JPH06116569A - 重質油の流動接触分解方法 - Google Patents

重質油の流動接触分解方法

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JPH06116569A
JPH06116569A JP30916892A JP30916892A JPH06116569A JP H06116569 A JPH06116569 A JP H06116569A JP 30916892 A JP30916892 A JP 30916892A JP 30916892 A JP30916892 A JP 30916892A JP H06116569 A JPH06116569 A JP H06116569A
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catalytic cracking
heavy
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zone
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Takashi Ino
隆 井野
Masaru Ushio
賢 牛尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重金属分としてニッケルとバナジウムを合計
量で0.5ppm以上含む重質油を流動接触分解してガ
ソリン、灯油等の軽質油を製造するにあたり、磁気分離
の効率、選択性が向上し、平衡触媒の活性、選択性を高
く維持することができる重質油の流動接触分解方法を提
供することにある。 【構成】 重金属分としてニッケルとバナジウムを合計
量で0.5ppm以上含む重質油を流動接触分解して軽
質油を製造するにあたり、反応帯域、分離帯域、ストリ
ッピング帯域、触媒再生帯域を具備する流動接触分解装
置を循環流動する平衡触媒の一部を抜き出し、抜き出し
た平衡触媒を磁気分離機を用いて重金属分の堆積量が多
い触媒と重金属分の堆積量が少ない触媒とに分け、重金
属分の堆積量が少ない触媒をゼオライトと酸化鉄粒子を
含む補給触媒とともに装置内に戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重金属分としてニッケ
ルとバナジウムを合計量で0.5ppm以上含む重質油
を流動接触分解してガソリン、灯油等の軽質油を製造す
るにあたり、磁気分離の効率、選択性が向上し、平衡触
媒の活性、選択性を高く維持することができる重質油の
流動接触分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の接触分解は石油系炭化水素を触媒
と接触させて分解し、LPG、ガソリン等の多量の軽質
分および少量の分解軽油等を得、さらに触媒上に堆積し
たコークを空気で燃焼除去して触媒を循環再使用するも
のである。その際原料油には従来から常圧蒸留塔からの
ライトガスオイル(LGO)、ヘビーガスオイル(HG
O)、減圧蒸留塔からのバキュームガスオイル(VG
O)等のいわゆる留出油が主として用いられる。
【0003】しかしながら、最近では世界的な原油の重
質化、また我が国での需要構造の変化に伴い、需給両面
から重油類の過剰傾向が現れてきたことから、接触分解
の原料油として蒸留残さを含む重質油をも対象とする必
要が生じている。
【0004】ところが、蒸留残さを含む重質油中には留
出油中よりもはるかに多い量のニッケル、バナジウム、
鉄、銅等の重金属分、ナトリウ等の軽金属分が含まれて
おり、これらの金属分は触媒上に堆積して分解の活性と
選択性を著しく阻害することが知られている。すなわち
金属類の触媒上への蓄積とともに分解率が低下してゆ
き、実質的に望ましい分解率を達成できなくなる一方、
水素の発生量とコークの生成量が著しく増加し、装置の
運転を困難にすると同時に、望ましい液状製品の収率が
減少する。これらの金属の中で、特にバナジウムは触媒
の活性成分であるゼオライトを破壊し、触媒活性を低下
させる。またニッケルはバナジウムのように触媒活性を
低下させる作用はないが、ニッケルの有している脱水素
触媒作用により水素、カーボンを著しく増加させる。
【0005】通常このような汚染金属の影響を軽減する
ために、装置内の触媒の一部を定期的あるいは定常的に
抜き出し、必要量の新触媒を補給することにより平衡触
媒の活性を維持するという方法か採用されているが、触
媒の抜き出し量を著しく多くすることが必要であり、コ
