JPH0630046Y2 - 収納式傘立装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、多数の傘を保管する場合に好適に採用可能な
収納式傘立装置に関するものである。

［従来の技術］ この種の傘立てには、水受けを兼ねた底板を備えてなる
箱形のものや円筒形のもの等があり、オフィスやホール
等の玄関、あるいは廊下等に常設されて利用されるよう
になっている。また、必要な場合のみ玄関若しくは廊下
等に配置し、不要な場合は所定の部屋に運んで片付ける
ようにしている例もある。さらに、玄関のドアフレーム
に開口を設け、その開口を介して傘立てを収納した収納
ボックスを、キャスタをその収納ボックスに取り付ける
とともに、その側板の上面に案内溝を設け、上方より突
出したガイドピンをその案内溝に摺動可能に装入して横
方向の振れを防止した構成を有し、玄関の内側と外側に
移動可能にしたものも知られている。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、この種の傘立ては、多数の傘が保管できるよ
うにしてあるため、比較的大きなものとなっている。そ
のため、このような傘立てがオフィスやホール等の玄
関、廊下等に配置してあると、周辺の見栄えを損なうだ
けでなく、通行の妨げになり易い。特に、傘立てが数台
も必要な場所では、このような不具合が生じ易く、しか
も、必要に応じて所定箇所に移動させるのも容易でな
い。このような点からみて、上記したキャスタ付きの収
納ボックス内に傘立てを収納したものでは移動は容易に
なるものの、キャスタは床に石などがあった場合にはそ
の石などに乗り上げて傾く可能性があり、その場合には
ガイドピンが案内溝に噛み込んで、移動が不可能になる
可能性があった。

本考案は、以上のような不具合を解消することを目的と
している。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、このような目的を達成するために、次のよう
な構成を採用したものである。

すなわち、本考案にかかる収納式傘立装置は、傘立て
を、鏡板と左、右の側板と背面板と底板を具備してな
り、底板下面の前縁近傍にキャスタを設けてなる箱形の
ものにするとともに、該傘立てを、前記底板の下面両端
部をスライド可能に支持するレールを有して壁面に設け
た、天井が平坦で、かつ傘立ての上面部と該天井との間
に一定のスペースを設けてなる凹部に前後にスライド可
能に収納していることを特徴とする。

特に、大容量のものが要求される場合には、複数台の傘
立てを相互に独立して前後方向にスライドし得るように
しておくのがよい。

［作用］ このような構成のものであれば、傘立ての底板下面の前
縁近傍にキャスタを設け、またその下面両端部はレール
によりスライド可能に支持されているので、傘立ては引
き出し方向の左右に振れることなくスムーズに移動す
る。また、壁面に設けられた凹部は、天井が平坦で、か
つ傘立ての上面部とその天井との間に一定のスペースを
有しているので、傘立ての出し入れの際に傘立てが上下
方向に変動しても、凹部内で傘の柄等が凹部の天井に当
接して、移動が不可能になることはない。しかして、必
要な場合は、傘立てを凹部から壁面の前面に引き出し
て、その内側の収納空間に傘を保管し、又は保管した傘
を取り出すことになる。一方、傘立てを使用しない場合
は、傘立てを後方へスライドさせて、前記凹部に収納す
ることになる。したがって、このようなものであると、
傘立てを前記凹部に収納した状態で、鏡板と壁面とを一
体的なものにすることもできるので、傘立てが目立ち難
くなり、通行の邪魔になるようなこともない。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

この収納式傘立装置１は、オフィスやホール等の玄関等
に配置されるもので、複数の傘立て２_１〜２_４を、玄関
等の壁面３に設けた凹部４内に横方向に配列し、それぞ
れの傘立て２_１〜２_４を相互に独立して前後にスライド
し得るように設置してなる。

