JP2009071774A - 信号多重化方式 - Google Patents
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Abstract
【目的】
ST-DFTを利用したフィルタのリップルの出現様態を変化せしめることにより副信号を付加する信号多重化方式を提供することを目的とする。
【構成】
標本化された入力信号よりサンプリング値列を得る操作を行い、各サンプリング値列について離散フーリエ変換(DFT)を施すことによって離散的周波数成分に変換し、所望の周波数成分のみを抽出するフィルタリング処理を行った後、逆DFTを施し、これを合成することによって所望周波数成分のみをフィルタリングした信号を作出する時間依存フーリエ変換(ST-DFT)手段をして主信号とは別の情報を有する副信号を付加した上で伝送路に送出する信号多重化方式に於いて、前記離散的周波数成分について適宜その位相を変化した上でフィルタリング処理を行うことにより出力の振幅特性に出現するリップルを変化せしめ、該リップルの出現様態をもって副信号としたものである。
【選択図】図1
ST-DFTを利用したフィルタのリップルの出現様態を変化せしめることにより副信号を付加する信号多重化方式を提供することを目的とする。
【構成】
標本化された入力信号よりサンプリング値列を得る操作を行い、各サンプリング値列について離散フーリエ変換(DFT)を施すことによって離散的周波数成分に変換し、所望の周波数成分のみを抽出するフィルタリング処理を行った後、逆DFTを施し、これを合成することによって所望周波数成分のみをフィルタリングした信号を作出する時間依存フーリエ変換(ST-DFT)手段をして主信号とは別の情報を有する副信号を付加した上で伝送路に送出する信号多重化方式に於いて、前記離散的周波数成分について適宜その位相を変化した上でフィルタリング処理を行うことにより出力の振幅特性に出現するリップルを変化せしめ、該リップルの出現様態をもって副信号としたものである。
【選択図】図1
Description
本発明は通信方式、殊にアナログ回線に主信号たるアナログ信号に微少ビットのディジタル信号を副信号として付加せしめる多重通信方式に関する。
電話等のアナログ音声の通信回線に於いては、音声周波数以上の高周波成分を制限することが義務付けられている為、所定のカットオフ周波数を有する所望LCフィルタ等の低域通過フィルタ(LPF)を用いるのが一般的である。近年、従来のLCフィルタに代えて離散的フーリエ変換(DFT)等を利用したディジタルフィルタを用いることが提案されている。周知の通り、DFTを使って信号処理する場合は、信号をブロックに区切る必要がある為、DFTを通信に適用する場合、送受信間ではDFTのブロック同期信号を伝送することが必須となる。また、このような通信系では、伝送路に郡遅延ひずみがあると、DFTブロック端点における受信信号の周波数成分が時間的にばらばらに受信された状態になる為、周波数成分の時間遅れを一定に戻す位相等化も必要となり、元来のスペクトラム操作のための処理をはるかに超える量の信号処理を行わなければならないと云う欠点があった。
一方、ディジタル信号処理の1つとして時間依存フーリエ変換(ST-DFT)が知られており、これは瞬時スペクトラムを計算するアルゴリズムであって、ST-DFTをフィルタと見做したアルゴリズムは、フィルタバンク総和法と呼ばれている。ST-DFTを利用したフィルタは、A/Dコンバータ等により所定の周期にてサンプリングすることにより時間軸上で標本化された入力信号を、N個のサンプリング値列(ブロック)毎に区切り、前後の数ブロック分の信号に基づきN個のサンプリング値列を得る操作をR個のサンプルポイント分ずつ順次シフトさせながら行い、各ブロックについて離散的フーリエ変換(DFT)を施すことによってN個の周波数成分から成る離散的周波数スペクトルに変換し、夫々の離散的周波数スペクトルについて所望周波数成分のみを抽出するフィルタリング処理を行った後、逆DFTを施し、これをブロック数2Q個について合成することによって所望周波数成分のみをフィルタリングした信号を作出するものである。
