JPH06307850A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH06307850A
JPH06307850A JP9982193A JP9982193A JPH06307850A JP H06307850 A JPH06307850 A JP H06307850A JP 9982193 A JP9982193 A JP 9982193A JP 9982193 A JP9982193 A JP 9982193A JP H06307850 A JPH06307850 A JP H06307850A
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sample
measurement
force
force curve
probe
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Application number
JP9982193A
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English (en)
Inventor
Reizo Kaneko
礼三 金子
Shinji Hara
臣司 原
Kazuhiro Morita
和広 守田
Hisano Shimazu
久乃 島津
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Olympus Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】フォースカーブの空間的な広がりを持った複数
回の測定を行なうとともに、その測定によって得られた
試料表面の情報を画像表示可能にする。 【構成】探針24を試料22表面に近接させて走査する
ことにより試料22表面の情報を測定する走査型プロー
ブ顕微鏡において、試料22表面を走査しながらフォー
スカーブを同時に任意回数、測定する測定手段1と、こ
の測定によって得られたフォースカーブのデータに基づ
いて、試料22表面の少なくとも吸着力、引力を算出
し、それらの量の空間分布を画像化する表示手段2とを
具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は走査型プローブ顕微鏡に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走査型プローブ顕微鏡の1つとし
て、先端下方に探針の付いたカンチレバーで試料表面を
走査し、表面形状を含めた局所的な表面状態を観察する
原子間力顕微鏡(以下、AFMと呼ぶ)が知られてい
る。AFMは走査型トンネル顕微鏡(STM)とは異な
り、導電性のない試料でも測定できるため、生体分野等
への応用も広がっている。
【0003】このようなAFMによって試料表面の測定
を行なう場合、カンチレバーの試料に対する荷重値を設
定するために、フォースカーブ測定が不可欠である。こ
のため、AFMにはフォースカーブ測定機構が付加され
ているのが一般的である。
【0004】以下、図2、図3に従って従来のフォース
カーブ測定方法を説明する。図2は、フォースカーブ測
定時のカンチレバー21と試料22の状態の時間変化を
示す図である。ここで、t1〜t5は時間の経過を表
す。図3(a)は、図2に対応した試料22のz方向の
変位とカンチレバー21先端のz方向の変位を示す図で
ある。
【0005】時刻t1に於て試料22が原点(Z1)、
カンチレバー21が原点(Lz1)にあるとすると、時
刻t2に試料22表面と、カンチレバー21先端下方に
取り付けられた探針24先端が吸着し、一時的にz負方
向(Lz2)にカンチレバー21先端が変位するが、そ
の後、時刻t3に至るまで試料22表面とともにカンチ
レバー21先端もz正方向にLz3まで移動する。時刻
t3から試料22表面の移動方向をz負方向に変える。
試料22表面と探針24先端の間に吸着力が作用するた
め、カンチレバー21先端は試料22表面とともにLz
1よりも下方まで移動する。時刻t4においてカンチレ
バー21の復元力が吸着力より大きくなり試料22表面
と探針24先端が分離する。
【0006】図3(b)は、試料22表面のz方向の変
