JPH06304467A - 流動層反応装置及びその制御方法 - Google Patents
流動層反応装置及びその制御方法Info
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- JPH06304467A JPH06304467A JP9813593A JP9813593A JPH06304467A JP H06304467 A JPH06304467 A JP H06304467A JP 9813593 A JP9813593 A JP 9813593A JP 9813593 A JP9813593 A JP 9813593A JP H06304467 A JPH06304467 A JP H06304467A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 反応負荷が高くなっても、良好で均一な反応
を保証しながら、反応室内の循環粒子の懸濁密度を必要
以上に増加させずに、反応室内壁の粒子による摩耗を防
止できる設備信頼性の高い、流動層反応装置及びその制
御方法を提供する。 【構成】 流動層反応室3、固形物分離器7及び再循環
管路11からなる流動層反応装置であって、流動層反応
室3の底部に、反応室の底部面積より小さい断面積を有
し、循環粒子を一時的に溜める溜め升14を設け、その
溜め升14の底部から反応ガスを吹き込むための1次ガ
ス供給導管4を設け、溜め升の上方で、かつ、流動層反
応室3の壁面から反応ガスを吹き込むための2次ガス供
給導管15を設けたことを特徴とする流動層反応装置。
を保証しながら、反応室内の循環粒子の懸濁密度を必要
以上に増加させずに、反応室内壁の粒子による摩耗を防
止できる設備信頼性の高い、流動層反応装置及びその制
御方法を提供する。 【構成】 流動層反応室3、固形物分離器7及び再循環
管路11からなる流動層反応装置であって、流動層反応
室3の底部に、反応室の底部面積より小さい断面積を有
し、循環粒子を一時的に溜める溜め升14を設け、その
溜め升14の底部から反応ガスを吹き込むための1次ガ
ス供給導管4を設け、溜め升の上方で、かつ、流動層反
応室3の壁面から反応ガスを吹き込むための2次ガス供
給導管15を設けたことを特徴とする流動層反応装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】循環流動層で被反応物を高負荷反
応させ、反応生成物を効率良く回収する反応装置及びそ
の制御方法に関する。
応させ、反応生成物を効率良く回収する反応装置及びそ
の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】流動層を利用した反応装置は、その良好
な固気接触反応プロセスを利用して、各種分野で利用さ
れている。その一例として、流動層を燃焼装置に利用し
たものについて説明する。
な固気接触反応プロセスを利用して、各種分野で利用さ
れている。その一例として、流動層を燃焼装置に利用し
たものについて説明する。
【0003】流動層燃焼装置においては、各種の固体燃
料を安定した条件下で効率良く燃焼することができる。
また、この燃焼装置によるとき、燃焼時に発生するSO
x,NOx等の有害成分も少なくなる。この燃焼装置
は、一つの層内で可燃物を流動化させるバブリング流動
層式と、層外に飛散した可燃物を層内に循環させる循環
流動層方式とに大別される。循環流動層式の燃焼装置
は、ガス流速Uo (m/s)を1〜10と、バブリング
流動層式より大きくし可燃物及び循環粒子等を積極的に
循環させているので、良好な混合攪拌性及び高い熱伝達
特性が得られる。また、均一な温度場の中で燃料と空気
の接触が充分に行われることから、低温燃焼が可能とな
り、流動層を構成する部材耐久性が向上することは勿
論、サーマルNOxの発生も抑制できる。
料を安定した条件下で効率良く燃焼することができる。
また、この燃焼装置によるとき、燃焼時に発生するSO
x,NOx等の有害成分も少なくなる。この燃焼装置
は、一つの層内で可燃物を流動化させるバブリング流動
