JPH06304500A - 静電塗装装置における導電性塗料の連続供給装置 - Google Patents

静電塗装装置における導電性塗料の連続供給装置

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JPH06304500A
JPH06304500A JP12076393A JP12076393A JPH06304500A JP H06304500 A JPH06304500 A JP H06304500A JP 12076393 A JP12076393 A JP 12076393A JP 12076393 A JP12076393 A JP 12076393A JP H06304500 A JPH06304500 A JP H06304500A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンパクトで、耐久性、信頼性の高い導電性
塗料の連続供給装置を提供する。 【構成】 絶縁材料からなり内部を適正エア圧に維持し
た密閉容器1内に、上面開口の第1と第2の塗料容器
7、8が間隔をおいて収容されている。密閉容器1の上
面に開閉弁付の塗料流入口11が、第1の塗料容器7の
底面に開閉弁付の塗料受渡口17が、第2の塗料容器8
の底面に塗料流出口19が夫々設けられている。第2の
塗料容器8の底面と第1の塗料容器7内の上部の間に、
放電高抵抗29を介設した放電線28が配線されてい
る。第1の塗料容器7の底面からは、放電線28の放電
高抵抗29よりも高い抵抗値を持つ放電高抵抗31を介
設した接地線30が引き出されている。塗料ポンプ15
により圧送された導電性塗料が一旦第1の塗料容器7に
溜められ、その後第2の塗料容器8に受け渡される

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電塗装装置におい
て、水系、水性塗料あるいはメタリツク塗料等の導電性
塗料を連続供給する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水系、水性塗料あるいはメタリツク塗料
等の導電性塗料で静電塗装を行う場合は、塗料経路を絶
縁しないと塗料自身を通つて電流がグランドにリーク
し、噴霧塗料に静電気を荷電するのに必要な高電圧が得
られなくなつて塗着効率を低下させる原因となる。
【0003】そのために絶縁タンクが用いられるが、絶
縁タンクには高電圧が掛かつているために塗料の補給時
の安全性を考慮する必要がある。例えば、小規模塗装の
場合は、塗料の補給が必要なときに塗装作業を中断して
高電圧を除去してから補給すれば良いのであるが、大規
模塗装の場合は、塗料の補給時ごとに塗装作業を停止し
ていたのでは作業効率が大幅に低下するので、塗料を安
全に連続供給し得る装置が必要となる。
【0004】従来、そのような連続供給装置として、特
公昭52−30424号公報に記載されたものが公知で
ある。この装置は、静電塗装ガンに塗料ホースで接続さ
れた貯留タンクの上方に、接地された塗料供給口に対応
した補給タンクを、塗料の受け渡しのために上下動可能
に設けるとともに、補給タンクに、その下降または上昇
行程の途中で、貯留タンク側または接地側の各放電回路
と各別に接続されるスイツチを設けた構造となつてい
る。
【0005】すなわち、塗料が塗装に供されて貯留タン
ク内の塗料の液面レベルが低下してそれが検出される
と、補給タンクが下降してその途中でスイツチが貯留タ
ンク側の放電回路に接続されることにより、補給タンク
が貯留タンクと略同一の高電圧に帯電し、スパークする
ことなく貯留タンクに接続されて補給タンク内の塗料が
貯留タンク側に供給され、貯留タンクの液面レベルが上
昇してそれが検出されると、補給タンクが接地された塗
料供給口に向かつて上昇して、その途中でスイツチが接
地側の放電回路に接続されて、補給タンクを接地電位に
落としてから塗料供給口に接続して塗料を注入するよう
になつている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来装置は、
高電圧に伴うスパークに対する安全対策を施した上で塗
料を連続供給し得るものとして一応の評価はできるもの
の、可動部分が多く、制御系統も複雑であつて装置が大
