JPH06306486A - 鋼帯の熱処理装置 - Google Patents

鋼帯の熱処理装置

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JPH06306486A
JPH06306486A JP11248993A JP11248993A JPH06306486A JP H06306486 A JPH06306486 A JP H06306486A JP 11248993 A JP11248993 A JP 11248993A JP 11248993 A JP11248993 A JP 11248993A JP H06306486 A JPH06306486 A JP H06306486A
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雅之 山崎
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定したライン操業が実施でき、燐酸塩処理
性に優れ且つ鋼帯の形状不良や酸化部分の発生もない品
質面で優れた製品が得られる鋼帯の熱処理装置を提供せ
んとするものである。 【構成】 直火式還元加熱炉12と、ラジアントチューブ
式加熱・均熱炉13及び14と、ガスジェット冷却設備15
と、冷却ロールと接触する鋼帯の背面に冷媒を吹き付け
てロール冷却と共に背面冷却も合わせて行うロール冷却
設備20と、過時効処理帯21と、急冷炉22と、Niを含む
溶液中で電気鍍金する電気鍍金設備23と、乾燥設備24と
を有する鋼帯1の連続焼鈍ラインにおいて、20m以上
の間隔を有する上下ロールを備えた前記直火式還元加熱
炉12の入側に鋼帯1の歪量を30mm以下とするテンシ
ョンレベラ8を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼帯の連続処理ライ
ンに設置される熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用鋼板や家電用鋼板等の鋼
帯を処理する連続焼鈍炉では、鋼帯を還元加熱できる
能力及び鋼帯サイズ変更時の熱応答性が良好なことが
要請され、更に鋼帯材質不安定部を急速加熱すること
で蛇行防止を図る等の目的から、直火加熱炉が採用され
るようになり、また省エネルギー面からロールクェンチ
冷却方式と組み合わせた設備構成が提案されている。特
開昭62ー54033号ではそのような鋼帯1の連続焼
鈍設備が提案されおり、図8に示されるように、入側ク
リーニング設備5の後方に、その加熱構成として予熱炉
11、直火式還元加熱炉12、ラジアントチューブ式加
熱炉13及び同均熱炉14が備えられ、またその冷却構
成としてはガスジェット冷却設備15とロール冷却設備
20が設けられており、加えてその後方に過時効処理帯
21a、21b、急冷炉22、更にその後方には調質圧
延機26が備えられた構成の提案がなされている。
【0003】一方自動車用鋼板を中心として一般材のハ
イテン化が進み、且つ鋼帯の薄物化が進む傾向にある
が、この種の鋼板材料中にはMn、Si、P等の元素を
含んでおり、バッチ式箱型焼鈍炉で焼鈍された鋼板であ
っても燐酸塩処理性に問題を生じており、連続焼鈍設備
の場合には、尚一層燐酸塩処理性が悪くなるといった問
題があった。そのため、特公昭58−37391号で
は、急冷炉の後方に、金属塩、主にNi或いはNi−P
を含む水溶液中で電気鍍金することで燐酸塩処理性を向
上させる電気鍍金設備を設けた構成が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、鋼帯の薄
物化が進む傾向にある中で形状の乱れが問題になってき
ているが、特に直火式還元加熱炉とロール冷却設備を備
えた連続焼鈍ラインでは、原板形状が不良の場合、直火
式還元加熱炉では鋼帯のバタツキによる酸化の問題を生
じ、それがひどければ、後のNi、Ni−P鍍金処理後
にもその影響が残ることになる。冷間圧延機では適正な
形状矯正を行うことが困難な場合がある。
【0005】また原板形状の不良は均熱炉でかなり改善
可能であるが、板幅方向中心と板端の間のクォーター部
の形状はあまり改善されず、それが均熱炉の後のガスジ
ェット冷却設備における鋼帯の絞り発生を誘発し、更に
ロール冷却設備における冷却が不均一となる等、材質や
通板性に大きな問題を生じていた。
【0006】更に、このような形状不良が発生すると、
Ni、Ni−Pを含む水溶液中で電気鍍金する後続の電
気鍍金設備でも、鋼帯が電極と接触する等、ライン停止
