JPH06305423A - リニア同期モータ駆動式電気転てつ機 - Google Patents

リニア同期モータ駆動式電気転てつ機

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JPH06305423A
JPH06305423A JP5098230A JP9823093A JPH06305423A JP H06305423 A JPH06305423 A JP H06305423A JP 5098230 A JP5098230 A JP 5098230A JP 9823093 A JP9823093 A JP 9823093A JP H06305423 A JPH06305423 A JP H06305423A
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JP
Japan
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synchronous motor
linear synchronous
rail
tongue rail
exciting current
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Application number
JP5098230A
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English (en)
Inventor
Takayuki Kurosu
賞幸 黒須
Tatsumi Takahashi
立身 高橋
Kenji Endo
研二 遠藤
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Fuji Electric Co Ltd
East Japan Railway Co
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
East Japan Railway Co
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Publication date
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】リニア同期モータ駆動式電気転てつ機の制御を
簡単にして悪い環境にも強く信頼性の高いリニア同期モ
ータ駆動式電気転てつ機を提供することにある。 【構成】トングレール2を駆動するリニア同期モータ3
0Aの励磁電流Iを時間t又は位置lに対してあらかじ
め定めてある関数に基づいて変化させるオープン制御方
式を採用し、同期モータ30Aの動作に関する電源30
0へのフィードバックは従来の分岐装置に設けられるト
ングレール2が基本レール1に接触したことを検出する
位置検出器34の出力信号だけとすることによって、従
来のリニア同期モータの可動部の位置や速度をフィード
バックする必要がなくなってこれらを検出する電子装置
が不要にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般の鉄道の分岐装
置に使用される転てつ機、特に電気的に駆動することに
よって離れた位置にある制御室からその駆動を制御する
ことのできる電気転てつ機、特にリニア同期モータで駆
動する方式のリニア同期モータ駆動式電気転てつ機に関
する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の電動機駆動式の電気転てつ
機を使用した分岐装置の平面図であり、基本レール1
1,12からなるトングレール1に対して可動のトング
レール21,22からなるトングレール1が配置されて
いて、このトングレール1は電気転てつ機3によってシ
ャフト33を介して駆動される連結棒4によって図の上
下方向に移動可能になっている。この図では上のトング
レール21が基本レール11に接し、下のトングレール
22は基本レール12から離れているので、図の左側か
ら基本レール1の上を進入してきた車両は、図の上側の
車輪が基本レール11からトングレール21に移り図の
下の車輪は基本レール12の上をそのまま通過すること
になるので、結果的に車両は図の下側に分岐することに
なる。一方、電気転てつ機3によってトングレール2が
