空気雰囲気中での
廃樹脂の熱分解特性を示す。ただし、70〜110℃で
起こる水の蒸発に伴なう重量減少は示されていない。実
線は陰イオン交換樹脂の熱分解特性を示し、破線は陽イ
オン交換樹脂のそれを示す。第3図によると、陰イオン
交換樹脂では、まずイオン交換基である4級アンモニウ
ム基が130〜190℃で分解し、350〜500℃で
高分子基体が分解する。なお高分子基体の分解に関して
は、350〜400℃で直鎖部分が、410〜500℃
でベンゼン環部分が分解する。また、陽イオン交換樹脂
では、200〜300℃でイオン交換基であるスルホン
酸基が分解した後、高分子基体が陰イオン交換樹脂と同
様に分解する。これらの結果を第1表にまとめて示す。
これらのイオン交換樹脂の熱分解特性に着目した結果、
本発明者らは、以下に示すように、熱分解時の雰囲気を
不活性雰囲気と酸化性雰囲気の二段階に分けることによ
り、入念な排ガス処理を必要とするSOxやNOxをC
やHと分離することができ、これにより排ガス処
理設備の小型化、及び、放射性廃棄物中の窒素化合物、
イオウ化合物の低減が可能となることを見い出した。
第4図には陰イオン交換樹脂の熱分解特性として、不活
性雰囲気(窒素雰囲気)でのそれを実線で、酸化性雰囲
気(空気雰囲気)でのそれを破線で示した。第1表を参
考すると、不活性雰囲気中で300〜400℃で熱分解
を行うと、イオン交換樹基のみが分解するのに対し、酸
化性雰囲気中で300〜500℃で熱分解を行うと、イ
オン交換基と高分子基体の両方が分解することがわか
る。また第5図には、同様に陽イオン交換樹脂の熱分解
特性を示した。実線は不活性雰囲気(窒素雰囲気)中、
また破線は酸化性雰囲気(空気雰囲気)中の場合であ
る。これから、陽イオン交換樹脂の場合にも、不活性雰
囲気中で300〜400℃で熱分解を行うとイオン交換
基のみが分解するのに対し、酸化性雰囲気中で300〜
500℃で熱分解を行うとイオン交換基と高分子基体の
両方が分解することがわかる。このように不活性雰囲気
ではイオン交換基のみが分解する理由は、高分子基体の
分解は酸素を必要とする酸化反応であるのに対し、イオ
ン交換基の分解は酸素を必要としない熱的な脱離反応で
あることによる。
以上の結果に基づき廃樹脂を、まず第1段階として、不
活性雰囲気中で300℃〜40℃で熱分解することによ
り、イオン交換樹脂のイオン交換基のみを選択的に分解
し、かつイオン交換基のみに含まれる硫黄、窒素をこの
段階で硫黄化合物(SOx・H2S等)、窒素化合物
(NOx,NH等)として発生させ、アルカリスクラ
バー等により入念な排ガス処理を行う。その後、第2段
階として、酸化性雰囲気中で300℃〜500℃で熱分
解を行い、炭素と水素から構成される高分子基体を完全
に分解することにより、残渣は数パーセント以下とな
る。この際に発生する排ガスはCO・H・CO等で
あるから特別な排ガス処理はほとんど不要である。この
ように、不活性雰囲気と酸化性雰囲気の2段階に分けて
廃樹脂を熱分解させることにより、酸化性雰囲気中にて
一段階で熱分解する場合に比べて、排ガス処理が極めて
容易になる。即ち、もし一段階で酸化性雰囲気中で熱分
解した場合には廃樹脂(陽イオン交換樹脂と陰イオン交
換樹脂を2:1に混合したもの)1Kgにつき排ガスが
1.42m3発生し、これらの中に5%程度の硫黄化合
物、窒素化合物(両者あわせて0.074m3)が含まれ
る。一方、不活性雰囲気中での熱分解の後、酸化性雰囲
気中で熱分解する場合には、第一段階でのみ0.074
m3の硫黄化合物、窒素化合物が発生し、第二段階ではこ
れらは発生せずCO等が1.34m3発生する。大気中
への放出が規制されていて脱硫や脱硝酸等の排ガス処理
が必要な硫黄化合物、窒素化合物が第一段階でのみ少量
発生すため、処理すべき排ガスは0.074m3でよいこ
とになる。これに対し、一段階で分解する場合は、わず
か0.074m3で(5%)含まれるこれらの排ガスを処
理するために他の多くのガスとともに1.42m3もの排
ガスを処理せねばならないことになり、必然的に排ガス
処理設備が大規模になる。即ち本発明のように、不活性
雰囲気と酸化性雰囲気の二段階で排樹脂の熱分解を行う
ことにより、入念な排ガス処理を必要とする排ガス量を
約1/20に低減し得ることになる。
次に、廃樹脂を熱分解したときの、放射性物質及び分解
残渣の排ガス中への飛散挙動を調べた。熱分解温度を変
化させたときの放射性物質の飛散率変化の一例を第6図
に示す。
ここで飛散率とは、最初からイオン交換樹脂に吸着され
ていた放射性物質の量で、熱分解時に排ガス中へ飛散し
た放射性物質の量を除した値をいう。この図において、
C.P.は腐食生成物、F.P.は核分裂生成物を意味す
る。実線で示す60Co はすべての温度範囲で飛散率が1
