JPH0631364A - 缶蓋の製造方法 - Google Patents

缶蓋の製造方法

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Publication number
JPH0631364A
JPH0631364A JP30199492A JP30199492A JPH0631364A JP H0631364 A JPH0631364 A JP H0631364A JP 30199492 A JP30199492 A JP 30199492A JP 30199492 A JP30199492 A JP 30199492A JP H0631364 A JPH0631364 A JP H0631364A
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JP
Japan
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frame
heated
support ring
high frequency
frequency coil
Prior art date
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Pending
Application number
JP30199492A
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English (en)
Inventor
Shinji Nakamura
伸治 中村
Takahiro Kosugi
恭弘 小杉
Hiroyasu Tanaka
弘康 田中
Satoshi Nishikawa
聡 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokkaican Co Ltd
Original Assignee
Hokkaican Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】フレームと支持リングとの密封性に優れた缶蓋
を提供する。 【構成】巻締部6を周縁部に備え、この周縁部に囲まれ
たパネル部10に開口部9を画成した金属製支持リング
2に、合成樹脂の射出成形により開口部9の内周縁部に
沿って合成樹脂製フレーム3を一体的に形成する。高周
波コイル20を前記フレーム3の上部に圧接してパネル
部10を加熱し、支持リング2にフレーム3を融着す
る。パネル部10は被加熱部11と、その内周側に内方
に湾曲する非加熱部12とを備え、フレーム3の融着は
被加熱部11を高周波コイル20で加熱することにより
行う。被加熱部11は高周波コイル20により加熱され
て、実質的に均一に発熱する形状に形成されている。フ
レーム3の上部に開口部9を密封する金属密封シート材
を重ねて支持リング2の開口部9を閉蓋し、フレーム3
に前記金属密封シート材を剥離自在に接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は缶蓋の製造方法に関する
ものであり、さらに詳しくは、開口部にアルミニウム箔
等からなる金属密封シート材が剥離自在に接着された合
成樹脂製フレームを備えた缶蓋の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、調製粉乳等の容器として使用され
る金属製缶体では、缶蓋にアルミニウム箔等からなる金
属密封シート材を剥離自在に接着して開口部を密封した
ものが知られている。このような缶体を開封する際には
前記金属密封シート材を剥離すればよく、缶切りなどの
用具が不要であるので、開缶が容易である。
【0003】前記缶蓋として、例えば、金属製缶体に巻
締めるための巻締部を周縁部に備え、該周縁部に囲繞さ
れたパネル部に開口部を画成した金属製支持リングに、
前記金属密封シート材を直接ホットメルト接着剤等によ
り接着したものがある。ところが、このような缶蓋にあ
っては、前記接着剤の金属に対する接着性が十分でな
く、また前記支持リングは比較的に硬質であって且つそ
のパネル部の表面に小さな凹凸やうねりがあり、前記シ