位に対するカンチレバー21先端のz方向の変位の依存
性を示す。通常、試料22表面の状態を示すグラフとし
てこの図が用いられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のフォースカーブ
測定はカンチレバーの試料22に対する荷重を設定する
ために、試料22表面の一点でのみ測定を行なってい
た。しかし、試料22表面の状態は場所によって異なる
ので、フォースカーブも場所に依存し、また表面形状と
の相関も考えられる。このことから、一点だけの測定で
は不十分であることがわかる。したがって、試料22表
面のより詳しい情報を得るためには、空間的な広がりを
持ったフォースカーブ測定をせねばならない。
【0008】しかしながら、試料22表面のより詳しい
情報を得るために、フォースカーブを複数回、試料22
表面を移動しながら測定すると、データ量が膨大にな
り、解析が大変困難である。仮に、フォースカーブを2
次元的に測定すると、3次元情報となってしまうので、
像として表示することができない。
【0009】このように、従来技術ではフォースカーブ
を用いて試料22表面の空間的な情報を得ることができ
ず、したがって、その情報の表面凹凸依存性を調べるこ
ともできなかった。
【0010】本発明の走査型プローブ顕微鏡はこのよう
な課題に着目してなされたものであり、その目的とする
ところは、フォースカーブの空間的な広がりを持った複
数回の測定を可能にするとともに、その測定によって得
られた試料表面の情報を画像表示することが可能な走査
型プローブ顕微鏡を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、本発明は、探針を試料表面に近接させて
走査することにより試料表面の情報を測定する走査型プ
ローブ顕微鏡において、試料表面を走査しながらフォー
スカーブを同時に任意回数、測定する測定手段と、この
測定によって得られたフォースカーブのデータに基づい
て、試料表面の少なくとも吸着力、引力を算出し、それ
らの量の空間分布を画像化する表示手段とを具備する。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0013】図1は本発明の第1実施例に係る走査型プ
ローブ顕微鏡としてのAFMの構成を示す図である。
【0014】同図において、測定手段としてのマイクロ
コンピュータ(以下、単にマイコンと呼ぶ)1は本装置
の各機能を制御しながら測定を行ない、測定したデータ
をホストコンピュータ2に転送する。表示手段としての
ホストコンピュータ2は測定データを記憶表示する。A
/D3はZサーボ信号31、または探針変位信号32を
A/D変換するA/Dコンバータである。D/A4はX
YZ駆動圧電体23をZ方向に動かすためのZ駆動信号
33を出力するためのD/Aコンバータであり、D/A
5,D/A6は、XYZ駆動圧電体23を2次元駆動す
るするためのX走査信号34、Y走査信号35を出力す
るためのD/Aコンバータである。探針変位検出回路1
2はカンチレバー21の変位を検出し、探針変位信号3
2を出力する。
【0015】凹凸像測定モード時、信号選択回路13
で、Zサーボ制御回路11の出力をZ駆動信号33のラ
インと短絡し、信号選択回路14で、Zサーボ制御回路
11の出力をA/D3の入力と短絡した場合、サーボリ
ファレンスを基準原子間力として原子間力を一定に保つ
ように図2の探針24と試料22間の距離にサーボがか
かる。
【0016】また、フォースカーブ測定モード時、信号
選択回路13で、D/A4の出力をZ駆動信号33のラ
インと短絡し、信号選択回路14で、探針変位検出回路
12の出力をA/D3の入力と短絡した場合、D/A4
からの出力に応じて、XYZ駆動圧電体23のZ方向の
長さを任意に変化させながら、同時にカンチレバー21
の変位信号も得ることができる。
【0017】図4は、本装置のマイコン1の制御による
第1実施例の全測定方法をフローチャートに示したもの
である。以下、図1〜図4によって本実施例の測定方法
について説明する。
【0018】まず、測定開始時に、信号選択回路13で
D/A4の出力とZ駆動信号33のラインとをつなぎ、
信号選択回路14でA/D3の入力と探針変位信号32
のラインをつなぐ。そして、探針変位信号32をA/D
