JPH06300129A - ピストンリング - Google Patents
ピストンリングInfo
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- JPH06300129A JPH06300129A JP10623793A JP10623793A JPH06300129A JP H06300129 A JPH06300129 A JP H06300129A JP 10623793 A JP10623793 A JP 10623793A JP 10623793 A JP10623793 A JP 10623793A JP H06300129 A JPH06300129 A JP H06300129A
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- JP
- Japan
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- piston ring
- fine particles
- nickel
- plating film
- piston
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- Pending
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C18/00—Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating
- C23C18/16—Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by reduction or substitution, e.g. electroless plating
- C23C18/31—Coating with metals
- C23C18/32—Coating with nickel, cobalt or mixtures thereof with phosphorus or boron
- C23C18/34—Coating with nickel, cobalt or mixtures thereof with phosphorus or boron using reducing agents
- C23C18/36—Coating with nickel, cobalt or mixtures thereof with phosphorus or boron using reducing agents using hypophosphites
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16J—PISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
- F16J9/00—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
- F16J9/26—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction characterised by the use of particular materials
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ピストンリングおよびピストンリングの上下
面の相手となるピストンリング溝面の摩耗を低減する。 【構成】 ピストンリング1の上下面と内周面に、ポリ
テトラフルオロエチレン微粒子が分散されているニッケ
ル−リン複合めっき皮膜3を被覆する。めっき皮膜3の
マトリックスとなるニッケル−リン合金のリン含有量は
重量比で0.5〜12%、ポリテトラフルオロエチレン
微粒子の最大粒径は5μm以下、ポリテトラフルオロエ
チレン微粒子の分散量は体積比で5〜35%である。
面の相手となるピストンリング溝面の摩耗を低減する。 【構成】 ピストンリング1の上下面と内周面に、ポリ
テトラフルオロエチレン微粒子が分散されているニッケ
ル−リン複合めっき皮膜3を被覆する。めっき皮膜3の
マトリックスとなるニッケル−リン合金のリン含有量は
重量比で0.5〜12%、ポリテトラフルオロエチレン
微粒子の最大粒径は5μm以下、ポリテトラフルオロエ
チレン微粒子の分散量は体積比で5〜35%である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関等に使用される
ピストンリングに関する。
ピストンリングに関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンエンジンやディーゼルエンジン
において、ピストンのピストンリング溝に装着されてい
るピストンリングは、ピストンの上昇・下降に伴ってピ
ストンリング溝内を上下運動する。ピストンリングが上
下運動すると、ピストンリングがピストンリング溝の上
下面に当たり、その結果ピストンリング溝の上下面に摩
耗が生じる。アルミニウム合金から形成されているピス
トンにあっては、運転時にピストンの温度が上昇するこ
とによってピストン材料であるアルミニウム合金が軟化
するため、ピストンの硬度が低下する。したがって、ピ
ストンリングがピストンリング溝面に当たると、ピスト
ンリング溝面に摩耗が発生しやすい。
において、ピストンのピストンリング溝に装着されてい
るピストンリングは、ピストンの上昇・下降に伴ってピ
ストンリング溝内を上下運動する。ピストンリングが上