下方に移動して、トングレール22が基本レール12に
接触しトングレール21が基本レール11から離れた状
態になると、図の左側から進入して来た車両は基本レー
ル11とトングレール21とに乗って図の上に向かって
分岐する。
【0003】電気転てつ機3は電動機31、その回転速
度を減速して最終的にシャフト33を図の上下方向に適
当な速度と力で移動させるようにする3段の減速歯車と
カム機構が収納されている減速機32(電気工学ハンド
ブック 昭和63年版 P.1586,電気学会)及び
前述のシャフト33からなっていて、このシャフト33
はトングレール2に連結された連結棒4を図の上下方向
に駆動して前述のような分岐方向の切替えが行われる。
【0004】図10は図9の分岐装置の模式図であり、
図9と機能的に同じものを表すものには同じ符号を付け
てある。トングレール21,22の位置を検出するため
の位置検出器34とトングレール21,22と基本レー
ル11,12との互いの一方が接したときにこれらが離
れないように鎖錠する鎖錠装置41が設けられている。
図9はこれらの図示を省略してある。電気転てつ機3に
よって分岐装置が切り換えられて基本レール11,12
の一方にトングレール21,22の一方が接触したこと
を位置検出器34で検出して鎖錠装置41を動作させ、
これによって電気転てつ機3による駆動力がなくてもト
ングレール21,22が固定されるので電気転てつ機3
の電源を切ることができる。
【0005】図11はリニア同期モータ駆動式の電気転
てつ機を使用した分岐装置の平面図であり、図9と異な
るのは電気転てつ機が回転機としての電動機ではなくリ
ニア同期モータを駆動機として使用したリニア同期モー
タ駆動式電気転てつ機であることである(特願平4−2
38709号公報)。周知のようにリニアモータは大き
く分けて誘導式と同期式とがあり、直接直線運動力を生
成する点が回転形のモータと最も異なる点である。電気
転てつ機の駆動軸63の移動速度は比較的遅いために、
リニア誘導モータでは効率が悪く、所要の駆動駆動力を
得るためには寸法と重量が非常に大きくなって実用では
なく図11のようなリニア同期モータが適している。
【0006】図12は図11のA−A断面図、図13は
図12のB−B断面図であり、いずれもリニア同期モー
タの断面構造を表している。図12はまた図13のC−
C断面図でもある。これらの図において、リニア同期モ
ータ30は固定部5と可動部6とからなっていて、固定
部5は継鉄を兼ねるケース51、このケース51の上下
内壁面に図の左右方向に並べて取付けられた複数個の突
極形の鉄心52及びこの鉄心52のそれぞれに設けられ
た巻線53とからなっている。可動部6は継鉄61とそ
の両側に取付けられた複数の永久磁石62及び可動部6
の図の左右方向の移動を外部に伝達するシャフト63か
らなっている。
【0007】鉄心52と巻線53とは3個が1組になっ
て1つの極を形成する。可動部6の永久磁石62は界磁
極になっていて、2個が1組になって1つの極を形成し
ていて互いに反対方向の磁束を発生する。したがって、
図13の鉄心52の3つの左右方向の寸法と永久磁石6
2の2つの寸法とが一致していて極間距離になってい
る。周知のように、リニア同期モータは同期電動機と同
じ原理のものであるから、巻線53に3相交流電流を流
すと図13の左右の方向に移動する移動磁界が発生し、
この磁界と界磁極である永久磁石62との間に磁気力が
働き、同期すれば可動部6は移動磁界と同じ速度で移動
する。移動磁界の速度を変えれば可動部6の速度も変わ
り移動磁界を停止させれば可動部6も停止する。シャフ
ト63にかかっている力がリニア同期モータ30が耐え
ることができる値を越えない限りこのような同期は維持
される。
【0008】リニア同期モータ30が耐えることのでき
る力は、概略永久磁石62の鉄心52に対向する面の面
積の総和に比例するとしてよい。したがって、図13の
上下8個の永久磁石62の左右方向の長さの和と図12
の永久磁石62の左右方向の長さとの積として得られる
面積を所要の力が発生するだけの値に設定すればよい。
前述の極間距離は、後述するように位置制御する場合
に、その値が大きいと制御の精度が悪くなり、小さいと
鉄心52と巻線53や永久磁石62の数が多くなってコ
ストが高くなるので、適切な値に設定する必要がある。
【0009】図12の右下に位置検出器7を図示してあ
る。ケース51に取付け台73を介してコの字形の光セ
