JPH0630068Y2 - 浴槽水、鑑賞水等の▲ろ▼過装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、主として家庭用の浴槽においての浴槽水を
清浄化して再使用可能にし、また、浴槽壁面の湯垢等の
除去、更には洗濯用水等に再利用するときでの送水器と
しても利用できるばかりでなく、熱帯魚その他を飼育鑑
賞する鑑賞用水槽内の鑑賞水の過にも好適である多目
的な浴槽水、鑑賞水等の過装置に関する。

（従来の技術） 入浴使用後の浴槽水は、省エネルギーの観点からの再使
用、また、水資源の有効利用を促進する上からの種々な
用途への再利用を図ることが望ましく、そのためには、
湯垢、髪毛その他によって汚れている入浴使用後の浴槽
水を清浄にする必要がある。

こうした点から、従来、種々な浴槽水の浄化装置が提供
されている。

例えば第１の浄化装置は、水中ポンプを利用した浄化装
置を浴槽内に設置するようにしたものであり、例えば特
公昭５６−１１０２４号公報、実公昭５７−８８９０号
公報等のものである。

第２のものとして、水中ポンプを利用したハンデイ形式
のものとし、その吸込口にブラシ等の湯垢除去部材を付
設したものであり、例えば実公昭５５−４６２６９号公
報、実開昭６１−７１２０８号公報、実開昭６３−７１
８７０号公報、実開昭６３−１３３３１２号公報、実開
平１−７３３０９号公報等のものである。

第３のものとして、流水圧力または空気圧力を利用した
ものであり、例えば実公昭５６−３３６２７号公報、実
開昭５７−８２９１４号公報、実開昭６１−１１０３５
４号公報等のものである。

また、第４のものとして、浴槽内壁面をブラシ掛けする
ものであり、例えば実開昭５９−６５６６８号公報、実
公昭６０−１６３６６号公報等のものである。

（考案が解決しようとする課題） ところが、このような従来から提供されている浴槽水浄
化用の機器は、いずれも浄化性能が十分なものではな
く、例えば浴槽水を浄化できても浴槽壁面に付着してい
る湯垢等を除去しなければ快適な入浴は困難である。

例えば第１のものは、単に浴槽水を水中ポンプによって
循環させる途中で過するにすぎないから、付着した湯
垢等の除去は不可能である。

また、第２ものは、浴槽内での浴槽水を水中ポンプによ
って循環させる途中でフイルターによって過できて
も、吸込口に付設されている湯垢除去部材を底壁面に単
に摺接させることによっては、付着されている湯垢等は
十分に除去することはできない。

流水圧力を利用する第３のものは、例えば浴槽水供給用
蛇口に連結したホース先端を浴槽水中に配置し、その流
水圧力によって浴槽水を循環させる途中で過するか
ら、供給される浴槽水によって浴槽が満水になるとそれ
以上の使用は不可能である。また、空気圧力の利用は、
浴槽水を過するフイルターの過抵抗によって十分に
強制的な循環作用が得られず、浄化能力に限界がある。

ブラシ掛け構造の第４のものは、装置が大掛かりで、一
般家庭での使用には適当ではなく、簡易な利用は困難で
ある。

また、実開昭５６−６２９０号公報、実公昭６３−３７
０５８号公報のように、浴槽外に設置された過装置に
よるものは、特別な設置場所を確保する必要があり、そ
の設備費用が掛かるばかりでなく、場合によっては大掛
かりな改築を必要とする。

そこで、この考案は、叙上のような従来存した諸事情に
鑑み案出されたもので、入浴使用後の浴槽水を浴槽内で
循環させるだけで極めて簡易に清浄化でき、また、浴槽
壁面に付着している湯垢等をブラシの強制的な回転作用
によって確実に剥離除去し、更にはその循環流路の切替
えによって浴槽外に浴槽水を送水して清浄化されたそれ
の再利用を可能とさせるばかりでなく、熱帯魚その他を
飼育鑑賞する鑑賞用水槽内の鑑賞水を排水交換すること
なく、簡単に過するにも好適であり、しかも、コンパ
クトで取扱いが容易な浴槽水、鑑賞水等の過装置の提
供を目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 上述した目的を達成するため、この考案にあっては、被
浄化水上に外出する通水パイプ４０下端に被浄化水中に
配置されるハウジング１を連結し、このハウジング１に
は、被浄化水を吸い込む吸込機構５、水槽（Ｗ）壁面に
付着している水垢等を剥離するブラシ機構１０、吸い込
まれた被浄化水、水垢等を過する過機構３０を内蔵
配置し、吸込機構５は、ハウジング１下端に開口形成し
た吸込口２に配置したインペラ６をモータ７駆動にて回
転させるようにして成り、ブラシ機構１０は、吸込口２
下方に配されたブラシ体１１をモータ１２駆動にて回転
させるようにして成り、過機構３０は、ハウジング１
上部に区画形成された過室３１内にフイルターを配装
し、過室３１下部は吸込口２側に、過室３１上部は
通水パイプ４０に夫々連通し、過室３１には過後の
被浄化水を排出する開閉可能な吐出口３３を開口形成し
て成り、通水パイプ４０先端は送水吐出口４２となって
いて、この送水吐出口４２は開閉自在なキャップ４３に
よって閉塞されていることを特徴とする。

