JPH0630989A - ポリペプチドおよび該ポリペプチドを用いた抗血小板抗体吸着材 - Google Patents

ポリペプチドおよび該ポリペプチドを用いた抗血小板抗体吸着材

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JPH0630989A
JPH0630989A JP4185176A JP18517692A JPH0630989A JP H0630989 A JPH0630989 A JP H0630989A JP 4185176 A JP4185176 A JP 4185176A JP 18517692 A JP18517692 A JP 18517692A JP H0630989 A JPH0630989 A JP H0630989A
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glu
peptide
polypeptide
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cellulose
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JP4185176A
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Kazunori Inamori
和紀 稲森
Masahiro Seko
政弘 世古
Hideyuki Yokota
英之 横田
Masakazu Tanaka
昌和 田中
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定のアミノ酸配列を含有するポリペプチ
ドあるいはこれを修飾したポリペプチドを用いることに
より、抗血小板抗体と結合させてこれを除去する方法お
よび上記ポリペプチドを水不溶性担体に固定化した抗血
小板抗体吸着材を提供する。 【構成】 (1)ETRNVGS,(2)EKTEE
AEKT,(3)EPEQPSRLのいずれかのアミノ
酸配列から成るペプチド領域を含有するような70以下
のアミノ酸残基により構成されるポリペプチド(ペプチ
ドおよび該ペプチド領域を含む有機化合物)およびこれ
らのポリペプチドのうち少なくとも1種類を水不溶性担
体に固定化した抗血小板抗体吸着材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は何らかの原因により血液
中に産生された自己抗体である抗血小板抗体を、特定の
アミノ酸配列を含有しているポリペプチドまたは該ペプ
チド領域を含む修飾ポリペプチド(ポリペプチドと総称
する)を利用して、抗血小板抗体と結合させることを特
徴とする抗血小板抗体の除去方法および該ポリペプチド
を担体に固定化したことを特徴とする抗血小板抗体吸着
材に関するものである。本発明は特に抗血小板抗体の存
在による血小板数の減少に起因して、出血,紫斑などの
諸症状をもたらす特発性血小板減少性紫斑病(以下IT
Pと言う)のような疾患に関する治療において非常に有
用なものである。
【0002】
【従来の技術】ITPは自己免疫疾患の一種であり、血
小板寿命の短縮,血小板結合免疫グロブリンである抗血
小板抗体の増加を特徴とし、骨髄では巨核球数は正常あ
るいは増加を示し、他の血液疾患の存在を示唆する所見
を認めない免疫性の血小板減少症のうち膠原病,リンパ
増殖性疾患,薬剤アレルギーなどの原因疾患の認められ
ないものを指す。
【0003】ITPは急性型と慢性型に分けられる。急
性型は小児に多く見られ、出血症状は激しいが比較的治
癒はしやすい。発症3週間以前に上気道感染,ウイルス
感染などの先行感染が認められることが多い。感染の回
復期に血小板減少を認めることから、形成された免疫複
合体が血小板膜Fc受容器に結合し、血小板が非特異的
に破壊される免疫複合病の可能性が強い。一方慢性型は
出血症状は弱いが長期間持続し、成人で特に20才代の
女性に多く、抗血小板抗体による自己免疫病と考えられ