3によりA/D変換しマイコン1に取り込むようにし、
D/A4によりXYZ駆動圧電体23をZ方向に動かせ
るようにする(図4のステップS101)。そして、D
/A4により、XYZ駆動圧電体23をZ1迄縮める
(図4のステップS102)。そして、D/A5,D/
A6により、測定開始点にカンチレバー21を合わせる
(図4のステップS103)。そこでフォースカーブ測
定を1回行なう(図4のステップS104)。
【0019】その後、D/A5,D/A6により次の測
定点に、カンチレバー21を移動させる(図4のステッ
プS105)。以上のフォースカーブ測定のシーケンス
(図4のステップS104,S105)を走査測定終了
まで行なう(図4のステップS106)。
【0020】以下、図1〜図3及び図5のフォースカー
ブ測定フローチャートを用いて図4のステップS104
に示したフォースカーブの測定方法を説明する。
【0021】まず、測定点においてXYZ駆動圧電体2
3のZ方向の長さがZ1の状態で探針変位データをA/
D3によりマイコン1に取り込み、ホストコンピュータ
2へ転送する(図5のステップS201)。その後、D
/A4の出力を変化させてXYZ駆動圧電体23をZ方
向に1ステップ分、伸ばす(図5のステップS20
2)。
【0022】以上のシーケンス(図5のステップS20
1,202)をXYZ駆動圧電体23のZ方向の長さが
Z3になるまで続ける(図5のステップS203)。そ
の後、またA/D3により探針変位データを取り込みホ
ストコンピュータ2へ転送し(図5のステップS20
4)、今度はD/A4によりXYZ駆動圧電体23をZ
方向に1ステップ分、縮める(図5のステップS20
5)。
【0023】以上のシーケンス(図5のステップS20
4,205)をXYZ駆動圧電体23のZ方向の長さが
Z1になるまで続ける(図5のステップS206)。
【0024】以下、上記の説明により得られたデータの
解析及び表示方法について述べる。図6(a)は解析結
果のホストコンピュータ2上での表示例を示す図であ
る。
【0025】吸着力A、及び吸着力Bは各測定ポイント
ごとにマイコン1より送られるフォースカーブデータ
(図3(a),(b))を基にしてホストコンピュータ
2上で計算され画像化される(図6(a)の301,3
02)。また同時に、そのデータをもとにしたフォース
カーブも画面上に表示される(図6(a)の304)。
【0026】次に、吸着力A、及び吸着力Bの計算式を
示す。図3(b)のデータをもとに、吸着力A、吸着力
Bは、それぞれのカンチレバー変位量にカンチレバー2
1のバネ定数を乗じることにより、 f=kΔx によって求められる。
【0027】Δx=Lz1−Lz2 を代入すると 吸着力A=(Lz1−Lz2)×カンチレバー21のバネ定数 …(1)式 Δx=Lz1−Lz4 を代入すると 吸着力B=(Lz1−Lz4)×カンチレバー21のバネ定数 …(2)式 ここで、吸着力AはXYZ駆動圧電体23の上下動作に
より、試料22がカンチレバー21に接近するときの吸
着力の値を表し、吸着力Bは試料22より離れる時の吸
着力の値を表している。なお、測定位置、測定ポイント
数、測定モードなどの吸着力測定条件は、図1のホスト
コンピュータ2の画面上でマウス2a等を用いて設定す
る(図6(a)の303)。
【0028】以下に、本発明の第2実施例を説明する。
【0029】第1実施例においては、座標Z1が固定さ
れているので、吸着力測定時に得られるフォースカーブ
のZ2の値(図3(a),(b))は試料22表面のそ
の地点での厚みに依存する。第2実施例はこのことに着
目して、各フォースカーブのZ2の値を画像化すること
により高さ情報もコンスタントハイトAFM像として得
て、ホストコンピュータ2の画面上に同時に表示する
(図6(b)の305)。これにより、吸着力の凹凸に
対する依存性に関する表示を得ることができる。
【0030】以下に、本発明の第3実施例を説明する。
【0031】前記した第2実施例では、短時間に吸着力
と凹凸のデータを同時に取り込むことができる反面、測
定点に依って、カンチレバー21の試料22に対する押
し込み量が異なるため、試料22が柔らかい場合等に
は、試料22表面の凹凸を変えてしまう可能性もあっ
た。そこで、測定点間移動中にフォースカーブデータを