掛かりとなり、また、耐久性、信頼性に欠ける欠点があ
つた。例えば、放電制御をスイツチを用いて行つている
ことは、接地の際の放電エネルギが大きいためにその耐
久性が重大な問題となる。
【0007】また、貯留タンクから静電ガンへの塗料の
給送には絶縁仕様のポンプが必要であり、塗装ガンの近
くに設置できないので、塗料ホース等の絶縁区域を大き
く取る必要があつた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の静電塗装装置に
おける導電性塗料の連続供給装置は、叙上の点に鑑み完
成されたものであつて、請求項1の発明は、圧縮エアの
供給により内部を適正圧力に維持した絶縁材料からなる
密閉容器内に、夫々に上面を開口した第1と第2の塗料
容器を上下に間隔を空けてかつ密閉容器の内面との間に
空間を設けて収容し、密閉容器の上面に塗料ポンプに接
続された開閉弁付きの塗料流入口を、第1の塗料容器の
底面に開閉弁付きの塗料受渡口を、第2の塗料容器の底
面に静電塗装ガンに接続された塗料流出口を夫々設け、
第2の塗料容器と第1の塗料容器内の上部との間に放電
高抵抗を介設した放電線を配線するとともに、第1の塗
料容器に、放電線の放電高抵抗よりも大きい抵抗値を持
つ放電高抵抗を介設した接地線を接続し、塗料ポンプに
より圧送される導電性塗料を第1の塗料容器で一旦受け
たのち、第2の塗料容器に受け渡す構成とした。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、接地線に第1の塗料容器の電位を検出するための信
号出力機能を備えた電流計または電圧計を設けるととも
に、その電位の検出値を接地電位及び塗装電位と比較し
てその比較結果に基づいて塗料流入口及び塗料受渡口の
インタロツクを制御する制御手段を設けた構成とした。
【0010】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、密閉容器に、第1と第2の塗料容器内の塗
料の液面レベルを夫々検出するセンサを設けるととも
に、その検出信号に基づいて塗料流入口と塗料受渡口の
開閉弁を開閉制御する制御手段を設けた構成とした。
【0011】請求項4の発明は、請求項1、2または3
の発明において、第1と第2の塗料容器の上面の開口が
絞られている構成とした。
【0012】請求項5の発明は、請求項1、2、3また
は4の発明において、密閉容器に排出制御可能なエア排
出口を設けた構成とした。
【0013】請求項6の発明は、請求項1、2、3、4
または5の発明において、密閉容器にバイブレータを取
り付けた構成とした。
【0014】請求項7の発明は、請求項1、2、3、
4、5または6の発明において、密閉容器に湿度セン
サ、温度センサ、湿度・温度センサまたは結露センサを
取り付けた構成とした。
【0015】請求項8の発明は、請求項1、2、3、
4、5、6または7の発明において、密閉容器の内面に
撥水用処理が施されている構成とした。
【0016】請求項9の発明は、請求項1、2、3、
4、5、6、7または8の発明において、密閉容器に温
度調節器を取り付けた構成とした。
【0017】
【発明の作用及び効果】請求項1の発明の作用は以下の
とおりである。第1の塗料容器の底面の塗料受渡口が閉
じた状態で塗料流入口が開くと、塗料ポンプにより密閉
容器内のエア圧力よりも高圧力に加圧された導電性塗料
が圧送されて、第1の塗料容器内に貯留される。第1の
塗料容器内の塗料の液面が一定レベルまで上昇したら塗
料流入口が閉じて貯留状態で待機する。
【0018】密閉容器内は一方で、第2の塗料容器内の
塗料を要求される流量で圧送するのに必要なエア圧力に
維持されていて、静電塗装ガンに設けた塗料バルブの開
放によつてガンへの塗料の供給が行われ、第2の塗料容
器内の塗料の使用が進んでその液面が一定レベルまで低
下したら、上記の塗料受渡口が開かれて第1の塗料容器
内に貯留されていた塗料が第2の塗料容器内に受け渡さ
れ、その液面が一定レベルまで上昇したら塗料受渡口が
閉じて塗料の受渡しが停止される。
【0019】この塗料の受渡しが完了したのち、塗料流
入口が再び開かれて第1の塗料容器への塗料の貯留が行
われ、それ以降上記の動作が繰り返されて塗料の連続供
給が行われる。
【0020】静電塗装中においては、第2の塗料容器か
