JPH06300601A - コリオリ式質量流量計 - Google Patents
コリオリ式質量流量計Info
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- JPH06300601A JPH06300601A JP9123693A JP9123693A JPH06300601A JP H06300601 A JPH06300601 A JP H06300601A JP 9123693 A JP9123693 A JP 9123693A JP 9123693 A JP9123693 A JP 9123693A JP H06300601 A JPH06300601 A JP H06300601A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 上流,下流の検出信号の位相差の積分値に振
幅の差異にもとづく誤差を含まないようにし、測定精度
を向上させる。 【構成】 配管の非対称たわみ振動を検出する1対の検
出器11,12と、この1対の検出器の出力差を差分器
28により求め、その符号を符号制御器30により所定
のタイミングで正転,反転させ、その出力を積分回路3
2により積分して質量流量を求める場合に、符号制御器
30における前記タイミングの位相を、振幅が自動制御
される側の信号(ここでは、検出器11側)の位相に一
致させることにより、両検出出力の振幅の差異にもとづ
く誤差を無くすようにする。
幅の差異にもとづく誤差を含まないようにし、測定精度
を向上させる。 【構成】 配管の非対称たわみ振動を検出する1対の検
出器11,12と、この1対の検出器の出力差を差分器
28により求め、その符号を符号制御器30により所定
のタイミングで正転,反転させ、その出力を積分回路3
2により積分して質量流量を求める場合に、符号制御器
30における前記タイミングの位相を、振幅が自動制御
される側の信号(ここでは、検出器11側)の位相に一
致させることにより、両検出出力の振幅の差異にもとづ
く誤差を無くすようにする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コリオリの力により
発生する配管の上流側と下流側での流体の質量と速度に
よる配管の振動の位相差を検出し、流量を求めるコリオ
リ式質量流量計に関する。
発生する配管の上流側と下流側での流体の質量と速度に
よる配管の振動の位相差を検出し、流量を求めるコリオ
リ式質量流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】図4にコリオリ式質量流量計の動作原理
を示す。すなわち、1は測定流体が流れるU字配管で、
その先端部には永久磁石2が固定され、U字配管1の両
端は基台3に固定されている。4はU字配管1を挟むよ
うにして設けられた電磁駆動用コイル、5は電磁駆動コ
イル4を保持する支持枠で、この枠5は基台3にがっち
りと固定されている。U字配管1は音叉のように基台3
の部分が振動の節点となり、振動エネルギーを失うこと
が少ない構成となっている。11,12は、U字配管の
両脚の変位を検出するための電磁ピックアップである。
駆動コイル4とこれに対向するU字配管1に固定された
永久磁石2との間に働く電磁力で、U字配管1をその固
有振動数で振動(sinωt)させると、U字配管内を
流れる流体にコリオリの力が発生する。
を示す。すなわち、1は測定流体が流れるU字配管で、
その先端部には永久磁石2が固定され、U字配管1の両
端は基台3に固定されている。4はU字配管1を挟むよ
うにして設けられた電磁駆動用コイル、5は電磁駆動コ
イル4を保持する支持枠で、この枠5は基台3にがっち
りと固定されている。U字配管1は音叉のように基台3
の部分が振動の節点となり、振動エネルギーを失うこと
が少ない構成となっている。11,12は、U字配管の
両脚の変位を検出するための電磁ピックアップである。
駆動コイル4とこれに対向するU字配管1に固定された
永久磁石2との間に働く電磁力で、U字配管1をその固
有振動数で振動(sinωt)させると、U字配管内を
流れる流体にコリオリの力が発生する。
