JPH0631367B2 - 潤滑油 - Google Patents
潤滑油Info
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- JPH0631367B2 JPH0631367B2 JP61017618A JP1761886A JPH0631367B2 JP H0631367 B2 JPH0631367 B2 JP H0631367B2 JP 61017618 A JP61017618 A JP 61017618A JP 1761886 A JP1761886 A JP 1761886A JP H0631367 B2 JPH0631367 B2 JP H0631367B2
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- oils
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は圧延、引抜き、伸線、切削、研削、プレス等の
金属加工の際の金属加工油等に用いられる潤滑油に関す
る。
金属加工の際の金属加工油等に用いられる潤滑油に関す
る。
圧延油、引抜き油、伸線油、切削油、研削油、プレス油
等の金属加工油として従来より動植物油脂、鉱物油脂あ
るいはこれらの混合物に必要により油性向上剤、極圧添
加剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化剤等を添加したものを
そのまま又は1〜30%程度のエマルジョン又は水溶液
として用いており、この種金属加工油として例えば活性
白土で加熱処理した変成油脂を含有する鋼板用冷間圧延
油(特公昭51−6686号)、不飽和脂肪酸の二重結
合部分にオキシラン酸素を結合させたエポキシ化脂肪酸
を水和して得られるポリヒドロキシ脂肪酸の塩を含有す
る水溶性切削油組成物(特開昭60−88096号)等
が知られている。
等の金属加工油として従来より動植物油脂、鉱物油脂あ
るいはこれらの混合物に必要により油性向上剤、極圧添
加剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化剤等を添加したものを
そのまま又は1〜30%程度のエマルジョン又は水溶液
として用いており、この種金属加工油として例えば活性
白土で加熱処理した変成油脂を含有する鋼板用冷間圧延
油(特公昭51−6686号)、不飽和脂肪酸の二重結
合部分にオキシラン酸素を結合させたエポキシ化脂肪酸
を水和して得られるポリヒドロキシ脂肪酸の塩を含有す
る水溶性切削油組成物(特開昭60−88096号)等
が知られている。
しかしながら特公昭51−6686号公報に記載された
変成油脂を主成分とする冷間圧延油は潤滑油には優れ、
また変成油脂は油脂に比べて親水性も改善されるものの
未だ充分なものとはいえず、エマルジョンとして用いる
場合、乳化が困難であったり、乳化安定性が低く分離を
生じ易い等の問題があった。一方特開昭60−8809
6号に記載された切削油組成物の基油として用いられて
いるポリヒドロキシ脂肪酸の塩は水溶性に優れてはいる
が、潤滑性が必ずしも充分とはいえないという問題があ
った。更に近年、加工機械の大型化、精密化、金属材料
の硬度の上昇、金属加工の高速高圧力化、製品加工面の
高精度化、経済性向上のための金属加工油使用量低減化
等、益々苛酷な加工条件が要求されているが、従来の金
属加工油はこのような苛酷な条件に対応できず、より高
性能の金属加工油の開発が望まれていた。
変成油脂を主成分とする冷間圧延油は潤滑油には優れ、
また変成油脂は油脂に比べて親水性も改善されるものの
未だ充分なものとはいえず、エマルジョンとして用いる
場合、乳化が困難であったり、乳化安定性が低く分離を
生じ易い等の問題があった。一方特開昭60−8809
6号に記載された切削油組成物の基油として用いられて
