JPH0630619B2 - モノクロ−ナル抗ヒト顆粒球コロニ−刺激因子抗体 - Google Patents

モノクロ−ナル抗ヒト顆粒球コロニ−刺激因子抗体

Info

Publication number
JPH0630619B2
JPH0630619B2 JP60272121A JP27212185A JPH0630619B2 JP H0630619 B2 JPH0630619 B2 JP H0630619B2 JP 60272121 A JP60272121 A JP 60272121A JP 27212185 A JP27212185 A JP 27212185A JP H0630619 B2 JPH0630619 B2 JP H0630619B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
human granulocyte
granulocyte colony
stimulating factor
colony stimulating
human
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60272121A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62130698A (ja
Inventor
仁 野村
郁夫 今関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugai Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP60272121A priority Critical patent/JPH0630619B2/ja
Priority to CA000524436A priority patent/CA1330768C/en
Priority to EP86116708A priority patent/EP0225583A3/en
Publication of JPS62130698A publication Critical patent/JPS62130698A/ja
Publication of JPH0630619B2 publication Critical patent/JPH0630619B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/24Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against cytokines, lymphokines or interferons
    • C07K16/243Colony Stimulating Factors

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規なモノクローナル抗ヒト顆粒球コロニー刺
激因子(以下、G−CSFと記す)抗体および該抗体を
用いてヒトG−CSFの精製方法ならびに定量方法に関
する。
従来の技術 ヒトG−CSFとは主としてヒト顆粒球細胞のコロニー
を形成させるために必要な特異的な刺激因子である。
CSFと総称される因子は、2層軟寒天培養法で、上層
に標的細胞として骨髄細胞を、下層に腎細胞や胎児細胞
を入れて培養すると、上層の細胞の一部が増殖分化し、
好中球系顆粒球(以下「顆粒球〔グラニュロサイト(gra
nulocyte)」と称す〕や単球マクロファージからなるコ
ロニーが形成されることから、生体内にその存在が確認
された〔プラズニクおよびサッチ(Pluznik and Sach),
ジャーナルオブ セリュラー アンド コンパラティブ
フィジオロジィ(J.Cell.Comp.Physiol.),66,319(196
5);ブラッドレイおよびメトカルフ(Bradley and Metca
lf,),オーストラリアン ジャーナル オブ エクスペ
リメンタル バイオロジカル アンド メディカル サ
イエンス(Aust.J.Exp.Biol.Med.Sci),44,287(1966)〕。
この因子は、正常に広く生体内分布する細胞、たとえ
ば、T細胞、単球マクロファージ、繊維芽細胞、内皮細
胞などより産生されることが知られている。CSFには
顆粒球・単球マクロファージの幹細胞に作用して、その
増殖を刺激し分化を誘導し、軟寒天中で顆粒球や単球マ
クロファージから成るコロニーを形成させる作用をもつ
顆粒球一単球マクロファージCSF(GM−CSFと略
記する)、主として単球マクロファージのコロニーを形
成させる作用をもつ単球マクロファージCSF(M−C
SFと略記する)、より未分化な多能性幹細胞に作用す
る多能性CSF(multi−CSFと略記する)、あるいは
主として顆粒球系コロニーを形成させる作用をもつ顆粒
球CSF(G−CSFと略記する)などのサブクラスが
存在し、それぞれのサブクラスによって標的細胞の分化
段階も異なることが考えられる様になってきた〔アサノ
(Asano),代謝−メタボリズム アンド ディジーズ(Me
tabolism and Disease),22,249(1985);ユニース(Yuni
s)等,グロース アンド マチュレーション ファクタ
ーズ(Growthand Maturation Factors),ガロフ(Guroff)
編ジョンウィリー アンド サンズ(john Wiley&Sons)
社,ニューヨーク,,209(1983)〕。
従って、個々のサブクラスを精製し、その化学的性状や
生物学的性状をより詳細に調べることは造血機構や種々
の血液学的疾患の病態の解析のために極めて重要なこと
である。中でも、G−CSFの生物学的作用として、骨
髄性白血病細胞の分化誘導と成熟顆粒球の機能亢進が注
目されており、特に白血病の治療と予防へのヒトG−C
SFの臨床的有用性が大いに期待されている。かかる現
状に於いて、高純度のヒトG−CSFを大量に得ること
は、非常に重要であり、ヒトG−CSFの巧妙な単離精
製法の開発への要請が高まってきた。
従来、試みられたヒトG−CSFの単離精製は、ヒトG
−CSF産生細胞を培養し、その培養上清から、ゲル濾
過による分子量別の分画、限外濾過による濃縮等をへて
ヒトG−CSFを単離精製する方法であったが、この方
法には以下に詳述する様な問題点があった。
発明が解決しようとする問題点 以上述べてきた様に、ヒトG−CSFは生物学上、ある
いは医学上非常に興味深い生体内因子であり、大量の高