【0003】図5にU字配管の振動の様子を示す。この
コリオリの力の大きさは、U字配管内を流れる流体の質
量とその速度に比例し、力の方向は流体の運動方向と、
U字配管1を励振する角速度のベクトル積の方向に一致
する。また、U字配管1の流量の入力側と出力側とでは
流体の方向が正反対となるので、両脚側のコリオリ力に
よって、U字配管1に捩じりのトルクが発生する。この
トルクは励振周波数と同一の周波数で変化し、その振幅
値は流体の質量流量に比例する。図6にこの捩じりトル
クにより発生する振動モードを示す。
コリオリの力の大きさは、U字配管内を流れる流体の質
量とその速度に比例し、力の方向は流体の運動方向と、
U字配管1を励振する角速度のベクトル積の方向に一致
する。また、U字配管1の流量の入力側と出力側とでは
流体の方向が正反対となるので、両脚側のコリオリ力に
よって、U字配管1に捩じりのトルクが発生する。この
トルクは励振周波数と同一の周波数で変化し、その振幅
値は流体の質量流量に比例する。図6にこの捩じりトル
クにより発生する振動モードを示す。
【0004】この捩じり振動のトルクの振幅をピックア
ップ11,12で検出すれば質量流量を知ることができ
ることになるが、実際のU字配管の振動は電磁駆動用コ
イル4による励振振動にコリオリ力による捩じれ振動が
重畳された形となり、上流側はsin(ωt−α),下
流側はsin(ωt+α)の形で表現される。したがっ
て、ピックアップ11,12で検出される信号e1,e
2は図7に示すように位相差(Δt)の生じた波形とな
る。この位相差は配管,励振周波数によって異なるが、
例えばU字配管1の場合、U字配管の共振周波数を80
Hzとすると、最大流量(18Kg/min)で約12
0μSの位相差が生じ、この1/20のレンジにおいて
1%の分解能を補償しなければならない。したがって、
60nSの時間計測分解能が必要となる。
ップ11,12で検出すれば質量流量を知ることができ
ることになるが、実際のU字配管の振動は電磁駆動用コ
イル4による励振振動にコリオリ力による捩じれ振動が
重畳された形となり、上流側はsin(ωt−α),下
流側はsin(ωt+α)の形で表現される。したがっ
て、ピックアップ11,12で検出される信号e1,e
2は図7に示すように位相差(Δt)の生じた波形とな
る。この位相差は配管,励振周波数によって異なるが、
例えばU字配管1の場合、U字配管の共振周波数を80
Hzとすると、最大流量(18Kg/min)で約12
0μSの位相差が生じ、この1/20のレンジにおいて
1%の分解能を補償しなければならない。したがって、
60nSの時間計測分解能が必要となる。
【0005】この位相測定には様々な方法があるが、最
も簡単な手法としては基準クロックによる時間差ゲート
のカウント方法がある。その例を図8に示す。すなわ
ち、上流側ピックアップ信号20,下流側ピックアップ
信号21を増幅器22で増幅(増幅率:B)した後コン
パレータ23により2値化し、排他論理和回路24でこ
の2値化信号の排他的論理和演算を行ない、上流側,下
流側ピックアップ信号の時間差に相当するパルス幅のゲ
ートパルス25を得、これをカウンタ26で基準クロッ
ク27により計測するものである。なお、この場合の基
準クロックの周波数は20MHz程度以上が必要であ
る。
も簡単な手法としては基準クロックによる時間差ゲート
のカウント方法がある。その例を図8に示す。すなわ
ち、上流側ピックアップ信号20,下流側ピックアップ
信号21を増幅器22で増幅(増幅率:B)した後コン
パレータ23により2値化し、排他論理和回路24でこ
の2値化信号の排他的論理和演算を行ない、上流側,下
流側ピックアップ信号の時間差に相当するパルス幅のゲ
ートパルス25を得、これをカウンタ26で基準クロッ
ク27により計測するものである。なお、この場合の基
準クロックの周波数は20MHz程度以上が必要であ
る。
【0006】ところで、U字配管を実プラントに用いる
場合、屈曲しているため圧損が大きく、配管の清掃が困
難であるなどの問題がある。このため、直管の配管を用
いる直管式のコリオリ流量計も提案されている。図9に
直管式コリオリ流量計の1例を示す。図9において、1
5は測定流体が流れる直管で、その中央部には永久磁石
