JPH06313176A - 重質油の流動接触分解法 - Google Patents
重質油の流動接触分解法Info
- Publication number
- JPH06313176A JPH06313176A JP6054773A JP5477394A JPH06313176A JP H06313176 A JPH06313176 A JP H06313176A JP 6054773 A JP6054773 A JP 6054773A JP 5477394 A JP5477394 A JP 5477394A JP H06313176 A JPH06313176 A JP H06313176A
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- JP
- Japan
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- catalyst
- particles
- catalytic cracking
- oil
- nickel
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- Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ニッケルやバナジウム等の重金属分が多く含
まれる重質油を接触分解しても重金属による触媒性能の
低下が少ない重質油の流動接触分解法を提供する。 【構成】 ニッケルとバナジウムを合計量で0.5pp
m以上含む重質油を流動接触分解するにあたり、反応帯
域、分離帯域、ストリッピング帯域、触媒再生帯域を具
備する流動接触分解装置内に10emu/g以下の飽和
磁化を有するフェライト粒子を含む触媒を装入して循環
流動させ、該重質油からの金属の付着した触媒を平衡触
媒としてその一部を抜き出し、抜き出した平衡触媒を磁
気分離機を用いて着磁性接触粒子と非着磁性触媒粒子と
に分け、非着磁性触媒粒子を前記した飽和磁化を有する
フェライト粒子を含む触媒と共に装置内に戻すことを特
徴とする重質油の流動接触分解法。
まれる重質油を接触分解しても重金属による触媒性能の
低下が少ない重質油の流動接触分解法を提供する。 【構成】 ニッケルとバナジウムを合計量で0.5pp
m以上含む重質油を流動接触分解するにあたり、反応帯
域、分離帯域、ストリッピング帯域、触媒再生帯域を具
備する流動接触分解装置内に10emu/g以下の飽和
磁化を有するフェライト粒子を含む触媒を装入して循環
流動させ、該重質油からの金属の付着した触媒を平衡触
媒としてその一部を抜き出し、抜き出した平衡触媒を磁
気分離機を用いて着磁性接触粒子と非着磁性触媒粒子と
に分け、非着磁性触媒粒子を前記した飽和磁化を有する
フェライト粒子を含む触媒と共に装置内に戻すことを特
徴とする重質油の流動接触分解法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重質油を分解してガソ
リン、灯油等の軽質油を得るための流動接触分解法に関
し、特にニッケル、バナジウム、鉄および銅等よりなる
重金属のうち少なくともニッケルおよびバナジウムを両
者の合計量で0.5ppm以上含む重質油を酸化鉄化合
物粒子(フェライト粒子)を含む触媒存在下で接触分解
し、次いで磁気分離機を用いて高濃度に金属の堆積した
触媒(着磁性触媒粒子)を平衡触媒から分離し、金属分
の少ない触媒(非着磁性触媒粒子)とフェライト粒子を
含む触媒(補充触媒)と共に装置に戻すことにより、装
置性能を高く維持することができる改良された重質油の
流動接触分解法に関する。
リン、灯油等の軽質油を得るための流動接触分解法に関
し、特にニッケル、バナジウム、鉄および銅等よりなる
重金属のうち少なくともニッケルおよびバナジウムを両
者の合計量で0.5ppm以上含む重質油を酸化鉄化合
物粒子(フェライト粒子)を含む触媒存在下で接触分解
し、次いで磁気分離機を用いて高濃度に金属の堆積した
触媒(着磁性触媒粒子)を平衡触媒から分離し、金属分
の少ない触媒(非着磁性触媒粒子)とフェライト粒子を
含む触媒(補充触媒)と共に装置に戻すことにより、装
置性能を高く維持することができる改良された重質油の
流動接触分解法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の接触分解は石油系炭化水素を触媒
と接触させて分解し、LPG、ガソリン等の多量の軽質
分および少量の分解軽油等を得、さらに触媒上に堆積し
たコークを空気で燃焼除去して触媒を循環再使用するも
のである。その際、原料油には従来から常圧蒸留塔から
のライトガスオイル(LGO)、ヘビーガスオイル(H
GO)、減圧蒸留塔からのバキュームガスオイル(VG
O)等のいわゆる留出油が主として用いられる。
と接触させて分解し、LPG、ガソリン等の多量の軽質
分および少量の分解軽油等を得、さらに触媒上に堆積し
たコークを空気で燃焼除去して触媒を循環再使用するも
のである。その際、原料油には従来から常圧蒸留塔から
のライトガスオイル(LGO)、ヘビーガスオイル(H
GO)、減圧蒸留塔からのバキュームガスオイル(VG
O)等のいわゆる留出油が主として用いられる。
【0003】しかしながら、最近では世界的な原油の重
質化、また我が国での需要構造の変化に伴い、需給両面
から重油類の過剰傾向が現われたことから、接触分解の
原料油として蒸留残渣を含む重質油をも対象とする必要
が生じている。
質化、また我が国での需要構造の変化に伴い、需給両面
から重油類の過剰傾向が現われたことから、接触分解の
原料油として蒸留残渣を含む重質油をも対象とする必要
が生じている。
【0004】ところが、蒸留残渣を含む重質油中には留
出油中よりもはるかに多い量のニッケル、バナジウム、
鉄、銅、ナトリウム等の金属類が含まれており、これら