層式と、層外に飛散した可燃物を層内に循環させる循環
流動層方式とに大別される。循環流動層式の燃焼装置
は、ガス流速Uo (m/s)を1〜10と、バブリング
流動層式より大きくし可燃物及び循環粒子等を積極的に
循環させているので、良好な混合攪拌性及び高い熱伝達
特性が得られる。また、均一な温度場の中で燃料と空気
の接触が充分に行われることから、低温燃焼が可能とな
り、流動層を構成する部材耐久性が向上することは勿
論、サーマルNOxの発生も抑制できる。
【0004】従来の技術としては、例えば、特開平3−
28603号公報に示されているように、循環流動層を
利用した炭材の燃焼方法がある。図4、図5に基づいて
説明する。従来の方法においては、炭材を流動化あるい
は燃焼させることを目的として、酸素含有ガスを燃焼室
底部から供給する1次ガス21と1次空気上方より2次
ガス22を供給し、燃焼室に設置した水管より構成され
る冷却面を用いて燃焼熱を系外へ排出するようにしてい
る。この方法は、冷却面に対する熱伝達が、流動層に浮
遊している固形物質から主として行われることを利用し
て、燃焼の出力需要が変化する際においても、燃焼に必
要な酸素含有量は一定にした上で、1次ガスと2次ガス
の供給割合を変えることにより燃焼室内に浮遊している
循環粒子の懸濁密度を調整し、流動層燃焼室の雰囲気温
度をSOx、NOxの発生を抑えながら高い熱回収で可
燃物を燃焼させることが可能な750〜950℃、好ま
しくは800〜900℃に維持して操業することを可能
としている。
28603号公報に示されているように、循環流動層を
利用した炭材の燃焼方法がある。図4、図5に基づいて
説明する。従来の方法においては、炭材を流動化あるい
は燃焼させることを目的として、酸素含有ガスを燃焼室
底部から供給する1次ガス21と1次空気上方より2次
ガス22を供給し、燃焼室に設置した水管より構成され
る冷却面を用いて燃焼熱を系外へ排出するようにしてい
る。この方法は、冷却面に対する熱伝達が、流動層に浮
遊している固形物質から主として行われることを利用し
て、燃焼の出力需要が変化する際においても、燃焼に必
要な酸素含有量は一定にした上で、1次ガスと2次ガス
の供給割合を変えることにより燃焼室内に浮遊している
循環粒子の懸濁密度を調整し、流動層燃焼室の雰囲気温
度をSOx、NOxの発生を抑えながら高い熱回収で可
燃物を燃焼させることが可能な750〜950℃、好ま
しくは800〜900℃に維持して操業することを可能
としている。
【0005】また、装置ユニットの熱出力の増加に伴う
燃焼室寸法、特に燃焼室の横断面の増大時の燃焼室底部
での充分な混合攪拌性を確保することを目的として、特
開昭63−233204号公報あるいは特開平2−48
033号公報に示されているように、燃焼室の底面をあ
る割合で覆い、且つその最高高さが流動層燃焼装置の半
分の高さに等しい1個以上の押しのけ体23を設けて、
前記押しのけ体23を上に行くほど横断面の面積を減少
させ、複数の高さ位置で開口する酸素含有2次ガス導入
孔24を設け、明確な境界層の無い粒子分布状態におい
て達成するための技術手段がある。
燃焼室寸法、特に燃焼室の横断面の増大時の燃焼室底部
での充分な混合攪拌性を確保することを目的として、特
開昭63−233204号公報あるいは特開平2−48
033号公報に示されているように、燃焼室の底面をあ
る割合で覆い、且つその最高高さが流動層燃焼装置の半
分の高さに等しい1個以上の押しのけ体23を設けて、
前記押しのけ体23を上に行くほど横断面の面積を減少
させ、複数の高さ位置で開口する酸素含有2次ガス導入
孔24を設け、明確な境界層の無い粒子分布状態におい
て達成するための技術手段がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来技術は、
次の問題点を有する。
次の問題点を有する。
【0007】従来の流動層を利用した反応装置において
は、装置ユニットの反応負荷が増加した際の反応室寸
法、特に反応室横断面を大きくすることによる被反応物
及びその類似物と反応ガスとの充分な横方向との混合不
良による底部における局部的な反応場の形成と、各種の