2が固定され、直管15の両端は基台3に固定されてい
る。4は直管15を挟み込むようにして設けられた電磁
駆動用コイル、5はこの電磁駆動コイル4を保持する支
持枠で、この枠は基台3にがっちりと固定されている。
直管方式では流体の通過する配管の剛性が高く、U字配
管よりもたわみ難いため、前記の時間差が微小になると
いう難点がある。
場合、屈曲しているため圧損が大きく、配管の清掃が困
難であるなどの問題がある。このため、直管の配管を用
いる直管式のコリオリ流量計も提案されている。図9に
直管式コリオリ流量計の1例を示す。図9において、1
5は測定流体が流れる直管で、その中央部には永久磁石
2が固定され、直管15の両端は基台3に固定されてい
る。4は直管15を挟み込むようにして設けられた電磁
駆動用コイル、5はこの電磁駆動コイル4を保持する支
持枠で、この枠は基台3にがっちりと固定されている。
直管方式では流体の通過する配管の剛性が高く、U字配
管よりもたわみ難いため、前記の時間差が微小になると
いう難点がある。
【0007】例えば、直管の共振周波数は1KHz程度
であり、最大流量(18Kg/min)で約2μSの位
相差が生じ、この1/20のレンジにおいて1%の分解
能で測定する必要がある。したがって、1nSの時間計
測分解能が必要となる。また、カウンタによる測定では
1GHzの基準クロックが必要となって実際には製作不
可能であり、また可能としてもピックアップ信号から時
間差信号を得るためにコンパレータを用いると、これに
は入力信号の不感帯の問題によるジッターが発生し(コ
ンパレータの出力が“1”,“0”ではない中途半端な
レベルを不感帯と称し、入力信号がこの不感帯をどれだ
け早くよぎるかが大きく影響する)、1nSの精度が得
られるかは疑問である。
であり、最大流量(18Kg/min)で約2μSの位
相差が生じ、この1/20のレンジにおいて1%の分解
能で測定する必要がある。したがって、1nSの時間計
測分解能が必要となる。また、カウンタによる測定では
1GHzの基準クロックが必要となって実際には製作不
可能であり、また可能としてもピックアップ信号から時
間差信号を得るためにコンパレータを用いると、これに
は入力信号の不感帯の問題によるジッターが発生し(コ
ンパレータの出力が“1”,“0”ではない中途半端な
レベルを不感帯と称し、入力信号がこの不感帯をどれだ
け早くよぎるかが大きく影響する)、1nSの精度が得
られるかは疑問である。
【0008】このため、従来は図10の如く構成して測
定を行ない、上流側ピックアップ信号20と下流側ピッ
クアップ信号21との減算、すなわち、 sin(ωt+α)−sin(ωt−α)=2cosωt*sinα の計算を差分器28により行ない、sinαを振幅とす
る微弱(周期が1mSに対して、位相αが0.1nS)
な位相信号を得、これを増幅器29により高増幅(増幅
率:C)し、電磁駆動コイルの励磁電流sinωtの位
相を、周波数逓倍部31で90°進めてcosωtを得
る。そして、このcosωtが正の値のときはC*si
nα*cosωtとして、また負の値のときはB*(−
cosωt*sinα)としてそれぞれ出力するような
符号制御器30で符号切り換えを行なう。このように、
符号制御のタイミングを符号制御対象の波形から得るの
ではなく、他の信号を用いるのはノイズなどによる誤動
作の影響を軽減するためである。
定を行ない、上流側ピックアップ信号20と下流側ピッ
クアップ信号21との減算、すなわち、 sin(ωt+α)−sin(ωt−α)=2cosωt*sinα の計算を差分器28により行ない、sinαを振幅とす
る微弱(周期が1mSに対して、位相αが0.1nS)
な位相信号を得、これを増幅器29により高増幅(増幅
率:C)し、電磁駆動コイルの励磁電流sinωtの位
相を、周波数逓倍部31で90°進めてcosωtを得
る。そして、このcosωtが正の値のときはC*si
nα*cosωtとして、また負の値のときはB*(−
cosωt*sinα)としてそれぞれ出力するような
符号制御器30で符号切り換えを行なう。このように、
符号制御のタイミングを符号制御対象の波形から得るの
ではなく、他の信号を用いるのはノイズなどによる誤動
