JPH06299194A - プラスチックの洗浄方法 - Google Patents

プラスチックの洗浄方法

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JPH06299194A
JPH06299194A JP8494993A JP8494993A JPH06299194A JP H06299194 A JPH06299194 A JP H06299194A JP 8494993 A JP8494993 A JP 8494993A JP 8494993 A JP8494993 A JP 8494993A JP H06299194 A JPH06299194 A JP H06299194A
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plastic molded
washing
cleaning
molded product
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JP8494993A
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Akira Ushio
朗 牛尾
Kazuhiko Usuki
和彦 臼杵
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハロゲン化炭化水素を用いずにプラスチック
成形品表面から油分を十分に除去し、しかも、プラスチ
ック成形品表面の水濡れ性を改善して水滴が生じにくく
する。 【構成】 この発明のプラスチックの洗浄方法は、鉱酸
およびその塩から選ばれる少なくとも1つとHLB8〜
12の非イオン界面活性剤を含むpH3〜6の水溶液か
らなる洗浄液を45〜80℃でプラスチック成形品にス
プレーする洗浄工程、前記プラスチック成形品に付着し
ている前記洗浄液を水で洗い流す水洗工程、および、水
洗された前記プラスチック成形品の表面が全体的に水で
濡れるように処理する表面調整工程を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の車体を構成
するプラスチック品、自動車の内装用のプラスチック品
などのプラスチック成形品を洗浄する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック成形品は、自動車のプラス
チック部品をはじめ、種々の用途に利用されている。プ
ラスチック成形品は、静電気を帯びやすく、大気中のゴ
ミや砂ぼこりなどの固体粒子を吸着して汚れやすい。プ
ラスチック成形品の生産現場では機械油やコンベアーオ
イルなどの油が使われている。このため、プラスチック
成形品がそれらの汚染物で汚れるのを完全に防ぐことは
困難である。また、プラスチック成形品には、型離れを
良くするために脂肪酸やステアリン酸塩(特にステアリ
ン酸亜鉛)などの離型剤が使われ、また、耐候性を持た
せるためにヒンダードアミンなどの光安定剤や酸化防止
剤といった添加剤が配合されている。上記固体粒子を吸
着したプラスチック成形品を塗装すると、上記固体粒子
を吸着した部分の塗膜にふくれが発生しやすい。上記離
型剤や添加剤は、プラスチック成形品表面に浮き出て、
塗装塗膜の密着性を低下させる。
【0003】プラスチック成形品を用いる場合、その表
面から上記汚染物、離型剤や添加剤を除去する必要があ
る。従来のプラスチック成形品の洗浄方法としては、
1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロ
ロトリフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素による蒸
気脱脂洗浄が知られている。これらのハロゲン化炭化水
素は、良好な洗浄性を有し、プラスチック成形品表面に
残存しにくい。しかし、ハロゲン化炭化水素を用いる蒸
気洗浄は、次に述べるような欠点を有する。
