JPH06313594A - 調湿機及びそれを備えた空気調和装置 - Google Patents

調湿機及びそれを備えた空気調和装置

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JPH06313594A
JPH06313594A JP5103398A JP10339893A JPH06313594A JP H06313594 A JPH06313594 A JP H06313594A JP 5103398 A JP5103398 A JP 5103398A JP 10339893 A JP10339893 A JP 10339893A JP H06313594 A JPH06313594 A JP H06313594A
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JP
Japan
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water
drain
water supply
dehumidifying
air
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JP5103398A
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English (en)
Inventor
Hiroko Tanaka
浩子 田中
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 室内雰囲気の湿度に対応して、除湿、加湿の
いずれにも切り換えられ、しかも配管工事等を簡略化し
得るようにする。 【構成】 暖房運転時において、水容器8内の除霜水を
液相状態で加湿部15へ送り込み、そこで回転翼21に
よって粒子状に拡散した上で、室内側熱交換器4の熱風
に混ぜて室内に送風可能とし、さらに除霜水供給用配管
17とドレン排水用配管32a、32bとを部分的に共
通化する一方、暖房運転終了後に室内空気を吸湿材26
に触れさせることによって除湿を行い、さらに暖房運転
再開時に高温吹出空気を吸湿材26に触れさせることに
よって、吸湿材26の再生を行うように構成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸湿材に含水空気を接
触させることによって除湿を行う除湿器と、気化式加湿
器とを組み合わせてなる調湿機及びそれを備えた空気調
和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、室内の高湿雰囲気の除湿を行う
装置としては、冷凍サイクルにおいて冷却空気を冷却コ
イルに接触させて空気中に含まれる水分を除去する方式
が普及しているが、この方式では除湿の際に若干の温度
低下を伴う上、電力消費も大きいなどの問題点が指摘さ
れていた。
【0003】このような問題点を解決するものとして、
例えば特公平3−70143号公報には、冷房時の効率
化を図るために、吸湿媒体を未調和空気に接触させ、該
空気中の水分を除去した状態で調和空気として室内に送
風するとともに、水分を吸着または吸収した吸湿媒体を
加熱空気と接触させることにより吸湿媒体中の水分を空
気中に放出して吸湿媒体を再生つまり乾燥させるサイク
ルを繰り返す除湿システムが開示されている。この場
合、冷凍サイクルを利用した方式と比べて、温度低下も
伴わず、消費電力も少なくて済む利点がある。
【0004】また、上記とは反対に室内の乾燥雰囲気の
加湿を行う装置として、例えば特公平3−61096号
公報には、水槽または給水管を設けた気化式加湿器の効
率化を図るために、水の通過を防止して水蒸気のみを通
過させ得る多孔質シートと、水と水蒸気を共に通過させ
る通気性布を重ね合わせた吸水材(吸湿材)を用いて、
該吸水材を通過した水蒸気を含む空気を室内に送るよう
にした加湿器が開示されている。
【0005】しかしながら、前者の吸湿媒体を用いた除
