JPH06313083A - 塩化ビニル樹脂組成物及び農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

塩化ビニル樹脂組成物及び農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

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JPH06313083A
JPH06313083A JP5105352A JP10535293A JPH06313083A JP H06313083 A JPH06313083 A JP H06313083A JP 5105352 A JP5105352 A JP 5105352A JP 10535293 A JP10535293 A JP 10535293A JP H06313083 A JPH06313083 A JP H06313083A
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JP
Japan
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vinyl chloride
weight
chloride resin
parts
acid
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JP5105352A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Kusano
哲也 草野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱(老化)性、耐候性及びブリード性に優
れた耐熱性塩化ビニル樹脂組成物を得る。 【構成】 下記の一般式(I)又は(II)で示される
可塑剤と、三塩基性硫酸鉛PbO・PbSO4 ・H
2 O、及び金属がナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、バリウム、ジルコウム又は亜鉛である
有機酸金属塩化合物の少なくとも1種を含む安定剤とを
配合してなる耐熱性塩化ビニル樹脂組成物。 但し、式中、R1 、R2 、R3 、R4 は同種又は異種で
あり、炭素数4〜12の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル
基。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル樹脂組成物
及び農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに関し、特に、耐
熱性、耐候性及びブリード性等が、特定の可塑剤を配合
することにより改良された耐熱性塩化ビニル樹脂組成物
及び農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル樹脂は安価な熱可塑性
樹脂であるため、幅広く用いられており、特に、可塑剤
を加えて可塑化した軟質塩化ビニル樹脂は、機械的、電
気的及び化学的安定性に優れており、さらに可塑性をも
有するため、電気絶縁材料として広く用いられてきてい
る。しかしながら、従来の軟質塩化ビニル樹脂の連続使
用上限温度は、60℃程度であった。また、軟質塩化ビ
ニル樹脂の耐熱性を高めるために、可塑剤としてトリメ
リット酸及びピロメリット酸等の低揮発性のものを用い
ることにより、連続使用上限温度を高めた塩化ビニル樹
脂組成物も使用されていた。しかしながら、上記のよう
な可塑剤を用いたとしても、耐熱性は充分ではなく、使
用温度は110℃程度が限度であった。
【0003】そこで、特公昭47−31094号には、
より一層耐熱性を高め、120℃程度でも連続使用し得
る塩化ビニル樹脂組成物として、可塑剤として下記の一
般式で示されるベンゾフェノンテトラカルボン酸エステ
ルを用いたものが提案されている。
【0004】
【化4】
【0005】なお、上記式中、R1 〜R4 は、炭素数8
〜10のアルキル基、アリル基又はシクロアルキル基と
されている。しかしながら、上記ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸エステルを配合してなる塩化ビニル系樹脂組
成物は、耐熱性こそ高め得るものの、電線及び自動車部
品等の用途を中心とした軽量化及び薄肉化用途に用いた
場合には耐熱性は充分でなく、耐候性及びブリード性等
も充分でないという問題があった。
【0006】他方、近年、有用植物の栽培効率を高める
ために、ハウス内又はトンネル内における促成栽培が盛
んに行われている。この種のハウス又はトンネルに用い
られて被覆材料としては、ポリエチレンフィルム、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリカーボネート
フィルム又は塩化ビニル系樹脂フィルム等が使用されて
いる。
【0007】特に、可塑剤を配合した農業用塩化ビニル
系樹脂フィルムは、他の合成樹脂フィルムに比べ、耐候
性、透明性、保温性及び機械的強度において優れている
ため、広く用いられている。
【0008】また、紫外線の透過を防止することによ
り、植物病原菌又はアブラムシ等の害虫の発生を抑制し
得ることが知られている。しかしながら、紫外線の透過