-3%(検出限界)以下であり、破線で示す137Csは4
70℃以下で飛散率が10-3%以下、470℃以上で飛
散率が0.2%であつた。なお、残渣の飛散率は60Co
137Csともすべての温度範囲で10-3%以下であつ
た。137Csが470℃以上で飛散するのは、イオン交
換基に吸着した137Csが空気中の酸素により酸化され
てCs2O(融点490℃)となり、これが蒸発したこと
による。これを確認するため、他の放射性物質について
もその飛散率を調べた結果、第2表に示すように、それ
ぞれの酸化物の融点以上で飛散の始まることがわかつ
た。
以上の結果より、420℃以下で廃樹脂の熱分解を行な
えば、放射性物質及び分解残渣の排ガス中への飛散が抑
えられることがわかつた。このことは、廃樹脂を不活性
雰囲気と酸化性雰囲気の二段階で熱分解する方法を採る
場合において、不活性雰囲気で発生する窒素化合物およ
び硫黄化合物を非放射性物質とみなし得ることを意味し
ている。なぜなら、不活性雰囲気での熱分解温度は30
0〜400℃であり、この温度での放射性物質及び分解
残渣の排ガス中への飛散がないからである。この結果、
廃樹脂を熱分解により分解処理する方法を採る場合にお
いて、生成する放射性廃棄物中の窒素化合物およびイオ
ウ化合物の一方又は両者の含有率は24重量%よりも遥
かに低い値に抑えられることになる。なお、雰囲気の流
動が少い方が飛散を少くするのに好ましいことはいうま
でもない。
ところで、酸化性雰囲気での熱分解温度は300〜50
0℃と高いため、この段階で放射性物質及び分解残渣が
飛散同伴する可能性がある。しかし、もし、これを避け
るために熱分解温度を420℃まで下げると、第3図か
ら明らかなように、熱分解温度420℃では廃樹脂は重
量で約60%分解するだけで、減容比は約1/2に過ぎ
なくなる。さらに、実際の廃樹脂分解装置を考えると、
反応容器内に温度分布があり、最も高温の部分と低温の
部分では、温度差が50℃以上となることも珍しくはな
い。従つて、例えば、反応容器内の一部の分解温度が3
50℃であれば、その部分の廃樹脂の分解率は、第2図
から、約40重量%に過ぎなくなる。
この問題を解決するため本発明者らは触媒の利用を検討
した。その結果、廃樹脂中に適当な触媒を添加すること
により、廃樹脂の分解温度を500℃から420℃以下
に低減することができ、これにより、廃樹脂の熱分解を
放射性物質の飛散が起こらない温度で行ない且つ大幅な
減容も可能となることがわかつた。以下に、この触媒の
種類およびそれの添加法を、それを見出すに至つた経緯
と共に、詳細に説明する。
化学反応の開始温度を低減させるために、触媒を用いる
手段は、従来から行なわれており、鉄、銅などの遷移金
属が有効であると言われている。
そこで本発明者らは、供試触媒として鉄、銅、及び高い
触媒活性を持つことで知られる白金、パラジウムを選
び、実験をした。触媒の添加方法に関しては、一般に触
媒添加法としてアルミナなどの担体上に触媒を担持する
担持法、あるいは触媒を微粉末状で被反応物に混合する
微粉末混合法が知られていることから、担持法、微粉末
混合法の二種類の触媒添加法により廃樹脂の熱分解を行
つた。
白金触媒微粉末混合法による実験結果を第7図に実線で
示す。同図中の破線は触媒無添加の場合の結果である。
第7図から明らかなように、このような触媒添加の場合
には、無添加に比べ、廃樹脂の分解温度は10℃程度低
くなつた。なお、第6図には廃樹脂として陰イオン交換
樹脂を用いたときの結果を示したが、陽イオン交換樹脂
の場合にも同様の効果が得られた。
しかし、この触媒添加法では廃樹脂と触媒との接触面積
が小さいため、触媒活性にも限界があることがわかつ
た。事実、本実験において測定されたような温度の低減
では実用的でない。つまり、触媒が廃樹脂全体に有効に
作用するには、一個の廃樹脂の内部にまで触媒を分散さ
せる必要があることがわかつた。しかし、これを物理的
に実現するには、廃樹脂の細孔系が10〜100Åであ
ることを考えると、粒系10Å程度の超微粒子触媒が必
要となり、実際上不可能である。
そこで本発明者らは、廃樹脂すなわちイオン交換樹脂の
性質に着目し、化学的方法により触媒を廃樹脂内に分散
させることに成功した。まず陽イオン交換樹脂の場合に
ついてその実施例の詳細を説明する。
本実施例においては、安価で取扱いの容易な鉄を触媒と
して用いた。鉄を陽イオンとして利用するために、硝酸
第二鉄を水に溶解してFe3+イオンの状態とし、これに
陽イオン交換樹脂を浸すと、鉄はイオン交換作用により
廃樹脂内に取り込まれる。このように予め鉄触媒を廃樹
脂に吸着、分散させておいた場合の熱分解特性を第8図
に実線で示す。同図中の破線は触媒無添加の場合の結果
である。第8図より明らかなように、廃樹脂(陽イオン