また、ブラシ体１１は、ハウジング１下部に区画形成し
た吸込室８下端外周にフリーな回転を可能にして係合支
持させた筒状乃至ドーナツ状のブラシベース１３内部
に、ほぼ放射状に配列された複数のブラシアーム１４下
面にブラシ毛１５を植設し、ブラシアーム１４相互間の
空隙は吸込口２に通じる被浄化水の吸い込み案内空隙と
して構成することができる。

更に、通水パイプ４０上部は、側面から見てほぼ逆角Ｕ
字状に形成されたハンドル部４１として構成することが
できる。

（作用） この考案に係る浴槽水、鑑賞水等の過装置にあって
は、吸込機構５、ブラシ機構１０の各モータ７，１２の
駆動によりインペラ６、ブラシ体１１夫々を回転させ、
浴槽Ｗ、鑑賞用水槽等の水槽内の浴槽水その他の被浄化
水中にハウジング１を装入し、ブラシ体１１を水槽
（Ｗ）壁面に摺接させる。

そうすると、回転するブラシ体１１は、水槽（Ｗ）壁面
に付着されている湯垢その他の水垢等を剥離させ、被浄
化水中に浮游させる。浮游された水垢、被浄化水中にあ
る髪毛その他の汚染物等は、インペラ６の吸い込み作用
によって吸込口２を経て被浄化水と共に吸い込まれる。

吸い込まれた被浄化水は、過機構３０内に送り込ま
れ、過機構３０内のフイルター３２は、汚染物を捕捉
し、被浄化水を過して吐出口３３から再び被浄化水中
に吐き出す。

一方、通水パイプ４０は、そのハンドル部４１を持つこ
とにより、ハウジング１を水槽（Ｗ）内で移動操作で
き、吸込機構５による吸い込み、ブラシ機構１０による
水垢等の剥離除去は、水槽（Ｗ）壁面に対して順次行な
うことができる。

また、開放した送水吐出口４２に送水ホース４４を接続
する一方、吐出口３３を閉塞し、ハンドル部４１を水槽
（Ｗ）壁上端に係合しておくと、吸込機構５によって吸
い込まれた被浄化水は、過機構３０によって過清浄
された状態で洗濯機等の所定の場所に供給送水できる。

ハンドル部４１は、不使用時に適当な場所に係合支持さ
せることで、この考案過装置を保管しておくことがで
きる。

（実施例） 以下、図面を参照してこの考案の一実施例を、浴槽水の
過に使用する場合として説明する。

＜概要＞ 図において示される符号１は浴槽Ｗ内に満たされている
浴槽水中に配置されるハウジングであり、このハウジン
グ１は、浴槽水上に外出する操作用の取っ手を兼ねる通
水パイプ４０下端に連結されている。

ハウジング１には、浴槽水を吸い込み吸込機構５、浴槽
Ｗ壁面に付着している湯垢等を剥離するブラシ機構１
０、吸い込まれた浴槽水、湯垢等を過する過機構３
０が内蔵されている。

通水パイプ４０は、浴槽水を浴槽Ｗ外に送水するときの
ガイドともなり、また、この考案過装置を使用しない
ときでの吊下げ格納用の係合部ともなる。

＜ハウジング＞ ハウジング１には、その下部に吸込機構５、ブラシ機構
１０が、また、上部に過機構３０が夫々設けられ、ハ
ウジング１自体は、浴槽水中に配置される高さを有して
いて、特に、過機構３０における吐出口３３が浴槽水
上には外出配置されない程度のものとされる。