取り込みながら、同時にサーボモードAFM像のデータ
を取り込むようにし、押し込み量をなるべく小さく一定
にするようにする。そうすれば試料22の表面の変形を
防ぐことができる。この場合の測定工程を図7の全測定
フローチャートに示す。
【0032】まず、信号選択回路13でZサーボ信号3
1ラインとZ駆動信号33のラインとをつなぎ、信号選
択回路14でA/D3の入力とサーボ制御回路11の出
力をつなぐ(図7のステップS401)。これにより、
AFMサーボ測定モードの状態になる。その状態のま
ま、D/A5,D/A6により、測定開始点にカンチレ
バー21を合わせる(図7のステップS402)。そこ
で、XYZ駆動圧電体23のZ方向の長さを変えずに、
信号選択回路13でD/A4の出力とZ駆動信号33の
ラインとをつなぎ、信号選択回路14でA/D3の入力
信号と探針変位信号32のラインをつなぐ(図7のステ
ップS403)。
【0033】これにより、フォースカーブ測定モードの
状態になる。フォースカーブ測定(図7のステップS4
04)の後、信号選択回路13でZサーボ信号31のラ
インとZ駆動信号33のラインとをつなぎ、信号選択回
路14でA/D3の入力とサーボ制御回路11の出力を
つなぐ(図7のステップS405)。こうして、サーボ
がクローズし探針24先端と試料22表面との間の距離
が一定に保たれる。その後、D/A5,D/A6により
次の測定点にカンチレバー21を合わせながらA/D3
によりXYZ駆動圧電体23へのZ方向印加電圧のデー
タを取り込み、ホストコンピュータ2へ転送する(図7
のステップS406)。そして、走査測定終了までステ
ップS403からステップS406のシーケンスを繰り
返す(図7のステップS407)。このシーケンスによ
り、フォースカーブデータと同時にサーボモードAFM
像のデータも同時に取り込み、試料22表面の高さ情報
をサーボモードAFM像として、ホストコンピュータ2
の画面上に同時に表示することができる(図6(b)の
305)。しかも、以下に説明するようなフォースカー
ブ測定を行うので、試料22表面を探針24に強く押し
付けてしまうことなく測定でき、試料22表面を傷つけ
ることがない。
【0034】以下、図7のステップS404に示したフ
ォースカーブ測定の方法と、その場合のフォースカーブ
データの特徴について、図8のフォースカーブ測定フロ
ーチャートと図9を用いて説明する。
【0035】まず、フォースカーブ測定の方法について
述べる。サーボモードの時のXYZ駆動圧電体23のZ
方向の長さを基準の長さ(図9のZ21)とする。その
状態から、A/D3により探針変位データを取り込み、
ホストコンピュータ2へ転送する(図8のステップS5
01)。その後、D/A4の出力を変化させて、XYZ
駆動圧電体23を1ステップ分、縮める(図8のステッ
プS502)。以上のシーケンス(図8のステップS5
01,502)をXYZ駆動圧電体23のZ方向の長さ
がZ23になるまで続ける(図8のステップS503、
図9)。
【0036】その後、A/D3により探針変位データを
取り込みホストコンピュータ2へ転送する(図8のステ
ップS504)。次に、D/A4の出力を変化させてX
YZ駆動圧電体23を1ステップ分、伸ばす(図8のス
テップS505)。図8のステップS504,505の
シーケンスをXYZ駆動圧電体23のZ方向の長さがZ
21になるまで続ける(図8のステップS506、図
9)。以上により1回のフォースカーブ測定が終了す
る。
【0037】図9はこの測定におけるXYZ駆動圧電体
23の動きとカンチレバー21の動きを示している。す
なわち、時刻t21にカンチレバー21にリファレンス
の荷重値がかかった状態から試料22をZ布方向に動か
すと、探針24と試料22表面の間に吸着力があるた
め、時刻t22にいたるまでカンチレバー21先端が試
料22表面とともにZ負方向に動く。
【0038】時刻t22において吸着力とカンチレバー
21の復元力が釣り合うので試料22表面と探針24先
端とが分離する。その後、t23まで試料22はZ負方
向に動き続け、t23から試料22の動きをZ正方向に
変える。するとt24において、試料22表面と、探針
24先端との間の引力のために、カンチレバー21先端
が負方向に動き、再び、試料22表面と探針24先端が