このST-DFTは信号のブロック同期を必要とせず、しかも受信側において位相変化が線形となる。したがって伝送路の郡遅延歪に強いと云う特徴を有する。しかしながら、ST-DFT手段を用いてフィルタを構成した場合、処理量及び遅延増大を防止すべく設計パラメータであるQ及びRを有限に打ち切らなければならないため、フィルタの振幅特性が著しく劣化し櫛状のリップルを呈すると共に位相直線性も大きくずれるという欠点があった。
これに対し、本発明者は、従来のST-DFTを利用したディジタルフィルタに於いて、設計パラメータを有限に打ち切ってフィルタを実現した場合であっても前記離散的周波数成分について適宜その位相を変化した上でフィルタリング処理を行うことにより通過域のリップルを低減し平坦な振幅特性を得ることが出来ることを見出しこれを提案した。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、以下の構成を備える。
送信側に於いては主信号を所定の周期にてサンプリングし標本化された入力信号を、R個サンプリングポイント分ずつ順次シフトさせながらN個のサンプリング値列を得る操作を行い、各サンプリング値列について離散的フーリエ変換(DFT)を施すことによって離散的周波数成分に変換し、各々周波数成分の所望周波数成分のみを抽出するフィルタリング処理を行った後、逆DFTを施し、これを所望数2Q個について合成することによって所望周波数成分のみをフィルタリングした信号を作出する時間依存フーリエ変換(ST-DFT)手段をして前期主信号とは別の情報を有する副信号を付加した上で伝送路に送出する信号多重化方式に於いて、
前記ST-DFT手段が、前記離散的周波数成分について適宜その位相を変化した上でフィルタリング処理を行うことにより出力の振幅特性に出現するリップルを変化せしめ、該リップルの出現様態をもって副信号としたことを特徴とする信号多重化方式。
送信側に於いては主信号を所定の周期にてサンプリングし標本化された入力信号を、R個サンプリングポイント分ずつ順次シフトさせながらN個のサンプリング値列を得る操作を行い、各サンプリング値列について離散的フーリエ変換(DFT)を施すことによって離散的周波数成分に変換し、各々周波数成分の所望周波数成分のみを抽出するフィルタリング処理を行った後、逆DFTを施し、これを所望数2Q個について合成することによって所望周波数成分のみをフィルタリングした信号を作出する時間依存フーリエ変換(ST-DFT)手段をして前期主信号とは別の情報を有する副信号を付加した上で伝送路に送出する信号多重化方式に於いて、
前記ST-DFT手段が、前記離散的周波数成分について適宜その位相を変化した上でフィルタリング処理を行うことにより出力の振幅特性に出現するリップルを変化せしめ、該リップルの出現様態をもって副信号としたことを特徴とする信号多重化方式。
本発明は、上述した如き状況に鑑みてなされたものであって、ST-DFTを利用したフィルタのリップルの出現様態を変化せしめることにより副信号を付加する信号多重化方式を提供することを目的とする。
本発明は、以上説明をした如く構成するものであるから、ST-DFTを利用したフィルタのリップル出現様態を前記フィルタを構成する位相調整部にて位相調節するのみで変化せしめることにより副信号を付加すると云うこれまでにない信号多重化方式を提供する上で著しい効果を奏する。