を確実に防止するには、相当量の紫外線吸収剤を添加す
る必要があり、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムにおい
て上記のように相当量の紫外線吸収剤を添加した場合に
は、経時により配合剤、特に紫外線吸収剤がブリードア
ウトするという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、少な
くとも120℃の温度で連続使用し得るだけでなく、耐
候性及びブリード性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物、
並びに耐候性、保温性、機械的強度及び耐熱性だけでな
く、フィルム使用時における紫外線吸収剤のブリードア
ウトの発生を抑制し得る農業用塩化ビニル系樹脂フィル
ムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、塩化ビニル樹脂に対して、可塑剤として下記の一般
式(I)で示されるベンゾフェノンテトラカルボン酸テ
トラエステル又は下記の一般式(II)で示されるオキ
シジフタル酸テトラエステルを用い、さらに安定剤とし
て三塩基性硫酸鉛PbO・PbSO4 ・H2 Oと、金属
がナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、
バリウム、ジルコニウム又は亜鉛である有機酸金属塩化
合物の少なくとも一種とを含むものを用いることによ
り、上記課題を解決するものである。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】なお、上記一般式(I)及び(II)にお
いて、R1 、R2 、R3 、及びR4は、同種であっても
よく、あるいは異種であってもよく、炭素数4〜12の
直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基である。
【0014】また、上記安定剤は、塩化ビニル樹脂組成
物を安定化するために配合されているが、好ましくは、
塩化ビニル樹脂100重量部に対し、0.5〜15重量
部の範囲で配合される。
【0015】上記一般式(I)で表されたベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸テトラエステルとしては、例えば、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸3,3’,4,4’−
テトラ−n−ブチル、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
3,3’,4,4’−テトラ−n−ヘキシル、ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸3,3’,4,4’−テトラ−
n−オクチル、ベンゾフェノンテトラカルボン酸3,
3’,4,4’−テトライソノニル、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸3,3’,4,4’−テトライソデシ
ル、ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラ−2−エチ
ルヘキシル並びに上記のものの混基エステル及び混合エ
ステル等が挙げられる。
【0016】上記ベンゾフェノンテトラカルボン酸テト
ラエステルは、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物あるいはベンゾフェノンテトラカルボン酸と、対応す
る脂肪族アルコール、すなわち式(III)
【0017】
【化7】
【0018】で表されるアルコール(但し、式(II
I)において、Rは炭素数4〜12の直鎖状または分枝
鎖状のアルキル基である。)又はこのようなアルコール
の混合物からなる群から選択したアルコールとのエステ
ル化反応によって製造し得る。
【0019】また、上記一般式(II)で示したオキシ
ジフタル酸テトラエステルとしては、例えば、オキシジ
フタル酸3,3’,4,4’−テトラ−n−ブチル、オ
キシジフタル酸3,3’,4,4’−テトラ−n−ヘキ
シル、オキシジフタル酸3,3’,4,4’−テトラ−
2−エチルヘキシル、オキシジフタル酸3,3’,4,
4’−テトラ−n−オクチル、オキシジフタル酸3,
3’,4,4’−テトライソノニル、オキシジフタル酸
3,3’4,4’−テトライソデシル並びに上記のもの
の混基エステル及び混合エステル等が挙げられる。
【0020】本発明のオキシジフタル酸テトラエステル
は、オキシジフタル酸二無水物あるいはオキシジフタル
酸と、対応する脂肪族アルコール、すなわち、上述の式
(III)で示した脂肪族アルコール又はこのようなア
ルコールの混合物からなる群から選択したアルコールと
のエステル化反応によって製造し得る。
【0021】ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラエ
ステル及びオキシジフタル酸テトラエステルを得るため
の上記エステル化反応が起こる条件は公知であり、温度
及び圧力は、共に広範囲に渡り変わり得る。一般に約8
0℃〜250℃の範囲の温度が用いられるが、160℃
〜230℃の温度が好ましい。反応物の熱分解を最小に
するため、一般に、230℃を超える高温は避けるべき
である。
【0022】上記エステル化反応は、溶剤又は反応中に