ているものである。
【0004】抗血小板抗体による血小板数の減少により
見られる症状には個人差があるが、一般的には血小板数
50000個/μl以上では通常出血症状は見られず、
30000ないし50000個/μlでは外傷時の易出
血性,斑状出血,10000ないし30000個/μl
では露出部への紫斑の出現,月経過多,10000個/
μl以下では血尿,不正性器出血,鼻出血,歯肉出血が
認められ、頭蓋内出血,消化管出血がしばしば直接の死
因となっている。
【0005】ITPの治療に際してはその症状の程度に
応じて副腎皮質ホルモン剤の投与,脾臓の摘出,ステロ
イド系免疫抑制剤の投与などが適用される。しかしこう
した薬物療法や摘脾手術では血小板数が効果的には回復
しないような症例も多く存在している。ITPをはじめ
種々の自己免疫疾患の発生に関するメカニズムはまだ十
分には解明されておらず、こうした患者に対する治療方
法についても絶対的なものは確立されていないのが現状
であり対策が急がれている。
【0006】こうした自己免疫疾患の治療方法として、
免疫吸着カラムを用いた血液の体外循環による自己抗体
の吸着除去も種々試みられている。たとえば免疫グロブ
リンと結合性を有するプロテインAを担体に固定化した
カラムの適用も検討されている。しかしプロテインAは
高価であり、吸着特異性の点で優れず、さらには副作用
の問題も有しておりあまり有用なものではない。また除
去対象物質に対する抗体の固定化カラムも種々検討され
ているが、安全性,保存安定性の問題,抗体が有効に反
応できるような固定化が困難なこと,滅菌方法が限定さ
れるなどの理由から医用機材として用いるには多くの課
題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は血液中の抗血
小板抗体を認識して結合性を有するような比較的低分子
量のペプチドあるいはそれを修飾した有機化合物により
結合させ除去しようとするものである。また上記ペプチ
ドまたは有機化合物を水不溶性担体に固定化した吸着材
を提供し、さらにはこれを充填したカラムを用いて体外
循環などによる治療に適用しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発
明は抗血小板抗体の抗原決定基となりうる特定のアミノ
酸配列を含有しているポリペプチド(ポリペプチドある
いはこれを修飾したポリペプチド)による抗血小板抗体
の除去を要旨とするものである。上記ポリペプチドを水
不溶性担体に固定化することにより抗血小板抗体吸着材
が得られ、これを充填したカラムを用いて体外循環など
による血液浄化治療が可能である。
【0009】一般にITP患者における抗血小板抗体は
血小板膜表面に存在する糖タンパク質の複合体であるG
P2b/3a(GPIIb/IIIaを示す。以下同)やG
P1b/9に対する抗体であること多いことが知られて
いる。本発明における請求項1記載の3種類のペプチド
領域はGP2bの一次構造から種々の方法により抗原決
定基となりうる領域を予測およびスクリーニングするこ
とにより得られたものである。
【0010】GP2bは分子量約140キロダルトンで
あり、SS結合により分子量125キロダルトンのH鎖
と分子量25キロダルトンのL鎖から構成されている。
GP2bはそのcDNAがクローニングされている
(J.Biol.Chem.,262,8476,19
87)。1039個のアミノ酸残基から構成されてお
り、H鎖には871個,L鎖には137個およびN末端
部には30アミノ酸残基から成るシグナルペプチドが存
在する。GP2bの膜貫通ドメインはL鎖内に存在し2
6個の疎水性アミノ酸から成る。
【0011】GP2bはGP3aと骨髄中の骨髄巨核球
またはその前駆細胞において複合体を形成する。血小板
膜表面においてGP2bとGP3aは非共有結合により
図1に示すような1:1の複合体を形成している。GP
2bにおける558ないし747番目のアミノ酸残基の
部分とGP3aにおける114ないし303番目のアミ