スト的に不利である。特に金属分の多い残油の流動接触
分解においては深刻な問題である。
【0006】この問題を解決する手段として、触媒に堆
積した金属分を除去する方法と金属分の活性を抑制する
方法が知られている。例えば金属分を除去する方法とし
ては、抜き出した平衡触媒の化学処理により触媒から重
金属分を除去し、処理触媒を再使用するという方法が提
案されている(F.J.Elvin,et al,NP
RA Annual Meeting,AM−86−4
1)。しかし、液相で化学処理を行うため多量の廃液を
伴い、公害防止上この廃液の処理に多大のコストがかか
る。
【0007】金属分の活性を抑制する方法としては、金
属捕捉剤を触媒に添加する方法とアンチモン(米国特許
第3,711,422号及び米国特許第4,025,4
58号)やビスマス(米国特許第4,083,807号
及び米国特許第3,977,963号)のようなメタル
パッシベータを原料油に添加する方法が知られている。
金属捕捉剤としてはアルカリ土類金属化合物が有効であ
ることが知られている(例えば、特開昭61−2040
41号公報、特開昭60−71041号公報、特開昭6
1−278351号公報、特開昭63−123804号
公報)。
【0008】しかし、これらの方法においてもまだ汚染
金属の影響を十分に防ぐことはできない。したがって、
触媒の活性を維持するためには、平衡触媒を強制的に抜
き出し、必要量の新触媒を補給しなければならない。こ
の触媒交換の際に、まだ活性の高い触媒も含めて抜き出
すことになり、触媒を無駄に使用していることになる。
本発明者らは、以前に重金属分の付着した平衡触媒を装
置から抜き出し、これを高勾配磁気分離機で金属分の多
い触媒と少ない触媒に分離し金属分の少ない触媒だけを
装置に戻すという方法により、平衡触媒の活性が向上
し、触媒の選択性に関しても著しい改善効果があること
を見い出した(特公昭63−37156号公報、特公昭
63−37835号公報)。この技術は上述した化学処
理、金属捕捉剤、メタルパッシベータ等の重金属対策技
術と完全に競合するものではなく、これらと併用するこ
ともできる。このような磁気分離機を用いて平衡触媒を
分離する方法においては、触媒中の金属分濃度に応じて
いかに精度よく分離できるかが重要であり、金属分付着
の多い触媒と少ない触媒の磁化率の差が大きいほど効率
良く分離できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は重金属
分としてニッケルとバナジウムを合計量で0.5ppm
以上含む重質油を流動接触分解してガソリン、灯油等の
軽質油を製造するにあたり、磁気分離の効率、選択性が
向上し、平衡触媒の活性、選択性を高く維持することが
できる重質油の流動接触分解方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の問題
を解決するため鋭意研究した結果、特定の成分を含む触
媒を用いることにより磁気分離の効率、選択性が向上
し、平衡触媒の活性、選択性を高く維持することができ
ることを知見し本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は重金属分としてニッケ
ルとバナジウムを合計量で0.5ppm以上含む重質油
を流動接触分解して軽質油を製造するにあたり、反応帯
域、分離帯域、ストリッピング帯域および触媒再生帯域
を具備する流動接触分解装置を循環流動する平衡触媒の
一部を抜き出し、抜き出した平衡触媒を磁気分離機を用
いて重金属分の堆積量が多い触媒と重金属分の堆積量が
少ない触媒とに分け、重金属分の堆積量が少ない触媒を
補給触媒としてゼオライトと酸化鉄粒子を含む触媒とと
もに装置内に戻すことを特徴とする重質油の流動接触分
解方法を提供する。
【0012】本発明で用いる重質油は重金属分としてニ
ッケルとバナジウムを合計量で0.5ppm以上、好ま
しくは2ppm以上、さらに好ましくは5ppm以上含
む重質油である。該重質油としては沸点565℃以上の
留分を5vol%以上含み15℃における密度が0.8
g/cm以上であるものが好ましい。
【0013】例えば、常圧蒸留残油、減圧蒸留残油、シ
ェールオイル、タールサンドビチューメン、オリノコタ
ール、石炭液化油およびこれらの水素化精製したものが
例示できる。また前記重質油に直留軽油、減圧軽油ある
いはこれらの脱硫軽油等の比較的軽質な留分を混合した
ものも使用できる。本発明では常圧蒸留残油、減圧蒸留
残油が好ましく用いられる。
【0014】本発明で用いる補給触媒とは活性成分であ
