JPH06306285A - 食器用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

食器用熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH06306285A
JPH06306285A JP11908393A JP11908393A JPH06306285A JP H06306285 A JPH06306285 A JP H06306285A JP 11908393 A JP11908393 A JP 11908393A JP 11908393 A JP11908393 A JP 11908393A JP H06306285 A JPH06306285 A JP H06306285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
elastomer
modified
olefin
filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11908393A
Other languages
English (en)
Inventor
Naohiro Mikawa
直浩 三川
Ichigen Watanabe
一玄 渡辺
Keiko Kano
桂子 加納
Tadao Ikeda
忠生 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Corp filed Critical Tonen Corp
Priority to JP11908393A priority Critical patent/JPH06306285A/ja
Publication of JPH06306285A publication Critical patent/JPH06306285A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/0013Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor using fillers dispersed in the moulding material, e.g. metal particles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles
    • B29L2031/28Tools, e.g. cutlery
    • B29L2031/286Cutlery

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Table Devices Or Equipment (AREA)
  • Table Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)(i)ポリアリーレンサルファイド9
8〜30重量%と(ii)未変性および/または変性オレ
フィン系エラストマー2〜70重量%とからなる樹脂成
分30〜100重量部と、(B)充填剤70〜0重量部
からなる熱可塑性樹脂組成物。上記変性オレフィン系エ
ラストマーは、未変性オレフィン系エラストマーを
(イ)アクリルアミド基とエポキシ基とを有するグリシ
ジル化合物または(ロ)炭素−炭素二重結合と酸無水物
基とを有する化合物で変性したものである。この樹脂組
成物は食器として用いられる。 【効果】 樹脂組成物から得られる食器は高い耐熱性を
有し、且つ金属音のような衝突音を殆ど発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、食器の製造に用いら
れる熱可塑性樹脂組成物、さらに詳しくは、ポリアリー
レンサルファイドと変性および/または未変性オレフィ
ン系エラストマーとからなり、所望によりさらに充填剤
を含む熱可塑性樹脂組成物に関する。本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、広義の食器、すなわち、箸、ナイフ、フ
ォーク、皿、碗、鉢、コップなどの器具の製造に用いら
れる。
【0002】
【従来の技術】プラスチック製の箸その他の食器として
はポリカーボネートとガラス繊維とからなる樹脂組成物
でできたものが知られている。この樹脂組成物の熱変形
温度(HDT)は145℃であって、その耐熱性が十分
でないため、洗浄用スチーム(一般に150℃以上の温
度を有する)に繰返し曝された場合変形するおそれがあ
る。
【0003】また、ポリフェニレンサルファイド(以
下、「PPS」ということがある)とガラス繊維とから
なる樹脂組成物でできた食器も知られている。この材料
はHDTが250℃以上なので、その食器はスチーム洗
浄に耐えることができる。しかしながら、この食器は食
器同志が接触ないし衝突すると金属音と同様な音を発
し、特に食堂などで大量の食器を洗浄すると発生する衝
突音は非常に大きくなり、作業環境上好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような状況に鑑み、高い耐熱性を有し、且つ金属音の
ような衝突音の発生が非常に低い食器として用いられる
熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明の
食器用熱可塑性樹脂組成物、すなわち、(A)(i)ポ
リアリーレンサルファイド(以下、「PAS」というこ
とがある。)98〜30重量%と(ii)オレフィン系エ
ラストマーおよび変性オレフィン系エラストマーの中か
ら選ばれた少くとも一種のエラストマー2〜70重量%
とからなる樹脂成分30〜100重量部と、(B)繊維
状充填剤および粒状充填剤の中から選ばれた少くとも一