純度ヒトG−CSFを得る為のヒトG−CSF単離精製
法の開発が渇望されていた。
従来、ヒトG−CSFの単離精製は、ヒトG−CSF産
生細胞を培養し、その培養上清に対して、ゲル濾過によ
る分子量別の分画、限外濾過による濃縮等の工程を組み
合せることによって行われてきた。しかしながら、上記
ゲル濾過は、均一な標的物質を得るためには複数回行う
必要があり、またそれぞれの操作毎に、各画分の活性の
定量を行わなければならず、その操作はかなり複雑であ
る。更に、標的物質がCSFの様な活性を持つ物質であ
る場合には、ゲル濾過、限外濾過等の精製操作中に失活
する恐れがあり、その操作条件は厳密を要する。
ところが、ヒトG−CSFは培養上清中に低濃度で放出
されるにすぎないため、大量の培養液から微量のヒトG
−CSFしか得ることができない。従って、ヒトG−C
SFを大量に得る為には、精製工程をかなりスケールア
ップしなければならないが、それには、上記した複雑で
厳密な注意を要する精製工程は適用が困難である。
従って、操作が簡単で、大量の培養液を用いるのに適し
たヒトG−CSF精製法、更にはこのヒトG−CSFの
簡単かつ精度のよい定量法を開発することは非常に重要
である。
そこで、本発明の目的のひとつは、高純度のヒトG−C
SFを容易かつ大量に得ることを可能とするリガンドを
提供することにある。
また、本発明の更なる目的は、該リガンドを用いたヒト
G−CSFの精製法および定量法を提供することにあ
る。
問題点を解決するための手段 本発明者等はヒトG−CSF含有液からヒトG−CSF
を高純度に精製すべく種々検討、研究した結果、ヒトG
−CSFにより免疫された実験動物の抗体産生細胞とミ
エローマ細胞とのハイブリドーマを得、該ハイブリドー
マをスクリーニングしクローニングして得られたクロー
ンを使用することが、上記本発明の目的を達成する上で
非常に有利であるとの知見を得、本発明を完成するに至
った。
本発明のモノクローナル抗ヒトG−CSF抗体は新規で
あり、また、該モノクローナル抗体を用いたアフィニテ
ィークロマトグラフィー法によるヒトG−CSF精製法
ならびにヒトG−CSFの免疫学的定量法も該モノクロ
ーナル抗体と同様に文献未載の新規な方法である。
本発明者等は、例えば口腔底癌由来のヒトG−CSFを
抗原として実験動物に免疫したのち、その脾臓細胞を取
り出し、ミエローマ細胞と融合させ、ハイブリドーマを
作製し、次いでこの中からモノクローナル抗ヒトG−C
SF抗体を高濃度かつ安定的に産生するクローンを得た
〔このクローンはNZ−11と命名し、財団法人醗酵研究
所(IFO)に寄託番号-50066として寄託した〕。そし
て当該クローンを培養しその培養上清から、モノクロー
ナル抗ヒトG−CSF抗体を得ることに成功した。当該
モノクローナル抗ヒトG−CSF抗体は上記口腔底癌由
来のヒトG−CSFに対して免疫化学的に反応するのは
もちろんのこと、ヒトG−CSFをコードする遺伝子c
DNAあるいは同じくヒトG−CSFをコードする染色
体由来の遺伝子例えば、これらの遺伝子はそれぞれ工業
技術院微生物工業研究所に寄託番号「FERM P−
8352」で寄託され、特願昭60−206066に開
示されているcDNA、「FERM P−8453」
で寄託され、特願昭60−209638に開示されてい
るcDNA、「FERM P−8454」で寄託さ
れ、特願昭60−217150に開示されている染色体
由来の遺伝子であるを大腸菌あるいは動物細胞に遺伝子
組換え技術によりトランスフォームして作製したトラン
スフォーマントの細胞抽出液あるいは培養上清中から得
たヒトG−CSFとも免疫化学的に反応する。
モノクローナル抗体の製造にあたっては、少なくとも下
記のような作業工程が必要である。即ち、(a)抗原とし
て使用する生体高分子を精製、(b)マウスへの抗原の注
射による免疫および血液を採取し、アッセイして脾臓摘
出の時期を決定することにより成る抗体産生細胞の調
製、(c)骨髄腫細胞(ミエローマ)の調製、(d)脾臓摘出
および脾細胞とミエローマの場合、(e)目的とする抗体
を産生するハイブリドーマ群の選別、(f)単一細胞クロ
ーンへの分割(クローニング)、(g)場合によってはモ
ノクローナル抗体を大量に製造するためのハイブリドー
マの培養またはハイブリドーマを移植したマウスの飼
育、(h)このようにして製造されたモノクローナル抗体
の生理活性、あるいは標識試薬としての特性の検定等が
挙げられる。
(a)〜(h)の工程はそれぞれ、モノクローナル抗体を産出
するハイブリドーマを作成する為の常法〔ハイブリドー
マ テクニックス(Hybridoma Techniques),コールド
スプリング ハーバーラボラトリー(Cold Spring Harbo
r Laboratory),1980年版〕に従った。
以下、本発明のモノクローナル抗ヒトG−CSF抗体の
作製法を上記工程に沿って以下に詳述するが、これに制
限されず、例えば脾細胞以外の抗体産生細胞、ミエロー
マ、他の哺乳動物の抗体産生細胞、ミエローマが使用で
きることはいうまでもない。
(a)抗原の精製 抗原としてはヒトG−CSFが有効であり、これにつき
本発明者らは著名な好中球の増多が認められた口腔底癌
患者の腫瘍から好中球コロニー形成を刺激する因子、ヒ
トG−CSF、を特異的に産生する細胞株CHU−2
〔コレクション ナショナール ドゥ クルチュール
ドゥ ミクロオーガニズム(Collection Nationale De C
ultures De Microorganismes(C.N.C.M.))寄
託番号I−483〕を確立し、該細胞株の培養上清から高
純度の製品として単離することに成功している。
以上の如くして得たヒトG−CSFは分子量19000
±1000(SDS−PAGE)であり、N末端から2
1残基目までのアミノ酸配列は、次の如くであった。
N−Thr−Pro−Leu−Gly−Pro−A
la−Ser−Ser−Leu−(10) Pro−Gln−Ser−Phe−Leu−Leu−L
ys−(Cys)−Leu−Glu−(20) X−Val− (b)抗体産生細胞の調製 ヒトG−CSFを特異的に産生する細胞株CHU−2
(C.N.C.M.寄託番号I−483)の培養上清より適
当な方法で分離、精製したヒトG−CSFとフロインド
完全または不完全アジュバントまたはカリミョウバンの
ような助剤とを混合し、免疫原として実験動物に免疫す
る。実験動物としては、BALB/cマウスを使用する
ことが好ましく、これは、多用されるマウス由来のミエ