生成する水を除去するための添加溶剤を用いて又は用い
ないで行うことができる。適当な添加溶剤としては、脂
肪族又は芳香族炭化水素、例えばデカン、ドデカンなど
のC10〜C16パラフィン、例えばベンゼン、トルエン、
キシレン等のC6 〜C12芳香族炭化水素が含まれる。添
加溶剤を用いる場合、添加溶剤の使用量は、通常、反応
混合物の約3〜30重量%、好ましくは5〜10重量%
の範囲が好ましい。
【0023】また、上記ベンゾフェノンテトラカルボン
酸テトラエステル及びオキシジフタル酸テトラエステル
の塩化ビニル樹脂への配合量は、フィルム厚等に応じて
異なるが、好ましくは塩化ビニル樹脂100重量部に対
し1〜200重量部の範囲であり、より好ましくは、3
0〜150重量部の範囲とされる。
【0024】また、上記ベンゾフェノンテトラカルボン
酸テトラエステル又はオキシジフタル酸テトラエステル
を可塑剤として使用するにあたって、他の市販の公知の
可塑剤を併用してもよい。この場合、市販の可塑剤の使
用量は、所望とする性質によって広範囲に変更され得
る。もっとも、市販の可塑剤の使用量は、塩化ビニル樹
脂100重量部に対し、1〜100重量部、好ましくは
10〜70重量部の範囲とすることが望ましい。
【0025】請求項1に記載の発明では、安定剤とし
て、上記三塩基性硫酸鉛3PbO・PbSO4 ・H2
が用いられるが、この三塩基性硫酸鉛は、塩化ビニル樹
脂の安定剤として従来より公知のものであるが、請求項
1に記載の発明では、該三塩基性硫酸鉛と、下記の有機
酸金属塩化合物とが安定剤として用いられる。
【0026】本発明において用いられる安定剤である有
機酸金属塩化合物はいわゆる金属石鹸であり、この金属
石鹸を構成する金属としては、ナトリウム、カリウム、
マグネシウム、カルシウム、バリウム、ジルコニウム又
は亜鉛である。中でも、金属が、バリウム−亜鉛、カル
シウム−亜鉛の組み合わせが良好である。この金属と結
合する有機酸残基を構成するための有機酸としては、カ
ルボン酸、フェノール酸等が挙げられる。
【0027】カルボン酸としては、炭素数2〜22の飽
和脂肪族カルボン酸又は不飽和脂肪族カルボン酸、炭素
数7〜16の脂環式カルボン酸、炭素数2〜10のヒド
ロキシ酸及びアルコキシ酸等があり、その具体的な例と
しては、ヘキサン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン
酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、リノール酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、安息香酸、トルイル
酸、キシリル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、ケイ皮酸、ニコチン酸、サリチル酸、又はこれらの
混合カルボン酸が挙げられる。
【0028】また、炭素数6〜24のフェノール類も有
用であり、例えば、フェノール、メチルフェノール、ジ
メチルフェノール、エチルフェノール、ノニルフェノー
ル、デシルフェノール、ドデシルフェノール等が挙げら
れる。
【0029】これらの有機酸残基と前記金属と結合した
有機酸金属塩化合物は、酸性塩又は中性塩であってもよ
く、さらには金属が化学当量以上に結合した塩基性塩も
しくは過塩基性塩であってもよい。
【0030】また、上記可塑剤含有樹脂組成物中には、
目的に応じて充填剤、クレー、顔料、光安定剤、熱安定
剤、酸化防止剤及び潤滑剤等の通常の添加剤を混合する
ことも可能である。さらに通常用いられる安定剤の他に
有機亜鉛酸エステル、置換フェノールのような補助安定
剤も同様に使用できる。通常用いられる充填剤及び顔料
としては、炭酸カルシウム、珪酸塩、酸化チタン等が挙
げられる。
【0031】これらの樹脂添加剤は、通常の含有量、例
えば前記塩化ビニル樹脂100重量部に対し、10重量
部以下の範囲で配合し得る。請求項2に記載の発明 請求項2に記載の発明は、塩化ビニル系樹脂100重量
部に対し、上述した一般式(I)で示される可塑剤1〜
200重量部、紫外線吸収剤を0.01〜3重量部含有
する農業用塩化ビニル系樹脂フィルムであり、それによ
って上記課題を達成するものである。
【0032】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の発明と同様に、塩化ビニル樹脂に対し、上記
一般式(I)で示される可塑剤が用いられており、それ
によって請求項1に記載の発明と共通する。従って、上
記可塑剤については、請求項1に記載についての発明の
説明を援用することにより、省略する。
【0033】請求項2に記載の発明における塩化ビニル
系樹脂とは、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルを主体とした
他のモノマーとの共重合体、これらの混合物又はこれら
と他の共重合体との混合物を広く含むものとする。
【0034】請求項2に記載の発明において、上記可塑
剤の塩化ビニル系樹脂への配合量は、フィルム厚等に応
じて異なるが、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
1〜200重量部の範囲であり、好ましくは、30〜1
50重量部の範囲とされる。
【0035】また、上記一般式(I)又は(II)の可