につながり、操業上大きな支障を生じていた。これを解
決するため、鋼帯と電極間距離を十分大きく取ることも
考えられるが、コスト、技術面で工業的に困難であっ
た。
【0007】本発明は従来技術の以上のような問題に鑑
み創案されたもので、安定したライン操業が実施でき、
燐酸塩処理性に優れ且つ鋼帯の形状不良や酸化部分の発
生もない品質面で優れた製品が得られる鋼帯の熱処理装
置を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため本発明に係る鋼
帯の熱処理設備は、直火式還元加熱炉と、ラジアントチ
ューブ式加熱・均熱炉と、ガスジェット冷却設備と、冷
却ロールと接触する鋼帯の背面に冷媒を吹き付けてロー
ル冷却と共に背面冷却も合わせて行うロール冷却設備
と、過時効処理帯と、急冷炉と、Ni又はNi−Pを含
む溶液中で電気鍍金する電気鍍金設備と、乾燥設備とを
有しており、前記直火式還元加熱炉の入り側に鋼帯の形
状矯正機を設けたことを基本的特徴としている。
【0009】
【作用】以上の本発明の構成は、本発明者等の推論とそ
れを基にした実験結果から創案されたもので、以下その
推論と実験の経緯につき説明する。
【0010】まず直火式還元加熱炉における酸化発生の
メカニズムにつき、本発明者等は次の様に考えてみた。
即ち直火式還元加熱炉において形成されるバーナ炎には
鋼帯の還元加熱に適した範囲の限定があり、その特定範
囲において鋼帯と接触しないと還元できるどころか、酸
化が行われる。一方、直火式還元加熱炉において直火還
元を1パス又は2パスで達成するためには、該炉内に備
えられる上下ロールの間隔が少なくとも20m以上必要
であり、このように炉長が長いとそこを通る鋼帯がその
ロール間でバタツクことになる。また鋼帯の形状には、
その中央部に凹凸や中伸び、端部に耳波等の形状不良が
発生することがあり、鋼帯断面中央部浮上がりの程度を
示す鋼帯歪量aに対する鋼帯幅wの比で示される急峻度
a/wが大きくなると、この形状不良は著しくなる。そ
の場合、炉内に備えられる上下ロールの間隔が少なくと
も20m以上あると上述のようにバタツク上に、燃焼時
にバーナ圧力を受けて、該鋼帯は大きくうねることにな
る。このような鋼帯のうねりがあると、それによってバ
ーナ炎の前記適正範囲内で鋼帯が該バーナ炎と接触しな
くなり、局所的な酸化の問題を発生するというものであ
る。そのため、従来の直火式還元加熱炉では、還元バー
ナの増強や該直火炉以降のラジアントチューブ式の加熱
炉での還元性向上のために雰囲気ガス中のH2ガス濃度
アップ等の必要があり、設備費の増大及びH2ガス使用
量の増大を余儀なくされていた。
【0011】一方ガスジェット冷却設備における絞り発
生の問題やロール冷却設備における不均一冷却の問題
も、やはり鋼帯の形状不良に原因があると本発明者等は
考えた。一般に鋼帯の若干の形状不良は、一定の張力が
掛けられた状態で炉内において均一加熱されると改善さ
れることが知られている。しかし前記クォーター部の形
状不良に関してはなかなか直らず、そのままガスジェッ
ト冷却設備に通板されると、そこで絞りを生じ、またロ
ール冷却設備に運ばれた場合、該形状不良の部分がロー
ル表面に十分接触しないか或いは非接触の状態となり、
最終冷却後の板幅方向の温度分布を均一化することが困
難になって、板幅方向の材質のバラツキや絞り・蛇行発
生を生じているものと推測される。
【0012】更にNi又はNi−Pを含む溶液中で電気
鍍金する電気鍍金設備における電極との接触の問題もや
はり鋼帯の形状不良が原因であり、その場合、前記ガス
ジェット冷却設備やロール冷却設備で発生した絞り等に
より助長された形状不良が引き金となったものと考えら
れる。
【0013】以上の様なことが原因となって上記の問題
が発生しているのならば、これらの熱処理設備の直前に
該鋼帯の形状矯正機を設け、それによって形状矯正のな
された鋼帯を夫々熱処理することでこれらの問題は解決
されることになると、本発明者等は考えた。そこで実際
に実施してみたところ、直火式還元加熱炉の直前で一度
鋼帯の形状矯正を行えば、後続の設備では上述のような
各問題の発生がなくなることが更に明かとなった。但し
ロール冷却設備ではこのような形状矯正を一度行っただ
けでは鋼帯板幅方向の温度分布の均一化を達成すること
は困難であるので、本発明の構成では冷却ロールと接触
している鋼帯の背面から冷媒を吹き付ける背面冷却もロ
ール冷却と併せて実施することにした。これによって鋼
帯1の絞り、蛇行の大幅な改善が図られ、後続の電気鍍