また、このハウジング１自体は、内蔵されている吸込機
構５、ブラシ機構１０、過機構３０夫々に水密性を維
持して組立分解可能にされ、吸込機構５、ブラシ機構１
０夫々の電源となる充電池２６の交換、過機構３０の
フイルター３２の交換等が可能になるようにしてある。

＜吸込機構＞ 吸込機構５は、ハウジング１下端に開口形成した吸込口
２に配置したインペラ６を吸込み用のモータ７にて回転
させるようにして成り、従来から提供されている公知の
水中ポンプのものと基本的には大きく異ならない（第２
図、第３図参照）。

図示にあっての吸込機構５は、ハウジング１下部に区画
形成された吸込室８内に配置され、この吸込室８上部に
固定したモータ７のモータ軸下端にインペラ６を固着し
てあり、インペラ６の回転は、吸込口２下方の浴槽水を
吸込み、ハウジング１上部に配置されている過機構３
０に送水するようになっている。

＜ブラシ機構＞ また、ブラシ機構１０は、前記吸込口２下方に配された
ブラシ体１１をブラシ用のモータ１２にて回転させるよ
うにして成り、ブラシ体１１自体は、吸込機構５の吸い
込み作用を阻害しないように考慮される。

ブラシ体１１は、第３図、第４図に示すように、前記吸
込室８下端外周にフリーな回転を可能にして係合支持さ
せた筒状乃至ドーナツ状のブラシベース１３内部に、ほ
ぼ放射状に配列された複数のブラシアーム１４下面にブ
ラシ毛１５を植設したものであり、ブラシアーム１４相
互間の空隙は吸込口２に通じる浴槽水の吸い込み案内空
隙となっている。

このブラシ体１１においてのブラシベース１３の吸込室
８下端外周との係合は、例えば吸込室８下端外周に設け
られた溝部８Ａに、吸込室８下端外周を覆うブラシベー
ス１３内周に設けた係合突部１３Ｂを強制的に嵌め合わ
せることで行なわれる。

また、ブラシ体１１のブラシアーム１４は、ブラシ体１
１自体の回転方向に対して平面から見て凹状に窪んでお
り（第４図参照）、ブラシ毛１５が摺接することで浴槽
Ｗ底壁面から剥離させる湯垢等を吸込口２へ円滑に送
り、案内するようになっている。

そして、ブラシ体１１は、吸込室８上方に水密状で区画
形成したモータ室内に配置固定したモータ１２の駆動力
を伝達する伝動手段１６を介して回転される。図示例の
伝動手段１６は、モータ１２駆動力にて回転されるウォ
ームギヤ１７を介してドライブシャフト１８を回転さ
せ、吸込室８下方に突出させたドライブシャフト１８下
端に固着されているドライブギヤ１９を、前記ブラシベ
ース１３内周に形成したインナーギヤ２１に噛み合わせ
て成る。

なお、図示のドライブシャフト１８は、吸込室８内に配
される関係上、吸込口２から吸い込まれる浴槽水の流入
影響を受けないように区画壁２２によって区画される。

もとより、この伝動手段１６は、図示例に限定されるも
のではなく、種々に変更可能であるのは勿論である。

更に、吸込口２には、例えば鑑賞用水槽内の敷石その他
を吸い込まないように、着脱自在、交換可能な防護ネッ
ト２３を配装してある。

＜電源＞ また、吸込機構５のモータ７及びブラシ機構１０のモー
タ１２夫々の電源は、本実施例にあっては、ハウジング
１のほぼ中央部である。ブラシ機構１０と過機構３０
との間に配した電池室２５内に収納した充電池２６によ
るものとしてある。

この充電池２６は、図示を省略したが、例えば折り畳み
自在なプラグを有するものとし、過機構３０との間で
組立分解されることで開放される電池室２５に交換可能
にして収納される。また、この充電池２６は、例えば断
面においてほぼ三日月形状として、その内側に、後述す
る過室２６下部と吸込口２とを連通させる通水路２９
を電池室２５内に形成できるようにしてある。

電池室２５自体は、第２図に示すように、過室３１下
部との間に縮装したスプリング２７の弾圧作用によって
支持される押さえ蓋２８を介して水密的に封止される。
また、この押さえ蓋２８のほぼ中央には、通水路２９パ
イプを挿通させる挿通孔が開穿されている。