塑剤を用いるにあたっては、請求項1に記載の発明の場
合と同様に、他の市販の公知の可塑剤を併用することが
できる。この場合には、市販の可塑剤の使用量は、所望
とする性質によって広範囲に変更し得るが、市販の可塑
剤の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
1〜110重量部、好ましくは10〜70重量部の範囲
とすることが望ましい。
【0036】請求項2に記載の発明において用いられる
紫外線吸収剤としては、従来より公知の種々の紫外線吸
収剤を用い得るが、好ましくは、ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤が用いられる。
【0037】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、例えば、2−(2’−ハイドロキシ−5’−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロ
シキ−5’−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチル
エステルベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキ
シ−5’−メチルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−メチ
ルフェニル)−5−エチルスルホンベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ハイドロキシ−5’−t−ブチルフェ
ニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2−(2’−
ハイドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−アミルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。また、そ
の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり、
0.01〜3重量部である。
【0038】また、多くの場合、上記可塑剤含有樹脂組
成物中には、充填剤、クレー、顔料、光安定剤、熱安定
剤、酸化防止剤、潤滑剤等のような通常の添加剤を混合
することが好ましい。通常用いられる安定剤として、三
塩基硫酸鉛、二塩基フタル酸塩、石炭酸バリウム,カド
ミウム及び亜鉛のオクタン酸塩、ラウリン酸塩及び他の
金属石鹸が用いられる。例えば、有機亜鉛酸エステル、
置換フェノールのような補助安定剤も同様に使用するこ
とがでる。通常用いられる充填剤及び顔料には、炭酸カ
ルシウム、珪酸塩、酸化チタン等が含まれる。
【0039】これらの樹脂添加剤は、通常の含有量、例
えば前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、10重
量部以下の範囲で配合し得る。基材となる塩化ビニル系
樹脂に各種樹脂添加剤を配合するには、通常の配合及び
混合技術、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等の
配合機及び混合機が用いられる。塩化ビニル系樹脂をフ
ィルム化するには、公知の方法、例えば溶融押出し法、
カレンダー法等を用いればよい。
【0040】本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィ
ルムの厚さは、あまり薄いと強度が不十分で好ましくな
く、逆に厚すぎるとフィルム化作業に不便をきたす、あ
るいは透明性に劣る等の不都合を生じるため、0.03
〜0.2mmの範囲が好ましい。
【0041】
【作用】請求項1に記載の発明では、上記特定の可塑剤
と上記特定の安定剤とが、塩化ビニル樹脂に対して配合
されているため、後述の実施例から明らかなように、耐
熱性、耐候性及びブリード性が高められ、少なくとも1
20℃の温度で連続使用することができる耐熱性塩化ビ
ニル樹脂組成物が提供される。
【0042】また、請求項2記載の発明では、上記特定
の可塑剤及び紫外線吸収剤が、上記特定の割合で塩化ビ
ニル系樹脂に対して配合されて塩化ビニル系樹脂フィル
ムが構成されているため、充分な耐候性、保温性、耐熱
性及び機械的強度を維持し得るだけでなく、紫外線吸収
剤等のブリードアウトの発生も効果的に抑制される。
【0043】
【実施例】以下、本発明についての非限定的な実施例を
説明する。 1)ベンゾフェノン誘導体の合成例 3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸テトラ−n−オクチルの合成 温度調節機、攪拌機及び水分離器を備えた四ツ口フラス
コ(容量2000mL)に、3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物322g(1.0
モル)、n−オクチルアルコール651g(5.0モ
ル)及びチタンテトラブトキシド1.0gを仕込み、内
容物を攪拌しながら、200℃に昇温し、エステル化反
応で生成する水を留出させ、水分離器で分離除去しなが
ら、5時間、エステル化反応を行った。
【0044】エステル化反応終了後、炭酸ナトリウム2
重量%水溶液150mLで2回洗浄し、次いで、水30
