JPH06312976A - 安息香酸誘導体又はその塩 - Google Patents

安息香酸誘導体又はその塩

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JPH06312976A
JPH06312976A JP5124963A JP12496393A JPH06312976A JP H06312976 A JPH06312976 A JP H06312976A JP 5124963 A JP5124963 A JP 5124963A JP 12496393 A JP12496393 A JP 12496393A JP H06312976 A JPH06312976 A JP H06312976A
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salt
atom
acid
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JP5124963A
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Hiroshi Hara
弘 原
Susumu Igarashi
進 五十嵐
Masahiko Isaka
雅彦 伊坂
Hitoshi Nagaoka
均 長岡
Hiroshi Kamitoku
宏 神徳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式 [式中、R1a〜R1gは水素原子、低級アルキル基、
低級アルキニル基、ハロゲン原子、水酸基など、X
酸素原子又は硫黄原子、Xは酸素原子、硫黄原子又は
−NR−、Rは水素原子、低級アルキル基、(置
換)アリール基など、A環は下記の基など、 は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子などを
示す]で示される安息香酸誘導体又はその塩。 【効果】 上記化合物はテストステロン 5α−リダク
ターゼ阻害剤として有用であり、前立腺肥大、前立腺癌
等の治療に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬として有用な、更に
詳細には、テストステロン 5α−レダクターゼ阻害活
性を有する新規な安息香酸誘導体及びその製薬学的に許
容される塩に関する。
【0002】
【従来の技術】精巣および副腎より分泌されるテストス
テロン(TS)は、アンドロジェン標的細胞に取り込ま
れたのち、細胞内に存在する5α−レダクターゼの作用
を受けてジヒドロテストステロン(DHT)に還元され
る。このようにして生成されたDHTは、前立腺肥大お
よび前立腺癌の発生に密接な関係があると考えられてい
る。さらに、男性型脱毛症、▲座▼瘡や脂漏等の発生、
亢進もDHTおよびTSの過剰が原因の一つであると考
えられている。
【0003】従って、TSがよりアンドロジェン活性の
高いDHTに還元される作用を抑制することは、前立腺
肥大等の疾病に対し極めて有効であると考えられてお
り、従来よりテストステロン 5α−レダクターゼ阻害
作用を有する化合物の合成研究が種々試みられてきた。
従来、テストステロン 5α−レダクターゼ阻害活性を
有する物質としては、ステロイドタイプの化合物と非ス
テロイドタイプの化合物が知られている。ステロイドタ
イプの化合物としては例えば特公昭63−65080号
公報記載の化合物が、また非ステロイドタイプの化合物
としては例えばヨーロッパ公開特許第511,477号
公報及びヨーロッパ公開特許第458,207号公報に
は、下記式で示される化合物が夫々記載されている。 ヨーロッパ公開特許第511,477号公報
【0004】
【化6】
【0005】ヨーロッパ公開特許第458,207号公
【0006】
【化7】
【0007】しかしながら、同公報にはこれらの化合物
が、ラット由来のテストステロン5α−レダクターゼに
対して良好な阻害活性を有することが記載されている
が、ヒト由来のテストステロン 5α−レダクターゼに
対する阻害作用は十分なものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】今回、本発明者等は、
上記の従来知られている化合物とは全く構造を異にす
る、非ステロイドタイプの化合物である下記一般式
(I)で示される安息香酸誘導体又はその製薬学的に許
容される塩に、従来知られている非ステロイドタイプの
化合物と比較して優れたテストステロン 5α−レダク
ターゼ阻害作用があることを認め、本発明を完成した。
即ち、本発明化合物は、従来知られている非ステロイド
タイプの化合物と異なりヒト由来のテストステロン 5
α−レダクターゼに対して優れた阻害作用を示す化合物
である。
【0009】すなわち、本発明は下記一般式(I)で示
される安息香酸誘導体又はその製薬学的に許容される塩
を提供することを目的とするものである。
【0010】
【化8】
【0011】〔式中の基は以下の意味を有する。 R1a乃至R1g:同一又は異なって水素原子、低級アルキ
ル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ハロゲン
原子、トリハロゲノメチル基、水酸基、低級アルキコキ
シ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又はモノ−若しく
はジ−低級アルキルアミノ基 X1 :酸素原子又は硫黄原子 X2 :酸素原子、硫黄原子又は下記式で示される基
【0012】
【化9】
【0013】R2 :水素原子、低級アルキル基、アリー
ル基であって該アリール基は、低級アルキル基、低級ア
ルケニル基、低級アルキニル基、ハロゲン原子、トリハ
ロゲノメチル基、水酸基、低級アルコキシ基、シアノ
基、ニトロ基、アミノ基又はモノ−若しくはジ−低級ア
ルキルアミノ基で置換されていてもよく、又はアラルキ
ル基であって該アラルキル基は、低級アルキル基、低級
アルケニル基、低級アルキニル基、ハロゲン原子、トリ
ハロゲノメチル基、水酸基、低級アルコキシ基、シアノ
基、ニトロ基、アミノ基又はモノ−若しくはジ−低級ア
ルキルアミノ基で置換されていてもよい。 A環:下記式で示される基
【0014】
【化10】
【0015】R3 :同一又は異なって水素原子、低級ア
ルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ハロ
ゲン原子、トリハロゲノメチル基、水酸基、低級アルコ
キシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又はモノ−若し
くはジ−低級アルキルアミノ基、アシル基、アリール基
であって該アリール基は、低級アルキル基、低級アルケ
ニル基、低級アルキニル基、ハロゲン原子、トリハロゲ
ノメチル基、水酸基、低級アルコキシ基、シアノ基、ニ
トロ基、アミノ基又はモノ−若しくはジ−低級アルキル
アミノ基で置換されていてもよく、アラルキル基であっ
て該アラルキル基は、低級アルキル基、低級アルケニル
基、低級アルキニル基、ハロゲン原子、トリハロゲノメ
チル基、水酸基、低級アルコキシ基、シアノ基、ニトロ
基、アミノ基又はモノ−若しくはジ−低級アルキルアミ
ノ基で置換されていてもよい。或は、R3 が同一炭素原
子に結合して、下記式で示される基の場合
【0016】
【化11】
【0017】R3 は両者一体となりオキソ基又はチオキ
