JPH06300888A - 原子炉出力解析装置 - Google Patents

原子炉出力解析装置

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JPH06300888A
JPH06300888A JP5086405A JP8640593A JPH06300888A JP H06300888 A JPH06300888 A JP H06300888A JP 5086405 A JP5086405 A JP 5086405A JP 8640593 A JP8640593 A JP 8640593A JP H06300888 A JPH06300888 A JP H06300888A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、中性子検出器の出力信号から解析で
きる周波数範囲を広くできて、原子力出力の解析を精度
の高くする。 【構成】中性子検出器(11)の出力信号をディジタル変換
し、このディジタル信号から中性子検出器(11)の設置さ
れている周辺の局部的な原子炉出力のレベル情報を得て
原子炉のレベル解析を行ない、これと共に周波数解析回
路(25)において中性子検出器(11)の出力信号に応じた信
号を受け、この信号に対する時間的に連続的した周波数
解析を行う。このように中性子検出器(11)の出力信号か
ら周波数解析を行なうので、広い周波数範囲で原子力出
力の解析ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中性子検出器の出力信
号をディジタル演算処理して原子炉のレベル解析を行う
原子炉出力解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉施設には、原子炉監視装置や原子
炉出力解析装置等が備えられており、このうち原子炉監
視装置は、原子炉出力が上昇し、検出器出力がある設定
レベル以上となった場合に即座に原子炉を停止させるた
めの信号を発生させるもので、検出器出力に対する同時
性(リアルタイム処理)、高速応答が要求されている。
【0003】一方、原子炉出力解析装置は、原子炉監視
装置のような即時性は要求されていないため検出器出力
をできるだけ高速でサンプリングしてデータとして保持
し、必要な時にこれらデータを用いて時間密度の高い
(精度の高い)解析を行っている。この場合、解析処理
にかかる時間は上記監視装置のように制限はない。
【0004】このような原子炉出力解析装置は、原子炉
内に配置された中性子検出器の出力信号をディジタル信
号に変換し、このディジタル信号をマイクロプロセッサ
を応用したディジタル信号処理装置に送り、ここで中性
子検出器の効率及び信号変換特性等を演算係数を用いて
補正し、かつこの補正された信号に基づいて中性子検出
器の配置された周辺の原子炉出力レベルの変動等を解析
している。
【0005】このような装置では、ディジタル演算処理
により補正演算を数値演算により実行するので、演算係
数の変更管理が容易に行なえ、かつ微妙な調整も短時間
で行なえて大変簡便であり、そのうえ中性子検出器の出
力信号の大きさに応じて演算係数を自動的に変更する等
の高度な演算が容易にできる。
【0006】しかしながら、マイクロプロセッサにより
実行される演算処理は、プログラムで記述された命令を
順次実行することで実施されるため同時に複数の処理を
実行することは困難であり、かつ中性子検出器の出力信
号の入力から処理結果が得られるまでには、演算実行時
間に相当する時間遅れが発生する。
【0007】又、かかる演算処理では、中性子検出器の
出力信号をディジタル変換し、このディジタル信号を所
定のサンプリング周期でサンプリングするので、中性子
検出器の出力信号のような時間的に連続した信号は離散
的な信号となり、サンプリング周期の2分の1以上の周
波数成分を正確に出力して再現することは困難となる。
このため、入力信号に対してサンプリング周期の2分の
1以上の周波数成分を除去するためのローパスフィルタ
を用いるのが一般的となっている。
【0008】従って、かかる演算処理を適用した原子炉
出力解析装置では、中性子検出器の出力信号に含まれる
周波数情報が、サンプリング周期の2分の1以下になっ
てしまう。
【0009】現在のディジタル演算処理では、十分高速
なデータのサンプリングが可能であるため、原子炉出力
を監視する上に問題はない。しかしながら、個々の中性
子検出器の周波数成分を解析して原子炉の異常の前兆を
検出しようとする原子炉出力解析装置では、解析できる
周波数範囲が狭くなり、精度の高く原子力出力を解析す
ることが困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように中性子検
出器の出力信号に含まれる周波数情報がサンプリング周
期の2分の1以下になって解析できる周波数範囲が狭く