の金属類は触媒上に堆積し、接触分解の活性と選択性を
著しく阻害することが知られている。すなわち金属類の
触媒上への蓄積と共に分解率が低下してゆき、実質的に
望ましい分解率を達成できなくなる一方、水素の発生量
とコークの生成量が著しく増加し、装置の運転を困難に
する。それと同時に、望ましい液状製品の収率が減少す
る。これらの金属の中で、特にバナジウムは触媒の活性
成分であるゼオライトを破壊し、触媒活性を低下させ
る。またニッケルはバナジウムのように触媒活性を低下
させる作用はないが、ニッケルの有している脱水素触媒
作用により水素、カーボンを著しく増加させる。
出油中よりもはるかに多い量のニッケル、バナジウム、
鉄、銅、ナトリウム等の金属類が含まれており、これら
の金属類は触媒上に堆積し、接触分解の活性と選択性を
著しく阻害することが知られている。すなわち金属類の
触媒上への蓄積と共に分解率が低下してゆき、実質的に
望ましい分解率を達成できなくなる一方、水素の発生量
とコークの生成量が著しく増加し、装置の運転を困難に
する。それと同時に、望ましい液状製品の収率が減少す
る。これらの金属の中で、特にバナジウムは触媒の活性
成分であるゼオライトを破壊し、触媒活性を低下させ
る。またニッケルはバナジウムのように触媒活性を低下
させる作用はないが、ニッケルの有している脱水素触媒
作用により水素、カーボンを著しく増加させる。
【0005】通常、このような汚染金属の影響を軽減す
るために、装置内の触媒の一部を定期的あるいは定常的
に抜き出し、必要量の新触媒を補給することにより、平
衡触媒の活性を維持するという方法が採用されている
が、この場合には、触媒の抜き出し量を著しく多くする
ことが必要であり、コスト的に不利である。特に金属量
の多い残油の流動接触分解においては深刻な問題であ
る。
るために、装置内の触媒の一部を定期的あるいは定常的
に抜き出し、必要量の新触媒を補給することにより、平
衡触媒の活性を維持するという方法が採用されている
が、この場合には、触媒の抜き出し量を著しく多くする
ことが必要であり、コスト的に不利である。特に金属量
の多い残油の流動接触分解においては深刻な問題であ
る。
【0006】この問題を解決する手段として、触媒に堆
積した金属を除去する方法と金属の活性を抑制する方法
が知られている。例えば金属を除去する方法としては、
抜き出した平衡触媒の化学処理により触媒から重金属を
除去し、処理触媒を再使用するという方法が提案されて
いる(F.J.Elvin et al、NPRAAn
nual Meeting、AM−86−41)。しか
し、液相で化学処理を行なうため多量の廃液を伴い、公
害防止上、この廃液の処理に多大なコストがかかる。
積した金属を除去する方法と金属の活性を抑制する方法
が知られている。例えば金属を除去する方法としては、
抜き出した平衡触媒の化学処理により触媒から重金属を
除去し、処理触媒を再使用するという方法が提案されて
いる(F.J.Elvin et al、NPRAAn
nual Meeting、AM−86−41)。しか
し、液相で化学処理を行なうため多量の廃液を伴い、公
害防止上、この廃液の処理に多大なコストがかかる。
【0007】金属の活性を抑制する方法としては、金属
捕捉剤を触媒に添加する方法とアンチモン(米国特許第
3,711,422号および米国特許第4,025,4
58号)やビスマス(米国特許第4,083,807号
および米国特許第3,977,963号)のようなメタ
ルパッシベータを原料油に添加する方法が知られてい
る。また、金属捕捉剤としてはアルカリ土類金属化合物
が有効であることが知られている(例えば、特開昭61
−204041号公報、特開昭60−71041号公
報、特開昭61−278351号公報、特開昭63−1
23804号公報)。
捕捉剤を触媒に添加する方法とアンチモン(米国特許第
3,711,422号および米国特許第4,025,4
58号)やビスマス(米国特許第4,083,807号
および米国特許第3,977,963号)のようなメタ
ルパッシベータを原料油に添加する方法が知られてい
る。また、金属捕捉剤としてはアルカリ土類金属化合物
が有効であることが知られている(例えば、特開昭61
−204041号公報、特開昭60−71041号公
報、特開昭61−278351号公報、特開昭63−1
23804号公報)。
【0008】しかし、これらの方法においても未だ汚染
金属の影響を十分に防ぐことはできない。従って、触媒
の活性を維持するためには、平衡触媒を強制的に抜き出
し、必要量の新触媒を補給しなければならない。この触
媒交換の際に、未だ活性の高い触媒も含めて抜き出すこ
とになり、触媒を無駄に使用していることになる。
金属の影響を十分に防ぐことはできない。従って、触媒
の活性を維持するためには、平衡触媒を強制的に抜き出
し、必要量の新触媒を補給しなければならない。この触
媒交換の際に、未だ活性の高い触媒も含めて抜き出すこ
とになり、触媒を無駄に使用していることになる。
【0009】本発明者等は、重金属の付着した平衡触媒
を装置から抜き出し、これを高勾配磁気分離機で金属分
の多い触媒と少ない触媒に分離し、金属分の少ない触媒
だけを装置に戻すという方法により、平衡触媒の活性が
向上し、触媒の選択性に関しても著しい改善効果がある
ことを既に見出している(特公昭63−37156号公
報、特公昭63−37835号公報)。この技術は、上
述した化学処理、金属捕捉剤、メタルパッシベータ等の
重金属対策技術と完全に競合するものではなく、これら
と併用することもできる。このような磁気分離機を用い
て平衡触媒を分離する方法においては、触媒中の金属濃
度に応じていかに精度よく分離できるかが重要であり、
金属付着の多い触媒と少ない触媒の磁化率の差が大きい
ほど効率良く分離できる。
を装置から抜き出し、これを高勾配磁気分離機で金属分
の多い触媒と少ない触媒に分離し、金属分の少ない触媒