上述の目的を達成するため本発明は、送信側に於いては主信号を所定の周期にてサンプリングし標本化された入力信号を、R個のサンプリングポイント分ずつ順次シフトさせながらN個のサンプリング値列を得る操作を行い、各サンプリング値列について離散的フーリエ変換(DFT)を施すことによって離散的周波数成分に変換し、夫々の周波数成分のみを抽出するフィルタリング処理を行った後、逆DFTを施し、これを所望数2Q個について合成することによって所望周波数成分のみをフィルタリングした信号を作出する時間依存フーリエ変換(ST-DFT)手段をして前期主信号とは別の情報を有する副信号を付加した上で伝送路に送出する信号多重化方式に於いて、前記ST-DFT手段が、前記離散的周波数成分について適宜その位相を変化した上でフィルタリング処理を行うことにより出力の振幅特性に現出するリップルを変化せしめ、該リップルの出現様態をもって副信号としたものであって、前記離散的周波数成分について最低周波数から奇数番目のすべての周波数成分について位相を180°回転せしめるか否かによって夫々ほぼフラットな或いは櫛歯状のリップルを有する振幅特性を呈する出力とし、該リップルの有無を2値データの副信号としたもの或いは、前記離散的周波数成分について最低周波数から偶数番目のすべての周波数成分について位相を90°回転せしめるか否かによって前記櫛歯状のリップルの出現様態を変化せしめたもの。
或いは、前記離散的周波数成分について最低周波数から次のk番目の周波数成分について位相を次の各々回転した上でフィルタリング処理を行うことにより通過域のリップルを低減せしめたもの。
k=0のとき360°/N
k=4a+2(a=0,1,2,…)のとき360°/4
k=4a(但し、8の倍数でない)のとき360°/8
k=8a(但し、16の倍数でない)のとき360°/16
k=N/4*a(但し、N/2の倍数でない)のとき360°/(N/2)
更にはR=N/2であり且つQが偶数であること若しくはR=N/4であり且つQ=3+4n或いはR=N/aであり且つQ=(a/2+1)+an(但し、n=0,1,2,3,…、1<a<=N、aはNの約数)であるもの。
或いは、前記離散的周波数成分について最低周波数から次のk番目の周波数成分について位相を次の各々回転した上でフィルタリング処理を行うことにより通過域のリップルを低減せしめたもの。
k=0のとき360°/N
k=4a+2(a=0,1,2,…)のとき360°/4
k=4a(但し、8の倍数でない)のとき360°/8
k=8a(但し、16の倍数でない)のとき360°/16
k=N/4*a(但し、N/2の倍数でない)のとき360°/(N/2)
更にはR=N/2であり且つQが偶数であること若しくはR=N/4であり且つQ=3+4n或いはR=N/aであり且つQ=(a/2+1)+an(但し、n=0,1,2,3,…、1<a<=N、aはNの約数)であるもの。
実施例の説明に先立ち、本発明の理解を容易にするため前途のST-DFTを利用したディジタルフィルタについて少し詳細に説明する。まずST-DFTの定数から変換式は次のようになる。
ここでXn(ej2π/N)は、時刻nにおける瞬時スペクトラムの周波数成分X(n)は時刻nにおける入力信号、W(n)は(2)式で定義される分析フィルタ関数とする。
ここでXn(ej2π/N)は、時刻nにおける瞬時スペクトラムの周波数成分X(n)は時刻nにおける入力信号、W(n)は(2)式で定義される分析フィルタ関数とする。
上述のアルゴリズムをフィルタバンクと等価と解釈したときの構成を図2に示す。h(n)は、理想低域通過フィルタ(LPF)に時間領域でe-jωnなる変調をかけ(但し、ω=2πk/N)、ωだけ周波数をシフトさせた帯域通過フィルタ(BPF)である。入力信号がそのBPFを通した後にベースバンド帯域への変調項e-jωnをかけた後の信号Xn(e-jωn)が瞬時スペクトラムとなる。逆変換も同様に等価といえる。また各BPFの出力はe-jωnなる変調をかけベースバンドにシフトしているがこの帯域は、入力信号帯域の1/2Nであるので、サンプリング周波数を1/Nに落とすことが出来る。この結果ベースバンドにシフトする前に比べてサンプリングを1/R(R<=N)に減らすことが出来る。これをディジタル信号処理で実現する場合、サンプル数がR:1になるように間引き(ダウンサンプル)を行えばよく、Rサンプルごとに一回分析処理を行うことでありn=rR(rは整数)とおくことと等価である。