ソ基を意味する。以下同様〕 本発明化合物は、安息香酸のp−位又はm−位において
ヘテロ環と縮合し二環性若しくは三環性を形成するベン
ゼン環が酸素原子又は硫黄原子を介して結合している点
に化学構造上の特徴を有する新規な化合物である。
【0018】以下に本発明化合物を更に詳細に説明す
る。本明細書の一般式の基の定義において、「低級」と
は、特に断らない限り、炭素数が1乃至6個の直鎖状又
は分岐状の炭素鎖を意味する。
【0019】従って、「低級アルキル基」としては、具
体的には例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチ
ルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプ
ロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられ、
中でもメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基などのC1 〜C4 アルキル基、とりわけメ
チル基、エチル基が好適な基として挙げられる。
【0020】「低級アルケニル基」は炭素数が2乃至6
個の直鎖又は分岐状のアルケニル基であり、具体的には
ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニ
ル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル
基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチルアリル
基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチルアリル
基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテ
ニル基、4−ペンテニル基、3−メチル−1−ブテニル
基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブ
テニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−
ヘキセニル基、3−メチル−1−ブテニル基、4−ヘキ
セニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられ、中でもビニ
ル基、アリル基、各ブテニル基などのC2 −C4 アルケ
ニル基、とりわけビニル基やアリル基などのC2 −C3
アルケニル基が好適である。
【0021】「低級アルキニル基」は、炭素数が2乃至
6個の直鎖又は分岐状のアルキニル基であって、エチニ
ル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチ
ニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル
−2−プロピニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニ
ル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、3−メチ
ル−1−ブチニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1
−メチル−2−ブチニル基、1−メチル−3−ブチニル
基、1,1−ジメチル−2−プロピニル基、1−ヘキシ
ニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘ
キシニル基、5−ヘキシニル基等が、好適にはエチニル
基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、各ブチニル
基などのC2 −C4 アルキニル基、至適にはエチニル基
が例示される。
【0022】また、「低級アルコキシ基」としては、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ
基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ(アミルオ
キシ)基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチル
オキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ
基、1,2−ジメチルプロポキシ基、1−エチルプロポ
キシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、中でもメトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基などのC1 −C3 アル
コキシ基が好ましい。
【0023】「ハロゲン原子」は特に限定されるもので
はなく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
など全てのハロゲン原子が挙げられる。「トリハロゲノ
メチル基」としてはトリフルオロメチル基、トリクロロ
メチル基等であるが、トリフルオロメチル基が特に好適
である。「モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基」
は、アミノ基の一つ又は二つの水素原子が前記低級アル
キル基で置換された基を意味する。具体的にはメチルア
ミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロ
ピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、
ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、ヘキシルア
ミノ基、イソヘキシルアミノ基等モノアルキルアミノ
基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピル
アミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ
基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基等ジ置換
された対称型のジアルキルアミノ基、エチルメチルアミ
ノ基、メチルプロピルアミノ基、エチルプロピルアミノ
基、ブチルメチルアミノ基、ブチルエチルアミノ基、ブ
チルプロピルアミノ基等非対称型のジアルキルアミノ基
が挙げられ、中でもメチルアミノ基、エチルアミノ基、
プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ジプロピルアミノ基などが好適である。
【0024】「アリール基」としては、フェニル基、ナ
フチル基、ビフェニル基、アントラセニル基、フェナン
トレニル基などの単環式、二環式、三環式のアリール基
が挙げられ、中でもフェニル基、ナフチル基が好適であ
る。「アラルキル基」は、前記低級アルキル基の任意の
1乃至3個の水素原子が前記アリール基で置換された基
であって、フェニル基で例示すればベンジル基、フェネ
チル基、1−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル
基、2−フェニルプロピル基、1−フェニルプロピル
基、1−メチル−2−フェニルエチル基、4−フェニル
ブチル基、2−メチル−3−フェニルプロピル基、5−