だけを装置に戻すという方法により、平衡触媒の活性が
向上し、触媒の選択性に関しても著しい改善効果がある
ことを既に見出している(特公昭63−37156号公
報、特公昭63−37835号公報)。この技術は、上
述した化学処理、金属捕捉剤、メタルパッシベータ等の
重金属対策技術と完全に競合するものではなく、これら
と併用することもできる。このような磁気分離機を用い
て平衡触媒を分離する方法においては、触媒中の金属濃
度に応じていかに精度よく分離できるかが重要であり、
金属付着の多い触媒と少ない触媒の磁化率の差が大きい
ほど効率良く分離できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ニッ
ケルやバナジウム等の重金属分が多く含まれる重質油を
接触分解しても重金属による触媒性能の低下が少ない重
質油の流動接触分解法を提供することにある。
ケルやバナジウム等の重金属分が多く含まれる重質油を
接触分解しても重金属による触媒性能の低下が少ない重
質油の流動接触分解法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、平衡触媒
の磁気分離を組み合わせた重質油の流動接触分解法にお
いて、磁気分離機による分離性の向上を主眼に鋭意研究
した結果、特定の触媒を用いることによりその目的が達
成されることを見出し、この知見に基づき本発明に到達
したものである。
の磁気分離を組み合わせた重質油の流動接触分解法にお
いて、磁気分離機による分離性の向上を主眼に鋭意研究
した結果、特定の触媒を用いることによりその目的が達
成されることを見出し、この知見に基づき本発明に到達
したものである。
【0012】すなわち本発明は、ニッケルとバナジウム
を合計量で0.5ppm以上含む重質油を流動接触分解
するにあたり、反応帯域、分離帯域、ストリッピング帯
域、触媒再生帯域を具備する流動接触分解装置内に10
emu/g以下の飽和磁化を有するフェライト粒子を含
む触媒を装入して循環流動させ、該重質油からの金属の
付着した触媒を平衡触媒としてその一部を抜き出し、抜
き出した平衡触媒を磁気分離機を用いて着磁性触媒粒子
と非着磁性触媒粒子とに分け、非着磁性触媒粒子を前記
した飽和磁化を有するフェライト粒子を含む触媒ととも
に装置内に戻すことを特徴とする重質油の流動接触分解
法に関する。
を合計量で0.5ppm以上含む重質油を流動接触分解
するにあたり、反応帯域、分離帯域、ストリッピング帯
域、触媒再生帯域を具備する流動接触分解装置内に10
emu/g以下の飽和磁化を有するフェライト粒子を含
む触媒を装入して循環流動させ、該重質油からの金属の
付着した触媒を平衡触媒としてその一部を抜き出し、抜
き出した平衡触媒を磁気分離機を用いて着磁性触媒粒子
と非着磁性触媒粒子とに分け、非着磁性触媒粒子を前記
した飽和磁化を有するフェライト粒子を含む触媒ととも
に装置内に戻すことを特徴とする重質油の流動接触分解
法に関する。
【0013】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0014】本発明で用いる重質油とは、沸点565℃
以上の留分を5vol%以上含み、15℃における密度
が0.8g/cm3以上である炭化水素油であって、
鉄、ニッケル、バナジウム、銅等の重金属を含み、これ
ら重金属のうち少なくともニッケルおよびバナジウムを
両者の合計量で0.5ppm以上含む炭化水素油であ
る。このようなものとして、常圧蒸留残油、減圧蒸留残
油、シェールオイル、タールサンドビチューメン、オリ
ノコタール、石炭液化油およびこれらを水素化精製した
重質油等が例示できる。また直留軽油、減圧軽油あるい
は脱硫軽油、脱硫減圧軽油等の比較的軽質な油と上記重
質油の混合物も本発明でいう重質油に含まれる。本発明
では常圧蒸留残油および減圧蒸留残油が特に好ましく用
いられる。また本発明の分解法による経済的メリットを
大きくするためには、重質油中に含まれるニッケルとバ
ナジウムの合計量は2ppm以上が好ましく、5ppm
以上がさらに好ましい。
以上の留分を5vol%以上含み、15℃における密度
が0.8g/cm3以上である炭化水素油であって、
鉄、ニッケル、バナジウム、銅等の重金属を含み、これ
ら重金属のうち少なくともニッケルおよびバナジウムを
両者の合計量で0.5ppm以上含む炭化水素油であ
る。このようなものとして、常圧蒸留残油、減圧蒸留残
油、シェールオイル、タールサンドビチューメン、オリ
ノコタール、石炭液化油およびこれらを水素化精製した
重質油等が例示できる。また直留軽油、減圧軽油あるい
は脱硫軽油、脱硫減圧軽油等の比較的軽質な油と上記重
質油の混合物も本発明でいう重質油に含まれる。本発明
では常圧蒸留残油および減圧蒸留残油が特に好ましく用
いられる。また本発明の分解法による経済的メリットを
大きくするためには、重質油中に含まれるニッケルとバ
ナジウムの合計量は2ppm以上が好ましく、5ppm
以上がさらに好ましい。
【0015】本発明に用いる触媒は、活性成分であるゼ
オライトとその支持母体であるマトリックスよりなって
おり、そのマトリックス中に飽和磁化が10emu/g
以下、好ましくは1〜4emu/gのフェライト粒子が
分散担持されたものである。このようなフェライト粒子
を含む触媒を用いて重質油の流動接触分解を行なうこと
により、重質油中に含まれるニッケルが該触媒上に析出
し、触媒中に含まれるフェライト粒子と析出ニッケルが
反応して飽和磁化が10emu/gを越えるニッケルフ
ェライトを生成する。従って、該フェライト粒子の飽和
磁化が10emu/gを越える場合、ニッケルフェライ
トとの飽和磁化の差が小さくなり、磁気分離の選択性が
悪くなり好ましくない。該フェライト粒子としては、亜
鉛フェライトを例示することができる。該フェライト粒
子の平均粒径は0.001〜20μmが好ましく、0.
