JPH06298394A - 枚葉印刷機の給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 枚葉印刷機において紙ねじりを生ずることな
く簡易かつ迅速に給紙する。 【構成】 枚葉印刷機の給紙装置Ａの紙取出部２６に、
枚葉紙の前端部を掴まえてパイルａから取り出すサッカ
ー２９を設ける。次の紙搬送部２７には、枚葉紙を案内
するボード３１及び該ボード３１に沿って枚葉紙を走行
させる無端ベルト３２を設ける。次の紙受渡部２８に
は、上記紙搬送部２７と印刷装置Ｂとの間で回動運動し
上記ボード３１上の枚葉紙を印刷装置Ｂへと受け渡すス
イング・グリッパ３６を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、枚葉印刷機の給紙装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、枚葉印刷機の給紙装置は、枚葉
紙のパイルから枚葉紙を取り出す紙取出部と、該紙取出
部から枚葉紙を受け取って搬送する紙搬送部と、該紙搬
送部から枚葉紙を受け取って印刷装置に渡す紙受渡部と
を備えている。

【０００３】小型印刷機では、図３，図４及び図５に示
されるように、紙取出部１が一般にユニバーサル・フィ
ーダーと呼ばれる構造となっている。ユニバーサルフィ
ーダーは、枚葉紙のパイルａの上方にて枚葉紙の前端部
を掴まえてパイルから取り出すサッカー２及び該サッカ
ー２から枚葉紙を受け取って走行せしめる上下の対にな
った送りローラ３ａ，３ｂを備えている。サッカー２
は、支軸４を支点にして前後に回動し、枚葉紙の前端部
を吸着して枚葉紙を送りローラ３ａ，３ｂの方に引き出
し、送りローラ３ａ，３ｂは、この枚葉紙を挟んで紙搬
送部５の方に送り出すようになっている。

【０００４】紙搬送部５は、枚葉紙を紙取出部１から紙
受渡部６へと案内するボード７と、該ボード７に沿って
枚葉紙を走行させる無端ベルト８と、ボード７上から枚
葉紙を押さえ付けるローラ９とを備えている。無端ベル
ト８はボード７に沿って走行しつつ枚葉紙を紙受渡部６
へ送り、その間ローラ９は枚葉紙をボード７上に適度な
力で押し付けるようになっている。

【０００５】紙受渡部６は、紙搬送部５から送られてく
る枚葉紙の前端を受け止める当て１０と、枚葉紙の端を
掴む上下の対になった掴みローラ１１ａ，１１ｂとを有
している。当て１０は、紙搬送部５から来る枚葉紙の前
端に当接してその位置決めを行い、掴みローラ１１ａ，
１１ｂはその位置決めされた枚葉紙を挟んで印刷装置の
紙受け胴１２に渡すようになっている。

【０００６】印刷装置は、紙受け胴１２の他、版胴１
３、ブランケット胴１４、圧胴１５等を備えており、紙
受け胴１２で受けとった枚葉紙に印刷し、排紙部１６に
排出するようになっている。

【０００７】大型印刷機では、図６及び図７に示される
ように、紙取出部１が一般にストリーム・フィーダーと
呼ばれる構造になっている。ストリーム・フィーダー
は、枚葉紙のパイルａにその後方より空気を吹き掛ける
ブロワー１７と、枚葉紙間に入り込む分離プレート１８
と、枚葉紙の後端部を掴まえてパイルａから送り出すサ
ッカー１９と、パイルａの前側に配置された送りローラ
３ａ，３ｂとを備えている。ブロワー１７は、空気を枚
葉紙間に吹き込み、分離プレート１８は空気の吹き込み
により剥離した枚葉紙間に入り込み、サッカー１９は分
離された一枚の枚葉紙を吸着し、矢印に沿って往復運動
して枚葉紙を送りローラ３ａ，３ｂの方に送り出す。送
りローラ３ａ，３ｂは、この枚葉紙を挟んで紙搬送部５
の方に送り出すようになっている。

【０００８】紙搬送部５は、上記小型機におけると同様
に、ボード７、無端ベルト８、押えローラ９等を備え、
無端ベルト８等の駆動により枚葉紙を紙受渡部６へ送る
ようになっている。