ート材を均一に接着することが難しい。
【0004】そこで、合成樹脂を射出成形することによ
り前記支持リングに画成された開口部の内周縁部に沿っ
て合成樹脂製フレームを一体的に形成し、前記フレーム
の上部に前記金属密封シート材を剥離自在に接着するこ
とが検討されている。前記フレームは合成樹脂の射出成
形により形成されるので平坦な表面が容易に得られ、前
記シート材を均一に接着することができる。
【0005】ところで、通常の合成樹脂は金属に対する
接着性が低く、前記フレームを単に射出成形しただけで
は、前記支持リングに固定することが難しい。これは、
前記射出成形は、前記フレームの外面形状に一致した形
状の金型内に前記支持リングを配置して、該金型内に溶
融状態の合成樹脂を充填することにより行われるが、前
記樹脂は硬化する際に金属と接触している部分では金属
に熱が奪われるため他の部分よりも早く硬化し、この部
分と金属との間に間隙ができるためである。前記間隙は
前記金型との間に生じるときには射出成形品を前記金型
から脱型しやすくなるとの効果が得られ有利であるが、
前記支持リングとの間に生じると形成されたフレームが
前記支持リングに固定されにくくなるとともに、前記間
隙から外気が容器内に侵入し、粉乳等の内容物が吸湿し
て固まったり、外気中の酸素と接触して酸化され変質す
る等の不都合がある。
【0006】前記不都合を解消するために、前記フレー
ムを形成したのち、前記フレームの上部に高周波コイル
を圧接して前記パネル部を加熱することが考えられる。
前記のようにして高周波コイルにより加熱すると、前記
パネル部の高周波コイルの下方に位置する部分が発熱す
るので前記パネル部近傍の前記フレームが再溶融され、
射出成形された樹脂が硬化する際にパネル部とフレーム
との間にできた間隙が再溶融した樹脂により満たされて
両者の密着性が向上されるとともに、前記フレームが前
記パネル部に融着して前記支持リングに確実に固定され
るものと期待される。
【0007】一方、合成樹脂製の射出成形品を該成形品
に埋設された金属製部材に固定するために、前記金属製
部材に大きな凹凸部を設けることが行われている。この
ようにすることにより、形成された射出成形品が前記凹
凸部に係合され、投錨効果により固定される。前記凹凸
部が設けられた支持リングとしては、例えば図6に示す
ような断面形状を有する支持リング61がある。
【0008】支持リング61は、缶容器に巻締めるため
の巻締部62を周縁部に備え、該周縁部に囲繞されたパ
ネル部63の内周縁部を垂直方向に大きく湾曲させた環
状溝部64が形成されている。環状溝部64は断面S字
状に加工されている。そして、環状溝部64により画成
された開口部65の内周縁部に沿って、合成樹脂の射出
成形によりフレーム66が一体的に形成される。
【0009】前記支持リング61によれば、射出成形に
より形成されたフレーム66は環状溝部64に係合され
る投錨効果により固定されるものの、パネル部63とフ
レーム66との間には前記樹脂の硬化速度の違いのため
に間隙の発生が避けられない。そこで、フレーム66を
形成したのちフレーム66の上部に高周波コイル20を
圧接して該高周波コイル20によりパネル部63を加熱
することが考えられる。尚、高周波コイル20は高周波
加熱装置17に組み込まれ、フレーム66の上部に圧接
される。
【0010】しかしながら、パネル部63の内周縁部に
前記環状溝部64を備える支持リング61の開口部65
の内周縁部に沿って一体的に形成されたフレーム66を
高周波コイル20により加熱したのでは、前記フレーム
66が前記パネル部63に均一に融着しない傾向があ
り、前記不都合を十分に解消するものとは言えない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、フレームと支持リングとの間隙から外気
が容器内に侵入して内容物が吸湿したり変質したりする
ことのない、密封性に優れた缶蓋の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、図6に示
すようなパネル部63の内周縁部に環状溝部64を備え
る支持リング61の開口部65の内周縁部に沿って一体