いるポリヒドロキシ脂肪酸の塩は水溶性に優れてはいる
が、潤滑性が必ずしも充分とはいえないという問題があ
った。更に近年、加工機械の大型化、精密化、金属材料
の硬度の上昇、金属加工の高速高圧力化、製品加工面の
高精度化、経済性向上のための金属加工油使用量低減化
等、益々苛酷な加工条件が要求されているが、従来の金
属加工油はこのような苛酷な条件に対応できず、より高
性能の金属加工油の開発が望まれていた。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、親水性、潤滑
性に優れ、、そのままあるいは他の添加剤と混合して金
属加工油として用いることにより優れた加工性を発揮す
る潤滑油を提供することを目的とする。
性に優れ、、そのままあるいは他の添加剤と混合して金
属加工油として用いることにより優れた加工性を発揮す
る潤滑油を提供することを目的とする。
本発明の潤滑油は不飽和二重結合を有する動植物油脂を
重合して得られ、且つ分子鎖中に不飽和二重結合を残存
した重合動植物油脂の少なくとも二重結合部分に導入さ
れたリン酸エステル基及び/又はリン酸エステル塩基を
有し、40℃における粘度が940〜4000センチス
トークスであることを特徴とする。
重合して得られ、且つ分子鎖中に不飽和二重結合を残存
した重合動植物油脂の少なくとも二重結合部分に導入さ
れたリン酸エステル基及び/又はリン酸エステル塩基を
有し、40℃における粘度が940〜4000センチス
トークスであることを特徴とする。
本発明潤滑油の骨格をなす重合動植物油脂は不飽和二重
結合を有する油脂を重合せしめてなる不飽和二重結合を
有する重合油であり、不飽和二重結合を有する油脂とし
ては動物油脂、植物油脂等が挙げられる。動物油脂とし
ては例えば牛脂、豚脂等やイワシ油、サバ油、サンマ
油、タラ油、マグロ油、イカ油等の魚油が用いられる。
また植物油脂としてはパーム油、ナタネ油、大豆油、ヒ
マシ油等が用いられる。これら油脂はニッケル系触媒を
用い、圧力1.0〜4.0kg/cm2、温度160〜200℃程度
で水素添加して用いることもできるが、ヨウ素価が60
以上のものを用いることが好ましい。またヒマシ油を脱
水して不飽和二重結合を増加せしめた脱水ヒマシ油等を
用いることもできる。上記油脂は動植物から搾油して得
た粗油を用いてもよく、粗油を燐酸、硫酸等で処理して
脱ロウ等を行い、トリグリセライド含有量を高めた予備
精製油、更にアルカリ水溶液、活性白土、活性炭等で処
理し、脱酸、脱色した精製油を用いてもよい。動植物油
脂を重合する方法としては酸化重合法、熱重合法等が挙
げられ、酸化重合法では空気または酸素を吹込みながら
150〜200℃に加熱して1〜30時間反応すること
により重合を行うことができ、熱重合法では250〜3
00℃に加熱して1〜30時間程度反応することにより
重合を行うことができる。このようにして得られる不飽
和二重結合を有する重合動植物油脂はヨウ素価が40以
上のものが好ましい。
結合を有する油脂を重合せしめてなる不飽和二重結合を
有する重合油であり、不飽和二重結合を有する油脂とし
ては動物油脂、植物油脂等が挙げられる。動物油脂とし
ては例えば牛脂、豚脂等やイワシ油、サバ油、サンマ
油、タラ油、マグロ油、イカ油等の魚油が用いられる。
また植物油脂としてはパーム油、ナタネ油、大豆油、ヒ
マシ油等が用いられる。これら油脂はニッケル系触媒を
用い、圧力1.0〜4.0kg/cm2、温度160〜200℃程度
で水素添加して用いることもできるが、ヨウ素価が60
以上のものを用いることが好ましい。またヒマシ油を脱
水して不飽和二重結合を増加せしめた脱水ヒマシ油等を
用いることもできる。上記油脂は動植物から搾油して得
た粗油を用いてもよく、粗油を燐酸、硫酸等で処理して
脱ロウ等を行い、トリグリセライド含有量を高めた予備
精製油、更にアルカリ水溶液、活性白土、活性炭等で処
理し、脱酸、脱色した精製油を用いてもよい。動植物油