ら塗装ガンへの塗料経路に満たされた導電性塗料を介し
て第2の塗料容器には高電圧が荷電されるのであるが、
密閉容器が絶縁材料で形成されてその内面の絶縁抵抗が
確保されており、また、各塗料容器の間並びに第1の塗
料容器と塗料流入口との間は圧縮エアの空間により絶縁
抵抗が構成されているから、第2の塗料容器内の塗料に
掛かる高電圧を第1の塗料容器に対して絶縁することが
でき、同様に第1の塗料容器内の塗料に掛かつた高電圧
を塗料流入口に対して絶縁することができて、電流がグ
ランドにリークすることがない。
【0021】この間、第1の塗料容器内に塗料を供給す
る前の段階において、第1の塗料容器内の塗料の液面
が、第2の塗料容器と接続されてその第1の塗料容器内
の上部にわたつて配線された放電線の先端よりも下方に
下がると、放電線からの充電は停止する。第1の塗料容
器から第2の塗料容器への塗料受渡し中は、塗料の流下
経路によつて第1と第2の塗料容器は電気的に接続され
ているので、第1の塗料容器中の塗料の電位は第2の塗
料容器とほとんど差は生じない。
【0022】第1の塗料容器から第2の塗料容器への塗
料の受渡しが完了して、塗料受渡口が閉じられると、第
1の塗料容器には放電高抵抗を介設した接地線が接続さ
れているので、荷電された塗料の電荷が接地線を通して
次第に放電されて、相応な時間が経過すると接地状態と
なり、接地電位にある塗料流入口を開いて第1の塗料容
器に塗料を供給する場合に、両者間にスパークを生じさ
せることなく安全に供給することができる。
【0023】また、第1の塗料容器から第2の塗料容器
に塗料を受け渡す前の段階において、第1の塗料容器内
に塗料が一定量貯留されたところで、上記の第2の塗料
容器と第1の塗料容器内の上部にわたつて配線された放
電高抵抗を介設した放電線により、第2の塗料容器の電
荷が第1の塗料容器側に次第に放電される。上記の放電
高抵抗は、放電線の先端から危険なスパークが生じない
ように放電電流を制限するだけの充分大きな抵抗値とな
つており、塗料充填によつて接地電位から塗装電位まで
の充電過程でスパークが生じることはない。
【0024】一方、第1の塗料容器に接続された接地線
では、そこに介設された放電高抵抗の抵抗値が上記の放
電線の放電高抵抗のそれよりも大きいことによつてその
放電が抑えられ、すなわち、グランドへの放電量よりも
第2の塗料容器からの充電量が多くなつて、相応な時間
が経過すれば、第1の塗料容器の電位が第2の塗料容器
のそれに接近し、両塗料容器の間で危険なスパークを生
じさせることなく塗料の受渡しが行われる。
【0025】すなわち、請求項1の発明によれば、高電
圧に伴うスパークに対する安全対策を施した上で導電性
塗料を連続供給することが可能である。しかも、スパー
ク発生防止用の放電機構のスイツチングを、第1の塗料
容器内の塗料の液面の高さ自体で行うようにしたから、
高電圧の掛かつた電気回路のスイツチ機構やその複雑な
制御装置が不要にでき、また、可動部分や構成部品点数
の少ない構造となつて、装置全体をコンパクトにまとめ
ることができるとともに、高耐久性、高信頼性を実現す
ることができる。
【0026】また、第2の塗料容器から静電塗装ガンへ
塗料を給送するのに、密閉容器内のエア圧力を利用する
ようにしたから、塗装ガンへの塗料給送用の格別のポン
プを必要としない。
【0027】また、本装置を静電ガンの近傍に設置して
そこで塗料の絶縁ができるから、塗料タンクから塗料流
入口に至るまでの塗料供給経路に介設したカラーチエン
ジヤ、塗料ヒータ、塗料ポンプ等の付帯装置並びに大部
分の塗料ホースを絶縁しなくても、作業者が不注意に感
電することなく安全となる等数々の効果がある。
【0028】請求項2の発明では、第1の塗料容器の電
位を検出して、接地電位すなわち塗料流入口との電位差
が一定以下となれば塗料流入可、また、塗装電位すなわ
ち第2の塗料容器との電位差が一定以下となれば塗料受
渡し可として、塗料流入口または塗料受渡口のインタロ
ツクを解除するように機能させることによつて、第1の
塗料容器への塗料の供給と、第2の塗料容器への塗料の
受渡しを確実に安全な状態で行うことができる。
【0029】請求項3の発明では、第1の塗料容器への
塗料の供給と、第2の塗料容器への塗料の受渡しのタイ
ミングを自動的にかつ正確に制御することができる。