金設備における電極との接触事故も完全に防止される。
この背面冷却を行う場合も冷媒の吹き付けに当たって
は、該冷却ロールに巻き付いた鋼帯の背面近傍に吹付ノ
ズルを十分近づけて行うのが通常であり、従前に鋼帯の
形状矯正が行われているため、該ノズルとの接触の心配
はない。
【0014】尚、本発明者等は直火式還元加熱炉におけ
る鋼帯の酸化の状態が製品の品質を左右する大きな要素
となるため、これをより高い効率で防止できる方法を検
討した。まず最初に直火炉非還元バーナの出側での酸化
膜の状態を調べ、鋼帯の形状不良と該酸化膜の最大膜厚
との間には相関関係があること突き止めた。即ち直火炉
12内の鋼帯1に図5に示すような形状歪がある場合
は、図6に示されるように、鋼帯・バーナ間距離hは、
ある点(h1)を中心にそれより小さくなっても、或い
はそれより大きくなっても酸化膜厚bは厚くなってい
る。従って、還元バーナによる鋼帯の還元加熱では、な
おさらこの鋼帯・バーナ間距離hが、その還元効果を左
右するものであるとの推測の基にその適正距離を求めた
ところ、150〜350mmの範囲でなければ、十分な
還元効果が得られないことが分かった。これはそのよう
な離間距離に保てなければ、還元加熱に適したバーナ炎
の範囲で鋼帯が該バーナ炎に接触できないことを意味し
ている。
【0015】前記急峻度a/wのうち、鋼帯断面中央部
浮上がりの程度を示す鋼帯歪量aと、前記図5で示され
た鋼帯・バーナ間距離hの間には、図7(a)(b)に
示されるような関係があることが分かった。即ち、同図
(a)では直火加熱炉内に備えられた上下ロール間距離
が18mの場合における両者の関係を示しており、これ
によれば鋼帯形状歪量aが80mm近くになっても鋼帯
・バーナ間距離hは150〜350mmの範囲内に納ま
っている(図中斜線の部分は鋼帯のバタツキの範囲を示
している)。これに対し、同図(b)は前記上下ロール
間距離が25mの場合における両者の関係を示してお
り、この場合は鋼帯形状歪量aが30mm以下でなけれ
ば鋼帯・バーナ間距離hは150〜350mmの範囲内
に納まらないことが分かる。従って本発明の構成では、
上下ロール間距離が20m以上ある直火式還元加熱炉の
場合に、その直前で形状矯正機により矯正して、原板形
状歪量aを30mm以下になるようにするのが望まし
い。
【0016】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例につき詳述す
る。図1は、本発明の熱処理装置の一実施例構成を備え
た鋼帯1の連続焼鈍炉ライン構成を示す概略図である。
【0017】本実施例構成では、鋼帯1はペイオフリー
ル2によって巻戻され、入側剪断機3によって剪断され
た後、溶接機4によってその先行コイルと後行コイルと
が接続される。次に入側クリーニング設備5で電解脱脂
された後、入側ルーパ10を経て、予熱炉11及び直火
式還元加熱炉12に供給されて600℃〜750℃に昇
温され、ラジアントチューブ式加熱炉13及びラジアン
トチューブ式均熱炉14で所定の温度まで加熱後そのま
ま均熱され、ガスジェット冷却設備15で例えば600
℃まで冷却されて、更にロール冷却設備20で350℃
まで冷却する。続いて過時効処理帯21及び急冷炉22
を経て、電気鍍金設備23で化成処理性及びプレス性改
善のためにNi(若しくはNi−P)を含む水溶液中で
電気鍍金を行い、乾燥設備24で乾燥され、出側ルーパ
25を経た後、調質圧延機26で板表面の調質処理がな
され、表面欠陥計27及び塗油機28で検査・塗油され
て、出側剪断機29で所定の長さに切断された後、テン
ションリール30によって巻取られる。そのうち直火式
還元加熱炉12の手前には入側ルーパ10と予熱炉11
とをその間に介在させて板形状矯正機たるテンションレ
ベラ8が設置されている。またこの直火式還元加熱炉1
2内に備えられた上下ロール間の距離は25mである。
【0018】このような鋼帯1の形状矯正に当たって
は、入側クリーニング設備5で表面に付着した油分を洗
い落とした直後に行なうのが望ましく、そのため本実施
例では該入側クリーニング設備5と前記予熱炉11との
間に上記テンションレベラ8を設置した(実際の設備構
成ではこのテンションレベラ8の直前に2ロールタイプ
のステアリングロール6が配され、また7及び9は該テ
ンションレベラ8の入側及び出側のブライドルロールで
ある)。一方入側ルーパ10内における蛇行を防止する
観点より鋼帯1の形状矯正はその直前で行っていた方が
良く、また該ルーパ10内のロール取り替えの煩雑さも
