JPH06307396A - 軸流羽根車 - Google Patents

軸流羽根車

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JPH06307396A
JPH06307396A JP9796693A JP9796693A JPH06307396A JP H06307396 A JPH06307396 A JP H06307396A JP 9796693 A JP9796693 A JP 9796693A JP 9796693 A JP9796693 A JP 9796693A JP H06307396 A JPH06307396 A JP H06307396A
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pressure surface
axial flow
flow impeller
axial
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Seiji Sato
誠司 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸流羽根車の外周側からの吸込流の翼端部へ
の無衝突流入と、圧力面から負圧面への回り込む漏れ流
れの円滑な回り込みを可能ならしめることによって空力
性能の向上と騒音の低減を図る。 【構成】 回転軸枢支用のハブ7の外周に複数枚の羽根
8,8・・を有する軸流羽根車において、前記各羽根8
の外周翼端における断面形状を、前縁側に位置して圧力
面8a側にのみ凸状のアールを有する片面アール形状部
9と該片面アール形状部9に連続する後縁側の円弧形状
部10とを備えて構成するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、軸流羽根車に関し、
さらに詳しくは空気調和機の室外機用として用いるに最
適な送風機の軸流羽根車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、空気調和機の室外機としては、
図5に示すように、ケーシング1内に断面コ字状の熱交
換器2を配置し、該熱交換器2の前面側に軸流ファン3
を配設して構成されたものが良く知られている。符号4
はファンモータ、5はファンガイドである。上記のよう
な構成の室外機において使用される軸流ファン3は、図
5に矢印で示すように軸流方向からだけでなく、外周側
からもかなりの空気を吸い込んでいるという事実が良く
知られている。
【0003】前記軸流ファン3は、図6に示す構造の羽
根車6を備えており、該羽根車6は、回転軸枢支用のボ
ス7の外周に複数枚(例えば、4枚)の羽根8,8・・を
備えて構成されており、各羽根8の外周翼端の断面形状
は、前縁側から後縁側にかけと同じ形状とされている。
例えば図7(イ)および図8(イ)に示すように、負圧面8
bのみにアールを有する断面形状、あるいは図7(ロ)お
よび図8(ロ)に示すように、圧力面8aと負圧面8bの両
方にアールを有する断面形状とされていることが多い。
なお、特開平3ー130597号公報には、軸流ファン
の一種である斜流ファンの羽根車において羽根のチップ
部の断面を円弧形状(即ち、圧力面と負圧面との両方に
アールを有する断面形状)となすようにしたものが開示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、軸流羽根車
6の各羽根8における前縁側での外周側からの吸込流れ
Fは、図7(イ)、(ロ)に示すように、軸方向の速度成分
Faをもって羽根車内へ流入することとなっているた
め、翼端部の圧力面8aにおいて流れが剥離する剥離域
Eが生じてしまい、ファンの空力性能を劣化させたり、
騒音レベルを上昇させる原因となっていた。また、各羽
根8の後縁側(特に、ファンガイド5にかかっている部
分)では、圧力面8a側から負圧面8b側に回り込む漏れ
流れF′が生じるが、この部分にも図8(イ)、(ロ)に示
すように、負圧面8bにアールがついた形状とされてい
るため、負圧面8b側において流れが剥離する剥離域E
が生じることとなり、ファンガイド5と干渉して騒音を
発生するという問題がある。
【0005】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、軸流羽根車の外周側からの吸込流の翼端部への無
衝突流入と、圧力面から負圧面へ回り込む漏れ流れの円
滑な回り込みを可能ならしめることによって空力性能の
向上と騒音の低減を図ることとを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記課題を解決するための手段として、図面に示すよう