なお、３は、モータ７、モータ１２の駆動、停止を各別
に制御するスイッチである。

もとより、かかる電源は、図示例のような充電池２６あ
るいは乾電池によらずに、例えば商用電源のコンセント
から供給されるようにすることも可能である（図示せ
ず）。

＜過機構＞ 過機構３０は、ハウジング１上部に区画形成された
過室３１内にフイルター３２を配装し、過室３１下部
は吸込口２側に、過室３１上部は通水パイプに夫々連
通し、過室３１には過後の浴槽水を排出する吐出口
３３を開口形成して成る。

図示の吐出口３３は、過室３１のほぼ中央位置である
室壁に開口形成され、これによる浴槽水の吐き出し方向
は、後述するように、通水パイプ４０におけるハンドル
部４１部分側に合致対応するようにしてあり、吐き出さ
れる浴槽水による撹乱によって清浄化しようとする浴槽
Ｗ底壁側を見るのが困難なものとならないようにしてあ
る。

フイルター３２は、例えば海綿状のスポンジ樹脂として
あり、汚染物を捕捉し、浴槽水を過することにより汚
染された場合には、過室３１を開放することで交換で
きるようにしてある。フイルター３２自体は、公知の素
材の種々なものから選択使用でき、それらの各種のもの
の組合せとし、多孔板、ネット素材等によって覆われ
る。

また、この過室３１内には、所定の芳香を発生する芳
香剤３４を装入することもでき、過清浄後の浴槽水に
適当な香りを付すことができ、例えば檜の香りであるフ
ィトンチットを使用して森林風の香りを醸し出すように
する。

＜通水パイプ＞ 以上のように、吸込機構５、ブラシ機構１０、電池室２
５、過機構３０が設けられているハウジング１を操作
する通水パイプ４０の内部は、過清浄後の浴槽水が通
水可能なようになっている。

この通水パイプ４０自体は、ハウジング１上部に対しや
や傾斜した状態で着脱自在に連結されており、その傾斜
は、浴槽Ｗ外からの清浄作業を行なう作業者が、ハウジ
ング１下端を浴槽Ｗ底壁面に摺接させるに無理な姿勢と
なることがないようなものとして配慮される。また、こ
の通水パイプ４０自体は適当数に分解され、組立連結さ
れることで、長短の調整、更には例えば浴槽水面での浮
游式にしたハウジング１のみでの使用を可能にさせるよ
うにする。

そして、この通水パイプ４０上部は、図示のように、側
面から見てほぼ逆角Ｕ字状に形成されたハンドル部４１
となっている。このハンドル部４１を手指等でしっかり
持つことによって、浴槽水中におけるハウジング１の各
方向への移動操作を容易にするばかりでなく、不使用時
には、この考案過装置自体を適当な場所に掛けておく
ことができる。

また、通水パイプ４０先端、すなわちハンドル部４１下
端は送水吐出口４２となっていて、この送水吐出口４２
は開閉自在なキャップ４３によって閉塞されている。

そこで、キャップ４３を外し、送水吐出口４２に適当な
送水ホース４４を接続する一方、前記吐出口３３を閉塞
キャップ４５にて閉塞することで、吸込機構５によって
吸い込まれた浴槽水は、過機構３０によって過清浄
された状態で適当な場所に送水でき、例えば洗濯用水と
しての利用を可能にする（第２図参照）。このとき、ハ
ンドル部４１を浴槽Ｗ壁上端に係合することで、ハウジ
ング１自体は移動せずに固定され、また、ハンドル部４
１自体がほぼ逆角Ｕ字状に形成されていることと相俟
ち、その送水圧力によっても浴槽Ｗ壁上端から外れるこ
ともない。

なお、図中符号４６は、通水パイプ４０上部にその側方
へ付設された補助ハンドルである。

＜その他＞ ５０は、ハウジング１上部外面に付設された除去ネット
であり、浴槽水面近くの浮游物を掬い取り、除去できる
ようにしてある。

また、ハウジング１、通水パイプ４０夫々の素材は、湯
温に耐え得る耐熱性の、例えばポリプロピレン樹脂、塩
化ビニール樹脂等とする。

＜他の実施例＞ 更に、浴槽Ｗ周囲側壁内面をブラシするようアダプター
を介しての各種アタッチメントの接続も可能である（図
示せず）。

送水ホース４４末端にシャワー用器具を取り付けること
で、シャワーとしての使用も可能である。

＜使用の一例＞ 次に、これが使用の一例を、浴槽水の過その他に使用
する場合として説明すると、スイッチ３の投入によって
吸込機構５、ブラシ機構１０の各モータ７，１２を駆動
させ、インペラ６、ブラシ体１１夫々を回転させる。