【０００９】紙受渡部６は、紙搬送部５から送られてく
る枚葉紙の前端を受け止める前当て２０と、枚葉紙の端
を掴むスイング・グリッパ２１とを有している。前当て
２０は、紙搬送部５から来る枚葉紙の前端に当接してそ
の位置決めを行い、スイング・グリッパ２１はその位置
決めされた枚葉紙の前端を掴んで印刷装置の紙受け胴１
２に渡すようになっている。該枚葉紙は印刷装置で印刷
され、排紙部１６へ排出される。

【００１０】また、印刷機によっては、図８に示される
ような給紙装置が採用される場合がある。この給紙装置
の紙取出部１は枚葉紙の前端部を吸着して枚葉紙のパイ
ルａ中から取り出すサッカー２２を有し、紙搬送部５は
湾曲した短いボード２３を有し、紙受渡部６は第１と第
２のスイング・グリッパ２４，２５を有している。サッ
カー２２が枚葉紙を吸着して枚葉紙のパイルａ中から引
き出すと、第１のスイング・グリッパ２４が枚葉紙を掴
んで回動し、第２のスイング・グリッパ２５に受け渡
す。ボード２３は第１と第２のグリッパ２４，２５によ
り送られる枚葉紙を案内する。第２のスイング・グリッ
パ２５は印刷装置の圧胴１５に枚葉紙を渡す。該枚葉紙
は、印刷装置で印刷され、排出されることとなる。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
３，図４及び図５の給紙装置にあっては、紙の厚さ等に
応じて掴みローラ１１ａ，１１ｂの挟み圧の調整という
面倒なかつ熟練の要る操作をしなければならない。ま
た、掴みローラ１１ａ，１１ｂは、左右方向に複数対配
置されており、それらの挟み圧が異なれば紙がねじれて
搬送され、供給不良、印刷不良を引き起こす。さらに、
サッカー２で枚葉紙の前端部を吸着するようになってい
るので、最上位の枚葉紙をパイルａ外に完全に引き出し
た後でなければ次の枚葉紙を引き出すことができない。
従って、印刷スピードに見合うように枚葉紙の供給スピ
ードも上げなければならず、そのため掴みローラ１１
ａ，１１ｂの磨耗も激しくなり、紙を正確に掴めなくな
って見当精度も低下するという欠点がある。

【００１２】上記図６及び図７の給紙装置にあっては、
給紙を適正に行うべく枚葉紙のパイルａの前端及び後端
を綺麗に揃えておく必要があるが、そのためには紙の断
裁精度を高めなければならず、コストが嵩む。また、枚
葉紙のパイルａをセットする際に、サッカー１９、分離
プレート１８等の調整を必要とするが、その調整操作は
極めて面倒であり、熟練を要する。また、それだけ印刷
開始までに時間が掛かり、印刷効率が低下する。

【００１３】上記図８の給紙装置にあっては、第１のス
イング・グリッパ２４で枚葉紙のスピード調整、見当合
わせをするので、その減速と加速に伴って枚葉紙がバタ
つき、そのため見当精度が低下する。また、減速と加速
を頻繁に行うので、印刷スピードを上げることができな
い。

【００１４】従って、本発明は、枚葉紙のパイルからの
送り出しを簡易に行うことができ、枚葉紙にバタツキを
生ずることなく搬送することができ、かつ枚葉紙を印刷
装置へ正確に受け渡すことができる給紙装置を提供する
ことをその目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、枚葉紙のパイルから枚葉紙を取り出す紙取
出部と、該紙取出部から枚葉紙を受け取って搬送する紙
搬送部と、該紙搬送部から枚葉紙を受け取って印刷装置
に渡す紙受渡部とを備えた枚葉印刷機の給紙装置におい
て、上記紙取出部には、枚葉紙の前端部を掴まえてパイ
ルから取り出すサッカーが設けられ、上記紙搬送部に
は、枚葉紙を案内するボード、該ボードに沿って枚葉紙
を走行させる無端ベルト及び該ボード上に枚葉紙を押し
付けるローラが設けられ、上記紙受渡部には、上記紙搬
送部と印刷装置との間で回動運動し上記ボード上の枚葉
紙を印刷装置へと受け渡すスイング・グリッパが設けら
れた構成を採用している。

【００１６】

【作用】紙取出部において、サッカーが枚葉紙パイルか
ら、その最上位にある枚葉紙を吸着して取り出す。サッ
カーは、枚葉紙の前端部を掴まえて取り出すので、枚葉
紙のパイルはその前端側のみ揃えておくことで足りる。