また連続な周波数スペクトルを周波数領域で適正にサンプリングして周期的な離散スペクトルにした場合、それを逆フーリエ変換した時間領域での入力信号はN周期の離散信号となる。そこでこの周期性から信号をNサンプルごとに区切ってmをm=Ns+q(sは整数、0≦q≦N-1)と表現する。これを(1)式に代入、DFTの形に展開する。Xn(ej2πk/N)は、数列un(q)を法Nだけ円状シフトした後N点DFTをとったものになる。すなわち
ここで((q-rR))Nは括弧内 q-rR をmodulo Nで数えることを意味する。この時、(3)式は、Nポイントの離散的フーリエ変換(DFT)の形をしているから高速フーリエ変換(FFT)を用いることができる。
ここで((q-rR))Nは括弧内 q-rR をmodulo Nで数えることを意味する。この時、(3)式は、Nポイントの離散的フーリエ変換(DFT)の形をしているから高速フーリエ変換(FFT)を用いることができる。
一方、(1)式に基ずく逆変換の定義式は、次のようになる。
各周波数kに対する数列Xn(ej2πk/N)をカットオフ周波数π/Nの低域フィルタに通し補間する。このフィルタのインパルス応答をg(n)とし、全長2RQ-1であると仮定する。ここでRは、データを補間する間隔、Qは、補間する畳み込みの有限範囲(Q≠0、Qは整数)である。さらに(5)式は、次のように書き換えられる。
このとき、(6)式は、Nポイントの離散的逆フーリエ変換(IDFT)の形をしているから高速逆フーリエ変換(IFFT)を用いることができる。
ここで合成フィルタとして次のLagrange関数を用いる。
図3にLagrange関数を示す。Lagrangeフィルタによる補間イメージを図4に示す。(1)式で定めた瞬時スペクトラムを簡単のためXn(k)とする。その瞬時スペクトラムは、分析時にサンプリングされた時間(R)ごとに求まる。それを図4の斜右上方向を軸として描いてある。その垂直横方向に時間軸をそして垂直縦方向に瞬時スペクトラムのパワーを軸にとってある。その上に絶対時間nのLagrange関数の時間的推移位置を示してある。絶対時間nの時系列合成サンプル値を求めるためにLagrange関数と瞬時スペクトラムとの畳み込みを求める。畳み込みを行う制約された範囲(2Q)を相対時間としてLagrange関数と瞬時スペクトラムとの畳み込みを行って補間する。その結果を逆フーリエ変換したものが絶対時間nの時系列サンプル値となる。シミュレーションに用いたアルゴリズムは、スペクトルをフーリエ逆変換し、それを図4のスペクトルに置き換えて補間し、時系列合成サンプル値を求めている。
各周波数kに対する数列Xn(ej2πk/N)をカットオフ周波数π/Nの低域フィルタに通し補間する。このフィルタのインパルス応答をg(n)とし、全長2RQ-1であると仮定する。ここでRは、データを補間する間隔、Qは、補間する畳み込みの有限範囲(Q≠0、Qは整数)である。さらに(5)式は、次のように書き換えられる。
このとき、(6)式は、Nポイントの離散的逆フーリエ変換(IDFT)の形をしているから高速逆フーリエ変換(IFFT)を用いることができる。
ここで合成フィルタとして次のLagrange関数を用いる。
図3にLagrange関数を示す。Lagrangeフィルタによる補間イメージを図4に示す。(1)式で定めた瞬時スペクトラムを簡単のためXn(k)とする。その瞬時スペクトラムは、分析時にサンプリングされた時間(R)ごとに求まる。それを図4の斜右上方向を軸として描いてある。その垂直横方向に時間軸をそして垂直縦方向に瞬時スペクトラムのパワーを軸にとってある。その上に絶対時間nのLagrange関数の時間的推移位置を示してある。絶対時間nの時系列合成サンプル値を求めるためにLagrange関数と瞬時スペクトラムとの畳み込みを求める。畳み込みを行う制約された範囲(2Q)を相対時間としてLagrange関数と瞬時スペクトラムとの畳み込みを行って補間する。その結果を逆フーリエ変換したものが絶対時間nの時系列サンプル値となる。シミュレーションに用いたアルゴリズムは、スペクトルをフーリエ逆変換し、それを図4のスペクトルに置き換えて補間し、時系列合成サンプル値を求めている。