種の充填剤からなる充填剤成分70〜0重量部とからな
る熱可塑性樹脂組成物であって、
【0006】該変性オレフィン系エラストマーは、オレ
フィン系エラストマーを次の一般式(1):
【化1】(式中、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル
基であり、Arは少くとも一つのグリシジルオキシ基を
有する炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、mは
1〜4の整数を表す)で表されるグリシジル化合物で変
性した変性オレフィン系エラストマー、およびオレフィ
ン系エラストマーを、炭素−炭素二重結合と酸無水物基
とを同一分子中に有する化合物で変性した変性オレフィ
ン系エラストマーの中から選ばれたものである、食器用
熱可塑性樹脂組成物によって達成される。
【0007】本発明において使用するPASは、その骨
格が次の式(2)で表わされるアリーレンサルファイド
結合からなるか、または該アリーレンサルファイド結合
(2)を主成分とし、
【0008】
【化3】
【0009】次の式(3)で示されるエーテル結合、次
の式(4)で示されるスルホン結合、次の式(5)で示
されるビフェニル結合、次の式(6)で示される置換フ
ェニルスルフィド結合(但し、式(6)中、R1 はアル
キル、ニトロ、フェニル、アルコキシ、またはカルボキ
シル基を示す。)、次の式(7)で示される3官能結合
で例示されるような共重合成分から導かれる結合を劣成
分として含有していてもよい。但し、当該共重合成分
は、30モル%未満であることが好ましい。
【0010】
【化4】 上記のような骨格を有するPASは、例えば、アルカリ
金属サルファイド(代表的にみ硫化ソーダ)とジハロゲ
ン化物とを反応させることによっ得られる。ここで、原
料として使用されるジハロゲン化物の例としては、下記
の式で示されるジハロゲン化ベンゼンが挙げられる。
【0011】
【化5】 (式中R2 は炭素原子1〜3個のアルキルもしくはアル
コキシ基を示し、nは0〜3の整数を示し、Xはハロゲ
ン原子を示す)。
【0012】かかるジハロゲン化ベンゼンの具体例とし
ては、次の式で示される化合物が挙げられる。但し、こ
れらの式において、X1 はハロゲン原子であって、その
例としてClまたはBrが挙げられる。これらジハロゲ
ン化ベンゼンは、一般に混合物の形態で用いられるが、
この混合物中にパラ体のジハロゲン化物が85モル%以
上含まれることが好ましい。
【0013】
【化6】
【0014】アルカリ金属サルファイドとジハロゲン化
物との反応に際して、必要に応じて、ジハロゲン化物に
対し5モル%以下の範囲内で、トリクロルベンゼンなど
のトリハロゲン化物を反応系に添加してもよい。重合反
応は、極性溶媒中で、好ましくは、N−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド系溶媒やスルホランなどのスルホン系溶媒中で行なう
とよい。この際に、重合度を調節するために、カルボン
酸やスルホン酸のアルカリ金属塩、水酸化アルカリなど
を添加するのが望ましい。好ましい重合反応の温度およ
び時間は、およそ120〜300℃で2〜10時間であ
る。反応は不活性ガスの雰囲気下に行なうのが望まし
い。反応終了後、固体生成物をろ別し、脱イオン水で十
分洗浄、乾燥してPAS樹脂が得られる。
【0015】PASは重合後酸素雰囲気において加熱す
ることにより、あるいは過酸化物などの架橋剤を添加し
て加熱することにより架橋して、より高分子量化したう
え使用することも可能である。
【0016】本発明で使用するPASは上記のように種
々のタイプのものが広く使用可能であるが、重合後に常
法により精製されたPASを脱イオン処理するか、また
は常法により精製されたPASを上記のように高分子量
化したうえ、さらに脱イオン処理して、ナトリウムその
他のアルカリ金属の含有量を900ppm以下に低減し
たものを用いることができる。あるいは、重合後に常法
により精製されたPASを脱イオン処理して、ナトリウ
ムその他のアルカリ金属の含有量を900ppm以下に
低減した後、架橋剤を加え加熱して架橋し、高分子量化
することもできる。
【0017】脱イオン処理の手法としては酸処理法が挙
げられる。酸処理の代表的な方法は、酸またはその水溶
性にPASを浸漬せしめる方法である。酸処理に際し、
適宜攪拌または加熱することも可能である。酸処理方法
の具体例としては、pH4の酢酸水溶液にPAS粉末を
浸漬し、約30分間攪拌する方法が挙げられる。酸処理
を施されたPASは残留している酸または塩を除去する
ため、水または温水で数回洗浄することが必要である。
洗浄に用いる水は、酸処理による変性効果を損わぬよう
蒸留水および脱イオン水であることが好ましい。PAS
の酸処理に用いる酸は、PASを分解する作用を有しな
いものであれば特に制限はなく、その具体例としては酢
酸、塩酸、硫酸、リン酸、珪酸、炭酸、プロピオン酸が
挙げられる。なかでも、酢酸および塩酸が好ましく、ま
た、硝酸はPASを分解劣化させるので好ましくない。
【0018】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、樹脂成分
として上記のPASとともに、未変性オレフィン系エラ
ストマーおよび変性オレフィン系エラストマーの中から
選ばれた少くとも一種のエラストマーを含む。
【0019】ここで、オレフィン系エラストマーとは、
エチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテンなどのエチレン以外のα−オ
レフィンの1種または2種以上との共重合体ゴムを意味