【００１７】紙搬送部の無端ベルト及びローラは、サッ
カーから送られた枚葉紙を受け取り、ボード上を紙受渡
部へと送る。枚葉紙は無端ベルト、ボード及びローラで
拘束されることになるので、バタつくことなく搬送され
る。

【００１８】紙受渡部のスイング・グリッパは、紙搬送
部から来る枚葉紙の前端部を掴み、印刷装置に渡す。枚
葉紙は、スイング・グリッパにより掴まれるので、ねじ
れることなく印刷装置に移行する。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１に示されるように、この枚葉印刷機は、オフ
セット印刷機であり、給紙装置Ａと、印刷装置Ｂと、排
紙装置Ｃとを備えている。

【００２０】枚葉紙は、給紙装置Ａにおいて枚葉紙パイ
ルａの最上位から一枚ずつ取り出され、印刷装置Ｂにお
いて片面に印刷され、しかる後排紙装置Ｃにて再び積み
上げられるようになっている。

【００２１】図２に示されるように、この枚葉印刷機の
給紙装置Ａは、枚葉紙のパイルａから枚葉紙を取り出す
紙取出部２６と、該紙取出部２６から枚葉紙を受け取っ
て搬送する紙搬送部２７と、該紙搬送部２７から枚葉紙
を受け取って印刷装置Ｂに渡す紙受渡部２８とを備えて
いる。

【００２２】上記紙取出部２６は、ユニバーサル・フィ
ーダーと呼ばれる方式のもので、枚葉紙の前端部を掴ま
えてパイルａから取り出すサッカー２９と、該サッカー
２９から枚葉紙を受け取って走行せしめる送りローラ３
０ａ，３０ｂとを有している。

【００２３】サッカー２９は、当該紙取出部２６の前寄
りの箇所に枚葉紙の取出方向と直角な向きで配置された
水平軸３０を支点にして前後に回動するようになってい
る。サッカー２９が一回動する毎に一枚の枚葉紙が枚葉
紙のパイルａから取り出されることになる。

【００２４】送りローラ３０ａ，３０ｂは、上側の遊び
ローラ３０ａと下側の駆動ローラ３０ｂとが対になった
ものであり、上側ローラ３０ａと下側ローラ３０ｂとの
接触部に上記サッカー２９に吸着された枚葉紙の前端部
が到来するようになっている。サッカー２９の真空吸引
は、枚葉紙の前端部が送りローラ３０ａ，３０ｂに挟ま
れる際に遮断されるようになっている。

【００２５】上記紙搬送部２７は、枚葉紙を案内するボ
ード３１と、該ボード３１に沿って枚葉紙を走行させる
無端ベルト３２と、枚葉紙をボード３１上に押し当てる
押当てローラ３３とを備えている。

【００２６】ボード３１は、上記送りローラ３０ａ，３
０ｂの排出側から紙受渡部２８の方へと伸びており、そ
の上面で枚葉紙を支えるようになっている。無端ベルト
３２は、ボード３１の前後に配置されたローラ３４ａ，
３４ｂ間に掛け渡され、ボード３１を前後方向に巻回す
るように配置されている。無端ベルト３２は、その往側
がボード３１上面に沿って走行し、復側がボード３１下
面に沿って走行するように駆動され、ボード３１上に到
来した枚葉紙を紙受渡部２８の方へ送る。

【００２７】押当てローラ３３は、遊びローラであり、
ボード３１上に複数個配置されている。無端ベルト３２
は、押当てローラ３３と共に枚葉紙を挟んで強制的に紙
受渡部２８の方へと送ることとなる。

【００２８】上記紙受渡部２８には、紙搬送部２７から
来る枚葉紙の先端を受け止める前当て３５と、上記紙搬
送部２７と印刷装置Ｂとの間で回動運動し、上記ボード
３１上の枚葉紙を印刷装置Ｂへと受け渡すスイング・グ
リッパ３６とが設けられている。

【００２９】前当て３５は、枚葉紙の通路に対して出没
するようカム機構（図示せず）により駆動され、上記紙
搬送部２７から来る枚葉紙をその前端にて一時的に受け
止めるようになっている。