交換樹脂)に予め鉄触媒を吸着させておくことにより、
熱分解温度を500℃から240℃に低減し得る。
同様にして行なつた各種金属触媒を用いたときの熱分解
温度の測定結果を第3表にまとめて示す。
第3表より明らかなように、陽イオン交換樹脂に予め遷
移金属をイオン交換作用により吸着させておくことによ
り、分解温度を放射性物質の飛散を防止できる温度にま
で低減することができる。特に、鉄触媒は安価であり、
取扱上問題となる性質はないため、最も実用的であると
考えられる。
次に陰イオン交換樹脂に対する触媒についてであるが、
上記遷移金属触媒は陽イオンであるためこれに吸着させ
ることができない。そこで、本発明者らは、遷移金属を
含む陰イオン性原子団すなわち金属錯イオンに着目し、
これを陰イオン交換樹脂に吸着させることに成功した。
このような陰イオン性原子団として、ヘキサシアノ鉄
(III)酸を用いた実施例について下記に述べる。ヘキ
サシアノ鉄(III)酸を選定した理由としては、触媒作
用を持つ鉄を含む陰イオンであるということ、加えて安
価であるということが挙げられる。ヘキサシアノン鉄
(III)酸を廃樹脂へ吸着させるには、ヘキサシアノン
鉄(III)酸カリウムを水に溶解してイオン化させた
後、これに廃樹脂を浸して吸着させる方法を採った。こ
のときの熱分解特性を第9図に示す。同図において実線
は本実施例の場合であり、破線は触媒無添加の場合であ
る。本図より明らかなように、本実施例では廃樹脂の熱
分解温度を500℃から260℃まで低減することがで
きた。
第4表には、遷移金属を含む他の陰イオン性原子団を触
媒に用いた場合の陰イオン交換樹脂の熱分解温度の測定
結果をまとめて示す。
第4表から、遷移金属を含陰イオン性原子団を触媒とし
て用いることにより、いずれの場合にも分解温度を低減
し得ることがわかつた。特に、ヘキサシアノ鉄(III)
酸〔Fe(CN)64-及び過マンガン酸MnO4 は安価で
あり、毒性もないことから実用的な触媒の一つであると
言える。
以上の結果をまとめると、次のようになる。
すなわち、熱分解に先立ち、陽イオン交換樹脂には遷移
金属イオンを、陰イオン交換樹脂には遷移金属を含む陰
イオン性原子団を吸着させることにより、分解温度を5
0℃から300℃以下に低減し得る。この結果、従来の
流動床法(分解温度600〜900℃)に比べ、炉材の
長寿命化を図ることができるのみならず、廃樹脂の前述
のような熱分解法における酸化性雰囲気下での熱分解温
度が420℃以下に抑えられるので、排ガス中への137
Csなどの揮発性の放射性物質の飛散も防止することが
でき、減容比が大幅に向上する。
上述したように優れた特徴を有する二段熱分解法を更に
発展させた本発明の実施例について以下に述べる。
熱分解は好ましくは240〜420℃で行なわれるた
め、反応容器内の残渣の一部は溶融状態となつている。
このため残渣が反応容器内壁に付着してその取出しが容
易でない。このため反応容器の繰返し使用は3〜10回
程度に限定されてしまう。また、容器に付着することな
く取出された残渣はその粒径が1〜100μm程度の微
粉末であるため、残渣が飛散しやすく、その取り扱いも
容易でない。残渣の一部が反応容器に付着するという問
題は、従来の流動床法でも発生するが、この場合には、
残渣の大部分が流動気体中にあるため、付着量は0.1
%以下と小さく(二段熱分解法では5〜10%)、50
〜200回の繰返し使用が可能である。(流動床法で
も、付着量増加に伴い、伝熱特性が悪くなり、徐々に使
用済樹脂の分解率が低下すると、および取り出された残
渣の取り扱いが困難であることは二段熱分解法と同じで
ある。)上記した二段熱分解法の問題点を解決するため
本発明の実施例は、熱分解後の残渣を反応容器から取り
出す前に、反応容器内で該残渣をホツトプレス処理する
ようにしたものである。この実施例を第10図により詳
細に説明する。まず使用済樹脂8を反応容器9内に入れ
(a)、次に第二段階の熱分解により減容無機化処理する
(b)。この結果発生する残渣10は、酸化雰囲気熱分解
時の温度のままでホツトプレス処理し、成形物12とす
る(c)。この時、残渣10の一部は溶融状態になつてい
るため、それがバインダとして作用し、強固な成形物1
2を作ることができる。しかも残渣は高温状態になつて
いるので、プレスに必要な圧力も室温でプレスする場合
に比べ1/10以下で済む。その後、成形物12を反応
容器9から取り出し(c),(d)、ドラム缶14等の廃棄物
貯蔵容器に収納する(e)。残渣をホツトプレスする時、
および成形物14を取り出す際には、上下のピストン1
1,13が、反応容器9の内壁面を摺動するので、反応
容器の内壁面に残渣が付着してもその残渣を完全に除去
でき、残渣の反応容器への蓄積を完全に防止できる。一