ローマが全てBALB/cマウスを起源にしており、し
かもその性質が比較的詳しく研究されており、更に、抗
体産生細胞とミエローマが共にBALB/cマウス由来
であれば、得られるハイブリドーマがBALB/cマウ
ス腹腔内で増殖できるため、複雑な手順なしに腹水より
モノクローナル抗体が得られるという利点があるためで
ある。しかし、本発明がこれに制限されないことは上記
の通りである。
免疫の際の免疫原投与法は、皮下注射、腹腔内注射、静
脈内注射、皮内注射、筋肉内注射いずれでもよいが、皮
下注射または腹腔内注射が好ましい。
免疫は1回または適当な間隔で、好ましくは1週間乃至
5週間間隔で複数回繰返し行ってもよい。免疫した動物
の血清中の該抗原に対する抗体価を測定し、抗体価が充
分高くなった動物を抗体産生細胞のソースとして用いれ
ば、その後の操作の効果を上げることができる。融合に
は、最終免疫後3〜5日後の動物由来の抗体産生細胞を
用いることが好ましい。
ここで用いる抗体価の測定法としては、放射性同位元素
免疫定量法(RIA法)、固相酵素免疫定量法(ELI
SA法)、螢光抗体法、受身血球凝集反応法等種々の公
知技術が上げられるが、感度、迅速性、正確性および自
動化の可能性等の観点から、RIA法およびELISA
法が好ましい。
本発明による抗体価の測定は、例えばELISA法によ
れば、以下のような手順により行うことができる。即
ち、抗原を固相に吸着させ、さらに抗原が吸着していな
い固相表面を抗原と無関係なタンパク質、例えば、牛血
清アルブミン(BSA)により覆い、該表面を洗浄後、
第1抗体として、段階希釈した試料(例えばマウス血
清)に接触させ、上記抗原に試料中の抗ヒトG−CSF
抗体を結合させ、らに第2抗体として酵素標識されたマ
ウス抗体に対する抗体を加え、マウス抗体に結合させ、
洗浄後、該酵素の基質を加え、基質分解に基づく、発色
等を測定することにより、抗体価算出を行うことができ
る。
(c)骨髄腫細胞の調製工程 骨髄細胞としては、一般的にはマウスから得られた株化
細胞、たとえば、8−アザグアニン耐性マウス(BAL
B/c由来)骨髄腫細胞株P3−X63 Ag8−U1
(P3−U1)〔カレントトピックス イン マイクロ
バイオロジー アンド イムノロジー(Current Topics
in Microbiology and Immunology),81,1-7(1978)〕;P
3−NSI/1−Ag4.1(NS−1)〔ユーロピアン
ジャーナル オブ イムノロジー(European J.Immuno
logy),6,511-519(1976)〕;SP2/0−Ag14(SP
−2)〔ネーチャー(Nature),276,269−270
(1978)〕;P3−X63−Ag8.653(653)〔ジャ
ーナル オブ イムノロジー(J.Immunology),123,1548-
1550(1979)〕;P3−X63−Ag8(X63)〔ネー
チャー(Nature),256,495-497(1975)〕等を用いることが
好ましい。これらの細胞株は、適当な培地、例えば8−
アザグアニン培地〔RPMI−1640培地にグルタミン
(1.5mM)、2−メルカプトエタノール(5×10-5M)、
ジエンタマイシン(10μg/m)および牛胎児血清
(FCS;10%)を加えた正常培地に8−アザグアニン
を加えた培地〕、IMDM〔イスコブモディファイド
デュルベッコ 培地(Iscove Modified Dulbecco's Medi
um)〕またはデュルベッコ(Dulbecco's)MEMで、継代
培養するが、細胞融合の3〜4日前に正常培地で継代培
養し、融合当日3×107以上の細胞数を確保する。
(d)細胞融合 抗体産生細胞は形質細胞およびその前駆細胞であるリン
パ球であり、これは固体のいずれの部位から得てもよ
く、一般には脾、リンパ節、末梢血またはこれらの適宜
の組み合せから得ることができるが、脾臓細胞が最も一
般的に用いられる。
最終免疫後、所定の抗体価が得られたマウスより抗体産
生細胞が存在する部位、例えば脾臓を摘出し、抗体産生
細胞である脾細胞を調製する。この脾細胞と工程(c)で
得られた骨髄腫細胞を融合させる手段として、現在最も
一般的に行われているのは、細胞毒性が比較的少なく、
融合作用も簡単なポリエチレングリコールを用いる方法
である。
この方法は、以下の手順よりなる。
脾細胞と骨髄腫細胞を培地またはフォスフェート バッ
ファー セイライン(PBS)でよく洗浄し、脾細胞と
骨髄腫細胞との比が5〜10:1程度になるように混合
し、遠心分離にかける。上清を捨て、沈殿した細胞群を
よくほぐした後、攪拌しながらポリエチレングリコール
(PEG,分子量1000〜4000)と培地との混液を0.1〜1.
0m中の脾細胞数が103個となるように加え、数分後に
遠心分離した後、適量のHBSS溶液〔ハンクス バラ
ンスド ソルト ソリューション(Hank's Balanced Sal
t Solution)〕及び20%FCSを含む正常倍地、例えば
MEM培地、IMDM、RPMI−1640等を静かに加え
て細胞をほぐし、その後さらに遠心分離して上清を捨
て、HAT培地(正常培地にヒポキサンチン10-6〜10-3
M、アミノプテリン10-8〜10-7M、チミジン10-6〜10-4
Mを加えた培地)を加えて再び細胞をほぐし懸濁する。
(e)ハイブリドーマ群の選択 この懸濁液を培養用プレート上の穴に分注し、CO
ンキュベーター中、35〜40℃で10〜30時間培養する。以
後1〜3日間に亘り10〜30時間目ごとに、培養上清半溶
液を捨て、新たに同量のHAT培地等を加え、CO
ンキュベーター中、35〜40℃で10〜14日間培養する。
上記ミエローマ細胞株は、8−アザグアニン耐性株であ
り、該ミエローマ細胞およびミエローマ細胞同しのハイ
ブリドーマは、ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミ
ジン含有培地(HAT培地)中では生存できない。
しかしながら、抗体産生細胞どうしあるいは、抗体産生
細胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマは生存するこ
とができ、さらに抗体産生細胞どうしのハイブリドーマ
には寿命がある為、HAT培地での培養によってハイブ
リドーマの選択が可能となる。
コロニー状に生育してきたハイブリドーマの認められる
穴について、上清半容量を捨て、HT培地(HAT培地
からアミノプテリンを除いた培地)を同量加え、以後1