作の影響を軽減するためである。
【0009】このようにして得られた、C*sinα*
cosωtを測定する手法は様々であるが、例えばマイ
クロコンピュータ(マイコンともいう)などを使用して
時間量として測定するのであれば、図10に符号44で
示すように、最初はC*sinα*cosωtに相当す
る電流をコンデンサに数周期の間充電しておき、その後
SWを切り換えて定電流回路33から定電流で放電する
ようにし、このSWの切り換え時期から積分器32の出
力が或るしきい値をよぎるまでの時間を測定するように
することにより、C*sinαなる値がコンパレータ3
4でパルス幅に変換され、マイコンによりこのパルス幅
を測定すれば、位相差が求まることになる。なお、si
nαについては、αが非常に小さいので、図10ではこ
れをαで近似している。
cosωtを測定する手法は様々であるが、例えばマイ
クロコンピュータ(マイコンともいう)などを使用して
時間量として測定するのであれば、図10に符号44で
示すように、最初はC*sinα*cosωtに相当す
る電流をコンデンサに数周期の間充電しておき、その後
SWを切り換えて定電流回路33から定電流で放電する
ようにし、このSWの切り換え時期から積分器32の出
力が或るしきい値をよぎるまでの時間を測定するように
することにより、C*sinαなる値がコンパレータ3
4でパルス幅に変換され、マイコンによりこのパルス幅
を測定すれば、位相差が求まることになる。なお、si
nαについては、αが非常に小さいので、図10ではこ
れをαで近似している。
【0010】図11に上流側と下流側の検出信号の振幅
が同一で、符号制御信号がcosωtに同期している場
合の各部の波形を示す。なお、これらの信号をそれぞれ
数式で示すと、以下のようになる。 VU =A*sin(ωt−α) 上流側検出信号20 VD =A*sin(ωt+α) 下流側検出信号21 VV =2A*sinα*cosωt 下流側/上流側差分信号41 Vc=|C*2A*sinα*cosωt| (符号制御処理後下流側/上流側差分信号43) Vi=∫|C*2A*sinα*cosωt|dt 積分信号44
が同一で、符号制御信号がcosωtに同期している場
合の各部の波形を示す。なお、これらの信号をそれぞれ
数式で示すと、以下のようになる。 VU =A*sin(ωt−α) 上流側検出信号20 VD =A*sin(ωt+α) 下流側検出信号21 VV =2A*sinα*cosωt 下流側/上流側差分信号41 Vc=|C*2A*sinα*cosωt| (符号制御処理後下流側/上流側差分信号43) Vi=∫|C*2A*sinα*cosωt|dt 積分信号44
【0011】しかし、上記のような位相差の検出は上流
側と下流側の検出信号の振幅が全く同一の場合にしか適
用できず、振幅に差異があると誤差を生じるという問題
がある。このことを、以下に数式で示す。ここに、各記
号の意味は次の通りである。 ω:振動チューブの共振周波数 α:質量流量による発生位相差 A:下流側検出信号の振幅 B:上流側検出信号の振幅 C: 増幅率
側と下流側の検出信号の振幅が全く同一の場合にしか適
用できず、振幅に差異があると誤差を生じるという問題
がある。このことを、以下に数式で示す。ここに、各記
号の意味は次の通りである。 ω:振動チューブの共振周波数 α:質量流量による発生位相差 A:下流側検出信号の振幅 B:上流側検出信号の振幅 C: 増幅率
【0012】(1)差分器の出力VV VV =A*sin(ωt+α)−B*sin(ωt−α) =2A*sinα*cosωt−(B−A)*sin(ωt−α) (2)符号制御信号VS 駆動コイルの流入電流sinωtを周波数逓倍し、co
sωtなる符号制御信号VS を作成する。 cosωt≧0の場合:VS =+1、cosωt<0の
場合:VS =−1 (3)符号制御器の出力Vc Vc∝VS *C*{2A*sinα*cosωt−(B−A)*sin(ωt −α)} (4)積分回路の出力Vi 但し、積分範囲はT1:0,T2:4πとする。
sωtなる符号制御信号VS を作成する。 cosωt≧0の場合:VS =+1、cosωt<0の
