JPH06311124A - 信号多重化方式 - Google Patents

信号多重化方式

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JPH06311124A
JPH06311124A JP11908093A JP11908093A JPH06311124A JP H06311124 A JPH06311124 A JP H06311124A JP 11908093 A JP11908093 A JP 11908093A JP 11908093 A JP11908093 A JP 11908093A JP H06311124 A JPH06311124 A JP H06311124A
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JP
Japan
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signal
phase
filter
ripple
dft
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JP11908093A
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English (en)
Inventor
Nobumasu Yukitomi
信増 行富
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
Original Assignee
Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ST−DFTを利用したフィルタのリップルの
出現様態を変化せしめることにより副信号を付加する信
号多重化方式を提供することを目的とする。 【構成】標本化された入力信号よりサンプリング値列を
得る操作を行い、各サンプリング値列について離散的フ
ーリエ変換(DFT)を施すことによって離散的周波数
成分に変換し、所望の周波数成分のみを抽出するフィル
タリング処理を行った後、逆DFTを施し、これを合成
することによって所望周波数成分のみをフィルタリング
した信号を作出する時間依存フーリエ変換(ST−DF
T)手段をして主信号とは別の情報を有する副信号を付
加した上で伝送路に送出する信号多重化方式に於いて、
前記離散的周波数成分について適宜その位相を変化した
上でフィルタリング処理を行うことにより出力の振幅特
性に現出するリップルを変化せしめ、該リップルの出現
様態をもって副信号としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は通信方式、殊にアナログ
回線に主信号たるアナログ信号に微少ビットのディジタ
ル信号を副信号として付加せしめる多重通信方式に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電話等のアナログ音声の通信回線に於い
ては、音声周波数以上の高周波成分を制限することが義
務づけられている為、所定のカットオフ周波数を有する
所謂LCフィルタ等の低域通過フィルタ(LPF)を用
いるのが一般的である。近年、従来のLCフィルタに代
えて離散的フーリエ変換(DFT)等を利用したディジ
タルフィルタを用いることが提案されている。周知の通
り、DFTを使って信号処理する場合は、信号をブロッ
クに区切る必要がある為、DFTを通信に適用する場
合、送受信間ではDFTのブロック同期信号を伝送する
ことが必須となる。また、この様な通信系では伝送路に
群遅延ひずみがあると、DFTブロック端点における受
信信号の周波数成分が時間的にばらばらに受信された状
態になる為、周波数成分の時間遅れを一定に戻す位相等
化も必要となり、元来のスペクトラム操作のための処理
をはるかに超える量の信号処理が行なわなければならな
いと云う欠点があった。
【0003】一方、ディジタル信号処理の1つとして時
間依存フーリエ変換(ST−DFT)が知られており、
これは瞬時スペクトラムを計算するアルゴリズムであっ
て、ST−DFTをフィルタと見做したアルゴリズムは
フィルタバンク総和法と呼ばれている。ST−DFTを
利用したフィルタは、A/Dコンバータ等により所定の
周期にてサンプリングすることにより時間軸上で標本化