下運動すると、ピストンリングがピストンリング溝の上
下面に当たり、その結果ピストンリング溝の上下面に摩
耗が生じる。アルミニウム合金から形成されているピス
トンにあっては、運転時にピストンの温度が上昇するこ
とによってピストン材料であるアルミニウム合金が軟化
するため、ピストンの硬度が低下する。したがって、ピ
ストンリングがピストンリング溝面に当たると、ピスト
ンリング溝面に摩耗が発生しやすい。
【0003】ピストンのピストンリング溝特にトップリ
ング溝に摩耗が発生すると、一般的な兆候として、吹き
抜け、潤滑油消費量の増加、出力の減退、圧縮圧力の低
下による始動不良等の不具合な事態が起きる。
ング溝に摩耗が発生すると、一般的な兆候として、吹き
抜け、潤滑油消費量の増加、出力の減退、圧縮圧力の低
下による始動不良等の不具合な事態が起きる。
【0004】上記のようなピストンリング溝の摩耗に対
して、ピストンリング側の対策として、ピストンリング
の上下面にりん酸塩皮膜や、固体潤滑剤を含有した樹脂
皮膜を被覆することが行われている。
して、ピストンリング側の対策として、ピストンリング
の上下面にりん酸塩皮膜や、固体潤滑剤を含有した樹脂
皮膜を被覆することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの皮膜は、運転
初期には、皮膜が有している自己潤滑性によってピスト
ンリング溝の摩耗の低減に効果がある。しかしながら、
皮膜自体の耐摩耗性が乏しいため、上記皮膜が被覆され
ているピストンリングは長時間にわたってピストンリン
グ溝の摩耗の低減を維持できない。
初期には、皮膜が有している自己潤滑性によってピスト
ンリング溝の摩耗の低減に効果がある。しかしながら、
皮膜自体の耐摩耗性が乏しいため、上記皮膜が被覆され
ているピストンリングは長時間にわたってピストンリン
グ溝の摩耗の低減を維持できない。
【0006】また、固体潤滑剤である窒化ホウ素の微粒
子が分散されているニッケル−リン複合めっき皮膜をピ
ストンリングの上下面に被覆することが提案されてい
る。しかしながら、この皮膜は、皮膜自体の耐摩耗性は
良好であるが、ピストンリング溝の摩耗の低減が不十分
である。
子が分散されているニッケル−リン複合めっき皮膜をピ
ストンリングの上下面に被覆することが提案されてい
る。しかしながら、この皮膜は、皮膜自体の耐摩耗性は
良好であるが、ピストンリング溝の摩耗の低減が不十分
である。
【0007】本発明の目的は、ピストンリングおよびピ
ストンリング溝の摩耗の低減を図ることができるピスト
ンリングを提供することにある。
ストンリング溝の摩耗の低減を図ることができるピスト
ンリングを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のピストンリング
の構成は、ポリテトラフルオロエチレン微粒子が分散さ
れているニッケル−リン複合めっき皮膜がリングの上下
面あるいは上下面と内周面とに形成されていることを特
徴とする。
の構成は、ポリテトラフルオロエチレン微粒子が分散さ
れているニッケル−リン複合めっき皮膜がリングの上下
面あるいは上下面と内周面とに形成されていることを特
徴とする。
【0009】上記めっき皮膜のマトリックスとなるニッ
ケル−リン合金のリン含有量は重量比で0.5〜12%
であり、上記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の最大
粒径は5μm以下であり、上記ポリテトラフルオロエチ
レン微粒子の分散量は体積比で5〜35%であるのが好
適である。
ケル−リン合金のリン含有量は重量比で0.5〜12%
であり、上記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の最大
粒径は5μm以下であり、上記ポリテトラフルオロエチ
レン微粒子の分散量は体積比で5〜35%であるのが好
適である。
【0010】
【作用】ポリテトラフルオロエチレン微粒子が分散され
ているニッケル−リン複合めっき皮膜が優れた耐摩耗性
と自己潤滑性とを兼ね備えているため、ピストンリング
自身の摩耗を少なくでき、かつ、ピストンリングの上下
面の相手となるピストンの溝面の摩耗も少なくできる。
ているニッケル−リン複合めっき皮膜が優れた耐摩耗性
と自己潤滑性とを兼ね備えているため、ピストンリング
自身の摩耗を少なくでき、かつ、ピストンリングの上下
面の相手となるピストンの溝面の摩耗も少なくできる。
【0011】
【実施例】図1は本発明の一実施例であるピストンリン
グの一部分を示す縦断面図である。本実施例におけるピ
ストンリング1は鋼、鋳鉄、チタンあるいはチタン合金
等で形成されている矩形断面リングである。
グの一部分を示す縦断面図である。本実施例におけるピ
ストンリング1は鋼、鋳鉄、チタンあるいはチタン合金
等で形成されている矩形断面リングである。
【0012】ピストンリング1の外周面には硬質皮膜2
が形成されている。硬質皮膜2は硬質クロムめっき、窒
化、あるいはPVD等によって形成されている。
が形成されている。硬質皮膜2は硬質クロムめっき、窒
化、あるいはPVD等によって形成されている。
【0013】ピストンリング1の上下面と内周面には、
ポリテトラフルオロエチレン微粒子が分散されているニ
ッケル−リン複合めっき皮膜3が無電解めっきによって
被覆されている。このめっき皮膜3のマトリックスとな
るニッケル−リン合金のリン含有量は重量比で0.5〜
12%であり、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の最
