JPH0631182A - 新しい無機イオン交換体並びにこれを用いた放射性ヨウ化物イオンの除去及び固化方法 - Google Patents

新しい無機イオン交換体並びにこれを用いた放射性ヨウ化物イオンの除去及び固化方法

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JPH0631182A
JPH0631182A JP4208458A JP20845892A JPH0631182A JP H0631182 A JPH0631182 A JP H0631182A JP 4208458 A JP4208458 A JP 4208458A JP 20845892 A JP20845892 A JP 20845892A JP H0631182 A JPH0631182 A JP H0631182A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新しい無機イオン交換体並びにこれを用いた
放射性ヨウ化物イオンの除去及び固化方法を提供する。 【構成】 このイオン交換体は、Bi57(NO3)の式で
表わされる無機化合物である。溶液中の放射性ヨウ化物
イオンをこの無機化合物をイオン交換体として用いるこ
とにより除去でき、ヨウ素を取り込んだイオン交換体を
そのまま安定な固化体として保存できる。イオン交換容
量が大きく、耐熱性、耐水性に優れると共に操作が簡単
である。原子力発電プラントにおいて生ずる放射性廃液
中のヨウ化物イオンの除去及び固化に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば原子力発電プラ
ントにおいて生ずる放射性廃液中のヨウ化物イオンの除
去及び固化するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉発電プラントにおいて、原子炉中
での核分裂により生ずる放射性ヨウ素ガスは、燃料の検
査、交換の場合、更に燃料取り扱い時の事故や原子炉事
故によって突発的に放出される危険性があり、また燃料
再処理プラントの運転時にも連続的に放出される可能性
がある。
【0003】従来、こうした種々の事態に対し、放射性
ヨウ素ガスの処理法として、洗浄処理方式、固体吸着剤
充填による物理・化学的処理方式、イオン交換剤による
処理方式、他の化合物との反応により安定化合物化する
処理方式などが検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液体吸
着剤による洗浄処理方式では、これを液体のまま長期間
貯蔵するのでは(半減期は1700万年)、量的にも、ま
た安全上も問題が多い。また、固体吸着剤充填による物
理・化学的処理方式によって補足されたヨウ素は、他の
ガスとの交換の可能性に常に曝されており、また温度が
上昇すると容易に吸着物を放出するという難点がある。
更に、イオン交換剤による処理方式では、交換材或いは
交換樹脂の耐熱安定性が保たれるのは100℃程度まで
であり、これより高温では十分な性能を発揮しない。ま
た、それ自身が可燃性であることも多く、安全管理上難
点がある。最後に述べた処理方式、すなわち、水溶液中
のヨウ化物イオンとBi23とを反応させて、Bi57
に変えて取り出す安定化合物化による処理方式では、
(HCO3)-イオンが溶液中に10-3mol・dm-3以上の濃
度で共存するとBi57Iの成長が著しく妨害される。
また、ヨウ化物イオンの濃度が低いとき、反応生成物の
粉末X線回折パターンにBi57I以外の化合物のピー
クが観察される等である。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、溶液中に含まれる放射性ヨウ素イオンを高温におい
てもイオン交換し得る新規なイオン交換体を提供し、ま
たこれを用いて安定な形で放射性ヨウ素イオンを除去及
び固化し得る方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために、ヨウ化物イオンとのイオン交換性及び
交換体の構造について鋭意研究を重ねた結果、溶液中に
含まれる放射性ヨウ化物イオンを新規な無機化合物を用
いてイオン交換することにより除去した後、ヨウ素を取
り込んだイオン交換体をそのまま安定な固化体として保
存できることを見出した。
【0007】すなわち、本発明に係るイオン交換体は、
Bi57(NO3)の式で表わされる化合物を有効成分とす
ることを特徴としている。
【0008】また、他の本発明は、溶液中の放射性ヨウ
化物イオンを除去するに当たり、Bi57(NO3)の式で
表わされる化合物をイオン交換体として用いることを特