された入力信号を、N個のサンプリング値列(ブロッ
ク)毎に区切り、前後の数ブロック分の信号に基づきN
個のサンプリング値列を得る操作をR個のサンプルポイ
ント分ずつ順次シフトさせながら行い、各ブロックにつ
いて離散的フーリエ変換(DFT)を施すことによって
N個の周波数成分から成る離散的周波数スペクトルに変
換し、夫々の離散的周波数スペクトルについて所望周波
数成分のみを抽出するフィルタリング処理を行った後、
逆DFTを施し、これをブロック数2Q個について合成
することによって所望周波数成分のみをフィルタリング
した信号を作出するものである。
【0004】このST−DFTは信号のブロック同期を
必要とせず、しかも受信側において位相変化が線形とな
る。したがって伝送路の群遅延ひずみに強いと云う特徴
を有する。しかしながら、ST−DFT手段を用いてフ
ィルタを構成した場合、処理量及び遅延の増大を防止す
べく設計パラメータであるQ及びRを有限に打ち切らな
ければならないため、フィルタの振幅特性が著しく劣化
し櫛状のリップルを呈すると共に位相直線性も大きくず
れるという欠点があった。これに対し、本発明者は従来
のST−DFTを利用したディジタルフィルタに於い
て、設計パラメータを有限に打ち切ってフィルタを実現
した場合であっても前記離散的周波数成分について適宜
その位相を変化した上でフィルタリング処理を行うこと
により通過域のリップルを低減し平坦な振幅特性を得る
ことができることを見い出しこれを提案した。
【0005】また一方、音声信号を主信号とする通信に
対して、該主信号にこれとは異なる情報を担った副信号
を付加し同一の伝送路に送出することによって回線利用
の効率化を図ろうとする様々な提案がなされ研究が進め
られている。
【0006】
【発明の目的】本発明は上述した如き状況に鑑みてなさ
れたものであって、ST−DFTを利用したフィルタの
リップルの出現様態を変化せしめることにより副信号を
付加する信号多重化方式を提供することを目的とする。
【0007】
【発明の概要】上述の目的を達成するため本発明は、送
信側に於いては主信号を所定の周期にてサンプリングし
標本化された入力信号を、R個のサンプリングポイント
分ずつ順次シフトさせながらN個のサンプリング値列を
得る操作を行い、各サンプリング値列について離散的フ
ーリエ変換(DFT)を施すことによって離散的周波数
成分に変換し、夫々の周波数成分の所望周波数成分のみ
を抽出するフィルタリング処理を行った後、逆DFTを
施し、これを所望数2Q個について合成することによっ
て所望周波数成分のみをフィルタリングした信号を作出
する時間依存フーリエ変換(ST−DFT)手段をして
前記主信号とは別の情報を有する副信号を付加した上で
伝送路に送出する信号多重化方式に於いて、前記ST−
DFT手段が、前記離散的周波数成分について適宜その
位相を変化した上でフィルタリング処理を行うことによ
り出力の振幅特性に現出するリップルを変化せしめ、該
リップルの出現様態をもって副信号としたものであっ
て、前記離散的周波数成分について最低周波数から偶数
番目のすべての周波数成分について位相を180゜回転
せしめるか否かによって夫々ほぼフラットな或いは櫛歯
状のリップルを有する振幅特性を呈する出力とし、該リ
ップルの有無を2値データの副信号としたもの或いは、
前記離散的周波数成分について最低周波数から奇数番目
のすべての周波数成分について位相を90゜回転せしめ
るか否かによって前記櫛歯状のリップルの出現様態を変
化せしめたもの。更にはR=N/2であり且つQが偶数
であること若しくはR=N/4であり且つQ=3+4n
或いはであること或いはR=N/aであり且つQ=(a
/2+1)+an(但し、n=0,1,2,3・・・、
1<a≦N、aはNの約数)であるもの。
【0008】
【実施例】実施例の説明に先立ち、本発明の理解を容易
にするため前述のST−DFTを利用したディジタルフ
ィルタについて少しく詳細に説明するまずST−DFT
の定義から変換式は次のようになる。
【数1】 ここでXn(ej 2πk/N )は、時刻nにおける瞬時ス
ペクトラムの周波数成分、x(n)は時刻nにおける入
力信号、w(n)は(2)式で定義される分析フィルタ
関数とする。
【0009】上述のアルゴリズムをフィルタバンクと等
価と解釈したときの構成を図2に示す。h(n)は、理
想低域通過フィルタ(LPF)に時間領域でejωmなる