フェニルペンチル基、6−フェニルペンチル基、ベンズ
ヒドリル基、トリチル基などが挙げられ、中でもベンジ
ル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフ
チルメチル基、2−(1−ナフチル)エチル基、2−
(2−ナフチル)エチル基などが好適である。「アシル
基」としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル
基、イソバレリル基、ピバロイル基等の低級アルカノイ
ル基、或いはベンゾイル基等のアシル基等であり、より
好ましくは、アセチル基、ベンゾイル基である。
【0025】本発明の化合物(I)は、塩基との塩を形
成する。また、置換基の種類によっては分子内塩を形成
する場合もあり、更に酸との塩を形成する場合もある。
本発明にはこれら化合物の製薬学的に許容される塩も含
まれ、かかる塩としては、具体的には、ナトリウム、カ
リウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなど
の無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、エタノール
アミン、シクロヘキシルアミンなどの有機塩基、リジ
ン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸などの塩基との
塩、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リ
ン酸等の鉱酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、
リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、炭酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸等の有機酸、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸などの酸性アミノ酸などの酸との酸付加塩や
アンモニウム塩等が挙げられる。
【0026】また、化合物(I)やそれらの製薬学的に
許容される塩は、置換基の種類によっては、不斉炭素原
子の存在に基づく光学異性体、二重結合の存在に基づく
幾何異性体、ケト−エノール互変異性体など各種の異性
体が存在する。本発明にはこれら異性体の単離されたも
のやその混合物も包含される。また、本発明の化合物は
水和物やエタノールなどの溶媒和物や結晶多形として単
離される場合もあり、本発明にはこれらの水和物、溶媒
和物や結晶多形の物質も含まれる。本発明化合物におい
て、好ましい化合物としては、特にA環が下記式で示さ
れる基である。
【0027】
【化12】
【0028】また、更に好ましくは、R1aがハロゲン原
子であり、R1b乃至R1gが水素原子である化合物であ
る。
【0029】(化合物の製造法)本発明の化合物(I)
乃至(IV)は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基
づく特徴を利用し、種々の合成法を適用して製造するこ
とができる。以下にその代表的な製造法を示す。 第1製法
【0030】
【化13】
【0031】本発明の医薬化合物(I)は、対応するニ
トリル化合物(II)を加水分解することにより製造でき
る。反応は常法によって行うことができ、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等の濃アルカリ中、あるいは塩
酸、硫酸又はリン酸などの強酸中、加熱、好ましくは加
熱還流するのが好ましい。通常溶媒としては、エタノー
ル、メタノール、イソプロパノールなどのアルコール等
水と混合しうる有機溶媒が用いられる。 第2製法
【0032】
【化14】
【0033】(式中、R4 は低級アルキル基又はアラル
キル基を意味する。以下同様) 本発明の化合物(I)は、対応するエステル化合物(II
I )をエステル加水分解または加水素分解することによ
っても製造できる。なお、低級アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基等を、アラルキル基としては、ベンジル基等カル
ボン酸製造原料のエステルに通常用いられる基が挙げら
れる。この加水分解反応においては、炭酸ナトリウム、
水酸化ナトリウム等の塩基又はトリフルオロ酢酸、塩酸
等の酸の存在下に加水分解する常法が、また、加水素分
解にあっては、パラジウム−炭素、ラネーニッケルなど
の触媒の存在下に接触還元する方法などの常法が適用で
きる。 第3製法
【0034】
【化15】
【0035】本発明の化合物(I)は、対応するアルデ
ヒド化合物(IV)に酸化剤を作用させることによって製
造することもできる。用いられる酸化剤としては、硝酸
銀、酸化銀、過マンガン酸カリウム、クロム酸、過酸化
水素や過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、過酢酸など
の有機過酸が好適である。反応は、酸化物の種類によっ
て異なるが、例えば硝酸銀を用いる場合には、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液中、加
熱、好ましくは加熱還流することにより行うことが可能
である。この場合、通常溶媒としては、エタノール、メ
タノール、イソプロパノール等の水と混合し得る有機溶
媒が用いられる。また、有機過酸を用いる場合は、クロ
ロホルム、トルエン、メタノール、エタノール等のアル
コール、エーテル等の有機溶媒中通常室温下で行われ、
過酸化水素を用いる場合は、過酸化水素あるいはこれと
メタノール、エタノール等のアルコール、エーテルを加
えたものを作用させ、必要ならば加温することによって
行われる。過酸化水素を用いるときは、バナジウムやモ
リブデンなどの金属触媒を用いると効果的な場合もあ
る。
【0036】(その他の製造法)本発明化合物は置換基
1 乃至R3 並びにX1 、X2 などの二価基の特徴を勘
案して、その変換反応によって製造することもできる。
例えば実施例や参考例に記載の方法あるいはこれらの方
法に準じて目的物(I)を製造することができる。具体
的には例えば、 (1)還元 (a)対応するアルケニル、アルケニレン、アルキニ
ル、アルキニレン化合物をパラジウム炭素などを触媒と
して接触水素化するアルキル、アルキレン化合物の合
成。 (b)対応する芳香環ニトロ化合物をパラジウム炭素な
どを触媒として接触水化する芳香環アミノ化合物の合
成。 (2)エーテル化、チオエーテル化 対応するアルコールやフェノールあるいはチオールやチ
オフェノールと、対応するハライドを塩基の存在下に反
応させるエーテル又はチオエーテル化合物の合成。 (3)加水分解 対応するエステル化合物をアルカリけん化、酸性加水分
解又は加水素分解するカルボン酸の合成。 (4)アルケンの合成 対応する芳香族アルデヒド化合物に、対応するジエチル
ホスホン酸エステルやトリフェニルホスフィンなどを反
応させるアルケニル、アルケニレン化合物の合成。
【0037】(5)N−アルキル化 対応する一級又は二級アミノ化合物に対応するハライ
ド、スルホネートを反応させる二級又は三級アミノ化合
物の合成。 (6)酸化 対応する芳香族アルデヒド化合物を有機過酸や過酸化水
素で処理するフェノールの合成。 (7)ニトロ化 対応する芳香環化合物にニトロニウムテトラフルオロボ