01〜5μmがさらに好ましい。また該フェライト粒子
の触媒中の含有量は0.01〜10wt%が好ましく、
0.1〜5wt%がさらに好ましい。活性成分として本
発明に用いられる触媒に含まれるゼオライトは結晶性ア
ルミノシリケートであり、フォージャサイト型ゼオライ
トが好ましく用いられ、特に超安定Y型ゼオライトが好
ましく用いられる。該ゼオライトの含有量は5〜50w
t%が好ましく、15〜45wt%がさらに好ましい。
上記フェライト粒子およびゼオライトの支持母体である
マトリックスはカオリンのような触媒的に不活性な増量
剤とアルミナゾルあるいはシリカゾルのようなバインダ
ーからなり、必要に応じてアルミナ、金属捕捉剤等が加
えられる。
オライトとその支持母体であるマトリックスよりなって
おり、そのマトリックス中に飽和磁化が10emu/g
以下、好ましくは1〜4emu/gのフェライト粒子が
分散担持されたものである。このようなフェライト粒子
を含む触媒を用いて重質油の流動接触分解を行なうこと
により、重質油中に含まれるニッケルが該触媒上に析出
し、触媒中に含まれるフェライト粒子と析出ニッケルが
反応して飽和磁化が10emu/gを越えるニッケルフ
ェライトを生成する。従って、該フェライト粒子の飽和
磁化が10emu/gを越える場合、ニッケルフェライ
トとの飽和磁化の差が小さくなり、磁気分離の選択性が
悪くなり好ましくない。該フェライト粒子としては、亜
鉛フェライトを例示することができる。該フェライト粒
子の平均粒径は0.001〜20μmが好ましく、0.
01〜5μmがさらに好ましい。また該フェライト粒子
の触媒中の含有量は0.01〜10wt%が好ましく、
0.1〜5wt%がさらに好ましい。活性成分として本
発明に用いられる触媒に含まれるゼオライトは結晶性ア
ルミノシリケートであり、フォージャサイト型ゼオライ
トが好ましく用いられ、特に超安定Y型ゼオライトが好
ましく用いられる。該ゼオライトの含有量は5〜50w
t%が好ましく、15〜45wt%がさらに好ましい。
上記フェライト粒子およびゼオライトの支持母体である
マトリックスはカオリンのような触媒的に不活性な増量
剤とアルミナゾルあるいはシリカゾルのようなバインダ
ーからなり、必要に応じてアルミナ、金属捕捉剤等が加
えられる。
【0016】本発明に用いる触媒のかさ密度は0.5〜
1.0g/ml、平均粒子径は50〜90μm、表面積
は50〜350m2/g、細孔容積は0.05〜0.5
ml/gの範囲であるのが好ましい。
1.0g/ml、平均粒子径は50〜90μm、表面積
は50〜350m2/g、細孔容積は0.05〜0.5
ml/gの範囲であるのが好ましい。
【0017】本発明で使用される流動接触分解装置にお
いては、反応帯域、分離帯域、ストリッピング帯域、触
媒再生帯域を具備しており、通常の操作、すなわち、反
応温度480〜550℃、圧力1〜3kg/cm2G、
触媒/油比1〜20、接触時間1〜10秒で運転され
る。
いては、反応帯域、分離帯域、ストリッピング帯域、触
媒再生帯域を具備しており、通常の操作、すなわち、反
応温度480〜550℃、圧力1〜3kg/cm2G、
触媒/油比1〜20、接触時間1〜10秒で運転され
る。
【0018】ここでいう流動接触分解とは、前記した重
質油原料を流動状態に保持されている前記触媒と前記運
転条件で連続的に接触させ、重質原料油をLPG、ガソ
リン、灯油、軽油等のより軽質な炭化水素油に分解する
ことである。この接触は触媒の流動ベッドで行なう場合
と、触媒粒子と原料油が共に管中を上昇するいわゆるラ
イザークラッキングを採用する場合がある。このように
接触分解を受けた生成物、未反応物および触媒の混合物
は一般的にストリッピング帯域に送られ、触媒粒子から
生成物、未反応物等の炭化水素類の大部分が除去され
る。炭素質および一部重質の炭化水素類が付着した触媒
は該ストリッピング帯域から再生帯域(再生塔)に送ら
れる。再生帯域においては、該炭素質の付着した触媒の
酸化処理が施される。この酸化処理を受けた触媒が再生
触媒であり、触媒上に沈着した炭素質および炭化水素類
が減少されたものである。この再生触媒は前記反応対域
に連続的に循環される。
質油原料を流動状態に保持されている前記触媒と前記運
転条件で連続的に接触させ、重質原料油をLPG、ガソ
リン、灯油、軽油等のより軽質な炭化水素油に分解する
ことである。この接触は触媒の流動ベッドで行なう場合
と、触媒粒子と原料油が共に管中を上昇するいわゆるラ
イザークラッキングを採用する場合がある。このように
接触分解を受けた生成物、未反応物および触媒の混合物
は一般的にストリッピング帯域に送られ、触媒粒子から
生成物、未反応物等の炭化水素類の大部分が除去され
る。炭素質および一部重質の炭化水素類が付着した触媒
は該ストリッピング帯域から再生帯域(再生塔)に送ら
れる。再生帯域においては、該炭素質の付着した触媒の
酸化処理が施される。この酸化処理を受けた触媒が再生
触媒であり、触媒上に沈着した炭素質および炭化水素類
が減少されたものである。この再生触媒は前記反応対域
に連続的に循環される。
【0019】本発明の流動接触分解法において、反応帯
域と再生帯域の間を循環する触媒(平衡触媒)の一部を
ストリッピング帯域出口、再生帯域出口あるいはその他
の装置運転上支障を来たさない適当な場所より抜き出
す。この場合、連続的に抜き出しても、製品に悪影響を
及ぼさない範囲で一定間隔をおいて非連続的に抜き出し
ても良い。抜き出された触媒をそのまま磁気分離機にか
けてもよいし、予め何らかの処理をすることもできる。
域と再生帯域の間を循環する触媒(平衡触媒)の一部を
ストリッピング帯域出口、再生帯域出口あるいはその他
の装置運転上支障を来たさない適当な場所より抜き出
す。この場合、連続的に抜き出しても、製品に悪影響を
及ぼさない範囲で一定間隔をおいて非連続的に抜き出し
ても良い。抜き出された触媒をそのまま磁気分離機にか
けてもよいし、予め何らかの処理をすることもできる。
【0020】ここでいう磁気分離機は、少なくとも20
0ガウス/cmの磁場勾配を有するものであり、好まし
くは2000×103〜20000×103ガウス/cm
