JPH06304532A - 重量選別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置の小形化を図り、確実に重量に応じて物
体を選別する。 【構成】 固定側リンク手段２５が設けられる固定テー
ブル２３と、可動側リンク手段２４が設けられる回転テ
ーブル２２とを同軸に設け、回転テーブル２２が回転す
ることによって受皿３１に乗載されたたら子３０を分銅
３２の重量に応じて選別し、予め定める重量毎に容器３
４内に収容する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえばたら子や魚の
切身などである物体を重量に応じて選別するための装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】図７は、典型的な先行技術の重量選別装
置１を簡略化して示す図である。この重量選別装置１
は、物体であるたとえばたら子２を受皿３に乗載して、
ロバーバル（Roderval）機構ないしは平行クランク機構
と呼ばれるリンク手段４に載荷された予め定める重量に
対応する分銅などの荷重Ｗ１に応じて前記たら子２を選
別する装置であって、たら子２の重量が荷重Ｗ１よりも
重い場合には前記受皿３が仮想線６で示されるように下
方に変位して、受皿３上のたら子２は、シュート７上に
滑り落ち、図示しない容器内に収容される。

【０００３】前記リンク手段４は、基本的に４つのピン
８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄによって連結される４つのリン
ク部材９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄによって構成される平行
四辺形リンク１０と、前記リンク部材９ｄにピン８ａに
関して反対側に延びるアーム１１とを有する。アーム１
１の端部には、前記荷重Ｗ１が載荷され、この荷重Ｗ１
にアーム長Ｘ１を掛けたモーメントＷ１・Ｘ１に対する
前記リンク部材９ｄと、受皿３との連結位置における重
量Ｗ２にそのアーム長Ｘ２を掛けたモーメントＷ２・Ｘ
２の釣合いによって、たら子２の重量を選別することが
できる。

【０００４】リンク部材９ａには、図７の紙面に垂直方
向に延びる無端状のチェーン１２が連結され、このチェ
ーン１２が予め定める走行方向に走行駆動されることに
よって、選別されるべき複数の重量に対応した荷重５が
順次的にアーム１１に作用して、重いものから軽いもの
の順でたら子２がシュート７上に滑り落ちて、重量に応
じてたら子２を選別することができるように構成されて
いる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような先行技術で
は、チェーン１２によってリンク手段４を一直線方向に
走行させながら、受皿３上のたら子２を選別するように
構成されているので、前記走行方向の経路長が５〜８ｍ
程度と長くなってしまい、装置が大形化してしまい、大
きな占有空間を要するという問題がある。

【０００６】したがって本発明の目的は、小形化された
重量選別装置を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、基台と、基台
に固定される円形の固定テーブルと、固定テーブルの周
縁部に周方向に間隔をあけて設けられ、固定テーブルの
半径方向外方に当接する当接片が上下に変位自在に設け
られ、この当接片には、選別すべき予め定める重量に対
応する設定荷重が載荷される固定側リンク手段と、固定
テーブルの軸線と同軸を成す回転軸線まわりに回転駆動
される円形の回転テーブルと、回転テーブルの周縁部に
周方向に間隔をあけて設けられ、選別されるべき物体が
載置される受皿が一端部側で支持され、他端部には前記
固定側リンク手段の当接片の下方に臨む当接面に当接す
る案内ローラが設けられる揺動アームを有する可動側リ
ンク手段と、固定テーブルに、固定側リンク手段に隣接
して設けられ、この固定側リンク手段の前記当接片が可
動側リンク手段の前記案内ローラによって押し上げられ
たとき、下面を前記当接片の当接面に連なる第１位置か
らその下面の延長線に交差する第２位置に傾斜させて、
前記案内ローラを上面によって上方に案内した後、この
案内ローラが移動方向下流側に移動するにつれて前記上
面が案内ローラによって下方に押圧されて前記第２位置
から第１位置に復帰する案内片を有する経路切換手段
と、固定テーブルに設けられ、前記第１位置に配置され
た案内片の移動方向下流側の端部付近の上面から移動方
向下流側になるにつれて上方に傾斜する案内面を有する
案内手段とを含むことを特徴とする重量選別装置であ
る。