ノ酸残基の部分とで会合していることが推定されている
(医学のあゆみ,160,681,1992)。GP2
b/3aは血小板膜表面上に最も多く存在している糖タ
ンパク質である。
【0012】GP2bに関するアミノ酸配列中におい
て、106ないし112番目に相当するETRNVGS
(請求項1の(1)),148ないし156番目のEK
TEEAEKT(請求項1の(2)),896ないし9
03番目のEPEQPSRL(請求項1の(3))3つ
の領域(特定のアミノ酸配列部分)が抗血小板抗体に対
する免疫原性がエンザイムイムノアッセイ(以下ELI
SA法と言う)により確認された領域である。これらの
領域は図2に示すようにいずれも親水性の比較的強い領
域であり、GP2a分子表面に存在している領域である
ことが推定される。
【0013】上記の領域は抗血小板抗体との結合に最小
限必要な領域であると考えられる。実際にこうしたペプ
チドを用いて抗血小板抗体を除去することを行なう場合
には、血液中に存在する抗血小板抗体との反応様式に近
い状態を再現する必要がある。また血液中に存在する場
合の構造の安定性や、あるいは担体に固定化する場合に
は水系溶媒に対する溶解性を大きくしたりすることを考
慮する必要があることが多い。
【0014】本発明のポリペプチドはポリペプチド領域
個々の1個だけでもいし、これらの領域が他のアミノ酸
によって結合したり、また他のアミノ酸以外の化合物で
結合したりしたものでもよく、また上記例示のものを、
末端等を修飾したものでもよい。これらの本発明のポリ
ペプチドの連鎖において、領域およびそれ以外のアミノ
酸を全て総和したアミノ酸の数は70以下であることが
好ましい。
【0015】そこで上記に示したペプチド領域の一方の
末端または両末端の領域を延長したり、たとえばリジン
のような水溶性を大きくするようなアミノ酸を数個末端
に結合させたり、システインのようなアミノ酸を末端に
結合させて担体に固定化しやすくするなどすることが好
ましい。こうした点から実際に用いるポリペプチドのア
ミノ酸(残基)数としては70以下であることが好まし
く、4ないし30個がさらに好ましいが10ないし20
個が合成に関わるコスト,安定性,取扱いやすさなどの
点から最も好ましい。また固定化反応や安定性などを考
慮して、たとえばN末端をアミド化したり、末端に適当
な官能基を導入したりして上記ポリペプチドを修飾した
有機化合物(修飾ポリペプチド)を用いることも好まし
い。
【0016】ポリペプチドの合成については特に限定さ
れないが、液相合成法よりも固相合成法を適用する方が
操作が簡単である。この場合有機溶媒に不溶性である支
持体に合成するペプチドのC末端に対応するアミノ酸を
結合させ、N末端方向にαカルボキシル基以外のαアミ
ノ基などの官能基を保護した対応するアミノ酸を順に縮
合反応により結合させた後、結合した後その保護基を脱
離させる反応を交互に繰返すことによりペプチド鎖を延
長させる。
【0017】目的とするポリペプチドが得た後、ペプチ
ド鎖を支持体から切断および脱保護基を行なう。これに
はフッ化水素がしばしば用いられるが、安全性,取扱い
やすさの点からトリフルオロメタンスルホン酸(以下T
FMSAと言う)を用いるのが適当である。チオアニソ
ール,1,2−エタンジオールとTFMSA中で反応さ
せ脱保護基を行なった後、トリフルオロ酢酸(以下TF
Aと言う)により支持体からの切断を行ないポリペプチ
ドを回収する。これを凍結乾燥することによりクルード
ペプチドが得られる。
【0018】上記クルードペプチドは逆相系カラムを用
いた高速液体クロマトグラフィ(以下HPLCと言う)
に供することにより分取,精製を行なう。HPLC条件
は通常タンパク質の精製に用いる系を基本として最適化
を行なうのがよい。得られたクロマトピークに相当する
画分を分取しこれを凍結乾燥する。得られた精製ペプチ
ド画分についてマススペクトル分析による分子量解析,
アミノ酸組成分析あるいはアミノ酸配列解析などにより
同定を行なう。
【0019】上記ペプチドあるいは有機化合物を固定化
