JPH06317380A - 金属部品のガス雰囲気熱処理炉 - Google Patents

金属部品のガス雰囲気熱処理炉

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JPH06317380A
JPH06317380A JP24023593A JP24023593A JPH06317380A JP H06317380 A JPH06317380 A JP H06317380A JP 24023593 A JP24023593 A JP 24023593A JP 24023593 A JP24023593 A JP 24023593A JP H06317380 A JPH06317380 A JP H06317380A
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JP
Japan
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atmosphere
gas
metal component
muffle
muffle case
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JP24023593A
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Susumu Takahashi
進 高橋
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Kanto Yakin Kogyo Co Ltd
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Kanto Yakin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ガス雰囲気熱処理される金属部品が通過する
ための炉体内に設けられた炭素質のマッフルケースと、
このマッフルケースを加熱する手段と、このマッフルケ
ース中に不活性雰囲気ガスを炉外からマッフルケースと
炉体との間の空間を経て導く通路とを有してなる金属部
品のガス雰囲気熱処理炉。 【効果】 金属部品によって炉外から雰囲気中にもたら
される酸化性又は脱炭性の不純物成分はマッフルケース
の内壁と反応して無酸化,無脱炭性に変成され、しかも
マッフルケース中へ送られる雰囲気はマッフルケース中
で金属部品に当る前にマッフルケースの外壁と同様に反
応して雰囲気自体に含まれる不純物成分も事前に変成さ
れる。その結果、雰囲気は無酸化・無脱炭の不活性下に
終始保たれて、金属部品を無酸化・無脱炭で雰囲気熱処
理できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼をガス雰囲気下で焼
入れする場合などの金属部品のガス雰囲気熱処理炉に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素ボックスを使用する高炭素,高クロ
ーム鋼などを中性加熱処理する炉は従来から知られると
ころである。
【0003】かかる従来より市販されていた炭素ボック
ス炉は、熱処理部品を炭素ボックス内に装着し、炭素の
蓋をした後で昇温するもので、ボックス内は空気であ
る。そして、昇温により空気中のOは炭素ボックスの
内面と反応して消耗する。
【0004】従って、炭素ボックスを使用する空気封入
処理法では、熱処理品の炭素濃度を調整する必要があ
り、このためCO,CO量を逐次測定し、この量をコ
ントロールしなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明のガス雰囲気熱
処理炉では、空気の代りにN又はArを雰囲気として
使用するものである。N又はAr中の水蒸気(H
O)の量は露点−66℃のとき10ppm,またO
量も2ppm以下と非常に微量であるので、空気を使っ
た空気封入処理法のようなコントロールの必要がない。
しかし、このような微量のN中の水蒸気と酸素でも、
熱処理中で活性化されている金属部品の表面に直接かつ
連続して当たると、金属部品の鋼の酸化・脱炭を招来す
ることがある。本発明はこのような不利,不都合を解決
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明はガス雰囲
気熱処理される金属部品が通過するための炉体内に設け
られた炭素又はグラファイト製のマッフルケースと、こ
のマッフルケースを加熱する手段と、このマッフルケー
ス中に不活性としてN又はArの雰囲気ガスを炉外か
らマッフルケースと炉体との間の空間を経て導く通路と
を有してなる金属部品のガス雰囲気熱処理炉を提供する
ものである。以下、Nを使用した鋼の焼入れ炉を実施
例として、本発明を更に詳述する。
【0007】
【実施例】図1に示す如く、マッフルケースとしてグラ
ファイトチューブ2を使用し、加熱炉体1に設置した。
入口にはパージ室5を、また出口に冷却室8を設け、そ
れぞれの区切りに扉4,6,7,9を取付けた。N
スの送入は雰囲気ガス供給源につながる弁10を介して
パージ室5,マッフルケース2の扉6の内方入口部,加
熱炉体内へ行ない、それぞれの量は更に個別の弁で調整
できるようにした。また、マッフルケースに設けた端子