変調をかけ(但し、ω=2πk/N)、ωだけ周波数を
シフトさせた帯域通過フィルタ(BPF)である。入力
信号がそのBPFを通した後にベースバンド帯域への変
調項e-jωnをかけた後の信号Xn(ejωk)が瞬時スペ
クトラムとなる。逆変換も同様に等価といえる。また各
BPFの出力はejωmなる変調をかけベースバンドにシ
フトしているがこの帯域は入力信号帯域の1/2Nであ
るので、サンプリング周波数を1/Nに落とすことがで
きる。この結果ベースバンドにシフトする前に比べてサ
ンプリングを1/R(R≦N)に減らすことができる。
これをディジタル信号処理で実現する場合、サンプル数
がR:1になるように間引き(ダウンサンプル)を行な
えばよく、Rサンプルごとに一回分析処理を行うことで
あり、n=rR(rは整数)とおくことと等価である。
【0010】また連続な周波数スペクトルを周波数領域
で適性にサンプリングして周期的な離散スペクトルにし
た場合、それを逆フーリエ変換した時間領域での入力信
号はN周期の離散信号となる。そこでこの周期性から信
号をNサンプルごとに区切ってmをm=Ns+q(sは
整数、0≦q≦N−1)と表現する。これを(1)式に
代入、DFTの形に展開する。Xn(ej 2πk/N )は数
列un(q)を法Nだけ円状シフトした後N点DFTを
とったものになる。すなわち
【数2】 ここで((q−rR))Nは、括弧内q−rRをmodulo
Nで数えることを意味する。この時、(3)式は、Nポ
イントの離散的フーリエ変換(DFT)の形をしている
から高速フーリエ変換(FFT)を用いることができ
る。
【0011】一方、(1)式に基づく逆変換の定義式は
次のようになる。
【数3】 各周波数kに対する数列Xn(ej 2πk/N )をカットオ
フ周波数π/Nの低域フィルタに通し補間する。このフ
ィルタのインパルス応答をg(n)とし、全長2RQ−
1であると仮定する。ここでRは、データを補間する間
隔、Qは、補間する畳み込みの有限範囲(Q≠0,Qは
整数)である。さらに(5)式は、次のように書き換え
られる。
【数4】 このとき、(6)式は、Nポイントの離散的逆フーリエ
変換(IDFT)の形をしているから高速逆フーリエ変
換(IFFT)を用いることができる。
【0012】ここで、合成フィルタとして次のLagrange
関数を用いる。
【数5】 図3にLagrange関数を示す。Lagrangeフィルタによる補
間のイメージを図4に示す。(1)式で定めた瞬時スペ
クトラムを簡単のためXn(k)とする。その瞬時スペ
クトラムは、分析時にサンプリングされた時間(R)ご
とに求まる。それを図4の斜右上方向を軸として描いて
ある。その垂直横方向に時間軸をそして垂直縦方向に瞬
時スペクトラムのパワーを軸にとってある。その上に絶
対時間nのLagrange関数の時間的推移位置を示してあ
る。絶対時間nの時系列合成サンプル値を求めるために
Lagrange関数と瞬時スペクトラムとの畳み込みを求め
る。畳み込みを行なう制約された範囲(2Q)を相対時
間としてLagrange関数と瞬時スペクトラムとの畳み込み
を行なって補間する。その結果を逆フーリエ変換したも
のが絶対時間nの時系列サンプル値となる。シミュレー
ションに用いたアルゴリズムは、スペクトルをフーリエ
逆変換し、それを図4のスペクトルに置き換えて補間
し、時系列合成サンプル値を求めている。
【0013】複素荷重係数を考慮したST−DFTの逆
変換アルゴリズムを以下で述べる。複素荷重係数を考慮
した逆変換の原理を示す。これは、信号をST−DFT
に通した時の大きな位相ひずみや振幅ひずみを除去する
ことを目的としている。合成部の複素荷重係数Pkは周
波数領域では次式で示される。
【数6】 この複素荷重係数を考慮すると逆変換(6)式は次のよ
うに書ける。
【数7】
【0014】以下に振幅周波数特性制御および位相制御
の制約条件と性質を示す。(1)式の瞬時スペクトラム
を簡単のためXn(k)とする。この瞬時スペクトラム
成分に次式の操作を施すと任意の位相推移θ[ra
d.]を与えた瞬時スペクトラムXn’(k)が得られ
る。
【数8】 従って、周波数域上でベクトル回転された瞬時スペクト
ラム成分の実、虚数成分は次式で与えられる。
【数9】
【0015】上述した如き原理に基づくST−DFT手
段を用いたフィルタは、実際にはディジタル信号処理プ