【０００８】

【作用】本発明に従えば、基台には固定テーブルと回転
テーブルとが同軸に設けられ、固定テーブルには周方向
に間隔をあけて固定側リンク手段が設けられ、回転テー
ブルには周方向に間隔をあけて可動側リンク手段が設け
られる。前記固定側リンク手段には、選別すべき予め定
める重量に対応する設定荷重が載荷される。また、前記
可動側リンク手段には、揺動アームが設けられ、その一
端部側には選別されるべき物体を載置するための受皿が
設けられ、他端部には案内ローラが設けられる。この案
内ローラは、前記固定側リンク手段に設けられる当接片
の当接面に当接し、受皿に載置された物体の重量が前記
設定荷重に対応する重量を超えたとき、案内ローラが当
接片を上方に押し上げ、経路切換手段の案内片が第１位
置から第２位置に傾斜し、これによって当接片の下面を
通過した案内ローラが案内片の上面によって案内されて
案内手段の案内面上に案内され、前記案内ローラは上方
に案内されて受皿が下降する。これによって、受皿上の
物体はその受皿から滑り落ち、たとえば案内手段の取付
け位置などに対応して設けられるシュートを介して重量
毎に選別されて収容される。

【０００９】このように回転テーブルに可動側リンク手
段を設け、固定テーブルに固定側リンク手段と経路切換
手段と案内手段とを設けて、前記回転テーブルの回転に
応じて可動側リンク手段を固定側リンク手段の設定荷重
に応じて反応させて、受皿上の物体を連続的に重量に応
じて選別することができるので、装置の小形化を図るこ
とができ、大きな占有空間を要しない。

【００１０】

【実施例】図１は本発明の一実施例の重量選別装置２０
の全体の構成を示す断面図であり、図２は図１に示され
る重量選別装置２０の平面図である。本実施例の重量選
別装置２０は、基本的に基台２１と、基台２１に鉛直な
回転軸線まわりに矢符Ａ方向に向けて回転駆動される円
形の回転テーブル２２と、この回転テーブル２２の鉛直
回転軸線と同軸を成して設けられ、回転テーブル２２よ
りも小径の固定テーブル２３と、前記回転テーブル２２
の周縁部に周方向に等間隔をあけて設けられる複数（本
実施例では３０）の可動側リンク手段２４と、前記固定
テーブル２３の周縁部に周方向に等間隔をあけて選別領
域θ１＝１８０°内に設けられる複数（本実施例では
７）の固定側リンク手段２５と、固定テーブル２３上に
乗載され、モータ２６およびモータ２６からの回転力を
減速して前記回転テーブル２２に伝達する可変減速機２
７とを有する駆動手段２８とを含む。

【００１１】作業者は、供給領域θ２＝９０°において
トレイ２９上に載置された物体であるたとえばたら子３
０を可動側リンク手段２４の受皿３１上に乗載し、回転
テーブル２２が矢符Ａ方向に回転駆動されるにつれて、
各固定側リンク手段２５に乗載された選別すべき予め定
める重量に対応する設定荷重としての分銅３２ａ〜３２
ｆ（総称する場合には、分銅３２と記す）に応じて反応
し、たら子３０の重量が分銅３２ａ〜３２ｆのうちいず
れか１つを超えたとき、受皿３１が傾斜して、たら子３
０が基台２１に設けられるシュート３３上に落下し、こ
のシュート３３に案内されて容器３４内に収容される。

【００１２】図３は可動側リンク手段２４および固定側
リンク手段２５付近を拡大して示す断面図であり、図４
は固定側リンク手段２５付近を図３の右側から見た正面
図である。前記固定側リンク手段２５は、半径方向外方
（図３の右方）に突出し、上下方向である矢符Ｂ１，Ｂ
２方向に変位自在な当接片３５が設けられ、その下面３
６には可動側リンク手段２４の案内ローラ３７が当接し
て案内される。前記受皿３１に乗載されたたら子３０の
重量が分銅３２によって設定された荷重よりも大きい
と、前記案内ローラ３７は当接片３５の下面３６を上方
Ｂ１に押し上げ、仮想線３８で示されるように傾斜す
る。これによって、受皿３１上のたら子３０は前記シュ
ート３３上に落下し、容器３４内に収容される。