場合:VS =−1 (3)符号制御器の出力Vc Vc∝VS *C*{2A*sinα*cosωt−(B−A)*sin(ωt −α)} (4)積分回路の出力Vi 但し、積分範囲はT1:0,T2:4πとする。
【0013】以上のように、積分器の出力Viには上式
第2項にも示すように、振幅が異なる(B≠A)ことに
よる相違が生じ、これが積分値の誤差となって現れるこ
とになる。図12に振動チューブの振動周波数を1KH
zとし、発生時間差を2μSとしたときの、下記式で示
される誤差を示す。
第2項にも示すように、振幅が異なる(B≠A)ことに
よる相違が生じ、これが積分値の誤差となって現れるこ
とになる。図12に振動チューブの振動周波数を1KH
zとし、発生時間差を2μSとしたときの、下記式で示
される誤差を示す。
【0014】ここに、∫(B=A)は振幅が等しい場合
の積分値、∫(B≠A)は振幅が異なる場合の積分値を
それぞれ示す。図12によれば、振幅の差異が1%(上
流/下流振幅比101%)のときの誤差は、指示値の
0.5%となることが分かる。この振幅の差異はAGC
(Automatic Gain Control)を
掛けることにより或る程度は低減できるが、このAGC
のフィードバック系の応答性などによってハンチングが
生じるので、目標性能の0.01%を得るのは難しい。
の積分値、∫(B≠A)は振幅が異なる場合の積分値を
それぞれ示す。図12によれば、振幅の差異が1%(上
流/下流振幅比101%)のときの誤差は、指示値の
0.5%となることが分かる。この振幅の差異はAGC
(Automatic Gain Control)を
掛けることにより或る程度は低減できるが、このAGC
のフィードバック系の応答性などによってハンチングが
生じるので、目標性能の0.01%を得るのは難しい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上、詳述したように
圧損が少なく清掃が容易な直管式コリオリ流量計におい
て、上流,下流のピックアップ信号の振幅に差異がある
と、上流,下流のピックアップ信号の位相差の積分値に
は振幅の相違に基づく誤差を含むため、測定精度が低下
するという問題を有することになる。したがって、この
発明の課題は上流,下流のピックアップ信号の位相差の
積分値に振幅の相違に基づく誤差を含まないようにし、
測定精度を向上させることにある。
圧損が少なく清掃が容易な直管式コリオリ流量計におい
て、上流,下流のピックアップ信号の振幅に差異がある
と、上流,下流のピックアップ信号の位相差の積分値に
は振幅の相違に基づく誤差を含むため、測定精度が低下
するという問題を有することになる。したがって、この
発明の課題は上流,下流のピックアップ信号の位相差の
積分値に振幅の相違に基づく誤差を含まないようにし、
測定精度を向上させることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、この発明では、振動する配管内に流体を流し、
その流れと配管の角振動によって発生するコリオリ力に
より配管を捩じれ振動させ、そのとき発生する質量流量
による配管の非対称たわみ振動を検出する1対の検出器
と、一方の検出器の出力の振幅に合致させるよう他方の
検出器の振幅を制御する制御装置と、前記1対の検出器
の出力波形の差を求め、その符号を所定のタイミングで
正転,反転する符号制御器とを設け、その符号制御後の
レベルを判定することにより質量流量を求めるコリオリ
式質量流量計において、前記符号制御器に入力する波形
の符号を正転,反転するタイミングの位相を、振幅が自
動制御される側の検出器信号の位相に一致させたことを
特徴としている。
るため、この発明では、振動する配管内に流体を流し、
その流れと配管の角振動によって発生するコリオリ力に
より配管を捩じれ振動させ、そのとき発生する質量流量
による配管の非対称たわみ振動を検出する1対の検出器
と、一方の検出器の出力の振幅に合致させるよう他方の
検出器の振幅を制御する制御装置と、前記1対の検出器
の出力波形の差を求め、その符号を所定のタイミングで
正転,反転する符号制御器とを設け、その符号制御後の
レベルを判定することにより質量流量を求めるコリオリ