吸着する。
【0039】その後、試料22表面のZ方向の変位が最
初の値(Z21)になるまで、試料22をZ正方向に動
かし1回のフォースカーブ測定が終る。この測定方法に
より、試料22表面には、AFMサーボモード時のリフ
ァレンスの荷重値以上の荷重をかけずにフォースカーブ
測定を行うことができる。
【0040】以下に、本発明の第4実施例を説明する。
【0041】以上の実施例における問題点のひとつとし
て、測定時間が長くなりがちである。その問題の解決法
としてフォースカーブ測定前にプリスキャンを行い、試
料22表面の粗い凹凸を測定しておき、その後、フォー
スカーブデータをとるときに、その凹凸データをもとに
カンチレバー21を試料22表面に素早く近ずけて、フ
ォースカーブ測定を行なうことにより、測定時間を短縮
することができる。
【0042】以下、図10の全測定フローチャートと、
図11のフォースカーブ測定フローチャートと、図12
にもとづいて、第4実施例を説明する。まず、図10,
図11によって測定方法を説明する。
【0043】信号選択回路13でZサーボ信号31ライ
ンとZ駆動信号33のラインとをつなぎ、信号選択回路
14でA/D3の入力とサーボ制御回路11の出力をつ
なぐ(図10のステップS601)。これにより、サー
ボがクローズし、原子間力が一定になるようにサーボが
かかる。その後、D/A5,D/A6により、測定開始
点にカンチレバー21を合わせる(図10のステップS
602)。そして、A/D3により探針変位データを取
り込み、ホストコンピュータ2へ転送する(図10のス
テップS603)。
【0044】そして、D/A5,D/A6により、つぎ
の測定点にカンチレバー21を合わせる(図10のステ
ップS604)。このシーケンス(図10のステップS
603,604)を走査測定終了まで繰り返す(図10
のステップS605)。以上の動作により、試料22表
面の凹凸のデータが得られる。
【0045】そして、信号選択回路13でD/A4の出
力とZ駆動信号33のラインをつなぎ、信号選択回路1
4でA/D3の入力信号と探針変位信号32のラインを
つなぐ(図10のステップS606)。これにより、フ
ォースカーブ測定モード状態になる。そして、後に図1
1により説明する方法でフォースカーブを測定する(図
10のステップS607)。
【0046】そして、D/A5,D/A6により、次の
測定点にカンチレバー21を合わせる(図10のステッ
プS608)。これらのシーケンス(図10のステップ
S606,607,608)を走査測定終了まで続け
る。以上の動作により、短時間で吸着力の表面分布のデ
ータを得ることができる。
【0047】以下、図10のステップS607で示した
フォースカーブ測定方法について、図11,図12を用
いて説明する。
【0048】試料22を基準の位置(Z31)から、試
料22表面と探針24先端が吸着する直前(Z32)ま
でZ正方向に急速に移動する(図11のステップS70
1)。この場合プリスキャンにより得られた試料22表
面の凹凸情報を用いる。その後、XYZ駆動圧電体23
を延び縮みさせながら、カンチレバー21の変位をA/
D変換するシーケンス(図11のステップS702〜7
07)は上記第1実施例と同様である。
【0049】以上のフォースカーブ測定方法におけるカ
ンチレバー21の変位と、試料22の動きを図12を用
いて説明する。
【0050】時刻t1において試料22は基準の位置Z
31から探針24の近傍Z32へ急速に移動する。その
後は、試料22はZ正方向に移動する。この時、試料2
2と探針24が近くにあるため、t2において、すぐに
試料22と探針24が吸着する。その後、試料22表面
の凹凸が解っているため、押し込み位置Z33も任意の
量に設定することができる。
【0051】以上のフォースカーブ測定は上記実施例と
比較して試料22と探針24が近ずく時間が短縮される
ため、全測定時間も短縮することができる。また、押し
込み量も設定できるので、試料22表面を探針24に押
し付けすぎて変形させてしまうことも防げる。
【0052】以上のように、吸着力A及び、吸着力Bを
ホストコンピュータ2上で計算する方法の他に、マイコ
ン1上であらかじめ計算しておき、結果のみをホストコ
ンピュータ2に送り、吸着力データを表示する方法も可