【0004】ハロゲン化炭化水素は、近年問題になって
いるオゾン層破壊などの環境に与える影響から使用が制
限され、また、地下水などに溶解して水道水に混入し、
人体に対する悪影響を引き起こす。蒸気洗浄は、プラス
チック成形品に付着した油分の除去に有効であるが、上
記固体粒子などを完全に除去することができない。この
ため、プラスチック塗装品を作る場合、蒸気洗浄後にイ
ソプロピルアルコールなどの溶剤を含ませた布でプラス
チック成形品表面の上記固体粒子を拭い取ってから塗装
している。
【0005】最近では、ハロゲン化炭化水素を用いる蒸
気洗浄から、水溶液からなる洗浄液で洗浄する方法に変
わりつつある。このような洗浄液は、界面活性剤とアル
カリを含むアルカリ性水溶液である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】アルカリ性水溶液で洗
浄する方法は、ハロゲン化炭化水素を用いる蒸気洗浄方
法に比べて油分の除去が不十分であった。洗浄に用いた
アルカリ性水溶液がプラスチック成形品表面に残存する
と、塗料の濡れ性が低下してはじきなどの塗装欠陥が起
こったり、耐水性が低下して塗膜にふくれを発生させた
りする。
【0007】プラスチック成形品は水をはじきやすいた
め、洗浄液で洗浄し、水洗してからエアーブローなどに
より水切りを行うと多量の水滴がプラスチック成形品表
面に残存する。これらの水滴は大気中のゴミを吸着しや
すい。このため、そのようなプラスチック成形品に塗装
を行うと、水滴があった部分とそれ以外の部分とで塗膜
性能に差が出る。
【0008】この発明の課題は、ハロゲン化炭化水素を
用いずにプラスチック成形品表面から油分を十分に除去
することができ、しかも、プラスチック成形品表面の水
濡れ性を改善して水滴が生じにくくすることができるプ
ラスチック成形品の洗浄方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するために、鉱酸およびその塩から選ばれる少なく
とも1つとHLB8〜12の非イオン界面活性剤を含む
pH3〜6の水溶液からなる洗浄液を45〜80℃でプ
ラスチック成形品にスプレーする洗浄工程、前記プラス
チック成形品に付着している前記洗浄液を水で洗い流す
水洗工程、および、水洗された前記プラスチック成形品
の表面が全体的に水で濡れるように処理する表面調整工
程を備えたプラスチックの洗浄方法を提供する。
【0010】プラスチック成形品は、熱可塑性樹脂およ
び熱硬化性樹脂の一方または両方を用いてなる成形品で
あり、型離れを良くするための離型剤、耐候性を与える
ための光安定剤や酸化防止剤などの添加剤が配合されて
いる。プラスチック成形品の中でもポリプロピレン系成
形品は特に水をはじきやすいけれども、この発明の方法
はそのようなポリプロピレン系成形品に対しても有効で
ある。離型剤、光安定剤および酸化防止剤は、たとえ
ば、プラスチック成形品に通常使用されるものである。
離型剤は、たとえば、脂肪酸;ステアリン酸亜鉛などの
ステアリン酸塩である。光安定剤および酸化防止剤は、
たとえば、ヒンダードアミンである。プラスチック成形
品表面には、場合によっては、大気中のゴミや砂などの
固体粒子が静電気により付着したり、機械油やコンベア
ーオイルなどの油が付着したりしている。
【0011】この発明では、そのようなプラスチック成
形品に洗浄液をスプレーすることにより、その表面の、
離型剤、添加剤、油;ゴミ、砂などの固体粒子などを除
去する。前記洗浄液に含まれる鉱酸およびその塩から選
ばれる少なくとも1つとは、たとえば、一般的な鉱酸、
硫酸、塩酸、リン酸、および、これらの塩が使用可能で
ある。鉱酸およびその塩としては、排水処理負荷、富栄
養化を考慮して硫酸および硫酸塩が好ましい。鉱酸の塩
としては、ナトリウム塩、カリウム塩など一般的なもの
が使用可能である。多塩基酸である鉱酸の塩は、正塩で
も水素塩(酸性塩)でも良い。
【0012】前記洗浄液中の鉱酸と鉱酸塩の合計濃度