例として、内径40mmφ、深さ200mmの円筒形反応容
器に使用済樹脂100gを充填し、400℃で酸化雰囲
気下で熱分解した所、約6gの残渣が残つたが、これを
温度400℃、圧力50Kg/cm2の条件で反応容器内で
ホツトプレスした所、体積6cm3、密度1g/cm3の円板
状成形物が得られた。また、この成形物の圧縮強度は、
冷却後に150Kg/cm2以上となることを確認した。一
方比較のため、約6gの残渣を冷却後、温度20℃、圧
力500Kg/cm2の条件でコールドプレスした所(圧力
50Kg/cm2では残渣を成形物とすることはできな
い。)、密度0.9g/cm3の成形物が得られたもの
の、圧縮強度は10Kg/cm2にすぎなかつた。これは、
二段熱分解しても若干の有機物が含まれており、残渣全
体が軟化している高温状態(200℃以上)でホツトプ
レスすれば、コールドプレスするものに比べはるかに低
い圧力で成形が可能であり、しかもホツトプレスでは溶
融状態にある一部の残渣がバインダとして作用するため
コールドプレスに比べはるかに高強度の成形物が得られ
ることを示している。
第11図はホツトプレス処理温度を種々変え、圧力50
Kg/cm2の条件でホツトプレス処理した場合における冷
却後の成形物の圧縮強度を示したものである。350℃
以上でホツトプレス処理したものは圧縮強度が150Kg
/cm2以上となる。
さらに上述した本発明装置を用い、100回の繰返し使
用を行つたが、反応容器内への残渣の付着・蓄積は見ら
れず、長期使用による排樹脂の分解率以下を防止でき
た。
以上説明したように、二段熱分解後の残渣を反応容器内
でホツトプレスすれば次の効果が得られる。
(1) 反応容器内への残渣の付着、蓄積を完全に防止す
ることができ、100回以上の繰返し使用が可能であ
り、また使用中に伝熱特性が悪化して、使用済樹脂の分
解率が低下することもない。
(2) 反応容器から取り出された成形物は強固で粉化す
ることがないため、残渣の取り扱いが極めて容易にな
る。
(3) 従来の流動床法では、取り出した残渣が微粉末の
ために飛散しやすく、しかも残渣のかさ密度も低い
(0.1〜0.2g/cm2)。このため減容効果が小さ
く、ペレツト化又はプラスチツク固化等の後処理が必要
となるが、本発明の実施例では50K0/cm2程度の圧力
で残渣をホツトプレスすることにより、成形物は0.9
5〜1.05g/cm3の密度となる。これは残渣の真密
度1.1g/cm3に極めて近く、減容効果が優れている
と共に、残渣の後処理も不要となる。
以上述べて来た特徴をまとめると、下記のようになる。
(1) 廃樹脂を不活性雰囲気中と酸化性雰囲気中の2段
階で熱分解すること。
(2) 熱分解に先立ち、陽イオン交換樹脂に対しては、
遷移金属イオンを、陰イオン交換樹脂に対して遷移金属
を含む陰イオン性原子団を予めイオン吸着させておくこ
と。
(3) 熱分解は、240℃〜420℃で行なうこと。
(4) 使用済樹脂を不活性雰囲気と酸化性雰囲気の二段
階で熱分解した後、熱分解後の残渣をホツトプレス処理
すること。
(5) 熱分解とホツトプレス処理を同一容器内で行うこ
と。
以下、上述した本発明方法を実施するための具体的な装
置の実施例である。
第1図は、本実施例において、加圧水型原子炉の炉水浄
化系から発生する廃樹脂を熱分解により減容無機化処理
するシステムの系統図であり、第12図はそのうちの反
応装置の部分を示す斜視図、第13図は本発明装置の概
略縦断面図である。
廃樹脂は、復水脱塩基から逆洗操作で廃棄されるのでス
ラリ状となつている。この廃樹脂スラリーはスラリ輸送
管15から廃樹脂受タンク16に供給された。この廃樹
脂は、放射性核種として60Co,54Mn などの腐食生成
物と137Cs,90Sr,106Ruなどの核分裂生成物を各々1
0μCi/g(乾燥重量)を含むもので、陽イオン交換
樹脂2、陰イオン交換樹脂1の割合のものであつた。廃
樹脂受タンク16内の廃樹脂を所定量(乾燥重量で10
Kg)だけ調整タンク20へ移送し、その後、陽イオン触
媒貯蔵タンク18及び陰イオン触媒貯蔵タンク19から
それぞれFeCl2 を2mol K4〔Fe(CN)6〕を1mo
l 添加し、攪拌羽根21により調整タンク20内で約1
時間撹拌した。
次にこれら廃樹脂を脱水器22により遠心脱水し、バル
ブ23を介して密閉型反応容器26に供給した。
反応容器26は第12図に示すようにターンテーブル4
2に円環状に複数個(本実施例では10個)配置されて
おり、各反応容器26の内容積と直径はそれぞれ300
,550mmφである。
なお、不活性雰囲気熱分解、酸化性雰囲気熱分解時の温
度はヒーター29、温度測定器27、制御器28により
コントロールされ、かつ前記制御器28により2系統の
排ガス処理系のバルブ30、バルブ37の開閉もコント
ロールされる。
