JPH06299974A - 液冷媒ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液冷媒ポンプの運転時、吸入管20又は吐出管
22の振動及び騒音を低減する。 【構成】 容積型ポンプ機構3 に連結された吸入管20及
び吐出管22のいずれか一方又は双方に所定の容積Ｖを有
する容器30を連動連結するとともにこの容器を加熱する
加熱手段32を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液冷媒ポンプに関する。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来、液冷媒を移送するに
は一般にキヤンドモータポンプが用いられていたが、こ
れはコストが高く、また、効率が悪いので、実用性に乏
しいという問題があった。

【０００３】これに対処するため、密閉型電動圧縮機を
液冷媒の移送用ポンプとして用いることが特開平2-1733
84号公報によって提案された。しかし、これは液冷媒が
間欠的に吸入され、かつ、吐出されるので、吸入管及び
吐出管内に大きな脈動が生じ、これに伴って吸入管及び
吐出管が振動し、これに基づいて騒音が発生するという
不具合があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために発明されたものであって、その要旨とすると
ころは、容積型ポンプ機構に連結された吸入管及び吐出
管のいずれか一方又は双方に所定の容積を有する容器を
連通連結するとともにこの容器を加熱する加熱手段を設
けたことを特徴とする液冷媒ポンプにある。

【０００５】上記容器を先端を閉とした所定長さのパイ
プによって構成することができる。

【０００６】上記容積型ポンプ機構及びこれを駆動する
電動機が収容された密閉容器のまわりに上記パイプを密
接させて巻装することができる。

【０００７】

【作用】本発明においては、上記構成を具えているた
め、吸入管又は吐出管から容器内に入った液冷媒は加熱
手段により加熱されて蒸発し、容器内にはガス冷媒が充
満する。そして、この容器内のガス冷媒は吸入管又は吐
出管内で発生した脈動に伴う圧力変動に応じてその容積
を増減することにより上記脈動を吸収する。

【０００８】

【実施例】本発明の１実施例が図１に示されている。密
閉容器１の内部には電動機２と、この下方に電動機２に
よって駆動される容積型ポンプ機構３が収容されてい
る。そして、密閉容器１の頂部には電極端子26が取り付
けられている。電動機２のステータ2aは密閉容器１に固
定され、ロータ2bはクランクシヤフト４の上部に固定さ
れている。

【０００９】容積型ポンプ機構３はクランクシヤフト４
と、そのクランクピン５に嵌合されたローリングピスト
ン６と、密閉容器１に固定されたシリンダブロック７
と、このシリンダブロック７の上端開口を閉塞する上部
軸受８と、シリンダブロック７の下端開口を閉塞する下
部軸受９と、シリンダブロック７に穿設されたスロット
27内に出没自在に嵌挿されたブレード10と、このブレー
ド10の背後に配設されてこれを押推する押えばね11等か
らなる。

【００１０】シリンダブロック７と上部軸受８と下部軸
受９とによって囲まれるシリンダ室12内にローリングピ
ストン６を収容し、このローリングピストン６の外周面
にブレード10の先端を当接せしめることによってこのブ
レード10の片側に吸入室13が、他側に圧縮室14が限界さ
れている。クランクシヤフト４は上部軸受８及び下部軸
受９によってそれぞれ軸承されている。

【００１１】吸入管20は密閉容器１を封密的に貫通して
吸入口21に直結され、吐出管22は密閉容器１を封密的に
貫通して吐出口23に直結されている。吐出管22は所定の
容積Ｖを有する樽状の容器30に立上り管31を介して連通
連結されている。そして、この容器30の外周にはシース
ヒータ32が巻回されている。

【００１２】クランクシヤフト４が電動機２によって回
転駆動されると、クランクピン５に嵌合されたローリン
グピストン６はシリンダ室12内で矢印方向に偏心回転運
動する。これに伴って液冷媒が吸入管20、吸入口21を経
て吸入室13内に吸入され、圧縮室14内の液冷媒が吐出口
23、吐出管22を経て吐出される。