このように、インペラ６、ブラシ体１１を回転させた状
態で浴槽水中にハウジング１を装入し、ブラシ体１１を
浴槽Ｗ壁面に摺接させる。そうすると、回転するブラシ
体１１は、浴槽Ｗ壁面に付着されているいわゆるヌメリ
である湯垢等を剥離させ、浴槽水中に浮游させるものと
し、浮游された湯垢等は、インペラ６の吸い込み作用に
よって吸込口２を経て吸込室８内に浴槽水と共に吸い込
まれ、また、浴槽Ｗ底部近くにある髪毛その他の汚染物
も吸い込まれる。

吸込室８内に吸い込まれた浴槽水は、通水路２９を経て
過機構３０内に送り込まれ、そのフイルター３２によ
って過された後、吐出口３３から再び浴槽水中に吐き
出される。

吸込機構５による吸い込み、ブラシ機構１０による湯垢
等の剥離除去は、ハンドル部４１を持っての通水パイプ
４０自体の移動操作によって浴槽Ｗ底壁面を順次行な
う。

また、場合によっては、ハウジング１上部外面に付設さ
れた除去ネット５０を使用し、浴槽水面近くの浮游物を
掬い上げ、除去する。

使用に伴ない、フイルター３２清浄性能が劣化してきた
場合には、過室３１を開放してフイルター３２を交換
する。

また、浴槽水を例えば洗濯用水として利用する場合に
は、キャップ４３を外した送水吐出口４２に、洗濯機に
連絡される送水ホース４４を接続する一方、吐出口３３
を閉塞キャップ４５にて閉塞し、ハンドル部４１を浴槽
Ｗ壁上端に係合しておく。すると、吸込機構５によって
吸い込まれた浴槽水は、過機構３０によって過清浄
された状態で洗濯機に供給送水できる。

不使用時は、ハンドル部４１によって適当な場所に係合
支持しておくものである。

（考案の効果） この考案は、以上説明したように構成されており、その
ため、浴槽、鑑賞用水槽その他の各種水槽（Ｗ）内の浴
槽水、鑑賞水その他の被浄化水をこの考案過装置を経
て水槽（Ｗ）内で循環させることで、入浴使用後の汚れ
た浴槽水、熱帯魚等の糞尿で汚れた鑑賞水その他の各種
被浄化水を清浄化でき、しかも、その清浄作業中で湯
垢、髪毛その他の各種汚染物を除去でき、特に、底壁面
近くのそれらを極めて効率よく除去することができる。

すなわち、ブラシ機構１０においてのブラシ体１１が水
槽（Ｗ）壁面に摺接状態で回転されると、水槽（Ｗ）壁
面に付着されている水垢等を剥離させ、被浄化水中に浮
游させるのであり、しかも、その剥離作用は、強制回転
されるブラシ体１１によるから確実である。それと共
に、吸込機構５における吸い込み作用によって、剥離さ
れた水垢等は被浄化水中に拡散浮游されることなく、ハ
ウジング１内に確実に吸い込まれるのであり、その他の
髪毛等の汚染物と共に過機構３０によって過され、
捕捉されるのである。

また、ブラシ体１１は、ハウジング１下部の吸込室８外
周にフリー回転で係合支持させたブラシベース１３内部
に、ほぼ放射状に配列された複数のブラシアーム１４に
ブラシ毛１５を植設し、ブラシアーム１４相互間の空隙
は吸込口２に通じる被浄化水の吸い込み案内空隙として
あるから、ブラシ毛１５が摺接することで水槽（Ｗ）壁
面から剥離させる水垢等を吸込口２へ円滑、確実に送
り、案内するのであり、被浄化水中に拡散させることは
ない。

過機構３０によって過された被浄化水は、被浄化水
中に配置されるハウジング１の吐出口３３から吐き出さ
れるから、被浄化水面を撹乱させることがなく、作業者
が被浄化水中を常時確実にみることができ、特に、底壁
面等の水垢等の除去状況を把握するのを容易にする。