は、たとえば、0.2〜100g/l とされるが、経済性
から0.2〜10g/l が好ましい。0.2g/l 未満だと
洗浄効果が低いおそれがあり、100g/l を越えたとし
ても後工程で水洗するので特に問題はないが、100g/
l を越えると、経済性が劣るおそれがある。前記洗浄液
に含まれる非イオン界面活性剤は、プラスチック成形品
の素材への濡れ性とプラスチックに用いられる添加剤や
成形時に使われる離型剤、取扱い時に付着した汚れを乳
化除去するものであり、他の種類の界面活性剤に比べて
洗浄効果と安定性が優れている。ここで、安定性とは、
洗浄効果の持続力のことである。この発明における洗浄
工程で用いる非イオン界面活性剤は、HLB〔親水性親
油性バランス(Hydrophile-Lipophile Balance)とも言
う〕8〜12のものである。非イオン界面活性剤のHL
B値が8〜12であると、プラスチック成形品表面への
濡れ性と汚染物の乳化分散性、特に油脂汚れに対する乳
化分散性に優れている。HLB値が12よりも大きい非
イオン界面活性剤では油脂の汚れを充分除去できない
し、HLB値が8未満の非イオン界面活性剤では水への
分散性が悪く、洗浄性も充分ではない。HLB8〜12
の非イオン界面活性剤のなかでもポリオキシエチレンア
ルキルエーテルは、生分解性、魚毒性などの排水処理性
に優れ好ましい。
【0013】前記洗浄液中のHLB8〜12の非イオン
界面活性剤の濃度は、たとえば、0.1〜10g/l であ
り、0.3〜2g/l が好ましい。0.1g/l 未満だと洗
浄効果が低いおそれがあり、10g/l を越えると経済性
が悪く、発泡しやすく、排水処理性が悪くなるおそれが
ある。この発明では、上記洗浄液が泡立ちやすい場合に
は、必要に応じて、HLB8〜12の非イオン界面活性
剤として抑泡剤となる非イオン界面活性剤を使用するこ
とにより泡立ちを抑えることができる。抑泡剤となる非
イオン界面活性剤は、たとえば、上述したHLB8〜1
2の非イオン界面活性剤のうちの、分子の末端をポリエ
チレン基などの疎水基で置換したポリエチレンポリプロ
ピレン誘導体である。洗浄液の泡立ちを抑えるために
は、該洗浄液に含まれるHLB8〜12の非イオン界面
活性剤の10〜100重量%が、上記抑泡剤となる非イ
オン界面活性剤であることが好ましい。通常、HLB1
1以下の非イオン界面活性剤は発泡も軽微で抑泡剤を必
要としない。
【0014】前記洗浄液はpH3.0〜6.0の水溶液
であり、必要に応じてpH調整が行われる。pH値を高
くして前記範囲のpH値に調整する場合には、水酸化ナ
トリウムなどのアルカリを添加し、pH値を低くして前
記範囲のpH値に調整する場合には、上記鉱酸およびそ
の酸性塩を添加する。この発明における洗浄工程では、
短時間で洗浄効果を発揮させるために、高温の洗浄液を
スプレーするのが好ましいが、プラスチック成形品を変
形させずに短時間で洗浄効果を発揮させるためには、4
5〜80℃の洗浄液をスプレーする。洗浄液のスプレー
圧は、高いほど良いものの、たとえば、1〜5kg/cm2
とされる。洗浄液のスプレー時間は、たとえば、0.3
〜3分間である。
【0015】この発明では、前記洗浄液が上記必須成分
を含んでいるとともに、さらに無機フッ化物を含んでい
ると、ガラス繊維を含むプラスチック成形品を好ましく
洗浄できる。ガラス繊維を含むプラスチック成形品は、
たとえば、ガラス繊維を含むポリエステル樹脂成形品な
どである。無機フッ化物を含む洗浄液でガラス繊維を含
むプラスチック成形品を洗浄すると、プラスチック成形
品のプライマー塗料の濡れ性が良好であるので、密着性
の良い塗膜を形成することができる。プラスチック素材
の改質のためにフィラー成分としてガラス繊維を含有す
るプラスチック素材で作られたプラスチック成形品は、
塗料の濡れが悪く、塗膜の密着性が劣っている。このよ
うにガラス繊維を含むプラスチック素材にはフッ素のエ
ッチングにより塗料の濡れ性が改善され密着性の向上が