ンサ71を、紙面に対して垂直方向に移動する可動部6
の継鉄61に取付け具74を介して位置センサ7の光遮
断板72をそれぞれ取付けてある。光センサ71は市販
品であり、コの字状の一方の辺から発光して他方の辺で
受光し光信号の強度に応じた電気信号に変換して出力す
るもので、発光部と受光部との間に光を遮断するものが
あると受光されないのでこれを検出するものであり、光
遮断板72はくしの歯状をしていて光を透過する部分と
遮断する部分とが一定間隔で設けられていて、光遮断板
72が移動することによって光センサ71が断続する光
を受光するのでその出力信号を図示しない制御装置に入
力し光の断続によって生じたパルスの数を数えることに
よって可動部6が移動した距離を求めることができ、そ
の時間変化によって速度が求められる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、リニア
同期モータ駆動式電気転てつ機においては、リニア同期
モータ30の位置や速度の制御はこれに内蔵される位置
センサ7が出力する信号がフィードバックされることに
よって行われるのであるが、周知のように分岐装置は屋
外に設けられるのが普通であり、したがって、これに含
まれる装置は炎熱と極寒、乾燥と豪雨などの両極端な環
境に耐えることが必要である。前述のような位置センサ
は発光素子と受光素子を含む光センサ71は勿論、光セ
ンサ71が出力する電気信号の処理に電子装置が使用さ
れるが、前述のような悪い環境のもとでは信頼性に問題
があり、また必要とする信頼性を確保するためには電子
装置が高価になるという問題がある。
【0011】この発明はこのような問題を解決し、リニ
ア同期モータ駆動式電気転てつ機の制御を簡単にして悪
い環境にも強く信頼性の高いリニア同期モータ駆動式電
気転てつ機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明によれば、列車軌道の分岐装置の、固定の基
本レールに対して可動のトングレールをリニア同期モー
タで駆動してなるリニア同期モータ駆動式電気転てつ機
において、前記トングレールの移動開始から終了までの
全期間にわたるリニア同期モータの励磁電流の大きさ
を、移動開始からの経過時間に応じて定められた値で変
化させるとともに、前記トングレールと基本レールとが
接触するのを検出する位置検出器の出力信号に基づいて
トングレールが基本レールに接触した直後からリニア同
期モータの励磁を直流励磁に切り換えるものとし、ま
た、トングレールの移動期間の最終段階及びトングレー
ルが基本レールに接触した後の期間で励磁電流を大きく
するものとし、また、あらかじめ設定されている所定の
時点を越えても位置検出器によるトングレールが基本レ
ールに接触したことを示す信号が出力されないときに、
励磁電流を増大させるものとし、又は、あらかじめ設定
されている所定の時点を越えても位置検出器によるトン
グレールが基本レールに接触したことを示す信号が出力
されないときに、励磁電流をいったん逆にしてトングレ
ールを後退させ改めて励磁電流を正の値することを所定
の回数繰り返すもきとし、また、列車軌道の分岐装置
の、固定の基本レールに対して可動のトングレールをリ
ニア同期モータで駆動してなるリニア同期モータ駆動式
電気転てつ機において、前記トングレールの移動開始か
ら終了までの全区間にわたるリニア同期モータの励磁電
流の大きさを、前記トングレールの位置に応じて定めら
れた値で変化させるものとし、また、トングレールと基
本レールとが接触するのを検出する位置検出器の出力信
号に基づいてトングレールが基本レールに接触した直後
からリニア同期モータの励磁を直流励磁に切り換えるも
のとし、また、トングレールの反力が大きくなる区間で
のリニア同期モータの励磁電流を大きくするものとし、
また、トングレールが基本レールに接触する直前を検知
して信号を出力する第2の位置検出器を設け、この位置
検出器の出力信号に基づいてリニア同期モータの励磁電
流を小さくするものとする。
【0013】
【作用】この発明の構成において、トングレールの移動
開始から終了までの全期間にわたるリニア同期モータの
励磁電流の大きさを、移動開始からの経過時間に応じて
定められた値で変化させる制御を行うことによって、リ
ニア同期モータの可動部の位置や速度をフィードバック
する必要がなくなってリニア同期モータに内蔵される位