する場合に用いる水不溶性担体としては特に限定される
ものではないが、血液浄化に用いる場合には血液中成分
と接触した際の補体系や凝固系などへの影響を考慮する
必要性があることから、セルロース,ポリスチレン,ポ
リビニルアルコール,ポリアクリル酸エステルあるいは
これらの誘導体の多孔質担体を用いるのが好ましい。平
均細孔径は200ないし30000Åのものが好まし
く、300ないし10000Åのものがより好ましい。
また担体の形態としてはビーズ状,繊維状,膜状(中空
糸も含む)などいずれも可能である。
【0020】またリガンドの導入の際には立体障害を小
さくすることにより吸着効率の向上させ、非特異的吸着
を抑えることを目的として、親水性スペーサーを介して
固定化することがより好ましい。親水性スペーサーとし
てはたとえば両末端をカルボキシル基,アミノ基,アル
デヒド基,エポキシ基などで置換されたポリアルキレン
オキサイドの誘導体を用いるのが好ましく、その重合度
は10ないし1000のものが好ましく、100ないし
500のものがより好ましい。
【0021】上記のリガンドに用いるポリペプチドは比
較的安定で低分子量の物質であり、たとえば酵素や抗体
のようなタンパク質を固定化する場合と比較してその固
定化反応条件は制約が少なくなることも有利な要因の一
つである。したがって固定化方法については特に限定さ
れるものではないが、酵素や抗体を固定化する場合にし
ばしば用いられるシッフ塩基反応,エポキシ反応,カル
ボジイミド試薬などを用いた縮合反応などによる固定化
方法を適用することが好ましい。
【0022】
【実施例】本発明におけるポリペプチドの水不溶性担体
への導入方法は上記に述べたものを基本とすれば特に限
定されるものではない。以下に実施例を用いて本発明を
説明する。
【0023】<実施例1> ETRNVGSのセルロー
スへの固定化 (1)ペプチドの合成 ETRNVGSの配列を有するペプチドの合成をペプチ
ドシンセサイザーModel430A(アプライドバイ
オシステムズ社製)を用いて固相合成法により行なっ
た。C末端のセリンの結合した支持体であるPAMセリ
ン(t−Boc−L−Ser(Bzl))0.5mmo
l(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、N末
端の方向に順に上記ペプチドシンセサイザーに掲載され
ている合成プログラムにより脱保護基反応および縮合反
応を繰返してペプチド鎖を延長した。すなわちTFAお
よびジクロロメタン(以下DCCと言う)により保護基
であるt−ブトキシカルボニル基の除去を行ない、ジク
ロロメタン(以下DCMと言う)で洗浄し、ジイソプロ
ピルエチルアミンおよびDCCで中和した後、ジメチル
ホルムアミド(以下DMFと言う)で洗浄し、DMFで
縮合反応を行ない、DCMで洗浄する操作を繰返した。
アミノ酸はt−Boc−L−Gly,t−Boc−L−
Val,t−Boc−L−Asn,t−Boc−L−A
rg(Tos),t−Boc−L−Thr(Bzl),
t−Boc−L−Glu(OBzl)(いずれもアプラ
イドバイオシステムズ社製)の2.0mmolのカート
リッジを用いた。
【0024】(2)脱保護基,ペプチド鎖の切断 上記の反応が終了した支持体1gにチオアニソール1m
l,1,2−エタンジオール0.5mlを加えて10分
間攪拌した後、氷水で冷やしながらTFA10mlを加
えて10分間攪拌した。さらにTFMSA1mlを加え
て室温で30分間攪拌した。これにあらかじめ冷やして
おいたジエチルエーテルを沈殿が現れなくなるまで加え
て攪拌し、ミディアム孔のガラスフィルターを用いてジ
エチルエーテルで共洗いしながら濾過し、TFAを加え
てペプチドを溶解してエーテル中に補集した。エーテル
中のペプチドをファイン孔のガラスフィルターで濾過
し、ガラスフィルター上のペプチドを2N酢酸に溶解し
て、凍結乾燥を行ないクルードペプチドを得た。
【0025】(3)ペプチドの精製 上記クルードペプチドを再度2N酢酸に溶解して、0.