的に形成された合成樹脂製フレーム66の上部から高周
波コイル20により加熱した際に前記フレーム66の前
記パネル部63に対する融着が不均一になる理由につい
て検討した結果、環状溝部64を有する支持リング61
では、高周波コイル20の下方に位置するパネル部63
のうち、環状溝部64の断面形状の山に当たる部分64
aでは高周波コイル20に近いため発熱量が大きくなる
が、谷に当たる部分64bでは高周波コイル20から遠
いため山に当たる部分64aほど発熱せず、前記パネル
部63の温度分布が不均一になるためであることが判明
した。また、前記山に当たる部分64aでは十分に発熱
するものの、その長さが短いためにフレーム66が支持
リング61に確実に融着されるに至らないことも判明し
た。
【0013】そこで、図7に示すように、支持リング7
1のパネル部72を平坦に形成することにより、パネル
部72が高周波コイル20の下方ではどの部分でも高周
波コイル20から等距離になるようにして、高周波加熱
によるパネル部72の温度分布を均一にすることが考え
られる。支持リング71は、その断面形状を図7に示す
ように、缶容器に巻締めるための巻締部73を周縁部に
備え、該周縁部に囲繞されたパネル部72が形成されて
おり、パネル部72の内周側端部72aにより画成され
る開口部74の内周縁部に沿って、合成樹脂の射出成形
によりフレーム75が一体的に形成される。
【0014】しかしながら、さらに検討を加えたとこ
ろ、前記パネル部72の内周側端部72aが高周波コイ
ル20の下方に位置するときには、この部分72aが過
熱され前記温度分布が均一になりにくいことが判明し
た。これは、高周波コイル20の下方に位置するパネル
部72に高周波加熱により発生した熱は、パネル部72
の周縁部方向では支持リング71のパネル部72に隣接
する部分に伝導されて放熱されるが、パネル部72の内
周側では逃げ場がないために内周側端部72aに蓄熱さ
れるためと考えられる。
【0015】本発明者らは前記知見に基づいてさらに検
討を重ねた結果、パネル部が高周波コイルにより加熱さ
れる被加熱部と、その内周側に非加熱部とを備える支持
リングを用い、該被加熱部を高周波コイルにより加熱す
ることにより、発生した熱がパネル部の内周側では前記
非加熱部から放熱され、前記パネル部の前記高周波コイ
ルの下方に位置する部分で温度分布が均一になること、
高周波コイルによる加熱を前記のようにして行うときに
は前記パネル部の被加熱部は実質的に均一に発熱する形
状であればよいことを見い出し、本発明を完成した。
【0016】すなわち、本発明の製造方法は、缶容器に
巻締めるための巻締部を周縁部に備え、該周縁部に囲繞
されたパネル部に開口部を画成した金属製支持リング
に、合成樹脂を射出成形することにより該支持リングの
開口部の内周縁部に沿って該合成樹脂からなるフレーム
を一体的に形成するフレーム形成工程と、前記フレーム
上部に高周波コイルを圧接して、該高周波コイルにより
前記パネル部を高周波加熱して前記支持リングに前記フ
レームを融着するフレーム融着工程と、前記フレームの
上部に前記開口部を密封する金属密封シート材を重ねて
前記支持リングの開口部を閉蓋し、前記フレームに該金
属密封シート材を剥離自在に接着する金属密封シート材
接着工程とからなる缶蓋の製造方法において、前記支持
リングは前記パネル部が前記高周波コイルにより実質的
に均一に発熱する形状を有する被加熱部と該被加熱部の
内周側に非加熱部とを備え、前記フレーム融着工程にて
該被加熱部を前記高周波コイルにより加熱することを特
徴とする。
【0017】前記パネル部は、前記フレーム上部に高周
波コイルを圧接して加熱する際に、被加熱部の内周側に
非加熱部を備えるものであれば、全体が平坦であっても
よくその形状は特に限定されないが、前記非加熱部はそ
の内周に沿って内方または外方に湾曲されていることが
好ましい。前記非加熱部分が内方または外方に湾曲また
は屈曲されていることにより、形成された前記フレーム
が該非加熱部に係合されて投錨効果により固定されやす
くなる。
【0018】また、前記パネル部の前記被加熱部は平坦
であることに限定されるものではなく、前記高周波加熱