反応が反応室上部にずれ込み、場合によっては、固形物
分離器内で固気分離後に再反応が起こることが懸念され
る。
は、装置ユニットの反応負荷が増加した際の反応室寸
法、特に反応室横断面を大きくすることによる被反応物
及びその類似物と反応ガスとの充分な横方向との混合不
良による底部における局部的な反応場の形成と、各種の
反応が反応室上部にずれ込み、場合によっては、固形物
分離器内で固気分離後に再反応が起こることが懸念され
る。
【0008】これに対して従来技術においては、装置の
大型化又は高効率化を行う場合には、燃焼室底部の粒子
混合攪拌を高めるためには、反応室底部より供給される
1次ガス量の増加または底部に押しのけ体等を設置する
ことで、反応室底部流速を上昇させることにより、粒子
を混合攪拌させていた。しかし、この方法によると、燃
焼室底部の粒子混合攪拌性を高めると同時に、燃焼室上
部の循環粒子の懸濁密度を必要以上に高めてしまい、循
環粒子による循環部分の設備内壁を摩耗させて、設備の
信頼性を著しく低下させる。場合によっては、水管の破
裂等の大事故を招く恐れがある。
大型化又は高効率化を行う場合には、燃焼室底部の粒子
混合攪拌を高めるためには、反応室底部より供給される
1次ガス量の増加または底部に押しのけ体等を設置する
ことで、反応室底部流速を上昇させることにより、粒子
を混合攪拌させていた。しかし、この方法によると、燃
焼室底部の粒子混合攪拌性を高めると同時に、燃焼室上
部の循環粒子の懸濁密度を必要以上に高めてしまい、循
環粒子による循環部分の設備内壁を摩耗させて、設備の
信頼性を著しく低下させる。場合によっては、水管の破
裂等の大事故を招く恐れがある。
【0009】本発明は上記問題点に鑑みなされたもの
で、その主な目的は、反応負荷が高くなっても、良好で
均一な反応を保証しながら、反応室内の循環粒子の懸濁
密度を必要以上に増加させずに、反応室内壁の粒子によ
る摩耗を防止できる設備信頼性の高い、流動層反応装置
及びその制御方法を提供することにある。
で、その主な目的は、反応負荷が高くなっても、良好で
均一な反応を保証しながら、反応室内の循環粒子の懸濁
密度を必要以上に増加させずに、反応室内壁の粒子によ
る摩耗を防止できる設備信頼性の高い、流動層反応装置
及びその制御方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的は本発明に
よれば、下記の手段により達成される。
よれば、下記の手段により達成される。
【0011】(1)流動層反応室、固形物分離器及び再
循環管路からなる流動層反応装置であって、流動層反応
室の底部に、反応室の底部面積より小さい断面積を有
し、循環粒子を一時的に溜める溜め升を設け、その溜め
升の底部から反応ガスを吹き込むための1次ガス供給導
管を設け、溜め升の上方で、かつ、流動層反応室の壁面
から反応ガスを吹き込むための2次ガス供給導管を設け
たことを特徴とする流動層反応装置。
循環管路からなる流動層反応装置であって、流動層反応
室の底部に、反応室の底部面積より小さい断面積を有
し、循環粒子を一時的に溜める溜め升を設け、その溜め
升の底部から反応ガスを吹き込むための1次ガス供給導
管を設け、溜め升の上方で、かつ、流動層反応室の壁面
から反応ガスを吹き込むための2次ガス供給導管を設け
たことを特徴とする流動層反応装置。
【0012】(2)前記溜め升の深さが、流動層反応室
長辺長さの0.1倍から3倍の範囲とすることを特徴と
する前記(1)項記載の流動層反応装置。
長辺長さの0.1倍から3倍の範囲とすることを特徴と
する前記(1)項記載の流動層反応装置。
【0013】(3)前記溜め升の上部を、上方へ断面積
が拡大する少なくとも1つ以上の拡大部を設けたことを
特徴とする前記(1)項記載の流動層反応装置。
が拡大する少なくとも1つ以上の拡大部を設けたことを
特徴とする前記(1)項記載の流動層反応装置。
【0014】(4)前記拡大部を傾斜面にしたことを特
徴とする前記(3)項記載の流動層反応装置。
徴とする前記(3)項記載の流動層反応装置。
【0015】(5)前記溜め升に被反応物を供給する被