反応容器26に供給された排樹脂は、酸化剤である酸素
や空気等を外部から供給することなく閉じ込められた空
気を不活性雰囲気として(閉じ込められた空気は熱分解
反応開始と共に極めて短時間に不活性となる)、この中
で350℃に加熱して熱分解された。その結果、廃樹脂
はイオン交換基のみが分解し、硫黄化合物(SOx,H
2S等)と窒素化合物(NOx,NH3等)がガス状で約
2.5m3発生した。これらの排ガスはバルブ30を介し
て排ガス処理装置のアルカリスクラバー34に導かれ、
ここで供給管33から導かれた水酸化ナトリウム水溶液
により除去されてナトリウム塩の水溶液(Na2SO4
NaNO等)になり、排出管35から外部に送られた。
これらの水溶液は非放射性であるため原子力発電所内の
非放射性化学廃液処理工程により処理可能である。
すなわち、上記の水溶液(廃液)を乾燥処理して得られ
た固形のNa2SO4等は放射能濃度が10-6μCi/g
以下(これは現在の精密測定法による検出限界)とな
り、Na2SO4等の二次廃棄物は非放射性廃棄物として
取り扱える。これはまた低温熱分解時の除染係数が10
以上であることを示す。なお、廃樹脂に含まれる水分
は水蒸気として発生するが、これはコンデンサー31に
より凝縮され、再利用水として管32から回収された。
アルカリスクラバー34で処理された後の若干量の排ガ
スはフイルター36を介し、排気された。
反応容器26で約1時間かけてイオン交換基のみを分解
・分離した廃樹脂(高分子基体のみ)は、次に同一容器
26内で、同一温度(350℃)のまま酸化性雰囲気で
熱分解された。
すなわち、この場合反応容器26内の廃樹脂に、酸化剤
である空気を、供給管24、バルブ25を介してボンベ
又はエアーコンプレッサーから供給した。空気流量は1
50/minとした。供給された空気は廃樹脂中を均一
速度(1cm/s)で流れた。
約8時間酸化性雰囲気中で熱分解を続けた結果、高分子
気体も完全に分解し、安定な残渣のみが約0.5Kgずつ
残り、減容比は約1/19となつた。
またこの間にCO,CO,Hなどが約50m3発生し
たが、これらの排ガスはバルブ37とフイルタ38を通
過した後、フレアスタツク39に入り、ここで燃焼さ
れ、CO,H2Oガスとして廃棄された。その排気ガ
ス中及び前記フイルタ38に捕捉された放射能量を測定
したが、いずれも検出限界以下であり、高分子基体熱分
解時の除染係数は10以上となつた。また、フイルタ
38には残渣が1g以下(検出限界)しか捕捉されてお
らず、フイルタ負荷は非常に軽減されていることを確認
した。
酸化性雰囲気における熱分解後の残渣は、酸化性雰囲気
における熱分解温度350℃の状態のまま同一容器26
内で上記プレス装置46及び下部プレス装置50により
圧力40Kg/cm2(全圧:100トン)でホツトプレス
した。ホツトプレスされた残渣は円板状の成形物53と
なり、下部プレス装置50の油圧シリンダ51のピスト
ン51aと共に下方に移動し、油圧シリンダ49によつて
排出され、ドラム缶52内に投入されて、セメントある
いはプラスチツク等の固化剤により最終固化された。廃
樹脂は酸化性雰囲気における熱分解により未分解の高分
子基体が分解し、安定な無機物残渣のみとなつているの
で、貯蔵・保管に対して極めて安定である。分解後の残
渣は、主としてシリカ(SiO2)、あるいはイオン交換樹
脂に付着していた原子炉冷却水中のクラツド(主として
酸化鉄)から成つている。
反応容器26内の残渣のホツトプレス処理を終了する
と、次にターンテーブル42,45が軸43を中心に1
/10だけ回転して、酸化性雰囲気における熱分解を終
えた残渣のみを有する隣りの反応容器26がプレス装置
46,50の位置に移動し、前述したのと同様にホツト
プレス処理される。このように、反応容器26内に供給
された廃樹脂は二段熱分解された後、残つた残渣が順次
ホツトプレス処理されてドラム缶内に次々に投入され
る。一部の残渣は反応容器26の内壁面に付着するが、
この実施例では同一容器で二段熱分解およびホツトプレ
ス処理をするようにしているので、上下のシリンダ4
7,51が反応容器26内を摺動する時、付着している
残渣は該シリンダ47,51のピストン47a,51a
にかき取られ、反応容器26内の残渣を全て成形体にす
ることができる。したがつて本実施例によれば、同一容
器26内で熱分解およびホツトプレス処理を実施できる
と共に、残渣が反応容器26内に残存することも防止で
き、廃樹脂を効率よく無機化減容することができる。ま
た、得られた成形物53は十分な強度を有するため、取
り扱い中に粉化又は破損することはなく取扱いが極めて
容易になる。さらに、成形物53の密度は0.9g/cm
3と大きく、減容効果がすぐれている。すなわち、使用
済樹脂100Kgを処理した場合に発生する放射性廃棄物