各々の傘立て２_１〜２_４は、取手２１ａを有した鏡板２
１と、左、右の側板２２と、水受けを兼ねた底板２３
と、背面板２４と、前記鏡板２１と背面板２４との間を
一定間隔毎に仕切る複数の仕切板２５とを備えてなる箱
形に形成してある。各傘立て２_１〜２_４は、例えば、幅
を300mm、高さを570mm、奥行きを600mm程度に設定して
あり、前記仕切板２５により仕切ったそれぞれのスペー
スに複数本の傘が保管できるようになっている。前記底
板２３の下面側における左、右の前端部には、キャスタ
２６を装着してあり、底板２３の下面の両端部は、対を
なす左右のレール２７にそれぞれスライド可能に支持さ
せてある。レール２７は、第２図に概略的に示すよう
に、前記凹部４内の床面５に固定した基台部２７ａと、
前記底板２３を直接に支持するレール部２７ｂからな
る。しかして、各傘立て２_１〜２_４は、第１図および第
３図に想像線で示すように、前記凹部４の略中間に設け
た棚６の下方に収納されるとともに、収納状態において
は、全ての鏡板２１の前面が前記壁面３に略面一になる
ようにしてある。なお、傘立て２_１〜２_４と棚６との
間、具体的には凹部４の平坦な天井４１を形成する棚６
の下面との間には、一定のスペースを設けてあり、傘の
柄等が棚９の下面である凹部４の天井４１と干渉しない
ようにしてある。

このような構成によれば、傘を保管する場合および保管
した傘を取り出す場合は、傘立て２_１〜２_４を凹部４の
前面に引き出し、仕切板２５により仕切られた各スペー
スに傘を立掛け、又は各スペースから傘を取り出すこと
ができる。傘を保管する際、例えば、第３図に示すよう
に、一つ置きに傘立て２_１、２_３を引き出しておくと、
傘立て２_１、２_３の側面側に踏み込んで、その側方から
容易に傘を収納することができる。そして、傘立て
２_１、２_３に傘が一杯になれば、この傘立て２_１、２_３
を後方にスライドさせて凹部４に収納し、次に他の傘立
て２_２、２_４を凹部４から引き出し、同様にして傘を収
納する。しかして、このようにすると、一度に多数の者
が楽な姿勢で傘を保管し、又は、保管した傘を取り出す
ことができるので、出入りの際の混雑を解消することが
できる。

傘立て２_１〜２_４を使用しない場合に、全ての傘立て２
_１〜２_４を凹部４に収納すると、全ての鏡板２１が壁面
３と略面一になるとともに、その前面の全体が開放され
た状態となるので、傘立て２_１〜２_４は目立ち難くな
り、通行の邪魔になるようなこともない。

なお、傘立ての個数や壁面に設けた凹部の形状は、図面
に示す例に限定されないのは勿論である。

［考案の効果］ 以上のような構成からなる本考案によれば、傘立てを保
管する場合および保管した傘を取り出す場合にのみ、傘
立てが玄関等の壁面の前方に位置し、不要な場合は前記
壁面に設けた凹部に収納されて、その鏡板が壁面と連続
的なものにできるので、不要時の傘立てを目立ち難くす
ることができるとともに、通行等の邪魔になるのを有効
に解消することができる。加えて、傘立ては、その底板
下面の前縁近傍にキャスタを有し、またその下面両端部
はレールによりスライド可能に支持されており、かつ傘
立てが収納される凹部は、天井が平坦で、かつ傘立ての
上面部とその天井との間に一定のスペースを有している
ので、内部に立て掛けられた傘が天井に当接することが
なく、しかもキャスタとレールとで移動可能に構成され
ていることから、たとえ床面が石などで偶発的に凸状に
なったとしても、出し入れする際に傘立てをスムーズに
移動させることができる。

また、傘立てを複数台設け、相互に独立してスライドさ
せ得るようにしておけば、傘立てを単に大形化する場合
に比べて操作性が良好なものとなる。また、必要な傘立
てのみを選択的に引き出して種々態様で使用することが
できるため、使い勝手も良好なものになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部断面の左
側面図、第２図は概略的な正面図、第３図は使用態様の
一例を概略的に示す平面図である。 １…収納式傘立装置、２_１〜２_４…傘立て ３…壁面、４…凹部 ２１…鏡板、２２…側板 ２３…底板、２４…背面板 ２６…キャスタ、２７…レール ４１…天井

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】傘立てを、鏡板と左、右の側板と背面板と
   底板とを具備してなり、底板下面の前縁近傍にキャスタ
   を設けてなる箱形のものにするとともに、該傘立てを、
   前記底板の下面両端部をスライド可能に支持するレール
   を有して壁面に設けた、天井が平坦で、かつ傘立ての上
   面部と該天井との間に一定のスペースを設けてなる凹部
   に前後にスライド可能に収納していることを特徴とする
   収納式傘立装置。
2. 【請求項２】複数台の傘立てを、相互に独立して前後方
   向にスライドし得るように設けていることを特徴とする
   請求項１記載の収納式傘立装置。