図れる。無機フッ化物は、たとえば、酸性フッ化アンモ
ニウム、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸などのフッ素
系鉱酸およびその塩である。フッ素系鉱酸は、組成式中
にフッ素を含む鉱酸である。洗浄装置の腐食が起こりに
くいという点を考慮するとケイフッ化水素酸、ケイフッ
化カリウムが好ましい。前記洗浄液の無機フッ化物濃度
は、たとえば、0.01〜10g/l であり、経済性や装
置の耐腐食性を考慮すると0.1〜1g/l が好ましい。
【0016】この発明では、プラスチック成形品を前記
洗浄液で上記のようにして洗浄した後、水洗により該洗
浄液を除去する。ここで、水洗は、前記洗浄液を洗い流
すための処理であり、温度(水が沸騰する温度以下であ
れば特に制限はない)および時間は適宜設定すれば良
く、やり方もスプレーおよび浸漬のいずれかまたは両方
を適宜選択すれば良い。
【0017】上記水洗の後、プラスチック成形品には表
面調整が施される。表面調整工程では、プラスチック成
形品の表面が全体的に水で濡れるように処理される。こ
の処理に使用される表面調整液は、たとえば、32dyne
/cm以下の表面張力を有する水溶液である。該表面調整
液をプラスチック成形品に接触させることでプラスチッ
ク成形品表面が全体的に均一な薄い水膜で覆われる。こ
の水膜は軽いエアーブローや乾燥(強制乾燥)により容
易に均一に除去でき、水滴を生じないので、従来のエア
ーブロー装置や乾燥装置に比べて負荷の小さいもので充
分であり、洗浄方法を実施するラインの短縮化が可能に
なる。
【0018】前記表面調整液は、HLB10〜17の非
イオン界面活性剤を含むpH7の水溶液であり、30μ
S/cm以下の電導度を持つことが好ましく、10μS/
cm以下の電導度を持つことがより好ましい。表面調整液
に含まれる非イオン界面活性剤がHLB10未満のもの
であるとプラスチック成形品表面を均一に濡らすことが
できず、HLB17超のものであると発泡が強く、実用
的でない。非イオン界面活性剤の種類としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステルなどいずれのタイプでもよいが、排水処理性と生
分解性が良好であるポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルがより好ましい。表面調整液が30μS/cmよりも大
きい電導度を持つと電解質の量が多いので、塗装後の耐
水テストでブリスターを発生させやすい。
【0019】前記表面調整液は、乾燥を早めるために加
温されていてもよいが、加温する場合には65℃以下が
望ましい。65℃を越えるとプラスチック成形品の表面
を均一に濡らすことが難しくなるおそれがある。表面調
整液中のHLB10〜17の非イオン界面活性剤の濃度
は、たとえば、0.02〜20g/l であり、0.2〜2
g/l が好ましい。0.02g/l 未満ではプラスチック成
形品表面に水滴が残ることがあるため、均一な乾燥がで
きず、水滴跡などの外観不良の原因になる。また、20
g/l 超だと、乾燥時に非イオン界面活性剤が濃化し、塗
膜の耐水密着性を低下させることがある。表面調整液を
プラスチック成形品表面に接触させる方法は、浸漬、ス
プレーなどが可能であるが、スプレーの場合はスプレー
圧を極力下げて発泡が起こらないように注意することが
望ましい。
【0020】この発明の洗浄方法により、表面調整が行
われたプラスチック成形品にエアーブローを施すことに
より、プラスチック成形品表面を全体的に濡らしている
水膜を容易に除去することができる。エアーブローの条
件は、たとえば、プラスチック成形品の表面風速0.5
〜3m/分で2〜5分程度と従来に比べて非常に低い風
速かつ短時間である。上記のように表面調整が行われた
プラスチック成形品は、表面調整を行わないプラスチッ
ク成形品に比べてこのように短時間でエアーブローを行
うことができ、洗浄ラインの短縮化を可能にする。