に、回転軸枢支用のハブ7の外周に複数枚の羽根8,8
・・を有する軸流羽根車において、前記各羽根8の外周
翼端における断面形状を、前縁側に位置して圧力面8a
側にのみ凸状のアールを有する片面アール形状部9と該
片面アール形状部9に連続する後縁側の円弧形状部10
とを備えて構成するようにしている。
【0007】請求項2の発明では、上記課題を解決する
ための手段として、図面に示すように、前記請求項1記
載の軸流羽根車において、前記片面アール形状部9を負
圧面8b側に湾曲せしめるようにしている。
【0008】請求項3の発明では、上記課題を解決する
ための手段として、図面に示すように、前記請求項1あ
るいは2記載の軸流羽根車において、前記片面アール形
状部9における翼厚さの中心線Oの圧力面8aからの傾
き角度θを10°〜40°の範囲に設定するようにして
いる。
【0009】
【作用】請求項1の発明では、上記手段によって次のよ
うな作用が得られる。
【0010】即ち、羽根8の前縁側においては、羽根8
の外周側から吸い込まれる軸方向速度成分Faをもった
吸込流れFの一部が片面アール形状部9に案内されて圧
力面8a側へ円滑に誘導されることとなるところから、
ほぼ無衝突状態で翼端部へ流入することとなるととも
に、羽根8の後縁側においては、圧力面8aから負圧面
8bに回り込む漏れ流れF′が円弧形状部10に滑らか
に案内されることとなる。
【0011】請求項2の発明では、上記手段によって次
のような作用が得られる。
【0012】即ち、羽根8の外周側から吸い込まれる軸
方向速度成分Faをもった吸込流れFが圧力面8a側へよ
り一層円滑に誘導されることとなる。
【0013】請求項3の発明では、上記手段によって次
のような作用が得られる。
【0014】即ち、片面アール形状部9における翼厚さ
の中心線Oの圧力面8aからの傾き角度θ(=10°〜4
0°)が羽根8の外周側から吸い込まれる吸込流れFの
流れ方向に近付くこととなるため、羽根8の翼端部への
無衝突流入が達成されることとなる。
【0015】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、回転軸枢支用
のハブ7の外周に複数枚の羽根8,8・・を有する軸流
羽根車において、前記各羽根8の外周翼端における断面
形状を、前縁側に位置して圧力面8a側にのみ凸状のア
ールを有する片面アール形状部9と該片面アール形状部
9に連続する後縁側の円弧形状部10とを備えて構成し
て、羽根8の前縁側においては、羽根8の外周側から吸
い込まれる軸方向速度成分Faをもった吸込流れFの一
部を圧力面8a側へ円滑に誘導して無衝突状態で翼端部
へ流入し得るようにするとともに、羽根8の後縁側にお
いては、圧力面8aから負圧面8bに回り込む漏れ流れ
F′を円弧形状部10によって滑らかに案内し得るよう
にしたので、従来生じていた前縁側における圧力面8a
での剥離発生と、後縁側における負圧面8bでの剥離発
生とがともに防止できることとなり、ファンとしての空
力性能の向上および運転音の低減が図れるという優れた
効果がある。
【0016】請求項2の発明によれば、請求項1記載の
軸流羽根車において、片面アール形状部9を負圧面側に
湾曲せしめるようにしたので、羽根8の外周側から吸い
込まれる軸方向速度成分Faをもった吸込流れFの一部
が圧力面8a側へより一層円滑に誘導され易くなり、負
圧面8bでの剥離発生がより一層抑制されて空力性能向
上効果および騒音低減効果が一層図れるという優れた効
果がある。
【0017】請求項3の発明によれば、請求項1あるい
は2記載の軸流羽根車において、片面アール形状部9に
おける翼厚さの中心線Oの圧力面8aからの傾き角度を
10°〜40°の範囲に設定して、前記傾き角度θ(=
10°〜40°)が羽根8の外周側から吸い込まれる吸
込流れFの流れ方向に近付くようにしたので、羽根8の
翼端部への無衝突流入が効果的に達成されることとな
り、負圧面8bでの剥離発生がより一層抑制されて空力
性能向上効果および騒音低減効果が一層図れるという優
れた効果がある。
【0018】
【実施例】以下、添付の図面(図1ないし図3)を参照し
て本願発明の幾つかの好適な実施例を説明する。
【0019】実施例1 図1および図2には、本願発明の実施例1にかかる軸流
羽根車における羽根外周翼端の断面形状が示されてい
る。本実施例は、請求項2および3の発明に対応するも
のである。
【0020】本実施例の軸流羽根車は、空気調和機の室
外機において送風機として使用されるものであり、その
全体構造は、従来技術の項において既に説明したものと
同構造とされている(図5および図6参照)。
【0021】そして、本実施例にかかる軸流羽根車の各