する。上記エチレンとエチレン以外のα−オレフィンの
1種または2種以上との共重合体ゴムとしては、典型的
にはエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレ
ン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)およびエチレン
−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)などが
挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
(EPDM)中のジエンとしては、ジシクロペンタジエ
ン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチ
レンノルボルネンなどの非共役ジエンまたはブタジエ
ン、イソプレンなどの共役ジエンを使用することができ
る。
【0020】上記オレフィン系エラストマー中のエチレ
ンの含有量は、概して5〜95重量%であり、好ましく
は10〜90重量%である。エチレンの含有量が4重量
%未満、あるいは95重量%を超えると、エラストマー
としての性質の発現が困難となる。このようなオレフィ
ン系エラストマーの結晶化度は、通常40重量%以下で
ある。
【0021】本発明において使用するオレフィン系エラ
ストマーの代表的一例であるエチレン−プロピレン共重
合体ゴム(EPR)は、エチレンから誘導される繰り返
し単位の含有率が50〜80モル%、プロピレンから誘
導される繰り返し単位の含有率が20〜50モル%であ
ることが好ましい。より好ましい範囲は、エチレン系繰
り返し単位が60〜70モル%、プロピレン系繰り返し
単位が30〜40モル%である。また、EPRのメルト
フローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)
は0.01〜50g/10分の範囲内にあるのが好まし
く、より好ましくは0.5〜30g/10分である。
【0022】オレフィン系エラストマーの他の代表的一
例であるエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)は、
エチレンから誘導される繰り返し単位の含有率が50〜
90モル%、ブテンから誘導される繰り返し単位の含有
率が10〜50モル%であることが好ましい。より好ま
しい範囲は、エチレン系繰り返し単位が60〜80モル
%、ブテン系繰り返し単位が20〜40モル%である。
また、EBRのメルトフローレート(MFR、230
℃、2.16kg荷重)は0.01〜50g/10分の
範囲内にあるのが好ましく、より好ましくは0.5〜3
0g/10分である。
【0023】また、オレフィン系エラストマーのさらに
他の代表的一例であるエチレン−プロピレン−ジエン共
重合体(EPDM)は、エチレンから誘導される繰り返
し単位の含有率が40〜70モル%、プロピレンから誘
導される繰り返し単位の含有率が30〜60モル%、お
よびジエンから誘導される繰り返し単位の含有率が1〜
10モル%であることが好ましい。より好ましい範囲
は、エチレン系繰り返し単位が50〜60モル%、プロ
ピレン系繰り返し単位が40〜50モル%、およびジエ
ン系繰り返し単位が3〜6モル%である。さらに、EP
DMのメルトフローレート(MFR、230℃、2.1
6kg荷重)は0.01〜50g/10分の範囲内にあ
るのが好ましく、より好ましくは0.1〜30g/10
分である。
【0024】オレフィン系エラストマーの代表的例であ
るエチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン
−ブテン共重合体ゴム(EBR)及びエチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体(EPDM)は、基本的には上記
の繰返し単位からなるものであるが、これらの共重合体
の特性を損なわない範囲内で、たとえば4−メチル−1
−ペンテンなどの他のα−オレフィンから誘導される繰
り返し単位などの他の繰り返し単位を10モル%以下の
割合で含んでもよい。
【0025】本発明においては、所望により、上述した
オレフィン系エラストマーにポリオレフィンを80重量
%以下混合したオレフィン系エラストマー組成物も用い
ることができる。オレフィン系エラストマーに加えて使
用し得るポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペン
テンなどのα−オレフィンの単独重合体、エチレンとプ
ロピレンもしくは他のα−オレフィンとの非エラストマ
ー性共重合体、またはこれらのα−オレフィンの2種以
上の非エラストマー性共重合体、またはこれらの単独重
合体どうし、共重合体どうし、さらには単独重合体と共
重合体とをブレンドしたものを用いることができる。
【0026】ポリオレフィンを混合する場合、その混合
量はオレフィン系エラストマー−ポリオレフィンを10
0重量%として、80重量%以下、好ましくは50重量
%以下である。ポリオレフィンの混合量が80重量%を
超えると、エラストマーとしての特性が失われる。
【0027】本発明において使用する変性オレフィン系
エラストマーは、上記のような未変性オレフィン系エラ
ストマーを、(イ)アクリルアミド基とエポキシ基とを
同一分子中に有する特定のグリシジル化合物または
(ロ)炭素−炭素二重結合と酸無水物基とを同一分子中
に有する化合物で化学的に変性したものである。
【0028】オレフィン系エラストマーの変性に用いる
上記グリシジル化合物は、下記一般式(1):
【化7】 (式中、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基であ