【0021】上記のようにエアーブローが施されたプラ
スチック成形品は、必要に応じて強制的にまたは自然放
置により乾燥された後、水性塗料、油性塗料あるいはそ
の他の塗料など適宜の塗料で塗装することができる。洗
浄して水洗した後に表面調整を行わない場合には、プラ
スチック成形品表面に水滴が残りやすく、このようなプ
ラスチック成形品表面は均一な塗装が困難である。上記
のように表面調整を行うことにより、エアーブロー(水
切り)のみで強制的なまたは自然放置による乾燥を行わ
ず均一な塗装が可能である。
【0022】
【作用】この発明の洗浄方法によれば、鉱酸およびその
塩から選ばれる少なくとも1つとHLB8〜12の非イ
オン界面活性剤を含むpH3〜6の水溶液からなる洗浄
液を45〜80℃でプラスチック成形品にスプレーする
ことにより、プラスチック成形品表面に付着した油分や
固体粒子が容易に除去される。プラスチック成形品表面
に付着した前記洗浄液は水洗により除去される。その
後、プラスチック成形品に表面調整を施すことにより、
プラスチック成形品表面を濡らしている水を除去しやす
くなる。
【0023】上記必須成分を含み、さらに無機フッ化物
を含む洗浄液で洗浄を行うと、ガラス繊維を含むプラス
チック成形品に対してより密着性が優れた塗膜を形成す
ることができる。HLB10〜17の非イオン界面活性
剤を含む表面調整液で表面調整を行うとプラスチック成
形品表面が帯電しにくいので帯電による固体粒子の吸着
を減少させることができる。
【0024】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。 (1)供試材と塗装 高剛性タイプのポリプロピレン系樹脂板(三井石油
化学工業社製)にマシンオイル(シェル社製HL−6)
を2g/m2の割合で塗布し、室内で30分放置してマシ
ンオイルを汚れとして付着させ、後述する実施例および
比較例の洗浄方法に供した。
【0025】ポリプロピレン系樹脂板への塗装は下記の
方法により行った。 プライマー塗装(溶剤型プライマー使用) プライマーとして塩素化ポリプロピレン系塗料(日本ビ
ーケミカル社製RB147)を乾燥塗膜厚8〜15μm
となるようスプレー塗布し、室温で10分間放置した
後、下記の上塗り塗装を行った。
【0026】上塗り塗装 ウレタン系上塗り塗料(日本ビーケミカル社製R271
ホワイト)を乾燥塗膜厚で30〜35μm(ピーリング
テストのためには100〜150μm)となるようスプ
レー塗布し、10分間室温放置した後、90℃で40分
間焼き付け乾燥し、塗装したプラスチック成形板を得
た。得られた塗装プラスチック成形板に対して後述する
試験を行った。
【0027】 ポリウレタン系樹脂(住友バイエルウ
レタン社製)に内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を1
重量%の割合で添加した成形材料を、外部離型剤として
ケムトレンド社製RCTW2006を塗布した成形型で
通常のやり方に従って成形し、表面に内部離型剤と外部
離型剤が付着したポリウレタン系樹脂板を得た。この樹
脂板を後述する実施例および比較例の洗浄方法に供し
た。
【0028】塗装 ウレタン系プライマー塗料(日本ビーケミカル社製RB
189)を乾燥塗膜厚8〜15μmとなるようにスプレ
ー塗布し、室温で10分間放置し、80℃で30分間焼
き付け乾燥した。その後、ポリエステル系中塗り塗料
(日本ビーケミカル社製P026)およびウレタン系上
塗り塗料(日本ビーケミカル社製R271ホワイト)
を、それぞれ、乾燥塗膜厚30〜35μmおよび35〜
45μm(ピーリングテストのためには100〜150
μm)となるようスプレー塗布により塗り重ねた。10
分間室温で放置した後、90℃で40分間焼き付け乾燥
し、塗装したプラスチック成形板を得た。得られた塗装
プラスチック成形板に対して後述する試験を行った。
【0029】 不飽和ポリエステル樹脂(SMC(Sh
eet moulding compound):ガラス繊維20重量%入りシ