〜3日間10〜30時間目ごとにHT培地への変換を行う。
HT培地で3〜4日培養後、培養上清の一部をとり、例
えばELISA法(酵素免疫測定法)により、抗ヒトG
−CSF抗体価を測定する。
以上、8−アザグアニン耐性の細胞株を用いたが、その
他のものもハイブリドーマの選択に応じて使用すること
ができ、その場合当然使用する培地組成も変化する。
(f)クローニング 上記抗体価の測定により特異的抗体を産生することが判
明したハイブリドーマを、別のプレートに移し、クロー
ニングを行う。このクローニング法としては、限界希釈
により1穴に1個のハイブリドーマが含まれるように希
釈してまき込む方法;軟寒天培地上にまきこみコロニー
を取る軟寒天法;マイクロマニピュレーターによって1
個の細胞を取り出しまきこむ方法;セルソーターによっ
て1個の細胞を分離する「ソータクローン」等が挙げら
れるが、限界希釈法が簡単であり良く用いられる。
抗体価の認められた穴について、例えば限界希釈法によ
りクローニングを2〜4回繰り返し、安定して抗体価の
認められたものを、抗ヒトG−CSFモノクローナル抗
体産生ハイブリドーマ株として選択する。
(g)ハイブリドーマ培養によるモノクローナル抗体の調
製 クローニングを完了したハイブリドーマはHT培地より
通常の培地に変えて培養される。大量培養は、大型培養
瓶を用いた回転培養あるいはスピナー培養で行われる。
この大量培養における上清に、ゲル濾過等を行い、IgG
画分を集め精製することにより抗ヒトG−CSFモノク
ローナル抗体を得ることができる。
また同系統のマウス(例えば、上記のBALB/c)あ
るいはNu/Nuマウスの腹腔内でも増殖させることが
可能である。即ち、例えばプリスタン処理した8〜10週
令のBALB/c雌マウスに(d)で得られた抗ヒトG−
CSFモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞2〜
4×106Cells/匹を腹腔内注射すると10〜21日でハイブ
リドーマは腹水癌化する。このマウスから腹水を採取
し、遠心分離して固形分を除去後、モノクローナル抗体
としてヒトG−CSFの精製・定量用等に供することが
できる。
さらに精製が必要な場合には、上記遠心分離上澄液をD
EAE−セファロースカラム、プロテインA−セファロ
ースカラムなどに通塔し、IgG画分を集める操作を少
なくとも1回行うことにより実施できる。
(h)モノクローナル抗体の同定 かくして得られたモノクローナル抗体のクラシフィケー
ション即ちイソタイプ、サブクラスの決定は以下のよう
に行う。同定法としてはオクテルロニー(Ouchterlony)
法、ELISA法またはRIA法等がある。オクテルロ
ニー法は簡単ではあるが、単クローン抗体の濃度が低い
場合には濃縮しなければならない。
ELISA法またはRIA法を用いれば培養上清をその
まま、抗原吸着固相と反応させ、さらに第2次抗体とし
て各種IgGサブクラスに対する抗体を用いることが可
能である。
さらに、蛋白質の定量は、フォーリンロウリー法および
280nmでの吸光度〔1.4(OD280)=イムノグロブリン1μ
g/m〕より算出することができる。
以下の実施例で述べるように、このような方法により、
NZ−11と命名したハイブリドーマから得られるモノク
ローナル抗体がIgGクラスのイソタイプであり、Ig
のサブクラスに属するものであることが判明した。
かくして得られたモノクローナル抗体はヒトG−CSF
に対して高い特異性をもっており、更に上記ハイブリド
ーマの培養によって、均一かつ大量に得られるため、ヒ
トG−CSF精製・回収用のアフィニティクロマトグラ
フィー法におけるリガンドとして用いることが可能であ
る。
アフィニティクロマトグラフィー法は、混合物から担体
に特異的に結合する物質のみを単離精製する場合、極め
て効果的な方法であり、混合物のゲル濾過と比較して、
必要な精製過程を大巾に減少することができる。
このアフィニティクロマトグラフィーにおいて有用な固
定化モノクローナル抗体は各種酵素の固定化方法に準じ
て行うことができ、例えばCNBr活性化担体を使用す
る方法が一般的に利用でき、またこのような担体として
はクロマトグラフィーに一般的に使用されている各種材
料、例えばセルロース、アガロース、架橋デキストラ
ン、ポリアクリルアミド、多孔性ガラスあるいはこれら
の担体にスペーサを導入したもの、特にセファロース4
B、アフィゲル(Affigel)-10、バイオゲル(Biogel)など
が好ましい例として挙げられる。
この固定化モノクローナル抗体を用いて実際にヒトG−
CSFを精製するには、これらをカラムに充填した後、
これにヒトG−CSFを含む溶液を通塔する。この操作
で50〜70%のヒトG−CSFがカラムに吸着される。溶
媒、例えばグリシン−HCl緩衝液(pH2.5)、塩化ナト
リウム溶液、プロピオン酸、ジオキサン、エチレングリ
コール、カオトロピック塩、塩酸グアニジンまたは尿素
などで溶出することにより、吸着したヒトG−CSFが
高純度で溶出する。
本発明のモノクローナル抗体はまた免疫化学的測定法に
より、ヒトG−CSFを定量するためにも使用できる。
免疫学的定量法は、それぞれの抗原物質に対応する抗体
が、選択的に反応するという抗原抗体反応の特異性に基
づく反応を応用したものであり、検出感度も高く、抗原
物質、抗体価の定量を行うのに適している。
既に述べた様に、免疫学的定量法としては、例えばRI
A法、ELISA法、螢光抗体法、受身血球凝集反応法
等があり、種々の点においてELISA法が最も適して
いる。
ELISA法に基づいた本発明の抗ヒトG−CSFモノ
クローナル抗体を用いた、ヒトG−CSFの定量法は、
例えば、以下のようにして行われる。即ち、本発明によ
る特異的抗体を固相に吸着させ、抗原と無関係なタンパ
ク質により、該抗体により吸着されていない固相表面を
おおう。該表面を洗浄後、酵素標識抗原と試料とを加
え、反応させる。これに酵素基質を加え、試料添加によ
る吸光度の減少を測定することにより、抗原の定量を行
うことができる。
実施例 以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する
が、以下の実施例はなんら本発明の範囲を限定しない。
以下の実施例において利用したCSF活性(以下CSA
と略す)の測定法は次のとおりである。
「CSAの測定方法」 (a)ヒト骨髄細胞を用いる場合: ブラドレイ ティー.アール.,メトカルフ ディー.