湿器あるいは後者の吸水材を用いた加湿器は、いずれも
除湿機能または加湿機能のみを備えているだけで、それ
ぞれ片方の機能しか使用できないものであるため、両者
を単に組み合わせただけでは、室内の湿度を適正に制御
し得る装置を得ることは不可能である。
【0006】また、前者の除湿器を空気調和装置におけ
る冷房運転の補助として使用する場合、吸湿媒体をある
程度の冷房効果を発揮し得るものとする必要があるが、
そのためには含水容量の大きい吸湿媒体を使用しなけれ
ばならなくなるため、装置の大型化が避けられない上、
水分を含んだ吸湿媒体の再生を専用に行う加熱器等の熱
源を必要とする等の問題点がある。
【0007】一方、後者の加湿器の場合、加湿運転によ
ってタンクの水が消費される都度、使用者が該タンク内
に水を補給しなければならず、そのための手間と労力が
要求されるという不具合がある。
【0008】また、上記した両者共、除湿、加湿を連続
して行うことを前提とした構成となっており、室内雰囲
気の湿度を調整するために一時的な除湿運転、加湿運転
を行うことは不可能である。
【0009】このような従来技術の問題点を解決するた
めに、本発明者は先に特願平4−343912号におい
て、空気調和装置と協働して除湿運転、加湿運転及び除
湿用吸湿材の再生運転を行うことができ、しかも優れた
調湿性、使用性を発揮し得る調湿装置を提案している。
【0010】即ち、この先行技術では、除湿器に備えた
吸湿材の内側からポンプで室内空気を吸引し、該空気を
吸湿材と接触させることによって除湿を行う除湿運転
と、水受け容器に溜まった除霜水を水蒸気選択透過膜に
通すことにより水蒸気の状態にしてポンプで吸引し、こ
れによって高湿空気を生成する加湿運転と、暖房運転時
の吹き出し熱風を利用して吸湿材の乾燥を行う再生運転
との都合3種類の運転切換操作を全て単一のポンプで行
えるようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記先行
技術では、室外機内部において、除霜水を水蒸気選択透
過膜によって気化した上で、室内機へ送るように構成さ
れているため、次のような問題点が新たに生じることが
判明した。
【0012】即ち、室外機と室内機とを結ぶ配管系を通
じて除霜水を給水する場合、水蒸気選択透過膜によって
除霜水を気化すると、多量の水蒸気が生成されるが、こ
のような気相状態としたものをポンプを用いて送給する
ことは技術的に解決しなければならない困難な要素が多
い。また、除霜水が蒸散する際に、大量の気化熱が奪わ
れるので、室外機の内部では水が凍結する虞がある。
【0013】さらに、前記室内外を結ぶ配管系として、
冷房運転時に室内側熱交換器から排出されるドレンを水
容器に戻すためのドレン排水用配管の他に、調湿装置に
使用する水蒸気の搬送を行う気体搬送専用の配管を追加
しなければならず、配管系が複雑化するのを避けられな
い。このため、配管工事がコスト高となるだけでなく、
該配管が通る建物壁の孔開け加工等、施工面に種々の不
具合が生じる等の問題点がある。
【0014】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたもので、本発明者が先に提案した先行技術におい
て新たに生起した問題点を、加湿部の構成を基本的に改
めることにより解決し、更に加湿及び除湿能力に優れた
調湿機及びそれを備えた空気調和装置を提供することを
主な目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために本発明の調湿機は、除霜水等を受ける水容器
を室外に配置し、例えば室内外を結ぶ配管と給水用ポン
プとを備えた水供給手段によって前記水容器中の水を液
相状態で室内側に供給するように構成する。
【0016】また、前記水供給手段によって供給された
水を室内で気化させる加湿手段と、室内機の空気吹出口
に臨んで配設されるフィルターと吸湿材とを有し該吸湿
材に室内空気を接触させることによって除湿を行う除湿
手段とを設け、前記空気吹出口及び前記加湿手段の空気
吹出口の開閉動作及び前記水供給手段の給水動作の制御