徴とする放射性ヨウ化物イオンの除去及び固化方法であ
る。
【0009】以下に本発明について更に詳細に説明す
る。
【0010】
【作用】
【0011】(NO3)を含むビスマス化合物にはイオン
交換性を示すものが幾つか知られている。しかしなが
ら、化合物Bi57(NO3)は、つい最近合成された新化
合物であり、その作用について不明であった。
【0012】ただ、その構造については、合成法と共に
既に明らかにされている。それによると、その結晶構造
は、化合物Bi57Iに類似している。両者共、斜方晶
系の構造を有し、Bi57(NO3)の格子定数は、a=1
6.280、b=5.548、c=23.301Åであ
り、Bi57Iの格子定数は、a=16.244、b=
5.342、c=23.006Åである。両者の粉末X線
回折パターンを図1のAとBに示すが、極めて類似して
おり、両者の構造は基本的に同一であると言える。
【0013】このことは、両者の化学組成から考えて、
結晶格子の中で(NO3)とIが等価な位置を占めている
ものと考えられ、Bi57(NO3)中の(NO3)-イオンが
-イオンと交換する可能性を示唆している。
【0014】以上の観点から、本発明者は、Bi57(N
3)とヨウ化物イオンとのイオン交換性に関する研究を
重ねた結果、この化合物が無機イオン交換体として優れ
ていることを見出したものである。
【0015】本発明においては、溶液中のヨウ化物イオ
ンとBi57(NO3)とをイオン交換反応させて、Bi5
7Iの式で表わされる化合物に変化させ、これを溶液と
分離して保存するものである。反応は次式によって進行
する。
【0016】 Bi57(NO3)+I-→Bi57I+(NO3)- …(1)
【0017】Bi57(NO3)を無機イオン交換体として
用いた場合、通常の含水酸化ビスマスに比べて、ヨウ化
物イオンに対する交換容量が特に大きい。また、反応に
H+やOH-が関与しないので、pHの調整は不要であ
り、イオン交換操作が極めて簡単である。更に、交換体
の構造中に水を含まないので、耐熱性も極めて優れてい
る。また、(NO3)の含有量が少ないため、水に対して
安定で耐水性にも優れている。
【0018】ビスマス、酸素、ヨウ素の化合物として
は、Bi57Iの外に、Bi793、Bi452、BiO
Iの3種類の化合物が報告されている。これらは、それ
ぞれ異なった結晶構造を有し、常温で固体である。これ
らの化合物の中で、イオン交換によって生成するBi5
7Iは水と熱に対して最も安定であり、例えば、非酸性
溶液中(25℃)で分解して出てくるヨウ素イオンの濃度
は約10-17mol・dm-3くらいであり、極めて微量であ
る。また、空気中での加熱に対しては約550℃くらい
まで安定である。
【0019】上記反応(1)ではBi57Iのみが単一相
として生成する。したがって、ヨウ化物イオンは最も安
定な形で固化されており、これを溶液と分離してそのま
ま保存すればよい。この方法を放射性ヨウ化物イオンの
固化法として利用すればよい。他の無機イオン交換材
で、ヨウ化物イオンとイオン交換反応後にこのような組
成或いは構造を有するものは知られていない。
【0020】次に本発明の実施例を示す。
【0021】
【実施例1】
【0022】Bi57(NO3)、244mg(2×10-4
ラム分子)と0.1mol・dm-3のヨウ化ナトリウム溶液1
000μl(1×10-4グラムイオン)を蓋付容器に入れ
て密閉し、恒温槽中にて、25℃、50℃、75℃で反
応させた。撹拌はしなかった。一定時間経過後、液体を
固体から分離した後、溶液中に残存しているヨウ化物イ
オンの濃度を分析した。溶液中のヨウ化物イオンの濃度
はイオンクロマトグラフで測定することで求めた。
【0023】その結果を図2に示す。反応は、25℃で
はゆっくりと進み、24時間後でまだ73.5%のヨウ
素イオンが残存している。しかし、50℃と75℃では
比較的早く進み、反応開始後15時間で、溶液中に残存
するヨウ素イオンの量は反応前の僅か0.04%であっ
た。反応中の固体の粉末X線回折パターンを調べたとこ
ろ、どの時間でも生成物はBi57Iのみであった。
【0024】
【実施例2】
【0025】Bi57(NO3)、1.00gと0.05mol・
dm-3、0.005mol・dm-3及び0.0005mol・dm-3
ヨウ化ナトリウム溶液10ccを蓋付容器に入れて密閉
し、恒温槽中にて、50℃で20時間、撹拌せずに加熱
した。反応後、溶液中に残存しているヨウ化物イオンを
分析した結果を表1に示す。どの濃度でも、ヨウ化物イ
オンはほぼ完全に除去されていることがわかる。反応後
の固体の粉末X線回折パターンを調べたところ、未反応