反応物供給管を溜め升上部の拡大部に設けたことを特徴
とする前記(3)項記載の流動層反応装置。
反応物供給管を溜め升上部の拡大部に設けたことを特徴
とする前記(3)項記載の流動層反応装置。
【0016】(6)溜め升の上部に設けた拡大部に循環
粒子を流動させるための粒子流動用ノズルを設けたこと
を特徴とする前記(3)項記載の流動層反応装置。
粒子を流動させるための粒子流動用ノズルを設けたこと
を特徴とする前記(3)項記載の流動層反応装置。
【0017】(7)流動層反応室、固形物分離器及び再
循環管路からなる流動層反応装置であって、流動層反応
室の底部に、反応室の底部面積より小さい断面積を有
し、循環粒子を一時的に溜める溜め升を設け、その溜め
升の底部から反応ガスを吹き込むための1次ガス供給導
管を設け、溜め升の上方で、かつ、流動層反応室の壁面
から反応ガスを吹き込むための2次ガス供給導管を設け
た流動層反応装置を用い、溜め升と前記2次供給導管と
の間の粒子上昇流速を、溜め升内の上昇流速及び前記2
次ガス供給導管上部の上昇流速より遅い流速に制御する
ことを特徴とする流動層反応装置の制御方法。
循環管路からなる流動層反応装置であって、流動層反応
室の底部に、反応室の底部面積より小さい断面積を有
し、循環粒子を一時的に溜める溜め升を設け、その溜め
升の底部から反応ガスを吹き込むための1次ガス供給導
管を設け、溜め升の上方で、かつ、流動層反応室の壁面
から反応ガスを吹き込むための2次ガス供給導管を設け
た流動層反応装置を用い、溜め升と前記2次供給導管と
の間の粒子上昇流速を、溜め升内の上昇流速及び前記2
次ガス供給導管上部の上昇流速より遅い流速に制御する
ことを特徴とする流動層反応装置の制御方法。
【0018】
【作用】本発明の反応装置及び反応制御方法において
は、反応室底部の溜め升を具備し、反応室の上部に設置
した2次ガス供給導管を溜め升の上方に設ける。この構
成(図2参照)によって、粒子の混合攪拌性の良好な溜
め升部と2次ガス供給導管高さの間に、溜め升部ガス流
速(U1 )及び2次ガス供給導管上方部分ガス流速(U
o )より低いガス流速Um を得ることによって、溜め升
部から循環粒子の流動化あるいは反応用として供給され
る反応ガス流速を反応室底部の循環粒子濃厚部で急激に
減少させて濃厚部からの粒子の飛散量を増加させること
なく、溜め升内での粒子の混合攪拌性を向上させること
は勿論、2次ガス供給導管高さまでの範囲で強烈な循環
粒子の内部循環を形成させ、反応室底部に形成される粒
子濃厚部の粒子混合攪拌性を高めることができる。この
ことにより、循環粒子による設備内壁の摩耗を招くこと
なく、反応負荷が高い場合においても、良好で均一な反
応が得られる。
は、反応室底部の溜め升を具備し、反応室の上部に設置
した2次ガス供給導管を溜め升の上方に設ける。この構
成(図2参照)によって、粒子の混合攪拌性の良好な溜
め升部と2次ガス供給導管高さの間に、溜め升部ガス流
速(U1 )及び2次ガス供給導管上方部分ガス流速(U
o )より低いガス流速Um を得ることによって、溜め升
部から循環粒子の流動化あるいは反応用として供給され
る反応ガス流速を反応室底部の循環粒子濃厚部で急激に
減少させて濃厚部からの粒子の飛散量を増加させること
なく、溜め升内での粒子の混合攪拌性を向上させること
は勿論、2次ガス供給導管高さまでの範囲で強烈な循環
粒子の内部循環を形成させ、反応室底部に形成される粒
子濃厚部の粒子混合攪拌性を高めることができる。この
ことにより、循環粒子による設備内壁の摩耗を招くこと
なく、反応負荷が高い場合においても、良好で均一な反
応が得られる。
【0019】さらに、溜め升の深さを、流動層反応室長
辺長さの0.1倍から3倍の範囲とすることにより、溜
め升内での粒子の安定した流動状態を確保することがで
きる。
辺長さの0.1倍から3倍の範囲とすることにより、溜
め升内での粒子の安定した流動状態を確保することがで
きる。
【0020】溜め升の上部を、上方へ断面積が拡大する
少なくとも1つ以上の拡大部を設けたことにより、溜め
升部と2次ガス供給導管取り付け位置までの間の断面平