により実質的に均一に発熱する形状であれば小さな凹凸
が形成されていてもよい。前記被加熱部をこのような形
状とすることにより、形成された前記フレームが該被加
熱部に係合されて固定されやすくなるとの効果が得られ
る。
【0019】
【作用】本発明の製造方法によれば、支持リングのパネ
ル部が高周波コイルにより加熱される被加熱部と、その
内周側に非加熱部とを備え、該被加熱部を前記高周波コ
イルにより加熱するので、高周波コイルにより加熱され
て発生した熱が前記パネル部の内周側では前記非加熱部
から、周縁部方向では支持リングのパネル部に隣接する
部分から放熱され、前記パネル部に過熱される部分が無
くなる。また、前記パネル部の前記被加熱部は、前記高
周波コイルにより加熱されると均一に発熱する形状にな
っている。
【0020】従って、前記パネル部は前記高周波コイル
により加熱されると前記被加熱部の温度分布が均一にな
り、この部分に接する前記フレームが前記加熱により再
溶融されたのち、前記パネル部に均一に融着される。
【0021】また、前記非加熱部分が内方または外方に
湾曲されていることにより、形成された前記フレームが
該非加熱部に係合されて投錨効果により固定されやすく
なる。
【0022】
【実施例】次に、添付の図面を参照しながら本発明の缶
蓋の製造方法についてさらに詳しく説明する。図1は本
実施例の製造方法により得られる缶蓋の平面図、図2は
図1のII−II線断面図、図3は本実施例の製造方法
におけるフレーム融着工程を示す説明的断面図、図4及
び図5は他の実施例に用いられる金属製支持リングの説
明的断面図である。
【0023】本実施例の製造方法により得られる缶蓋1
は調製粉乳の容器に使用されるものであって、未だ容器
に巻締められていない状態で図1及び図2に示すよう
に、ブリキ製の支持リング2と、該支持リング2の開口
部の内周縁部に沿って固定されたポリエチレン樹脂製の
フレーム3と、フレーム3の上縁部4に剥離自在に融着
された金属密封シート材5とによって構成されている。
【0024】支持リング2は、その外周縁部に巻締めが
可能になる形状として巻締部6、シーミングパネル7及
びチャックウォール8が形成されている。そして、チャ
ックウォール8から内周側に延び、開口部9を画成する
パネル部10が設けられている。前記フレーム3は開口
部9の内周縁部に沿って固定されている。
【0025】パネル部10は凹凸を設けず平坦に形成さ
れた被加熱部11とその内周側に非加熱部12とを備え
ている。非加熱部12は内方に湾曲され、さらに被加熱
部11と平行になるように折り返されている。
【0026】前記支持リング2を構成するパネル部10
の外表面には、図3に示すように、ポリエステル・アミ
ノ系のサイジングニスからなる下塗り層13が設けら
れ、その上にポリエチレン成分を含有するエポキシフェ
ノール系塗料の塗膜14が設けられている。下塗り層1
3を設けることによりブリキからなる支持リング2に対
するエポキシフェノール系塗料の親和性が向上するとの
効果が得られる。
【0027】前記フレーム3には、棒状のすりきり部材
15が設けられており、すりきり部材15により開口部
9が2分されている。すりきり部材15は、粉乳などの
内容物を計量スプーン等により定量ごとに取り出す際の
便宜のために設けられている。
【0028】なお、金属密封シート材5は、図示しない
が、アルミニウム箔の内表面にポリエチレンテレフタレ
ート樹脂のシート材が積層され、該ポリエチレンテレフ
タレート樹脂層上にさらにポリエチレン樹脂の被覆層が
形成された構成を備えており、図1及び図2に示すよう
に、前記フレーム3の上縁部4及び支持リング2のパネ
ル部10の一部に剥離自在に融着されて開口部9が閉
蓋、密封されている。金属密封シート材5の外周の一部
には手指によって把持できるタブ5aが連設されてお
り、金属密封シート材5はタブ5aを把持して引き上げ
ることにより容易に剥離できるようになっている。
【0029】次に、本実施例の製造方法について説明す
る。
【0030】まず、外周縁部に巻締部6、シーミングパ
ネル7及びチャックウォール8が形成され、チャックウ
ォール8から内周側に延びるパネル部10を備えるブリ
キ製の支持リング2を準備する。支持リング2のパネル