大粒径は5μm以下であり、ポリテトラフルオロエチレ
ン微粒子の分散量は体積比で5〜35%である。このめ
っき皮膜3の膜厚は3〜15μmが好適である。
ポリテトラフルオロエチレン微粒子が分散されているニ
ッケル−リン複合めっき皮膜3が無電解めっきによって
被覆されている。このめっき皮膜3のマトリックスとな
るニッケル−リン合金のリン含有量は重量比で0.5〜
12%であり、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の最
大粒径は5μm以下であり、ポリテトラフルオロエチレ
ン微粒子の分散量は体積比で5〜35%である。このめ
っき皮膜3の膜厚は3〜15μmが好適である。
【0014】以下、ポリテトラフルオロエチレン微粒子
が分散されているニッケル−リン複合めっき皮膜3を評
価する試験を説明する。実機を使用した場合には、ピス
トンにおけるピストンリング溝部分の温度条件や潤滑条
件が特定しにくかったり、再現性に問題があるため、実
機条件を再現できる回転叩き試験機が使用される。回転
叩き試験機を使用して行う試験の概要を図2に基づいて
説明する。
が分散されているニッケル−リン複合めっき皮膜3を評
価する試験を説明する。実機を使用した場合には、ピス
トンにおけるピストンリング溝部分の温度条件や潤滑条
件が特定しにくかったり、再現性に問題があるため、実
機条件を再現できる回転叩き試験機が使用される。回転
叩き試験機を使用して行う試験の概要を図2に基づいて
説明する。
【0015】試験機は上下動部10と、上下動部10の
真下に配置されている回転部11とを備えている。上下
動部10はモータ駆動によって上下動する。回転部11
はモータ駆動によって垂直軸を中心として時計方向に1
80度回転した後、反時計方向に180度回転する動作
を繰り返す。上下動部10はピストン材料から形成され
ているディスク部材12を下端部に装着でき、かつ、デ
ィスク部材12を希望の試験温度に加熱できるように構
成されている。回転部11はその上面にピストンリング
1を水平に固定できるように構成されている。上下動部
10に装着されたディスク部材12の下面は水平面をな
し、回転部11の上面に固定されたピストンリング1の
水平な上面に対向配置する。ディスク部材12の外周に
は切欠部13が設けられており、定量ポンプによって潤
滑油供給口14から潤滑油がディスク部材12の切欠部
13に供給されることによって潤滑が行われる。
真下に配置されている回転部11とを備えている。上下
動部10はモータ駆動によって上下動する。回転部11
はモータ駆動によって垂直軸を中心として時計方向に1
80度回転した後、反時計方向に180度回転する動作
を繰り返す。上下動部10はピストン材料から形成され
ているディスク部材12を下端部に装着でき、かつ、デ
ィスク部材12を希望の試験温度に加熱できるように構
成されている。回転部11はその上面にピストンリング
1を水平に固定できるように構成されている。上下動部
10に装着されたディスク部材12の下面は水平面をな
し、回転部11の上面に固定されたピストンリング1の
水平な上面に対向配置する。ディスク部材12の外周に
は切欠部13が設けられており、定量ポンプによって潤
滑油供給口14から潤滑油がディスク部材12の切欠部
13に供給されることによって潤滑が行われる。
【0016】試験は次のようにして行われる。回転部1
1が回転されるとともに、上下動部10が上下動され
る。上下動部10の上下動によって、ピストンリング1
の上面がディスク部材12の下面で叩かれる。この試験
機では叩き回数、叩き荷重、回転部11の回転速度、デ
ィスク部材12の温度を適宜変更できる。叩き荷重は、
上下動部10の下死点位置でディスク部材12にピスト
ンリング1が押圧された状態で設定される。押圧力は回
転部11に設置されているコイルばねを圧縮することに
よって付与される。このときのコイルばねの圧縮量がロ
ードセルで検出され、叩き荷重が荷重計で読み取られ
る。
1が回転されるとともに、上下動部10が上下動され
る。上下動部10の上下動によって、ピストンリング1
の上面がディスク部材12の下面で叩かれる。この試験
機では叩き回数、叩き荷重、回転部11の回転速度、デ
ィスク部材12の温度を適宜変更できる。叩き荷重は、
上下動部10の下死点位置でディスク部材12にピスト
ンリング1が押圧された状態で設定される。押圧力は回
転部11に設置されているコイルばねを圧縮することに
よって付与される。このときのコイルばねの圧縮量がロ
ードセルで検出され、叩き荷重が荷重計で読み取られ
る。
【0017】下記の試験用ピストンリングについて、上
記回転叩き試験機を使用して表1に示す試験条件の下で
行った摩耗試験の結果を図3および図4に示す。
記回転叩き試験機を使用して表1に示す試験条件の下で
行った摩耗試験の結果を図3および図4に示す。
【0018】
【0019】本発明による試験用ピストンリングは、ポ
リテトラフルオロエチレン微粒子が分散されているニッ
ケル−リン複合めっき皮膜が表面に被覆されているピス
トンリングである。ピストンリングの母材は弁ばね用シ
リコン−クロム鋼(JIS規格のSWOSC−V)であ
る。めっき皮膜の膜厚は10μmである。めっき皮膜の
マトリックスとなるニッケル−リン合金のリン含有量
(重量比)、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の最大
粒径、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の分散量(体
積比)は図3に示す通りである。一例として、リン含有
