JPH06313113A - ポリシラン組成物及び非線形光学素子 - Google Patents

ポリシラン組成物及び非線形光学素子

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JPH06313113A
JPH06313113A JP32488493A JP32488493A JPH06313113A JP H06313113 A JPH06313113 A JP H06313113A JP 32488493 A JP32488493 A JP 32488493A JP 32488493 A JP32488493 A JP 32488493A JP H06313113 A JPH06313113 A JP H06313113A
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polysilane
group
bond
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Application number
JP32488493A
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English (en)
Inventor
Toshiro Hiraoka
俊郎 平岡
Shinichi Nakamura
新一 中村
Yoshihiko Nakano
義彦 中野
Shinji Murai
伸次 村井
Shuji Hayase
修二 早瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 三次の非線形光学定数が大きく非線形光学特
性の優れたポリシラン組成物及びこのポリシラン組成物
を用いた非線形光学素子を提供する。 【構成】 ポリシラン中に粒径10〜500オングスト
ロームの導体又は半導体の微粒子を分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、三次の非線形光学材料
として好適なポリシラン組成物及びこのポリシラン組成
物を用いた非線形光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリシランは、Si−Si構造を主鎖として
側鎖には通常アルキル基、アリール基等の疎水基を有す
る有機ポリマーであり、Si−Si結合のσ電子が非局在化
していることに起因し、光感応性,半導体特性,非線形
光学特性等を備えることから,近年新たな機能性材料と
しての期待が高まっている。特に、ポリシランのSi−Si
主鎖のσ共役系は可視光領域の光に対して透明であるこ
とから、オプトエレクトロニクス分野への応用に対する
要望は大きく、例えば特開平1−183420号には、
ポリシランの非線形光学効果を利用した非線形光学素子
が開示されている。しかしながらポリシランでは、三次
の非線形光学定数は10-12 esu 程度とさほど大きな値
ではなく、ポリシランの非線形分極だけでは充分な強度
の出力光を得ることができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、非線
形光学材料としてポリシランを単独で用いた場合には、
出力光の強度が実用的に充分なものではないという問題
があった。本発明はこのような問題を解決して、三次の
非線形光学定数が大きく高い非線形応答速度を示し、優
れた非線形光学特性を有するポリシラン組成物、及びこ
のポリシラン組成物を用いた非線形光学素子を提供する
ことを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために成された本発明は、(a) 下記一般式(1)
で示される反復単位を有するポリシランと、(b) 導体
及び半導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の微
粒子とを含有するポリシラン組成物であり、さらには
(a) 下記一般式(1)で示される反復単位を有するポ
リシランと、(b) 導体及び半導体からなる群より選ば
れた少なくとも1種の微粒子とを含有するポリシラン組
成物で少なくとも一部が形成されてなる光導波部を具備
する非線形光学素子である。すなわち、本発明のポリシ
ラン組成物及びこのポリシラン組成物を用いた本発明の
非線形光学素子は、ポリシラン中に導体又は半導体の微
粒子が分散されたことを特徴としている。
【0005】
【化3】 (式中、R1 及びR2 は、夫々独立に水素原子、炭素数