式質量流量計において、前記符号制御器に入力する波形
の符号を正転,反転するタイミングの位相を、振幅が自
動制御される側の検出器信号の位相に一致させたことを
特徴としている。
【0017】
【作用】上流側,下流側のピックアップ信号の一方の振
幅を一定とし、他方をAGC機能によりその振幅を等し
くなるようにし、符号制御器における整流のタイミング
を、AGCを掛けた側のピックアップ信号を用いて行な
い、AGCによっても解消されない微小な振幅差異の影
響を低減するような手法を採用することにより、AGC
処理後に微小な振幅差異が生じたとしてもその誤差を低
減し、ピックアップ信号の位相差を0.1nSの分解能
で測定し得るようにする。
幅を一定とし、他方をAGC機能によりその振幅を等し
くなるようにし、符号制御器における整流のタイミング
を、AGCを掛けた側のピックアップ信号を用いて行な
い、AGCによっても解消されない微小な振幅差異の影
響を低減するような手法を採用することにより、AGC
処理後に微小な振幅差異が生じたとしてもその誤差を低
減し、ピックアップ信号の位相差を0.1nSの分解能
で測定し得るようにする。
【0018】
【実施例】図1はこの発明の実施例を示す構成図であ
る。同図からも明らかなように、この実施例は図10に
示す従来例に対し、上述のようなAGC機能(これは、
上流側の検出器の出力を、下流側の検出器の振幅に一致
させるようにするためのもので、単に増幅率を変化させ
るのではなく、検出器の検出方式の源、例えば光,磁
気,電流源などを制御するものとする)を備えた上流側
の検出器11の出力波形sin(ωt−α)を周波数逓
倍部31に入力し、90°位相を進めてcos(ωt−
α)を作り、これを符号制御信号VS として用いて積分
を行なうようにした点にある。
る。同図からも明らかなように、この実施例は図10に
示す従来例に対し、上述のようなAGC機能(これは、
上流側の検出器の出力を、下流側の検出器の振幅に一致
させるようにするためのもので、単に増幅率を変化させ
るのではなく、検出器の検出方式の源、例えば光,磁
気,電流源などを制御するものとする)を備えた上流側
の検出器11の出力波形sin(ωt−α)を周波数逓
倍部31に入力し、90°位相を進めてcos(ωt−
α)を作り、これを符号制御信号VS として用いて積分
を行なうようにした点にある。
【0019】すなわち、cos(ωt−α)が正のとき
は、差分器28からの上流側ピックアップ信号20と下
流側ピックアップ信号21との差を、 C*cosωt*sinα ∝C*{sin(ωt+α)−sin(ωt−α)} として出力し、cos(ωt−α)が負のときは、差分
器28からの出力を、 C*(−cosωt*sinα) として出力するように、符号制御器30にて符号切り換
えを行なう。
は、差分器28からの上流側ピックアップ信号20と下
流側ピックアップ信号21との差を、 C*cosωt*sinα ∝C*{sin(ωt+α)−sin(ωt−α)} として出力し、cos(ωt−α)が負のときは、差分
器28からの出力を、 C*(−cosωt*sinα) として出力するように、符号制御器30にて符号切り換
えを行なう。
【0020】図2に、AGC後の上流側の検出信号20
が下流側の99%としたときの、図1の各部波形を示
す。図2の下流側/上流側差分信号41は図11の信号
41と比較して、位相がずれているのが分かる。また、
符号制御信号42は上流側の検出信号20に位相を合致
させた矩形波であり、符号制御処理後の下流側/上流側
差分信号43は、下流側/上流側差分信号41を符号制
御信号42で切り換え制御した信号をそれぞれ示してい
る。このように、符号制御のタイミングをAGC対象の
検出信号に位相を一致させるようにした点が大きな特徴
である。
が下流側の99%としたときの、図1の各部波形を示
す。図2の下流側/上流側差分信号41は図11の信号
41と比較して、位相がずれているのが分かる。また、
符号制御信号42は上流側の検出信号20に位相を合致
させた矩形波であり、符号制御処理後の下流側/上流側
差分信号43は、下流側/上流側差分信号41を符号制
御信号42で切り換え制御した信号をそれぞれ示してい
る。このように、符号制御のタイミングをAGC対象の