レートなどのニトロ化剤を作用させるニトロ化合物の合
成。など常法を適用して本発明化合物としうる。上記各
製法により得られた反応生成物は、遊離化合物、その塩
あるいは各種の溶媒和物として単離され、精製される。
塩は通常の造塩反応に付すことにより製造できる。単
離、精製は、抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結
晶、各種クロマトグラフィー等通常の化学操作を適用し
て行われる。
【0038】
【発明の効果】本発明の化合物は、テストステロン 5
α−レダクターゼ阻害活性特にヒト由来のテストステロ
ン 5α−レダクターゼに対して良好な阻害活性を有し
ており、前立腺肥大及びその他の男性ホルモンの作用に
起因する種々の疾患、例えば前立腺ガン、脂漏、▲座▼
瘡、男性型脱毛症の治療に有用である。本発明化合物の
テストステロン 5α−レダクターゼ阻害作用は、以下
に示すようにヒト前立腺を用いた5α−レダクターゼ阻
害活性(in vitro)の試験により明らかであ
る。以下にその試験方法を掲記する。
【0039】 (1)テストステロン 5α−レダクターゼの調製 良性前立腺肥大症患者より得たヒト前立腺組織に0.3
3Mスクロース、1mMジチオスレイトール、50μM
NADPHを含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH
7.0)を加えポリトロンおよびソニファイアーで均質
化した後、140000×gで遠心分離した。これによ
って得た沈殿を10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
0)で懸濁したものを酵素溶液とした。
【0040】(2)テストステロン 5α−レダクター
ゼの阻害活性の測定 上記の酵素溶液100μlに、50mMトリス−塩酸緩
衝液(pH5.0)、ジチオスレイトール(最終濃度
1mM)、NADPH(最終濃度 5mM)、〔4−14
C〕−テストステロン(最終濃度 1μM,0.04μ
Ci)および数種類の濃度の本発明化合物を加え総量を
500μlとした。この混合液を37℃、60分間イン
キュベーション後、酢酸エチル2.0mlを加えて酵素
反応を停止させ、さらに担体としてテストステロン、ジ
ヒドロテストステロン、4−アンドロスタン−3,17
−ジオン、5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオ
ールを加えた。次いで遠心分離を行い、得られた上清
1.0mlを濃縮後シリカゲル薄層クロマトグラフィー
(酢酸エチル、シクロヘキサン(1:1)の混合液で展
開)を用いて分離された、4−アンドロスタン−3,1
7−ジオン、ジヒドロテストステロンおよび5α−アン
ドロスタン−3α,17β−ジオールの各スポットを単
離して、液体シンチレーションカウンターで各々の放射
活性を測定し、下記の式により阻害率を算出した。その
結果から50%阻害濃度を求め数1に示す。
【0041】
【数1】
【0042】A:TLCにスポットした全放射活性量 (本発明化合物を加えない場合) B:ジヒドロテストステロンおよび5α−アンドロスタ
ン−3α,17β−ジオールの放射活性量の合計 (本発明化合物を加えない場合) A′:TLCにスポットした全放射活性量 (本発明化合物を加えた場合) B′:ジヒドロテストステロンおよび5α−アンドロス
タン−3α,17β−ジオールの放射活性量の合計 (本発明化合物を加えた場合) 本発明化合物はヒト前立腺を用いたテストステロン5α
−レダクターゼ阻害活性の試験において極めて高い活性
を示すものであり、臨床上の高い有用性が期待できる。
【0043】一般式(I)で示された化合物又はその製
薬学的に許容される塩の1種又は2種以上を有効成分と
して含有する製薬組成物は、通常製剤化に用いられる担
体や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製される。製剤
用の担体や賦形剤としては固体又は液体状の非毒性医薬
用物質が挙げられる。これらの例としては、たとえば乳
糖、ステアリン酸マグネシウム、スターチ、タルク、ゼ
ラチン、寒天、ペンチン、アラビアゴム、オリーブ油、
ゴマ油、カカオバター、エチレングリコール等やその他
常用のものが例示される。投与は錠剤、丸剤、カプセル
剤、顆粒剤、液剤等による経口投与、あるいは静注、筋
注等の注射剤、坐剤、経皮剤等による非経口投与のいず
れの形態であってもよい。投与量は症状、投与対象の年
令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定され
る。経口投与の場合には、通常成分1日当り、0.00
1mg〜500mg好ましくは0.01〜200mgで
あり、1日1回から数回投与される。又、症状によって
は経皮投与される場合は通常1回に0.0001〜50
0mgの範囲で1日1回から数回投与される。但し、投
与量は症状などによってさらに少ない量で充分な場合も
ありこれらの範囲に限定されるものではない。
【0044】(処方例)次に、本発明化合物の医薬とし
ての処方例を挙げる。 処方例1 錠剤 本発明化合物(I) 20mg 乳糖 57mg コーンスターチ 38mg ヒドロキシプロピルセルロース 4mg マグネシウム ステアレート 1mg ──────────────────────────── 総量 120mg 本発明化合物(I)20g、乳糖57g、コーンスター
チ38gを均一に混合する。次に10%ヒドロキシプロ
ピルセルロース溶液40gを加えて湿式造粒する。篩過
後、乾燥する。得られた造粒物にマグネシウムステアレ
ート1gを加えて混合する。7m/m5.6Rの臼杵を
用いて打錠する。
【0045】処方例2 カプセル 本発明化合物(I) 15mg 結晶セルロース 40mg 結晶乳糖 144mg マグネシウム ステアレート 1mg ──────────────────────────── 総量 200mg 本発明化合物(I)15g、結晶セルロース40g、結
晶乳糖144g、マグネシウム ステアレート1gを均
一に混合し、カプセル充填機で3号カプセルに充填しカ
プセル剤とする。
【0046】
【実施例】つぎに、実施例により本発明の化合物および
その製造法を具体的に説明する。なお、参考例として、
実施例で使用する原料化合物の製造法を説明する。また
製造例には、本発明医薬化合物中公知のものの実際上の
入手方法を示した。
【0047】参考例1 5−ベンジルオキシインドール(13.4g、60.0
mmol)とジメチルスルホキシド(100ml)の溶
液に撹拌下室温で水酸化カリウム(15.8g、240
mmol)を一挙に加えた。反応混合物を1時間撹拌し
た後、室温でベンジルブロミド(10.8g、63.0
mmol)のジメチルスルホキシド(50ml)溶液を
滴下し、3時間撹拌した。水を加え、反応生成物を酢酸
エチルで抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。
得られた結晶性残渣をエタノールで再結晶することによ
り、1−ベンジル−5−ベンジルオキシ−1H−インド
ール(16.0g、51.0mmol、85%)を灰白
色結晶として得た。
【0048】理化学的性状 融点 108−109℃ NMR(CDCl3 ) δ:5.08(s,2H),5.26(s,2H),
5.45(d,1H,J=3.1Hz),6.90(d
d,1H,J=8.5,2.4Hz),7.08〜7.
