JPH06313115A - 生分解性合成樹脂組成物 - Google Patents
生分解性合成樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH06313115A JPH06313115A JP10562993A JP10562993A JPH06313115A JP H06313115 A JPH06313115 A JP H06313115A JP 10562993 A JP10562993 A JP 10562993A JP 10562993 A JP10562993 A JP 10562993A JP H06313115 A JPH06313115 A JP H06313115A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- synthetic resin
- biodegradable synthetic
- resin
- biodegradable
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】生分解性合成樹脂と高吸水性樹脂とが混合され
たことを特徴とする生分解性合成樹脂組成物。 【効果】本発明の組成物よりなる成形物が、使用後その
まま自然環境に放置されてしまったとしても生分解性合
成樹脂に混合された高吸水性樹脂が雨等の水分を吸収し
て成形物の崩壊が促進される。その結果、生分解性合成
樹脂の崩壊が促進されると、生分解性樹脂の表面積が増
すので、生分解性樹脂そのものの分解もまた促進され
る。
たことを特徴とする生分解性合成樹脂組成物。 【効果】本発明の組成物よりなる成形物が、使用後その
まま自然環境に放置されてしまったとしても生分解性合
成樹脂に混合された高吸水性樹脂が雨等の水分を吸収し
て成形物の崩壊が促進される。その結果、生分解性合成
樹脂の崩壊が促進されると、生分解性樹脂の表面積が増
すので、生分解性樹脂そのものの分解もまた促進され
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は生分解性合成樹脂組成物
に関するものであって、更に詳しくは、生分解性合成樹
脂の崩壊を促進することのできる組成物に関するもので
ある。
に関するものであって、更に詳しくは、生分解性合成樹
脂の崩壊を促進することのできる組成物に関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】近年、地球の自然環境を将来にわたり保
全するには、いかなる方策をとるべきかという問いかけ
が世界各国で真剣に議論されるようになった。この議論
の対象の一つに、自然環境で分解されないでいる大量の
合成樹脂廃棄物の処分の問題が挙げられている。この問
題に関連して、現在、自然環境の中で分解される樹脂、
例えば、微生物によって分解される生分解性合成樹脂や
太陽光によって分解される光分解性合成樹脂等が使用さ
れるようになった。そのような状況の中で、生分解性合
成樹脂を用いた成形物が実用化されている。
全するには、いかなる方策をとるべきかという問いかけ
が世界各国で真剣に議論されるようになった。この議論
の対象の一つに、自然環境で分解されないでいる大量の
合成樹脂廃棄物の処分の問題が挙げられている。この問
題に関連して、現在、自然環境の中で分解される樹脂、
例えば、微生物によって分解される生分解性合成樹脂や
太陽光によって分解される光分解性合成樹脂等が使用さ
れるようになった。そのような状況の中で、生分解性合
成樹脂を用いた成形物が実用化されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの生分
解性合成樹脂については、自然環境の中で分解されるの
に数百日以上と非常に長くかかるという欠点がある。本
発明者は、鋭意研究の結果、生分解性合成樹脂に高吸水
性樹脂を混合したことにより、生分解性合成樹脂からな
る成形物が、その形状が崩壊して、細分化されることを
見い出した。
解性合成樹脂については、自然環境の中で分解されるの
に数百日以上と非常に長くかかるという欠点がある。本
発明者は、鋭意研究の結果、生分解性合成樹脂に高吸水
性樹脂を混合したことにより、生分解性合成樹脂からな
る成形物が、その形状が崩壊して、細分化されることを
見い出した。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる知見に
基づいてなされたものであり、上記従来の生分解性合成
樹脂の欠点に鑑み、生分解性合成樹脂よりなる成形物を
使用後に崩壊を促進することを目的としてなされたもの