り、Arは少くとも一つのグリシジルオキシ基を有する
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、mは1〜4
の整数を表す)で表されるグリシジル化合物である。
【0029】好ましいグリシジル化合物としては、下記
一般式(8)で表わされるものが挙げられる。
【化8】 (式中、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基であ
る。)
【0030】このようなグリシジル化合物は、例えば特
開昭60−130580号に示されるように、以下のよ
うな方法により製造することができる。まず、少なくと
も1つのフェノール性水酸基を有する芳香族炭化水素
と、N−メチロールアクリルアミドまたはN−メチロー
ルメタアクリルアミド、あるいはN−メチロールメタア
クリルアミドのアルキルエーテル誘導体(以下、これら
をN−メチロールアクリルアミド類という)を酸触媒を
用いて縮合させることにより、下記一般式(9):
【0031】
【化9】 (式中、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基であ
り、Ar′は少くとも1つの水酸基を有する炭素数6〜
20の芳香族炭化水素基であり、nは1〜4の整数を表
す。)で表される化合物を製造する。
【0032】上記、少なくとも1つのフェノール性水酸
基を有する芳香族炭化水素としては特に制限はないが、
例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、
p−クレゾール、2,6−キシレノール、2,4−キシ
レノール、o−クロルフェノール、m−クロルフェノー
ル、o−フェニルフェノール、p−クロルフェノール、
2,6−ジフェニルフェノールなどのフェノール性化合
物、ヒドロキノン、カテコール、フロログルシノールな
どのポリフェノール性化合物、1−ナフトール、2−ナ
フトール、9−ヒドロキシアントラセンなどの多環式ヒ
ドロキシ化合物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(ビスフェノール−A)、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタンなどのビスフェノール類などが
挙げられる。
【0033】次に、上記一般式(9)で表される化合物
の水酸基をグリシジル化することにより、一般式(1)
で表されるグリシジル化合物を得ることができる。この
グリシジル化は、一般式(9)で表される化合物とエピ
ハロヒドリンとの付加反応を行った後、苛性アルカリに
より脱ハロゲン化水素化することにより行うのが好まし
い。上記エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒドリ
ン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリンなどを用
いることができる。
【0034】エピハロヒドリンとの付加反応は相間移動
触媒を用いて行う。相間移動触媒としては、例えばテト
ラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチル
アンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニ
ウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩、テトラフ
ェニルホスホニウムクロライド、トリフェニルメチルホ
スホニウムクロライドなどの第4級ホスニウム塩などを
用いることができる。
【0035】上記相間移動触媒の使用量は、一般式
(9)で表される化合物を100モル%として、0.0
1〜100モル%の範囲であるのが好ましい。特に好ま
しい相間移動触媒の使用量は、0.05〜10モル%で
ある。また反応温度および反応時間は50〜120℃で
5分〜2時間、より好ましくは80〜110℃で10〜
30分である。
【0036】エピハロヒドリンの付加に続いて、苛性ア
ルカリにより脱ハロゲン化水素化を行う。苛性アルカリ
としては、苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化リチウムなど
が使用できる。これらは固体のままか、または水溶液と
して用いることができる。また、脱ハロゲン化水素化の
触媒としては上述の相間移動触媒と同様のものを用いる
ことができる。また上記相間移動触媒以外の触媒も使用
でき、そのような触媒としては、クラウンエーテル類、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチ
レングリコールなどが挙げられる。
【0037】上記苛性アルカリの使用量は、一般式
(9)で表される化合物に対して等モル量を使用するの
が好ましい。より好ましくは、1.1〜1.5倍モルを
使用する。また反応温度および反応時間は20〜90℃
で10分〜3時間、より好ましくは40〜70℃で30
分〜20時間である。
【0038】オレフィン系エラストマーの変性は、炭素
−炭素二重結合と酸無水物基を同一分子中に有する化合
物で行うこともできる。そのような変性用化合物の例と
しては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、エンデイッ
ク酸無水物(無水ハイニック酸)などが挙げられる。
【0039】上記のような変性用化合物によるオレフィ
ン系エラストマー(またはオレフィン系エラストマー組
成物)の変性(グラフト重合)は、溶液法または溶融混
練法のいずれでも行うことができる。溶融混練法の場