るゼオライトと酸化鉄粒子を含む触媒である。該触媒と
は支持母体であるマトリックスにゼオライトと酸化鉄粒
子を分散させたものである。
【0015】活性成分として本発明に用いられるゼオラ
イトは結晶性アルミノシリケートであり、フォージャサ
イト型ゼオライトが好ましく用いられ、特に超安定Y型
ゼオライトが好ましく用いられる。該ゼオライトの含有
量は5〜50wt%が好ましく、15〜45wt%がさ
らに好ましい。
【0016】該酸化鉄粒子としては、FeO、α−Fe
(ヘマタイト)、γ−Fe、Fe
(マグネタイト)を例示することができるが、へマタ
イトが特に好ましく用いられる。該酸化鉄粒子の平均粒
径は0.001〜20μmが好ましく、0.01〜5μ
mがさらに好ましい。また該酸化鉄粒子の触媒中の含有
量は0.01〜10wt%が好ましく、0.1〜5wt
%がさらに好ましい。
【0017】上記酸化鉄粒子およびゼオライトの支持母
体であるマトリックスはカオリンのような触媒的に不活
性な増量剤とアルミナゾルあるいはシリカゾルのような
バインダーからなり、必要に応じてアルミナ、金属捕捉
剤等が加えられる。
【0018】本発明に用いる触媒のかさ密度は0.5〜
1.0g/ml、平均粒子径は50〜90μm、表面積
は50〜350m/g、細孔容積は0.05〜0.5
ml/gの範囲であるのが好ましい。
【0019】本発明の流動接触分解装置は、反応帯域、
分離帯域、ストリッピング帯域およひ触媒再生帯域を具
備しており、通常の操作すなわち、反応温度480〜5
50℃、圧力1〜3kg/cmG、触媒/油比1〜2
0、接触時間1〜10秒で運転される。
【0020】ここでいう流動接触分解は、前記した重質
油原料を流動状態に保持されている前記触媒と前記運転
条件で連続的に接触させ、重質原料油をLPG、ガソリ
ン、灯油、軽油等のより軽質な炭化水素油に分解するこ
とである。この接触は触媒の流動ベッドで行う場合と、
触媒粒子と原料油が共に管中を上昇するいわゆるライザ
ークラッキングを採用する場合がある。このように接触
分解を受けた生成物、未反応物および触媒の混合物は一
般的にストリッピング帯域に送られ、触媒粒子から生成
物、未反応物等の炭化水素類の大部分が除去される。炭
素質および一部重質の炭化水素類が付着した触媒は該ス
トリッピング帯域から再生帯域(再生塔)に送られる。
再生帯域においては、該炭素質の付着した触媒の酸化処
理がほどこされる。この酸化処理を受けた触媒が再生触
媒であり、触媒上に沈着した炭素質および炭化水素類が
減少されたものである。この再生触媒は前記反応帯域に
連続的に循環される。
【0021】本発明の流動接触分解法において、反応帯
域と再生帯域の間を循環する触媒の一部をストリッピン
グ帯域出口、再生帯域出口あるいはその他の装置運転上
支障を来さない適当な場所より抜き出す。この場合連続
的に抜き出しても、また製品に悪影響を及ぼさない範囲
で一定間隔をおいて非連続的に抜き出してもよい。抜き
出された触媒をそのまま磁気分離機にかけてもよいし、
あらかじめなんらかの処理をすることもできる。
【0022】ここでいう磁気分離機は、少なくとも20
0ガウス/cmの磁場勾配を有するものであり、好まし
くは2000×10〜20000×10ガウス/c
mの高い磁場勾配を有する高勾配磁気分離機である。該
高勾配磁気分離機は、均一な高磁場空間内に強磁性の充
填物を置き、充填物の周囲に上記のような高い磁場勾配
を生じさせ、その充填物の表面に強磁性あるいは常磁性
微小粒子を着磁させ、弱常磁性あるいは反磁性微小粒子
を非着磁物として分離できるように設計された磁気分離
機である。上記の強磁性充填物としては、通常1〜10
00μmの径を持つスチールウールあるいはスチールネ
ットのごとき強磁性細線の集合体が用いられる。高勾配
磁気分離機の例としては、スウェーデンSALA社によ
り製作販売されている高勾配磁気分離機を挙げることが
できる。
【0023】磁気分離機による固体微粒子の処理方法に
は空気、窒素、スチームおよびこれらの混合物をキャリ
ヤー流体として用いる乾式法と、水あるいはその他の液
体をキャリヤー流体として用いる湿式法とがある。本発
明においては、乾式法、湿式法どちらを用いてもよい。
【0024】磁気分離機を運転する際のプロセス変数と
しては、通常、磁場強度、磁場勾配、線速度、粒子濃
度、処理温度があり、触媒粒径、堆積金属の種類と状態
および量、触媒に含まれる酸化鉄粒子の粒径と量、目的
とする分離レベル、分離の選択性等によりプロセス変数
の最適値は大きく異なる。
【0025】磁場強度とは充填物が置かれている空間内