であって、その要旨は生分解性合成樹脂と高吸水性樹脂
とを混合したことを特徴とする生分解性合成樹脂組成物
にある。
基づいてなされたものであり、上記従来の生分解性合成
樹脂の欠点に鑑み、生分解性合成樹脂よりなる成形物を
使用後に崩壊を促進することを目的としてなされたもの
であって、その要旨は生分解性合成樹脂と高吸水性樹脂
とを混合したことを特徴とする生分解性合成樹脂組成物
にある。
【０００５】本発明において用い得る生分解性合成樹脂
とは、分解の一過程において生物の代謝が関与して低分
子量化合物に変換し、最終的には水と炭酸ガスに分解す
る合成樹脂をいう。例えば、ポリヒドロキシブチレート
系、脂肪族ポリエステル系、でんぷんと合成高分子の両
者が水素結合によって結ばれた物質などである。また、
本発明において用い得る高吸水性樹脂とは、水溶性ポリ
マーを軽度に架橋して二次元網目構造として水不溶化し
たものである。例えば、アクリル系、でんぷん系などで
ある。詳細には、アクリル系では、例えば、ポリアクリ
ル酸ソーダ架橋体、アクリル酸ソーダ−ビニルアルコー
ル共重合物、アクリル酸メチル−酢酸ビニル共重合体、
ポリアクリロニトリル系重合体ケン化物、ヒドロキシエ
チルメタクリレートポリマー、アクリル酸ソーダ−アク
リルアミド共重合体、でんぷんとアクリル酸の共重合体
などであり、でんぷん系では、例えば、でんぷん−アク
リロニトリルグラフト重合体加水分解物、でんぷん−ア
クリル酸グラフト重合体、でんぷん−スチレンスルホン
酸グラフト重合体、でんぷん−ビニルスルホン酸グラフ
ト重合体、でんぷん−アクリルアミドグラフト重合体な
どである。
とは、分解の一過程において生物の代謝が関与して低分
子量化合物に変換し、最終的には水と炭酸ガスに分解す
る合成樹脂をいう。例えば、ポリヒドロキシブチレート
系、脂肪族ポリエステル系、でんぷんと合成高分子の両
者が水素結合によって結ばれた物質などである。また、
本発明において用い得る高吸水性樹脂とは、水溶性ポリ
マーを軽度に架橋して二次元網目構造として水不溶化し
たものである。例えば、アクリル系、でんぷん系などで
ある。詳細には、アクリル系では、例えば、ポリアクリ
ル酸ソーダ架橋体、アクリル酸ソーダ−ビニルアルコー
ル共重合物、アクリル酸メチル−酢酸ビニル共重合体、
ポリアクリロニトリル系重合体ケン化物、ヒドロキシエ
チルメタクリレートポリマー、アクリル酸ソーダ−アク
リルアミド共重合体、でんぷんとアクリル酸の共重合体
などであり、でんぷん系では、例えば、でんぷん−アク
リロニトリルグラフト重合体加水分解物、でんぷん−ア
クリル酸グラフト重合体、でんぷん−スチレンスルホン
酸グラフト重合体、でんぷん−ビニルスルホン酸グラフ
ト重合体、でんぷん−アクリルアミドグラフト重合体な
どである。
【０００６】高吸水性樹脂の混合割合は３０重量％以下
であり、３０重量％を越えると混合や成形ができなくな
り、好ましくは２０重量％以下である。生分解性合成樹
脂と高吸水性樹脂とは適宜混合され、例えば、射出成形
等により、所定の形状の成形物とすることができる。ま
た、本発明の組成物には、着色剤、帯電防止剤、可塑剤
等の添加剤を必要に応じて混合される。
であり、３０重量％を越えると混合や成形ができなくな
り、好ましくは２０重量％以下である。生分解性合成樹
脂と高吸水性樹脂とは適宜混合され、例えば、射出成形
等により、所定の形状の成形物とすることができる。ま
た、本発明の組成物には、着色剤、帯電防止剤、可塑剤
等の添加剤を必要に応じて混合される。
【０００７】
【作用】上記の構成よりなる本発明の組成物によれば、
該組成物よりなる成形物が自然環境に放置されてしまっ
たとしても、生分解性合成樹脂に混合された高吸水性樹
脂が雨等の水分を吸収して崩壊が促進される。その結
果、生分解性合成樹脂の崩壊が促進されると、生分解性
合成樹脂の表面積が増すので、生分解性合成樹脂そのも
のの分解もまた促進される。
該組成物よりなる成形物が自然環境に放置されてしまっ
たとしても、生分解性合成樹脂に混合された高吸水性樹
脂が雨等の水分を吸収して崩壊が促進される。その結
果、生分解性合成樹脂の崩壊が促進されると、生分解性
合成樹脂の表面積が増すので、生分解性合成樹脂そのも
のの分解もまた促進される。
【０００８】
【実施例】以下の実施例で％は全て重量％である。 〔実施例１〕生分解性ポリヒドロキシブチレート系樹脂
（バイオポール：商品名、ＩＣＩ社製）と高吸水性ポリ
アクリル酸ソーダ架橋体（アクリル酸３０％とアクリル
酸ソーダ７０％との架橋共重合体）とをそれぞれ９５
％：５％、９０％：１０％、８５％：１５％、８