ロセッサ(DSP)若しくはゲート回路の組合せ等の周
知の手法によってフィルタとして実現される。
【0016】しかしながら、ST−DFT手段を用いて
フィルタを構成した場合、処理量及び遅延の増大を防止
すべく設計パラメータであるQ及びRを有限に打ち切ら
なければならないため、フィルタの振幅特性が著しく劣
化し櫛状のリップルを呈すると共に位相直線性も大きく
ずれるという欠陥があった。例えばST−DFTをフィ
ルタバンクと等価と見たときの設計パラメータをL=
8,Q=4,R=N/2とし、ST−DFTの離散ポイ
ント数をN=32、間引きフィルタに理想低域通過フィ
ルタである無限長Nyquistフィルタを有限長に打ち切っ
たTruncated Nyquistフィルタを用い、Lagrangeフィル
タを用いたときの振幅の周波数特性を図5に示す。同図
に於いて横軸のFrequency Indexは、DFTの線スペク
トルの番号である。
【0017】この周波数特性は、ST−DFTの帯域を
半分にした低域通過フィルタの特性を用い、ST−DF
Tの周波数の8倍の解像度の周波数を入力したときの振
幅、位相特性である。ST−DFTの周波数サンプル点
は、1つのフィルタバンクの中心周波数である。また図
6は、位相角の変化を周波数ごとに示したものである。
通過域ではフィルタバンクの間で位相角がずれているの
がはっきりとわかる。図5、図6から明らかな如く櫛状
の振幅特性となり、各フィルタバンクの間で位相がずれ
ると云う欠陥があったこと上述した通りである。
【0018】これに対し、本発明者は設計パラメータを
有限に打ち切ってST−DFTを利用したディジタルフ
ィルタを実現した場合について、計算機シュミレーショ
ンによる解析を重ねるうちに、DFTにより得られた周
波数成分の位相を調整することにより、通過域のリップ
ルを制御できることを見い出し、以下の最適条件に到達
した。(8)式に於けるn0をn0(k)と周波数の関数
に置き換えたとき、kが偶数のとき n0(k)=
0,kが奇数のとき n0(k)=N/2,という
条件、即ち前記離散的周波数成分について最低周波数か
ら偶数番目のすべての周波数成分について位相を180
゜回転すると共に、R=N/2、Q=偶数の時、R=N
/4、Q=3+4n(n=0,1,2,
3......)の時、或いはR=N/aであり且つQ
=(a/2+1)+an(但し、n=0,1,2,3・
・・、1<a≦N、aはNの約数)のとき通過域の櫛状
特性が改善可能となる。
【0019】例えば従来のそれと同様に設計パラメータ
をL=8,Q=4,R=N/2とし、離散ポイント数を
N=32、間引きフィルタに理想低域通過フィルタであ
る無限長Nyquistフィルタを有限長に打ち切ったTruncat
ed Nyquistフィルタを用い、補間フィルタにLagrangeフ
ィルタを用いたとき、その振幅の周波数特性は図7に示
す如く、図5の通過域で見られた約60dBの櫛状の特
性は消え、約0.23dBとほとんどリップルがない理
想に近い平坦な振幅特性が得られている。深い減衰のあ
った周波数以外では、最大で約0.15dB程度のリッ
プルとなっている。図8は、位相調整後のST−DFT
の位相特性であって、通過域での位相直線性がほぼ実現
され、通過域でのリップルは、最大約0.00004d
eg.と極めて微小な値となることがわかる。
【0020】以上説明した如く所定の設計パラメータに
おいては、前記離散的周波数成分について最低周波数か
ら偶数番目のすべての周波数成分について位相を180
゜回転させるか否かによって、通過域がフラットになる
或いはリップルが現出するかのいずれかに制御すること
が可能となる。本発明はこの点に着目し、”0”、”
1”の2値データをリップルの有無に置き換えることに
よって、音声等の主信号と同時にこれとは別の副信号を
同一伝送路上に送出せんとする信号多重化方式を提案す
るものである。
【0021】図1(a)、(b)は夫々本発明に係る信
号多重化方式を適用した送信器と受信器の一実施例の構
成を示す図であって、ディジタルフィルタ1はA/D変
換器2により所定の周期にてサンプリングし標本化され
た入力信号を、R個のサンプリングポイント分ずつ順次
シフトさせながらN個のサンプリング値列(ブロック)
を得る操作を行い、各ブロックについて離散的フーリエ
変換(DFT)を施すことによって離散的周波数成分に
変換する分析部3と、前記離散的周波数成分について適