脂を重合する方法としては酸化重合法、熱重合法等が挙
げられ、酸化重合法では空気または酸素を吹込みながら
150〜200℃に加熱して1〜30時間反応すること
により重合を行うことができ、熱重合法では250〜3
00℃に加熱して1〜30時間程度反応することにより
重合を行うことができる。このようにして得られる不飽
和二重結合を有する重合動植物油脂はヨウ素価が40以
上のものが好ましい。
本発明の潤滑油においてリン酸エステル基、リン酸エス
テル塩基は上記動植物油脂を重合して得られる不飽和二
重結合を有する重合動植物油脂の少なくとも二重結合の
位置に導入される。リン酸エステル基は上記重合動植物
油脂の二重結合部分に水酸基を導入して得られるヒドロ
キシル化合物の水酸基に無水リン酸、三塩化リン、五塩
化リン等を反応せしめることにより導入され、該リン酸
エステル基の残留酸根を水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ラウリ
ルアミン等の有機性アミン、アンモニア等のアミン類で
中和することによりリン酸エステル塩基とすることがで
きる。
テル塩基は上記動植物油脂を重合して得られる不飽和二
重結合を有する重合動植物油脂の少なくとも二重結合の
位置に導入される。リン酸エステル基は上記重合動植物
油脂の二重結合部分に水酸基を導入して得られるヒドロ
キシル化合物の水酸基に無水リン酸、三塩化リン、五塩
化リン等を反応せしめることにより導入され、該リン酸
エステル基の残留酸根を水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ラウリ
ルアミン等の有機性アミン、アンモニア等のアミン類で
中和することによりリン酸エステル塩基とすることがで
きる。
重合動植物油脂の二重結合部分に水酸基を導入する方法
としては、重合動植物油脂を過酢酸、過酸化水素等の過
酸化物と反応せしめて二重結合部分をエポキシ化した
後、該エポキシ基を水酸基とする方法が挙げられる。上
記過酸化物は不飽和二重結合を有する重合動植物油脂に
対して純分で0.5〜10Wt%程度を添加し、触媒として
蟻酸、燐酸、硫酸等を用いて60〜80℃で2時間程度
反応し、反応終了後100〜120℃で脱水することに
より重合動植物油脂の二重結合部分に水酸基を有するヒ
ドロキシル化合物が得られる。不飽和二重結合を有する
重合動植物油脂に前記過酸化物を反応せしめると二重結
合部分にエポキシ基が導入されるが、通常エポキシ化し
て得られた反応生成物は反応により生成する水や水洗に
よる精製等の工程でエポキシ基が略完全に水酸基とな
る。しかしながら本発明の目的を妨げない程度であれば
必ずしもエポキシ基の全てが水酸基となっていなくても
よく、多少のエポキシ基が残存していてもよい。
としては、重合動植物油脂を過酢酸、過酸化水素等の過
酸化物と反応せしめて二重結合部分をエポキシ化した
後、該エポキシ基を水酸基とする方法が挙げられる。上
記過酸化物は不飽和二重結合を有する重合動植物油脂に
対して純分で0.5〜10Wt%程度を添加し、触媒として
蟻酸、燐酸、硫酸等を用いて60〜80℃で2時間程度
反応し、反応終了後100〜120℃で脱水することに
より重合動植物油脂の二重結合部分に水酸基を有するヒ
ドロキシル化合物が得られる。不飽和二重結合を有する
重合動植物油脂に前記過酸化物を反応せしめると二重結
合部分にエポキシ基が導入されるが、通常エポキシ化し
て得られた反応生成物は反応により生成する水や水洗に
よる精製等の工程でエポキシ基が略完全に水酸基とな
る。しかしながら本発明の目的を妨げない程度であれば
必ずしもエポキシ基の全てが水酸基となっていなくても
よく、多少のエポキシ基が残存していてもよい。
このようにして水酸基を導入したヒドロキシル化重合油
のリン酸エステル化は、ヒドロキシル化重合油1モル当
たり例えば無水リン酸0.05〜1モル、特に好ましくは0.