の高い磁場勾配を有する高勾配磁気分離機である。該高
勾配磁気分離機は、均一な高磁場空間内に強磁性の充填
物を置き、充填物の周囲に上記のような高い磁場勾配を
生じさせ、その充填物の表面に強磁性あるいは常磁性微
小粒子を着磁させ、弱常磁性あるいは反磁性微小粒子を
非着磁物として分離できるように設計された磁気分離機
である。上記の強磁性充填物としては、通常1〜100
0μmの径を持つスチールウールあるいはスチールネッ
トのごとき強磁性細線の集合体が用いられる。高勾配磁
気分離機の例としては、スウェーデンSALA社により
製作販売されている高勾配磁気分離機を挙げることがで
きる。
0ガウス/cmの磁場勾配を有するものであり、好まし
くは2000×103〜20000×103ガウス/cm
の高い磁場勾配を有する高勾配磁気分離機である。該高
勾配磁気分離機は、均一な高磁場空間内に強磁性の充填
物を置き、充填物の周囲に上記のような高い磁場勾配を
生じさせ、その充填物の表面に強磁性あるいは常磁性微
小粒子を着磁させ、弱常磁性あるいは反磁性微小粒子を
非着磁物として分離できるように設計された磁気分離機
である。上記の強磁性充填物としては、通常1〜100
0μmの径を持つスチールウールあるいはスチールネッ
トのごとき強磁性細線の集合体が用いられる。高勾配磁
気分離機の例としては、スウェーデンSALA社により
製作販売されている高勾配磁気分離機を挙げることがで
きる。
【0021】磁気分離機による固体微粒子の処理方法に
は、空気、窒素、スチームおよびこれらの混合物をキャ
リヤ流体として用いる乾式法と、水あるいはその他の液
体をキャリヤ流体として用いる湿式法とがある。本発明
においては、乾式法、湿式法どちらを用いても良い。
は、空気、窒素、スチームおよびこれらの混合物をキャ
リヤ流体として用いる乾式法と、水あるいはその他の液
体をキャリヤ流体として用いる湿式法とがある。本発明
においては、乾式法、湿式法どちらを用いても良い。
【0022】磁気分離機を運転する際のプロセス変数と
しては、通常、磁場強度、磁場勾配、線速度、粒子濃
度、処理温度があり、触媒粒径、堆積金属の種類と状態
および量、触媒に含まれる酸化鉄粒子の粒径と量、目的
とする分離レベル、分離の選択性等によりプロセス変数
の最適値は大きく異なる。
しては、通常、磁場強度、磁場勾配、線速度、粒子濃
度、処理温度があり、触媒粒径、堆積金属の種類と状態
および量、触媒に含まれる酸化鉄粒子の粒径と量、目的
とする分離レベル、分離の選択性等によりプロセス変数
の最適値は大きく異なる。
【0023】磁場強度とは充填物が置かれている空間内
の磁場の強さであり、乾式法、湿式法ともに少なくとも
200ガウス以上、好ましくは1000〜20000ガ
ウスあるいはそれ以上が用いられる。
の磁場の強さであり、乾式法、湿式法ともに少なくとも
200ガウス以上、好ましくは1000〜20000ガ
ウスあるいはそれ以上が用いられる。
【0024】磁場勾配とは充填物の周囲に生じる磁場強
度の距離による変化量で、磁場強度あるいは充填物の種
類および径を変えることにより変化させることができ、
乾式法、湿式法ともに少なくとも200ガウス/cm以
上、好ましくは2000×103〜20000×103ガ
ウス/cmが用いられる。
度の距離による変化量で、磁場強度あるいは充填物の種
類および径を変えることにより変化させることができ、
乾式法、湿式法ともに少なくとも200ガウス/cm以
上、好ましくは2000×103〜20000×103ガ
ウス/cmが用いられる。
【0025】粒子濃度とは、ガスあるいは液よりなるキ
ャリヤ流体中の磁気分離の対象となる触媒粒子の濃度を
意味し、乾式法では通常0.01〜100g/l、湿式
法では通常0.01〜1000g/lの粒子濃度で運転
される。
ャリヤ流体中の磁気分離の対象となる触媒粒子の濃度を
意味し、乾式法では通常0.01〜100g/l、湿式
法では通常0.01〜1000g/lの粒子濃度で運転
される。
【0026】処理温度とは、磁気分離の対象である触媒
粒子の温度をさし、厳密には触媒粒子に堆積する鉄、ニ
ッケル、バナジウム、銅の温度をいう。処理温度はこれ
らの金属のキューリー温度以下が好ましく、通常、常温
が用いられる。
粒子の温度をさし、厳密には触媒粒子に堆積する鉄、ニ
ッケル、バナジウム、銅の温度をいう。処理温度はこれ
らの金属のキューリー温度以下が好ましく、通常、常温
が用いられる。
【0027】また、磁場内を通過する際の流体の線速度
を変化させることによって、分離レベル、分離の選択性
を大きく変えることが可能であり、高い選択性が要求さ
れるときは線速度を上げて運転する。乾式法において
は、通常0.01〜100m/secの線速度が用いら
れる。湿式法においては、通常0.01〜10000m
/hrの線速度が用いられる。
を変化させることによって、分離レベル、分離の選択性
を大きく変えることが可能であり、高い選択性が要求さ
れるときは線速度を上げて運転する。乾式法において
は、通常0.01〜100m/secの線速度が用いら
れる。湿式法においては、通常0.01〜10000m
/hrの線速度が用いられる。
【0028】磁気分離機は、流動接触分解装置のライン
に組み込んで使用してもよいし、組み込まずにバッチで
稼働してもよい。抜き出された触媒は磁気分離機によ
り、鉄、ニッケル、バナジウム、銅が多量に堆積してい
る触媒粒子である金属分の多い触媒(着磁性触媒粒子)
とこれらの金属の堆積が比較的少ない触媒(非着磁性触
媒粒子)に分けられるが、着磁性触媒粒子と非着磁性触
媒粒子の重量比は、通常1対100から100対1であ
り、場合により1対1000から1000対1の範囲に
及ぶことがあるが、好ましくは1対10から10対1の
範囲である。
に組み込んで使用してもよいし、組み込まずにバッチで
稼働してもよい。抜き出された触媒は磁気分離機によ
り、鉄、ニッケル、バナジウム、銅が多量に堆積してい
る触媒粒子である金属分の多い触媒(着磁性触媒粒子)
とこれらの金属の堆積が比較的少ない触媒(非着磁性触
媒粒子)に分けられるが、着磁性触媒粒子と非着磁性触
媒粒子の重量比は、通常1対100から100対1であ