置検出器などの装置が不要になる。トングレールが基本
レールに接触した後はトングレール及びリニア同期モー
タの可動部は静止するので、静止状態でもトングレール
が基本レールを押すように接触を維持するために、トン
グレールと基本レールとが接触したことを検出する位置
検出器の出力信号に基づいてリニア同期モータの励磁を
直流励磁に切り換えて静止状態でも駆動力が発生するよ
うにする。
【0014】また、トングレールの移動期間の最終段階
及びトングレールが基本レールに接触した後の期間で励
磁電流を大きくすることによって、最終段階で摩擦やス
プリングのために大きくなるトングレールの反力を越え
る駆動力を発生させてトングレールが途中で停止するの
を防止するとともに、基本レールに接触後に鎖錠装置が
確実に動作するにようにトングレールを基本レールに強
く押付けておく。
【0015】また、あらかじめ設定されている所定の時
点を越えても位置検出器から信号が出力されないとき
に、励磁電流を増大させて駆動力を増大させることによ
って停止していると想定されるトングレールの駆動力を
増大させて再度駆動するようにさせて動作を正常に完了
させるか、又は、励磁電流をいったん逆にしてトングレ
ールを後退させ改めて励磁電流を正の値にすることを所
定の回数繰り返すことによってトングレールが停止する
原因になったであろう砂利を弾き飛ばして移動させトン
グレールが正常に移動可能にする。
【0016】また、トングレールの移動開始から終了ま
での全区間にわたるリニア同期モータの励磁電流の大き
さを、移動開始からの時間ではなくトングレールの位置
に応じて設定しておくことによってもリニア同期モータ
の可動部の位置や速度のフィードバックは不要である。
トングレールが基本レールに接触する位置があらかじめ
設定できるので、この位置で直流励磁に切り換えること
によって接触後も必要とする駆動力を発生させることが
できる。
【0017】また、トングレールと基本レールとが接触
するのを検出する位置検出器の出力信号に基づいてトン
グレールが基本レールに接触した直後からリニア同期モ
ータの励磁を直流励磁に切り換えることによって、前述
のあらかじめ設定された位置によっ直流励磁を切り換え
る方式と併用してより確実になる。また、トングレール
の反力が大きくなる区間のリニア同期モータの励磁電流
を大きくすることによって、あらかじめ分かっているト
ングレールの反力が大きい区間を乗り換えるに充分な駆
動力を与えることができる。
【0018】また、トングレールが基本レールに接触す
る直前を検知する第2の位置検出器を設け、この位置検
出器が検出する位置にトングレールが来たときにリニア
同期モータの励磁電流を小さくすることによって、トン
グレールが基本レールにぶつかる衝撃を緩和することが
できる。
【0019】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明を適用する分岐装置の平面図であり、図
10と同じ構成要素に対しては共通の符号を付けて詳し
い説明を省略する。この図において、トングレール2を
駆動する動力はリニア同期モータ30Aであり、このリ
ニア同期モータ30Aは図11のリニア同期モータ30
とは図12に図示してある位置検出器7が設けられてい
ない点だけなので、図12、図13に相当するリニア同
期モータ30Aの断面図の図示は省略する。
【0020】図1に示すように、リニア同期モータ30
Aには可動部6の位置を検出する位置検出器を省略した
代わりに、従来の分岐装置にも設けられている位置検出
器34を使用してトングレール2が基本レール1に接触
したことを検知しその信号をリニア同期モータ30Aの
電源300と鎖錠装置41に知らせる。後述するよう
に、電源300はこの信号を受けて鎖錠装置41が鎖錠
動作を完了するまでの間トングレール2を基本レール1
に押付けておくための力を発生させるためにリニア同期
モータ30Aを直流励磁する。
【0021】電源300に含まれる制御装置では後述す
るようにリニア同期モータ30Aの可動部6の位置検出
信号のフィードバックなしのオープン制御が行われる。
図2はこの発明の第1の実施例を示すリニア同期モータ
の励磁電流の時間的変化のグラフである。この図におい
て、横軸は時間t、縦軸は励磁電流Iであり、図示のよ
うな励磁電流Iの時間的変化特性をあらかじめ設定して
おき、これに基づいて励磁電流Iの制御を行う。図の原