のBi57(NO3)と生成物Bi57Iのピークのみであ
った。
【0026】
【表1】
【0027】
【実施例3】
【0028】Bi57(NO3)、244mgを0.2mol・dm
-3、0.3mol・dm-3、0.4mol・dm-3及び0.5mol・dm
-3のヨウ化ナトリウム溶液1000μlに添加し、50
℃及び75℃で、撹拌せずに20時間反応させた後、溶
液中の残存ヨウ化物イオンの濃度を測定し交換容量を調
べた。その結果を表2に示す。なお、前記反応式(1)か
ら計算される交換容量の理論値は、0.82meq/gであ
る。
【0029】
【表2】
【0030】
【実施例4】Bi57(NO3)、1.00gを0.05mol・
dm-3のヨウ化ナトリウムと0.005mol・dm-3の炭酸水
素ナトリウムを含む溶液10ccに添加し、50℃で、撹
拌せずに20時間反応させた後、溶液中に残存するヨウ
化物イオンの濃度を測定して、(HCO3)-イオンの影響
を調べた。
【0031】その結果、反応後も溶液中に存在するヨウ
化物イオンは、反応前の0.012%であった。つま
り、99.988%のヨウ化物イオンが除去されてお
り、(HCO3)-イオンの影響は認められなかった。
【0032】
【実施例5】
【0033】Bi57(NO3)、1.00gを0.05mol・
dm-3のヨウ化ナトリウムと0.05mol・dm-3の炭酸水素
ナトリウムを含む溶液10ccに添加し、50℃で、撹拌
せずに20時間反応させた後、溶液中に残存するヨウ化
物イオンの濃度を測定して、高濃度で共存する(HC
3)-イオンの影響を調べた。
【0034】その結果、反応後も溶液中に存在するヨウ
化物イオンは、反応前の1.989%であった。つま
り、98.011%のヨウ化物イオンが除去されてお
り、(HCO3)-イオンの影響は極めて小さかった。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の無機イオ
ン交換体は、イオン交換容量が大きく、耐熱性、耐水性
に優れると共に操作が簡単であり、これを用いると溶液
中の放射性ヨウ化物イオンをイオン交換により除去で
き、しかもヨウ素を取り込んだイオン交換体をそのまま
安定な固化体として保存できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉末X線回折パターンを示す図で、Aはイオン
交換材Bi57(NO3)の場合を示し、Bはイオン交換後
の生成物Bi57Iの場合を示している。
【図2】種々のイオン交換反応時間における溶液中に残
存しているヨウ化物イオンの量を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Bi57(NO3)の式で表わされる化合物
    を有効成分とすることを特徴とするヨウ化物イオンのイ
    オン交換体。
  2. 【請求項2】 溶液中の放射性ヨウ化物イオンを除去す
    るに当たり、Bi57(NO3)の式で表わされる化合物を
    イオン交換体として用いることを特徴とする放射性ヨウ
    化物イオンの除去及び固化方法。
JP4208458A 1992-07-13 1992-07-13 ヨウ化物イオンの固化及び除去方法 Expired - Lifetime JP2500345B2 (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0655081A (ja) * 1992-08-06 1994-03-01 Natl Inst For Res In Inorg Mater Bi5O7(NO3)を有効成分とする無機陰イオン交換体
US5894756A (en) * 1996-04-02 1999-04-20 Mitsuba Corporation Governor system for engine starter mechanism
WO1999056287A1 (fr) * 1998-04-28 1999-11-04 Chisso Corporation Procede de traitement de dechets radioactifs
JP2021087903A (ja) * 2019-12-02 2021-06-10 株式会社東芝 浄化装置

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JP2021087903A (ja) * 2019-12-02 2021-06-10 株式会社東芝 浄化装置

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