1〜0.5モルを徐々に添加し、添加終了後40〜80℃で
2〜5時間加熱することにより行われる。
のリン酸エステル化は、ヒドロキシル化重合油1モル当
たり例えば無水リン酸0.05〜1モル、特に好ましくは0.
1〜0.5モルを徐々に添加し、添加終了後40〜80℃で
2〜5時間加熱することにより行われる。
本発明の潤滑油は上記したように不飽和二重結合を有す
る重合動植物油脂の不飽和二重結合部分に水酸基を導入
した後、無水リン酸等と反応させ、更に必要により中和
することによりリン酸エステル基又はリン酸エステル塩
基を導入して得られるが、リン酸エステル基を有する化
合物とリン酸エステル塩基を有する化合物との混合物で
あってもよい。また原料油脂がヒマシ油等の如く水酸基
を有する油脂である場合、原料油脂にもともと存在して
いた水酸基部分にリン酸エステル基及び/又はリン酸エ
ステル塩基が導入されていてもよい。更にリン酸エステ
ル基、リン酸エステル塩基は重合動植物油脂の不飽和二
重結合部分に導入された水酸基に無水リン酸等を直接反
応せしめて導入される場合に限らず、該水酸基にアルキ
レンオキシドを反応せしめてポリオキシアルキレンエー
テル基を導入し、該ポリオキシアルキレンエーテル基の
末端の水酸基に無水リン酸等を反応せしめ、ポリオキシ
アルキレンエーテル鎖を介してリン酸エステル基及び/
又はリン酸エステル塩基を導入してもよい。ポリオキシ
アルキレンエーテル鎖を介してリン酸エステル基及び/
又はリン酸エステル塩基を導入した場合、ポリオキシア
ルキレンエーテル鎖の存在によって得られる潤滑油の親
水性をより向上せしめることができる。アルキレンオキ
シドとしてはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、
ブチレンオキシド等が挙げられ、これらは1種のみを付
加してもよく、また2種以上をランダム付加してもブロ
ック付加してもよい。アルキレンオキシドは重合動植物
油脂に対して1〜10Wt%付加することが好ましい。ア
ルキレンオキシドが付加される水酸基は通常、不飽和二
重結合を有する重合動植物油脂の二重結合部分に導入さ
れた水酸基であるが、重合動植物油脂の原料油脂が前記
ヒマシ油の如く水酸基を有する油脂である場合、該水酸
基部分にもアルキレンオキシドが付加してポリオキシア
ルキレンエーテル基が導入されてもよい。
る重合動植物油脂の不飽和二重結合部分に水酸基を導入
した後、無水リン酸等と反応させ、更に必要により中和
することによりリン酸エステル基又はリン酸エステル塩
基を導入して得られるが、リン酸エステル基を有する化
合物とリン酸エステル塩基を有する化合物との混合物で
あってもよい。また原料油脂がヒマシ油等の如く水酸基
を有する油脂である場合、原料油脂にもともと存在して
いた水酸基部分にリン酸エステル基及び/又はリン酸エ
ステル塩基が導入されていてもよい。更にリン酸エステ
ル基、リン酸エステル塩基は重合動植物油脂の不飽和二
重結合部分に導入された水酸基に無水リン酸等を直接反
応せしめて導入される場合に限らず、該水酸基にアルキ
レンオキシドを反応せしめてポリオキシアルキレンエー
テル基を導入し、該ポリオキシアルキレンエーテル基の
末端の水酸基に無水リン酸等を反応せしめ、ポリオキシ
アルキレンエーテル鎖を介してリン酸エステル基及び/
又はリン酸エステル塩基を導入してもよい。ポリオキシ
アルキレンエーテル鎖を介してリン酸エステル基及び/
又はリン酸エステル塩基を導入した場合、ポリオキシア
ルキレンエーテル鎖の存在によって得られる潤滑油の親
水性をより向上せしめることができる。アルキレンオキ
シドとしてはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、
ブチレンオキシド等が挙げられ、これらは1種のみを付
加してもよく、また2種以上をランダム付加してもブロ
ック付加してもよい。アルキレンオキシドは重合動植物
油脂に対して1〜10Wt%付加することが好ましい。ア
ルキレンオキシドが付加される水酸基は通常、不飽和二