点である時点0にリニア同期モータ30に電源から励磁
電流が流されて駆動操作が開始され、あらかじめ定めら
れた時点t1 で励磁が停止されて分岐操作が終了する。
この間に、トングレール2は基本レールに接触し、この
接触を検知した位置検出器34によって鎖錠装置41が
動作して鎖錠が完了する。
【0022】この図では励磁電流を直流のように表示し
てあるが、実際には図13のそれぞれの巻線52には異
なる励磁電流が流され可動部6の移動とともにこの励磁
電流も時間的変化するものである。図2の励磁電流はこ
れらの電流の実効平均値を示しているものであり、以下
の実施例における励磁電流Iの図示も同様である。トン
グレール2が基本レール1に接触する前はリニア同期モ
ータ30の可動部6は移動しているので巻線62に流さ
れる電流は交流であり、各巻線62に異なる位相の交流
を流すことによって交流の周波数に比例した移動磁界が
発生し、可動部6はこの移動磁界に同期して移動する。
【0023】トングレール2が基本レール1に接触する
と可動部6は停止するので、継続して力を発生させるた
めには巻線62の励磁電流を直流にする。トングレール
2が基本レール1に接触した時点は位置検出器34の出
力信号で知ることができる。この信号によって鎖錠装置
41の動作が開始するととにも、その動作が完了するの
に充分な期間を前述の直流励磁を行ってトングレール2
が基本レール1に押し付けられた状態を維持するのに必
要な駆動力を発生する。鎖錠動作が完了した後リニア同
期モータ30Aの励磁電流を零にする。
【0024】リニア同期モータ30Aの可動部6の位置
検出を従来のように直接行うことはせず、あらかじめ定
められているI−t特性に基づいて励磁電流が制御され
るオープン制御の方式を採用することによって、可動部
6の全可動範囲の位置検出を精度良く行うための図12
の位置検出器7が不要になるので、この位置検出器7と
これが出力する電気信号を処理する電子装置が不要にな
り、装置全体が簡素になり、悪環境に対しても信頼性に
問題が生じなくなる。トングレール2が基本レール1に
接触する位置を検出する位置検出器34はもともと従来
の分岐装置の鎖錠装置41の動作開始と電動機電源の遮
断のために設けられていたものを流用したものである。
【0025】図3はこの発明の第2の実施例を示すリニ
ア同期モータ30Aの励磁電流Iの時間的変化のグラフ
であり、横軸、縦軸は図2と同じである。この実施例の
場合、時点t1 は位置検出器34が出力する信号が検出
された時点であり、この時点から励磁電流の大きさを大
きくし所定の時間経過後の時点t2 で励磁電流を零にす
る。鎖錠装置41を確実に動作させるためにはトングレ
ール2と基本レール1との接触圧が所定の値以上必要な
のでこの値を確保ししかもそれ以外では励磁電流を小さ
くして省エネを計ろうとするものである。また、一般に
トルグレール2の移動における反力は基本レール1に接
触する直前に大きくなる傾向があるので、これを考慮し
て時点t1 を前述のように位置検出器34の出力信号に
よって決めるのではなく、あらかじめ設定しておいて、
トングレール2が基本レール1に接触する直前の反力に
充分対抗する力を発揮するような励磁電流にする制御方
式にすることもできる。
【0026】図4はこの発明の第3の実施例を示すリニ
ア同期モータの励磁電流の時間的変化のグラフであり、
横軸、縦軸は図3と同じである。図2の制御方式で、反
力が何らかの理由で大きなりすぎたためにトングレール
2が停止したときには位置検出器34の出力信号の発生
時点が遅くなることになる。この時点があらかじめ定め
られた図4の所定の時点t1 よりも遅くなったときに、
励磁電流Iを増大させて停止していたトングレール2を
動かすことによって動作を継続させる。勿論、図3と図
4を組み合わせた制御方式を採用することも可能であ
る。励磁電流を大きくしてもトングレール2が基本レー
ル1に接触しないときには警報を発してトングレール2
の移動動作が失敗したことを表示しか上で励磁電流を遮
断するなどの処置を講ずる。
【0027】図5はこの発明の第4の実施例を示すリニ
ア同期モータの励磁電流の時間的変化のグラフであり、
図4ではトングレール2が停止したと判断されたときに
単に励磁電流を増大させるだけの対策であったのに対し
て、この図では、このように判断されたときには障害物
があるとして、いったん反対方向の励磁をしていったん
トングレール2を後退させ改めて正方向に励磁して障害