(Bradley T.R.,Metcalf D.)等の方法〔オーストラリ
アン ジャーナル オブ エクスペリメンタル バイオ
ロジカル アンド メディカル サイエンス(Aust.J.ex
p.Biol.med.Sci.)44,287〜300(1966)〕に準じて単層軟
寒天培養法により行った。すなわちFCS0.2m、被
検体0.1m、ヒト骨髄非付着性細胞浮遊液0.1m(1
〜2×105有核細胞)、改変マッコイ(McCoy's)5A培養
液0.2m、寒天を0.75%含む改変マッコイ5A培養液
0.4mを混合して直径35mmの組織培養プラスティック
ディッシュに入れて固まらせた後、37℃、5%炭酸ガス
/95%空気、100%湿度の条件で培養を行い、10日後に
形成されたコロニー数(50個以上の細胞からなる集落を
1コロニーとする)を数え、1個のコロニーを形成する
活性を1単位(Unit)としてCSAを求めた。
(b)マウス骨髄細胞を用いる場合: ウマ血清0.4m、被検体0.1m、C3H/He(メ
ス)マウスの骨髄細胞浮遊液0.1m(0.5〜1×105有核
細胞)、寒天を0.75%含む改変マッコイ5A培養液0.4
mを混合し、直径35mmの組織培養用プラスチックディ
ッシュに入れて固まらせた後、37℃、5%炭酸ガス/95
%空気、100%湿度の条件にて5日間培養し、形成され
たコロニー数(50個以上の細胞からなる集落を1コロニ
ーとする)を数え、1個のコロニーを形成する活性を1
単位(Unit)としてCSAを求めた。
尚、上記(a)、(b)の方法において用いた「改変マッコイ
5A培養液および(a)で用いたヒト骨髄非付着性細胞浮
遊液は次の如くして作製した。
(i)「改変マッコイ5A培養液(2倍濃度)」 マッコイ5A培養液〔ギブコ(GIBCO)社製〕12g、ME
Mアミノ酸ビタミン培地(日水製薬社製)2.55g、重炭
酸ナトリウム2.18g,ペニシリンGカリウム5000単位を
2回蒸溜水500mに溶解後、0.22μmのミリポアフィ
ルターにて濾過滅菌を行った。
(ii)「ヒト骨髄非付着性細胞浮遊液」 健常人胸骨せん刺により得た骨髄液をRPMI−1640培
養液にて5倍に希釈し、フィコール−パック(Ficol-Pa
que:ファルマシア社製)に重層し、400×g、30分、25
℃にて遠心を行い、界面の細胞層(比重<1.077)を回収
する。この細胞を洗滌後、20%FCSを含むRPMI−
1640培養液にて5×10-6Cells/mの濃度に調製し、2
5cm2の組織培養用プラスチックフラスコに入れ、炭酸ガ
ス培養器にて30分インキュベートした後、上清の非付着
性細胞を回収し、再度25cm2の組織培養用プラスチック
フラスコに入れ、2時間30分インキュベートした後、上
清の非付着性細胞を集めて用いた。
実施例1 (a)抗原タンパク質(ヒトG−CSF)の調製 ヒトG−CSFを特異的に産生する細胞株CHU−2
を、10%FCS含有F−10培養液を入れた150cm2の培養
フラスコ2本を用いて培養した。細胞が完全に密に増殖
した時点で細胞を回収し、これを10%FCS含有RPM
I−1640培養液500mに浮遊させたのち、1580cm2のガ
ラス製ローラーボトル〔ベルコ(Belco)社製〕に移し、
0.5r.p.m.の速度で回転培養を行った。細胞がローラー
ボトルの内壁に完全に密に増殖した時点で培養液を血清
を含まないRPMI−1640に交換し、4日間培養したの
ち培養上清を回収し、10%FCS含有RPMI−1640を
加えて培養を続行する。3日間培養した後、再び血清を
含まないRPMI−1640への液替えを行い、4日後に培
養上清を回収した。以下同様の操作を繰り返すことによ
り、毎週1ボトルより500mずつの血清を含まない培
養上清が得られ、しかもこの方法によりかなり長期間に
わたって細胞を維持し、培養上清を回収することが可能
であった。
得られた培養上清5を1バッチとし、これに0.01%ツ
ィーン20を添加後、ホロー ファイバー(Hollow Fiber)
DC−4およびアミコン(Amicon)PM−10(アミコン社
製)を用いた限外濾過法により約1000倍に濃縮したの
ち、これを以下の順序で精製した。
(i)直径4.6cm、長さ90cmのウルトロゲル(Ultrogel)Ac
A54カラム(LKB社製)を用い、0.15M NaClお
よび0.01%ツィーン20(半井化学社製)を含む0.01Mト
リス塩酸緩衝液(pH7.4)を用いて前記濃縮した培養上清
5mを流速約50m/時でゲル濾過した。尚、カラム
はあらかじめBSA(分子量67,000)、オボアルブミン
(分子量45,000)、チトクロームC(分子量12,400)にて
キャリブレーションにしたものである。ゲル濾過終了
後、各画分より0.1mずつを採取し、10倍に希釈した
後、前述した「CSAの測定方法(b)」により活性を示
す画分を調べた。この結果、先ずVe=400〜700mの
画分がマクロファージ優位のCSAを示し、Ve=800
〜1200mの画分が顆粒球優位のCSAを示すことがわ
かったので、後者の画分を集めPM−10(アミコン社
製)を用いる限外濾過法によって約5mに濃縮した。
(ii)上記濃縮画分にn−プロパノール(東京化成社製、
アミノ酸配列決定用)を30%含む0.1%トリフルオロ酢
酸水溶液を添加し、氷中に15分程度放置したのち、15,0
00r.p.m.にて10分間遠心分離することにより沈澱を除去
した。次いで、先のn−プロパノールおよびトリフルオ
ロ酢酸を含む水溶液で平衡化したマイクロ ボンダパッ
ク(μBondapak)C18カラムウォーターズ(Waters)社
製、セミ分取用、8mm×30cm〕に吸着後、30〜60%の直
線濃縮勾配のn−プロパノールを含む0.1%トリフルオ
ロ酢酸水溶液で順次溶出した。高速流体クロマト装置は
日立685−50型を、検出は日立638−41型検出器(いずれ
も日立製作所製)を用い、220nmと280nmの吸収を同時に
測定した。溶出後、各画分より10μを分取し、100倍
希釈したのち、前述の「CSAの測定方法(b)」により
活性を示す画分を調べた。この結果、n−プロパノール
40%にて溶出されるピークに活性が認められたので、こ
のピークを集め再度同じ条件でクロマトグラフィーにか
け、溶出を行い上記と同様にしてCSAを調べたとこ
ろ、やはりn−プロパノール40%の位置のピークに活性
が認められたので、このピークに対応する画分を集め
(4画分=4m)、凍結乾燥した。
(iii)上記凍結乾燥粉末を、n−プロパノールを40%含
む0.1%トリフルオロ酢酸水溶液200μに溶解し、TS
K−G3000SWカラム(東洋曹達社製、7.5mm×60cm)
を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にか
けた。溶出は同水溶液により0.4m/分の流速で行
い、フラクションコレクターFRAC−100(ファルマ
シア社製)により0.4mずつ分取した。分取した各画
分についてCSAを前記と同様にして調べた結果、保持
時間が37〜38分の画分(分子量約2万に相当)に活性が
認められたので、この画分を回収し、更に分析用マイク
ロ ボンダパックC18カラム(4.6mm×30cm)による精製
操作を施したのち、メインピークを回収し凍結乾燥し
た。得られた標品について前述の「CSAの測定方法
(a)」によって検定したところヒトG−CSF活性を有
することを認めた。
以上の如くして得たヒトG−CSFは分子量19000±100
0(SDS−PAGE)であり、N末端から21残基目ま
でのアミノ線配列は、次の如くであった。
N−Thr−Pro−Leu−Gly−Pro−A