り、場合により1対1000から1000対1の範囲に
及ぶことがあるが、好ましくは1対10から10対1の
範囲である。
【0029】着磁性触媒粒子の金属堆積量は、流動接触
分解反応における触媒の使用量、原料油の性状、反応条
件等で大きく変わるが、ニッケル当量にして0.05w
t%以上、好ましくは0.05〜20wt%、さらに好
ましくは0.1〜5wt%の範囲にある。非着磁性触媒
粒子の金属堆積量はニッケル当量にして0.05wt%
未満である。なおここでいうニッケル当量とは次式で表
される値である。
分解反応における触媒の使用量、原料油の性状、反応条
件等で大きく変わるが、ニッケル当量にして0.05w
t%以上、好ましくは0.05〜20wt%、さらに好
ましくは0.1〜5wt%の範囲にある。非着磁性触媒
粒子の金属堆積量はニッケル当量にして0.05wt%
未満である。なおここでいうニッケル当量とは次式で表
される値である。
【0030】ここで、[Ni]、[V]は各々ニッケ
ル、バナジウムの濃度を表わす。
ル、バナジウムの濃度を表わす。
【0031】分離後の非着磁性触媒粒子は未だ高い活性
を有しているため、循環系へ戻して再使用する。この場
合、分離除去した着磁性触媒粒子と等量以上の新触媒あ
るいは再生触媒を補給して、循環系内の触媒量レベルを
保持すると共に触媒活性の低下を防ぐことが通常行なわ
れる。循環系へ触媒を装入する箇所としては再生塔入
口、再生塔出口トランスファーラインあるいはその他、
熱バランス、流動バランスに影響を及ぼし難い箇所が選
ばれる。
を有しているため、循環系へ戻して再使用する。この場
合、分離除去した着磁性触媒粒子と等量以上の新触媒あ
るいは再生触媒を補給して、循環系内の触媒量レベルを
保持すると共に触媒活性の低下を防ぐことが通常行なわ
れる。循環系へ触媒を装入する箇所としては再生塔入
口、再生塔出口トランスファーラインあるいはその他、
熱バランス、流動バランスに影響を及ぼし難い箇所が選
ばれる。
【0032】次に、磁気分離後の着磁性触媒粒子は廃棄
してもよいし、イオン交換、塩素化、硫化、CO化、酸
化、還元等の方法で堆積金属を触媒から脱離後、再使用
してもよい。このような触媒再生を行なう場合、再生装
置は磁気分離機に連結されラインに組み込まれていても
よいし、切り離されてバッチで運転されてもよい。
してもよいし、イオン交換、塩素化、硫化、CO化、酸
化、還元等の方法で堆積金属を触媒から脱離後、再使用
してもよい。このような触媒再生を行なう場合、再生装
置は磁気分離機に連結されラインに組み込まれていても
よいし、切り離されてバッチで運転されてもよい。
【0033】
【実施例】次に、本発明の実施例等について説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】実施例1 40%硫酸337g中へJIS3号水硝子の希釈溶液
(SiO2濃度11.6%)2155gを滴下し、pH
3.0のシリカゾルを得た。このシリカゾル全量中へ超
安定Y型ゼオライト(格子定数2.450nm、東ソー
(株)製TSZ−330HSA)350gとカオリン3
90gと飽和磁化が1.8emu/gの亜鉛フェライト
(平均粒径2.2μm)10gを加え混練し、250℃
の熱風で噴霧乾燥した。こうして得られた噴霧乾燥品を
50℃、5リットルの0.2%硫酸アンモニウムで洗浄
した後、110℃のオーブン中で乾燥し、さらに600
℃で焼成し触媒Aを得た。
(SiO2濃度11.6%)2155gを滴下し、pH
3.0のシリカゾルを得た。このシリカゾル全量中へ超
安定Y型ゼオライト(格子定数2.450nm、東ソー
(株)製TSZ−330HSA)350gとカオリン3
90gと飽和磁化が1.8emu/gの亜鉛フェライト
(平均粒径2.2μm)10gを加え混練し、250℃
の熱風で噴霧乾燥した。こうして得られた噴霧乾燥品を
50℃、5リットルの0.2%硫酸アンモニウムで洗浄
した後、110℃のオーブン中で乾燥し、さらに600
℃で焼成し触媒Aを得た。
【0035】次に、この触媒Aへ1.0wt%のニッケ
ルをMitchellの方法(Ind.Eng.Che
m.,Prod.Res.Dev.,19,209(1
980))に準じて担持した。すなわち触媒Aをニッケ
ルナフテネートのトルエン溶液に含浸させた後、溶媒を
蒸発させ、次いでこれを550℃で3時間空気焼成し、
さらに800℃で6時間スチーミングした。またニッケ
ルを担持しない触媒Aも別に用意し、それについても同
様に800℃で6時間スチーミングした。
ルをMitchellの方法(Ind.Eng.Che
m.,Prod.Res.Dev.,19,209(1
980))に準じて担持した。すなわち触媒Aをニッケ
ルナフテネートのトルエン溶液に含浸させた後、溶媒を
蒸発させ、次いでこれを550℃で3時間空気焼成し、
さらに800℃で6時間スチーミングした。またニッケ
ルを担持しない触媒Aも別に用意し、それについても同
様に800℃で6時間スチーミングした。
【0036】これらの触媒の磁化率を磁気天秤(島津製
作所(株)製マグネティックバランスNB−2)を用い
て次式により求めた。結果を表1に示す。
作所(株)製マグネティックバランスNB−2)を用い
て次式により求めた。結果を表1に示す。
【0037】比較例1 市販触媒(Octacat、W.R.Grace社製)
に実施例1と同様の方法でニッケルを1.0wt%担持
した。このようにしてニッケルを担持した市販触媒と担
持していない市販触媒をそれぞれ800℃で6時間スチ
ーミングし、それらの磁化率を実施例1と同様の方法で
測定した。結果を表1に示す。
に実施例1と同様の方法でニッケルを1.0wt%担持
した。このようにしてニッケルを担持した市販触媒と担
持していない市販触媒をそれぞれ800℃で6時間スチ
ーミングし、それらの磁化率を実施例1と同様の方法で
測定した。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】 実施例2 触媒製造装置をスケールアップし、実施例1と同様の方
法で100kgの触媒Aを製造した。この触媒Aをライ
ザータイプのFCCパイロット装置で評価した。装置規