物を弾き飛ばそうとするものである。障害物としてはレ
ールに敷かれた砂利が最も可能性が高いことからこのよ
うな動作することによって障害物が除かれ正常な動作が
可能になる確率が高い。図ではこのような逆の励磁をし
た後改めて正方向に励磁して障害物を除く動作を2回繰
り返すように図示してある。この回数はあらかじめ設定
しておくもので2回に限るものではない。
【0028】図6はこの発明の第5の実施例を示すリニ
ア同期モータの励磁電流I、これによって発生する駆動
力の最大値Fm 及び駆動力に逆らう力としての反力Fh
と位置の関係を併わせて示したグラフであり、図2と異
なる点は横軸が時間ではなくトングレール2の位置lで
あり、左端の原点はトングレール2が移動開始前に停止
している位置、右端は基本レール1に接触して停止する
位置である。
【0029】周知のようにリニア同期モータ30では、
巻線62に流される電流によって生成される磁界の移動
に同期して可動部6が移動する。したがって、位置検出
器7がなくても励磁電流の大きさを位置に応じて変化さ
せることができる。図6は最初の停止位置から所定の加
速度で速度を上げその後一定の励磁電流で励磁する。こ
のとき励磁電流を一定に保持する期間で励磁電流の周波
数も一定に保持するとこの期間は定速運動になる。トン
グレール2が基本レール1に接触した位置が位置検出器
34の出力信号によって分かるのでその位置では前述の
ように直流励磁に切り換えてトングレール2を基本レー
ル1に押付ける力を保持する。励磁電流によって定まる
最大駆動力Fm は反力Fh を上回るように設定される。
実際の駆動力は反力と可動部6の加速度を与える力の和
になる。一定速度で運動する場合は駆動力は反力Fh
一致することになる。反力Fh は動き出す最初は遊びが
あるために位置l1 まで零で、その後急激に増大しこの
分岐装置の特性に応じて位置lに応じて変化する。トン
グレール2が基本レール1に接触する位置l2 に近くな
った位置で摩擦の増加とばね作用などによって反力が増
大するのでこの反力の最大値を越える最大駆動力Fm
なるような励磁電流Iを設定する。
【0030】図7はこの発明の第6の実施を示すリニア
同期モータの励磁電流I、これによって発生する最大駆
動力Fm 及び反力Fh と位置lの関係を併わせて示した
グラフであり、図6と異なる点は反力Fh が大きくなる
区間で最大駆動力Fm も大きくなるように励磁電流Iを
設定した点であり、位置l2 と位置l3 の間の区間で反
力Fh が大きくなるためにこの区間の励磁電流Iを大き
く設定してある。これに伴って他の部分の励磁電流は小
さくすることができるので全体として効率的になる。反
力が大きくなる位置はトングレール2の位置によって特
定することができるので、この実施例のように励磁電流
をトングレール2の位置に応じて変換させる場合にこの
ような設定が可能になる。
【0031】図8はこの発明の第7の実施例を示す励磁
電流Iなどの位置lに関する関係を示すグラフであり、
図7と類似であるが、反力Fh の記載は省略してある。
この図において、位置l2 は図10の位置検出器34と
は別の図示しない第2の位置検出器によって検出される
位置であり、この位置l2 にトングレール2が到達した
ことが検出されたら励磁電流Iを小さくする。位置l2
はトングレール2が基本レール1に接触する位置l3
ら少し手前に設定してあって、この位置l2 から励磁電
流Iを小さくすることによって駆動力を小さくしトング
レール2が基本レール1にぶつかる衝撃を緩和するもの
である。この図では位置l1 で励磁電流Iを大きくして
いるので図7の励磁電流や駆動力Fm の位置lに対する
変化の形が類似であるが、図8の場合は、位置l1 で励
磁電流Iが大きくなっているのは単に例であってこの実
施例には直接関係するものではない。したがって、この
実施例を図6の実施例と組み合わせれば、図8の位置l
1 で励磁電流Iや駆動力F m が大きくなることなく、単
に位置l2 で小さくなる。また、図7の実施例に図8の
実施例を適用した場合には、図7の位置l3 の後に2つ
目の位置検出器によって検出される位置があって、この
位置で更に励磁電流Iや最大駆動力Fm が小さくなる。
このときの駆動力Fm が反力Fh よりも小さくなると制
動力が働いてトングレール2が基本レール1に接触する
ときの衝撃力が緩和されることになる。
【0032】