重結合を有する重合動植物油脂の二重結合部分に導入さ
れた水酸基であるが、重合動植物油脂の原料油脂が前記
ヒマシ油の如く水酸基を有する油脂である場合、該水酸
基部分にもアルキレンオキシドが付加してポリオキシア
ルキレンエーテル基が導入されてもよい。
本発明の潤滑油は、取扱性、潤滑性の両方に優れたもの
であるために、40℃における粘度が940〜4000
センチストークスである必要がある。
であるために、40℃における粘度が940〜4000
センチストークスである必要がある。
本発明の潤滑油はそのままあるいは必要により動植物油
脂、脂肪酸エステル、鉱物油、極圧添加剤、酸化防止
剤、界面活性剤、防錆剤、消泡剤等と混合して圧延油、
引抜き油、伸線油、切削油、研削油、プレス油等の金属
加工油に使用される。本発明の潤滑油は親水性に優れ、
乳化剤なし若しくはきわめて少ない量の乳化剤の使用に
よっても容易にエマルジョン又は水溶液とすることがで
き、エマルジョン又は水溶液の調整が容易に行えるとと
もに、エマルジョンの分散状態、水溶液の溶解状態の安
定性にも優れている。
脂、脂肪酸エステル、鉱物油、極圧添加剤、酸化防止
剤、界面活性剤、防錆剤、消泡剤等と混合して圧延油、
引抜き油、伸線油、切削油、研削油、プレス油等の金属
加工油に使用される。本発明の潤滑油は親水性に優れ、
乳化剤なし若しくはきわめて少ない量の乳化剤の使用に
よっても容易にエマルジョン又は水溶液とすることがで
き、エマルジョン又は水溶液の調整が容易に行えるとと
もに、エマルジョンの分散状態、水溶液の溶解状態の安
定性にも優れている。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
尚、実施例、比較例において使用した原料油脂は、特に
明記したもの以外は全て粗油を用いた。
尚、実施例、比較例において使用した原料油脂は、特に
明記したもの以外は全て粗油を用いた。
実施例1〜4,比較例1〜3 攪拌機、冷却器、温度計を取付けた3の四ツ口フラス
コに第1表に示す油脂1800gを仕込み、空気を吹込
みながら180℃で2時間加熱攪拌し、同表に示す重合
油を得た。次いで80℃に冷却し、第1表に示す量の3
5%過酸化水素水及び触媒として蟻酸を全仕込量の1%
添加し80℃で2時間加熱攪拌し、反応終了後2回水洗
した後、120℃で脱水した。尚、実施例3〜4及び比
較例3については更に水酸化カリウムを触媒として用
い、第1表に示すアルキレンオキシドを付加せしめた。
得られた化合物を80℃に保持して第1表に示す量の無
水リン酸を添加し、添加終了後80℃にて2時間加熱し
た。反応生成物の25℃における1Wt%水−エタノール
(容量比で1:1の混合物)溶液のpHを第1表に示す。
尚実施例1,3,4及び比較例1〜3については反応終
了後、第1表に示すアルカリを添加して同表に示すpHと
した。反応生成物を脱水精製して得た化合物(潤滑油)
の性状を第2表に示す。
コに第1表に示す油脂1800gを仕込み、空気を吹込
みながら180℃で2時間加熱攪拌し、同表に示す重合
油を得た。次いで80℃に冷却し、第1表に示す量の3
5%過酸化水素水及び触媒として蟻酸を全仕込量の1%
添加し80℃で2時間加熱攪拌し、反応終了後2回水洗
した後、120℃で脱水した。尚、実施例3〜4及び比
較例3については更に水酸化カリウムを触媒として用
い、第1表に示すアルキレンオキシドを付加せしめた。
得られた化合物を80℃に保持して第1表に示す量の無
水リン酸を添加し、添加終了後80℃にて2時間加熱し
た。反応生成物の25℃における1Wt%水−エタノール
(容量比で1:1の混合物)溶液のpHを第1表に示す。
尚実施例1,3,4及び比較例1〜3については反応終
了後、第1表に示すアルカリを添加して同表に示すpHと
した。反応生成物を脱水精製して得た化合物(潤滑油)
の性状を第2表に示す。
実施例5〜8,比較例4〜6 実施例1〜4と同様のフラスコに、第1表に示す油脂1
800gを仕込み、窒素ガス雰囲気下で300℃で3時