検出信号に位相を一致させるようにした点が大きな特徴
である。
【0021】以上のことを数式を用いて説明する。 (イ)差分器の出力VV VV =A*sin(ωt+α)−B*sin(ωt−α) =2A*sinα*cosωt+(B−A)*sin(ωt−α) (ロ)符号制御信号VS 駆動コイルの流入電流sin(ωt−α)を周波数逓倍
し、cos(ωt−α)なる符号制御信号VS を作成す
る。 cos(ωt−α)≧0の場合:VS =+1 cos(ωt−α)<0の場合:VS =−1 (ハ)符号制御器の出力Vc Vc∝VS *C*{2A*sinα*cosωt+(B−A)*sin(ωt −α)}
し、cos(ωt−α)なる符号制御信号VS を作成す
る。 cos(ωt−α)≧0の場合:VS =+1 cos(ωt−α)<0の場合:VS =−1 (ハ)符号制御器の出力Vc Vc∝VS *C*{2A*sinα*cosωt+(B−A)*sin(ωt −α)}
【0022】(ニ)積分回路の出力Vi ただし、積分範囲はT1:α/ω,T2:α/ω+4
π,T3:α/ω+2πとする。
π,T3:α/ω+2πとする。
【0023】つまり、(ニ)の積分器出力Viの第1項
は振幅値が同じ場合、第2項は振幅値が異なる場合の各
積分値を示すが、この第2項の成分は次式の関係から零
となり、振幅値が同じ場合の積分値のみとなる。 上式の左辺はVS が負の区間の積分値を示し、右辺は正
の区間を示す。また、積分区間は、 U1:α/ω+n*π/2,U2:α/ω+(n+1)
*π/2 U3:α/ω+(n+2)*π/2,U4:α/ω+
(n+3)*π/2 n:0,4,8… とする。
は振幅値が同じ場合、第2項は振幅値が異なる場合の各
積分値を示すが、この第2項の成分は次式の関係から零
となり、振幅値が同じ場合の積分値のみとなる。 上式の左辺はVS が負の区間の積分値を示し、右辺は正
の区間を示す。また、積分区間は、 U1:α/ω+n*π/2,U2:α/ω+(n+1)
*π/2 U3:α/ω+(n+2)*π/2,U4:α/ω+
(n+3)*π/2 n:0,4,8… とする。
【0024】しかし、符号制御を行なうタイミングがt
=(2n+1)π/2からαだけ遅れるので、そのため
の誤差が生じることになる。その誤差は、次式のように
表わされる。 なお、上式の第1項は符号制御がcos(ωt−α)の
成分、第2項は符号制御がcosωtの成分である。
=(2n+1)π/2からαだけ遅れるので、そのため
の誤差が生じることになる。その誤差は、次式のように
表わされる。 なお、上式の第1項は符号制御がcos(ωt−α)の
成分、第2項は符号制御がcosωtの成分である。
【0025】図3に振動チューブの振動周波数を1KH
zとし、発生時間差を2μSとしたときの、下記式で示
される誤差を示す。 ここに、∫{B≠A,cos(ωt−α)}は振幅が等
しく、符号制御がcos(ωt−α)の場合の積分値、
∫(B=A,cosωt)は振幅が異なり、符号制御が
cosωtの場合の積分値をそれぞれ示す。
zとし、発生時間差を2μSとしたときの、下記式で示
される誤差を示す。 ここに、∫{B≠A,cos(ωt−α)}は振幅が等
しく、符号制御がcos(ωt−α)の場合の積分値、
∫(B=A,cosωt)は振幅が異なり、符号制御が
cosωtの場合の積分値をそれぞれ示す。
【0026】図3によれば、振幅の差異が1%(上流/
下流振幅比101%)のときの誤差は、指示値の−0.
002%となることが分かる。すなわち、符号制御に当
たってはAGCを掛けた側の検出信号を用い、符号制御
された信号に相当する電流をコンデンサに数周期分充電
し、しかる後SWを切り換えて定電流回路33から定電
流で放電するようにし、この切り換え時点から積分器3
2の出力が或るしきい値をよぎるまでの時間を測定する
ようにすれば、B*sinαなる値がコンパレータ34
でパルス幅に変換されるので、このパルス幅をマイコン
等の処理装置で測定すれば位相差が求まることになる。
このようにすることにより、上流側と下流側の検出信号
の振幅に差がある場合でも、高精度な測定が可能となる
わけである。
下流振幅比101%)のときの誤差は、指示値の−0.