【００１３】これと同時に、密閉容器１内底部に貯溜さ
れた潤滑油25がクランクシヤフト４内下部に組み込まれ
た潤滑油ポンプ18によって吸引され、クランクシヤフト
４に穿設された給油通路19を経てクランクシヤフト4 と
上部軸受８及び下部軸受９との摺動面、クランクピン５
とローリングピストン６との摺動面、ローリングピスト
ン６とシリンダブロック７との摺動面等に給油される。

【００１４】吐出管22内を流れる液冷媒の一部は立上り
管31を経て容器30内に入り、ここでシースヒータ32によ
り加熱されて蒸発することによりガス冷媒となって容器
30内に充満する。一方、ローリングピストン６の１回転
毎に液冷媒が吐出されるので、吐出管22を流れる液冷媒
には脈動が発生するが、この脈動に伴う圧力変動は容器
30内のガス冷媒の容積変化によって緩和又は吸収され
る。

【００１５】図２には本発明の第２の実施例が示されて
いる。この第２の実施例においては、先端を閉塞した所
定長さのパイプ33をコイル状に巻回することによって所
定容積Ｖを有する容器が構成されている。なお、他の構
成及び作用は図１に示す第１の実施例と同様である。

【００１６】図３には本発明の第３の実施例が示されて
いる。この第３の実施例においては、先端が閉塞された
所定長さのパイプ34を密閉容器１のまわりに密接して巻
回することによって所定容積Ｖを有する容器が構成され
ている。なお、他の構成は図１に示す第１の実施例と同
様である。

【００１７】このようにすれば、パイプ34内のガス冷媒
は密閉容器１を介してこの中に内蔵された電動機２、容
積型ポンプ機構３から発熱する熱によって加熱できるの
で、第１及び第２の実施例のシースヒータ32を省略でき
る。

【００１８】上記各実施例において、吐出管22に各１個
の容器を連通連結したが、２個以上の容器を連通連結す
ることができる。また、吸入管20に容器を連通連結すれ
ば、吸入管20内に発生する脈動を低減できる。

【００１９】

【発明の効果】本発明においては、吸入管又は吐出管か
ら容器内に入った液冷媒は加熱手段により加熱されて蒸
発し、この容器内のガス冷媒はその容積を増減すること
により吸入管又は吐出管内で発生した脈動に伴う圧力変
動を緩和又は吸収するので、吸入管又は吐出管の振動及
びこれに基づく騒音を低減できる。そして、単純な部品
で構成しうるので、構造が簡単、かつ、安価で、しか
も、信頼性が高い脈動緩和機構を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示し(A) は縦断面図、
(B) は(A) のＡ−Ａ矢に沿う断面図である。

【図２】本発明の第２の実施例を部分的に破断して示す
縦断面図である。

【図３】本発明の第３の実施例を部分的に破断して示す
縦断面図である。

【符号の説明】

１ 密閉容器 ２ 電動機 ３ 容積型ポンプ機構 20 吸入管 22 吐出管 30 容器 32 加熱手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨増 和宏 名古屋市中村区岩塚町字高道１番地 三菱 重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 西浦 典正 愛知県西春日井郡西枇杷島町字旭町三丁目 １番地 三菱重工業株式会社エアコン製作 所内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容積型ポンプ機構に連結された吸入管及
   び吐出管のいずれか一方又は双方に所定の容積を有する
   容器を連通連結するとともにこの容器を加熱する加熱手
   段を設けたことを特徴とする液冷媒ポンプ。
2. 【請求項２】 上記容器を先端を閉とした所定長さのパ
   イプによって構成したことを特徴とする請求項１記載の
   液冷媒ポンプ。
3. 【請求項３】 上記容積型ポンプ機構及びこれを駆動す
   る電動機が収容された密閉容器のまわりに上記パイプを
   密接させて巻装したことを特徴とする請求項２記載の液
   冷媒ポンプ。