量が8%、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の最大粒
径が1μm、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の分散
量が20%の場合のめっき条件について、建浴の液組成
を表2に、管理条件を表3に示す。
リテトラフルオロエチレン微粒子が分散されているニッ
ケル−リン複合めっき皮膜が表面に被覆されているピス
トンリングである。ピストンリングの母材は弁ばね用シ
リコン−クロム鋼(JIS規格のSWOSC−V)であ
る。めっき皮膜の膜厚は10μmである。めっき皮膜の
マトリックスとなるニッケル−リン合金のリン含有量
(重量比)、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の最大
粒径、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の分散量(体
積比)は図3に示す通りである。一例として、リン含有
量が8%、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の最大粒
径が1μm、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の分散
量が20%の場合のめっき条件について、建浴の液組成
を表2に、管理条件を表3に示す。
【0020】 上記添加剤はいずれも荏原ユージライト株式会社製であ
る。
る。
【0021】
【0022】比較例である試験用ピストンリングは、リ
ン酸塩皮膜が表面に被覆されているピストンリングと、
窒化ホウ素の微粒子が分散されているニッケル−リン複
合めっき皮膜が表面に被覆されているピストンリングで
ある。ピストンリングの母材は弁ばね用シリコン−クロ
ム鋼(JIS規格のSWOSC−V)である。リン酸塩
皮膜の膜厚は3μmであり、窒化ホウ素の微粒子が分散
されているニッケル−リン複合めっき皮膜の膜厚は3μ
mである。窒化ホウ素の微粒子が分散されているニッケ
ル−リン複合めっき皮膜において、めっき皮膜のマトリ
ックスとなるニッケル−リン合金のリン含有量は重量比
で8%であり、窒化ホウ素の微粒子の分散量は体積比で
10%である。
ン酸塩皮膜が表面に被覆されているピストンリングと、
窒化ホウ素の微粒子が分散されているニッケル−リン複
合めっき皮膜が表面に被覆されているピストンリングで
ある。ピストンリングの母材は弁ばね用シリコン−クロ
ム鋼(JIS規格のSWOSC−V)である。リン酸塩
皮膜の膜厚は3μmであり、窒化ホウ素の微粒子が分散
されているニッケル−リン複合めっき皮膜の膜厚は3μ
mである。窒化ホウ素の微粒子が分散されているニッケ
ル−リン複合めっき皮膜において、めっき皮膜のマトリ
ックスとなるニッケル−リン合金のリン含有量は重量比
で8%であり、窒化ホウ素の微粒子の分散量は体積比で
10%である。
【0023】図3に示されているように、ポリテトラフ
ルオロエチレン微粒子が分散されているニッケル−リン
複合めっき皮膜を表面に有しているピストンリングを使
用した場合は、ピストンリングの摩耗が少なく、かつ、
ピストン材料から形成されているディスク部材の摩耗も
少ない。これに対して、図4に示されているように、リ
ン酸塩皮膜を表面に有しているピストンリングを使用し
た場合は、ピストンリングおよびピストン材料から形成
されているディスク部材とも摩耗が多い。また、窒化ホ
ウ素の微粒子が分散されているニッケル−リン複合めっ
き皮膜を表面に有しているピストンリングを使用した場
合は、ピストンリングの摩耗は少ないが、ピストン材料
から形成されているディスク部材の摩耗が大きい。
ルオロエチレン微粒子が分散されているニッケル−リン
複合めっき皮膜を表面に有しているピストンリングを使
用した場合は、ピストンリングの摩耗が少なく、かつ、
ピストン材料から形成されているディスク部材の摩耗も
少ない。これに対して、図4に示されているように、リ
ン酸塩皮膜を表面に有しているピストンリングを使用し
た場合は、ピストンリングおよびピストン材料から形成
されているディスク部材とも摩耗が多い。また、窒化ホ
ウ素の微粒子が分散されているニッケル−リン複合めっ
き皮膜を表面に有しているピストンリングを使用した場
合は、ピストンリングの摩耗は少ないが、ピストン材料
から形成されているディスク部材の摩耗が大きい。
【0024】図5は本発明の別の実施例であるピストン
リングの一部分を示す縦断面図である。この実施例にお
けるピストンリング1は上下面にのみポリテトラフルオ
ロエチレン微粒子が分散されているニッケル−リン複合
めっき皮膜3が被覆されている。このめっき皮膜3のマ
トリックスとなるニッケル−リン合金のリン含有量は重
量比で0.5〜12%であり、ポリテトラフルオロエチ
レン微粒子の最大粒径は5μm以下であり、ポリテトラ
フルオロエチレン微粒子の分散量は体積比で5〜35%
である。このめっき皮膜3の膜厚は3〜15μmが好適
である。
リングの一部分を示す縦断面図である。この実施例にお
けるピストンリング1は上下面にのみポリテトラフルオ
ロエチレン微粒子が分散されているニッケル−リン複合
めっき皮膜3が被覆されている。このめっき皮膜3のマ
トリックスとなるニッケル−リン合金のリン含有量は重
量比で0.5〜12%であり、ポリテトラフルオロエチ
レン微粒子の最大粒径は5μm以下であり、ポリテトラ
フルオロエチレン微粒子の分散量は体積比で5〜35%
である。このめっき皮膜3の膜厚は3〜15μmが好適
である。
