JPH0631615Y2 - 操作スイッチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 軽くまたは短かい時間で押下した時はスイッチを識別す
るためのメッセージを音声または見易い位置の表示によ
り出力するだけで、強くまたは長い時間押下した時にの
み割り当てられた機能を発現するようにして、スイッチ
を見なくても確実に操作が可能とした。

〔産業上の利用分野〕

本発明は操作スイッチに関し、特に車載用操作スイッチ
に適するものである。

〔従来の技術〕

自動車には必ずと言って良い程、ラジオが搭載されてお
り、近年ではそれが多機能化する傾向にあって、ＦＭ／
ＡＭチューナの他にカセットデッキ、コンパクトディス
ク（ＣＤ）プレーヤ、等が接続されるようになった。ま
た、クーラー等の空調機器も取り付けられている。それ
らにはそれらが持つ多種多様な機能を選択して発現させ
るための操作スイッチが多数設けられている。

〔考案が解決しようとする課題〕

前述のようなアクセサリ機器については、運転者が運転
中も操作できることが望ましく、そのためには運転中の
運転者の視野内またはその近くのダッシュボード上に操
作スイッチを配置して運転中も操作スイッチの識別を容
易にすることが望ましい。ところが、実際にはそのよう
な領域にはスピードメータ・回転計・燃料レベル計等、
運転に必要な情報を表示するため機器またはスイッチ類
が配置され、前述のようなアクセサリ機能のための操作
スイッチを操作が容易な位置に配置する余地がないのが
実情である。

従って、本考案の目的は、操作者が操作スイッチを見な
くてもスイッチを区別することとその機能を認識するこ
とができる操作スイッチを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

第１図は本考案の原理図である。本図により本考案の操
作スイッチは、特定の機能が割り当てられ、操作される
ことにより機能を発現する機能手段20を具備する操作ス
イッチにおいて、操作の開始後で機能手段20が機能を発
現する前において、機能を識別するためのメッセージを
出力する識別手段10を具備し、識別手段10のメッセージ
出力後で、機能手段20の機能発現前に、操作が打ち切ら
れたら、機能手段20は機能の発現をしないことを特徴と
する操作スイッチである。

より具体的な形の１つとして、前記操作はスイッチの押
下操作であり、予め定めた第１の臨界押下力以上の力で
押下操作がなされるとオンとなって識別手段10が出力を
開始する第１の副スイッチ11と、第１の臨界押下力より
も大なる第２の臨界押下力以上の力で該押下操作がなさ
れるとオンとなって前記機能手段20が前記機能を発現す
る第２の副スイッチ22を具備する操作スイッチがある。

別な形として操作によりオンとなる副スイッチと、副ス
イッチがオフからオンとなると同時に時間の計測を開始
するタイマーとを具備し、識別手段10は副スイッチがオ
ンとなると同時に前記出力を行ない、機能手段20はタイ
マーが予め定めた時間の計測の終了後も操作が持続する
時のみ機能を発現する操作スイッチがある。

〔作用〕

スイッチを操作すると、機能が発現される前に識別する
ためのメッセージが出力されるのでスイッチを目で見て
確認する必要がない。したがって運転中であっても、前
方から目をそらすことなく確実に操作することができ
る。

〔実施例〕

第２図は本考案に係る操作スイッチの第１の実施例の操
作部10の断面図である。

タッチセンサスイッチ11は指が接触した程度の押下力で
オンとなる公知のタッチセンサスイッチである。21はス
イッチの可動部を表わし、これがスイッチ22を押すこと
によりスイッチ22がオンとなる。31は前面パネルを、32
はスイッチ22が取り付けられるプリント基板を、33はス
ポンジ等の弾性部材を表わしている。図の矢印方向から
指が近付き、タッチセンサスイッチ11に接触するとタッ
チセンサスイッチ11がまずオンとなり、さらに押し込ま
れるとスイッチ可動部21が弾性部材33の弾性力に反して
図の右方向へ動き、スイッチ22を押してオンとする。