1〜24の置換もしくは非置換アルキル基、炭素数6〜
24の置換もしくは非置換アリール基、または炭素数7
〜24の置換もしくは非置換アラルキル基を表す。)本
発明において、上記一般式(1)で示される反復単位を
有するポリシランは、Si−Si結合を主鎖とし、側鎖R1
及びR2 は夫々独立に水素原子、置換もしくは非置換ア
ルキル基、置換もしくは非置換アリール基、又は置換も
しくは非置換アラルキル基である。また本発明では、こ
のようなポリシランの重量平均分子量が5,000 〜1,000,
000 さらには10,000〜50,000であることが好ましい。こ
の理由は、ポリシランの重量平均分子量が小さすぎると
ポリマーとしての特性が充分に発揮されず、逆にポリシ
ランの重量平均分子量が大きすぎると溶媒可溶性が低下
するおそれがあるからである。以下に、本発明で一般的
に使用されるポリシランの具体例を示す。
【0006】
【化4】
【0007】さらに本発明では、上記一般式(1)中の
1 ,R2 の少なくとも一方が水酸基、アミノ基、カル
ボン酸基、エーテル結合、アミド結合、エステル結合、
カルバメート結合及びカーボネート結合からなる群より
選ばれた少なくとも1種を有する親水基で一部置換され
たポリシランが特に好ましい。すなわち、前述したよう
な親水基が側鎖に導入されたポリシランは両親媒性を有
するので、得られるポリシラン組成物において導体又は
半導体の微粒子の分散性が良好となり、結果として非線
形光学特性が一段と向上する。このようなポリシランの
具体例を以下に示す。
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】
【0012】
【化9】
【0013】
【化10】
【0014】
【化11】
【0015】
【化12】
【0016】
【化13】
【0017】
【化14】
【0018】
【化15】
【0019】
【化16】
【0020】
【化17】
【0021】
【化18】
【0022】
【化19】
【0023】
【化20】
【0024】
【化21】
【0025】
【化22】
【0026】
【化23】
【0027】
【化24】
【0028】
【化25】
【0029】
【化26】
【0030】
【化27】
【0031】
【化28】
【0032】
【化29】
【0033】
【化30】
【0034】
【化31】
【0035】
【化32】
【0036】
【化33】
【0037】
【化34】
【0038】
【化35】
【0039】
【化36】
【0040】
【化37】
【0041】
【化38】
【0042】
【化39】
【0043】一方本発明において、上述したようなポリ
シラン中に分散される導体又は半導体の微粒子は、いか
なる形状であってもよくその分散形態についても特に限
定されないが、粒径が10〜500オングストロームの
範囲内であることが好ましい。この理由は、粒径が10
オングストローム未満の導体又は半導体の微粒子は製造
が困難であるからであり、逆に導体又は半導体の微粒子
の粒径が500オングストロームを超えると、良好な量
子サイズ効果が発揮されず、結果として大きな三次の非
線形光学定数を有するポリシラン組成物が得られなくな
るおそれがあるからである。さらに本発明では導体又は
半導体の微粒子として、粒径が10〜100オングスト
ロームで、かつこの粒径が充分に揃ったものを用いるこ
とがより好ましい。
【0044】また、このような微粒子として用いられる
導体としては金属、合金、化合物等特に限定されない
が、ポリシランとの間で良好な界面効果を得るためには
表面酸化されにくい貴金属が特に好ましく、具体的には
金、銀、白金、ロジウム等が例示される。一方半導体と
しては、抵抗値が109 Ω・cm以下程度のものが好まし
く、具体的にはGaAs等のIII−V化合物半導体や
CdS等のII−VI化合物半導体等が挙げられる。
【0045】本発明において、上述したような導体又は
半導体の微粒子の配合量はポリシランに対し1〜40体
積%、さらには5〜20体積%に設定されることが好ま
しい。この理由は、導体又は半導体の微粒子の配合量が
少なすぎると、三次の非線形光学効果の向上が小さく、
逆に導体又は半導体の微粒子の配合量が多すぎると微粒
子の分散性が低下して良好な量子サイズ効果が発揮され
ず、ひいては大きな非線形光学効果が得られなくなるお
それがあるためである。
【0046】本発明では、上述したように導体又は半導
体の微粒子をポリシラン中に分散させることにより、光
照射時に生じる導体又は半導体の微粒子の表面プラズモ