0mLで洗浄を行った。その後、反応液から未反応のn
−オクチルアルコールを蒸留によって除去した。最後
に、蒸留によって得られた生成物を活性白土によって脱
色精製し、茶褐色の粘稠な液体を739.0g得た。収
率は91.7%であった。 3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸テトラ−2−エチルヘキシルの合成 で用いたn−オクチルアルコール651gを、2−エ
チルヘキシルアルコール651g(5.0モル)に変更
したこと以外は同様にして、茶褐色の粘稠な液体を74
2.0g得た。収率は92.0%であった。 3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸−n−テトラデシルの合成 で用いたn−オクチル
アルコール651gを、n−デシルアルコール792g
(5.0モル)に変更したこと以外は同様にして、茶褐
色の粘稠な液体を902.5g得た。収率は98.3%
であった。
【0045】2)オキシジフタル酸エステル誘導体の合
成例 3,3’4,4’−オキシジフタル酸テトラ−n−オ
クチルの合成 温度調節機、攪拌機、水分離器を備えた四ツ口フラスコ
(容量2000mL)に、3,3’4,4’−オキシジ
フタル酸二無水物310g(1.0mol)、n−オク
チルアルコール651g(5.0mol)及びチタンテ
トラブトキシド1.0gを仕込み、内容物を攪拌しなが
ら、200℃に昇温し、エステル化反応で生成する水を
留出させ水分離器で分離除去しながら、5時間、エステ
ル化反応を行った。エステル化反応終了後、炭酸ナトリ
ウム(2重量%)150mLで2回洗浄し、次いで、水
300mLで洗浄を行った。その後、反応液から未反応
のn−オクチルアルコールを蒸留によって除去した。最
後に、蒸留によって得られた生成物を活性白土によって
脱色精製し、粘稠な透明液体を得た。また、その収率は
99.9%であった。 3,3’,4,4’−オキシジフタル酸−n−テトラ
デシルの合成 で用いたn−オクチルアルコール651gを、n−デ
シルアルコール792g(5.0モル)に変更したこと
以外は同様にして、粘稠な透明液体を得た。収率は9
9.9%であった。
【0046】上記1)及び2)で合成された各可塑剤を
用い、下記の実施例1〜5及び比較例1〜4の耐熱性塩
化ビニル樹脂フィルムを作製した。実施例1〜3 ポリ塩化ビニル(平均重合度1300) 100重量部 可塑剤(表1参照) 50重量部 三塩基性硫酸鉛 5重量部 Ba−Zn系粉末安定剤 2重量部 ヒンダードフェノール系酸化防止剤 0.5重量部実施例4〜5 ポリ塩化ビニル(平均重合度1300) 100重量部 可塑剤(表1参照) 50重量部 三塩基性硫酸鉛 5重量部 Ba−Zn系粉末安定剤 2重量部 ヒンダードフェノール系酸化防止剤 0.5重量部比較例1 ポリ塩化ビニル(平均重合度1300) 100重量部 ジオクチルフタレート 50重量部 三塩基性硫酸鉛 5重量部 Ba−Zn系粉末安定剤 2重量部 ヒンダードフェノール系酸化防止剤 0.5重量部比較例2 ポリ塩化ビニル(平均重合度1300) 100重量部 トリメリット酸トリ−n−オクチル 50重量部 三塩基性硫酸鉛 5重量部 Ba−Zn系粉末安定剤 2重量部 ヒンダードフェノール系酸化防止剤 0.5重量部比較例3 ポリ塩化ビニル(平均重合度1300) 100重量部 トリメリット酸トリ−n−オクチル 50重量部 エポキシ化大豆油 2重量部 Ba−Zn系液状安定剤 2重量部 ヒンダードフェノール系酸化防止剤 0.5重量部 上記実施例1〜5及び比較例1〜3の各基本組成に対
し、下記の表1に示すようにそれぞれ可塑剤を配合し、
卓上小型ニーダーで10分間混合した。得られた混合物
を190℃に加熱された6インチロールで混練し、次に
卓上プレス機を用い、190℃、150kgf/cm2
の条件でフィルム化し、実施例1〜5及び比較例1〜3
の8種のフィルムを作成した。
【0047】
【表1】
【0048】上記のようにした得た8種類のフィルムに
つき、以下の方法により評価を行った。評価 得られたフィルムを、136℃×168時間及び154
℃×168時間の各条件で、ギアオーブン中で加熱した
後、揮発損失、伸び残率、抗張力残率及び100%M残
率を測定した。結果を下記の表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】なお、表2において、−−−は測定不可能
であったことを示す。表2から明らかなように、実施例
1〜5の塩化ビニル樹脂組成物により得られたフィルム
では、136℃及び154℃といった高温環境の下に置
かれた後においても、揮発損失が少なく、伸び残率、抗
張力残率及び100%M残率のいずれにおいても優れた
特性を示すことがわかる。
【0051】次に、上述した可塑剤を用い、農業用塩化
ビニル系樹脂フィルムを、実施例6〜8として作製し、
比較例4〜6の塩化ビニル系樹脂フィルムとともに評価
した。
【0052】実施例6〜8及び比較例4〜6のフィルム
の作製は以下のようにして行った。実施例6〜8 ポリ塩化ビニル(平均重合度1300) 100重量部 可塑剤(表3参照) 50重量部 エポキシ樹脂 2重量部 Ba−Zn系液状安定剤 2重量部 Ba−Zn系粉末安定剤 1重量部 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール 0.1重量部比較例4〜6 ポリ塩化ビニル(平均重合度1300) 100重量部 ジオクチルフタレート 45重量部 トリクレジルホスファイト 5重量部 エポキシ樹脂 2重量部 Ba−Zn系液状安定剤 2重量部 Ba−Zn系粉末安定剤 1重量部 紫外線吸収剤(表4参照) 0.3重量部 下記の表3及び表4に示す可塑剤及び紫外線吸収剤を上