考慮して、このテンションレベラ8は該入側ルーパ10
の直前に設置することにした。尚、入側クリーニング設
備5は該テンションレベラ5の直上に設置されていなく
ても良い。
【0019】本実施例構成において使用されたロール冷
却設備20の構成は、鋼帯1に回転しながら接触して連
続的に冷却する少なくとも1つ冷却用ロールを有してお
り、この冷却用のロールは少なくとも鋼帯1の板幅と同
じ胴長を有し、且つ冷却液がロール内部を流れて連続的
にこれを冷却すると共に、該鋼帯1の移動方向に略直交
する方向に移動してその接触面積が制御可能(即ちその
冷却長が制御可能)な構成を有している。
【0020】またロール冷却設備20の構成には、図2
に示されるように、その入側と出側には夫々少なくとも
2つのロール16a乃至16dからなる張力調整機が設
置されている。更に冷却ロール17a乃至17eと接触
している鋼帯1の背面から冷却ガスを吹き付けるガス吹
付ヘッダ18a乃至18eが設けられており、冷却ロー
ル17a乃至17eによるロール冷却を実施すると共
に、その背面からの冷却ガスの吹き付けで、鋼帯1の浮
き上がりを防止しながら板幅方向に均一に冷却ができる
ようにしている。但し前述のように、冷却ロール17a
乃至17eは鋼帯1との接触長の調整のため、該鋼帯1
の移動方向に略直交する方向に動くことができるように
なっており、このためガス吹付ヘッダ18a乃至18e
も同時に同方向に移動できるようになっている。一方本
ロール冷却設備20の出側には鋼帯1の両表面から所定
の間隔を開けて後段ガス冷却ヘッダ19が設置されてい
る。これらのヘッダ19は、図3に示されるように、各
板幅方向に夫々3つに分割された状態で設置(一方の面
は19a乃至19cの3つが示され、他側は19dのみ
示されている)されており、これらから鋼帯1表面に吹
き出される冷却ガスの流量及び/又は流速を夫々別個に
制御することで、最終冷却後の鋼帯1板幅方向における
温度分布が均一にできるようにしている。
【0021】以上の構成からなる本実施例の連続焼鈍ラ
インでは、テンションレベラ8を直火式還元加熱炉12
の上流側に配置したことによって、該加熱炉12内にお
ける鋼帯1の通板性が改善されると共に、後述する実験
から明らかなように、該直火式還元加熱炉12における
還元加熱特性も安定して得られることになる。従って後
続の前記電気鍍金設備23の鍍金処理が実施されると、
鋼帯1の燐酸塩処理性が向上する。
【0022】また該テンションレベラ8によって鋼帯1
クォーター部の形状不良発生部分の形状矯正が可能とな
り、前記ガスジェット冷却設備15における絞り発生が
なくなると共に、ロール冷却設備20における絞り発生
及び不均一冷却が大幅に改善され、その結果該ラインに
おける鋼帯1の蛇行の発生がなくなり、且つ得られた製
品の品質が向上することになった。従って電気鍍金設備
23における電極との接触の問題も無くなった。更にガ
スジェット冷却設備15におけるガスジェットノズルと
の接触、ロール冷却設備20における背面ガス吹付ヘッ
ダ18a乃至18eや後段ガス冷却ヘッダ19との接触
の問題もなくなり、安定した操業が可能となった。
【0023】図4は、本実施例のようなテンションレベ
ラ8の設置がなかった場合の実験結果から得られた鋼帯
歪量aと、鋼帯・バーナ間距離hの相関関係を示すもの
で、同図においてmin値は一定の長さの鋼帯1で測定
された該歪量aのうちの最小値を、またmax値はその
反対の最大値を各示しており、この図によれば、鋼帯1
の最小歪量aが30mmを超す形状不良がある場合は鋼
帯・バーナ間距離hが150mmを割ることになるた
め、還元加熱には適さなくなる(なお以上の歪量臨界値
を急峻度に換算すると1.8%になる)。
【0024】従って本実施例では、上記歪量が30mm
以下となるように、テンションレベラ8で原板の形状矯
正を行なってから予熱炉11、直火式還元加熱炉12へ
該鋼帯1を導入するようにした。その結果該直火式還元
加熱炉12では安定した還元加熱が行われ、局所的な表
面酸化の発生の問題はなくなった。
【0025】尚、本実施例では直火式還元加熱炉12と
その後方のラジアントチューブ式均熱炉14との間に、
ラジアントチューブ式加熱炉13を配置した構成となっ
ているが、これは前記均熱炉14の熱追随性が低いこと
から設けられた構成である。即ち該均熱炉14の加熱方
式がラジアントチューブ式であるため(電熱ヒータ加熱
方式でも同じ)、その手前の直火式還元加熱炉12と比
べて温度変更時の昇温速度や降温速度が遅く、加熱終了