ン吸収あるいは励起子生成に起因して、ポリシラン中で
微粒子の分極状態が形成される。さらにこのような微粒
子の分極状態は、機能性有機ポリマーとしては比較的大
きな誘電率を有するポリシラン中で安定化され、結果的
に分極状態にある微粒子とポリシランの電子との相互作
用により屈折率が大きく変化し、極めて非線形光学特性
の優れたポリシラン組成物を得ることができる。しかも
本発明においては、このとき生成したプラズモンあるい
は励起子はポリシランとの相互作用によってポリシラン
の主鎖を活性化し、ポリシランの反応性を高める。従っ
て、ポリシランの分解、揮発あるいは結晶状態やコンフ
ォメーションの変化等が、ポリシランのSi−Si結合のσ
電子を励起させるために必要なエネルギーよりも低エネ
ルギーの光照射で生じることになり、結果として本発明
のポリシラン組成物からなるパターンや、本発明の非線
形光学素子における光導波部等の形成を容易に行なうこ
とが可能となる。
【0047】本発明のポリシラン組成物を得るには、一
般的には、まず基板上に回転塗布法、LB法等によりポ
リシラン薄膜、好ましくはポリシラン単分子膜を形成
し、次いでこのポリシラン薄膜上に導体又は半導体の微
粒子をスパッタ又は蒸着する工程を繰り返すことによ
り、基板上に直接ポリシラン組成物の膜を形成するか、
あるいは基板上にポリシラン薄膜を形成し、次いでこの
ポリシラン薄膜上に導体又は半導体の微粒子をスパッタ
又は蒸着して、さらに所望によりこの上に再度ポリシラ
ン薄膜を形成した後、基板上のポリシラン薄膜を溶媒に
溶解、撹拌して溶液中でポリシラン組成物を調製し、必
要に応じ得られた溶液から溶媒を留去、再沈等の方法で
除去すればよい。さらに本発明において、前述したよう
な親水基が側鎖に導入された両親媒性を有するポリシラ
ン中に導体又は半導体の微粒子が分散される場合は、ポ
リシランの溶液中で直接本発明のポリシラン組成物を得
ることができる。具体的には、まずポリシランと金属塩
等微粒子の出発原料との混合溶液を調製し、液中でこの
出発原料を還元等の方法で化学的に反応させて微粒子を
析出せしめ、この後に溶媒を留去、再沈等の方法で除去
するかあるいはこの際に電気泳動によって電極上に分散
物を濃縮させて組成物の膜を形成することにより、又は
ポリシランの多孔質膜で被覆された電極を用いて電解反
応を行ない、ポリシラン中に微粒子を電気化学的に析出
させることにより、本発明のポリシラン組成物が調製さ
れ得る。
【0048】次に、本発明の非線形光学素子を図面を参
照して説明する。図1は、本発明の非線形光学素子の一
例を示す斜視図である。図示される通りここでの非線形
光学素子は、例えば石英やガラス等からなる基板1上に
おいて、上述したようなポリシラン組成物で形成された
コア2が配置され、コア2の周囲には入射側の光導波路
3,4と出射側の光導波路5,6,7が形成されてい
る。さらに、これらコア2及び光導波路3,4,5,
6,7からなる光導波部の周囲には、光導波部と屈折率
が異なるクラッド層8が一般的に設けられる。ただし本
発明の非線形光学素子は、光導波部を全てポリシラン組
成物で形成されたコアとしてもよく、また光導波部の屈
折率が例えば空気の屈折率と大きく異なる場合は、特に
光導波部の周囲にクラッド層を設ける必要もない。
【0049】尚本発明では、光導波路3,4,5,6,
7をポリシラン又はポリシラン組成物で形成すれば、以
下に示すようにクラッド層8を容易に設けることがで
き、ひいては極めて簡略に非線形光学素子を作成するこ
とが可能となる。すなわち、ポリシランは可視光領域の
光に対して透明であるうえ、通常酸素の存在する雰囲気
下紫外光を照射することにより、容易に酸化されて屈折
率の異なるシロキサン化合物が生成する。従って、例え
ば基板1全面にポリシラン又はポリシラン組成物の薄膜
を形成した後、マスク等を通して所定の領域を紫外光で
露光すれば、未露光部をポリシランを主体とするコア2
及び光導波路3,4,5,6,7、露光部をシロキサン
化合物を主体とするクラッド層8とすることができる。
さらに本発明においては、コア2中のポリシランを架橋
剤で二次元化又は三次元化して硬化せしめ、コア2の強
度を向上させることが好ましい。
【0050】ここで、図1に示した非線形光学素子を具
体的に動作させるには、図示しない変調可能なレーザ光
源からのレーザ光が光ファイバー9を通して光導波路
3,4に入射される。このとき、光導波路3,4にレー
ザ光がそれぞれ単独で入射されると、光導波路5,6か
ら各レーザ光がそのまま出射される。一方、レーザ光が