la−Ser−Ser−Leu−(10) Pro−Gln−Ser−Phe−Leu−Leu−L
ys−(Cys)−Leu−Glu(20) −X−Val− (b)免疫マウス脾細胞の調製 8週令のBALB/c雌マウス3匹にアジュバントとし
て水酸化アルミニウムゲル2mg/匹と、抗原として上記
(a)で得たヒトG−CSF20μg/匹を腹腔内投与し免
疫した。
以後、2週間おきにヒトG−CSFを20μg/匹腹腔内
に投与し、2回目以降の免疫をかけた。3回目の免疫以
降、免疫の5〜7日後に眼底静脈叢より採血し、血清中
の抗ヒトG−CSF抗体価を前述の固相法による酵素免
疫測定法(ELISA法)で調べた。
(固相酵素免疫法) 96穴のEIA用プレート〔イムノプレート(Immunoplat
e)II ,ヌンク(Nunc)社製〕に、特異的抗原〔ヒトG−
CSFが1μg/mlとなるように、0.1Mグリシン−NaO
H緩衝液、pH9.0で希釈した溶液〕を40μ/穴づつ分注
し、室温で2時間放置して抗原をプレート穴底面にコー
トさせ、その後10%FCS/リン酸緩衝溶液(PBS)
混合溶液200μ/穴当て分注し、室温で30分放置し
て、プレート底面上の蛋白質結合性残基をBSAでコー
トする。上記プレートをPBSでよく洗滌後、第1抗体
として、段階希釈した試料(マウス血清、ハイブリドー
マ培養上清、モノクローナル抗体等)を40μ/穴分注
し、室温で2時間放置する。PBSで3回洗滌後、第2
抗体として、ヤギ抗マウスIgG−パーオキシダーゼ結
合物の100倍希釈液を40μ/穴分注し、室温で2時間
放置する。PBSで洗滌後、パーオキシダーゼ基質液
(1%過酸化水素水、0.1M酢酸−0.05Mリン酸緩衝
液、2mM2,2′−アジノ−ジ−(3−エチル−ベン
ゾチアゾリン サルフェート)200μ/穴を分注し、
室温で10〜30分間放置後、414nmで比色定量し、抗体価
を算出する。
3回免疫以降3匹全例で抗体価が認められたが、IgG
クラスのモノクローナル抗体を効率よく得るために、さ
らに免疫を行った。
最後にヒトG−CSF20μg/匹を腹腔内投与して追加
免疫し、3日後、このマウスから脾細胞を調製して細胞
融合に用いた。
(c)マウス骨髄腫細胞の調製 8−アザグアニン耐性マウス骨髄腫細胞P3−U1を正
常培地〔RPMI−1640にグルタミン1.5mM、2−メ
ルカプトエタノール5×10-5M、ジェンタマイシン10μ
g/mおよびFC0.1μ/mを加えた培地〕に培
養し、4日後に2×107以上の細胞を得た。
(d)ハイブリドーマの作製 MEM(日水製薬社製)でよく洗浄した免疫マウス脾細
胞1.2×108個とマウス骨髄脾細胞P3−U11.2×107
を混合し、1000rpmで5分間遠心分離にかけた。
沈殿として得られた脾細胞およびP3−U1を混合した
細胞群をよくほぐした後、攪拌しながら37℃、ポリエチ
レングリコール−1500(PEC−1500)2g,MEM2
mを加え、1分後に600r.p.m.で5分間遠心分離した
後、5mのHBSS溶液及び5mの20%FBS/M
EM溶液を静かに加えて細胞をほぐし、1分後さらに1,
000r.p.m.で5分間遠心分離して上清を捨て、5mの
HAT培地(正常培地にヒポキサンチン10-4M、アミノ
プテリン4×10-7M、チミジン1.5×10-5Mを加えた培
地)を加えて再び細胞をほぐし懸濁させた。
(e)ハイブリドーマ群の選別 懸濁液を24穴培地用プレート「フロウ ラボラトリー(F
low Laboratory)社(米)製〕に1m/穴づつ分注
し、5%CO、95%空気中のCOインキュベーター
中、37℃で24時間培養した。培養プレートに1m/穴
のHAT培地〔上記正常培地にヒポキサンチン10-4M、
チミジン1.5×10-5Mおよびアミノプテリン4×10-7
を加えた培地〕を加え、さらに24時間培養した。培養上
清1mを捨て、あらたにHAT培地1mを加え、37
℃でさらに24時間培養した。培養上清1mを捨て、H
AT培地1mを加え、37℃でさらに10〜14日間培養し
た。
コロニー状に生育してきた融合細胞のみられる穴につい
て、上清1mを捨て、HT培地〔上記HAT培地より
アミノプテリンを除いた培地〕を1m加えて37℃で培
養した。以後2日間同様にHT培地への交換を行い、培
養を続け4日後、培養上清の一部を採取し、抗ヒトG−
CSF抗体価を上記の固相酵素免疫測定法により測定し
た。
(f)クローニング 抗体価の認められた穴については、限界希釈法によりク
ローニングを2回繰返し、安定して抗体価の認められた
クローンを抗ヒトG−CSFモノクローナル抗体産生ハ
イブリドーマ株として選択した。
(g)モノクローナル抗体の部分精製 プリスタン処理〔2,6,10,14−テトラメチルペンタ
デカン0.2m/匹を腹腔内投与し、1週間飼育〕した
8週令のBALB/c雌マウスに上記で得られたハイブ
リドーマ株5×106Cells/匹を腹腔内注射した。10−21
日後にハイブリドーマ株は腹水癌化する。10〜21日後に
腹水のたまったマウスから腹水(1〜10m)を採取
し、遠心分離し、固形分を除去、上清をモノクローナル
抗体とした。
(h)モノクローナル抗体の検定 (i)モノクローナル抗体の抗原特異性 ニトロセルロース膜を用いたウエスタンブロックティン
グ法により、モノクローナル抗体がヒトG−CSF(上
記抗原、および前述の「FERM P−8352」、「FE
RM P−8453」、「FERM P−8454」の遺伝子を
トランスフォームしたトランスフォーマントが産生した
ヒトG−CSF)に特異的なものであることを確認し
た。
(ii)モノクローナル抗体の分類 上述の固相酵素免疫測定法(上記工程(b)参照)によ
り、この抗体はIgGサブクラスの抗体であると同定
された。
実施例2アフィニフィ クロマトグラフィー法によるヒ
トG−CSFの精製 実施例1で得られた抗ヒトG−CSF1.5mgを溶解した
PBSをCNBr活性化セファロース4B〔ファルマシ
ャ ファイン ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals)
社製〕1mと反応させ、固定化モノクローナル抗体を
得た。この固定化モノクローナル抗体をカラムに充填
し、そのカラムに101μgのヒトG−CSFを含んだC
HU−2細胞株の培養上清20mを通塔したところ、63
μg(約62%)にヒトG−CSFがカラムに吸着した。
次に、PBSで洗浄した後pH2.5のグリシン−HCl緩
衝液で溶出したところ60μg(吸着量の95%)のヒトG
−CSFが溶出した。この1回の通塔によりヒトG−C
SFが約675倍精製された。
実施例3固相酵素免疫測定法 96穴のEIA〔エンザイム イムノ アッセイ(Enzyme
Immuno Assay)用プレート〔イムノプレート(Immunoplat
eII ),ヌンク(Nunc)社製〕に特異抗原〔ヒトG−C
SFを0.1M−グリシン−NaOH緩衝液(pH9.0)に1μ
g/mの濃度で溶解したもの〕を40μ/穴ずつ分注
し、室温で2時間放置して抗原をプレート穴底面にコー
トさせ、その後10%、FCS/PBS〔0.05%ツィーン
(Tween20)および0.01%メルチオレート(Merthiolate)を
含む〕溶液200μ/穴を分注し室温で30分間放置して
プレート底面上の蛋白質結合性残基を血清蛋白でコート
する。このプレートをPBS−TM(PBSに0.05%ツ
イーン20,0.01%メルチオレートを加えたもの)でよく
洗浄した後、第一次抗体としてこのモノクローナル抗体
を40μ/穴当て分注し、室温で2時間放置する。その
後、PBS−TMでよく洗浄後、第二次抗体としてヤギ
の抗マウスIgG−Fc−パーオキシダーゼ結合物〔カ