０％：２０％の混合物を作成し、射出成形により１個の
重さ約０．１６ｇ、外径６ｍｍの球状サンプルを金型で
多数個成形した。
（バイオポール：商品名、ＩＣＩ社製）と高吸水性ポリ
アクリル酸ソーダ架橋体（アクリル酸３０％とアクリル
酸ソーダ７０％との架橋共重合体）とをそれぞれ９５
％：５％、９０％：１０％、８５％：１５％、８
０％：２０％の混合物を作成し、射出成形により１個の
重さ約０．１６ｇ、外径６ｍｍの球状サンプルを金型で
多数個成形した。
【０００９】次に各サンプルを２０℃の水に浸漬し、サ
ンプルの崩壊の状態を観察した。球状サンプルが水を吸
収して膨潤し、表面に亀裂が生じ、この亀裂が成長し２
個に分離した状態を、または球状サンプルが中心部で連
結していて亀裂が成長して４〜５個の塊に分かれた状態
を崩壊したものとする。そして、各サンプル、、
、が完全に崩壊するに要した日数は表１の通りであ
る。この様に、高吸水性ポリアクリル酸ソーダ架橋体の
５％の混合量で１０日間であり、２０％混合量で１日で
あった。
ンプルの崩壊の状態を観察した。球状サンプルが水を吸
収して膨潤し、表面に亀裂が生じ、この亀裂が成長し２
個に分離した状態を、または球状サンプルが中心部で連
結していて亀裂が成長して４〜５個の塊に分かれた状態
を崩壊したものとする。そして、各サンプル、、
、が完全に崩壊するに要した日数は表１の通りであ
る。この様に、高吸水性ポリアクリル酸ソーダ架橋体の
５％の混合量で１０日間であり、２０％混合量で１日で
あった。
【００１０】〔実施例２〕生分解性のでんぷんとポリビ
ニルアルコールとの混合物（マタービー：商品名、ノバ
モント社製）９０％と高吸水性ポリアクリル酸ソーダ架
橋体（アクリル酸３０％とアクリル酸ソーダ７０％との
架橋共重合体）１０％とを混合して、実施例１と同様に
して外径６ｍｍの球状サンプルを得た。この球状サンプ
ルを２０℃の水に浸漬し経時による水の吸収による外径
の増加を測定した。この結果を表２の実施例２に示し
た。
ニルアルコールとの混合物（マタービー：商品名、ノバ
モント社製）９０％と高吸水性ポリアクリル酸ソーダ架
橋体（アクリル酸３０％とアクリル酸ソーダ７０％との
架橋共重合体）１０％とを混合して、実施例１と同様に
して外径６ｍｍの球状サンプルを得た。この球状サンプ
ルを２０℃の水に浸漬し経時による水の吸収による外径
の増加を測定した。この結果を表２の実施例２に示し
た。
【００１１】この様に２３時間後、水を吸収して外径が
約６．９５ｍｍに膨潤すると共に表面に１ｍｍ程度の亀
裂が多数発生していた。 〔比較例１〕実施例２で高吸水性ポリアクリル酸ソーダ
架橋体を混合しないで、同様に球状サンプルの経時によ
る外径の増加を測定した。この結果は表２に示した。こ
のように、このサンプルは、２６時間後で水を吸収して
外径約６．６ｍｍになるが表面には亀裂がなかった。そ
して、崩壊するのに６３日であった。
約６．９５ｍｍに膨潤すると共に表面に１ｍｍ程度の亀
裂が多数発生していた。 〔比較例１〕実施例２で高吸水性ポリアクリル酸ソーダ
架橋体を混合しないで、同様に球状サンプルの経時によ
る外径の増加を測定した。この結果は表２に示した。こ
のように、このサンプルは、２６時間後で水を吸収して
外径約６．６ｍｍになるが表面には亀裂がなかった。そ
して、崩壊するのに６３日であった。
【００１２】〔実施例３〕実施例１において生分解性の
脂肪族ポリエステル系樹脂（ビオノーレ：商品名、昭和
高分子社製）９０％と高吸水性ポリアクリル酸ソーダ架
橋体１０％とした以外同様に成形及び水に浸漬を行い、
５日で崩壊した。 〔実施例４〕実施例１において、高吸水性ポリアクリル
酸ソーダ架橋体５％とタルク５％とを混合する以外は同
様に行った。球状サンプルが８日で崩壊した。この様に
タルクの添加により、崩壊の日数が短縮された。
脂肪族ポリエステル系樹脂（ビオノーレ：商品名、昭和
高分子社製）９０％と高吸水性ポリアクリル酸ソーダ架
橋体１０％とした以外同様に成形及び水に浸漬を行い、
５日で崩壊した。 〔実施例４〕実施例１において、高吸水性ポリアクリル
酸ソーダ架橋体５％とタルク５％とを混合する以外は同
様に行った。球状サンプルが８日で崩壊した。この様に
タルクの添加により、崩壊の日数が短縮された。
【００１３】
【発明の効果】上記したように、本発明の生分解性合成
樹脂組成物によれば、該組成物よりなる成形物がゴミと
して回収されないまま自然環境に放置されてしまったと
しても、生分解性合成樹脂に混合された高吸水性樹脂が
雨等の水分を吸収して崩壊が促進される。生分解性合成
樹脂の崩壊が促進されると、その結果として、生分解性
合成樹脂の表面積が増すので、生分解性合成樹脂そのも