をマイクロコンピュータ等からなる制御手段によって行
うようにしている。
【0017】前記除湿手段に設けられた吸湿材として
は、吸湿率の高いシリカゲルやゼオライト等のシリカゲ
ル・アルミナ系材料が好適に使用できる。さらに、水容
器、加湿手段または水供給手段のうちのいずれかに、電
動機により駆動される回転翼と、この回転翼の駆動によ
り飛散された水を濾過するフィルターとを設けることに
より、暖房運転時等における加湿効率を更に高めること
ができる。
【0018】本発明の空気調和装置は、室内機、該室内
機と室外水容器間の配管及び前述の構成を備えた調湿機
とにより構成されている。また、調湿機は空気調和装置
とは独立した態様、あるいは前記室内機、室外機に一体
的に組み込まれた態様のいずれであってもよい。
【0019】前記室内機には、室内側熱交換器、この室
内側熱交換器の下方に配設されたドレン受け容器及び、
調和空気を室内に向けて送風するクロスフローファンが
設けられている。一方、室外には、室外側熱交換器及び
この室外側熱交換器から排出される除霜水を集水する水
容器が設けられている。また、冷房運転時に前記室内側
熱交換器から前記ドレン受け容器へ排出されるドレンを
排水するために設けられるドレン排水手段の配管と前記
水供給手段の前記室内機への除霜水供給用配管とを部分
的に共通の配管により構成している。
【0020】この場合、該調湿機における水容器、加湿
手段または水供給手段のうちのいずれかに前記回転翼を
設けるときは、該回転翼の駆動源とクロスフローファン
の駆動源とを共通の電動機により構成すると好都合であ
る。
【0021】また、室内側熱交換器に冷房運転時に発生
するドレン水を吸収するための吸水体を取り付けること
により、加湿時における室内機の容積効率を向上させる
ことができる。
【0022】さらに、前記ドレン受け容器にはオーバー
フロー防止用センサーを設け、オーバーフロー防止用セ
ンサーの検知情報に基づき、前記水供給手段及びドレン
排水手段の開閉動作を制御するように構成してもよい。
【0023】
【作用】上記構成の調湿機によると、水容器内に収容さ
れた除霜水等の水は、水供給手段によって液相状態のま
ま室内側へ供給されるため、前記先行技術のような気相
状態で除霜水を送給するものと比較して、水供給手段と
して容易に実現し得る構成を採用することが可能になる
だけでなく、該調湿機を空気調和装置に組み込んだもの
では、除霜水供給用配管とドレン排水用配管との配管を
共通にすることが可能になるため、配管工事が単純化さ
れる。そして、除霜水が液相状態で送給されることによ
り、室内機への除霜水等の供給効率の優れたものとな
る。
【0024】前記除湿手段は室内空気が吸湿材に触れさ
せることによって除湿を行うものであるから、特に吸湿
材を水分吸着材により構成したものでは、高い除湿が得
られるものとなる。また、除湿手段に空気吹出口が設け
られていることにより、除湿手段を通過して乾燥した空
気はそのまま、空気吹出口から室内へ送られるため、送
風用ポンプ等も不要である。しかも、空気吹出口を空気
調和装置におけるそれを兼ねるものとしてもよく、その
場合、送風面積が広くなって除湿効率及び、吸湿材を乾
燥させる再生効率を高めることができる。
【0025】さらに、回転翼や吸水体を設けたもので
は、回転翼による散水作用、吸水体による吸水作用によ
って、加湿手段における除霜水等の気化が促進されるた
め、加湿効率が効果的に高められる。
【0026】
【実施例】図1〜図4は本発明に係る空気調和装置の一
実施例を示し、図1はその全体構成を示している。図1
において、1は室内機であって、前方上部に開閉可能な
上部空気吹出口2が、また後方下部に下部空気吹出用開
口部3がそれぞれ該室内機1の長さ方向に亙って形成さ
れている。なお、これら上部空気吹出口2及び下部空気
吹出用開口部3は運転状態に対応して開閉されるように
なっており、除湿運転時及び再生運転時には下部空気吹
出用開口部3が使用され、それ以外の運転時には上部空
気吹出口2が使用される。