ペル(Cappel)社製〕の100倍希釈液を40μ/穴分注
し、室温で2時間放置する。
PBS−TMで十分に洗浄した後パーオキシダーゼ基質
液〔1%過酸化水素水、0.1M酢酸−0.05Mリン酸ナト
リウム緩衝液、2mMABTS(2,2′−アジノ−ジ
−(3−エチル−ベンゾチアゾリン−サルフェー
ト))〕200μ/穴当て分注し、室温で10〜30分放置
後414nmで比色定量し、抗体価を算出する。
この方法によりコートするヒトG−CSFの量を変えて
検出できる最小のヒトG−CSF量を求めたところ、添
付第1図に示すとおり、A414=0.100付近までとす
ると、約30ngまでであることがわかった。また、上記方
法の変法として第二次抗体にウサギ抗マウスIgGを用
い、さらに第三次抗体としてヤギ抗ウサギIgG−パー
オキシダーゼ結合物を用いることにより10倍感度が上が
り、約5ngまで検出できることも確認した。
さらに、ヒトG−CSF以外にも爽雑物を含む液状物中
のヒトG−CSFの定量は、第1次抗体とこのサンプル
とを混合して反応させ、洗浄後同様の手法で第2次抗体
及び基質液を加えて、吸光度の減少を測定することによ
り、実施することができた。
発明の効果 かくして、得られた抗ヒトG−CSFモノクローナル抗
体により、該抗体をリガンドとして用いた新規アフィニ
ティクロマトグラフィー法、および免疫化学的定量法を
行うことが可能となり、ヒトG−CSF単離精製の精度
を向上させるとともに、その簡略化を行うことができ
た。その結果、大量のヒトG−CSF含有培養上清を扱
い、大量かつ純度の高いヒトG−CSFを得ることがで
きるようになった。
また、本発明によるモノクローナル抗ヒトG−CSF抗
体は、ヒトG−CSFをコードする遺伝子cDNAある
いは染色体由来の遺伝子を大腸菌あるいは動物細胞にト
ランスフォームして得られるトランスフォーマントが産
生するヒトG−CSFとも反応するため、該ヒトG−C
SFの単離精製にも効果よく適用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のモノクローナル抗ヒトG−CSF抗体
を用いた拮抗阻害法によるヒトG−CSF定量の検量線
を示すグラフであり、ヒトG−CSFの添加量に伴う吸
光度変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/06 G01N 33/53 P 8310−2J (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト顆粒球コロニー刺激因子で免疫した脾
    臓脂胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマによって生
    産され、かつ、ヒト顆粒球コロニー刺激因子に反応する
    ことを特徴とするモノクローナル抗ヒト顆粒球コロニー
    刺激因子抗体。
  2. 【請求項2】該モノクローナル抗ヒト顆粒球コロニー刺
    激因子抗体がIgGイソタイプに属することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】該モノクローナル抗ヒト顆粒球コロニー刺
    激因子抗体がIgGサブクラスに属することを特徴と
    する特許請求の範囲第2項記載のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】上記脾臓細胞がマウス脾臓細胞であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載のモノクローナ
    ル抗体。
  5. 【請求項5】固体担体上にヒト顆粒球コロニー刺激因子
    で免疫した脾臓細胞とミエローマ細胞とのハイブリドー
    マによって生産され、かつ、ヒト顆粒球コロニー刺激因
    子に反応するモノクローナル抗ヒト顆粒球コロニー刺激
    因子抗体を結合してなる吸着剤にヒト顆粒球コロニー刺
    激因子含有液を接触させてヒト顆粒球コロニー刺激因子
    を吸着させ、次いで溶出し、吸着分としてヒト顆粒球コ
    ロニー刺激因子を取得することを特徴とするヒト顆粒球
    コロニー刺激因子の精製方法。
  6. 【請求項6】上記固体担体がセルロース、アガロース、
    架橋デキストラン、ポリアクリルアミド、多孔性ガラス
    あるいはこれらの担体にスペーサを導入したものである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第5項記載のヒト顆粒
    球コロニー刺激因子の精製方法。
  7. 【請求項7】上記溶出をグリシン−HC1緩衝液、塩化
    ナトリウム溶液、プロピオン酸、ジオキサン、エチレン
    グライコール、カオトロピック塩、塩酸グアニジンまた
    は尿素で行うことを特徴とする特許請求の範囲第5項ま
    たは第6項記載のヒト顆粒球コロニー刺激因子の精製方
    法。
  8. 【請求項8】上記脾臓細胞がマウス脾臓細胞であること
    を特徴とする特許請求の範囲第5項記載のヒト顆粒球コ
    ロニー刺激因子の精製方法。
  9. 【請求項9】ヒト顆粒球コロニー刺激因子で免疫した脾
    臓細胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマによって生
    産され、かつ、ヒト顆粒球コロニー刺激因子に反応する
    モノクローナル抗ヒト顆粒球コロニー刺激因子抗体を用
    いることを特徴とするヒト顆粒球コロニー刺激因子の免
    疫化学的定量方法。
  10. 【請求項10】上記免疫化学的定量方法が放射性同位元
    素免疫アッセイ法、ELISA法、蛍光抗体法または受
    身血球凝集反応法であることを特徴とする特許請求の範
    囲第9項記載のヒト顆粒球コロニー刺激因子の免疫化学
    的定量方法。
  11. 【請求項11】上記脾臓細胞がマウス脾臓細胞であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第9項または第10項記
    載のヒト顆粒球コロニー刺激因子の免疫化学的定量方
    法。
JP60272121A 1985-12-03 1985-12-03 モノクロ−ナル抗ヒト顆粒球コロニ−刺激因子抗体 Expired - Lifetime JPH0630619B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60272121A JPH0630619B2 (ja) 1985-12-03 1985-12-03 モノクロ−ナル抗ヒト顆粒球コロニ−刺激因子抗体
CA000524436A CA1330768C (en) 1985-12-03 1986-12-03 Monoclonal anti-human granulocyte colony stimulating factor antibody
EP86116708A EP0225583A3 (en) 1985-12-03 1986-12-03 Monoclonal anti-human granulocyte colony stimulating factor antibody

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60272121A JPH0630619B2 (ja) 1985-12-03 1985-12-03 モノクロ−ナル抗ヒト顆粒球コロニ−刺激因子抗体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62130698A JPS62130698A (ja) 1987-06-12