均ガス流速Um を任意に設定することが可能となり、循
環粒子の混合攪拌性を任意に調節することができるとと
もに、反応室底部の循環粒子濃厚部からの循環粒子の飛
散量を適正に制御することができる。
少なくとも1つ以上の拡大部を設けたことにより、溜め
升部と2次ガス供給導管取り付け位置までの間の断面平
均ガス流速Um を任意に設定することが可能となり、循
環粒子の混合攪拌性を任意に調節することができるとと
もに、反応室底部の循環粒子濃厚部からの循環粒子の飛
散量を適正に制御することができる。
【0021】拡大部を傾斜面にしたので、流動層反応室
底部の溜め升上部で循環粒子の澱みを防止することがで
きる。そして、溜め升拡大部に循環粒子を流動させるた
めの粒子流動用ノズルを設けたので、粒子の混合攪拌性
の良好な溜め升への粒子の集積を促進させることができ
る。
底部の溜め升上部で循環粒子の澱みを防止することがで
きる。そして、溜め升拡大部に循環粒子を流動させるた
めの粒子流動用ノズルを設けたので、粒子の混合攪拌性
の良好な溜め升への粒子の集積を促進させることができ
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により詳細に
説明する。石炭を空気と共に燃焼して蒸気を発生させ
た。
説明する。石炭を空気と共に燃焼して蒸気を発生させ
た。
【0023】図1は、本実施例において使用した反応装
置の概略を示す。被反応物質としては、粒状石炭1を原
燃料供給管2を介して流動層反応室3の下部に供給し
た。流動層反応室3には、1次ガス導管4及び2次空気
導管5が設けられ、反応室に供給された粒状石炭1が反
応室3内で流動状態に維持されながら燃焼する。発生し
た燃焼熱は、主として粒状石炭等の固形物に担持され、
反応室内に設置された水等の流体を循環させる配管系を
備えた冷却壁13により、系外に取り出す。
置の概略を示す。被反応物質としては、粒状石炭1を原
燃料供給管2を介して流動層反応室3の下部に供給し
た。流動層反応室3には、1次ガス導管4及び2次空気
導管5が設けられ、反応室に供給された粒状石炭1が反
応室3内で流動状態に維持されながら燃焼する。発生し
た燃焼熱は、主として粒状石炭等の固形物に担持され、
反応室内に設置された水等の流体を循環させる配管系を
備えた冷却壁13により、系外に取り出す。
【0024】燃焼によって生成した燃焼ガスは、微細な
未燃炭材、灰分等の微塵と共に、反応室3内を上昇し、
サイクロン7で微塵を分離した後、集塵機9で除塵し、
ブロワ10より系外に放出される。サイクロン7で分離
された循環粒子は、返送管11、ニューマチックバルブ
12を介して、反応室3に返送される。粒状石炭1は、
反応室3→連絡管6→サイクロン7→返送管11→ニュ
ーマチックバルブ12→反応室3を循環しながら燃焼す
る。
未燃炭材、灰分等の微塵と共に、反応室3内を上昇し、
サイクロン7で微塵を分離した後、集塵機9で除塵し、
ブロワ10より系外に放出される。サイクロン7で分離
された循環粒子は、返送管11、ニューマチックバルブ
12を介して、反応室3に返送される。粒状石炭1は、
反応室3→連絡管6→サイクロン7→返送管11→ニュ
ーマチックバルブ12→反応室3を循環しながら燃焼す
る。
【0025】反応室底部形状を図4に示す従来の形状
で、前記の装置を用いて石炭を燃焼させた場合、反応室
上方の循環粒子の懸濁密度ρ1 (=10kg/m3 )を
得るためには、1次ガス流速(U1 )は3.0m/sに
する必要があった。これに対して、反応室底部を図2に
示す溜め升構造とすることによって、前記の懸濁密度ρ
1 (=10kg/m3 )を得るのに、1次ガス流速(U
1 )を2.0m/sに低減することが可能であった。
で、前記の装置を用いて石炭を燃焼させた場合、反応室
上方の循環粒子の懸濁密度ρ1 (=10kg/m3 )を
得るためには、1次ガス流速(U1 )は3.0m/sに
する必要があった。これに対して、反応室底部を図2に
示す溜め升構造とすることによって、前記の懸濁密度ρ
1 (=10kg/m3 )を得るのに、1次ガス流速(U
1 )を2.0m/sに低減することが可能であった。