【0027】この室内機1の内部には室内側熱交換器4
が設けられているとともに、その背面側下方に調和空気
を室内に向けて送風するクロスフローファン5が配設さ
れている。6は上部空気吹出口2に張設されたフィルタ
ーである。
【0028】7は室外側熱交換器、8は水容器である。
水容器8は室外側熱交換器7の下方に配設されて、該熱
交換器7から排出される除霜水を集水するもので、上面
開口部に除霜水用フィルター9を張設してあるととも
に、冷房時のドレン排水用として除霜水用フィルター9
の上方に除霜水のオーバーフロー防止用上部排水管10
及び、容器最底部近傍に除霜水排水用下部排水管11を
それぞれ配設してある。また、12は下部配水管11の
開閉用バルブである。
【0029】このような構成の水容器8では、該水容器
8に貯留されている除霜水の水位が容器容量のほぼ上限
に達した場合、上部排水管10により除霜水を除霜水用
フィルター9に付着滞留したゴミとともに排出する。ま
た、水容器8の底部に沈降堆積したゴミ等を除去する際
は開閉用バルブ12を開き、下部排水管11から前記ゴ
ミ等を除霜水とともに排出する。
【0030】このように水容器8中のゴミ及び除霜水用
フィルター9に付着したゴミは上下の排水管10、11
から除霜水と共に排出することにより効果的に除去でき
るので、水容器8の汚れや除霜水用フィルター9の目詰
まり等の不都合を極力防止できる。
【0031】13は調湿機であって、水供給手段14、
加湿部15、除湿部16及び制御部(図示せず)とを備
えている。水供給手段14は室外側の水容器8と室内側
の加湿部15間に配設された除霜水供給用配管17と、
該配管16の途中に配設されたポンプ18とにより構成
されており、該ポンプ18によって水容器8中の除霜水
を液相状態で加湿部15側へ供給する。
【0032】加湿部15は水供給手段14によって供給
された水を室内で気化させるもので、室内機1の背面側
に付設されており、該室内機1に連通する開口部を有す
るケーシング19と、室内側熱交換器4で発生した高温
吹出空気をケーシング19内に導入する空気導入管20
と、ケーシング19内に設けられた回転翼21と備えて
いる。
【0033】この回転翼21は加湿運転時にモータ22
により回転駆動されて、水供給手段14により加湿部1
5へ供給される除霜水を飛散させるものである。なお、
本実施例では、回転翼21の駆動用モータ22をクロス
フローファン5の駆動用に兼用している。また、ケーシ
ング19の開口部19には、回転翼21により飛散する
除霜水の濾過を行う加湿用フィルター23が張設されて
おり、さらに該フィルター23の表面には開口部19を
開閉する加湿用ダンパー24が取り付けられている。
【0034】除湿部16は外観形状が横長円柱形を呈す
るもので、室内機1の下部空気吹出用開口部3に装着さ
れている。即ち、該除湿部16は下部空気吹出用開口部
3の長さ方向に沿って取り付けられる円筒状の本体25
を備え、この本体25の中空内部に吸湿材26を充填す
るとともに、該本体外周に回転式ダンパー27を回動変
位自在に嵌合したものである。
【0035】図2は回転式ダンパー27が開いた状態を
示し、図3は該ダンパー27が閉じた状態を示してい
る。これらの図に示すように、回転式ダンパー27の内
周面には吸湿材26の支持機能を兼ねる除湿用フィルタ
ー28を張設してあり、該回転式ダンパー27が所定角
度回動変位することにより、前記本体25の上下2個所
に形成された空気吹出口29が開閉するように構成され
ている。
【0036】また、前記吸湿材26としては吸湿率の高
いシリカゲルやゼオライト等のシリカゲル・アルミナ系
材料が好適に使用される。なお、除湿用フィルター28
のみでは吸湿材26を本体25内で十分に支持すること
が困難な場合は、該フィルター28とは別に吸湿材支持
構造を付加するとよい。
【0037】前記制御部はマイクロコンピュータ等によ
り構成されており、水供給手段14のポンプ22の給水
動作、加湿用ダンパー23及び回転式ダンパー25の開
閉動作等をソフト的に構成された制御プログラムに従っ
て制御する。