09(m,3H),7.14(d,1H,J=9.2H
z),7.17(d,1H,J=2.4Hz),7.2
3〜7.31(m,4H),7.37(t,2H,J=
7.3Hz),7.45(d,2H,J=7.3Hz)
【0049】参考例2〜8 参考例1と同様にして後記表1に示す参考例2〜8の化
合物を得た。
【0050】参考例9 5−ベンジルオキシ−1H−インドール(4.47g、
20.0mmol)と酢酸(50ml)の混合物に室温
下シアノ水素化ほう素ナトリウム(3.77g、60m
mol)を加え、30分間撹拌した。反応混合物を氷水
中に注ぎ、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。抽
出液を5N水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次
洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮
して5−ベンジルオキシインドリン(4.19g、1
8.6mmol、93%)を黄色油状物として得た。 理化学的性状 NMR(CDCl3 ) δ:2.99(t,2H,J=8.3Hz),3.53
(t,2H,J=8.3Hz),4.98(s,2
H),6.57(d,1H,J=8.3Hz),6.6
6(dd,1H,J=8.3,2.4Hz),7.3〜
7.5(5H,m)
【0051】参考例10 5−ベンジルオキシインドリン(4.17g、18.5
mmol)とピリジン(20ml)の混合物に0℃で塩
化ベンゾイル(3.94g、28mmol)を加え、1
時間撹拌した。反応混合物に水を加え、反応生成物を酢
酸エチルで抽出した。抽出液を3N塩酸、水、1N水酸
化ナトリウム水溶液、水、および飽和食塩水で順次洗浄
した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮し
た。得られた結晶性残渣を酢酸エチルで再結晶し1−ベ
ンゾイル−5−ベンジルオキシインドリン(5.26
g、16.0mmol、86%)を無色結晶として得
た。 理化学的性状 融点 137−138℃ NMR(CDCl3 ) δ:3.08(t,2H,J=8.0Hz),4.03
(br,2H),5.04(br,2H),6.85
(s,1H),7.3−7.6(m,12H)
【0052】参考例11 4−メトキシアニリン(8.00g、65mmol)と
N,N−ジメチルアニリン(12ml)の混合物に17
0℃で2−ブロモアセトフェノン(3.98g、20.
0mmol)とN,N−ジメチルアニリン(7ml)の
混合物を加え、1時間撹拌した後、放冷した。反応生成
物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を2N塩酸、水、およ
び飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エ
チル=9:1、次いで4:1)で精製した後、酢酸エチ
ルで再結晶し、5−メトキシ−2−フェニル−1H−イ
ンドール(1.62g、7.26mmol、36%)を
黄色結晶として得た。 理化学的性状 融点 170−172℃ NMR(CDCl3 ) δ:3.86(s,3H),6.75(s,1H),
6.85(dd,1H,J=8.8,2.4Hz),
7.09(s,1H),7.2−7.3(m,2H),
7.42(dd,2H,J=7.8,7.3Hz),
7.63(d,2H,J=7.8Hz),8.22(b
r,1H)
【0053】参考例12 N−ベンゾイルピロリジン(1.05g、6.00mm
ol)と1,2−ジクロロエタン(6ml)の混合物に
加熱還流下、オキシ塩化りん(2.76g、18mmo
l)を加え40分間撹拌した後、5−ベンジルオキシ−
1−メチル−1H−インドール(1.42g、6.00
mmol)と1,2−ジクロロエタン(4ml)の混合
物を加え加熱還流下6時間撹拌し、放冷した。反応混合
物に水を加え、1N水酸化ナトリウム水溶液で中和した
後、反応生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、
飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:4、次いで2:3)で精製して3−ベンゾイル
−5−ベンジルオキシ−1−メチル−1H−インドール
(1.33g、3.90mmol、65%)を無色結晶
として得た。
【0054】理化学的性状 融点 91−92℃ NMR(CDCl3 ) δ:3.81(s,3H),5.18(s,2H),
7.07(dd,1H,J=8.8,2.4Hz),
7.26(s,1H),7.32(t,1H,J=7.
3Hz),7.40(dd,2H,J=7.8,6.9
Hz),7.5−7.6(m,5H),7.80(d,
2H,J=7.5Hz),8.08(d,1H,J=
2.4Hz)
【0055】参考例13 1−ベンゾイル−5−ベンジルオキシインドリン(2.