光導波路3,4に同時に入射されると、2つのレーザ光
の光軸がポリシラン組成物で形成されたコア2で交差す
るので、ポリシラン組成物の有する優れた非線形光学特
性に基づき、2つのレーザ光の光軸の交差点で電子的な
格子が形成される。従って、例えば光導波路3に入射さ
れたレーザ光はコア2を通過する際この電子的な格子に
よって回折され、回折光が光導波路7から出射されて図
示しない光検知器で検出することが可能となる。
【0051】すなわち図1に示した非線形光学素子にお
いては、光導波路3,4に光が同時に入射されたときは
回折光が光導波路7から出射されるが、光導波路4に光
が入射されない場合は光導波路3に入射された光は回折
されることなく、光は光導波路5のみから出射され光導
波路7から回折光は出射されない。このため光導波路3
に常時光を入射しつつ、光導波路7からの出射光のオン
オフを光導波路4への入射光のオンオフで制御する光ス
イッチング素子として、好ましく適用できる。また上述
したように、光導波路3,4に同時に光が入射されたと
きに限り光導波路7から光が出射され、光導波路3,4
のいずれかのみに光が入射されても光導波路7から光は
出射されないので、例えば光導波路7からの出射光を検
出する光検知器を付設すれば、導波路3,4への光の入
射を2つの条件としたand回路として良好に機能す
る。さらに、本発明の非線形光学素子はこの他にも、位
相共役ミラー、超高速スペクトロスコピー、実時間ホロ
グラム、暗号変換素子等への応用が期待できる。
【0052】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 実施例1 まず、石英基板上に下記一般式で示されるポリシランの
薄膜を厚さ50nmとなるように回転塗布法により形成
し、次いでこのポリシラン薄膜上に金の微粒子をスパッ
タした後、金の微粒子が付着したポリシラン薄膜をトル
エン溶媒に溶解、撹拌し本発明のポリシラン組成物のワ
ニスを調製した。尚このポリシラン組成物では、粒径2
0〜50オングストロームの金の微粒子がポリシランに
対し8体積%分散されていることが、透過型電子顕微鏡
で確認された。
【0053】
【化40】
【0054】次に、上述したようなポリシラン組成物の
ワニスを石英基板上に回転塗布し乾燥後、得られたポリ
シラン組成物の薄膜について三次の非線形光学定数を縮
退四波混合法により測定した結果、χ(3) =7.8×1
-10 esu であった。一方参考のため上記一般式で示さ
れるポリシランの薄膜について、同様に三次の非線形光
学定数を測定したところχ(3) =4.2×10-12 esu
であり、本発明のポリシラン組成物では、ポリシラン中
に上述したような微粒子を分散させることにより、優れ
た非線形光学特性が得られることが確認された。 実施例2 まず、下記一般式で示されるポリシラン10mgのエタノ
ール溶液20mlに、塩化パラジウム(II)39mgのメ
タノール溶液30ml及び還元剤としての水素化ホウ素ナ
トリウム4.5 mgのエタノール溶液30mlを撹拌しながら
滴下した。滴下とともに、パラジウムの析出により黒濁
したコロイド溶液が得られた。続いて溶媒を留去して濃
縮した後、コロイド溶液を多量の水の中に徐々に滴下
し、生じた沈殿を濾別、乾燥することにより、本発明の
ポリシラン組成物を得た。尚このポリシラン組成物で
は、粒径80〜150オングストロームのパラジウムの
微粒子がポリシランに対し7体積%分散されていること
が、透過型電子顕微鏡で確認された。
【0055】
【化41】
【0056】次に、上述したようなポリシラン組成物を
エタノールに溶解させてワニスを調製し、このワニスを
石英基板上に回転塗布して乾燥後、得られたポリシラン
組成物の薄膜について三次の非線形光学定数を縮退四波
混合法により測定した。この結果、χ(3) =8.5×1
-10 esu と優れた非線形光学特性を有していることが
確認された。 実施例3 ポリシラン薄膜上に金の微粒子をスパッタするかわりに
CdSの微粒子をスパッタした以外は、実施例1と同様
にして本発明のポリシラン組成物のワニスを調製した。
得られたポリシラン組成物では、粒径20〜50オング
ストロームのCdSの微粒子がポリシランに対し20体
積%分散されていることが透過型電子顕微鏡で観察され
た。
【0057】次に、上述したようなポリシラン組成物の
ワニスを石英基板上に回転塗布し乾燥後、得られたポリ
シラン組成物の薄膜について三次の非線形光学定数を縮
退四波混合法により測定した。この結果、χ(3) =2.