002%となることが分かる。すなわち、符号制御に当
たってはAGCを掛けた側の検出信号を用い、符号制御
された信号に相当する電流をコンデンサに数周期分充電
し、しかる後SWを切り換えて定電流回路33から定電
流で放電するようにし、この切り換え時点から積分器3
2の出力が或るしきい値をよぎるまでの時間を測定する
ようにすれば、B*sinαなる値がコンパレータ34
でパルス幅に変換されるので、このパルス幅をマイコン
等の処理装置で測定すれば位相差が求まることになる。
このようにすることにより、上流側と下流側の検出信号
の振幅に差がある場合でも、高精度な測定が可能となる
わけである。
【0027】
【発明の効果】この発明によれば、上流側,下流側のピ
ックアップ信号の一方の振幅を一定とし、他方をAGC
機能によりその振幅を等しくなるようにし、符号制御器
における整流のタイミングを、AGCを掛けた側のピッ
クアップ信号を用いて行ない、AGCによっても解消さ
れない微小な振幅差異の影響を低減するような手法を採
用するようにしたので、たとえAGC処理後に微小な振
幅差異が生じたとしても、その誤差を低減しピックアッ
プ信号の位相差を0.1nSの分解能で測定することが
可能になるという利点が得られる。
ックアップ信号の一方の振幅を一定とし、他方をAGC
機能によりその振幅を等しくなるようにし、符号制御器
における整流のタイミングを、AGCを掛けた側のピッ
クアップ信号を用いて行ない、AGCによっても解消さ
れない微小な振幅差異の影響を低減するような手法を採
用するようにしたので、たとえAGC処理後に微小な振
幅差異が生じたとしても、その誤差を低減しピックアッ
プ信号の位相差を0.1nSの分解能で測定することが
可能になるという利点が得られる。
【図1】この発明の実施例を示す構成図である。
【図2】図1の各部動作波形を説明するための波形図で
ある。
ある。
【図3】この発明における誤差を説明するための説明図
である。
である。
【図4】コリオリ質量流量計の動作原理図である。
【図5】U字配管の振動の様子を説明するための説明図
である。
である。
【図6】U字配管のコリオリ力の捩じりトルクにより発
生する振動モードの説明図である。
生する振動モードの説明図である。
【図7】U字配管にコリオリ力が発生した場合のピック
アップ信号例を示す波形図である。
アップ信号例を示す波形図である。
【図8】カウンタ方式による位相差検出回路を示す構成
図である。
図である。
【図9】直管式コリオリ質量流量計の1例を示す構造図
である。
である。
【図10】差動式位相差検出回路の従来例を示す構成図
である。
である。
【図11】図10の各部動作波形を説明するための波形
図である。
図である。
【図12】図10の場合の測定誤差を説明するための説
明図である。
明図である。
1…U字配管、2…磁石、3…基台、4…電磁駆動用コ
イル、5…支持枠、11,12…電磁ピックアップ、1
5…直管、22,29…増幅器、23,34…コンパレ
ータ、24…排他論理和回路、26…カウンタ、27…
基準クロック、28…差分器、30…符号制御器、31
…周波数逓倍器、32…積分回路、33…定電流回路。
イル、5…支持枠、11,12…電磁ピックアップ、1
5…直管、22,29…増幅器、23,34…コンパレ
ータ、24…排他論理和回路、26…カウンタ、27…
基準クロック、28…差分器、30…符号制御器、31
…周波数逓倍器、32…積分回路、33…定電流回路。
Claims (1)
- 【請求項1】 振動する配管内に流体を流し、その流れ
と配管の角振動によって発生するコリオリ力により配管
を捩じれ振動させ、そのとき発生する質量流量による配
管の非対称たわみ振動を検出する1対の検出器と、一方
の検出器の出力の振幅に合致させるよう他方の検出器の
振幅を制御する制御装置と、前記1対の検出器の出力波
形の差を求め、その符号を所定のタイミングで正転,反
転する符号制御器とを設け、その符号制御後のレベルを
判定することにより質量流量を求めるコリオリ式質量流
量計において、 前記符号制御器に入力する波形の符号を正転,反転する
タイミングの位相を、振幅が自動制御される側の検出器
信号の位相に一致させたことを特徴とするコリオリ式質
量流量計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9123693A JPH06300601A (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | コリオリ式質量流量計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9123693A JPH06300601A (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | コリオリ式質量流量計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06300601A true JPH06300601A (ja) | 1994-10-28 |
Family
ID=14020792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9123693A Pending JPH06300601A (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | コリオリ式質量流量計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06300601A (ja) |
-
1993
- 1993-04-19 JP JP9123693A patent/JPH06300601A/ja active Pending
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