【0038】また、本実施例では図4に示すように、室
内機1に設けられたドレン排水手段30の配管の一部
を、水供給手段14の室内機1への除霜水供給用配管1
7と共用している。即ち、室内側熱交換器4の下方には
冷房時のドレンを集水するドレン受け容器31が配設さ
れている。このドレン受け容器31内の水はドレン排水
用配管を介して室外へ排出される。
【0039】即ち、ドレン排水用配管は、一部を除霜水
供給用配管17と共用しており、ドレン受け容器31の
底部から引き出されて除霜水供給用配管17に連通接続
される室内側ドレン排水管32aと、除霜水供給用配管
17のポンプ18よりも該ポンプ18による給水方向下
流側に連通接続される室外側ドレン排水管32bとによ
り構成されている。33aは室内側ドレン排水管32a
に介装された室内側ドレン用バルブ、33bは室外側ド
レン排水管32bに介装された室外側ドレン用バルブで
ある。
【0040】上記ドレン排水手段30では、冷房運転時
においてドレン受け容器31にドレン水が溜まると、室
内側ドレン用バルブ33a及び室外側ドレン用バルブ3
3bを開き、ドレン受け容器31→室内側ドレン排水管
32a→除霜水供給用配管17の共用部分→室外側ドレ
ン排水管32bの順序で管路を連通させるとともに、ポ
ンプ18の動作を停止する。これにより、ドレン受け容
器31のドレン水は前記管路を経て室外へ放出される。
【0041】次に、上記構成の動作を説明すると、調湿
機13は加湿部15による加湿運転、除湿部16による
除湿運転及び、除湿部16の吸湿材26を乾燥するため
の再生運転を制御部の制御プログラムに従って空気調和
装置の暖房運転、冷房運転等と同時に、あるいは単独で
行う。
【0042】まず、加湿運転は概ね暖房運転時の温度上
昇に伴って室内湿度が低下する場合に行われる。この加
湿運転時においては、室外側熱交換器7から排出されて
水容器8へ貯留されている除霜水がポンプ18によって
吸引され、除霜水供給用配管17を通じて加湿部15内
へ送給される。一方、暖房運転時において、室内側熱交
換器4で発生した高温吹出空気は空気導入管20から加
湿部ケーシング19内へ導入される。
【0043】加湿部15内では、除霜水が回転翼21の
回転駆動により飛散されて粒子状となり、さらに前記高
温吹出空気と交ざり、これを加湿する。このとき、加湿
用ダンパー24は開いており、加湿された高温吹出空気
は加湿用フィルター23から室内機1内へ排出され、さ
らにクロスフローファン5により室内へ送り出される。
この加湿時においては、除湿部16の回転式ダンパー2
7は閉じており、加湿された高温吹出空気は上部空気吹
出口2を通じて室内へ送出される。
【0044】暖房運転の終了後は室内温度の低下に伴っ
て、室内湿度が高くなり、結露が発生する虞が高くな
る。除湿運転はこの結露の発生を防止するため、概ね暖
房運転終了後、例えば夜間乃至明け方に行われる。この
場合、制御部では暖房運転終了と同時に室内側熱交換器
4を停止させる一方、ポンプ18を停止させ、上部空気
吹出口2及び加湿用ダンパー24を閉じるように制御す
る。この後、時間経過に伴って室内湿度が所定値を超え
ると、制御部は除湿部16の回転式ダンパー27を開く
とともに、クロスフローファン5を作動させるように制
御し、除湿運転を開始する。
【0045】室内からクロスフローファン5によって室
内機1内へ取り入れられた高湿空気は、図3に示す回転
式ダンパー27が開いている状態で、除湿用フィルター
28で濾過されて、本体25内に充填された吸湿材26
中を通過する。このとき、高湿空気は吸湿材26に触れ
て、吸湿乃至除湿されて乾燥空気となり、下部空気吹出
用開口部3に臨む空気吹出口29から室内へ吹き出す。
【0046】除湿運転を行った後は、吸湿材26が高湿
となり、そのままの状態では水分が飽和して吸湿作用が
なくなる。このため、本実施例では吸湿材26の乾燥、
つまり再生を暖房運転時の高温吹出空気を利用して積極
的に行うようにしている。この吸湿材26の再生運転は
暖房運転の開始一定時間後に行う。