ート状成形材料)板を後述する実施例および比較例の洗
浄方法に供した。 塗装 ウレタン系プライマー塗料(日本ビーケミカル社製X2
−HP)を乾燥塗膜厚10〜15μmとなるようスプレ
ー塗布し、80℃×30分間焼き付けた後、ウレタン系
上塗り塗料(日本ビーケミカル社製R240)を乾燥塗
膜厚30〜40μm(ピーリングテストのためには10
0〜150μm)となるようスプレー塗布し、90℃×
30分間焼き付け乾燥し、塗装したプラスチック成形板
を得た。得られた塗装プラスチック成形板に対して後述
する試験を行った。
【0030】(2)評価方法 水切れ性 表面調整後、または、表面調整しなかった場合は水洗
後、樹脂板を60度の角度に立てかけて水が切れるまで
の時間で表示した。 塗装外観 塗装時に、目視判定によりはじき等の外観異常を評価し
た。
【0031】 一次密着性 塗装後、24時間室内放置した塗装板の塗装面にJIS
−K−5400に準じて2mm間隔で10×10個の碁盤
目を作り、その面にニチバン社製のセロハンテープを貼
着してから、急激に一気に剥離し、塗装板に残った碁盤
目塗膜の数を数えた。
【0032】 ピーリングテスト 厚み8〜15μmのプライマー塗膜、および、その上に
形成された厚み100〜150μmの上塗り塗膜からな
る全塗膜を幅10mmで180度方向でテンシロン
((株)オリエンテック製)により50mm/分のスピー
ドで引っ張り、そのときの強度(kg/cm)を測定した。
【0033】 二次密着性 塗装後、24時間室内放置した塗装板を40℃の脱イオ
ン水に10日浸漬したのち、水から取り出し、塗装板に
付着した水を布で拭いとり、直ちに塗装板の塗装面にJ
IS−K−5400に準じて2mm間隔で10×10個の
碁盤目を作り、その面にニチバン社製のセロハンテープ
を貼着してから、急激に一気に剥離し、塗装板に残った
碁盤目塗膜の数を数えた。
【0034】 耐湯性 塗装後、24時間室内放置した塗装板を40℃の脱イオ
ン水に10日浸漬したのち、水から取り出し、塗装板に
付着した水を布で拭いとり、直ちに塗膜外観を肉眼で観
察し、下記の基準で評価した。 ○:ブリスターの発生無し。
【0035】△:ブリスターがわずかに発生した。 ×:全面にブリスターが発生した。 (実施例1)イオン交換水に硫酸、硫酸ナトリウムおよ
び非イオン界面活性剤*1〔ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル(HLB値10.5)〕を溶解させ、水酸化
ナトリウムでpH4に調整し、表1に示す組成の洗浄液
を作った。
【0036】イオン交換水に、非イオン界面活性剤*5
〔ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB値1
2.0)〕を0.5g/l の濃度で溶解させ、pH7の表
面調整液を作った。表面調整液の組成、pHおよび電導
度を表1に示した。前記成形板に60℃の上記洗浄液を
スプレー圧2kg/cm2 で2分間スプレーすることにより
成形板を洗浄した後、イオン交換水を30秒間スプレー
することにより成形板を水洗した。水洗された成形板の
表面全体に上記表面調整液をかけた後、表面風速2m/
分で15秒間エアーブローすることにより水切りを行っ
た。水切りした成形板を80℃で5分間乾燥した後、上
述のようにして塗装した。
【0037】(実施例2〜3)洗浄液の非イオン界面活
性剤を表1に示すHLB値を持つものに変えたこと以外
は実施例1の操作を繰り返して塗装成形板を得た。実施
例2で用いた非イオン界面活性剤*2は、HLB値1
1.9のポリオキシエチレンアルキルエーテル、非イオ
ン界面活性剤*3は、HLB値10.5のポリオキシエ
チレンアルキルエーテル(抑泡剤)であった。
【0038】実施例3で用いた非イオン界面活性剤*4
は、HLB値8.0のポリオキシエチレンアルキルエー
テルである。 (実施例4〜5)洗浄液の温度を表1に示す値に設定し
て洗浄したこと以外は実施例1の操作を繰り返して塗装