【0026】また、燃焼室底部の水平断面方向の温度分
布は、50℃の偏差が生じていたが、溜め升構造にする
ことによって、10℃以内に収めることができた。燃焼
排ガス中NOxは、O2 6%換算値で100ppmであ
ったが、溜め升構造では80ppmに低減できた。
布は、50℃の偏差が生じていたが、溜め升構造にする
ことによって、10℃以内に収めることができた。燃焼
排ガス中NOxは、O2 6%換算値で100ppmであ
ったが、溜め升構造では80ppmに低減できた。
【0027】燃焼室底部に溜め升構造を設置し、2次ガ
ス供給導管の間に拡大部を設けた本発明において、摩耗
に大きな影響を与える循環粒子の懸濁密度を増加させる
ことなく、反応室3底部の温度分布を均一化させると共
に、排ガス中NOx濃度を低く抑えることができた。
ス供給導管の間に拡大部を設けた本発明において、摩耗
に大きな影響を与える循環粒子の懸濁密度を増加させる
ことなく、反応室3底部の温度分布を均一化させると共
に、排ガス中NOx濃度を低く抑えることができた。
【0028】さらに、図2、図3(a)(b)(c)に
基づいて説明する。本発明は、流動層を利用した反応装
置において、反応室底部に循環媒体の溜め升14を具備
し、反応室の上方に設置した2次ガス供給導管15を溜
め升の上方に設けることにより、反応室の粒子の懸濁密
度17を高めることなく、循環粒子の混合攪拌性を高め
ることができる。
基づいて説明する。本発明は、流動層を利用した反応装
置において、反応室底部に循環媒体の溜め升14を具備
し、反応室の上方に設置した2次ガス供給導管15を溜
め升の上方に設けることにより、反応室の粒子の懸濁密
度17を高めることなく、循環粒子の混合攪拌性を高め
ることができる。
【0029】溜め升の幾何学形状は任意であってよい。
例えば、反応室の横断面形状が円形である場合、溜め升
の形状は円筒形又は、円錐形とすることができる等任意
に変化させることが可能である。
例えば、反応室の横断面形状が円形である場合、溜め升
の形状は円筒形又は、円錐形とすることができる等任意
に変化させることが可能である。
【0030】本発明の好ましい一構成によれば、前記溜
め升の深さDが燃焼室長辺長さLの0.1倍から3倍を
越えない寸法を設定することができる。これによって、
溜め升内での粒子の安定した流動状態を確保することが
可能となる。
め升の深さDが燃焼室長辺長さLの0.1倍から3倍を
越えない寸法を設定することができる。これによって、
溜め升内での粒子の安定した流動状態を確保することが
可能となる。
【0031】本発明の別の有利な構成では、反応室底部
の2次ガス供給導管の下方に形成される循環粒子の濃厚
層内に、少なくとも一つの反応室断面方向の拡大部18
を設ける。この構成により、溜め升部と2次ガス供給導
管取付位置までの間隔の断面平均ガス流速Um を任意に
設定することが可能であり、循環粒子の混合攪拌性を任
意に調節することができるとともに、反応室底部の粒子
濃厚部16からの循環粒子の飛散量を適正に制御するこ
とができる。
の2次ガス供給導管の下方に形成される循環粒子の濃厚
層内に、少なくとも一つの反応室断面方向の拡大部18
を設ける。この構成により、溜め升部と2次ガス供給導
管取付位置までの間隔の断面平均ガス流速Um を任意に
設定することが可能であり、循環粒子の混合攪拌性を任
意に調節することができるとともに、反応室底部の粒子
濃厚部16からの循環粒子の飛散量を適正に制御するこ
とができる。
【0032】また、反応室底部の溜め升上面での循環粒
子の淀みを防止するために、溜め升部縦断面部19に傾
斜を設けることができる。また、同様な目的で、溜め升
上面あるいは溜め升縦断面部に粒子流動用ガス20を供
給することができる。このことにより、粒子の混合攪拌
性の良好な溜め升への粒子の集積を促進させることがで
きる。
子の淀みを防止するために、溜め升部縦断面部19に傾
斜を設けることができる。また、同様な目的で、溜め升
上面あるいは溜め升縦断面部に粒子流動用ガス20を供
給することができる。このことにより、粒子の混合攪拌