【0030】請求項4の発明では、開口を絞ることで塗
料容器内の湿度を上げ、塗料が皮張りするのを防止する
ことができる。
【0031】請求項5の発明では、密閉容器内に掛かる
エア圧力の望ましい圧力を維持しながら適宜に排気を行
つて内部のエアを入れ換えると、密閉容器の内面が塗料
に含まれる水分によつて結露しないように密閉容器内を
低湿度に維持し、結露により密閉容器内面の絶縁抵抗が
低下するのを防止することができる。
【0032】請求項6の発明では、圧縮エアの供給が停
止する夜間などに密閉容器内面に結露した場合に、バイ
ブレータにより容器を振動させて水分を叩き落とすこと
で、容器内面の絶縁抵抗を短時間で回復させることがで
きる。
【0033】請求項7の発明では、操業中に密閉容器の
結露状態の把握ができ、また、例えばバイブレータと連
動させることで、常に、密閉容器の絶縁抵抗を望ましい
状態に維持することができる。
【0034】請求項8の発明では、密閉容器の内面に結
露しようとする水分をはね返して結露を有効に防止す
る。
【0035】請求項9の発明では、塗料温度よりも密閉
容器の外面温度が低い場合に発生しやすい結露を防止で
きるとともに、塗料温度の管理も可能になる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1に基づいて説
明する。図において、符号1は、絶縁材料によつて形成
された縦長の密閉容器であつて、エア供給源2からの圧
縮エアをレギユレータ3により調圧して密閉容器1の上
面の一側に設けエア供給口4から内部に供給するととも
に、下面に設けた絞り弁付きの排気口5から適当な流量
で排気を行うことにより、内部が一定の適正圧力に保た
れるようになつている。
【0037】密閉容器1内には、夫々に上面を開口しか
つその開口部9を絞つた第1と第2の塗料容器7、8
が、第1の塗料容器7は支承腕10により密閉容器1内
の上方に支承され、また、第2の塗料容器8は密閉容器
1の底面に載置された状態で上下に間隔を空け、かつ、
密閉容器1の内面との間にも空間を設けて収容されてい
る。
【0038】密閉容器1の上面の、第1の塗料容器7の
開口部9の直上に対応する位置には、開閉弁12付きの
塗料流入口11が取り付けられ、タンク14内に貯留さ
れた導電性塗料を汲み上げて圧送する塗料ポンプ15と
塗料ホース16により接続されている。
【0039】第1の塗料容器7の底面の、第2の塗料容
器8の開口部9の直上に対応する位置には、開閉弁18
付きの塗料受渡口17が設けられている。
【0040】第2の塗料容器8の底面には、塗料流出口
19が密閉容器1の底面を貫通して設けられ、その塗料
流出口19は、高電圧発生器20から高電圧の印加され
る静電塗装ガン21に塗料ホース22を介して接続され
ている。
【0041】上記した密閉容器1の上面の塗料流入口1
1の隣りには、第1の塗料容器7内の塗料の液面レベル
を検出する第1のレベルセンサ24が取り付けられ、ま
た、第1の塗料容器7の底面側に設けた塗料受渡口17
の側方には、第2の塗料容器8内の塗料の液面レベルを
検出する第2のレベルセンサ25が、密閉容器1の内面
に突設した取付腕26により設けられており、各レベル
センサ24、25は、それらの検出信号を受けて上記の
塗料流入口11及び塗料受渡口17の開閉弁12、18
を開閉制御する図示しない制御装置に接続されている。
【0042】第2の塗料容器8の底面には放電高抵抗2
9を介設した放電線28の一端が接続され、その他端が
密閉容器1の外を通つて、上面側から第1の塗料容器7
内の上部の一定位置にまで嵌入されている。
【0043】また、第1の塗料容器7の底面側からは、
上記の放電線28の放電高抵抗29の抵抗値よりも高い
抵抗値を持つ放電高抵抗31を介設した接地線30が、
密閉容器1の外部に引き出されて接地されている。
【0044】上記した塗料流入口11と塗料受渡口17
とは、夫々、第1の塗料容器7と塗料流入口11との
間、及び、第1の塗料容器7と第2の塗料容器8との間
の電位差が危険なレベルにあるときには、開閉弁12、
17を開放できないようにインタロツクして安全を確保
している。したがつて、上記の接地線30にはまた、第
1の塗料容器7の電位を検出するための信号出力機能を
備えた電流計32が介設され、この電流計32に、上記
の第1の塗料容器7の検出電位を接地電位及び塗装電位