2μmのメンブレンフィルターで濾過した溶液をHPL
Cに供した。HPLCはModel130Aシステム
(アプライドバイオシステムズ社製)を用い、カラムは
逆相系のAquapore Prep−10,C8(ア
プライドバイオシステムズ社製)を用いた。移動相は
0.1%TFAを含む水をA液,0.1%TFAを含む
70%アセトニトリル/水(v/v)をB液として、A
液からB液への濃度直線勾配により溶出した。クロマト
ピークはほぼ単一なものが得られ、相当画分を分取し
た。分取を数回繰返し、これを凍結乾燥することにより
精製ペプチドを得た。得られたペプチドはBIOION
20マスアナライザー(アプライドバイオシステムズ社
製)により解析して目的ペプチドが得られていることを
確認した。
【0026】(4)ペプチドの免疫原性 得られたペプチドの免疫原性を赤血球凝集反応により確
認した。Alsever液保存ヒツジ赤血球(セダレー
ン社製)を2.5%濃度(v/v)になるようにPBS
(pH7.2)に浮遊させた。浮遊液10mlに0.0
05%タンニン酸溶液を加えて37℃で15分間攪拌し
て反応させ、上記PBSで1500rpm,10分の遠
心分離により洗浄した後10mlの生理食塩水に再度浮
遊させた。一方上記精製ペプチドを2mg/mlになる
ように0.15Mリン酸緩衝液(pH6.4)に溶解
し、上記浮遊液に当量混合した。37℃で15分間攪拌
処理を行ない、上記PBSで2回洗浄後に再度同じPB
Sに浮遊させた。96穴マイクロプレートに0.01M
のEDTA添加ベロナール緩衝液25μlずつを入れ、
等量のITP患者(5種類)の血清を加えて混合し、2
倍系列で段階希釈を行なう。上記赤血球浮遊液を1滴ず
つ添加して混合し、37℃で2時間反応させた後凝集性
を確認した。結果は後記の表1に示す通りであり、凝集
性の確認された最大希釈倍率を表示した。表1におい
て、N.D.は反応しなかったものを示す。
【0027】
【表1】
【0028】(5)ペプチドのセルロースへの固定化 上記ペプチドを多孔質セルロースへの固定化を行なっ
た。セルロースにはセルロファインシリーズGCL−1
000m(チッソ製)を用いた。過ヨウ素酸ナトリウム
3.5gを1N硫酸300mlに溶解して、GCL−1
000m100gを添加し、室温で20時間攪拌により
反応させた。反応生成物を回収し、十分に洗浄して[ア
ルデヒド]−[セルロース]を得た。アルデヒド含量は
オキシム法により定量を行ない0.60meq/gであ
った。
【0029】次に分子量5000の両末端にアミノ基を
有するポリアルキレンオキサイド(以下PEOアミンと
言う)15gをpH9.5の炭酸緩衝液300mlに溶
解し、上記[アルデヒド]−[セルロース]を加えて室
温で24時間攪拌により反応させた。反応生成物を回収
し、十分に洗浄して[PEOアミン]−[セルロース]
を得た。アミノ基含量は塩酸による電位差滴定をCOM
TITE101(平沼産業製)を用いて行ない、0.5
2meq/gであった。
【0030】上記[PEOアミン]−[セルロース]を
pH9.5の炭酸緩衝液300mlに懸濁し、25%グ
ルタルアルデヒド溶液30mlを加えて室温で24時間
攪拌により反応させた。反応生成物を回収し、十分に洗
浄して[PEOアルデヒド]−[セルロース]を得た。
アルデヒド含量はオキシム法により定量を行ない0.4
7meq/gであった。
【0031】一方上記精製ペプチド25mgをpH9.