JPH0630619B2 true JPH0630619B2 (ja) 1994-04-27

Family

ID=17509380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60272121A Expired - Lifetime JPH0630619B2 (ja) 1985-12-03 1985-12-03 モノクロ−ナル抗ヒト顆粒球コロニ−刺激因子抗体

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0225583A3 (ja)
JP (1) JPH0630619B2 (ja)
CA (1) CA1330768C (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ218336A (en) * 1985-12-09 1991-08-27 Kirin Amgen Inc Monoclonal antibodies to human pluripotent granulocyte colony stimulating factor (hpg-csf)
JP2618618B2 (ja) * 1988-03-04 1997-06-11 協和醗酵工業株式会社 抗g−csf誘導体、nd28モノクローナル抗体
US5194592A (en) * 1986-12-23 1993-03-16 Kyowa Hakko Kogyo Co. Ltd. Monoclonal antibodies to novel polypeptide derivatives of human granulocyte colony stimulating factor
JP2713349B2 (ja) * 1989-04-11 1998-02-16 キリン―アムジエン・インコーポレーテツド ヒトg―csfの測定方法
JP3441763B2 (ja) * 1993-06-30 2003-09-02 キリン−アムジエン・インコーポレーテツド モノクローナル抗体及び該モノクローナル抗体を用いたヒトg−csfの測定法
US20110182848A1 (en) * 2007-08-03 2011-07-28 Asterion Limited Granulocyte colony stimulating factor
CA3052877A1 (en) * 2017-02-07 2018-08-16 Me Therapeutics Inc. Anti-g-csf antibodies and uses thereof
CN108998426A (zh) * 2018-06-15 2018-12-14 翁炳焕 一种粒系白血病融合基因检测质控参考株的制备

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4504586A (en) * 1983-02-03 1985-03-12 Amgen Hybridoma tumor cell lines and their monoclonal antibodies to human colony stimulating factor subclass number 1

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4504586A (en) * 1983-02-03 1985-03-12 Amgen Hybridoma tumor cell lines and their monoclonal antibodies to human colony stimulating factor subclass number 1

Also Published As

Publication number Publication date
EP0225583A3 (en) 1988-07-13
EP0225583A2 (en) 1987-06-16
JPS62130698A (ja) 1987-06-12
CA1330768C (en) 1994-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU601958B2 (en) Hybridoma's to human pluripotent granulocyte colony stimulating factor
JPH0588116B2 (ja)
JPH0630619B2 (ja) モノクロ−ナル抗ヒト顆粒球コロニ−刺激因子抗体
US4473493A (en) Hybridoma antibody which inhibits interleukin 2 activity
CA1337050C (en) Monoclonal antibody selectively binding to novel g-csf derivative
JPS60228421A (ja) モノクロ−ナル抗ヒトIgG抗体およびその製造法
JPH04504199A (ja) 単クローン性抗体およびその用途
CA1341508C (en) Transforming growth factor peptides
JPS63123395A (ja) 抗pciモノクローナル抗体、これを用いた抗pciの精製法及び免疫学的測定法
KR100245542B1 (ko) 응고 인자 xiii 또는 xiiia의 정제방법 및 인자 xiiia에 대한 모노클로날 항체
JP4117054B2 (ja) 抗体及びその製法、この抗体を産生する融合細胞及びその製法、並びにこの抗体に認識される抗原蛋白質
JP3122963B2 (ja) モノクローナル抗体
KR900007950B1 (ko) 모노클로날 항체의 제조방법
JPS59144796A (ja) 単一クロ−ン抗体
USRE33252E (en) Hybridoma antibody which inhibits Interleukin 2 activity
JPS61221128A (ja) プラスミノ−ゲン活性化因子に対するモノクロ−ナル抗体とその調製方法及び該モノクロ−ナル抗体の使用方法
JP3180125B2 (ja) ヒト成熟骨髄腫細胞に対するモノクローナル抗体
JPH06125784A (ja) モノクローナル抗体,ハイブリドーマ,その製造法および用途
JP2767119B2 (ja) ヒトbリンパ芽球様細胞株、抗体産生ハイブリドーマ、抗体および抗体の製造法
JPS62210985A (ja) 牛のc−反応性蛋白に対するモノクロ−ナル抗体産生ハイブリド−マとその抗体を用いた牛c−反応性蛋白の分離精製法
CN115948346A (zh) 一株能稳定分泌抗芋螺毒素μ-KIIIA-CTX单克隆抗体的杂交瘤细胞株
SU1527257A1 (ru) Штамм гибридных культивируемых клеток животных -MUS мUSсULUS -продуцент моноклональных антител к возбудителю амиотрофического лейкоспонгиоза
JPS60109528A (ja) 抗ス−パ−オキシドジスムタ−ゼモノクロ−ナル抗体およびそれを産生するハイブリド−マ
CN116375863A (zh) 一种bnp兔单克隆抗体的制备方法
JP3381032B2 (ja) モノクローナル抗体

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term