宜その位相を変化する処理を行う位相調整部4と、夫々
の周波数成分の所望周波数成分のみを抽出するフィルタ
リング処理を行うフィルタリング部5と、各ブロックに
逆DFTを施し、これを所望数2Q個について合成する
合成部6とによって所望周波数成分のみをフィルタリン
グした信号を作出し、これをD/Aコンバータ7にてア
ナログ値に変換して出力するものである。ここで、送信
側のフィルタ1の位相調整部4に於いては、副信号とし
て1ビットの2値ディジタルデータにより所定の周波数
成分について位相を変化させ、通過域のリップルの有無
による多重化を行う。
【0022】一方、受信側のフィルタ8は送信側のそれ
とほぼ同等のものであって主信号たる音声信号を取り出
す。このとき櫛歯状の振幅特性を示すよう位相調整し副
信号を除去し主信号のみを取り出すことも可能である。
一方、副信号再生部9は副信号についての再生を行うも
のであり、フィルタを構成していたのと同等の分析部1
0と該分析部10により離散的周波数成分に変換された
信号からリップルの有無を求める解析部11とから成
り、分析部10は送信側のフィルタより分解能を高くす
るのが一般的である。また、送信側に櫛歯状リップルの
一が出現するのと同一の周波数で適当なレベルを有する
正弦波を発生するパイロット信号発生部12を設け主信
号と共にフィルタ1入力し、受信側の副信号再生部9で
当該周波数のレベルを検出することによって、主信号の
レベルに依存することなくリップルの有無を確実に捉え
るよう構成してもよい。
【0023】さらに、本発明者は次の条件1、条件2な
る2つの条件を満たす場合には夫々図9、図10に示す
如きリップルの出現様態を実現できることを見い出し
た。また、このときの位相特性は夫々図11、図12の
ようになり、いずれの場合も前述と同じ設計パラメータ
を用いてシュミレーションを行った結果である。 条件1 kが偶数のとき n0(k)=N/4 kが奇数のとき n0(k)=0 という条件、即ち前記離散的周波数成分について最低周
波数から奇数番目のすべての周波数成分について位相を
90゜回転すると共に、R=N/2、Q=偶数の時、あ
るいは、R=N/4、Q=3+4n(n=0,1,2,
3......)としたもの。 条件2 kが偶数のとき n0(k)=N/4 kが奇数のとき n0(k)=N/2 という条件、即ち前記離散的周波数成分について最低周
波数から偶数番目のすべての周波数成分について位相を
180゜回転し、奇数番目のすべての周波数成分につい
て位相を90゜回転すると共に、R=N/2、Q=偶数
の時、あるいは、R=N/4、Q=3+4n(n=0,
1,2,3......)としたもの。
【0024】即ち、この2つのリップル出現様態に夫
々”0”、”1”の2値データを担わせることにより更
に1ビット、先の1ビットとあわせて2ビットの2値デ
ータを副信号として主信号に付加することも可能とな
る。以上、説明した通り本発明者はこれまで欠点とされ
ていたフィルタのリップルを制御する手段を見い出し、
却ってこれを積極的に通信に利用したのであって、リッ
プル自体は10数Hz程度と音声帯域に比して極めて狭
帯域であり、その出現位置を適宜調整することにより十
分実用可能であろう。
【0025】尚、以上本発明を電話回線等の音声信号を
主信号としたものを例として説明したが、本発明はこれ
のみに限定されるものではなく、ファックス等の他の信
号を主信号としたものに適用してもよく、電話以外の伝
送線路を利用する通信に適用することに何ら困難はな
い。また、本発明はST−DFTを利用したフィルタを
用い、その位相調整によりリップルの出現様態を変化せ
しめこれを副信号とするものであり、上述のシュミレー
ションに用いた条件に限定されるものではなく、フィル
タの位相調整部にて適宜調整をすることにより、更に副
信号のビット数を増加せしめたものであってもよい。更
に、実施例に於いては振幅特性に現われるリップルの出
現様態のみに着目していたが、位相特性のグラフから明
らかな如く受信側で位相を解析することによって副信号
を再生するよう構成することも可能である。
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上説明した如く構成するも
のであるから、ST−DFTを利用したフィルタのリッ
プルの出現様態を前記フィルタを構成する位相調整部に