5の炭酸緩衝液50mlに溶解し、上記[PEOアルデ
ヒド]−[セルロース]5gを加えて、室温で24時間
攪拌により反応させた。反応生成物を回収し、十分に洗
浄して[ペプチド]−[セルロース]を得た。ペプチド
固定化率は反応残液中の窒素含量をマイクロケルダール
法により定量することにより算出し、84%が固定化さ
れていた。上記[ペプチド]−[セルロース]をpH
9.0の炭酸緩衝液50mlに懸濁して水素化ホウ素ナ
トリウム1gを加えて、室温で20時間攪拌により反応
させた。反応生成物を回収し、十分に洗浄して目的であ
る吸着材を得た。
【0032】(6)ペプチド固定化吸着材の吸着性能評
価 上記吸着材における上記のITP患者の血清を用いて抗
血小板抗体の吸着性能を評価した。上記吸着材を1ml
バイヤル中に採取し、上記ITP患者の血清(5種類)
3mlを加えて37℃で30分間振盪しながらインキュ
ベートした。懸濁液を3000rpmで10分間遠心分
離を行ない、上清の抗血小板抗体量をELISA法によ
り定量した(Acta.haemat.,66,25
1,1981)。結果は表2に示す通りであり、インキ
ュベート前の血清での値から算出した吸着率[%]で示
した。またアルブミンの非特異的吸着に関しても、アル
ブミンBーテストワコー(和光純薬工業製)を用いて定
量した。結果は表3に示す通りであり、表2と同様に吸
着率[%]で示した。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】<実施例2> EKTEEAEKTのセル
ロースへの固定化 EKTEEAEKTの配列を有するペプチドの合成に関
してもPAMトレオニン(t−Boc−L−Thr(B
zl))(アプライドバイオシステムズ社製)およびt
−Boc−L−Lys(Cl−Z),t−Boc−L−
Glu(OBzl),t−Boc−L−Ala,t−B
oc−L−Thr(Bzl)(いずれもアプライドバイ
オシステムズ社製)を用いて実施例1と同様にして実施
した。合成の終了した支持体の脱保護基,ペプチド鎖の
切断,逆相系HPLCによる精製および同定についても
実施例1と同様にして行なった。
【0036】得られた精製ペプチドの免疫原性について
も実施例1と同様にして確認した。結果は表1に示す通
りで、凝集性の確認された最大希釈倍率を表示した。上
記ペプチドに関しても実施例1と同様にしてセルロース
への固定化を行なった。すなわち上記精製ペプチド25
mgをpH9.5の炭酸緩衝液50mlに溶解し、実施
例1で得た[PEOアルデヒド]−[セルロース]5g
を加えて、室温で24時間攪拌により反応させた。反応
生成物を回収し、十分に洗浄して[ペプチド]−[セル
ロース]を得た。ペプチド固定化率は実施例1と同様に
して求め、80%が固定化されていた。上記[ペプチ
ド]−[セルロース]をpH9.0の炭酸緩衝液50m
lに懸濁して水素化ホウ素ナトリウム1gを加えて、室
温で20時間攪拌により反応させた。反応生成物を回収
し、十分に洗浄して目的である吸着材を得た。得られた
吸着材の性能評価に関しても実施例1と同様にして行な
った。すなわち5人のITP患者の血清における抗血小
板抗体およびアルブミンの吸着性能を評価した。それぞ
れの吸着率を表2および表3に示した。
【0037】<実施例3> EPEQPSRLのセルロ
ースへの固定化 EPEQPSRLの配列を有するペプチドの合成に関し
てもPAMロイシン(t−Boc−L−Leu)(アプ
ライドバイオシステムズ社製)およびt−Boc−L−
Arg(Tos),t−Boc−L−Ser(Bz
l),t−Boc−L−Pro,t−Boc−L−Gl
n,t−Boc−L−Glu(OBzl)(いずれもア
プライドバイオシステムズ社製)を用いて実施例1と同
様にして実施した。合成の終了した支持体の脱保護基,
ペプチド鎖の切断,逆相系HPLCによる精製および同
定についても実施例1と同様にして行なった。
【0038】得られた精製ペプチドの免疫原性について
も実施例1と同様にして行なった。結果は表1に示す通
りで、凝集性の確認された最大希釈倍率を表示した。上
記ペプチドに関しても実施例1と同様にしてセルロース
への固定化を行なった。すなわち上記精製ペプチド25
mgをpH9.5の炭酸緩衝液50mlに溶解し、実施
例1で得た[PEOアルデヒド]−[セルロース]5g
を加えて、室温で24時間攪拌により反応させた。反応