3×10-8esu と優れた非線形光学特性を有しているこ
とが確認された。 実施例4 まず、下記一般式で示されるポリシラン15mgと三塩化
金5mgのジメチルホルムアミド溶液100mlに、還元液
として35重量%ホルマリン10mlと2N水酸化カリウ
ム水溶液95mlの混合溶液2mlを室温で撹拌しながら滴
下した。続いて、さらに1分間程度室温で撹拌した後、
水30mlを滴下し約5分間撹拌した。次いで、塩化ナト
リウム4gを添加して再び室温で撹拌し、生じた沈殿を
濾別、水洗、真空乾燥することにより、本発明のポリシ
ラン組成物13mgを得た。尚このポリシラン組成物は紫
色を呈し、平均粒径70オングストロームの金の微粒子
がポリシランに対し5体積%分散されていることが、透
過型電子顕微鏡で確認された。
【0058】
【化42】
【0059】次に、上述したようなポリシラン組成物を
ジメチルホルムアミドに溶解させてワニスを調製し、こ
のワニスを石英基板上に塗布、乾燥して膜厚2μmのキ
ャスト膜を形成した。次いでこのキャスト膜に対し、外
気と遮断された容器内でホルマリンと塩酸の近傍に保持
し、架橋剤としてのホルムアルデヒド及び触媒としての
塩化水素の蒸気に晒すことにより、硬化処理を施した。
得られたポリシラン組成物の硬化膜について、三次の非
線形光学定数を波長560nmのレーザ光を光源とした
縮退四波混合法により測定した結果、χ(3) =1.2×
10-8esu 、χ(3) /α〜10-11 esu ・cm(ただし、
αは吸光度を示す)であり、またスイッチング速度も7
×10-14 sec 程度と高い非線形応答速度を示し、優れ
た非線形光学特性を有することが判った。一方参考のた
め上記一般式で示されるポリシランの硬化膜について、
同様に三次の非線形光学定数を測定したところχ(3)
3.7×10-12 esu 、χ(3) /α=10-13 〜10
-12 esu ・cmであり、本発明のポリシラン組成物では、
ポリシラン中に上述したような微粒子を分散させること
により、優れた非線形光学特性が得られることが確認さ
れた。また、膜厚を20μmとした以外は同様のキャス
ト膜の一部を高圧水銀ランプで7mW/cm2露光し、
露光部及び未露光部の屈折率を測定したところそれぞれ
1.46、1.62であり、上述したようなポリシラン
組成物の薄膜では、所定の領域を露光すれば互いに屈折
率の異なる光導波部及びクラッド層を容易に形成できる
ことが確認された。
【0060】さらに本実施例では、このポリシラン組成
物を用いて図1に示されるような光スイッチング素子を
作成した。具体的には、まず膜厚を100μmとした以
外は同様のキャスト膜について、中央部以外を高圧水銀
ランプでマスクを通して7mW/cm2 ×3分露光し
た。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
2.38重量%水溶液で露光部を除去した後、外気と遮
断された容器内でホルマリンと塩酸の近傍に保持し、架
橋剤としてのホルムアルデヒド及び触媒としての塩化水
素の蒸気に晒すことにより硬化処理を施し、石英基板上
にコアを形成した。次に、コアの周囲に下記一般式で示
されるポリシランのトルエン溶液を塗布、乾燥して光導
波路となる膜厚40μmのキャスト膜を形成し、大気中
所定の領域にマスクを通して高圧水銀ランプを7mW/
cm2 ×3分露光してポリシランを酸化させ、未露光部
を光導波路、露光部をクラッド層とした。最後に、全面
に水性アクリルエマルジョンを塗布、乾燥し上部クラッ
ド層を形成して、光スイッチング素子を得た。
【0061】
【化43】
【0062】得られた光スイッチング素子について、波
長560nmの色素レーザ光を用いて動作試験を行なっ
たところ、and回路として良好に機能することが確認
された。 比較例 まずpoly-4-BCMU (ポリ−{5,7−ドデカジイン−
1,12−ジオール−ビス[((n−ブトキシカルボニ
ル)メチル)ウレタン]})をテトラヒドロフランに溶
解させてワニスを調製し、このワニスを石英基板上に塗
布して乾燥後、得られたキャスト膜について三次の非線
形光学定数を波長560nmのレーザ光を光源とした縮
退四波混合法により測定した。この結果、χ(3) 〜10
-10 esu 、χ(3) /α〜10-12 esu ・cmであり、非線
形光学特性は不充分であることが判った。
【0063】次に、poly-4-BCMU 5mgのテトラヒドロフ
ラン溶液3l に、アセトン中に金3mgが分散した金コロ
イド溶液100mlを添加して混合した後、溶媒を留去し
て金の微粒子がpoly-4-BCMU 中に均一に分散されてなる
組成物を得た。尚この組成物では、粒径50〜200オ
ングストロームの金の微粒子がpoly-4-BCMU に対し5体