模は、インベントリー(触媒量)40kg、フィード量
1bbl/Dであり、運転条件は、反応温度520
℃、触媒/油比8、再生塔温度700〜710℃であ
る。原料油は、大慶常圧残油50wt%と脱硫HVGO
50wt%の混合油であり、触媒上への金属蓄積を加速
するため、フィード中に金属ナフテネートを注入した。
注入量はフィードに対して、Ni85ppm、V8.5
ppmである。触媒Aを装置に充填する前に触媒を疑似
平衡化するため、800℃で6時間、100%スチーム
でスチーミングした。
法で100kgの触媒Aを製造した。この触媒Aをライ
ザータイプのFCCパイロット装置で評価した。装置規
模は、インベントリー(触媒量)40kg、フィード量
1bbl/Dであり、運転条件は、反応温度520
℃、触媒/油比8、再生塔温度700〜710℃であ
る。原料油は、大慶常圧残油50wt%と脱硫HVGO
50wt%の混合油であり、触媒上への金属蓄積を加速
するため、フィード中に金属ナフテネートを注入した。
注入量はフィードに対して、Ni85ppm、V8.5
ppmである。触媒Aを装置に充填する前に触媒を疑似
平衡化するため、800℃で6時間、100%スチーム
でスチーミングした。
【0039】新触媒のメイクアップを0.4kg/D、
疑似平衡触媒のメイクアップを3.8kg/D、飛散ロ
スを0.8kg/D、平衡触媒抜き出し量を3.4kg
/Dとして、上記運転条件で20日間流動接触分解装置
を運転した。その後、磁気分離機と結合してさらに20
日間流動接触分解装置を運転した。磁気分離機結合時の
新触媒メイクアップ、疑似平衡触媒のメイクアップ、触
媒ロスは結合前と同じである。また結合時には16kg
/Dの平衡触媒を磁気分離機で処理し、3.4kg/D
の着磁性触媒粒子と12.6kg/Dの非着磁性触媒粒
子に分離し、着磁性触媒粒子を廃棄し、非着磁性触媒粒
子を装置に戻した。この時の磁気分離機の運転条件は、
磁場強度13kG、キャリヤエアー流速1.7m/S、
粒子濃度0.5g/l、処理温度は常温である。
疑似平衡触媒のメイクアップを3.8kg/D、飛散ロ
スを0.8kg/D、平衡触媒抜き出し量を3.4kg
/Dとして、上記運転条件で20日間流動接触分解装置
を運転した。その後、磁気分離機と結合してさらに20
日間流動接触分解装置を運転した。磁気分離機結合時の
新触媒メイクアップ、疑似平衡触媒のメイクアップ、触
媒ロスは結合前と同じである。また結合時には16kg
/Dの平衡触媒を磁気分離機で処理し、3.4kg/D
の着磁性触媒粒子と12.6kg/Dの非着磁性触媒粒
子に分離し、着磁性触媒粒子を廃棄し、非着磁性触媒粒
子を装置に戻した。この時の磁気分離機の運転条件は、
磁場強度13kG、キャリヤエアー流速1.7m/S、
粒子濃度0.5g/l、処理温度は常温である。
【0040】図1〜3に通油時間に対する平衡触媒上の
金属蓄積量、221℃転化率、非着磁性触媒粒子のNi
濃度(CN)と着磁性触媒粒子のNi濃度(CM)の比
(CN/CM)を示す。また、表2に通油20日目(磁
気分離機非結合)と40日目(磁気分離機結合)のデー
タを示す。
金属蓄積量、221℃転化率、非着磁性触媒粒子のNi
濃度(CN)と着磁性触媒粒子のNi濃度(CM)の比
(CN/CM)を示す。また、表2に通油20日目(磁
気分離機非結合)と40日目(磁気分離機結合)のデー
タを示す。
【0041】比較例2 実施例2と全く同じ条件で市販触媒(OCTACAT)
をパイロット装置にて評価した。その結果を結果を図1
〜3と表2に各々示す。
をパイロット装置にて評価した。その結果を結果を図1
〜3と表2に各々示す。
【0042】
【表2】 以上の結果から、フェライト粒子を含む触媒Aのほうが
ニッケルが蓄積したときの磁化率の増加が大きく、磁気
分離機による分離性が良い。新触媒のメイクアップを同
じにした場合、磁気分離機結合後の金属蓄積量は触媒A
のほうが少なく、その結果、触媒Aのほうが転化率、ガ
ソリン収率が高く、水素、コーク収率が低下した。
ニッケルが蓄積したときの磁化率の増加が大きく、磁気
分離機による分離性が良い。新触媒のメイクアップを同
じにした場合、磁気分離機結合後の金属蓄積量は触媒A
のほうが少なく、その結果、触媒Aのほうが転化率、ガ
ソリン収率が高く、水素、コーク収率が低下した。
【0043】更に、本発明の方法によれば、従来の方法
のように新触媒の補給の為に著しく多量の平衡触媒を除
去する必要がなく、それによって未だ活性の高い触媒の
無駄が防止され、さらにかかる抜き出した平衡触媒から
金属を除去する為に液相で該触媒を化学処理する必要性
が減少あるいは不要になる為、その廃液の処理に多大な
費用を費やす必要がなくなり、加えて操作も簡便になる
という点で、本発明の方法は従来の方法より有利であり
ます。
のように新触媒の補給の為に著しく多量の平衡触媒を除
去する必要がなく、それによって未だ活性の高い触媒の
無駄が防止され、さらにかかる抜き出した平衡触媒から
金属を除去する為に液相で該触媒を化学処理する必要性
が減少あるいは不要になる為、その廃液の処理に多大な
費用を費やす必要がなくなり、加えて操作も簡便になる
という点で、本発明の方法は従来の方法より有利であり
ます。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、フェライト粒子を
含む触媒を使用する本発明の方法により、磁気分離の効
率、選択性が向上し、平衡触媒の活性、選択性を高いレ
ベルに保持することができる。
含む触媒を使用する本発明の方法により、磁気分離の効
率、選択性が向上し、平衡触媒の活性、選択性を高いレ
ベルに保持することができる。
【図1】 実施例および比較例における通油日数と金属
蓄積量の関係を示すグラフ。
蓄積量の関係を示すグラフ。
【図2】 実施例および比較例における通油日数と22
1℃転嫁率の関係を示すグラフ。
1℃転嫁率の関係を示すグラフ。
【図3】 実施例および比較例における通油日数と非着
磁性触媒粒子のNi濃度(CN)と着磁性触媒粒子のN
i濃度(CM)の比(CN/CM)の関係を示すグラ
フ。
磁性触媒粒子のNi濃度(CN)と着磁性触媒粒子のN
i濃度(CM)の比(CN/CM)の関係を示すグラ