【0047】即ちこの場合、制御部では、回転式ダンパ
ー27を開くとともに、上部空気吹出口2及び加湿用ダ
ンパー24を閉じ、さらにポンプ18を停止させるよう
に制御する。これによって、暖房運転中の室内側熱交換
器4からの高温吹出空気は除湿部16の空気吹出口29
を経て吸湿材26を通り、該吸湿材26を加熱乾燥させ
る。この吸湿材26の乾燥により、吹出空気は逆に吸湿
材26に含まれる水分によって加湿されるが、この加湿
された吹出空気は空気吹出口29から室内へ入り、室内
を加湿することになる。
【0048】なお、上記実施例では、加湿運転時に水容
器8に溜まった除霜水のみを用いて加湿を行うようにし
ているが、これに加えて、図4の想像線で示すように、
室内側熱交換器4の背後側に吸水体34を取り付け、該
吸水体34の下端部がドレン受け容器31内のドレン水
に浸漬されるように構成することができる。
【0049】この場合、冷房運転時に室内側熱交換器4
から排出されるドレン水は、ドレン受け容器31から吸
水体34が有する毛管現象により吸水され、暖房運転時
に、この吸水体34の水分が空気導入管20を通じて加
湿部15へ導入されて、水容器8内の除霜水と共に加湿
用水として使用される。従って、上記のような吸水体3
4を付加することにより室内機の容積効率を向上させる
ことができる。
【0050】また、このような構成では、ドレン受け容
器31にドレン水のレベルの上限を検知するオーバーフ
ロー防止用センサー35を設け、制御部で該センサー3
5の検知信号に基づいて、室内外のドレン用バルブ33
a、33bの開閉制御及びポンプ18の動作制御を行う
ようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の調湿機
は、吸湿材に室内空気を接触させることによって除湿を
行う除湿機能を備え、空気吹出口の開閉動作及び給水動
作を制御することにより加湿、除湿の切り換えを行うこ
とができるので、一つの装置で除湿、加湿が行えること
は勿論のこと、室外に配置された水容器から水を液相状
態で室内側に供給し、さらに室内で気化させるようにす
る加湿機能を備えているので、先行技術では必須構成で
あった気体搬送用配管が不要となり、構造が簡単で信頼
性並びに搬送能力に優れた液体搬送用配管を使用するこ
とができる。
【0052】請求項2によるときは、吸湿材をシリカゲ
ル・アルミナ系材料からなる水分吸着材により構成して
いるので、除湿手段による除湿機能に優れたものとな
る。
【0053】請求項3によるときは、加湿手段等に電動
機により駆動される回転翼を備えたものとしたので、回
転翼による散水作用によって、加湿手段における除霜水
等の気化が促進されるため、加湿効率を効果的に高める
ことができる。
【0054】本発明の調湿機を備えた空気調和装置によ
るときは、除霜水供給用配管とドレン排水用配管との配
管を共通にすることが可能になるため、配管工事が単純
化される。また、除湿部で吸湿材を通過した空気を室内
機の空気吹出口から室内へ送風することが可能であるの
で、送風面積が広くなって除湿効率及び、吸湿材を乾燥
させる再生効率を高めることができる。
【0055】また、請求項6によるときは、室内側熱交
換器に冷房運転時に排出されるドレン水吸収用の吸水体
を取り付けているので、該吸水体による毛管現象を利用
した加湿を付加することにより、室内機の容積効率も向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る調湿機を示す断面図。
【図2】 除湿部の回転式ダンパーを開いた状態を示す
断面図。
【図3】 回転式ダンパーを閉じた状態を示す断面図。
【図4】 ドレン排水手段の構成を取り出して示す調湿
機の断面図。
【符号の説明】