の磁場の強さであり、乾式法、湿式法ともに少なくとも
200ガウス以上、好ましくは1000〜20000ガ
ウスあるいはそれ以上が用いられる。
【0026】磁場勾配とは充填物の周囲に生じる磁場強
度の距離による変化量で、磁場強度あるいは充填物の種
類および径を変えることにより変化させることができ、
乾式法、湿式法ともに少なくとも200ガウス/cm以
上、好ましくは2000×10〜20000×10
ガウス/cmが用いられる。
【0027】粒子濃度とは、ガスあるいは液よりなるキ
ャリヤー流体中の磁気分離の対象となる触媒粒子の濃度
を意味し、乾式法では通常0.01〜100g/l、湿
式法では通常0.01〜1000g/lの粒子濃度で運
転される。
【0028】処理温度とは、磁気分離の対象である触媒
粒子の温度をさし、厳密には触媒粒子に堆積する鉄、ニ
ッケル、バナジウム、銅の温度をいう。処理温度はこれ
らの金属のキューリー温度以下が好ましく、通常、常温
が用いられる。
【0029】また、磁場内を通過する際の流体の線速度
を変化させることによって、分離レベル、分離の選択性
を大きく変えることが可能であり、高い選択性が要求さ
れるときは線速度を上げて運転する。乾式法において
は、通常0.01〜100m/secの線速度が用いら
れる。湿式法においては、通常0.01〜10000m
/hrの線速度が用いられる。
【0030】磁気分離機は、流動接触分解装置のライン
に組み込んで使用してもよいし、組み込まずにバッチで
稼働してもよい。抜き出された触媒は磁気分離機により
鉄、ニッケル、バナジウム、銅が多量に堆積している触
媒粒子である着磁物とこれらの金属の堆積が比較的少な
い非着磁物に分けられるが着磁物と非着磁物の重量比は
通常1対100から100対1であり、場合により1対
1000から1000対1の範囲に及ぶことがあるが、
好ましくは1対10から10対1の範囲である。
【0031】着磁性触媒粒子の金属堆積量は、流動接触
分解反応における触媒の使用量、原料油の性状、反応条
件等で大きく変わるが、ニッケル当量にして通常0.0
5〜20wt%、好ましくは0.1〜5wt%の範囲に
ある。なおここでいうニッケル当量とは次式で表される
値である。 ニッケル当量=〔Ni〕+0.25×〔V〕
【0032】ここで、〔Ni〕、〔V〕はおのおのニッ
ケル、バナジウムの濃度を表す。
【0033】分離後の非着磁物は未だ高い活性を有して
いるため循環系へ戻して再使用する。この場合、分離除
去した着磁物と等量以上の新触媒あるいは再生触媒を補
給して、循環系内の触媒量レベルを保持するとともに触
媒活性の低下を防ぐことが通常行われる。循環系へ触媒
を張り込む場合は再生塔入口、再生塔出口トランスファ
ーラインあるいはその他熱バランス、流動バランスに影
響を及ぼし難い箇所が選ばれる。
【0034】次に、磁気分離後の着磁物は廃棄してもよ
いし、イオン交換、塩素化、硫化、CO化、酸化、還元
等の方法で堆積金属を触媒から脱離後、再使用してもよ
い。このような触媒再生を行う場合、再生装置は磁気分
離機に連結されラインに組み込まれていてもよいし、切
り離されてバッチで運転されてもよい。
【0035】
【実施例】次に本発明の実施例等について説明するが本
発明はこれに限定されるものではない。
【0036】実施例1 40%硫酸337g中へJIS3号水硝子の希釈溶液
(SiO濃度11.6%)2155gを滴下しpH
3.0のシリカゾルを得た。このシリカゾル全量中へ超
安定Y型ゼオライト(格子定数2.450nm、東ソー
(株)製TSZ−330HSA)350gとカオリン1
90gと酸化鉄(ヘマタイト、平均粒径0.55μm)
を加え混練し、250℃の熱風で噴霧乾燥した。こうし
て得られた噴霧乾燥品を50℃、5リットルの0.2%
硫酸アンモニウムで洗浄した後、110℃のオーブン中
で乾燥し、さらに600℃で焼成し触媒Aを得た。
【0037】次に、この触媒へ1.0wt%のニッケル
をMitchellの方法(Ind.Eng.Che
m.,Prod.Res,Dev.,19,209(1
980))に準じて担持した。すなわち触媒をニッケル
ナフテネートのトルエン溶液に含浸させた後、溶媒を蒸
発させ、ついでこれを550℃で3時間空気焼成し、さ
らに800℃で6時間スチーミングした。またニッケル
を担持しない触媒についても同様に800℃で6時間ス
チーミングした。
【0038】これらの触媒の磁化率を磁気天秤(島津製
作所(株)製マグネティックバランスNB−2)を用い