と比較して、その比較結果に基づいて塗料流入口11と
塗料受渡口17のインタロツクを解除制御する図示しな
い制御手段が接続されている。
【0045】密閉容器1の外面には、上記したエア供給
源2からの圧縮エアで作動するバイブレータ33が取り
付けられている。また、密閉容器1の上面には、容器1
内部の湿度を検出する温湿度センサ34が取り付けら
れ、さらに、密閉容器1の内面には撥水用処理が施され
ている。また、密閉容器1の外面にはヒータからなる温
度調節器35が装着されている。
【0046】本実施例はこのような構造になり、続いて
その作動を説明する。第1の塗料容器7の底面の塗料受
渡口17の開閉弁18が閉じた状態で塗料流入口11の
開閉弁12が開くと、塗料ポンプ15により密閉容器1
内のエア圧力よりも高圧に加圧された導電性塗料が圧送
されて、第1の塗料容器7内に貯留される。第1の塗料
容器7内の塗料の液面が、放電線28の嵌入先端よりも
高い一定レベルまで上昇してそれが第1のレベルセンサ
24で検出されると、塗料流入口11の開閉弁12が閉
じて貯留状態で待機する。
【0047】密閉容器1内は一方で、第2の塗料容器8
内の塗料を要求される流量で圧送するのに必要なエア圧
力に維持されており、静電塗装ガン21に設けた塗料バ
ルブの開放によつてガン21への塗料の供給が行われる
ようになつており、第2の塗料容器8内の塗料の使用が
進んでその液面が一定レベルまで低下してそれが第2の
レベルセンサ25で検出されると、上記の塗料受渡口1
7の開閉弁18が開かれて第1の塗料容器7内に貯留さ
れていた塗料が第2の塗料容器8内に流下して受け渡さ
れ、液面が一定レベルまで上昇して第2のレベルセンサ
25で検出されると、塗料受渡口17の開閉弁18が閉
じて塗料の受渡しが停止される。
【0048】この塗料の受渡しが完了したのち、塗料流
入口11の開閉弁12が再び開かれて第1の塗料容器7
への塗料の貯留が行われ、それ以降上記の動作が繰り返
されて塗料の連続供給が行われる。
【0049】静電塗装中においては、第2の塗料容器8
から静電塗装ガン21への塗料ホース22に満たされた
導電性塗料を介して第2の塗料容器8には高電圧が荷電
される。
【0050】その際、密閉容器1には、絞り弁付きのエ
ア排気口5により適当量ずつ排気されながらエア供給口
4から圧縮エアが供給され、すなわち内部のエアが入れ
換えられつつ適正な圧力に維持されており、密閉容器1
内が低湿度に保たれて、塗料に含まれる水分により密閉
容器1の内面に結露するのを防ぎ、それにより密閉容器
1の内面の絶縁抵抗が低下するのを阻止している。
【0051】また、夜間などに密閉容器1の内面に結露
した水分は、バイブレータ33で密閉容器1を振動させ
ることにより叩き落とされてその絶縁抵抗が回復され、
操業中は温湿度センサ34で結露状態が把握されて、バ
イブレータ33と連動させることにより結露が防止され
る。その他、密閉容器1の内面に撥水用処理が施されて
いることでも結露が防止され、さらに、密閉容器1の外
面温度が低い場合は、温度調節器35で温度を上げるこ
とで同じく結露が防止される。
【0052】上記のように各種手段により密閉容器1の
内面の結露が防止されてその絶縁抵抗が確保されてお
り、また、各塗料容器7、8の間並びに第1の塗料容器
7と塗料流入口11との間は圧縮エアの空間により絶縁
抵抗が構成されているから、第2の塗料容器8内の塗料
に掛かる高電圧を第1の塗料容器7に対して絶縁するこ
とができ、また、第1の塗料容器7内の塗料に掛かつた
高電圧を塗料流入口11に対して絶縁することができ
て、電流がグランドにリークすることがない。
【0053】この間、第1の塗料容器7内に塗料を供給
する前の段階において、第1の塗料容器7内の塗料の液
面が、その中に嵌入された放電線28の先端よりも下方
に下がると、放電線28からの充電は停止する。第1の
塗料容器7から第2の塗料容器8への塗料の受渡し中
は、塗料の流下経路によつて第1と第2の塗料容器は電
気的に接続されるので、第1の塗料容器7中の塗料の電
位は、第2の塗料容器8の電位とほとんど差が生じな
い。
【0054】第1の塗料容器7から第2の塗料容器8へ
の塗料の受渡しが完了して塗料受渡口17の開閉弁18
が閉じられると、第1の塗料容器7からは放電高抵抗3