部10は、平坦に形成された被加熱部11とその内周側
に前記形状の非加熱部12とを備えている。非加熱部1
2は、パネル部10の内周側端部をプレス加工すること
により、前記内方に湾曲する形状に形成されている。ま
た、支持リング2はブリキ製とすることにより熱容量が
大きくなるので後述の高周波加熱を有利に行うことがで
き、且つ安価でもあるので好ましい。
【0031】次に、支持リング2の外表面にサイジング
ニスを塗布して下塗り層13を形成し、次いで下塗り層
13の上にポリエチレン成分を塗料全体の11重量%の
割合で含有するエポキシフェノール系塗料(大日本イン
キ化学工業(株)製5C−887A CLSタイプ)を
塗布して塗膜14を形成する。前記ポリエチレン成分は
後述の高周波加熱により溶融してフレーム3に融着させ
るために配合されている。
【0032】前記エポキシフェノール系塗料は金属に対
する親和性が高く、支持リング2の表面に強固な塗膜1
4を形成することができるが、前記のように支持リング
2の外表面に下塗り層13を形成し、その上にエポキシ
フェノール系塗料を塗布することにより、さらに接着強
度が増大した塗膜14が得られる。
【0033】次に、低密度ポリエチレン(三井石油化学
工業(株)製ミラソンC260−4P)を射出成形し、
表面に塗膜14が形成された支持リング2の開口部9を
画成する内周縁部に沿って、前記低密度ポリエチレンか
らなるフレーム3及びすりきり部材15を形成する。フ
レーム3は非加熱部12を内外面両側から包囲して埋設
するように形成される。このとき、非加熱部12は前記
のように内方に湾曲する形状に形成されているので、形
成されたフレーム3が非加熱部12に係合されて支持リ
ング2に固定されるとの投錨効果が得られる。
【0034】次に、フレーム3の上部から前記支持リン
グ2を高周波コイル20により加熱する。前記加熱は、
例えば図3に示すように、フレーム3を固定治具16上
に載置し、フレーム3の上縁部4に高周波加熱装置17
を圧接して誘導加熱することにより行う。
【0035】高周波加熱装置17は、ベークライト材の
支持部材18に取着された粉末フェライトからなる磁束
収束部材19に高周波コイル20が組み込まれた構成と
なっており、コイル20は支持リング2の周に沿う円弧
状の軸を有し、平面視環状に形成されている。コイル2
0の内面側は空洞部21となっており、空洞部21には
冷却水が流通されている。なお、コイル20の周囲の磁
束収束部材19は強磁性体であるフェライトで構成する
ことにより、発生する磁束の収束効率が向上され、加熱
効果が高められる。
【0036】前記加熱は、高周波コイル20をパネル部
10の被加熱部11の上方のフレーム3に圧接して行
う。この状態で誘導加熱することにより支持リング2は
パネル部10の高周波コイル20の下方に位置する被加
熱部11で主として発熱するが、被加熱部11は平坦に
形成されているので、高周波コイル20の下方に位置す
る部分のどの部分でも高周波コイル20と等距離になっ
ており均一に発熱する。
【0037】一方、支持リング2は熱の良導体であるブ
リキからなるので、前記加熱により発生した熱は支持リ
ング2内を外周側では巻締部6方向に伝わってパネル部
10に隣接するシーミングパネル7、チャックウォール
8などから放熱される。また内周側に伝わった熱は、前
記非加熱部12から放熱される。
【0038】この結果、パネル部10は高周波コイル2
0の下方に位置する被加熱部11が160〜180℃の
範囲で均一に加熱されるので、被加熱部の近傍のフレー
ム3が再溶融されパネル部10に均一に融着される。パ
ネル部10は高周波コイル20の下方に位置する被加熱
部11の全体が発熱するので、フレーム3が融着される
ために十分な長さで加熱され、フレーム3が支持リング
2に密着して確実に固定される。
【0039】また、本実施例では、支持リング2の表面
に形成された前記エポキシフェノール系塗料の塗膜14
に含有されるポリエチレン成分が溶融して同質の樹脂か
らなるフレーム3と融着するので、前記パネル部10と
フレーム3とが融着しやすくなる。
【0040】次に、フレーム3を急冷したのち、フレー