成形板を得た。
【0039】(実施例6〜7および11)鉱酸およびそ
の塩を表1と2に示すものに変えたこと以外は実施例1
の操作を繰り返して塗装成形板を得た。 (実施例8)表面調整液の非イオン界面活性剤を表2に
示すHLB値を持つものに変えたこと以外は実施例1の
操作を繰り返して塗装成形板を得た。
【0040】実施例8で用いた非イオン界面活性剤*6
は、HLB値13.5のポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルである。 (実施例9)水切り後の乾燥を25℃の室内に30分間
放置することにより行ったこと以外は実施例1の操作を
繰り返して塗装成形板を得た。
【0041】(実施例10)水酸化ナトリウムでpH調
整せずに表2に示す硫酸濃度とpH値を有する洗浄液を
用いたこと以外は実施例1の操作を繰り返して塗装成形
板を得た。 (比較例1〜2)洗浄液の非イオン界面活性剤を表3に
示すHLB値を持つものに変えたこと以外は実施例1の
操作を繰り返して塗装成形板を得た。
【0042】比較例1で用いた非イオン界面活性剤*7
は、HLB値13.5のポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、比較例1と2で用いた非イオン界面活性剤*8
は、HLB値4のBASF社製の商品名プルラファック
LF131である。 (比較例3)水酸化ナトリウムで表3に示すpH値に調
整した洗浄液を用いたこと以外は実施例1の操作を繰り
返して塗装成形板を得た。
【0043】(比較例4)洗浄液の温度を35℃に設定
して洗浄したこと以外は実施例1の操作を繰り返して塗
装成形板を得た。 (比較例5)表面調整を行わなかったこと以外は実施例
1の操作を繰り返して塗装成形板を得た。
【0044】(比較例6)洗浄液の代わりに1,1,1
−トリクロロエタン蒸気により30秒間洗浄したこと、
および、水洗、表面調整、エアーブロー、乾燥を行わな
かったこと以外は実施例1の操作を繰り返して塗装成形
板を得た。各工程の条件を表1〜3に、結果を表4〜6
に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】表1〜6にみるように、実施例の洗浄方法
により洗浄されたプラスチック成形品は、水切れ性、塗
装外観、ピーリング、一次密着性、二次密着性、耐湯外
観のすべてに優れており、トリクロロエタン蒸気により
洗浄を行った比較例6と同等以上の性能を示した。な
お、実施例の洗浄方法により洗浄されたポリウレタン系
樹脂板では密着性が良好でピーリングテストができなか
った。
【0052】比較例1〜5の洗浄方法により洗浄された
プラスチック成形品は次のような欠点が見られた。比較
例1と2は、ポリウレタン成形品については性能に差が
見られなかったが、洗浄液に含まれている非イオン界面
活性剤のHLB値が6〜12の範囲を外れているため、
ポリプロピレン成形品については実施例1に比べてピー
リングが悪かった。比較例3は、洗浄液のpH値が6よ
りも大きいため、ポリプロピレン成形品については実施
例1に比べて密着性とピーリングが悪く、ポリウレタン
成形品については塗装外観と耐湯外観が悪かった。比較
例4は、ポリウレタン成形品については性能に差が見ら
れなかったが、洗浄液の温度が45℃よりも低かったの
で、ポリプロピレン成形品については実施例1に比べて
密着性とピーリングが悪かった。比較例5は、表面調整
をしなかったので、水切れ性が悪く、ポリプロピレン成
形品については実施例1に比べて塗装外観と耐湯外観が
悪く、ポリウレタン成形品については塗装外観が悪かっ
た。
【0053】(実施例12)イオン交換水に硫酸、下記
の非イオン界面活性剤およびケイフッ化水素酸を溶解さ
せ、水酸化ナトリウムでpH4に調整し、下記の組成の