て次式により求めた。結果を表1に示す。 F:磁気力(dyn)、 m:質量(g) x:磁化率(emu/g) H:磁場強度(Oe)dH :磁場勾配(Oe/cm) dx
【0039】比較例1 市販触媒(Octacat、W.R.Grace社製)
に実施例1と同様の方法でニッケルを1.0wt%担持
した。ニッケルを担持した触媒と担持していない触媒を
それぞれ800℃で6時間スチーミングし、それらの磁
化率を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に
示す。
【0040】
【表1】
【0041】この結果から、酸化鉄粒子を含む触媒Aの
ほうがニッケルを担持したときの磁化率の増加が大き
く、したがって、磁気分離機による分離性に関して好ま
しいことがわかる。
【0042】実施例2 触媒製造装置をスケールアップし、実施例1と同様の方
法で100kgの触媒Aを製造した。この触媒をライザ
ータイプのFCCパイロット装置で評価した。装置規模
は、インベントリー40kg、フィード量1Bbl/D
であり、運転条件は、反応温度520℃、触媒/油比
8、再生塔温度700〜710℃である。原料油は、大
慶常圧残油50%と脱硫HVGO50%の混合油であ
り、触媒上への金属蓄積を加速するため、フィード中に
金属ナフテネートを注入した。注入量はフィードに対し
て、Ni 85ppm、V 8.5ppmである。触媒
Aを装置に充填する前に触媒を疑似平衡化するため、8
00℃で6時間、100%スチームでスチーミングし
た。
【0043】新触媒のメイクアップを0.4kg/D、
疑似平衡触媒のメイクアップを3.8kg/D、飛散ロ
スを0.8kg/D、平衡触媒抜き出し量を3.4kg
/Dとして、上記運転条件で20日間運転した。その後
磁気分離機と結合してさらに20日間運転した。磁気分
離機結合時の新触媒メイクアップ、疑似平衡触媒のメイ
クアップ、触媒ロスは結合前と同じである。また結合時
には16kg/Dの平衡触媒を磁気分離機で処理し、
3.4kg/Dの着磁物と12.6kg/Dの非着磁物
に分離し、着磁物を廃棄し、非着磁物を装置に戻した。
この時の磁気分離機の運転条件は、磁場速度13kG、
キャリアーエアー流速1.7m/S、粒子濃度0.5g
/l、処理温度 常温である。
【0044】図1に通油時間に対する平衡触媒上の金属
蓄積量、221℃転化率、非着磁物のNi濃度(CN)
と着磁物のNi濃度(CM)の比(CN/CM)を示
す。表2に通油20日目(磁気分離機非結合)と40日
目(磁気分離機結合)のデータを示す。
【0045】比較例2 実施例2と全く同じ条件でOCTACATをパイロット
装置で評価した。結果を図1と表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】以上の結果から、酸化鉄粒子を含む触媒A
のほうがニッケルが蓄積したときの磁化率の増加が大き
く磁気分離機による分離性に優れていることがわかる。
新触媒のメイクアップを同じにした場合、磁気分離機結
合後の金属蓄積量は触媒Aのほうが少なく、その結果触
媒Aのほうが転化率、ガソリン収率が高く、水素、コー
ク収率が低下した。
【0048】
【発明の効果】本発明により重金属分としてニッケルと
バナジウムを合計量で0.5ppm以上含む重質油を流
動接触分解してガソリン、灯油等の軽質油を製造するに
あたり、磁気分離の効率、選択性が向上し、平衡触媒の
活性、選択性を高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2および比較例2における通油時間に対
する平衡触媒上の金属蓄積量、221℃転化率、非着磁
物のNi濃度(CN)と着磁物のNi濃度(CM)の比
(CN/CM)を示すグラフ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重金属分としてニッケルとバナジウムを
    合計量で0.5ppm以上含む重質油を流動接触分解し
    て軽質油を製造するにあたり、反応帯域、分離帯域、ス
    トリッピング帯域および触媒再生帯域を具備する流動接
    触分解装置を循環流動する平衡触媒の一部を抜き出し、
    抜き出した平衡触媒を磁気分離機を用いて重金属分の堆
    積量が多い触媒と重金属分の堆積量が少ない触媒とに分
    け、重金属分の堆積量が少ない触媒と補給触媒としてゼ
    オライトと酸化鉄粒子を含む触媒とともに装置内に戻す
    ことを特徴とする重質油の流動接触分解方法。
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