は残渣5Kgのみで、その容積は約5.5(元の容積の
約1/30)である。したがつて、従来の流動床法や酸
分解法に対し放射性廃棄物の容積が1/5以下となる。
以上説明したように熱分解時の雰囲気を不活性雰囲気と
酸化性雰囲気との二段階としたことにより、アルカリス
クラバーによる排ガス処理量を著しく低減することがで
き、放射性廃棄物中の窒素化合物、硫黄化合物の含有量
を24%以下にまで抑えることができた。また触媒を予
め廃樹脂にイオン吸着させたことにより350℃で廃樹
脂の熱分解が可能となつたため、反応容器26の長寿命
化が可能となつたのみならず、雰囲気を閉じ込められた
静止及びそれに近い低流速としたことと相まつて、137
Csなどの揮発性放射性物質の排ガス中への飛散が防止
可能となつた。
また、熱分解後の残渣をホツトプレス処理することによ
り、減容比を約1/30にすることが可能となつた。
本実施例では、イオン交換基のみを分解する際に外部か
らは全く気体を供給せずに閉じ込められた空気を以て不
活性雰囲気としたが、外部から窒素,アルゴン等の不活
性ガスを(低流速で)流すようにすることも勿論可能で
ある。
また本実施例では、高分子基体分解時には酸化剤として
空気を流したが、酸素を流すこともできる。この場合に
は、空気を供給する場合と同じ速度で酸素を供給するな
らば、熱分解に要する時間を最大1/5に短縮できる
が、爆発の危険性を伴う。
さらに本実施例では、イオン交換基分解時に発生する排
ガスをアルカリスクラバー34により処理したが、活性
炭,MnOなどを用いて乾式処理しても同等の効果が得
られる。
なお、上記実施例では不活性雰囲気と酸化性雰囲気の熱
分解、およびホツトプレス処理の同一容器で行なうよう
にしたが、各々別容器で実施することも可能である。こ
の場合、操作は繁雑となる。ホツトプレス処理をする容
器は圧力に十分耐え得る強度が必要である。
また本実施例では不活性雰囲気中および酸化性雰囲気中
での熱分解を同一温度で行つたが、異なる温度で行うこ
とも可能である。
また、本実施例は、沸騰水型原子炉への適用例を示した
が、本発明は浄化系や加圧水型原子炉の一次冷却材浄
化系など他の放射性物質取扱施設の廃液浄化系から発生
する使用済イオン交換樹脂の処理にも適用できる。
また、本実施例では、廃樹脂に触媒として遷移金属をイ
オン吸着させた後に、熱分解したが、触媒を添加しない
場合でも、不活性雰囲気での熱分解においては同様の結
果を得ることができる。
以上述べた本発明の実施例によれば、廃樹脂を不活性雰
囲気と酸化性雰囲気の二段階で熱分解を行ない、残渣を
ホツトプレス処理するようにしたので、分解の際に発生
する排ガスを有害なイオウ酸化物ガス・窒素酸化物ガス
とその他のガスとに選択的に分離して処理でき、生成す
る放射性廃棄物中の窒素化合物及びイオウ化合物の一方
又は両者の含有率24重量%よりも遥かに低く抑えるこ
とができ排ガウ処理量が少くなり、且つ排ガス処理用フ
イルタの負荷も小さくなり、また減容比が大きくなり二
次放射性廃棄物量の大幅な低減が可能になる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、使用済イオン交換樹脂に触媒を吸着さ
せて熱分解を行うことにより熱分解温度を下げることが
できるので、熱分解を行う反応容器の熱負荷による劣化
を軽減できると共に、熱分解処理した残渣を反応容器内
でホットプレス処理することにより反応容器内に残った
使用済イオン交換樹脂の残渣を容易に取り出して残渣の
蓄積を防止し、反応容器を繰返し使用できる。また、使
用済イオン交換樹脂(廃樹脂)のイオン交換基を分解
し、しかる後樹脂本体を分解し、その後残渣をホツトプ
レス処理するようにしたので、廃樹脂の大幅な減容化を
計ることができると共に、分解の際に発生する排ガスを
選択的に処理できるという効果がある。即ち、本発明で
は分解の際発生する排ガスを有害なイオウ酸化物ガス・
窒素酸化物ガスとその他のガスとに選択的に分離して処
理することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の一実施例を示す系統図、第2図は
従来の一般的な乾式廃樹脂減容無機化処理システムの概
要図、第3図は空気雰囲気中での廃樹脂の熱分解特性を
示す図、第4図は窒素雰囲気および空気雰囲気中での陰
イオン交換樹脂の熱分解特性を示す図、第5図は窒素雰
囲気および空気雰囲気中での陽イオン交換樹脂の熱分解
特性を示す図、第6図は廃樹脂を熱分解したときの放射
性物質の飛散率の温度依存性を示す図、第7図は廃樹脂
の熱分解に及ぼす白金微粉末触媒混合の効果を示す図、
第8図は鉄をイオン吸着させた陽イオン交換樹脂の熱分
解特性を示す図、第9図はヘキサシアン鉄(III)酸を