複素荷重係数を考慮したST-DFTの逆変換アルゴリズムを以下で述べる。複素荷重係数を考慮した逆変換の原理を示す。これは、信号をST-DFTに通したときの大きな位相ひずみや振幅ひずみを除去することを目的としている。合成部の複素荷重係数Pkは周波数領域では、次式で示される。
この複素荷重係数を考慮すると逆変換(6)式は次のように書ける。
この複素荷重係数を考慮すると逆変換(6)式は次のように書ける。
上述した如き原理に基づくST-DTF手段を用いたフィルタは、実際にはディジタル信号処理プロセッサ(DSP)若しくはゲート回路の組み合わせ等の周知の手法によってフィルタとして実現される。
図1(a)、(b)は夫々本発明に係わる信号多重化方式を適用した送信器と受信器の一実施例の構成を示す図であって、ディジタルフィルタ1はA/D変換器2により所定の周波数にてサンプリングし標本化された入力信号を、R個のサンプリングポイント分ずつ順次シフトさせながらN個のサンプリング値列(ブロック)を得る操作を行い、各ブロックについて離散的フーリエ変換(DFT)を施すことによって離散的周波数成分に変換する分析部3と、前記離散的周波数成分について適宜その位相を変化する処理を行う位相調整部4と、夫々の周波数成分の所望周波数成分のみを抽出するフィルタリング処理を行うフィルタリング部5と、各ブロックに逆DFTを施し、これを所望数2Q個について合成する合成部6とによって所望周波数成分のみをフィルタリングした信号を作出し、これをD/Aコンバータ7にてアナログ値に変換して出力するものである。ここで、送信側のフィルタ1の位相調整部4に於いては、副信号として1ビット2値ディジタルデータにより所定の周波数成分について位相を変化させ、通過域のリップルの有無による多重化を行う。
一方、受信側のフィルタ8は送信側のそれとほぼ同等のものであって主信号たる音声信号を取り出す、このとき櫛歯状の振幅特性を示すよう位相調整し副信号を除去し主信号のみを取り出すことも可能である。一方、副信号再生部9は副信号についての再生を行うものであり、フィルタを構成していたのと同様の分析部10と該分析部10により離散的周波数成分に変換された信号からリップルの有無を求める解析部11とから成り、分析部10は送信側のフィルタより分析能を高くするのが一般的である。また、送信側に櫛歯状リップルの一が出現するのと同一の周波数で適当なレベルを有する正弦波を発生するパイロット信号発生部12を設け主信号と共にフィルタ1入力し、受信側の副信号再生部9で当該周波数のレベルを検出することによって、主信号のレベルに依存することなくリップルの有無を確実に捉えるように構成してもよい。
しかしながら、ST-DFT手段を用いてフィルタを構成した場合、処理量及び遅延の増大を防止すべく設計パラメータであるQ及びRを有限に打ち切らなければならないため、フィルタの振幅特性が著しく劣化し櫛状のリップルを呈すると共に位相直線性も大きくずれるという欠陥があった。例えばST-DFTをフィルタバンクと等価と見たときの設計パラメータをL=8,Q=20,R=N/2とし、ST-DFTの離散ポイント数をN=32、間引きフィルタを有限長に打ち切ったkaiserフィルタを用い、Lagrangeフィルタを用いたときの振幅の周波数特性を図5に示す。同図に於いて補軸のFrequency Indexは、DFTの線スペクトルの番号である。
これに対し、本発明は設計パラメーターを有限に打ち切ってST-DFTを利用したディジタルフィルタを実現した場合について、計算機シュミレーションによる解析を重ねるうちにDFTにより得られた周波数成分の位相を調節することにより、通過域のリップルを制御できることを見い出し、以下の最適条件に到達した。(8)式に於けるn0(k)と周波数の関数に置き換えたとき、
kが偶数のとき n0(k)=0
kが奇数のとき n0(k)=N/2