第３図は第２図で表わされる実施例の操作部10をカセッ
トデッキに応用し、メッセージ出力としては合成音声を
使用した場合のブロック図である。

各操作部10−１〜10_-nはそれぞれカセットデッキの巻戻
し（ＲＥＷ）、早送り（ＦＦ）、再生（PLAY）スイッチ
等に対応し、１つ１つが第２図で表わされるようなタッ
チセンサスイッチ11−１〜11_-nとスイッチ22−１〜22_-n
とを具備している。タッチセンサスイッチ11−１〜11_-n
はすべて符号化ユニット12へ結合され、11−１〜11_-nの
どれかがオンになると対応するコードをシリアルに音声
合成ユニット13へ出力し、音声合成ユニット13は入力し
たコードに応じてＲＯＭ内に格納された音声情報をとり
出し、音声信号にしてスピーカ14へ供給し、音声を出力
する。音声合成ユニット13内のＲＯＭに格納される音声
情報の例としては、例えば巻戻し（ＲＥＷ）スイッチの
場合は「巻戻し」等の音声に相当する情報を格納する。
スイッチ22−１〜22_-nはカセットデッキ制御部23と結合
され、カセットデッキ制御部23は例えば巻戻しスイッチ
に相当するスイッチが押されたら、メカ部を制御して巻
戻しの動作を行なう。図では符号化ユニット12とカセッ
トデッキ制御部23は別個のユニットであるかのように書
かれているが、これらを１つのマイクロコンピュータ50
内に組込むことも可能である。すなわち、カセットデッ
キ制御部23は従来から制御用マイクロコンピュータ50に
備わった機能であり、この制御用マイクロコンピュータ
50に公知の技術でタッチセンサ11−１〜11_-nのオンオフ
状態を入力する機能と音声合成ユニット13へのシリアル
出力の機能を追加し、公知の技術で符号化のソフトウェ
アを追加すれば実現可能である。

第３図ではメッセージ出力として音声出力の例をとり挙
げたが、その他にも、運転中にも常に視野に入っている
メータパネルあるいはステアリングシャフト中央のハブ
の部分に"FF"，"REW"等の文字を表示することも可能で
ある。

第４図は本考案に係る操作スイッチの第２の実施例を表
わすフローチャートである。本実施例においては操作部
は従来のものと同一である。またメッセージ出力として
音声出力をとり挙げたが、第１の実施例と同様に、表示
出力も可能である。

まず、各スイッチの状態を調べ、例えば巻戻しスイッチ
がオンであれば（ステップａ）ただちに「巻戻し」の音
声に相当するコードを音声合成ユニットへ送って音声を
出力させ（ステップｃ）、例えば１秒間の時間が経過す
るのを待って（ステップｄ）、再度巻戻しスイッチがオ
ンであるかを調べる（ステップｅ）。ここでもオンであ
れば、メカ部へ制御信号を送出して巻戻し制御を行なわ
せる（ステップｆ）。早送りスイッチの場合も同様なの
で説明を省略する（ステップｂ，ｇ〜ｊ）。

〔考案の効果〕

以上説明してきたように、本考案の操作スイッチでは、
軽く触れるだけかまたは短かくオンした時はそのスイッ
チに備わった機能を説明するためのメッセージが出力さ
れるだけなので、目で見なくてもそのスイッチに備わっ
た機能がわかり、運転中であっても前方から目を離すこ
となく、確実に操作することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の原理図、 第２図は本考案の第１の実施例の操作部を表わす断面
図、 第３図は本考案の第１の実施例を適用した装置のブロッ
ク図、 第４図は本考案の第２の実施例におけるソフトウェアの
フローチャート。 図において、 11…タッチセンサスイッチ、 21…スイッチ可動部、 22…スイッチ。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】特定の機能が固定的に割り当てられ、操作
   されることにより該機能を発現する機能手段(20)を具備
   する操作スイッチにおいて、 該操作の開始後で該機能手段(20)が該機能を発現する前
   において、該機能を識別するためのメッセージを出力す
   る識別手段(10)を具備し、 該識別手段(10)の該メッセージ出力後で、該機能手段(2
   0)の機能発現前に、該操作が打ち切られたら、該機能手
   段(20)は該機能の発現をしないことを特徴とする操作ス
   イッチ。
2. 【請求項２】前記操作はスイッチの押下操作であり、 予め定めた第１の臨界押下力以上の力で該押下操作がな
   されるとオンとなって前記識別手段(10)が前記出力を開
   始する第１の副スイッチ(11)と、 該第１の臨界押下力よりも大なる第２の臨界押下力以上
   の力で該押下操作がなされるとオンとなって前記機能手
   段(20)が前記機能を発現する第２の副スイッチ(22)を具
   備する請求項１記載の操作スイッチ。
3. 【請求項３】前記操作によりオンとなる副スイッチと、 該副スイッチがオフからオンとなると同時に時間の計測
   を開始するタイマーとを具備し、 前記識別手段(10)は該副スイッチがオンとなると同時に
   前記出力を行ない、 前記機能手段(20)は該タイマーが予め定めた時間の計測
   を終了後も該操作が持続する時のみ前記機能を発現する
   請求項１記載の操作スイッチ。