合、オレフィン系エラストマーと上述した変性用化合
物、および必要に応じて触媒を、押出機や二軸混練機な
どに投入し、180〜300℃の温度に加熱して溶融し
ながら0.1〜20分混練する。また、溶液法の場合、
キシレンなどの有機溶剤に上記出発物質を溶解し、90
〜200℃の温度で0.1〜100時間攪拌しながら行
う。いずれの場合にも、触媒として通常のラジカル重合
用触媒を用いることができ、その具体例としては、過酸
化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジターシャリ
ーブチル、過酸化アセチル、ターシャリーブチルペルオ
キシ安息香酸、過酸化ジクミル、ペルオキシ安息香酸、
ペルオキシ酢酸、ターシャリーブチルペルオキシピバレ
ート、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチ
ルペルオキシヘキシンなどの過酸化物類や、アゾビスイ
ソブチロニトリルなどのジアゾ化合物類等が挙げられ
る。触媒の添加量は変性用化合物100重量部に対して
0.1〜10重量部程度である。なお、上記グラフト反
応時にフェノール系酸化防止剤を添加することができ
る。ただし、ラジカル重合用触媒を添加しない場合に
は、添加しない方が好ましい。
【0040】前記変性用化合物の配合割合は、前記オレ
フィン系エラストマー(またはオレフィン系エラストマ
ー組成物)100重量部に対して、0.01〜30重量
部、好ましくは0.1〜10重量部である。変性用化合
物の配合量が0.01重量部未満では、高グラフト率の
達成が困難であり、また30重量部を超えると得られる
変性オレフィン系エラストマーの分子量が低下する。
【0041】上記したような(ii)未変性および/また
は変性オレフィン系エラストマーと(i)PASとの配
合割合は、両者の合計重量に基づき、(ii)未変性およ
び/または変性オレフィン系エラストマーが2〜70重
量%、好ましくは10〜40重量%であり、(i)PA
Sが98〜30重量%、好ましくは90〜60重量%で
ある。(ii)未変性および/または変性オレフィン系エ
ラストマーが2重量%未満では(すなわち、(i)PA
Sが98重量%を超えると)、その配合によるPASの
耐衝撃性等の物性の改善および食器の衝突音抑制の効果
が充分でなく、また(ii)変性オレフィン系エラストマ
ーが70重量%を越えると(すなわち、(i)PASが
30重量%未満では)、耐熱性その他PAS本来の特性
が損なわれる。
【0042】本発明の食器用熱可塑性樹脂組成物には、
繊維状充填剤および/または粒状充填剤を配合すること
ができる。充填剤としては、食品に接する食器の材料で
あるために、食器から容易に溶出することがなく且つ人
体に無害なものが用いられる。繊維状充填剤としてはガ
ラス繊維が好ましく、また、粒状充填剤としてはマイ
カ、タルク、ウォラストナイトが好ましく、中でもタル
クが最も好ましい。上記の充填剤は単一成分として用い
てもよいが、ガラス繊維のような繊維状充填剤80〜2
0重量%とタルクのような粒状充填剤20〜80重量%
とを組合せて用いることが好ましい。
【0043】本発明の熱可塑性樹脂組成物において、
(A)PASと未変性および/または変性オレフィン系
エラストマーとからなる樹脂成分と、(B)充填剤との
配合割合は、(A)30〜100重量部、(B)70〜
0重量部、好ましくは(A)40〜80重量部、(B)
60〜20重量部である。本発明の熱可塑性樹脂組成物
には、上記の充填剤の他に種々の添加剤、例えば熱安定
剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、発泡剤、
核剤などを添加することができる。
【0044】上記ような本発明の組成物は、(i)PA
Sと(ii)未変性および/または変性オレフィン系エラ
ストマーと必要に応じて添加される充填剤その他の各種
添加剤とを、一軸押出機、二軸押出機、バンバリミキサ
ー、混練ロール、ブラベンダー・プラストグラフ(登録
商標)などの混練機を用いて220〜300℃、好まし
くは240〜280℃で加熱溶融状態で混練することに
より得ることができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、PAS樹脂の成形に採られているのとほぼ同等な条
件下に射出成形することによって食器とすることができ
る。
【0045】
〔プロピレン含有量70%、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)1.9g/10分〕
【0046】〔2〕変性用化合物 (イ)AXE:前記化学式(8)(式中、Rは水素)で
表されるグリシジル化合物〔鐘淵化学工業(株)製〕 (ロ)無水マレイン酸(Mah) 〔3〕ラジカル発生剤 POX:パーヘキシン2−5B〔日本油脂(株)製〕 〔4〕ポリアリーレンサルファイド ポリ(p−フェニレン)サルファイド(PPS)(トー
プレン社製T−3) 〔5〕ガラス繊維 日東紡製CS−3J−961S 〔6〕タルク 林化成製PK−S
【0047】オレフィン系エラストマーの変性 (イ)AXE変性 エチレンプロピレン共重合体ゴム(EPR)100重量
部に対し、グリシジル化合物(AXE)3重量部および
パーヘキシン2−5B 0.1重量部を加え、ヘンシェ
ルミキサーによりドライブレンドし、その後30mm
φ、L/D=25の単軸押出機を用い200℃、30r
pmで溶融混練することによってEPRにAXEをグラ
フト重合した。得られたAXE変性EPR(AXE−E
PR)のメルトフローレート(MFR)は0.41g/
10分(190℃、1.05kg荷重)であり、AXE
のグラフト率は2.0重量%であった。
【0048】(ロ)無水マレイン酸変性 EPR80重量部と高密度ポリエチレン(HDPE)2