積%分散されていることが、透過型電子顕微鏡で確認さ
れた。続いて、上述したような組成物をテトラヒドロフ
ランに溶解させてワニスを調製し、このワニスを石英基
板上に塗布して乾燥後、得られたキャスト膜について三
次の非線形光学定数を縮退四波混合法により測定したと
ころ、χ(3) =9.2×10-9esu、χ(3) /α=〜
10-12 esu ・cmであり、またスイッチング速度も3×
10-11程度であった。すなわちpoly-4-BCMU の場合
は、金の微粒子を分散させた組成物でも非線形光学特性
は充分ではなかった。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、三
次の非線形光学定数が大きく高い非線形応答速度を示
し、優れた非線形光学特性を有するポリシラン組成物を
提供することができ、またこのポリシラン組成物を用い
れば、光導波部及びクラッド層を具備する非線形光学素
子を極めて簡略に作成することが可能となり、その工業
的価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の非線形光学素子の一例を示す斜視
図。
【符号の説明】
1…基板、2…コア、3,4,5,6,7…光導波路、
8…クラッド層、9…光ファイバー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村井 伸次 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 早瀬 修二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 下記一般式(1)で示される反復単
    位を有するポリシランと、(b) 導体及び半導体からな
    る群より選ばれた少なくとも1種の微粒子を含有するこ
    とを特徴とするポリシラン組成物。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は夫々独立に水素原子、炭素数1
    〜24の置換もしくは非置換アルキル基、炭素数6〜2
    4の置換もしくは非置換アリール基、または炭素数7〜
    24の置換もしくは非置換アラルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】上記一般式(1)中のR1 及びR2 の少な
    くとも一方が水酸基、アミノ基、カルボン酸基、エーテ
    ル結合、アミド結合、エステル結合、カルバメート結合
    及びカーボネート結合からなる群より選ばれた少なくと
    も1種を有する親水基で一部置換されたことを特徴とす
    る請求項1記載のポリシラン組成物。
  3. 【請求項3】(a) 下記一般式(1)で示される反復単
    位を有するポリシランと、(b) 導体及び半導体からな
    る群より選ばれた少なくとも1種の微粒子を含有するポ
    リシラン組成物で少なくとも一部が形成されてなる光導
    波部を具備することを特徴とする非線形光学素子。 【化2】 (式中、R1 及びR2 は夫々独立に水素原子、炭素数1
    〜24の置換もしくは非置換アルキル基、炭素数6〜2
    4の置換もしくは非置換アリール基、または炭素数7〜
    24の置換もしくは非置換アラルキル基を表す。)
  4. 【請求項4】上記一般式(1)中のR1 及びR2 の少な
    くとも一方が水酸基、アミノ基、カルボン酸基、エーテ
    ル結合、アミド結合、エステル結合、カルバメート結合
    及びカーボネート結合からなる群より選ばれた少なくと
    も1種を有する親水基で一部置換されたことを特徴とす
    る請求項3記載の非線形光学素子。
JP32488493A 1993-03-04 1993-12-22 ポリシラン組成物及び非線形光学素子 Pending JPH06313113A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0763753A3 (en) * 1995-09-13 1997-12-29 Toshiba Silicone Co., Ltd. Polysilane optical device

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EP0763753A3 (en) * 1995-09-13 1997-12-29 Toshiba Silicone Co., Ltd. Polysilane optical device

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