【００３０】スイング・グリッパ３６は、ボード３１の
端と印刷装置Ｂとの間に枚葉紙の走行方向と直角に配置
された水平軸３７を支点にして前後に回動するようにな
っている。スイング・グリッパ３６の本体には、爪軸３
８を介して爪３９が回動可能に支持され、該爪３９と共
に枚葉紙の前端部を啣える爪台４０が設けられている。
爪軸３８はカム機構（図示せず）により回動するように
なっており、スイング・グリッパ３６が前当て３５の方
に来た時と印刷装置Ｂの方に来た時に回動して爪３９を
一時的に爪台４０から離すようになっている。これによ
り、スイング・グリッパ３６は、紙搬送部２７から搬送
された枚葉紙の前端部を爪３９と爪台４０とで啣えて印
刷装置Ｂ側に回動し、そこで枚葉紙を印刷装置Ｂ側に受
け渡すべく、枚葉紙を解放する。

【００３１】印刷装置Ｂは、図１及び図２に示されるよ
うに、上記紙受渡部２８から渡される枚葉紙を啣える爪
４１及び爪台４２を備えた紙受け胴４３、該紙受け胴４
３より枚葉紙を受け取る同様な爪等を備えた圧胴４４、
該圧胴４４と共に枚葉紙を挟んで該枚葉紙に画像を印刷
するためのブランケット胴４５、該ブランケット胴４５
に接する版胴４６等を備えている。紙受け胴４３は圧胴
４４に枚葉紙を受け渡し、圧胴４４は枚葉紙をブランケ
ット胴に押し付ける。これにより、該枚葉紙に画像が印
刷され、圧胴４４はこの印刷された枚葉紙を次の排紙装
置Ｃに渡す。

【００３２】排紙装置Ｃは、圧胴４４から印刷済みの枚
葉紙を無端チェーン４７上のグリッパ４８で受け取り、
再びパイル状に積み上げる。なお、上記給紙装置Ａは、
オフセット印刷機に限らず、凸版印刷機等他の形式の印
刷機に適用することもできる。

【００３３】

【発明の効果】本発明に係る枚葉印刷機の給紙装置は、
以上のように、サッカーにより枚葉紙の前端部を掴まえ
てパイルから取り出すようになっているので、枚葉紙の
パイルの後側まで切り揃える必要がなく、コストを低減
できる。また、枚葉紙のパイルのセットも簡易かつ迅速
に行う事ができ、速やかに印刷を開始することができ
る。

【００３４】また、スイング・グリッパにより搬送装置
から枚葉紙を受け取るので、枚葉紙の走行スピードが大
きくとも紙にねじれ等を生ずることなく印刷装置に渡す
ことができる。従って、見当精度を上げて印刷品質を高
めることができる。

【００３５】さらに、送りローラからスイング・グリッ
パに至る間には、ボード及び無端ベルトが介在している
ので、枚葉紙をバタツキを生じることなく搬送すること
ができる。従って、高速印刷下においても印刷装置へ枚
葉紙を正確に渡し、印刷精度を高めることができる

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る給紙装置を備えた枚葉印刷機の一
実施例の縦断面図である。

【図２】上記給紙装置の部分の縦断面図である。

【図３】従来の給紙装置を備えた枚葉印刷機の縦断面図
である。

【図４】図３中給紙装置の部分の縦断面図である。

【図５】図４で示される部分の概念図である。

【図６】従来の他の給紙装置を備えた枚葉印刷機の縦断
面図である。

【図７】図６中給紙装置の部分の縦断面図である。

【図８】従来のさらに他の給紙装置を備えた枚葉印刷機
の縦断面図である。

【符号の説明】

ａ…枚葉紙のパイル Ａ…給紙装置 Ｂ…印刷装置 ２６…紙取出部 ２７…紙搬送部 ２８…紙受渡部 ２９…サッカー ３１…ボード ３２…無端ベルト ３３…ローラ ３６…スイング・グリッパ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 枚葉紙のパイルから枚葉紙を取り出す紙
   取出部と、該紙取出部から枚葉紙を受け取って搬送する
   紙搬送部と、該紙搬送部から枚葉紙を受け取って印刷装
   置に渡す紙受渡部とを備えた枚葉印刷機の給紙装置にお
   いて、上記紙取出部には、枚葉紙の前端部を掴まえてパ
   イルから取り出すサッカーが設けられ、上記紙搬送部に
   は、枚葉紙を案内するボード、該ボードに沿って枚葉紙
   を走行させる無端ベルト及び該ボード上に枚葉紙を押し
   付けるローラが設けられ、上記紙受渡部には、上記紙搬
   送部と印刷装置との間で回動運動し上記ボード上の枚葉
   紙を印刷装置へと受け渡すスイング・グリッパが設けら
   れていることを特徴とする枚葉印刷機の給紙装置。