【発明の効果】この発明は前述のように、トングレール
の移動開始から終了までの全期間にわたるリニア同期モ
ータの励磁電流の大きさを、あらかじめ定めてある時間
関数にしたがって変化させる制御を行うことによって、
リニア同期モータの可動部の位置や速度をフィードバッ
クする必要がなくなってこれらを検出するリニア同期モ
ータに内蔵される位置検出器やこれに伴う電子装置など
が不要になるので、過酷な環境下においても装置の信頼
性の維持とコストダウンの効果が得られる。また、トン
グレールが基本レールに接触した後はトングレール及び
リニア同期モータの可動部は静止するので、従来の分岐
装置に設けられているトングレールと基本レールとが接
触したことを検出する位置検出器の出力信号に基づいて
リニア同期モータの励磁を直流励磁に切り換えることに
よって、鎖錠装置による鎖錠動作に必要なトングレール
を基本レールに押付ける駆動力を確保することができ
る。
【0033】また、トングレールの移動期間の最終段階
及びトングレールが基本レールに接触した後の期間で励
磁電流を大きくすることによって、最終段階で摩擦やス
プリングのために大きくなるトングレールの反力を越え
る駆動力を発生させてトングレールが途中で停止するの
を防止し、基本レールに接触後に鎖錠装置が確実に動作
するにようにトングレールを基本レールに強く押付けて
おくことができるという効果が得られる。
【0034】また、あらかじめ設定されている所定の時
点を越えても位置検出器によるトングレールが基本レー
ルに接触したことを示す出力がないときに、励磁電流を
増大させて駆動力を増大させることによって、停止して
いると想定されるトングレールを再度駆動するようにす
ることによって、安定した駆動動作を確保することがで
きるという効果が得られる。又は、位置検出器からの出
力信号がないときに、励磁電流をいったん逆にしてトン
グレールを後退させ改めて励磁電流を正の値にすること
を所定の回数繰り返すことによってトングレールが停止
する原因になっているであろう砂利を弾き飛ばして移動
させトングレールが正常に移動可能にする制御方式を採
用することによって、トングレールの動作がより確実に
なるという効果が得られる。
【0035】また、トングレールの移動開始から終了ま
での全期間にわたるリニア同期モータの励磁電流の大き
さを、時間ではなくトングレールの位置に応じて設定し
ておくことによってもリニア同期モータの可動部の位置
や速度のフィードバックは不要になって前述と同じ効果
が得られる。また、トングレールの反力が大きくなる区
間のリニア同期モータの励磁電流を大きくすることによ
って、あらかじめ分かっているトングレールの反力が大
きい区間を乗り越えるに充分な駆動力を与えることがで
きるという効果が得られる。
【0036】また、トングレールが基本レールに接触す
る直前の位置を検出する第2の位置検出器を設け、この
位置検出器が検出する位置にトングレールが来たときに
リニア同期モータの励磁電流を小さくして駆動力を低減
して速度を遅くすることによって、トングレールが基本
レールにぶつかるときの衝撃を緩和して、この衝撃によ
る装置の劣化、磨耗などを減らして装置の寿命を延ばす
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すリニア同期モータ駆動
式電気転てつ機を使用した分岐装置の平面図
【図2】この発明の第1の実施例を示すリニア同期モー
タの励磁電流の時間的変化のグラフ
【図3】この発明の第2の実施例を示すリニア同期モー
タの励磁電流の時間的変化のグラフ
【図4】この発明の第3の実施例を示すリニア同期モー
タの励磁電流の時間的変化のグラフ
【図5】この発明の第4の実施例を示すリニア同期モー
タの励磁電流の時間的変化のグラフ
【図6】この発明の第5の実施例を示すリニア同期モー
タの励磁電流、最大駆動力及び反力と位置の関係のグラ
【図7】この発明の第6の実施例を示すリニア同期モー
タの励磁電流、最大駆動力及び反力と位置の関係のグラ
【図8】この発明の第7の実施例を示すリニア同期モー
タの励磁電流及び最大駆動力と位置の関係のグラフ
【図9】従来の回転形モータ駆動式電気転てつ機を使用
した分岐装置の平面図
【図10】図9の分岐装置の模式図
【図11】従来のリニア同期モータ駆動式電気転てつ機
を使用した分岐装置の平面図
【図12】図11のA−A平面図
【図13】図12のB−B平面図
【符号の説明】