0重量部に対して無水マレイン酸(Mah)0.3重量
部、パーヘキシン2−5B 0.07重量部とをヘンシ
ェルミキサーにてドライブレンドし、その後30mm
φ、L/D=25の単軸押出機を用い200℃、30r
pmで溶融混練してMah変性EPR(Mah−EP
R)を調製した。得られた無水マレイン酸変性オレフィ
ン系エラストマーのメルトフローレート(NFR)は
3.1g/10分(230℃、2.160kg荷重)で
あった。
【0049】熱可塑性樹脂組成物の調製および試験
(1) PPSと未変性オレフィン系エラストマー(EPR)ま
たは変性オレフィン系エラストマー(AXE−EPRま
たはMah−EPR)とガラス繊維(GF)とタルクと
を表1に示す割合で混合し、40mmφの二軸押出機を
用いて300℃、400rpmにて混練し、熱可塑性樹
脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の23℃での曲げ
弾性率および曲げ強度(JIS K7203)を測定す
るとともに、熱変形温度(HDT)(JIS K720
7)を測定した(荷重18.6kg)。結果を合わせて
表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1から明らかなように実施例品の曲げ弾
性率(剛性)の値は、未変性オレフィン系エラストマー
または変性オレフィン系エラストマーを含まない比較例
1の値より低く、PPSではなくポリカーボネート(P
C)をベースとする比較例2の値とほぼ同等であるかま
たはそれ以下である。このことは実施例品の衝突音が低
いことを示している。一般に材料の剛性は成形品の衝突
音に関与する因子の一つとされており、材料の剛性が低
いほど成形品の衝突音は低くなる。実際に、樹脂組成物
を成形した箸を100本づつプラスチック製トレイに入
れ、トレイを振動させて発生する音を調べたところ比較
例1のものは金属音に近い音をかなり発生したが、実施
例1〜12のものが発生する音は著しく低かった。
【0052】また、実施例品のHDTは通常食器の洗浄
に用いられるスチーム温度よりかなり高い。従って、食
器がスチーム洗浄によって変形することはない。さら
に、厚生省告示20号に基づく溶出試験を行ったとこ
ろ、実施例品は全て許容基準内のものであった。
【0053】熱可塑性樹脂組成物の調製および試験
(2) PPSと変性オレフィン系エラストマー(AXE−EP
R)とガラス繊維(GF)とタルクとを表2に示す割合
で混合し、実施例1〜12と同様に樹脂組成物を調製
し、アイゾット衝撃強度(JIS K7110)、引張
強度および伸度(JIS K7113)、曲げ弾性率お
よび曲げ強度(JIS K7203)を測定した。結果
を合わせて表2に示す。(一部の樹脂組成物は表1に示
すものと同一組成であるので、表1と同一の実施例N
o.および比較例No.を付けた。
【0054】
【表2】
【0055】表2についても表1とほぼ同様のことが言
える。なお、表2中、実施例7の組成物は、比較例2の
PC/GF組成物にほぼ匹敵する衝撃強度、破断強度、
破断伸度、曲げ弾性率、曲げ強度を示し、そのHDTは
比較例2の組成物よりはかなり高い。
【0056】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物から成形さ
れる食器は、PAS樹脂が本来有する高い耐熱性その他
の特性を維持している。従って、スケール洗浄に耐え、
比較的良好な機械的強度を有している。しかも、従来の
PAS樹脂製食器にみられるような衝突時における金属
音のような音の発生が非常に小さく、また、良好な耐衝
撃性を有している。
【化2】
フロントページの続き (72)発明者 池田 忠生 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(i)ポリアリーレンサルファイ
    ド98〜30重量%と(ii)未変性オレフィン系エラス
    トマーおよび変性オレフィン系エラストマーの中から選
    ばれた少くとも一種のエラストマー2〜70重量%とか
    らなる樹脂成分30〜100重量部と、(B)繊維状充
    填剤および粒状充填剤の中から選ばれた少くとも一種の
    充填剤からなる充填剤成分70〜0重量部とからなる熱
    可塑性樹脂組成物であって、 該変性オレフィン系エラストマーは、未変性オレフィン
    系エラストマーを次の一般式(1): 【化1】 (式中、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基であ
    り、Arは少くとも一つのグリシジルオキシ基を有する
    炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、mは1〜4
    の整数を表す)で表されるグリシジル化合物で変性した
    変性オレフィン系エラストマー、および未変性オレフィ
    ン系エラストマーを、炭素−炭素二重結合と酸無水物基
    とを同一分子中に有する化合物で変性した変性オレフィ
    ン系エラストマーの中から選ばれたものである、 食器の製造に用いられる熱可塑性樹脂組成物。
JP11908393A 1993-04-22 1993-04-22 食器用熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH06306285A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11908393A JPH06306285A (ja) 1993-04-22 1993-04-22 食器用熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11908393A JPH06306285A (ja) 1993-04-22 1993-04-22 食器用熱可塑性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06306285A true JPH06306285A (ja) 1994-11-01