羽根8の外周翼端における断面形状は、前縁側に位置し
て圧力面8a側にのみ凸状のアールを有する片面アール
形状部9と該片面アール形状部9に連続する後縁側の円
弧形状部10とを備えて構成されており、前記片面アー
ル形状部9は、負圧面8b側へ少しだけ湾曲せしめられ
ている。
【0022】上記のように構成したことにより、羽根8
の前縁側においては、羽根8の外周側から吸い込まれる
軸方向速度成分Faをもった吸込流れFの一部が片面ア
ール形状部9に案内されて圧力面8a側へ円滑に誘導さ
れ、無衝突状態で翼端部へ流入せしめられることとなる
とともに、羽根8の後縁側においては、圧力面8aから
負圧面8bに回り込む漏れ流れF′が円弧形状部10に
よって滑らかに案内されることとなる。従って、従来生
じていた前縁側における圧力面8aでの剥離発生と、後
縁側における負圧面8bでの剥離発生とがともに防止で
きることとなり、ファンとしての空力性能の向上および
運転音の低減が図れることとなるのである。
【0023】ちなみに、前記片面アール形状部9におけ
る翼厚さの中心線Oの圧力面8aからの傾き角度θ(°)
を種々変化させて、その時の羽根車の比騒音S(dBA)
を調べたところ、図4に示す結果が得られた。
【0024】これによれば、前記傾き角度θが10°〜
40°の範囲において比騒音Sの低減効果が十分に得ら
れることが判明した。このことは、傾き角度θが羽根8
の外周側から吸い込まれる吸込流れFの流れ方向に近付
き、羽根8の翼端部への無衝突流入が効果的に達成され
たことを表している。よって、前記傾き角度θを10°
〜40°の範囲に設定するのが望ましいのである。
【0025】実施例2 図3には、本願発明の実施例2にかかる軸流羽根車にお
ける羽根外周翼端の前縁側断面形状が示されている。本
実施例は、請求項1および3の発明に対応するものであ
る。
【0026】本実施例の場合、羽根8における片面アー
ル形状部9は負圧面8b側に湾曲されていない。このよ
うに構成しても、羽根8の外周側からの吸込流れFの一
部を圧力面8a側へ円滑に誘導する作用は十分に達成で
きる。その他の構成および作用効果は実施例1と同様な
ので重複を避けて説明を省略する。
【0027】本願発明は、上記各実施例の構成に限定さ
れるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て適宜設計変更可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例1にかかる軸流羽根車の前縁
側における外周翼端断面形状を示す部分断面図(即ち、
図6におけるX−X断面相当図)である。
【図2】本願発明の実施例1にかかる軸流羽根車の後縁
側における外周翼端断面形状を示す部分断面図(即ち、
図6におけるY−Y断面相当図)である。
【図3】本願発明の実施例2にかかる軸流羽根車の前縁
側における外周翼端断面形状を示す部分断面図(即ち、
図6におけるX−X断面相当図)である。
【図4】本願発明の実施例1にかかる軸流羽根車におけ
る性能テスト結果を示す特性図である。
【図5】一般の空気調和機の室外機の横断平面図であ
る。
【図6】図5の室外機に用いられている軸流ファンにお
ける羽根車の斜視図である。
【図7】(イ)、(ロ)は二つの従来例を示す図6のX−X
拡大断面図である。
【図8】(イ)、(ロ)は二つの従来例を示す図6のY−Y
拡大断面図である。
【符号の説明】
7はハブ、8は羽根、8aは圧力面、8bは負圧面、9は
片面アール形状部、10は円弧形状部、Oは中心線、θ
は傾き角度。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸枢支用のハブ(7)の外周に複数枚
    の羽根(8),(8)・・を有する軸流羽根車であって、前
    記各羽根(8)の外周翼端における断面形状が、前縁側に
    位置して圧力面(8a)側にのみ凸状のアールを有する片
    面アール形状部(9)と該片面アール形状部(9)に連続す
    る後縁側の円弧形状部(10)とを備えて構成されている
    ことを特徴とする軸流羽根車。
  2. 【請求項2】 前記片面アール形状部(9)が負圧面(8
    b)側に湾曲せしめられていることを特徴とする前記請求
    項1記載の軸流羽根車。
  3. 【請求項3】 前記片面アール形状部(9)における翼厚
    さの中心線(O)の圧力面(8a)からの傾き角度(θ)が1
    0°〜40°の範囲に設定されていることを特徴とする
    前記請求項1あるいは2記載の軸流羽根車。
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