ム3の上縁部4に金属密封シート材5を重ねて、支持リ
ング2の開口部9を閉蓋し、フレーム3に金属密封シー
ト材5を剥離自在に融着する。金属密封シート材5の融
着は、フレーム3を固定治具16上に載置し、金属密封
シート材5の上から高周波加熱装置17と同様の高周波
加熱装置を圧接して、加熱することにより行う。このと
き、固定治具16とフレーム3との間及びフレーム3と
高周波加熱装置との間に、それぞれ軟質樹脂からなるシ
ート材を介在させて、高周波加熱装置による押圧力を均
等にすることが好ましい。このようにすることにより、
融着の際に金属密封シート材5が皺になることを防止す
ることができる。前記軟質樹脂からなるシート材として
は、例えば、シリコン樹脂製のシート材などを挙げるこ
とができる。この結果、金属密封シート材5のアルミニ
ウム箔が発熱し、金属密封シート材5がフレーム3に剥
離自在に融着される。
【0041】金属密封シート材5は前述のようにアルミ
ニウム箔の内表面にポリエチレンテレフタレート樹脂層
及びポリエチレン樹脂被覆層が形成されているので、前
記アルミニウム箔の発熱により該ポリエチレン樹脂被覆
層とフレーム3とが融着され、金属密封シート材5とフ
レーム3との接着力が向上すると共に開口部9が確実に
閉蓋、密封される。
【0042】本実施例では非加熱部12を内方に湾曲す
る形状に形成しているが、パネル部10はフレーム3上
部に高周波コイル20を圧接して加熱する際に、被加熱
部11の内周側に非加熱部12を備えるものであれば、
非加熱部12がどのような形状に形成されていてもよ
く、例えば図4(a)及び図4(b)に示す様な形状を
挙げることができる。
【0043】図4(a)に示す支持リング21は、図1
に示す支持リング2と同様の構成であり、非加熱部12
が被加熱部11と平行になるように折り返されず、単に
下方に向けられている点でのみ異なっている。非加熱部
12を前記の形状とすることにより、パネル部10の内
周側端部のプレス加工が容易になる。
【0044】図4(b)に示す支持リング22は、図4
(a)に示す支持リング2において、非加熱部12の最
先端部がさらに開口部9方向に屈曲されて水平端部12
aを形成している。非加熱部12を前記の形状とするこ
とにより、図4(a)に示す支持リング2と同程度の容
易さでパネル部10のプレス加工を行うことができると
ともに、形成されるフレーム3が水平端部12aに係合
されて固定される投錨効果については図4(a)に示す
支持リング21よりも優れた効果を得ることができる。
【0045】次に、図3に示す支持リング1を用いる場
合(実施例1)、図4(a)に示す支持リング21を用
いる場合(実施例2)、図4(b)に示す支持リング2
2を用いる場合(実施例3)、図6に示す支持リング6
1を用いる場合(比較例1)のそれぞれについて、支持
リングの形状による性能の相違を投錨効果、高周波加熱
による加熱均一性、フレームと支持リングとの密封性に
ついて評価した。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1から、前記各実施例によれば、フレー
ムと支持リングとの密封性に優れた缶蓋が得られること
が明らかである。
【0048】本実施例では、パネル部10の被加熱部1
1を平坦に形成しているが、被加熱部11は前記高周波
コイル20により加熱されて実質的に均一に発熱する形
状であれば小さな凹凸が形成されていてもよい。
【0049】例えば、図5に示す支持リング23は、図
3に示す支持リング2と同様の構成であり、パネル部1
0の被加熱部24に連続する小さな凹凸からなる波状部
25が形成されている点でのみ異なっている。波状部2
5は、高周波コイルにより高周波加熱されたときの発熱
量が、波状部25の断面形状の山に当たる部分25aと
谷に当たる部分25bとで実質的に均一になる程度に、
その振幅aが形成されている。被加熱部24をこのよう
な形状とすることにより、形成されたフレーム3が波状
部25に係合されて固定されやすくなるとの効果が得ら
れる。
【0050】本実施例では、フレーム3をポリエチレン
樹脂により形成しているが、フレーム3はポリエチレン
テレフタレート樹脂等他の樹脂により形成されていても