【００１３】固定側リンク手段２５の前記回転方向Ａ下
流側には、角度θ３＝７°をあけて経路切換手段３９が
設けられる。この経路切換手段３９よりもさらに角度θ
４＝９°だけ下流側には案内手段４０が設けられる。前
記経路切換手段３９は、図４の実線で示される第１位置
と、仮想線で示される第２位置とに亘って矢符Ｃ１，Ｃ
２方向にピン４１の軸線まわりに角変位自在な案内片４
３を有する。この案内片４３によって矢符Ａ方向に移動
してきた案内ローラ３７は、案内片４３が第１位置にあ
る状態、すなわち水平となった状態では下面４４に沿っ
て案内されて通過し、図４の仮想線で示される第２位置
に傾斜した状態では、上面４５によって案内され、前記
案内手段４０の案内面４６に沿って案内されて上方に変
位し、受皿３１を図３の仮想線３８で示されるように傾
斜させて、乗載されているたら子３０を落下させること
ができる。

【００１４】案内片４３には係止ピン４７が形成され、
係止ピン４７は大略的にＬ字状の揺動レバー４８の一端
部４９に係止され、他端部５０は固定側リンク手段２５
の調整用ボルト５１に当接している。このような調整ボ
ルト５１によって選別重量を±２ｇの精度で調整するこ
とができる。前記係止ピン４７が揺動レバー４８の一端
部４９に係止された状態では、案内片４３が第１位置に
保持され、係止ピン４７が一端部４９から外れた状態で
は第２位置に保持される。このとき、案内片４３は偏心
カム５３のカム面に当接して支持されており、これによ
って第１および第２位置間の角変位量を調整することが
できる。

【００１５】また、前記一端部４９の端面５３の幅Ｌ１
は、係止ピン４７が一端部４９から外れた直後から案内
片４３が第２位置に角変位して前記偏心カム５４に当接
して支持された状態に亘って係止ピン４７がその端面５
３に当接するように選ばれている。このようにして、端
面５３に係止ピン４７を当接するようにしておくことに
よって、案内ローラ３７がピン４１の中心軸線を通る鉛
直線５５から仮想線５６で示される回転方向Ａ下流側に
移動して案内片４３の上面４５を下方に押圧し、したが
って案内片４３が矢符Ｃ１方向に角変位しても、係止ピ
ン４７を端面５３に沿って円滑に案内して一端部４９に
確実に係合させることができる。

【００１６】このようにして、案内ローラ３７によって
案内片４３が矢符Ｃ１方向に復帰動作したときに、案内
片４３は偏心カム５７によってその変位が阻止され、む
やみに矢符Ｃ１方向へ角変位してしまうことが防止され
る。

【００１７】図５は固定側リンク手段２５の具体的構成
を説明するための断面図であり、図６は図５に示される
固定側リンク手段２５付近の平面図である。前記固定側
リンク手段２５は、一対のＬ字状の取付片５８ａ，５８
ｂによって固定テーブル２３に固定される平面形状が略
Ｃ字状の保持部材５９と、保持部材５９によって一端部
側が角変位自在に保持される４つのリンク部材６０ａ〜
６０ｄと、各リンク部材６０ａ〜６０ｄの他端部をピン
結合する平面形状が略Ｃ字状の連結部材６１と、この連
結部材６１にボルト６３によって固定される前記当接片
３５と、前記４つのリンク部材６０ａ〜６０ｄのうち、
上方に配置される２つのリンク部材６０ａ，６０ｃに固
定され、前記分銅３２が載置される載置台６４と、各リ
ンク部材６０ａ，６０ｃの各一端部に連結される枠体６
５と、枠体６５に固定されたボルト６６に螺着される重
錘６７とを有する。

【００１８】前記保持部材５９に設けられる調整ボルト
６８を螺進／螺退させることによって、枠体６５の矢符
Ｄ２方向への角変位を制限することができ、したがって
前述したように、当接片３５の角変位を制限することが
できる。すなわち、このような当接片３５の変位は、揺
動レバー４８の一端部４９が係止ピン４７から外れれば
よいので、僅かに角変位すればよく、前記調整ボルト６
８によって枠体６５が矢符Ｄ２方向への角変位を許容す
ると、揺動レバー４８が係止ピン４７を図４の右方、す
なわち矢符Ｃ２方向へ押圧して、変形してしまう。この
変形を調整ボルト６８の設定位置に応じて枠体６５の矢
符Ｄ２方向への停止位置を制限し、揺動レバー４８の矢
符Ｃ２方向への角変位を制限している。