36g、7.16mmol)、メタノール(20m
l)、酢酸エチル(100ml)の混合物に10%パラ
ジウム−炭素(100mg)を加え、水素雰囲気下、室
温で2日間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧下濃縮
した。得られた残渣を酢酸エチルで再結晶させて、1−
ベンゾイル−5−ヒドロキシインドリン(1.58g、
6.60mmol、92%)を無色結晶として得た。 理化学的性状 融点 215−217℃ NMR(DMSO−d6 ) δ:2.99(t,3H,J=8.3Hz),3.94
(br,2H),6.59(br,1H),6.68
(s,1H),7.4−7.5(m,4H),7.5
4,7.90(各br,合わせて2H)
【0056】参考例14 アルゴン雰囲気下、1−ベンジル−5−ヒドロキシイン
ドリン(359mg、1.50mmol)、THF
(0.30ml)の混合物に三ふっ化ほう素エーテル錯
体(426mg、3.00mmol)を加えた後、30
分間加熱還流した。反応混合物にボランジメチルスルフ
ィド錯体(0.30ml、2.0mmol)を加え、油
浴温を100℃に上げ溶媒を1時間で留去した後、6N
塩酸(1ml)を加え、加熱還流下1時間撹拌した。反
応混合物を氷冷し、5N水酸化ナトリウム水溶液で中和
した後、酢酸エチルを加えて反応生成物を抽出した。不
溶物を濾去し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘ
キサン:酢酸エチル=9:1、次いで4:1)で精製し
て2−ベンジル−5−ヒドロキシインドリン(221m
g、0.981mmol、65%)を無色結晶として得
た。
【0057】理化学的性状 融点 118−119℃ NMR(CDCl3 ) δ:2.90(br,2H),3.23(br,2
H),4.15,4.34(各br,合わせて2H),
6.3−6.7(m,2H),7.2−7.4(m,6
H)
【0058】参考例15 アルゴン雰囲気下、1−ベンジル−5−ベンジルオキシ
−1H−インドール(16.0g、51.0mmo
l)、10%パラジウム−炭素(1.6g)、エタノー
ル(300ml)の混合物に、蟻酸アンモニウム(2
5.7g、408mmol)を一挙に加えた。反応混合
物を室温下3時間撹拌した後、不溶物を濾去し、減圧下
濃縮した。得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出
した。抽出液を1N塩酸、飽和食塩水で順次洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮することによ
り、1−ベンジル−5−ヒドロキシ−1H−インドール
(10.9g、48.9mmol、96%)を灰白色結
晶として得た。
【0059】理化学的性状 融点 90−92℃ NMR(CDCl3 ) δ:4.61(s,1H),5.25(s,2H),
6.41(d,1H,J=2.4Hz),6.72(d
d,1H,J=8.8,2.4Hz),7.03(d,
1H,J=2.4Hz),7.07−7.10(m,4
H),7.22−7.30(m,3H)
【0060】参考例16−18 参考例15と同様にして後記表1に示す参考例16−1
8の化合物を得た。
【0061】参考例19 アルゴン雰囲気下、5−メトキシ−2−フェニル−1H
−インドール(670mg、3.00mmol)、ジク
ロロメタン(5ml)の混合物に−78℃で三臭化ほう
素の1.0Mジクロロメタン溶液(9.0ml、9.0
mmol)を加え10分間撹拌した後、室温下で13時
間撹拌した。反応混合物を氷水中に注ぎ、反応生成物を
酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で順次
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮し
た。得られた残渣をエタノールで再結晶させて5−ヒド
ロキシ−2−フェニル−1H−インドール(459m
g、2.19mmol、73%)を無色結晶として得
た。
【0062】理化学的性状 融点 236−239℃ NMR(CDCl3 ) δ:5.33(s,2H),6.53(d,1H,J=
2.9Hz),6.76(d,1H,J=8.3H
z),6.88(dd,1H,J=8.8,2.4H
z),7.12−7.14(m,2H),7.21
(d,1H,J=2.9Hz),7.25−7.37
(m,6H),7.71(d,1H,J=2.0Hz)
【0063】参考例20 参考例19と同様にして5−ヒドロキシ−2−フェニル
ベンゾフランを得た。 理化学的性状 NMR(CDCl3 ) δ:4.67(br,1H),6.79(dd,1H,
J=8.8,2.4Hz),6.93(d,1H,J=
1.0Hz),6.99(d,1H,J=2.4H
z),7.33−7.38(m,2H),7.42−
7.46(m,2H),7.83−7.85(m,2
H)
【0064】参考例21 1−ベンジル−5−ヒドロキシ−1H−インドール
(3.35g、15.0mmol)、3−クロロ−4−
フルオロベンゾニトリル(2.45g、15.8mmo
l)、N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)の混
合物に、撹拌下室温で炭酸カリウム(3.11g、2
2.5mmol)を一挙に加えた。反応混合物を80℃
で7時間撹拌した後、放冷した。水を加え、反応生成物
を酢酸エチルで抽出し、抽出液を1N水酸化ナトリウム
水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、減圧下濃縮することにより、3−クロロ