よい。
【0051】フレーム3をポリエチレン樹脂またはポリ
エチレンテレフタレート樹脂により形成したときには、
フレーム3及び金属密封シート材5の内表面が食品衛生
法に基づく昭和26年12月27日付の厚生省令第52
号「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省
令)」に調製粉乳の容器に使用できる樹脂として規定さ
れたポリエチレン樹脂またはポリエチレンテレフタレー
ト樹脂により形成されていることになるので、缶蓋1は
粉乳の容器に好適に使用することができる。
【0052】本実施例では、支持リング2をブリキ製と
しているが、支持リング2はアルミニウム製またはティ
ン・フリー・スチール製であってもよい。
【0053】さらに、本実施例では金属密封シート材5
の融着を高周波加熱により行っているが、金属密封シー
ト材5の融着は金属密封シート材5をフレーム3に融着
することができる手段であれば、ヒートシール等の他の
手段により行ってもよい。
【0054】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
の製造方法によれば、支持リングのパネル部が高周波加
熱により均一に加熱されるので、再溶融されたフレーム
がパネル部に均一に融着され、フレームと支持リングと
の密封性に優れた缶蓋を得ることができる。
【0055】また、前記非加熱部をその内周に沿って内
方または外方に湾曲させた形状とすることにより、前記
フレームを該非加熱部に係合させて投錨効果により固定
しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる製造方法により得られる缶蓋の
一例を示す平面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】本発明の製造方法の一実施例におけるフレーム
融着工程を示す説明的断面図。
【図4】本発明の製造方法の他の実施例に用いる金属製
支持リングの説明的断面図。
【図5】本発明の製造方法のさらに他の実施例に用いる
金属製支持リングの説明的断面図。
【図6】従来の製造方法の一例におけるフレーム融着工
程を示す説明的断面図。
【図7】従来の製造方法の他の例におけるフレーム融着
工程を示す説明的断面図。
【符号の説明】 1…缶蓋、 2…支持リング、 3…フレーム、 5…
金属密封シート材、9…開口部、 10…パネル部、
11…被加熱部、 12…非加熱部、20…高周波コイ
ル。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】缶容器に巻締めるための巻締部を周縁部に
    備え、該周縁部に囲繞されたパネル部に開口部を画成し
    た金属製支持リングに、合成樹脂を射出成形することに
    より該支持リングの開口部の内周縁部に沿って該合成樹
    脂からなるフレームを一体的に形成するフレーム形成工
    程と、 前記フレーム上部に高周波コイルを圧接して、該高周波
    コイルにより前記パネル部を加熱して前記支持リングに
    前記フレームを融着するフレーム融着工程と、 前記フレームの上部に前記開口部を密封する金属密封シ
    ート材を重ねて前記支持リングの開口部を閉蓋し、前記
    フレームに該金属密封シート材を剥離自在に接着する金
    属密封シート材接着工程とからなる缶蓋の製造方法にお
    いて、 前記支持リングは前記パネル部が前記高周波コイルによ
    り実質的に均一に発熱する形状を有する被加熱部と該被
    加熱部の内周側に非加熱部とを備え、前記フレーム融着
    工程にて該被加熱部を前記高周波コイルにより加熱する
    ことを特徴とする缶蓋の製造方法。
  2. 【請求項2】前記非加熱部分はその内周に沿って内方ま
    たは外方に湾曲されていることを特徴とする請求項1記
    載の缶蓋の製造方法。
JP30199492A 1992-05-20 1992-11-12 缶蓋の製造方法 Pending JPH0631364A (ja)

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