【００１９】再び図２を参照して、前記分銅３２ａ〜３
２ｆは、回転方向Ａ下流側になるにつれて軽く設定され
ており、たとえば２００ｇ、１７５ｇ、１５０ｇ、１２
５ｇ、１００ｇ、７５ｇおよび５０ｇに選ばれている。
さらに、最も回転方向Ａ下流側に配置される領域の可動
側リンク手段２５は、全て受皿３１を傾斜させて乗載さ
れているたら子３０を落下させると、前述した供給領域
θ２にもたらされる。このような供給位置に可動側リン
ク手段２５が供給されるに先だって、図３に示される軟
質のナイロンなどの合成樹脂から成るローラ６９がガイ
ドレール７０によって上方に案内され、これによって受
皿３１はほぼ水平な位置に復帰される。前記供給領域θ
２内では、前記受皿３１の垂下がりを防止するために、
背後側、すなわち半径方向内方には前記案内ローラ３７
が押え板７１に当接して、受皿３１の垂下がりが防止さ
れ、受皿３１を水平な状態に保ったままで、前記トレイ
２９内に計量されるべきたら子３０が乗載される。

【００２０】前述の実施例では、物体としてたら子３０
の重量選別を行うようにしたけれども、本発明の他の実
施例として、たら子以外の物質、たとえば鮭、鯖、さん
ま、いか、鮎、にしん、たこ、蟹、赤魚などのような水
産物およびそのフィーレなどであってもよく、さらに竹
の子などの農産物であってもよく、さらに鶏肉などの畜
産物であってもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、固定側リ
ンク手段が設けられる固定テーブルと、この固定テーブ
ルに共通な軸線を回転軸線として回転駆動され、可動側
リンク手段が設けられる回転テーブルとによって受皿上
に載置された、たとえばたら子などのような物体を重量
に応じて選別するようにしたので、装置を小形化するこ
とが可能であり、むやみな占有空間を有することなし
に、確実に設定荷重に対応する重量毎に選別することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の重量選別装置２０を示す断
面図である。

【図２】図１に示される重量選別装置２０の平面図であ
る。

【図３】可動側リンク手段２４および固定側リンク手段
２５付近を拡大して示す断面図である。

【図４】図３の右側から見た固定側リンク手段２５付近
の正面図である。

【図５】固定側リンク手段２５の具体的構成を示す断面
図である。

【図６】図５の上方から見た固定側リンク手段２５の平
面図である。

【図７】典型的な先行技術を簡略化して示す断面図であ
る。

【符号の説明】

２０ 重量選別装置 ２１ 基台 ２２ 回転テーブル ２３ 固定テーブル ２４ 可動側リンク手段 ２５ 固定側リンク手段 ２８ 駆動手段 ２９ トレイ ３０ たら子 ３１ 受皿 ３２ａ〜３２ｆ 分銅 ３５ 当接片 ３６ 当接面 ３７ 案内ローラ ３９ 経路切換手段 ４０ 案内手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台と、 基台に固定される円形の固定テーブルと、 固定テーブルの周縁部に周方向に間隔をあけて設けら
   れ、固定テーブルの半径方向外方に当接する当接片が上
   下に変位自在に設けられ、この当接片には、選別すべき
   予め定める重量に対応する設定荷重が載荷される固定側
   リンク手段と、 固定テーブルの軸線と同軸を成す回転軸線まわりに回転
   駆動される円形の回転テーブルと、 回転テーブルの周縁部に周方向に間隔をあけて設けら
   れ、選別されるべき物体が載置される受皿が一端部側で
   支持され、他端部には前記固定側リンク手段の当接片の
   下方に臨む当接面に当接する案内ローラが設けられる揺
   動アームを有する可動側リンク手段と、 固定テーブルに、固定側リンク手段に隣接して設けら
   れ、この固定側リンク手段の前記当接片が可動側リンク
   手段の前記案内ローラによって押し上げられたとき、下
   面を前記当接片の当接面に連なる第１位置からその下面
   の延長線に交差する第２位置に傾斜させて、前記案内ロ
   ーラを上面によって上方に案内した後、この案内ローラ
   が移動方向下流側に移動するにつれて前記上面が案内ロ
   ーラによって下方に押圧されて前記第２位置から第１位
   置に復帰する案内片を有する経路切換手段と、 固定テーブルに設けられ、前記第１位置に配置された案
   内片の移動方向下流側の端部付近の上面から移動方向下
   流側になるにつれて上方に傾斜する案内面を有する案内
   手段とを含むことを特徴とする重量選別装置。