JPH0631034Y2 - フローリング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、コンクリート床面の如く硬い床面に敷設さ
れ、歩行時に蹠面を多数の突起部で弾発的に受支する合
成ゴム製のフローリングに関する。

従来の技術 各種作業場や事務室等におけるコンクリート床面の如く
硬質の床面は、長時間の起立姿勢での作業，歩行が作業
者の脚に著しい疲労を与えるため、従来は、平坦なゴム
質フローリングとかコルクフローリング等が用いられて
いるが、蹠が接触した際のショックを若干吸収緩和する
作用は有するものの、十分な疲労防止効果を揚げるに至
っていない。

考案が解決しようとする課題 本考案はコンクリート床面等に敷設するのみで、芝生
面，地面等を歩行した際と同様の歩行感触，接地感触を
蹠に与え、起立姿勢での長時間の作業，歩行が行なわれ
ても作業者の脚に与える疲労感を少なくし、蹠面の血行
を良好とし、また踝，膝に対する衝撃を少なくしうるフ
ローリングを提供することを課題としている。

課題を解決するための手段 前述の課題を解決するため本考案は、合成ゴム製の基板
内に多数の中空球状部が隣接して形成され、該基板の少
なくとも表面が、前記中空球状部の位置で欠球状に膨出
させられていると共に、前記多数の中空球状部は、隣接
するもの同士が細パイプ部で連通されて全体が一連に連
通され、かつ該中空球状部内と細パイプ部内とに液体が
密封，充填されていると云う構成を採っている。

作用 本考案は、前述の構成であり、コンクリート床面等に敷
設されたフローリング上を人が歩き、一歩ごとに、靴底
を通してフローリング上に体重が負荷されると、体重の
負荷された部分の中空球状部が圧扁され、内部に充填さ
れている液体は、細パイプ部を通して隣接域の中空球状
部へ流出し、この流出時の抵抗が衝撃緩和作用を生じ、
あたかも芝草面あるいは柔かい地面を歩行する時のごと
き歩行感となり、脚各部への衝撃が緩和され、長時間の
立作業時にも疲労が累積されるのを防止する。

また底皮の薄い靴を履いている場合にはフローリング表
面の多数の欠球状の膨出部が、蹠の名所を個々に押圧す
る現象が生じ、あたかも蹠面の指圧のごとき作用とな
り、血行を良くし、健康の保持に役立つ。

更には、歩行による衝撃音が生ぜず、室内の静粛維持が
可能となるし、合成ゴム製であるから洗浄も可能で、室
内の清浄化に有効である。

実施例 第１図乃至第３図は第１の実施例を示しており、ニトリ
ルゴムの如き合成ゴム製の基材１，２は、２枚重ね合わ
されて一体に接合され、基板３を構成している。

この基板３内には、多数の中空球状部４，５が多数隣接
して形成され、基板３の表面６と裏面７とは、前記中空
球状部４，５の形成位置で欠球状の膨出部８，９とされ
ている。

前記多数の中空球状部４，５は隣接するもの同士が細パ
イプ部10,11,12,13で連通され、全部の中空球状部４，
５が一連に連通されている。

前述のすべての中空球状部４，５と細パイプ部10,11,1
2,13とには、基板３の材質を侵すことのない種類のオイ
ルあるいは水等の液体が密封充填されているが、その充
填量は満杯状態でも、あるいは一部に空間を存する状態
でもよい。

この構造は、中空球状部４，５と細パイプ部10,11,12,1
3とを半截した形状で具備する基材１，２を別個に成形
し、両基材１，２を第１図に示すように接合したのち、
基板３の側辺14の一部に開口を設けて中空球状部４，５
の何れかに連通させ、この開口を利用して、基板１内の
中空球状部４，５と細パイプ部10,11,12,13のすべての
空間を真空吸引によって負圧とし、この負圧を利用して
液体を充填する所謂真空充填を行ない、その後、前記側
辺14の開口を密封することにより容易に製作しうる。

図示例では、細パイプ部10,11,12,13の位置において
も、表面６と裏面７とは伏樋状の膨出部15,16を形成し
ている。

基板３の表面６と裏面７とは粗面として防滑を図ること
が好ましく、第１の実施例では該面に微小凹凸部17,18
を形成してある。

第４図は第２の実施例を示しており、基板19を構成する
裏面側の基板20の裏面21を平担面としてコンクリート床
面等へ敷設した際のフローリングの位置保持の安定性を
良好とし、かつ基板19の表面22の欠球状の膨出部23,24
の、荷重負荷時の弾発力をより強くしたものであり、他
の構成は第１の実施例と同一である。

効果 本考案は、以上説明した構成，作用のものであって、フ
ローリング上を作業員が歩行するとき、多数の中空球状
部が衝撃緩和作用を生じ、あたかも芝草面あるいは柔か
い地面を歩行する時の如き歩行感となり、脚各部への衝
撃が緩和され、長時間の立作業等の際の脚の疲労の防
止，疲労の累積の防止を図れる効果がある。

また底皮の薄い靴の場合には、欠球状の膨出部が蹠面名
所を押圧することとなり、指圧のごとき作用で血行を良
好とする効果もある。

合成ゴムの基板に、液体の充填された多数の中空球状部
を細パイプ部で連通させた構造であるから各部の衝撃緩
和作用が均一に分散され、長期に亘って初期の機能を維
持できるし、各部同一機能を発揮できる効果もあり、更
には、衝撃音が発生しないので室内の静粛維持が可能と
なり、また洗浄可能であるため室内の清浄化を図りうる
等の効果も有している。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は第１の実施例を示しており、第１図
は第２図中Ｉ−Ｉ線における拡大断面、第２図はフロー
リングの一隅角部分の平面図、第３図は第１図に示すも
のの左側面図、第４図は第２の実施例の第１図と同様の
断面図である。 ３：基板、４，５：中空球状部、６：表面、８，９：膨
出部、10,11,12,13：細パイプ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】合成ゴム製の基板内に多数の中空球状部が
   隣接して形成され、該基板の少なくとも表面が、前記中
   空球状部の位置で欠球状に膨出させられていると共に、
   前記多数の中空球状部は、隣接するもの同士が細パイプ
   部で連通されて全体が一連に連通され、かつ該中空球状
   部内と細パイプ部内とに液体が密封，充填されているフ
   ローリング。