間加熱攪拌し、第1表に示す重合油を得た。次いで実施
例1〜4と同様にして第1表に示す量の35%過酸化水
素水を反応させ、反応終了後、水洗、脱水を行った。
尚、実施例8,比較例4については更に水酸化カリウム
を触媒として用い、第1表に示すアルキレンオキシドを
付加せしめた。得られた化合物を実施例1〜4と同様に
して第1表に示す量の無水リン酸と反応させた。反応生
成物の25℃における1Wt%水−エタノール(容量比で
1:1の混合物)溶液のpHを第1表に示す。尚、実施例
5〜8及び比較例5,6については反応終了後、第1表
に示すアルカリを添加して同表に示すpHとした。反応生
成物を脱水精製して得た化合物(潤滑油)の性状を第2
表に示す。
800gを仕込み、窒素ガス雰囲気下で300℃で3時
間加熱攪拌し、第1表に示す重合油を得た。次いで実施
例1〜4と同様にして第1表に示す量の35%過酸化水
素水を反応させ、反応終了後、水洗、脱水を行った。
尚、実施例8,比較例4については更に水酸化カリウム
を触媒として用い、第1表に示すアルキレンオキシドを
付加せしめた。得られた化合物を実施例1〜4と同様に
して第1表に示す量の無水リン酸と反応させた。反応生
成物の25℃における1Wt%水−エタノール(容量比で
1:1の混合物)溶液のpHを第1表に示す。尚、実施例
5〜8及び比較例5,6については反応終了後、第1表
に示すアルカリを添加して同表に示すpHとした。反応生
成物を脱水精製して得た化合物(潤滑油)の性状を第2
表に示す。
比較例7 第1表に示す魚油を実施例と同様の方法により重合して
得た重合魚油を潤滑油とした。この潤滑油(重合魚油)
の性状を第2表に示す。
得た重合魚油を潤滑油とした。この潤滑油(重合魚油)
の性状を第2表に示す。
比較例8 第1表に示す魚油1800g、35%過酸化水素水90
g、蟻酸18gを実施例と同様のフラスコに仕込み、8
0〜90℃で2時間加熱攪拌して得たヒドロキシル化魚
油を得た。次いでこのヒドロキシル化魚油を第1表に示
す量の無水リン酸と反応させた後、トリエタノールアミ
ンで中和した。得られた潤滑油の性状を第2表に示す。
g、蟻酸18gを実施例と同様のフラスコに仕込み、8
0〜90℃で2時間加熱攪拌して得たヒドロキシル化魚
油を得た。次いでこのヒドロキシル化魚油を第1表に示
す量の無水リン酸と反応させた後、トリエタノールアミ
ンで中和した。得られた潤滑油の性状を第2表に示す。
実施例9〜11、比較例9〜12 第3表に示す配合の加工油を15%エマルジョンとして
ホモミキサー(8000rpm)で攪拌し、80℃に保持
しつつギヤポンプで循環させながらノズル(1/4KSA
00480)より圧延鋼板(SPC−C−SB、1×5
0×150mm)上に付着油量が約1.5g/m2となるよう
にスプレーした後、以下の条件で圧延を行った。圧延前
の鋼板には予め間隔を50mmの2本の線を引いておき、
圧延後、2本の線の間隔が167mm(圧下率70%)と
なる時の圧延荷重をロードセルにて測定し、圧延性能を
比較した。またこの圧延油の防錆試験を行った。結果を
第3表に示す。
ホモミキサー(8000rpm)で攪拌し、80℃に保持
しつつギヤポンプで循環させながらノズル(1/4KSA
00480)より圧延鋼板(SPC−C−SB、1×5
0×150mm)上に付着油量が約1.5g/m2となるよう
にスプレーした後、以下の条件で圧延を行った。圧延前
の鋼板には予め間隔を50mmの2本の線を引いておき、
圧延後、2本の線の間隔が167mm(圧下率70%)と
なる時の圧延荷重をロードセルにて測定し、圧延性能を
比較した。またこの圧延油の防錆試験を行った。結果を
第3表に示す。
圧延試験条件 圧延機:四段ロール式圧延機 ワークロール:径150mm×幅140mm バックアップロール:径250mm×幅140mm ロール材質:クロム鋼 ロール周速:30m/min. 圧延材料:SPC−C SB 1mm×50mm×150mm 実施例12〜16、比較例13〜14 第4表に示す配合の加工油を切削油として用い、以下の