イオン吸着させた陰イオン交換樹脂の熱分解特性を示す
図、第10図は本発明方法の実施例を概念的に説明する
工程図、第11図はホツトプレスの最適処理条件を説明
する図、第12図は第1図本発明装置の系統図における
反応容器の構造を具体的に示す斜視図、第13図は本発
明装置の一実施例を示す概略縦断面図である。 8……使用済イオン交換樹脂(廃樹脂)、9,26……
反応容器、10……残渣、11,13,47a,51a
……ピストン、12,53……成形物、14,52……
ドラム缶(廃棄物貯蔵容器)、15……スラリー輸送管
(樹脂供給手段)、16……廃樹脂受タンク、18……
陽イオン交換樹脂用触媒貯蔵タンク、19……陰イオン
交換樹脂用触媒貯蔵タンク、20……調整タンク、21
……撹拌機、22……脱水器、24……空気供給管(雰
囲気供給手段)、29……ヒーター(加熱手段)、1
7,23,30,37……バルブ、31……コンデンサ
ー(凝縮手段)、34……アルカリスクラバー、38…
…フイルター、39……フレアスタツク、46,50…
…プレス装置(ホツトプレス手段)、49……油圧シリ
ンダ(残渣成形物排出手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 将省 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 青山 芳之 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−153297(JP,A) 特公 昭54−5469(JP,B2)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用済イオン交換樹脂を反応容器内で熱分
    解処理する使用済イオン交換樹脂の処理方法において、 前記使用済イオン交換樹脂のうち陽イオン交換樹脂に触
    媒として遷移金属を予めイオン交換により吸着させる工
    程と、 前記使用済イオン交換樹脂のうち陰イオン交換樹脂に触
    媒として遷移金属を含む陰イオン性原子団を予めイオン
    交換により吸着させる工程と、 前記熱分解処理後に前記反応容器内に残った使用済イオ
    ン交換樹脂の残渣を前記反応容器内でホットプレス処理
    して成形物とする工程とを有することを特徴とする使用
    済イオン交換樹脂の処理方法。
  2. 【請求項2】前記熱分解処理は、不活性雰囲気中で前記
    使用済イオン交換樹脂のイオン交換基を分解してその際
    に発生する分解ガスを分離する工程と、前記工程の後、
    酸化性雰囲気中で前記使用済イオン交換樹脂の樹脂本体
    を分解してその際に発生する分解ガスを分離する工程と
    を有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    使用済イオン交換樹脂の処理方法。
  3. 【請求項3】前記陽イオン交換樹脂に吸着させる前記遷
    移金属は、白金、パラジウム、鉄で代表される周期律表
    第VIII族、又は銅で代表される周期律表第I族の遷移金
    属であることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の
    使用済イオン交換樹脂の処理方法。
  4. 【請求項4】前記陰イオン交換樹脂に吸着させる前記遷
    移金属を含む陰イオン性原子団は、塩化白金酸、塩化パ
    ラジウム酸、ヘキサシアン鉄(III)酸に代表される周
    期律表第VIII族、又は過マンガン酸に代表される周期律
    表第VII族の遷移金属を含む陰イオン性原子団であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の使用済イオ
    ン交換樹脂の処理方法。
  5. 【請求項5】前記イオン交換基を分解する工程及び前記
    樹脂本体を分解する工程を240℃〜420℃の温度で
    行うことを特徴とする特許請求の範囲第2項乃至第4項
    の何れかに記載の使用済イオン交換樹脂の処理方法。
  6. 【請求項6】前記樹脂本体を分解する工程は、酸化剤と
    して空気を供給しながら行うことを特徴とする特許請求
    の範囲第2項記載の使用済イオン交換樹脂の処理方法。
  7. 【請求項7】前記供給する空気の流速は、反応容器内の
    平均流速で1.5cm/s以下とすることを特徴とする特
    許請求の範囲第6項記載の使用済イオン交換樹脂の処理
    方法。
  8. 【請求項8】前記樹脂本体を分解する工程により、前記
    残渣の少なくとも一部が溶融又は軟化している状態で前