のの分解もまた促進される。そして、最終的には水と炭
酸ガスにまで分解するので、廃棄物の問題を有効に解決
する組成物となるものである。
樹脂組成物によれば、該組成物よりなる成形物がゴミと
して回収されないまま自然環境に放置されてしまったと
しても、生分解性合成樹脂に混合された高吸水性樹脂が
雨等の水分を吸収して崩壊が促進される。生分解性合成
樹脂の崩壊が促進されると、その結果として、生分解性
合成樹脂の表面積が増すので、生分解性合成樹脂そのも
のの分解もまた促進される。そして、最終的には水と炭
酸ガスにまで分解するので、廃棄物の問題を有効に解決
する組成物となるものである。
【００１４】また、生分解性合成樹脂に高吸水性樹脂と
ともにタルクを混合すると、樹脂の崩壊が一層促進され
る。このように、本発明の組成物は崩壊及び分解が促進
されるので、使用後に放置されがちな、玩具用鉄砲玉、
ゴルフティー、育苗用植木鉢、文具用クリップ等の用途
に好適に使用することができる。
ともにタルクを混合すると、樹脂の崩壊が一層促進され
る。このように、本発明の組成物は崩壊及び分解が促進
されるので、使用後に放置されがちな、玩具用鉄砲玉、
ゴルフティー、育苗用植木鉢、文具用クリップ等の用途
に好適に使用することができる。
【００１５】
【表１】
【００１６】
【表２】
Claims (1)
- 【請求項１】生分解性合成樹脂と高吸水性樹脂とが混合
されたことを特徴とする生分解性合成樹脂組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10562993A JPH06313115A (ja) | 1993-05-06 | 1993-05-06 | 生分解性合成樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10562993A JPH06313115A (ja) | 1993-05-06 | 1993-05-06 | 生分解性合成樹脂組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06313115A true JPH06313115A (ja) | 1994-11-08 |
Family
ID=14412772
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10562993A Pending JPH06313115A (ja) | 1993-05-06 | 1993-05-06 | 生分解性合成樹脂組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06313115A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20100275664A1 (en) * | 2007-11-08 | 2010-11-04 | Volker Windhoevel | Soil improver and use thereof |
| CN105647093A (zh) * | 2016-03-31 | 2016-06-08 | 山东师范大学 | 一种可生物降解的淀粉基树脂组合物 |
| CN109824831A (zh) * | 2019-01-29 | 2019-05-31 | 江苏常源新材料科技有限公司 | 一种可降解高性能吸水树脂的制备方法 |
-
1993
- 1993-05-06 JP JP10562993A patent/JPH06313115A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20100275664A1 (en) * | 2007-11-08 | 2010-11-04 | Volker Windhoevel | Soil improver and use thereof |
| US8883677B2 (en) * | 2007-11-08 | 2014-11-11 | Arpolith Gmbh | Soil improver and use thereof |
| CN105647093A (zh) * | 2016-03-31 | 2016-06-08 | 山东师范大学 | 一种可生物降解的淀粉基树脂组合物 |
| CN109824831A (zh) * | 2019-01-29 | 2019-05-31 | 江苏常源新材料科技有限公司 | 一种可降解高性能吸水树脂的制备方法 |
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