能である。その場合、マイコン1によりリアルタイムで
押し込み量をモニターし、押し込み量を調節することも
可能である。
【0053】以上の説明から明らかなように、第1実施
例によれば、フォースカーブを空間的な広がりを持って
複数回測定し、その測定によって得られた探針変位デー
タから試料22表面の情報として有効な量を算出し画像
表示することにより試料表面の空間的なより詳しい情報
が得ることができる。
【0054】また、第2実施例によれば、フォースカー
ブのデータから、凹凸データの算出も同時に行なうこと
により、試料22表面の凹凸に対する試料22表面の状
態の空間依存性を知ることができる。
【0055】また、第3実施例によれば、押し込み量一
定でフォースカーブ測定を行い、同時にサーボモードで
試料22表面の凹凸を測定することにより、探針24の
押し込みによって、試料22の表面形状を変えることな
く、第2実施例の情報を得ることができる。
【0056】さらに、第4実施例によれば、プリスキャ
ンにより得られた試料22表面の凹凸情報を用いて、素
早く探針24と試料22表面を近ずけ、フォースカーブ
測定を行うことにより、より短時間で第2実施例の情報
を得ることができる。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の走査型プ
ローブ顕微鏡によれば、フォースカーブの空間的な広が
りを持った複数回の測定が可能になるとともに、その測
定によって得られた試料表面の情報を画像表示すること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る走査型プローブ顕微
鏡としてのAFMの構成を示す図である。
【図2】フォースカーブ測定時のカンチレバーと試料の
状態の時間変化を示す図である。
【図3】(a)は試料のz方向の変位とカンチレバー先
端のz方向の変位を示す図であり、(b)は試料表面の
z方向の変位に対するカンチレバー先端のz方向の変位
の依存性を示す図である。
【図4】第1実施例の全測定方法を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図5】第1実施例のフォースカーブの測定方法を説明
するためのフローチャートである。
【図6】解析結果のホストコンピュータ上での表示例を
示す図である。
【図7】第3実施例の全測定方法を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図8】第3実施例のフォースカーブ測定フローチャー
トである。
【図9】第3実施例において、試料のz方向の変位とカ
ンチレバー先端のz方向の変位を示す図である。
【図10】第4実施例の全測定方法を説明するためのフ
ローチャートである。
【図11】第4実施例のフォースカーブ測定フローチャ
ートである。
【図12】第4実施例において、試料のz方向の変位と
カンチレバー先端のz方向の変位を示す図である。
【符号の説明】
1…マイコン、2…ホストコンピュータ、3…A/D、
4,5,6…D/A、11…サーボ制御回路、12…探
針変位検出回路、13,14…信号変換回路、21…カ
ンチレバー、22…試料、23…XYZ駆動圧電体、2
4…探針。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守田 和広 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 島津 久乃 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探針を試料表面に近接させて走査するこ
    とにより試料表面の情報を測定する走査型プローブ顕微
    鏡において、 試料表面を走査しながらフォースカーブを同時に任意回
    数、測定する測定手段と、 この測定によって得られたフォースカーブのデータに基
    づいて、試料表面の少なくとも吸着力、引力を算出し、
    それらの量の空間分布を画像化する表示手段と、 を具備したことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
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