性の良好な溜め升への粒子の集積を促進させることがで
きる。
【0033】反応室への被反応物の供給は、溜め升の上
方をその供給位置として選択できるが、溜め升内へ直接
供給することにより、溜め升の良好な粒子混合攪拌性を
利用することができる。
方をその供給位置として選択できるが、溜め升内へ直接
供給することにより、溜め升の良好な粒子混合攪拌性を
利用することができる。
【0034】本発明による流動層を利用した反応装置に
おいては、基本的に流動層を利用した全ての化学反応に
ついて利用できる。例えば、燃焼反応に利用した場合で
は、被反応物として全ての種類の石炭、シュレダーダス
ト及び古タイヤ等の産業廃棄物、一般廃棄物といった固
形物が挙げられる。これらの固形物の他に、流動層内に
補助的に循環粒子を供給し流動層を形成させることによ
り、コークス炉ガス等の気体、重油等の液体の形態の異
なる可燃物においても利用可能である。また、本発明の
基本原理は、流動層を利用した装置の大型化あるいは高
効率化を目的とした場合に、鉄鉱石の還元または硫化鉱
の焙焼等全ての化学反応に利用することができる。
おいては、基本的に流動層を利用した全ての化学反応に
ついて利用できる。例えば、燃焼反応に利用した場合で
は、被反応物として全ての種類の石炭、シュレダーダス
ト及び古タイヤ等の産業廃棄物、一般廃棄物といった固
形物が挙げられる。これらの固形物の他に、流動層内に
補助的に循環粒子を供給し流動層を形成させることによ
り、コークス炉ガス等の気体、重油等の液体の形態の異
なる可燃物においても利用可能である。また、本発明の
基本原理は、流動層を利用した装置の大型化あるいは高
効率化を目的とした場合に、鉄鉱石の還元または硫化鉱
の焙焼等全ての化学反応に利用することができる。
【0035】なお、本発明は前記実施例のみに限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、種々
に変更が可能であることは勿論である。
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、種々
に変更が可能であることは勿論である。
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の流動層
を利用した反応装置及びその反応方法によれば、反応室
上方の循環粒子の懸濁密度を増加させることなく、反応
室底部の粒子混合攪拌性を向上させることにより、循環
粒子による設備の摩耗を招くことなく、高い反応効率が
得られることは勿論、装置が大型化された場合において
も、局所的な反応を防止し、均一な高効率な反応を実現
させることが可能である。
を利用した反応装置及びその反応方法によれば、反応室
上方の循環粒子の懸濁密度を増加させることなく、反応
室底部の粒子混合攪拌性を向上させることにより、循環
粒子による設備の摩耗を招くことなく、高い反応効率が
得られることは勿論、装置が大型化された場合において
も、局所的な反応を防止し、均一な高効率な反応を実現
させることが可能である。
【図1】 本発明実施例で使用した装置の概略を示す。
【図2】 反応室底部溜め升形状を示す。
【図3】 反応室底部溜め升形状を示す。
【図4】 従来の流動層反応室底部形状を示す。
【図5】 従来の流動層反応室底部形状を示す。
1 粒状石炭 2 燃料供給管 3 流動層反応室 4 1次ガス供給導管 5 2次空気導管 6 連絡管 7 サイクロン(固形物分離器) 9 集塵機 10 ブロワ 11 返送管(再循環路) 12 ニューマチックバルブ 13 冷却壁 14 溜め升 15 2次ガス供給導管 16 粒子濃厚部 17 粒子の懸濁密度 18a 溜め升上部の拡大部(段付きの拡大部) 18b 溜め升上部の拡大部(傾斜面を有する拡大部) 19 溜め升上部傾斜面 20 粒子流動用ガス(ノズル) 21 1次ガス 22 2次ガス 23 押しのけ体 24 酸素含有2次ガス導入孔 25 流動層反応室底部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原尻 八郎 