なり、精度の高く原子炉出力を解析することが困難であ
る。
【0011】そこで本発明は、中性子検出器の出力信号
から解析できる周波数範囲を広くできて、原子炉出力の
解析を精度の高くできる原子炉出力解析装置を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、中性子検出器
の出力信号をディジタル変換し、このディジタル信号か
ら中性子検出器の設置されている周辺の局部的な原子炉
出力のレベル情報を得て原子炉のレベル解析を行う原子
炉出力解析装置において、中性子検出器の出力信号を受
け、この出力信号に対する時間的に連続的した周波数解
析を行う時間情報解析手段を備えて上記目的を達成しよ
うとする原子炉出力解析装置である。
【0013】これは上記の如く原子炉監視装置において
検出器出力がある設定レベル以上となった場合に即座に
原子炉を停止させるために、検出器出力に対する同時性
(リアルタイム処理)、高速応答が要求され、又、原子
炉出力解析装置において検出器出力をできるだけ高速で
サンプリングしてデータとして保持し、必要な時にこれ
らデータを用いて時間密度の高い(精度の高い)解析を
行うことから達成できる。
【0014】
【作用】このような手段を備えたことにより、中性子検
出器の出力信号をディジタル変換し、このディジタル信
号から中性子検出器の設置されている周辺の局部的な原
子炉出力のレベル情報を得て原子炉のレベル解析を行な
い、これと共に時間情報解析手段において中性子検出器
の出力信号を直接受け、この出力信号に対する時間的に
連続的した周波数解析を行う。このように中性子検出器
の出力信号から周波数解析を行なうので、広い周波数範
囲で原子炉出力の解析ができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1は原子炉出力解析装置の基本的な構
成図である。原子炉内に配置された中性子検出器1の出
力信号は測定手段2に送られている。
【0016】この測定手段2は、中性子検出器1の出力
信号をディジタル演算処理可能な信号形態に変換し、こ
の後に中性子検出器1の設置された位置周辺の局部的な
原子炉出力に比例した値に変換する機能を有するもの
で、信号形態変換部3及びディジタル演算処理部4から
構成されている。
【0017】このうち信号形態変換部3は、中性子検出
器1の出力信号をディジタル演算処理可能な信号形態に
変換するものであり、ディジタル演算処理部4は、中性
子検出器1の検出効率及び測定手段2における信号変換
特性を演算係数を用いて補正演算して、中性子検出器1
の設置された位置周辺の局部的な原子炉出力に比例した
値に変換する機能を有している。
【0018】解析手段5は、測定手段2からのディジタ
ル信号を受け、中性子検出器1の設置されている周辺の
局部的な原子炉出力のレベル情報に基づいて原子炉のレ
ベル解析を行う機能を有するものである。
【0019】具体的には各記録部6、7が設けられ、こ
のうち一方の記録部6はディジタル演算処理部4の演算
処理に用いられる演算係数を受けて記録するものであ
り、他方の記録部7は信号形態変換部3の出力信号、つ
まりディジタル演算処理する前の中性子検出器1の出力
信号に応じた信号を入力して順次記録するものである。
【0020】乗算部8は、記録部7に記憶されているデ
ィジタル演算処理する前の中性子検出器1の出力信号に
応じた信号に対して記録部6に記憶されている演算係数
を乗算してレベル解析部9に送る機能を有するものであ
る。
【0021】このレベル解析部9は、乗算部8の乗算結
果を受け、この乗算結果を用いて原子炉出力レベルの変
動を解析する機能を有するものである。又、時間情報解
析部10は、記録部7に記憶されているディジタル演算
処理する前の中性子検出器1の出力信号に応じた信号、
又は乗算部8の乗算結果のうちいずれか一方又は両方を
受けて信号周波数等の時間情報の解析を行なう機能を有
している。
【0022】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。中性子検出器1の出力信号は信号形態変
換部3に送られる。この信号形態変換部3は、中性子検
出器1の出力信号をディジタル演算処理可能な信号形態
に変換し、ディジタル演算処理部4及び記録部7に送出
する。
【0023】このうちディジタル演算処理部4は、中性
子検出器1の検出効率及び測定手段2における信号変換
特性を演算係数を用いて補正演算して、中性子検出器1
の設置された位置周辺の局部的な原子炉出力に比例した
値に変換し、かつこのとき用いた演算係数を記録部6に
送出する。
【0024】これにより、記録部6には、ディジタル演
算処理部4の演算処理に用いられた演算係数が逐次記録
される。一方、記録部7には、信号形態変換部3の出力
信号、つまりディジタル演算処理する前の中性子検出器
1の出力信号に応じた信号が順次記録される。この信号