という条件、即ち前記離散的周波数成分について最低周波数から奇数番目の全ての周波数成分について位相を180°回転すると共に、R=N/2、Q=偶数の時、R=N/4、Q=3+4n(n=0,1,2,3,…)の時、或いは R=N/aであり且つQ=(a/2+1)+an(但し、n=0,1,2,3,…,1<a≦N、aはNの約数)のとき通過域の櫛状特性が可能となる。
kが偶数のとき n0(k)=0
kが奇数のとき n0(k)=N/2
という条件、即ち前記離散的周波数成分について最低周波数から奇数番目の全ての周波数成分について位相を180°回転すると共に、R=N/2、Q=偶数の時、R=N/4、Q=3+4n(n=0,1,2,3,…)の時、或いは R=N/aであり且つQ=(a/2+1)+an(但し、n=0,1,2,3,…,1<a≦N、aはNの約数)のとき通過域の櫛状特性が可能となる。
さらに、本発明は設計パラメーターを有限に打ち切ってST-DFTを利用したディジタルフィルタを実現した場合について、DFTにより得られた周波数成分の位相を調節することにより、上述とは別に通過域のリップルを制御できることを見い出し、以下の最適条件に到達した。(8)式に於けるn0(k)と周波数の関数に置き換えたとき、
k=0のとき360°/N
k=4a+2(a=0,1,2,…)のとき360°/4
k=4a(但し、8の倍数でない)のとき360°/8
k=8a(但し、16の倍数でない)のとき360°/16
k=N/4*a(但し、N/2の倍数でない)のとき360°/(N/2)
という条件と共に、R=N/2、Q=偶数の時、R=N/4、Q=3+4n(n=0,1,2,3,…)の時、或いは R=N/aであり且つQ=(a/2+1)+an(但し、n=0,1,2,3,…,1<a≦N、aはNの約数)のとき通過域の櫛状特性が可能となる。
k=0のとき360°/N
k=4a+2(a=0,1,2,…)のとき360°/4
k=4a(但し、8の倍数でない)のとき360°/8
k=8a(但し、16の倍数でない)のとき360°/16
k=N/4*a(但し、N/2の倍数でない)のとき360°/(N/2)
という条件と共に、R=N/2、Q=偶数の時、R=N/4、Q=3+4n(n=0,1,2,3,…)の時、或いは R=N/aであり且つQ=(a/2+1)+an(但し、n=0,1,2,3,…,1<a≦N、aはNの約数)のとき通過域の櫛状特性が可能となる。
例えば従来のそれと同様に設計パラメータをL=8,Q=20,R=N/2とし、、離散ポイント数をN=32、間引きフィルタにkaiserフィルタを用い、補間フィルタにLagrangeフィルタを用いたとき、その振幅の周波数特性は図6に示す如く、図5の通過域で見られた約130dBの櫛状の特性は消え、約0.23dBとほとんどリップルがない理想に近い平坦な振幅特性が得られている。深い減衰のあった周波数以外では、最大で約0.15dB程度のリップルとなっている。通過域での位相直線性がほぼ実現され、通過域でのリップルは、最大約0.00004deg、と極めて微小な値となることがわかる。
以上説明した如く所定の設計パラメータおいては、前記離散的周波数成分について最低周波数から奇数番目のすべての周波数成分について位相を180°回転させるか否かによって、通過域がフラットになる或いはリップルが現出するかのいずれかに制御することが可能となる。本発明はこの点に着目し、”0”、”1”の2値データをリップルの有無に置き換えることによって、音声等の主信号と同時にこれとは別の副信号を同一伝送路上に送出せんとする信号多重化方式を提案するものである。
即ち、この2つの出現様態に夫々”0”、”1”の2値データを担わせることにより更に1ビット、先の1ビットとあわせて2ビットの2値データを副信号として主信号に付加することも可能となる。以上、説明した通り本発明はこれまでの欠点とされていたフィルタのリップルを制御する手段を見い出し、却ってこれを積極的に通信に利用したものであって、リップル自体は10数Hz程度と音声帯域に比して極めて狭帯域であり、その出現位置を適宜調整することにより充分実用可能であろう。