1 室内機 2 上部空気吹出口 4 室内側熱交換器 5 クロスフローファン 7 室外側熱交換器 8 水容器 9 除霜水用フィルター 13 調湿機 14 水供給手段 15 加湿部 16 除湿部 17 除霜水供給用配管 18 ポンプ 21 回転翼 22 モータ 23 加湿用フィルター 24 加湿用ダンパー 26 吸湿材 27 回転式ダンパー 28 除湿用フィルター 29 空気吹出口 30 ドレン排水手段 31 ドレン受け容器 32a 室内側ドレン排水管 32b 室外側ドレン排水管 34 吸水体 35 オーバーフロー防止用センサー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室外に配置された水容器と、前記水容器
    中の水を液相状態で室内側に供給する水供給手段と、該
    水供給手段によって供給された水を室内で気化させる加
    湿手段と、フィルターと吸湿材とを有し該吸湿材に室内
    空気を接触させることによって除湿を行う除湿手段と、
    前記除湿手段と加湿手段とに設けられた空気吹出口の開
    閉動作及び前記水供給手段の給水動作を制御する制御手
    段とを具備することを特徴とする調湿機。
  2. 【請求項2】 除湿手段に設けられた吸湿材が、シリカ
    ゲル・アルミナ系材料により構成されている請求項1の
    調湿機。
  3. 【請求項3】 水容器、加湿手段または水供給手段のう
    ちのいずれかに、電動機により駆動される回転翼と、こ
    の回転翼の駆動により飛散された水を濾過するフィルタ
    ーとが設けられている請求項1の調湿機。
  4. 【請求項4】 室内側熱交換器、この室内側熱交換器の
    下方に配設されたドレン受け容器及び、調和空気を室内
    に向けて送風するクロスフローファンが設けられた室内
    機と、 室外側熱交換器と、 この室外側熱交換器から排出される除霜水を集水する水
    容器と、 前記水容器中の除霜水を液相状態で前記室内機へ供給す
    る水供給手段と、この水供給手段によって供給された水
    を室内で気化させる加湿手段と、前記室内機の空気吹出
    口に臨んで配設されるフィルターと吸湿材とを有し該吸
    湿材に室内空気を接触させることによって除湿を行う除
    湿手段と、前記加湿手段と除湿手段との空気吹出口の開
    閉動作及び前記水供給手段の給水動作を制御する制御手
    段とを具備する調湿機と、 冷房運転時に前記室内側熱交換器から前記ドレン受け容
    器へ排出されるドレンを排水するためのドレン排水手段
    とを備え、且つ、該ドレン排水手段の配管と前記水供給
    手段の前記室内機への除霜水供給用配管とを部分的に共
    通の配管により構成したことを特徴とする調湿機を備え
    た空気調和装置。
  5. 【請求項5】 水容器、加湿手段または水供給手段のう
    ちのいずれかに回転翼が設けられ、且つ、該回転翼の駆
    動源とクロスフローファンの駆動源とが共通の電動機に
    より構成されている請求項4の調湿機を備えた空気調和
    装置。
  6. 【請求項6】 室内側熱交換器に冷房運転時に排出され
    るドレン水吸収用の吸水体が取り付けられている請求項
    4の調湿機を備えた空気調和装置。
  7. 【請求項7】 ドレン受け容器にオーバーフロー防止用
    センサーが設けられ、該オーバーフロー防止用センサー
    の検知情報に基づき水供給手段及びドレン排水手段の開
    閉動作が制御されるように構成されている請求項4また
    は6の調湿機を備えた空気調和装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002310465A (ja) * 2001-04-16 2002-10-23 Daikin Ind Ltd 空気調和装置
JP2008122020A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Toshiba Kyaria Kk 空気調和機の室内機
CN118168193A (zh) * 2024-04-03 2024-06-11 霍斯维德科技发展(广州)有限公司 一种防凝霜空气热源泵及其使用方法

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