フ。
Claims (1)
- 【請求項1】 ニッケルとバナジウムを合計量で0.5
ppm以上含む重質油を流動接触分解するにあたり、反
応帯域、分離帯域、ストリッピング帯域、触媒再生帯域
を具備する流動接触分解装置内に10emu/g以下の
飽和磁化を有するフェライト粒子を含む触媒を装入して
循環流動させ、該重質油からの金属の付着した触媒を平
衡触媒としてその一部を抜き出し、抜き出した平衡触媒
を磁気分離機を用いて着磁性接触粒子と非着磁性触媒粒
子とに分け、非着磁性触媒粒子を前記した飽和磁化を有
するフェライト粒子を含む触媒と共に装置内に戻すこと
を特徴とする重質油の流動接触分解法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6054773A JPH06313176A (ja) | 1993-03-02 | 1994-03-02 | 重質油の流動接触分解法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-64804 | 1993-03-02 | ||
JP6480493 | 1993-03-02 | ||
JP6054773A JPH06313176A (ja) | 1993-03-02 | 1994-03-02 | 重質油の流動接触分解法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06313176A true JPH06313176A (ja) | 1994-11-08 |
Family
ID=26395589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6054773A Pending JPH06313176A (ja) | 1993-03-02 | 1994-03-02 | 重質油の流動接触分解法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06313176A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007153936A (ja) * | 2005-11-30 | 2007-06-21 | Nippon Oil Corp | ガソリン |
JP2007153935A (ja) * | 2005-11-30 | 2007-06-21 | Nippon Oil Corp | ガソリン |
JP2012503065A (ja) * | 2008-09-19 | 2012-02-02 | ペトロレオ ブラジレイロ ソシエダ アノニマ − ペトロブラス | ゼオライトの複合的な系を有する添加剤及び調製方法 |
JP2013513714A (ja) * | 2009-12-14 | 2013-04-22 | エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー | 極性分子を製油所ストリームから除去するための方法およびシステム |
US8435401B2 (en) | 2009-01-06 | 2013-05-07 | Process Innovators, Inc. | Fluidized catalytic cracker with active stripper and methods using same |
KR20170108000A (ko) | 2015-01-28 | 2017-09-26 | 파우더테크 컴퍼니 리미티드 | 외각 구조를 가지는 촉매 담지체용 페라이트 입자 |
CN116037609A (zh) * | 2023-02-10 | 2023-05-02 | 成都华域环保有限公司 | 一种回收利用催化裂化废催化剂的方法 |
-
1994
- 1994-03-02 JP JP6054773A patent/JPH06313176A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007153936A (ja) * | 2005-11-30 | 2007-06-21 | Nippon Oil Corp | ガソリン |
JP2007153935A (ja) * | 2005-11-30 | 2007-06-21 | Nippon Oil Corp | ガソリン |
JP2012503065A (ja) * | 2008-09-19 | 2012-02-02 | ペトロレオ ブラジレイロ ソシエダ アノニマ − ペトロブラス | ゼオライトの複合的な系を有する添加剤及び調製方法 |
US8435401B2 (en) | 2009-01-06 | 2013-05-07 | Process Innovators, Inc. | Fluidized catalytic cracker with active stripper and methods using same |
JP2013513714A (ja) * | 2009-12-14 | 2013-04-22 | エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー | 極性分子を製油所ストリームから除去するための方法およびシステム |
KR20170108000A (ko) | 2015-01-28 | 2017-09-26 | 파우더테크 컴퍼니 리미티드 | 외각 구조를 가지는 촉매 담지체용 페라이트 입자 |
US10258970B2 (en) | 2015-01-28 | 2019-04-16 | Powdertech Co., Ltd. | Ferrite particles provided with outer shell structure for catalyst supporting medium |
CN116037609A (zh) * | 2023-02-10 | 2023-05-02 | 成都华域环保有限公司 | 一种回收利用催化裂化废催化剂的方法 |
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