記のように配合し、ヘンシェルミキサーで10分間混合
した。得られた混合物を190℃に加熱された6インチ
ロールで混練し、次に190℃のカレンダー成形機によ
りフィルム化し、厚さ0.2mmの6種類のフィルム
(実施例6〜8及び比較例4〜6)を作成した。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】次に、得られた6種類のフィルムにつき、
以下の方法により評価した。 揮発損失…得られたフィルムをオーブン中で154℃
×168時間加熱し、揮発損失を測定した。
【0056】耐候性…得られたフィルムをJIS K
−6732に記載のウェザロ照射法により測定した。 全光線透過率…得られたフィルムをJIS K−71
05に準拠した全光線透過率を測定した。
【0057】紫外線吸収スペクトル…得られたフィル
ムの紫外線吸収スペクトルを、日立製作所製、U−32
10自記分光光度計を用いて測定した。 結果を下記の表5に示す。
【0058】
【表5】
【0059】なお、表5において、ブリードアウトを示
す評価記号は以下の意味を示す。 ○…良好 △…わずかにブリードが見られた ×…ブリード発生 従って、表5から明らかなように実施例6〜8で得られ
た塩化ビニル系樹脂フィルムでは、比較例4〜6で得ら
れたフィルムに比べて、揮発損失がはるかに少なく、ブ
リードアウトがほとんど見られず、従って、耐熱性及び
耐候性に優れていること並びにブリードアウトの発生を
効果的に抑制し得ることがわかる。
【0060】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る塩化ビニル
樹脂組成物では、上記特定の可塑剤及び特定の安定剤が
塩化ビニル樹脂に対して配合されているため、耐熱(老
化)性、耐候性及びブリード性に優れており、120℃
の温度でも連続使用することができる耐熱性塩化ビニル
樹脂組成物を提供することができ、電線及び自動車用部
品等の用途に適し、軽量化・薄肉化を促進することがで
きる。
【0061】また、請求項2に記載の発明では、上記特
定の可塑剤及び紫外線吸収剤が上記特定の割合で塩化ビ
ニル系樹脂に配合されているため、保温性及び耐熱性に
優れ、かつブリードアウトの発生を効果的に抑制するこ
とができ、さらに展張使用後の耐候性及び機械的強度に
優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを提供すること
ができる。従って、請求項2に記載の発明の農業用塩化
ビニル系樹脂フィルムは、施設園芸用被覆材として好適
に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6の塩化ビニル系樹脂フィルムの紫外線
吸収スペクトルを示す図。
【図2】実施例7の塩化ビニル系樹脂フィルムの紫外線
吸収スペクトルを示す図。
【図3】実施例3の塩化ビニル系樹脂フィルムの紫外線
吸収スペクトルを示す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル樹脂と、 下記の一般式(I)又は(II)で示される可塑剤と、 【化1】 【化2】 (式(I)及び(II)において、R1 、R2 、R3
    4 は同種又は異種であり、炭素数4〜12の直鎖状又
    は分枝鎖状のアルキル基である。)、 三塩基性硫酸鉛PbO・PbSO4 ・H2 O、及び金属
    がナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、
    バリウム、ジルコニウム又は亜鉛である有機酸金属塩化
    合物の少なくとも一種を含む安定剤とを含有することを
    特徴とする、塩化ビニル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    下記の一般式(I)で示される可塑剤を1〜200重量
    部、紫外線吸収剤を0.01〜3重量部含有する、農業
    用塩化ビニル系樹脂フィルム。 【化3】 (式(I)において、R1 、R2 、R3 及びR4 は同種
    又は異種であり、炭素数4〜12の直鎖状又は分枝鎖状
    のアルキル基である。)
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WO2019022356A1 (ko) * 2017-07-25 2019-01-31 주식회사 엘지화학 염화비닐계 중합체 및 이의 제조방법

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WO2019022356A1 (ko) * 2017-07-25 2019-01-31 주식회사 엘지화학 염화비닐계 중합체 및 이의 제조방법
KR20190011513A (ko) * 2017-07-25 2019-02-07 주식회사 엘지화학 염화비닐계 중합체 및 이의 제조방법

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