【0025】ピストンリング1の外周面には硬質皮膜2
が形成されている。硬質皮膜2は硬質クロムめっき、窒
化、あるいはPVD等によって形成されている。ピスト
ンリング1の内周面は母材面をなしている。
が形成されている。硬質皮膜2は硬質クロムめっき、窒
化、あるいはPVD等によって形成されている。ピスト
ンリング1の内周面は母材面をなしている。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、ポリテトラフルオ
ロエチレン微粒子が分散されているニッケル−リン複合
めっき皮膜は優れた耐摩耗性と自己潤滑性とを兼ね備え
ている。その結果、ピストンリングの上下運動時にピス
トンリングがピストンリング溝の上下面に当たっても、
ピストンリング溝面の摩耗を低減できるとともに、ピス
トンリング自身の摩耗も低減できる。
ロエチレン微粒子が分散されているニッケル−リン複合
めっき皮膜は優れた耐摩耗性と自己潤滑性とを兼ね備え
ている。その結果、ピストンリングの上下運動時にピス
トンリングがピストンリング溝の上下面に当たっても、
ピストンリング溝面の摩耗を低減できるとともに、ピス
トンリング自身の摩耗も低減できる。
【図1】本発明の一実施例であるピストンリングの一部
分を示す縦断面図である。
分を示す縦断面図である。
【図2】回転叩き試験機の要部の概略を示す縦断面図で
ある。
ある。
【図3】回転叩き試験機を使用して行った試験の結果を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図4】回転叩き試験機を使用して行った試験の結果を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図5】本発明の別の実施例であるピストンリングの一
部分を示す縦断面図である。
部分を示す縦断面図である。
1 ピストンリング 2 硬質皮膜 3 ポリテトラフルオロエチレン微粒子が分散されてい
るニッケル−リン複合めっき皮膜 10 上下動部 11 回転部 12 ディスク部材 13 切欠部 14 潤滑油供給口
るニッケル−リン複合めっき皮膜 10 上下動部 11 回転部 12 ディスク部材 13 切欠部 14 潤滑油供給口
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリテトラフルオロエチレン微粒子が分
散されているニッケル−リン複合めっき皮膜がリングの
上下面に形成されていることを特徴とするピストンリン
グ。 - 【請求項2】 ポリテトラフルオロエチレン微粒子が分
散されているニッケル−リン複合めっき皮膜がリングの
上下面と内周面とに形成されていることを特徴とするピ
ストンリング。 - 【請求項3】 前記めっき皮膜のマトリックスとなるニ
ッケル−リン合金のリン含有量が重量比で0.5〜12
%であり、前記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の最
大粒径が5μm以下であり、前記ポリテトラフルオロエ
チレン微粒子の分散量が体積比で5〜35%であること
を特徴とする請求項1または2記載のピストンリング。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10623793A JPH06300129A (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | ピストンリング |
GB9407030A GB2277139B (en) | 1993-04-08 | 1994-04-08 | Piston ring |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10623793A JPH06300129A (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | ピストンリング |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06300129A true JPH06300129A (ja) | 1994-10-28 |
Family
ID=14428517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10623793A Pending JPH06300129A (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | ピストンリング |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06300129A (ja) |
GB (1) | GB2277139B (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7383806B2 (en) | 2005-05-18 | 2008-06-10 | Caterpillar Inc. | Engine with carbon deposit resistant component |
JP2014074585A (ja) * | 2012-10-02 | 2014-04-24 | Seiko Instruments Inc | 時計用部品、及び時計用部品の製造方法 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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