生成物を回収し、十分に洗浄して[ペプチド]−[セル
ロース]を得た。ペプチド固定化率は実施例1と同様に
して求め、88%が固定化されていた。上記[ペプチ
ド]−[セルロース]をpH9.0の炭酸緩衝液50m
lに懸濁して水素化ホウ素ナトリウム1gを加えて、室
温で20時間攪拌により反応させた。反応生成物を回収
し、十分に洗浄して目的である吸着材を得た。得られた
吸着材の性能評価に関しても実施例1と同様にして行な
った。すなわち5人のITP患者の血清における抗血小
板抗体およびアルブミンの吸着性能を評価した。それぞ
れの吸着率を表2および表3に示した。
【0039】
【比較例】
<比較例1> LDSYYQのセルロースへの固定化 図1における301ないし306番目の領域に相当する
LDSYYQの配列を有するペプチドの合成に関して、
PAMグルタミン(t−Boc−L−Gln)(アプラ
イドバイオシステムズ社製)およびt−Boc−L−T
yr(Br−Z),t−Boc−L−Ser(Bzl)
t−Boc−L−Asp(OBzl),t−Boc−L
−Leu・H2O(いずれもアプライドバイオシステム
ズ社製)を用いて実施例1と同様にして実施した。この
ペプチド領域も親水性の比較的大きな領域である。合成
の終了した支持体の脱保護基,ペプチド鎖の切断,逆相
系HPLCによる精製および同定についても実施例1と
同様にして行なった。
【0040】得られた精製ペプチドの免疫原性について
も実施例1と同様にして行なった。結果は表1に示す通
りで、凝集性の確認された最大希釈倍率を表示した。上
記ペプチドに関しても実施例1と同様にしてセルロース
への固定化を行なった。すなわち上記精製ペプチド25
mgをpH9.5の炭酸緩衝液50mlに溶解し、実施
例1で得た[PEOアルデヒド]−[セルロース]5g
を加えて、室温で24時間攪拌により反応させた。反応
生成物を回収し、十分に洗浄して[ペプチド]−[セル
ロース]を得た。ペプチド固定化率は実施例1と同様に
して求め、85%が固定化されていた。上記[ペプチ
ド]−[セルロース]をpH9.0の炭酸緩衝液50m
lに懸濁して水素化ホウ素ナトリウム1gを加えて、室
温で20時間攪拌により反応させた。反応生成物を回収
し、十分に洗浄して目的である吸着材を得た。得られた
吸着材の性能評価に関しても実施例1と同様にして行な
った。すなわち5人のITP患者の血清における抗血小
板抗体およびアルブミンの吸着性能を評価した。それぞ
れの吸着率を表2および表3に示した。
【0041】
【発明の効果】本発明により血液中の抗血小板抗体と効
果的に結合させることが可能であり、重症なITP患者
の治療に適用が可能である。本発明における抗血小板抗
体吸着材を用いた血液浄化療法は副作用もなく安全であ
り、保存による安定性の面でも優れている。またオート
クレーブ処理による蒸気滅菌を行なってもリガンドとし
ての活性が低下することがほとんどない点も医療機材と
して有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、GP2b/GP3aの複合体の模式
図。
【図2】図2は、GP2bの親水性プロフィールを示す
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 昌和 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のいずれかの特定アミノ酸配列のう
    ち少なくとも1種類を連鎖の中に含有し、かつ連鎖のう
    ちアミノ酸の総和が70以下であることを特徴とするポ
    リペプチド。 (1)Glu Thr Arg Asn Val Gly Ser (2)Glu Lys Thr Glu Glu Ala Glu Lys Thr (3)Glu Pro Glu Gln Pro Ser Arg Leu
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリペプチドの少なくと
    も1種類を水不溶性担体に固定化したことを特徴とする
    抗血小板抗体吸着材。
JP4185176A 1992-07-13 1992-07-13 ポリペプチドおよび該ポリペプチドを用いた抗血小板抗体吸着材 Pending JPH0630989A (ja)

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