は、中性子検出器1の出力信号と同等の周波数情報を含
んでいる。
【0025】このような状態に、乗算部8は、記録部7
に記憶されているディジタル演算処理する前の中性子検
出器1の出力信号に応じた信号に対して記録部6に記憶
されている演算係数を乗算してレベル解析部9に送る。
【0026】このレベル解析部9は、乗算部8の乗算結
果を受け、この乗算結果を用いて原子炉出力レベルの変
動を解析する。又、時間情報解析部10は、記録部7に
記憶されているディジタル演算処理する前の中性子検出
器1の出力信号に応じた信号、又は乗算部8の乗算結果
のうちいずれか一方又は両方を受けて信号周波数等の時
間情報の解析を行なう。
【0027】このような解析装置であれば、中性子検出
器1の設置されている位置周辺の局部的な原子炉出力に
比例した正確な値を得ることができ、この値から原子炉
出力レベルの正確なレベル解析ができる。
【0028】又、ディジタル演算処理する前の中性子検
出器1の出力信号に応じた信号を用いて信号周波数等の
時間情報の解析を行なうので、広い周波数範囲で周波数
解析ができ、かつ中性子検出器1の出力信号に対して実
時間で周波数解析ができる。この場合、信号の時間的な
相対変化量が用いられ絶対値としての精度が要求されな
いので、演算係数による補正前の信号を用いても正確な
周波数解析ができる。
【0029】次に原子炉出力解析装置の具体的な実施例
について図2に示す原子炉出力解析装置の構成図を参照
して説明する。原子炉内に配置された中性子検出器11
の出力信号は測定手段12に送られている。
【0030】この測定手段12には、電流・電圧信号変
換回路13が設けられ、これにより中性子検出器11か
らの電流信号がそれに応じた電圧信号に変換され、次の
A/D変換回路14によりディジタル演算処理可能な信
号形態に変換されてディジタル演算処理回路15に送ら
れるようになっている。
【0031】このディジタル演算処理回路15は、A/
D変換回路14からのディジタル電圧信号に対して、中
性子検出器11の検出感度と電流・電圧信号変換回路1
3及びA/D変換回路14における変換特性の演算係数
とから求められる演算係数を乗算し、この乗算により中
性子検出器11の設置されている位置周辺の原子力出力
に比例した信号を求める機能を有している。
【0032】このディジタル演算処理回路15にはデー
タ伝送回路16が接続され、ディジタル演算処理回路1
5の演算処理に用いられた演算係数がデータ伝送回路1
6により解析手段17に伝送されるようになっている。
【0033】この解析手段17には、データ受信回路1
8が設けられ、これによりデータ伝送回路16から伝送
された演算係数を受信してデータ記録回路19に送られ
るようになっている。
【0034】又、A/D変換回路20が設けられ、ここ
で電流・電圧信号変換回路13から出力される中性子検
出器11の出力信号に応じた電圧信号がディジタル変換
されてデータ記録部21に送られるようになっている。
【0035】これらデータ記録部19、21には、時刻
管理回路22が接続され、時刻情報とともに演算係数、
中性子検出器11のディジタル出力信号がそれぞれ記録
されるようになっている。
【0036】乗算回路23は、時刻情報に基づいてデー
タ記録部19から演算係数を読み出すとともにデータ記
録部21から中性子検出器11のディジタル出力信号を
読み出し、これら演算係数とディジタル電圧信号とを乗
算し、中性子検出器11の設置されている位置周辺の原
子力出力に比例した信号を求める機能を有している。
【0037】レベル解析回路24は、乗算回路23の乗
算結果を受け、この乗算結果を用いて原子炉出力レベル
の変動を解析し、リアルタイムトレース等の事象解析を
行なう機能を有している。
【0038】又、周波数解析回路25は、データ記録部
21に記憶されているディジタル電圧信号、又は乗算回
路23の乗算結果のうちいずれか一方又は両方を受けて
信号周波数等の時間情報の解析を行なう機能を有してい
る。
【0039】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。中性子検出器11の出力信号は、電流・
電圧信号変換回路13により電圧信号に変換され、次に
A/D変換回路14によりディジタル変換されてディジ
タル演算処理回路15に送られる。
【0040】このディジタル演算処理回路15は、A/
D変換回路14からのディジタル電圧信号に対して、中
性子検出器11の検出感度と電流・電圧信号変換回路1
3及びA/D変換回路14における変換特性の演算係数
とから求められる演算係数を乗算し、この乗算により中
性子検出器11の設置されている位置周辺の原子力出力
に比例した信号を求め、かつこの演算処理に用いた演算
係数をデータ伝送回路16に送る。このデータ伝送回路
16は、受け取った演算係数を解析手段17に伝送す
る。
【0041】この解析手段17では、データ受信回路1