1を介設した接地線30が引き出されているので、荷電
された塗料の電荷が接地線30を通して次第に放電され
る。
【0055】このとき、第1の塗料容器7の電位は、接
地線30に介設された電流計32によつて監視されてい
て、相応な時間が経過して、その検出電位が接地電位す
なわち塗料流入口11の電位に接近すると、制御手段か
らの信号によりインタロツクが解除されて塗料流入口1
1の開閉弁12が初めて開かれ、第1の塗料容器7と塗
料流入口11との電位差が少ない状態で、両者間にスパ
ークを生じさせることなく第1の塗料容器7へ安全に塗
料が供給される。
【0056】また、第1の塗料容器7から第2の塗料容
器8に塗料を受け渡す前の段階において、第1の塗料容
器7内に供給された塗料の液面が上昇して放電高抵抗2
9を介設した放電線28の嵌入先端を超えると、その放
電線28を介して、第2の塗料容器8の電荷が第1の塗
料容器7側に次第に放電される。上記の放電高抵抗29
は、放電線28の先端から危険なスパークが生じないよ
うに放電電流を制限するだけの充分大きな抵抗値となつ
ており、塗料充填によつて接地電位から塗装電位までの
充電過程でスパークが生じることはない。
【0057】一方、第1の塗料容器7から引き出された
接地線30では、そこに介設された放電高抵抗31の抵
抗値が上記の放電線28の放電高抵抗29のそれよりも
大きいことによつてその放電が抑えられ、すなわち、グ
ランドへの放電量よりも第2の塗料容器8からの充電量
が多くなつて、第1の塗料容器7の電位が次第に高めら
れる。
【0058】その場合も、第1の塗料容器7の電位が電
流計32で監視されて、相応な時間が経過して第1の塗
料容器7の電位が塗装電位すなわち第2の塗料容器8の
電位に接近すると、インタロツクが解除されて塗料受渡
口17の開閉弁18が初めて開放され、両塗料容器7、
8の間で危険なスパークを生じさせることなく塗料の受
渡しが行われる。
【0059】このように本実施例によれば、高電圧に伴
うスパークに対する安全対策を施した上で導電性塗料を
自動的に連続供給することが可能である。しかも、スパ
ーク発生防止用の放電機構のスイツチングを、第1の塗
料容器7内の塗料の液面の高さ自体で行うようにしたか
ら、高電圧の掛かつた電気回路のスイツチ機構やその複
雑な制御装置が不要にでき、また、可動部分や構成部品
点数の少ない構造となつて、装置全体をコンパクトにま
とめることができるとともに、高耐久性、高信頼性が実
現できる。
【0060】また、第2の塗料容器8から静電塗装ガン
21へ塗料を給送するのに、密閉容器1内のエア圧力を
利用するようにしたから、塗装ガン21への塗料給送用
の格別のポンプを必要としない。
【0061】さらに、本装置を静電塗装ガン21の近傍
に設置してそこで塗料の絶縁ができるから、塗料タンク
14から塗料流入口11に至るまでの塗料供給経路に介
設したカラーチエンジヤ、塗料ヒータ、塗料ポンプ等の
付帯装置並びに大部分の塗料ホースを絶縁しなくても、
作業者が不注意に感電することなく安全となる。
【0062】なお、密閉容器1内のエアの排出口5に
は、上記実施例の絞り弁に代えてタイマあるいは温湿度
センサ34からの情報で作動する開閉弁を設け、適宜時
間ごとに排気を行うようにしても良い。
【0063】また、第1の塗料容器7の電位を監視する
手段として、信号出力機能を備えた電圧計を用いても良
い。
【0064】また、密閉容器1内の湿度を検出するの
は、湿度センサ、温度センサ単体あるいは結露センサで
あつても良い。
【0065】さらに、結露防止用に取り付けた温度調節
器35は、塗料温度を管理するのにも利用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図である。
【符号の説明】
1:密閉容器 2:エア供給源 3:レギユレータ
4:エア供給口 5:エア排出口 7:第1の塗料容器
8:第2の塗料容器 9:開口部 11:塗料流入口
12:開閉弁 15:塗料ポンプ 16:塗料ホース
17:塗料受渡口 18:開閉弁 19:塗料流出口
21:静電塗装ガン 22:塗料ホース 24、25:レベルセンサ 28:放電線 29:放電
高抵抗 30:接地線 31:放電高抵抗 32:(信号出力機能付きの)電流
計 33:バイブレータ 34:温湿度センサ 35:
温度調節器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮エアの供給により内部を適正圧力に
    維持した絶縁材料からなる密閉容器内に、夫々に上面を
    開口した第1と第2の塗料容器を上下に間隔を空けてか
    つ前記密閉容器の内面との間に空間を設けて収容し、前
    記密閉容器の上面に塗料ポンプに接続された開閉弁付き
    の塗料流入口を、前記第1の塗料容器の底面に開閉弁付
    きの塗料受渡口を、前記第2の塗料容器の底面に静電塗
    装ガンに接続された塗料流出口を夫々設け、前記第2の
    塗料容器と前記第1の塗料容器内の上部との間に放電高
    抵抗を介設した放電線を配線するとともに、前記第1の
    塗料容器に、前記放電線の前記放電高抵抗よりも大きい
    抵抗値を持つ放電高抵抗を介設した接地線を接続し、前
    記塗料ポンプにより圧送される導電性塗料を前記第1の
    塗料容器で一旦受けたのち、前記第2の塗料容器に受け
    渡す構成としたことを特徴とする静電塗装装置における
    導電性塗料の連続供給装置。
  2. 【請求項2】 前記接地線に前記第1の塗料容器の電位
    を検出するための信号出力機能を備えた電流計または電
    圧計を設けるとともに、該電位の検出値を接地電位及び
    塗装電位と比較してその比較結果に基づいて前記塗料流
    入口及び前記塗料受渡口のインタロツクを制御する制御
    手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の静電塗
    装装置における導電性塗料の連続供給装置。
  3. 【請求項3】 前記密閉容器に、前記第1と第2の塗料
    容器内の塗料の液面レベルを夫々検出するセンサを設け
    るとともに、該検出信号に基づいて前記塗料流入口と前
    記塗料受渡口の開閉弁を開閉制御する制御手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電
    塗装装置における導電性塗料の連続供給装置。
  4. 【請求項4】 前記第1と第2の塗料容器の上面の開口
    が絞られていることを特徴とする請求項1、請求項2ま
    たは請求項3に記載の静電塗装装置における導電性塗料
    の連続供給装置。
  5. 【請求項5】 前記密閉容器に排出制御可能なエア排出
    口を設けたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求
    項3または請求項4に記載の静電塗装装置における導電
    性塗料の連続供給装置。
  6. 【請求項6】 前記密閉容器にバイブレータを取り付け
    たことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請
    求項4または請求項5に記載の静電塗装装置における導
    電性塗料の連続供給装置。
  7. 【請求項7】 前記密閉容器に湿度センサ、温度セン
    サ、湿度・温度センサまたは結露センサを取り付けたこ
    とを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5または請求項6に記載の静電塗装装置にお
    ける導電性塗料の連続供給装置。
  8. 【請求項8】 前記密閉容器の内面に撥水用処理が施さ
    れていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項
    3、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7に記
    載の静電塗装装置における導電性塗料の連続供給装置。
  9. 【請求項9】 前記密閉容器に温度調節器を取り付けた
    ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求
    項4、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に
    記載の静電塗装装置における導電性塗料の連続供給装
    置。
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