    記ホットプレス処理を行うことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の使用済イオン交換樹脂の処理方法。
  9. 【請求項9】前記ホットプレス処理を残渣の温度が20
    0℃以上のときに行うことを特徴とする特許請求の範囲
    第8項記載の使用済イオン交換樹脂の処理方法。
  10. 【請求項10】前記ホットプレス処理を前記樹脂本体を
    分解する工程を行った直後にその温度状態を保持したま
    ま行うことを特徴とする特許請求の範囲第8項記載の使
    用済イオン交換樹脂の処理方法。
  11. 【請求項11】使用済イオン交換樹脂を反応容器内で熱
    分解処理する使用済イオン交換樹脂の処理装置におい
    て、 前記使用済イオン交換樹脂に触媒を吸着させる手段と、 前記反応容器を加熱する手段と、前記反応容器内部の雰
    囲気を入れ換える雰囲気供給手段と、 前記使用済イオン交換樹脂を前記反応容器内に供給する
    供給手段と、 前記熱分解処理の際に発生する分解ガスを分離して処理
    する排ガス分離処理手段と、前記熱分解処理の際に前記
    反応容器内に残った前記使用済イオン交換樹脂の残渣を
    前記反応容器内でホットプレスする手段とを 備えたことを特徴とする使用済イオン交換樹脂の処理装
    置。
  12. 【請求項12】前記ホットプレスする手段で処理された
    残渣の成形物を該ホットプレスする手段から排出する残
    渣成形物排出手段を備えたことを特徴とする特許請求の
    範囲第11項記載の使用済イオン交換樹脂の処理装置。
  13. 【請求項13】前記雰囲気供給手段は、酸化剤供給手段
    と不活性ガス供給手段とを備えたことを特徴とする特許
    請求の範囲第11項記載の使用済イオン交換樹脂の処理
    装置。
  14. 【請求項14】前記雰囲気供給手段は、前記反応容器内
    を不活性雰囲気とするために不活性ガスを供給する不活
    性ガス供給手段と、前記反応容器内を酸化性雰囲気とす
    るためにガスを供給する酸化性雰囲気生成ガス供給手段
    とを備え、 前記排ガス分離処理手段は、前記不活性雰囲気中の熱分
    解で発生する分離ガスを分離して処理する第1の排ガス
    分離処理手段と、前記酸化性雰囲気中の熱分解で発生す
    る分解ガスを分離して処理する第2の排ガス分離処理手
    段とを備えたことを特徴とする特許請求の範囲第11項
    記載の使用済イオン交換樹脂の処理装置。
  15. 【請求項15】前記排ガス分離処理手段は、前記不活性
    雰囲気中の熱分解で発生する分解ガスを分離する分解ガ
    ス分離手段を備え、 該分解ガス分離手段の前段に、発生する凝縮性ガスを凝
    縮させる凝縮手段を備えたことを特徴とする特許請求の
    範囲第11項記載の使用済イオン交換樹脂の処理装置。
  16. 【請求項16】使用済イオン交換樹脂の貯蔵タンクと、 遷移金属イオンの溶解した水溶液の貯蔵タンクと、 遷移金属を含む陰イオン性原子団の溶解した水溶液の貯
    蔵タンクと、 前記3つの貯蔵タンクに接続され、内容物を攪拌する手
    段を備え、前記使用済イオン交換樹脂のうち陽イオン交
    換樹脂に前記遷移金属を、前記使用済イオン交換樹脂の
    うち陰イオン交換樹脂に前記陰イオン性原子団をイオン
    交換により夫々吸着させる調整タンクと、 該調整タンクを経た使用済イオン交換樹脂を熱分解させ
    る反応容器と、 該反応容器内の雰囲気を不活性雰囲気又は酸化性雰囲気
    に入れ換える雰囲気供給手段と、 第一段階である前記不活性雰囲気中の熱分解で発生する
    硫黄酸化物ガス及び窒素酸化物ガスを処理する排ガス処
    理手段と、 第二段階である前記酸化性雰囲気中の熱分解で発生する
    ガスを濾過燃焼する排ガス処理手段と、 前記反応容器内に残った前記使用済イオン交換樹脂の残
    渣を前記反応容器内でホットプレスで処理するホットプ
    レス手段とを 備えたことを特徴とする使用済イオン交換樹脂の処理装
    置。
  17. 【請求項17】前記反応容器は単一の固定式反応容器で
    あり、前記各排ガス処理手段に選択的に連通するガス導
    出用導管を備えたことを特徴とする特許請求の範囲第1
    6項記載の使用済イオン交換樹脂の処理装置。
  18. 【請求項18】前記反応容器は移動床式多段反応容器か
    らなり、その内部に前記雰囲気供給手段及び前記各排ガ
    ス処理手段に連通するガス導出用導管を夫々備えたこと
    を特徴とする特許請求の範囲第16項記載の使用済イオ
    ン交換樹脂の処理装置。
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