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新 日本製鐵株式会社機械・プラント事業部内 (72)発明者 古田 雅一 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新 日本製鐵株式会社機械・プラント事業部内 (72)発明者 日浦 文明 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新 日本製鐵株式会社機械・プラント事業部内 (72)発明者 江川 善雄 福岡県北九州市戸畑区大字中原46番地の59 日鐵プラント設計株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 流動層反応室、固形物分離器及び再循環
管路からなる流動層反応装置であって、流動層反応室の
底部に、反応室の底部面積より小さい断面積を有し、循
環粒子を一時的に溜める溜め升を設け、その溜め升の底
部から反応ガスを吹き込むための1次ガス供給導管を設
け、溜め升の上方で、かつ、流動層反応室の壁面から反
応ガスを吹き込むための2次ガス供給導管を設けたこと
を特徴とする流動層反応装置。 - 【請求項2】 前記溜め升の深さが、流動層反応室長辺
長さの0.1倍から3倍の範囲とすることを特徴とする
請求項1記載の流動層反応装置。 - 【請求項3】 前記溜め升の上部を、上方へ断面積が拡
大する少なくとも1つ以上の拡大部を設けたことを特徴
とする請求項1記載の流動層反応装置。 - 【請求項4】 前記拡大部を傾斜面にしたことを特徴と
する請求項3記載の流動層反応装置。 - 【請求項5】 前記溜め升に被反応物を供給する被反応
物供給管を溜め升上部の拡大部に設けたことを特徴とす
る請求項3記載の流動層反応装置。 - 【請求項6】 溜め升の上部に設けた拡大部に循環粒子
を流動させるための粒子流動用ノズルを設けたことを特
徴とする請求項3記載の流動層反応装置。 - 【請求項7】 流動層反応室、固形物分離器及び再循環
管路からなる流動層反応装置であって、流動層反応室の
底部に、反応室の底部面積より小さい断面積を有し、循
環粒子を一時的に溜める溜め升を設け、その溜め升の底
部から反応ガスを吹き込むための1次ガス供給導管を設
け、溜め升の上方で、かつ、流動層反応室の壁面から反
応ガスを吹き込むための2次ガス供給導管を設けた流動
層反応装置を用い、溜め升と前記2次供給導管との間の
粒子上昇流速を、溜め升内の上昇流速及び前記2次ガス
供給導管上部の上昇流速より遅い流速に制御することを
特徴とする流動層反応装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9813593A JPH06304467A (ja) | 1993-04-23 | 1993-04-23 | 流動層反応装置及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9813593A JPH06304467A (ja) | 1993-04-23 | 1993-04-23 | 流動層反応装置及びその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06304467A true JPH06304467A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14211804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9813593A Pending JPH06304467A (ja) | 1993-04-23 | 1993-04-23 | 流動層反応装置及びその制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06304467A (ja) |
-
1993
- 1993-04-23 JP JP9813593A patent/JPH06304467A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020621 |