1 基本レール 11 基本レール 12 基本レール 2 トングレール 21 トングレール 22 トングレール 34 位置検出器 41 鎖錠装置 300 電源 30 リニア同期モータ 30A リニア同期モータ 5 固定部 51 ケース 52 鉄心 53 巻線 6 可動部 61 継鉄 62 永久磁石(界磁極) 63 シャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 研二 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】列車軌道の分岐装置の、固定の基本レール
    に対して可動のトングレールをリニア同期モータで駆動
    してなるリニア同期モータ駆動式電気転てつ機におい
    て、前記トングレールの移動開始から終了までの全期間
    にわたるリニア同期モータの励磁電流の大きさを、移動
    開始からの経過時間に応じて定められた値で変化させる
    とともに、前記トングレールと基本レールとが接触する
    のを検出する位置検出器の出力信号に基づいてトングレ
    ールが基本レールに接触した直後からリニア同期モータ
    の励磁を直流励磁に切り換えることを特徴とするリニア
    同期モータ駆動式電気転てつ機。
  2. 【請求項2】トングレールの移動期間の最終段階及びト
    ングレールが基本レールに接触した後の期間で励磁電流
    を大きくすることを特徴とする請求項1記載のリニア同
    期モータ駆動式電気転てつ機。
  3. 【請求項3】あらかじめ設定されている所定の時点を越
    えても位置検出器によるトングレールが基本レールに接
    触したことを示す信号が出力されないときに、励磁電流
    を増大させることを特徴とする請求項1又は2記載のリ
    ニア同期モータ駆動式電気転てつ機。
  4. 【請求項4】あらかじめ設定されている所定の時点を越
    えても位置検出器によるトングレールが基本レールに接
    触したことを示す信号が出力されないときに、励磁電流
    をいったん逆にしてトングレールを後退させ改めて励磁
    電流を正の値することを所定の回数繰り返すことを特徴
    とする請求項1又は2記載のリニア同期モータ駆動式電
    気転てつ機。
  5. 【請求項5】列車軌道の分岐装置の、固定の基本レール
    に対して可動のトングレールをリニア同期モータで駆動
    してなるリニア同期モータ駆動式電気転てつ機におい
    て、前記トングレールの移動開始から終了までの全区間
    にわたるリニア同期モータの励磁電流の大きさを、前記
    トングレールの位置に応じて定められた値で変化させる
    ことを特徴とするリニア同期モータ駆動式電気転てつ
    機。
  6. 【請求項6】トングレールと基本レールとが接触するの
    を検出する位置検出器の出力信号に基づいてトングレー
    ルが基本レールに接触した直後からリニア同期モータの
    励磁を直流励磁に切り換えることを特徴とする請求項5
    記載のリニア同期モータ駆動式電気転てつ機。
  7. 【請求項7】トングレールの反力が大きくなる区間での
    リニア同期モータの励磁電流を大きくすることを特徴と
    する請求項5又は6記載のリニア同期モータ駆動式電気
    転てつ機。
  8. 【請求項8】トングレールが基本レールに接触する直前
    を検知して信号を出力する第2の位置検出器を設け、こ
    の位置検出器の出力信号に基づいてリニア同期モータの
    励磁電流を小さくすることを特徴とする請求項5、6又
    は7記載のリニア同期モータ駆動式電気転てつ機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007131024A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Kyosan Electric Mfg Co Ltd 電気転てつ機の動力装置および該動力装置を備えた電気転てつ機
CN113008431A (zh) * 2019-12-19 2021-06-22 陕西英泰和电子科技有限责任公司 多转辙机牵引道岔出力同步性检测方法

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