8により受信した演算係数をデータ記録部19に送るの
で、このデータ記録部19は演算係数を時刻管理回路2
2からの時刻情報とともに記録する。
【0042】一方、電流・電圧信号変換回路13から出
力される電圧信号は、解析手段17のA/D変換回路2
0によりディジタル変換されてデータ記録部21に送ら
れる。このデータ記録部21は、ディジタル電圧信号を
時刻管理回路22からの時刻情報とともに記録する。
【0043】この状態に、原子炉において特定の事象が
発生した場合、乗算回路23は、時刻情報に基づいてデ
ータ記録部19から演算係数を読み出すとともにデータ
記録部21から中性子検出器11のディジタル出力信号
を読み出し、これら演算係数とディジタル電圧信号とを
乗算し、中性子検出器11の設置されている位置周辺の
原子力出力に比例した信号を求める。
【0044】そして、レベル解析回路24は、乗算回路
23からの乗算結果を用いて原子炉出力レベルの変動を
解析し、リアルタイムトレース等の事象解析を行なう。
一方、周波数解析回路25は、データ記録部21に記憶
されているディジタル電圧信号、又は乗算回路23の乗
算結果のうちいずれか一方又は両方を受けて信号周波数
等の時間情報の解析を行なう。
【0045】このように上記一実施例においては、中性
子検出器11の出力信号をディジタル変換して中性子検
出器11の設置されている周辺の局部的な原子炉出力の
レベル情報を得て原子炉のレベル解析を行ない、これと
共に中性子検出器11の出力信号に対する時間的に連続
的した周波数解析を行うようにしたので、中性子検出器
1の設置されている位置周辺の局部的な原子炉出力に比
例した正確な値を得ることができ、この値から原子炉出
力レベルの正確なレベル解析ができる。
【0046】又、広い周波数範囲で実時間に周波数解析
ができる。この場合、信号の時間的な相対変化量が用い
られ絶対値としての精度が要求されないので、演算係数
による補正前の信号を用いても正確な周波数解析ができ
る。
【0047】なお、本発明は上記一実施例に限定される
ものでなくその要旨を変更しない範囲で変形してもよ
い。例えば、上記一実施例では、演算係数を測定手段1
2から解析手段17に伝送しているが、これに代わり測
定手段から原子炉出力を解析手段17に伝送し、解析手
段17において原子炉出力とデータ記録部21に記憶さ
れているディジタル電圧信号とから演算係数を逆算し、
この演算係数を用いて解析手段17で補正演算を行なう
ようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、中
性子検出器の出力信号から解析できる周波数範囲を広く
できて、原子力出力の解析を精度の高くできる原子炉出
力解析装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる原子炉出力解析装置の基本構成
図。
【図2】本発明に係わる原子炉出力解析装置の一実施例
を示す構成図。
【符号の説明】
1…中性子検出器、2…測定手段、3…信号形態変換
部、4…ディジタル演算処理部、5…解析手段、6,7
…記録部、8…乗算部、9…レベル解析部、10…時間
情報解析部、11…中性子検出器、12…測定手段、1
3…電流・電圧信号変換回路、14…A/D変換回路、
15…ディジタル演算処理回路、16…データ伝送回
路、17…解析手段、18…データ受信回路、19,2
1…データ記録回路、20…A/D変換回路、22…時
刻管理回路、23…乗算回路、24…レベル解析回路、
25…周波数解析回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中性子検出器の出力信号をディジタル変
    換し、このディジタル信号から前記中性子検出器の設置
    されている周辺の局部的な原子炉出力のレベル情報を得
    て原子炉のレベル解析を行う原子炉出力解析装置におい
    て、 前記中性子検出器の出力信号を受け、この出力信号に対
    する時間的に連続的した周波数解析を行う時間情報解析
    手段を備えたことを特徴とする原子炉出力解析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001051090A (ja) * 1999-08-05 2001-02-23 Toshiba Corp 原子炉中性子監視装置および原子炉中性子監視システム
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KR101219852B1 (ko) * 2011-05-09 2013-01-09 한국원자력연구원 Fpga를 이용한 원자로 보호 계통의 비교 논리 모듈 장치 및 비교 논리 모듈 장치의 동작 방법

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