条件で切削した際の切削抵抗値を測定した。また切削し
た表面の切削方向の粗さを触針式粗さ測定機で測定し
た。またこの切削油の防錆試験を行った。結果を第4表
に併せて示す。
条件で切削した際の切削抵抗値を測定した。また切削し
た表面の切削方向の粗さを触針式粗さ測定機で測定し
た。またこの切削油の防錆試験を行った。結果を第4表
に併せて示す。
切削試験条件 切削機:3ton立型内面引抜きブローチ盤 切削工具:1刃当たりの切込み最大深さ0.05mm、幅7m
m、刃間隔8mm、材質SKH55のキーブローチ工具 被削剤:S−45C 切削速度:2m/min. 実施例17、比較例15 第5表に示す配合の加工油をアルミニウム板の両面に1
g/m2の付着量となるように塗布し、アルミニウム板の
深絞り加工試験を以下の条件で行い、種々の絞り比によ
る絞り加工の際の絞り荷重を測定した。またこのプレス
油の防錆試験を行った。結果を第5表に示す。
m、刃間隔8mm、材質SKH55のキーブローチ工具 被削剤:S−45C 切削速度:2m/min. 実施例17、比較例15 第5表に示す配合の加工油をアルミニウム板の両面に1
g/m2の付着量となるように塗布し、アルミニウム板の
深絞り加工試験を以下の条件で行い、種々の絞り比によ
る絞り加工の際の絞り荷重を測定した。またこのプレス
油の防錆試験を行った。結果を第5表に示す。
深絞り加工試験条件 試験機:高速深絞り加工試験機(東京試験機(株)
製)、ポンチ径32mm、ダイス径35mm、加工速度1m
/min. 加工材:厚さ1mmのアルミニウム円盤(JIS A110
0.0)、各試料油毎に径62.4mmから径66.4mmまで0.8mmず
つ径が増加する6枚の円盤の加工を行い、絞り比1.95か
ら絞り比2.075までの試験を行った。
製)、ポンチ径32mm、ダイス径35mm、加工速度1m
/min. 加工材:厚さ1mmのアルミニウム円盤(JIS A110
0.0)、各試料油毎に径62.4mmから径66.4mmまで0.8mmず
つ径が増加する6枚の円盤の加工を行い、絞り比1.95か
ら絞り比2.075までの試験を行った。
〔発明の効果〕 以上説明したように本発明の潤滑油は不飽和二重結合を
有する重合動植物油脂の少なくとも二重結合部分にリン
酸エステル基及び/又はリン酸エステル塩基が導入され
た構造を有することによって、潤滑性、親水性、安定性
に優れるとともに、魚油等の粗油を原料として用いた場
合でも臭気が殆どないため安価な粗油を用いて製造する
ことができ、優れた潤滑油が安価に提供され得る。
有する重合動植物油脂の少なくとも二重結合部分にリン
酸エステル基及び/又はリン酸エステル塩基が導入され
た構造を有することによって、潤滑性、親水性、安定性
に優れるとともに、魚油等の粗油を原料として用いた場
合でも臭気が殆どないため安価な粗油を用いて製造する
ことができ、優れた潤滑油が安価に提供され得る。
また本発明の潤滑油は、特定の構造に加えて40℃にお
ける粘度を940〜4000センチストークスの範囲に
規定したことにより、時間経過によって臭気が発生して
きたり、鉱油等と混合した際に分離する等の虞れがな
く、取扱性が良好であるとともに、潤滑性にも優れる効
果を有する。
ける粘度を940〜4000センチストークスの範囲に
規定したことにより、時間経過によって臭気が発生して
きたり、鉱油等と混合した際に分離する等の虞れがな
く、取扱性が良好であるとともに、潤滑性にも優れる効
果を有する。
本発明の潤滑油はそのまま又は動植物油脂、鉱物油や他
の添加剤とともに混合して圧延油、引抜き油、伸線油、
切削油、研削油、プレス油等の金属加工油として用いら
れ、本発明の潤滑油を用いた金属加工油は潤滑性に優れ
る結果、表面状態、寸法精度に優れた加工を行い得ると
ともに、本発明潤滑油はリン酸エステル基及び/又はリ
ン酸エステル塩基を有することによって防錆性にも優
れ、本発明の潤滑油を用いた金属加工油により加工した
金属は錆が発生し難い等の種々の効果を有する優れたも
のである。