て位相調整するのみで変化せしめることにより副信号を
付加すると云うこれまでにない信号多重化方式を提供す
る上で著しい効果を奏する。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は夫々本発明に係る信号多重化
方式を適用した送受信器の構成を示す概念図。
【図2】ST−DFTのアルゴリズムを概念的に説明す
る図。
【図3】Lagrange関数の波形を示す図。
【図4】Lagrangeフィルタによる補間のイメージを示す
図。
【図5】ディジタルフィルタの振幅の周波数特性を示す
図。
【図6】ディジタルフィルタの位相特性を示す図。
【図7】位相調整後のディジタルフィルタの振幅の周波
数特性を示す図。
【図8】位相調整後のディジタルフィルタの位相特性を
示す図。
【図9】位相調整後のディジタルフィルタの振幅の周波
数特性を示す図。
【図10】位相調整後のディジタルフィルタの振幅の周
波数特性を示す図。
【図11】位相調整後のディジタルフィルタの位相特性
を示す図。
【図12】位相調整後のディジタルフィルタの位相特性
を示す図。
【符号の説明】
1、8・・・ディジタルフィルタ 3・・・分析部 4・・・位相調整部 5・・・フィルタリング部 6・・・合成部 9・・・副信号再生部 10・・・分析部 11・・・解析部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送信側に於いては主信号を所定の周期にて
    サンプリングし標本化された入力信号を、R個のサンプ
    リングポイント分ずつ順次シフトさせながらN個のサン
    プリング値列を得る操作を行い、各サンプリング値列に
    ついて離散的フーリエ変換(DFT)を施すことによっ
    て離散的周波数成分に変換し、夫々の周波数成分の所望
    周波数成分のみを抽出するフィルタリング処理を行った
    後、逆DFTを施し、これを所望数2Q個について合成
    することによって所望周波数成分のみをフィルタリング
    した信号を作出する時間依存フーリエ変換(ST−DF
    T)手段をして前記主信号とは別の情報を有する副信号
    を付加した上で伝送路に送出する信号多重化方式に於い
    て、 前記ST−DFT手段が、前記離散的周波数成分につい
    て適宜その位相を変化した上でフィルタリング処理を行
    うことにより出力の振幅特性に現出するリップルを変化
    せしめ、該リップルの出現様態をもって副信号としたこ
    とを特徴とする信号多重化方式。
  2. 【請求項2】前記離散的周波数成分について最低周波数
    から偶数番目のすべての周波数成分について位相を18
    0゜回転せしめるか否かによって夫々ほぼフラットな或
    いは櫛歯状のリップルを有する振幅特性を呈する出力と
    し、該リップルの有無を2値データの副信号としたこと
    を特徴とする請求項1記載の信号多重化方式。
  3. 【請求項3】前記離散的周波数成分について最低周波数
    から奇数番目のすべての周波数成分について位相を90
    ゜回転せしめるか否かによって前記櫛歯状のリップルの
    出現様態を変化せしめたことを特徴とする請求項1或い
    は2記載の信号多重化方式。
  4. 【請求項4】R=N/2であり且つQが偶数であること
    若しくはR=N/4であり且つQ=3+4n或いはR=N
    /aであり且つQ=(a/2+1)+an(但し、n=
    0,1,2,3・・・、1<a≦N、aはNの約数)で
    あることを特徴とする請求項1乃至3記載の信号多重化
    方式。
JP11908093A 1993-04-22 1993-04-22 信号多重化方式 Pending JPH06311124A (ja)

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JP11908093A Pending JPH06311124A (ja) 1993-04-22 1993-04-22 信号多重化方式

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JP (1) JPH06311124A (ja)

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