−4−〔(1−ベンジル−1H−インドール−5−イ
ル)オキシ〕ベンゾニトリル(5.67g、15.0m
mol、100%)を褐色油状物として得た。
【0065】理化学的性状 NMR(CDCl3 ) δ:5.33(s,2H),6.53(d,1H,J=
2.9Hz),6.76(d,1H,J=8.3H
z),6.88(dd,1H,J=8.8,2.4H
z),7.12−7.14(m,2H),7.21
(d,1H,J=2.9Hz),7.25−7.37
(m,6H),7.71(d,1H,J=2.0Hz)
【0066】参考例22−31 参考例21と同様にして後記表1に示す参考例22−3
1の化合物を得た。
【0067】参考例32 6−ヒドロキシフラボン(1.19g、5.00mmo
l)、3,4−ジクロロベンズアルデヒド(880m
g、5.00mmol)、ジメチルスルホキシド(10
ml)の混合物に撹拌下室温で炭酸カリウム(1.04
g、7.50mmol)を一挙に加えた。反応混合物を
100℃で17時間撹拌した後、放冷した。水を加え、
反応生成物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水、1N水
酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた結
晶性残渣をアセトンで洗浄することにより、3−クロロ
−4−〔(4−オキソ−2−フェニル−4H−クロメン
−6−イル)オキシ〕ベンズアルデヒド(540mg、
1.43mmol、29%)を茶褐色結晶として得た。
【0068】理化学的性状 融点 188−189℃ NMR(DMSO−d6 ) δ:7.09(s,1H),7.29(d,1H,J=
8.3Hz),7.51(d,1H,J=3.0H
z),7.58−7.66(m,3H),7.71(d
d,1H,J=9.3,3.0Hz),7.91(d
d,1H,J=8.3,2.0Hz),7.95(d,
1H,J=9.3Hz),8.13−8.18(m,3
H),9.97(s,1H)
【0069】参考例33 参考例32と同様にして4−(2−ジベンゾフラニルオ
キシ)ベンズアルデヒドを得た。 理化学的性状 NMR(CDCl3 中、TMS内部標準) δ:7.08(2H,m),7.21(1H,m),
7.34(1H,m),7.49(2H,m),7.5
9(2H,m),7.67(1H,d),7.8〜7.
9(3H,m),9.92(1H,m)
【0070】参考例34 3−ベンゾイル−5−ベンジルオキシ−1−メチル−1
H−インドール(478mg、1.40mmol)、エ
タノール(3ml)、酢酸エチル(10ml)、酢酸
(3ml)の混合物に、10%パラジウム−炭素(50
mg)を加え、水素雰囲気下、室温で2日間撹拌した。
触媒を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサ
ン:酢酸エチル=4:1)で精製して、3−ベンジル−
5−ヒドロキシ−1−メチル−1H−インドール(15
5mg、0.653mmol、47%)を黄色油状物と
して得た。 理化学的性状 NMR(CDCl3 ) δ:3.69(s,3H),4.03(s,2H),
6.74(s,1H),6.78(dd,1H,J=
8.3,2.4Hz),6.88(d,1H,J=2.
4Hz),7.1〜7.3(m,6H)
【0071】参考例35 アルゴン雰囲気下、2−ヒドロキシ−5−メトキシベン
ズアルデヒド(760mg、5.00mmol)、α−
ブロモフェニル酢酸(1.80g、5.00mmo
l)、N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)の混
合物に撹拌下室温で60%水素化ナトリウム(460m
g、11.5mmol)を少しずつ5分間かけて加え
た。反応混合物を室温で23時間撹拌した後、反応生成
物を水で抽出し、抽出液をクロロホルムで洗浄し、1N
塩酸でpH<3に調整した。トルエンを加え、得られた
有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホル
ム:メタノール:酢酸=95:4.5:0.5)で精製
して、α−〔(2−ホルミル−4−メトキシ)フェノキ
シ〕フェニル酢酸(560mg、1.96mmol、3
9%)を褐色油状物として得た。
【0072】理化学的性状 NMR(CDCl3 ) δ:3.80(s,3H),5.64(s,1H),
6.86(d,1H,J=9.3Hz),7.04−
7.07(m,1H),7.32(d,1H,J=3.
4Hz),7.38−7.45(m,3H),7.56
−7.57(m,2H),10.45(s,1H)
【0073】参考例36 トリエチルアミン(710mg、7.00mmol)、
p−トルエンスルホニルクロリド(670mg、3.5
0mmol)、トルエン(12ml)の混合物に、加熱
還流下α−〔(2−ホルミル−4−メトキシ)フェノキ
シ〕フェニル酢酸(500mg、1.75mmol)の
トルエン(15ml)溶液を滴下した。反応混合物を加
熱還流下4時間撹拌した後、放冷し、減圧下濃縮した。
得られた残渣にトルエン(5ml)と1N水酸化ナトリ
ウム水溶液(20ml)を加え、室温下15時間撹拌し
た。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた結晶性残
渣をエタノールで再結晶することにより、5−メトキシ
−2−フェニルベンゾフラン(100mg、0.45m
mol、26%)を褐色結晶として得た。
【0074】理化学的性状 融点 130−131℃ NMR(CDCl3 ) δ:3.85(s,3H),6.88(dd,1H,J
=8.8,2.4Hz),6.96(s,1H),7.