尚、以上本発明を電話回線等の音声信号を主信号としたものを例として説明したが、本発明はこれのみに限定されたものではなく、ファックス等の他の信号を主信号としたものに適用してもよく、電話以外の伝送経路を利用する通信に適用することに何ら困難はない。また、本発明はST-DFTを利用したフィルタを用い、その位相調整によりリップルの出現様態を変化せしめこれを副信号とするものであり、上述のシュミレーションに用いた条件に限定されるものではなく、フィルタの位相調整部にて適宜調整することにより、更に副信号のビット数を増加せしめたものであってもよい。更に、実施例に於いては振幅特性に現れるリップルの出現様態のみに着目していたが、位相特性のグラフから明らかな如く受信側で位相を解析することによって副信号を再生するよう構成することも可能である。
1,8・・・ディジタルフィルタ
3・・・分析部
4・・・位相調整部
5・・・フィルタリング部
6・・・合成部
9・・・副信号再生部
10・・・分析部
11・・・解析部
3・・・分析部
4・・・位相調整部
5・・・フィルタリング部
6・・・合成部
9・・・副信号再生部
10・・・分析部
11・・・解析部
Claims (5)
- 送信側に於いては主信号を所定の周期にてサンプリングし標本化された入力信号を、R個サンプリングポイント分ずつ順次シフトさせながらN個のサンプリング値列を得る操作を行い、各サンプリング値列について離散的フーリエ変換(DFT)を施すことによって離散的周波数成分に変換し、各々周波数成分の所望周波数成分のみを抽出するフィルタリング処理を行った後、逆DFTを施し、これを所望数2Q個について合成することによって所望周波数成分のみをフィルタリングした信号を作出する時間依存フーリエ変換(ST-DFT)手段をして前期主信号とは別の情報を有する副信号を付加した上で伝送路に送出する信号多重化方式に於いて、
前記ST-DFT手段が、前記離散的周波数成分について適宜その位相を変化した上でフィルタリング処理を行うことにより出力の振幅特性に出現するリップルを変化せしめ、該リップルの出現様態をもって副信号としたことを特徴とする信号多重化方式。 - 前記離散的周波数成分について最低周波数から奇数番目のすべての周波数成分について位相を180°回転せしめるか否かによって夫々ほぼフラットな或いは櫛歯状のリップルを有する振幅特性を呈する出力とし、該リップルの有無を2値データの副信号としたことを特徴とする請求項1記載の信号多重化方式。
- 前記離散的周波数成分について最低周波数から偶数番目のすべての周波数成分について位相を90°回転せしめるか否かによって前記櫛歯状のリップルの出現様態を変化せしめたことを特徴とする請求項1或いは2記載の信号多重化方式。
- 前記離散的周波数成分について最低周波数から次のk番目の周波数成分について位相を次
の各々回転した上でフィルタリング処理を行うことにより通過域のリップルを低減せしめ
たことを特徴とする請求項1乃至3記載の信号多重化方式。
k=0のとき360°/N
k=4a+2(a=0,1,2,…)のとき360°/4
k=4a(但し、8の倍数でない)のとき360°/8
k=8a(但し、16の倍数でない)のとき360°/16
k=N/4*a(但し、N/2の倍数でない)のとき360°/(N/2) - R=N/2であり且つQが偶数であること若しくはR=N/4であり且つQ=3+4n或いはR=N/aであり且つQ=(a/2+1)+an(但しn=0,1,2,3・・・、1<a<=N、aはNの約数)であることを特徴とする請求項1乃至4記載の信号多重化方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007240917A JP2009071774A (ja) | 2007-09-18 | 2007-09-18 | 信号多重化方式 |
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