洗浄液を作った。 ・硫酸 0.5g/l ・硫酸ナトリウム 3g/l ・非イオン界面活性剤 1g/l 〔ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB値10.5)〕 ・ケイフッ化水素酸 0.5g/l 上記ガラス繊維入り不飽和ポリエステル樹脂板を用いた
こと、および、上記のようにして作った洗浄液を用いた
こと以外は実施例1の操作を繰り返して塗装成形板を得
た。
【0054】結果を表7に示した。また、実施例12で
作った洗浄液を用いたこと以外は実施例1の操作を繰り
返してポリプロピレン系樹脂とポリウレタン系樹脂の各
塗装板を作ったところ、実施例1と同等の結果が得られ
た。
【0055】
【表7】
【0056】表7にみるように、無機フッ化物を含む洗
浄液を用いて洗浄を行うと、ガラス繊維入りのプラスチ
ック成形品の密着性も、ガラス繊維の入っていないプラ
スチック成形品の密着性と同様に良好である。
【0057】
【発明の効果】この発明によれば、ハロゲン化炭化水素
などの有機溶剤を用いずにプラスチック成形品表面から
油分を十分に除去することができるので、環境へ悪影響
を与えない塗装前洗浄システムを得ることができる。し
かも、表面調整を行うことによりプラスチック成形品表
面の水切れが容易になり、ひいては乾燥工程の短縮化が
可能である。また、HLB10〜17の非イオン界面活
性剤を含むpH7の水溶液からなる表面調整液は、塗装
後の耐水性テストでのブリスターを抑制する効果があ
る。
【0058】ガラス繊維を含むプラスチック成形品は密
着性の悪い素材であるが、この発明では、この成形品に
対し、フッ素化合物を含む洗浄液を用いることで塗膜の
密着性を向上させることができる。この発明の洗浄方法
により洗浄されたプラスチック成形品を水性塗料で塗装
する場合、前記成形品が表面調整されているので乾燥工
程が省け、ラインの短縮が可能になる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱酸およびその塩から選ばれる少なくと
    も1つとHLB8〜12の非イオン界面活性剤を含むp
    H3〜6の水溶液からなる洗浄液を45〜80℃でプラ
    スチック成形品にスプレーする洗浄工程、前記プラスチ
    ック成形品に付着している前記洗浄液を水で洗い流す水
    洗工程、および、水洗された前記プラスチック成形品の
    表面が全体的に水で濡れるように処理する表面調整工程
    を備えたプラスチックの洗浄方法。
  2. 【請求項2】 鉱酸が硫酸である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 鉱酸が硫酸とフッ素系鉱酸である請求項
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】 表面調整工程が、HLB10〜17の非
    イオン界面活性剤を含むpH7の水溶液からなる表面調
    整液にプラスチック成形品を接触させることにより行わ
    れる請求項1から3までのいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 表面調整工程で得られた、表面が全体的
    に水で濡れたプラスチック成形品を乾燥する工程をさら
    に備えた請求項1から4までのいずれかに記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070628A (ja) * 2005-09-02 2007-03-22 Sika Technology Ag 塗料への接着剤及びシーラントの接着性を向上させるための水性接着促進クリーナー組成物
US11472068B2 (en) * 2017-03-03 2022-10-18 Daicel Polymer Ltd. Thermoplastic resin composition for cleaning molding processing machine

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