04(d,1H,J=2.4Hz),7.34(t,1
H,J=7.3Hz),7.39−7.46(m,3
H),7.83−7.85(m,2H)
【0075】実施例1 3−クロロ−4−〔(1−ベンジル−1H−インドール
−5−イル)オキシ〕ベンゾニトリル(5.66g、1
5.8mmol)のエタノール(50ml)溶液に、8
N水酸化カリウム水溶液(50ml)を室温下一挙に加
え、3時間加熱還流下撹拌した。放冷後減圧下濃縮し、
10%塩酸でpH<3に調整した。反応生成物を酢酸エ
チルで抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られ
た結晶性残渣をエタノール:ヘキサン=1:1の混合溶
媒で再結晶することにより、3−クロロ−4−〔(1−
ベンジル−1H−インドール−5−イル)オキシ〕安息
香酸(3.53g、9.34mmol、59%)を褐色
結晶として得た。この化合物の理化学的性状を後記表2
に示す。
【0076】実施例2−14 実施例1と同様にして後記表2に示す実施例2−14の
化合物を得た。これらの化合物の理化学的性状を後記表
2に示す。
【0077】実施例15 3−クロロ−4−〔(4−オキソ−2−フェニル−4H
−クロメン−6−イル)オキシ〕ベンズアルデヒド(5
10mg、1.35mmol)、硝酸銀(480mg、
2.84mmol)、水(10ml)、エタノール(1
0ml)、N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)
の混合物に、撹拌下室温で水酸化ナトリウム(220m
g、5.40mmol)を一挙に加えた。反応混合物を
加熱還流下6時間撹拌した後、氷冷下1N塩酸でpH<
4に調整し、不溶物を濾去した。反応生成物を酢酸エチ
ルで抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた
結晶性残渣をエタノールで洗浄することにより、3−ク
ロロ−4−〔(4−オキソ−2−フェニル−4H−クロ
メン−6−イル)オキシ〕安息香酸(190mg、0.
48mmol、36%)を灰白色結晶として得た。この
化合物の理化学的性状を後記表2に示す。
【0078】実施例16 実施例15と同様にして実施例16の化合物を得た。こ
の化合物の理化学的性状を後記表2に示す。
【0079】本発明化合物のうち、好ましい化合物を表
3に例示する。これらの化合物は、前述の製法並びに実
施例として示した方法と同様の方法により製造すること
ができる。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】
【表6】
【0086】
【表7】
【0087】
【表8】
【0088】
【表9】
【0089】
【表10】
【0090】
【表11】
【0091】
【表12】
【0092】
【表13】
【0093】
【表14】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/47 ADU 7431−4C C07D 209/08 9284−4C 209/30 9284−4C 209/36 9284−4C 209/82 9284−4C 215/20 215/22 215/36 219/04 221/12 307/79 307/91 311/30 9360−4C 311/80 9360−4C 335/12 (72)発明者 長岡 均 茨城県つくば市大字松栄字松栄679番31 (72)発明者 神徳 宏 茨城県つくば市松代3丁目25番4−203号

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示される安息香酸誘
    導体又はその塩。 【化1】 〔式中の基は以下の意味を有する。 R1a乃至R1g:同一又は異なって水素原子、低級アルキ
    ル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ハロゲン
    原子、トリハロゲノメチル基、水酸基、低級アルキコキ
    シ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又はモノ−若しく
    はジ−低級アルキルアミノ基 X1 :酸素原子又は硫黄原子 X2 :酸素原子、硫黄原子又は下記式で示される基 【化2】 2 :水素原子、低級アルキル基、アリール基であって
    該アリール基は、低級アルキル基、低級アルケニル基、
    低級アルキニル基、ハロゲン原子、トリハロゲノメチル
    基、水酸基、低級アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、
    アミノ基又はモノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基
    で置換されていてもよく、又はアラルキル基であって該
    アラルキル基は、低級アルキル基、低級アルケニル基、
    低級アルキニル基、ハロゲン原子、トリハロゲノメチル
    基、水酸基、低級アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、
    アミノ基又はモノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基
    で置換されていてもよい。 A環:下記式で示される基 【化3】 3 :同一又は異なって水素原子、低級アルキル基、低
    級アルケニル基、低級アルキニル基、ハロゲン原子、ト
    リハロゲノメチル基、水酸基、低級アルコキシ基、シア
    ノ基、ニトロ基、アミノ基又はモノ−若しくはジ−低級
    アルキルアミノ基、アシル基、アリール基であって該ア
    リール基は、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級
    アルキニル基、ハロゲン原子、トリハロゲノメチル基、
    水酸基、低級アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミ
    ノ基又はモノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基で置
    換されていてもよく、アラルキル基であって該アラルキ
    ル基は、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アル
    キニル基、ハロゲン原子、トリハロゲノメチル基、水酸
    基、低級アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基
    又はモノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基で置換さ
    れていてもよい。或は、R3 が同一炭素原子に結合し
    て、下記式で示される基の場合 【化4】 3 は一体となりオキソ基又はチオキソ基を意味す
    る。〕
  2. 【請求項2】 A環が下記式で示される基であることを
    特徴とする請求項1記載の化合物又はその塩。 【化5】
  3. 【請求項3】 R1aがハロゲン原子であり、R1b乃至R
    1gが水素原子である請求項2記載の化合物又はその塩。
  4. 【請求項4】 3−クロロ−4−〔(ベンジル−1H−
    インドール−5−イル)オキシ〕安息香酸又はその塩。
  5. 【請求項5】 3−クロロ−4−〔(2−フェニルベン
    ゾフラン−5−イル)オキシ〕安息香酸又はその塩。
  6. 【請求項6】 4−〔(1−ベンジルインドリン−5−
    イル)オキシ〕−3−クロロ安息香酸又はその塩。
  7. 【請求項7】 3−クロロ−4−〔(1−メチル−2−
    フェニル−1H−インドール−5−イル)オキシ〕安息
    香酸又はその塩。
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WO1998055454A3 (en) * 1997-06-05 1999-03-04 Takeda Chemical Industries Ltd Benzofurans and benzothophenes as suppressors of neurodegeneration
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