温度(均熱温度)を変更する際には、追随性の面からそ
の間にラジアントチューブ式加熱炉13を設けた方が望
ましいことによる。従って本実施例のように間にラジア
ントチューブ式加熱炉13を設けたことで、直火式還元
加熱炉12の熱応答性の速さが有効に生かせることにな
る。また本実施例における電気鍍金設備23の設置位置
は、プレス成形性の向上を考慮して急冷炉22の後に
し、鍍金後乾燥させる必要から乾燥設備24の前にこれ
を設置しており、更にライン速度の変動や停止がないこ
とから出側ルーパ25の前に設けておく必要がある。
【0026】また本実施例ではテンションレベラ8を鋼
帯1の形状矯正機として使用しているが、スキンパスミ
ルを用いても同様な効果が得られる。
【0027】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係る鋼帯の熱処理
設備によれば、安定したライン操業が実施でき、直火式
還元加熱炉における酸化の問題がなくなり、従ってNi
又はNi−Pを含む水溶液中で電気鍍金した後における
鋼帯の燐酸塩処理性が向上することになる。また鋼帯ク
ォーター部分の形状不良や絞りの発生がなく且つ冷却時
に均一冷却が可能であるため、品質面でも優れた製品が
得られ、更に上記電気鍍金時における電極との接触の問
題もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱処理装置の一実施例構成を備え
た鋼帯の連続焼鈍炉ライン構成を示す概略図である。
【図2】本実施例におけるロール冷却設備の構成を示す
説明図である。
【図3】本実施例における後段ガス冷却ヘッダの構成を
示す斜視図である。
【図4】テンションレベラの設置がなかった場合の実験
結果から得られた鋼帯歪量と、鋼帯・バーナ間距離の相
関関係を示すグラフである。
【図5】直火炉内の鋼帯に生じた形状歪の例を示す直火
炉断面図である。
【図6】直火炉非還元バーナの出側における鋼帯の形状
不良と該酸化膜の最大膜厚との間の相関関係を示すグラ
フである。
【図7】直火加熱炉内の上下ロール間距離が異なる場合
の鋼帯歪量と鋼帯・バーナ間距離の相関関係を示すグラ
フである。
【図8】鋼帯の連続焼鈍設備の従来構成例を示すライン
概略図である。
【符号の説明】
1 鋼帯 8 テンションレベラ 12 直火式還元加熱炉 15 ガスジェット冷却設備 20 ロール冷却設備 22 急冷炉 23 電気鍍金設備

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直火式還元加熱炉と、ラジアントチュー
    ブ式加熱・均熱炉と、ガスジェット冷却設備と、冷却ロ
    ールと接触する鋼帯の背面に冷媒を吹き付けてロール冷
    却と共に背面冷却も合わせて行うロール冷却設備と、過
    時効処理帯と、急冷炉と、Ni又はNi−Pを含む溶液
    中で電気鍍金する電気鍍金設備と、乾燥設備とを有して
    おり、前記直火式還元加熱炉の入り側に鋼帯の形状矯正
    機を設けたことを特徴とする鋼帯の熱処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項第1項記載の鋼帯の熱処理装置に
    おいて、前記直火式還元加熱炉に設置される上下ロール
    の間隔が20m以上ある場合、前記形状矯正機につき、
    鋼帯の歪量を30mm以下にすることができるものを用
    いることを特徴とする請求項第1項記載の鋼帯の熱処理
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015091138A3 (en) * 2013-12-19 2015-08-13 Sandvik Materials Technology Deutschland Gmbh Annealing furnace and method for annealing a steel strand

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WO2015091138A3 (en) * 2013-12-19 2015-08-13 Sandvik Materials Technology Deutschland Gmbh Annealing furnace and method for annealing a steel strand
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