Family

ID=14752469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11908393A Pending JPH06306285A (ja) 1993-04-22 1993-04-22 食器用熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06306285A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002070224A1 (en) * 2001-02-12 2002-09-12 Pactiv Corporation Injection-molded, mineral-filled articles and processes for making the same
JP2013208728A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂組成物の製造方法および粉体原料用押出機
JP2019507804A (ja) * 2015-12-11 2019-03-22 ティコナ・エルエルシー 架橋可能なポリアリーレンスルフィド組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002070224A1 (en) * 2001-02-12 2002-09-12 Pactiv Corporation Injection-molded, mineral-filled articles and processes for making the same
JP2013208728A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂組成物の製造方法および粉体原料用押出機
JP2019507804A (ja) * 2015-12-11 2019-03-22 ティコナ・エルエルシー 架橋可能なポリアリーレンスルフィド組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5244970A (en) Modified polyolefin-containing thermoplastic resin composition
EP0472960B1 (en) Thermoplastic resin composition
JPH06306285A (ja) 食器用熱可塑性樹脂組成物
JPH0459871A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JPH01213360A (ja) 樹脂組成物
JPH06184432A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2720227B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2720228B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH069850A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JPH0688024A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JPH05320509A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH05320508A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4330978B2 (ja) ポリプロピレン樹脂組成物およびその成形体
JPH0885759A (ja) 接着性が改良されたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JPH04122750A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0436345A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0641368A (ja) マイカ充填ポリオレフィン組成物
JPH04164955A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0551526A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH04202447A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JPH04300954A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH04164951A (ja) 繊維強化ポリプロピレン組成物
JPH05287141A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH04164960A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH04266955A (ja) 熱可塑性樹脂組成物