JPH06299595A - 真空式下水道異常警報装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空式下水道システムにおいて、各汚水ます
部に配設された真空バルブ動作異常警報装置の電源部を
長期に亘って保守フリーとする手段を提供する。 【構成】 このため、前記電源を太陽電池１０と二次電
池１１との組合わせにより供給するよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、真空式下水道システ
ムにおける異常警報装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】多数の家や施設等から汚水を収集するた
めの公知のこの種の真空式下水道システムの一例の概要
図を図２に示す。２０は複数の家、１は各家２０からの
排水用の自然流下管、２は、真空バルブ３を内蔵したマ
ンホール内の汚水ます、４は真空下水管、２５は、真空
下水管４の途中に設けられた各リフト部、２６は真空ス
テーション（真空ポンプ場）で、内部に真空ポンプ２
７，集水タンク２８及び圧送ポンプ２９等を備えてい
る。配管３０は公共下水道幹線や下水処理場に接続され
る。下水道システムの真空下水管４は通常数ｋｍに亘っ
て敷設され、これに付随する汚水ます２の数量も比較的
多くなる。

【０００３】この種の真空式下水道においては、搬送さ
れる汚水は空気を含んだ気液２相流体の状態であるた
め、これを吸引するための真空システムの特にマンホー
ル内の汚水ます２の真空バルブ３に、異物の詰り等に起
因する作動異常を発生する可能性が高かった。従来はこ
れを常時監視して異常時にこれを管理者に報知するよう
積算器を設けて真空バルブ２２の作動回数を測定する方
法等が採用されていたが、その信頼度が低く、また実際
の不良個所の発見に時間／手数を要する等の難点があっ
た。

【０００４】この問題点を解決するため、例えば特開平
３−４３５２７号公報に真空バルブ３の開閉動作状態の
検出信号を外部に取出して積算し、その故障個所の発見
及び対応を容易／迅速化するための監視装置の改善提案
が開示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】これらの監視／警報装
置を作動させるためには当然何等かの電源を必要とする
が、上記提案例にはその電源装置については何等開示さ
れておらず、一般的には、一次電池の内蔵もしくは警報
装置が設置される家庭からの商用電源の供給等が前提と
なる。

【０００６】しかしながら、後者の特定の家庭からの商
用電源供給は、一般的には汚水ますの設置場所等の制約
により不可能なことがあるため、前者の内蔵一次電池に
よる場合、電池の消耗により頻繁に電池の点検／交換が
要求され、比較的長い距離に亘って配設されている多数
の汚水ます部の保守／管理が問題となる。また、この種
の警報装置は、屋外に設置されているため、風雨に耐え
るよう強固に作られているため、その電池交換自体にも
手数を要する。

【０００７】この発明は、以上のような局面にかんがみ
てなされたもので、長期に亘ってこの種の監視／警報装
置の電源保守を省略し得る手段の提供を目的としてい
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、複数の家から排水される汚水を汚水ますに溜め、
これを真空バルブの開閉により真空下水管に吸入してこ
の汚水を真空ポンプ場に搬送する真空式下水道システム
において、前記汚水ますに取付けられた前記真空バルブ
の作動異常を検知して警報を発するための警報装置の電
源として、太陽電池と二次電池との組合わせを使用する
よう構成することにより、前記目的を達成しようとする
ものである。

【０００９】

【作用】以上のように、太陽電池と二次電池とを組合わ
せてこの種の電源に利用することにより、従来の電池の
点検／交換のための保守作業を長期間に亘って不要にす
ることができ、保守コストを節減し得る。

【００１０】

【実施例】以下にこの発明を実施例に基づいて説明す
る。図１にこの発明に係る汚水ます部に配設された警報
装置の一実施例の構成概要斜視図を示す。

【００１１】１は、各家２０よりの排水を汚水収集装置
としての汚水ます２に集めるための自然流下管である。
汚水ます２の底部に溜った汚水の水位が所定レベルに達
したことを水位センサ７が検知すると自動的に真空バル
ブ３が開いて吸込管５より汚水を真空下水管４に吸引し
て搬送するよう作動する。８は圧力センサである。水位
センサ７と圧力センサ８とは、各信号線によりブリーザ
管６内を通ってその地上部に設置された警報装置９
（（ａ）図にその内部構成を示す）の制御基板１２に接
続されている。１３は警報用ブザー、１４は異常状態表
示用のＬＥＤ（発光ダイオード）を示す。真空バルブ３
の異常により汚水ます２の水位が異常に高水位になった
り、真空下水管４の真空度が異常に低下したときブザー
１３が鳴動し、ＬＥＤ１４が点滅する。

【００１２】本実施例の特徴は真空バルブ３の異常動作
監視及び警報装置９の水位センサ３，電圧センサ８，制
御基板１２，ブザー１３，ＬＥＤ１４等を駆動させるた
めの電源として、太陽電池１０及び二次電池１１組合わ
せを使用したことにあり、昼間は、装置９の上部に南向
きに取付けられた太陽電池１０で発電した電力の一部を
警報装置９の一部として消費し、残りを二次電池１１に
充電する。夜間は二次電池１１に蓄えられた電力で動作
する。

【００１３】これにより、一次電池を使用する従来例の
ように、広範囲に散在する複数の汚水ます個所における
警報装置の電源電池交換を含む定期的な保守点検作業が
不要となる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、この種の真空下水道システムの各汚水ます部の真空
バルブ異常監視／警報装置への電源供給を太陽電池と二
次電池との組合わせにより行うよう構成したため、従来
必要であった一次電池の点検／交換等の保守作業が不要
となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】 一実施例の構成概要斜視図

【図２】 従来の真空式下水道システムの一例の概要図

【符号の説明】

１ 汚水ます ３ 真空バルブ ４ 真空下水管 ９ 警報装置 １０ 太陽電池 １１ 二次電池 ２６ 真空ステーション（真空ポンプ場）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の家から排水される汚水を汚水ます
   に溜め、これを真空バルブの開閉により真空下水管に吸
   入してこの汚水を真空ポンプ場に搬送する真空式下水道
   システムにおいて、前記汚水ますに取付けられた前記真
   空バルブの作動異常を検知して警報を発するための警報
   装置の電源として、太陽電池と二次電池との組合わせを
   使用したことを特徴とする真空式下水道異常警報装置。