一方、通水パイプ４０は、そのハンドル部４１を持つこ
とにより、各機構５，１０，３０を内蔵したハウジング
１を水槽（Ｗ）内で移動操作できるものである。そし
て、水槽（Ｗ）壁面に付着している水垢等の剥離除去
は、ブラシ機構１０により、また、吸込機構５による吸
い込みによって順次行なうことができ、ハウジング１の
移動によって簡単に、しかも、必要部分を部分的にでも
行なうことができる。

また、ハンドル部４１先端の送水吐出口４２を開放して
送水ホース４４を接続する一方、ハウジング１の吐出口
３３を閉塞することによって、吸込機構５によって吸い
込まれた被浄化水は、過機構３０によって過清浄さ
れた状態で洗濯機等の所定の場所に供給送水でき、例え
ば浴槽水の多用途の利用を容易にし、省資源に役立つ。
このとき、側面から見てほぼ逆角Ｕ字状に形成されたハ
ンドル部は、これを浴槽Ｗ壁上端に係合しておくことが
でき、ハウジング１の浴槽水中での位置決め固定を確実
なものとする。

更に、ハンドル部４１は、不使用時に適当な場所に係合
支持させることができ、不使用時にこの考案過装置を
保管させるのに場所を取らず、便利である。

この考案過装置は、浴槽内の洗浄、浴槽水の過、撹
拌によっての浴槽水の浄化のみならず、鑑賞用水槽、庭
池等の鑑賞水その他の各種被浄化水の洗浄過にも使用
でき、大型化することでプールの清掃も可能であり、ま
た、ハウジング１のみを浮游させることで、例えば大型
温泉での自動湯垢除去装置としての利用も可能である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は使用
状態の斜視図、第２図は要部を切り欠いた側面図、第３
図は要部断面図、第４図は一部を省略した底面図であ
る。 Ｗ…浴槽。 １…ハウジング、２…吸込口、３…スイッチ。 １０…ブラシ機構、１１…ブラシ体、１２…モータ、１
３…ブラシベース、１４…ブラシアーム、１５…ブラシ
毛、１６…伝動手段、１７…ウォームギヤ、１８…ドラ
イブシャフト、１９…ドライブギヤ、２１…インナーギ
ヤ、２２…区画壁、２３…防護ネット。 ２５…電池室、２６…充電池、２７…スプリング、２８
…押さえ蓋、２９…通水路。 ３０…過機構、３１…過室、３２…フイルター、３
３…吐出口、３４…芳香剤。 ４０…通水パイプ、４１…ハンドル部、４２…送水吐出
口、４３…キャップ、４４…送水ホース、４５…閉塞キ
ャップ、４６…補助ハンドル。 ５０…除去ネット。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】被浄化水上に外出する通水パイプ下端に被
   浄化水中に配置されるハウジングを連結し、このハウジ
   ングには、被浄化水を吸い込む吸込機構、水槽壁面に付
   着している水垢等を剥離するブラシ機構、吸い込まれた
   被浄化水、水垢等を過する過機構を内蔵配置し、吸
   込機構は、ハウジング下端に開口形成した吸込口に配置
   したインペラをモータ駆動にて回転させるようにして成
   り、ブラシ機構は、吸込口下方に配されたブラシ体をモ
   ータ駆動にて回転させるようにして成り、過機構は、
   ハウジング上部に区画形成された過室内にフイルター
   を配装し、過室下部は吸込口側に、過室上部は通水
   パイプに夫々連通し、過室には過後の被浄化水を排
   出する開閉可能な吐出口を開口形成して成り、通水パイ
   プ先端は送水吐出口となっていて、この送水吐出口は開
   閉自在なキャップによって閉塞されていることを特徴と
   する浴槽水、鑑賞水等の過装置。
2. 【請求項２】ブラシ体は、ハウジング下部に区画形成し
   た吸込室下端外周にフリーな回転を可能にして係合支持
   させた筒状乃至ドーナツ状のブラシベース内部に、ほぼ
   放射状に配列された複数のブラシアーム下面にブラシ毛
   を植設し、ブラシアーム相互間の空隙は吸込口に通じる
   被浄化水の吸い込み案内空隙とした請求項１記載の浴槽
   水、鑑賞水等の過装置。
3. 【請求項３】通水パイプ上部は、側面から見てほぼ逆角
   Ｕ字状に形成されたハンドル部としてある請求項１また
   は２記載の浴槽水、鑑賞水等の過装置。