12には加熱電源トランスを接続した。3は熱処理され
る金属部品であり、11は雰囲気ガス出口を示すもので
ある
【0008】上記のような構成になる炉体1のマッフル
ケース2内の空気をパージ室5,扉6の内方入口部,加
熱炉体内へそれぞれ開口するNガス送入弁を開いてN
ガスを送ることにより、Nで置換した後に昇温し
た。送入したN量は置換時の内容積の10倍/時で2
0分間、以後はパージ室5と扉6の内方入口部へ開口す
るNガス送入弁を絞って、主に加熱炉体1内へ開口す
る送入弁によりNガスを送って、Nガスの炉内圧が
水柱10mmを保持するように調整し、この量は平均1
/時であった。
【0009】前述した通り、N中の水蒸気(HO)
量は露点−66℃のとき10ppm、またO量も2p
pm以下であるが、それでもこれらが熱処理中で活性化
されている金属部品の表面に直接かつ連続して当ると、
金属部品の鋼の酸化・脱炭を招く。
【0010】ところが、本発明にあっては、加熱炉体1
内へ開口する送入弁から送られたNガスは、金属部品
に当る前に、加熱したマッフルケース2の外周に当って
変成される。このガス中のHOとOはマッフルケー
ス2の炭素と反応する。H
【0011】従って、マッフルケースと反応した後のN
ガス中には、微量のCOとHならびに超微量のO
とHOが生成されるが、いずれもきわめて少量で、マ
ッフルケース2自体の酸化,脱炭は工業的に無視し得る
ものであり、しかも該ガスと金属部品の鋼中の炭素との
反応を未然に防ぐことができる。これが、本発明の優れ
た特徴であり効果である。
【0012】これらの反応を定量的に調べるためには、
CO,CO,H,HOの量が余りにも少なく、通
常のガス測定では精度が悪く確定できなかった。
【0013】そこで、処理雰囲気中のO分圧を測定す
ることにより調べることとし、ジルコニア酸素計を用い
て雰囲気ガス出口11でO分圧を測定した。これは、
雰囲気中のO分圧が低ければ上記した反応がなされた
ことが確かめられるからで、このときのO分圧は10
−22atmであった。このようにO分圧が低いの
で、上記した反応がなされたことが確認できた。
【0014】また、O分圧が10−21atm以下の
雰囲気中では、金属部品を無酸化で熱処理できること、
分圧が10−18atm以下では金属部品中の炭素
の脱炭を生じないで熱処理できることが知られているの
で、O分圧が10−22atmのNガスは無酸化,
無脱炭性ガスといえる。
【0015】SKD11を1050℃で加熱し、空冷焼
入れしたときの硬度はHRC61であった。またSKH
6を1240℃で加熱後空冷して硬度HRC62を得
た。これらの硬度は、これらの金属材料を空気焼入れし
た時に得られる最高の硬度であって、加熱時に脱炭があ
ればこのような硬度は得られない。従って、無脱炭性雰
囲気中で熱処理か行なえたことが確かめられた。
【0016】更に確認のために、このガス雰囲気熱処理
した材料を切断して、その組織を顕微鏡で調べたとこ
ろ、脱炭は認められなかった。材料の表面には酸化スケ
ールは全くなく、無酸化で材料がガス雰囲気熱処理され
たことも確認された。
【0017】
【発明の効果】以上の実施例から明らかな通り、本発明
によれば、加熱された炭素質のマッフルケース中でN
又はArガスを雰囲気として金属部品をガス雰囲気熱処
理するものであるが、金属部品によって炉外から雰囲気
中にもたらされる酸化性又は脱炭性の不純物成分はマッ
フルケースの内壁と反応して無酸化,無脱炭性に変成さ
れ、しかもマッフルケース中へ送られる雰囲気はマッフ
ルケース中で金属部品に当る前にマッフルケースの外壁
とこれまた反応して雰囲気自体に含まれる不純物成分も
事前に変成される顕著な特徴がある。
【0018】この結果、雰囲気は無酸化・無脱炭の不活
性下に終始保たれ、金属部品を無酸化・無脱炭で雰囲気
熱処理できる優れた効果がもたらされるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る雰囲気熱処理炉の説明的な断面図
である。
【符号の説明】
1−加熱炉体 2−マッフルケース 3−熱処理部品 4−入口扉 5−パージ室 6−入口仕切り扉 7−出口仕切り扉 8−冷却室 9−出口扉 10−雰囲気ガス入口弁 11−雰囲気ガス出口 12−加熱電流端子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス雰囲気熱処理される金属部品が通過
    するための炉体内に設けられた炭素質のマッフルケース
    と、このマッフルケースを加熱する手段と、このマッフ
    ルケース中に不活性雰囲気ガスを炉外からマッフルケー
    スと炉体との間の空間を経て導く通路とを有してなる金
    属部品のガス雰囲気熱処理炉。
JP24023593A 1993-08-19 1993-08-19 金属部品のガス雰囲気熱処理炉 Expired - Lifetime JPH0760063B2 (ja)

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JPH06317380A true JPH06317380A (ja) 1994-11-15
JPH0760063B2 JPH0760063B2 (ja) 1995-06-28

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