の添加剤とともに混合して圧延油、引抜き油、伸線油、
切削油、研削油、プレス油等の金属加工油として用いら
れ、本発明の潤滑油を用いた金属加工油は潤滑性に優れ
る結果、表面状態、寸法精度に優れた加工を行い得ると
ともに、本発明潤滑油はリン酸エステル基及び/又はリ
ン酸エステル塩基を有することによって防錆性にも優
れ、本発明の潤滑油を用いた金属加工油により加工した
金属は錆が発生し難い等の種々の効果を有する優れたも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:12 40:20 Z 8217−4H 60:12 (72)発明者 沖田 次夫 千葉県佐倉市中志津5−7−4 (72)発明者 中島 昭男 千葉県松戸市常磐平陣屋前17−6 (72)発明者 荻原 昭治 愛知県江南市藤ケ丘6―1 江南団地60− 301 (56)参考文献 特開 昭56−109295(JP,A) 特開 昭56−109296(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】不飽和二重結合を有する動植物油脂を重合
して得られ、且つ分子鎖中に不飽和二重結合を残存した
重合動植物油脂の少なくとも二重結合部分に導入された
リン酸エステル基及び/又はリン酸エステル塩基を有
し、40℃における粘度が940〜4000センチスト
ークスであることを特徴とする潤滑油。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61017618A JPH0631367B2 (ja) | 1986-01-29 | 1986-01-29 | 潤滑油 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61017618A JPH0631367B2 (ja) | 1986-01-29 | 1986-01-29 | 潤滑油 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62177097A JPS62177097A (ja) | 1987-08-03 |
JPH0631367B2 true JPH0631367B2 (ja) | 1994-04-27 |
Family
ID=11948863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61017618A Expired - Lifetime JPH0631367B2 (ja) | 1986-01-29 | 1986-01-29 | 潤滑油 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0631367B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105802708A (zh) * | 2016-03-23 | 2016-07-27 | 苏州亚思科精密数控有限公司 | 一种高效型线切割用乳化工作液及配制方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56109296A (en) * | 1980-02-02 | 1981-08-29 | Miyoshi Oil & Fat Co Ltd | Metal rolling oil |
JPS56109295A (en) * | 1980-02-02 | 1981-08-29 | Miyoshi Oil & Fat Co Ltd | Metal rolling oil |
-
1986
- 1986-01-29 JP JP61017618A patent/JPH0631367B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62177097A (ja) | 1987-08-03 |
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