JPH06297092A - 複合金属材料の連続幅可変鋳造装置 - Google Patents
複合金属材料の連続幅可変鋳造装置Info
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- JPH06297092A JPH06297092A JP9167793A JP9167793A JPH06297092A JP H06297092 A JPH06297092 A JP H06297092A JP 9167793 A JP9167793 A JP 9167793A JP 9167793 A JP9167793 A JP 9167793A JP H06297092 A JPH06297092 A JP H06297092A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 鋳造中の鋳片幅を連続的に変更しながら鋳造
する複合金属材の鋳造装置において、鋳片の幅にかかわ
らず鋳片の品質を均一に維持すること。 【構成】 異種金属を幅可変型の鋳型5内の上下方向に
関して互いに異なる位置に供給するノズル4a,4b
と、異種金属の境界近傍において鋳造方向に垂直な方向
に磁力線が延在する如く静磁場帯を形成する静磁場発生
装置6と、幅可変型の鋳型5内の異種金属の境界近傍に
配置され幅可変型の鋳型の幅変更に連動してその幅が変
更される幅可変障壁7とを備えている。
する複合金属材の鋳造装置において、鋳片の幅にかかわ
らず鋳片の品質を均一に維持すること。 【構成】 異種金属を幅可変型の鋳型5内の上下方向に
関して互いに異なる位置に供給するノズル4a,4b
と、異種金属の境界近傍において鋳造方向に垂直な方向
に磁力線が延在する如く静磁場帯を形成する静磁場発生
装置6と、幅可変型の鋳型5内の異種金属の境界近傍に
配置され幅可変型の鋳型の幅変更に連動してその幅が変
更される幅可変障壁7とを備えている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表層部と内層部の組成
が異なる複合金属材料を液状金属から連続的に製造する
装置に関し、特に鋳造中の鋳片幅を連続的に変更しなが
ら鋳造する鋳造装置に関するものである。
が異なる複合金属材料を液状金属から連続的に製造する
装置に関し、特に鋳造中の鋳片幅を連続的に変更しなが
ら鋳造する鋳造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、連続鋳造によって複合金属材料を
製造する方法として、たとえば、特公平3−20295
号公報には、図4に示すような、鋳型51内の湯面レベ
ル下の所定位置に、鋳造方向に垂直な方向に磁力線が延
在する如く静磁場帯52を形成し、この静磁場帯52を
境界として、その上下に異なる種類の金属溶湯を複数の
ノズル53,54で注入する方法が開示されている。同
公報に記載の連続鋳造方法によれば、溶融金属プール5
5内の溶融金属の流れが静磁界の部分で制動され、異種
金属の上下層が接する位置での上下層の混合が最小限に
抑えられ、表層56と内層57の境界が明確な複合金属
材料が製造されるとしている。
製造する方法として、たとえば、特公平3−20295
号公報には、図4に示すような、鋳型51内の湯面レベ
ル下の所定位置に、鋳造方向に垂直な方向に磁力線が延
在する如く静磁場帯52を形成し、この静磁場帯52を
境界として、その上下に異なる種類の金属溶湯を複数の
ノズル53,54で注入する方法が開示されている。同
公報に記載の連続鋳造方法によれば、溶融金属プール5
5内の溶融金属の流れが静磁界の部分で制動され、異種
金属の上下層が接する位置での上下層の混合が最小限に
抑えられ、表層56と内層57の境界が明確な複合金属
材料が製造されるとしている。
【0003】しかしながら、上記公報に記載の連続鋳造
方法には、以下に述べるような問題点があった。
方法には、以下に述べるような問題点があった。
【0004】すなわち、図4に示される製造方法におい
ては、表層用ノズル53の位置が鋳型51の中心軸に対
して偏在しているので、溶湯流動により鋳片幅方向の表
層56の厚みが変化するという問題があった。すなわ
ち、溶融金属プール55内の表層形成用の溶融金属の流
速は、表層用ノズル53に近い方が速くなり、流速が早
い程表層が形成され難くなるので、表層56の厚みは、
表層用ノズル53側が薄く、内層用ノズル54側が厚く
なり、表層厚みに不均一が生じるという問題があった。
ては、表層用ノズル53の位置が鋳型51の中心軸に対
して偏在しているので、溶湯流動により鋳片幅方向の表
層56の厚みが変化するという問題があった。すなわ
ち、溶融金属プール55内の表層形成用の溶融金属の流
速は、表層用ノズル53に近い方が速くなり、流速が早
い程表層が形成され難くなるので、表層56の厚みは、
表層用ノズル53側が薄く、内層用ノズル54側が厚く
なり、表層厚みに不均一が生じるという問題があった。
【0005】また、表層用ノズル53から供給された表
層溶湯と内層用ノズル54から供給された内層溶湯は、
溶融金属プール55内において広い面積にわたって直接
接触しているので、表層溶湯が密度P1 で内層溶湯が密
度P2 であり、特にP1 ≧P2 の組み合わせの場合、表
層溶湯と内層溶湯との境界面において、両溶湯の混合が
発生し品質の劣化を招くという問題があった。
層溶湯と内層用ノズル54から供給された内層溶湯は、
溶融金属プール55内において広い面積にわたって直接
接触しているので、表層溶湯が密度P1 で内層溶湯が密
度P2 であり、特にP1 ≧P2 の組み合わせの場合、表
層溶湯と内層溶湯との境界面において、両溶湯の混合が
発生し品質の劣化を招くという問題があった。
【0006】そこで、鋳型内に障壁を配置して、電磁的
のみならず機械的に表層溶湯と内層溶湯を分離して両者
の混合を抑制することが提案されている。
のみならず機械的に表層溶湯と内層溶湯を分離して両者
の混合を抑制することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単に鋳
型内に障壁を配置しただけでは、図4に示される製造方
法を、鋳造中の鋳片幅を連続的に変更しながら鋳造する
連続幅可変鋳造装置に適用した場合には、鋳造された鋳
片の品質を均一に維持することが困難であるという問題
があった。以下、その理由について説明する。
型内に障壁を配置しただけでは、図4に示される製造方
法を、鋳造中の鋳片幅を連続的に変更しながら鋳造する
連続幅可変鋳造装置に適用した場合には、鋳造された鋳
片の品質を均一に維持することが困難であるという問題
があった。以下、その理由について説明する。
【0008】連続幅可変鋳造装置においては、鋳型の短
辺側が可動とされ、鋳造すべき鋳片の幅に応じて鋳型の
長辺の長さが変更される。このため、鋳造すべき鋳片の
幅によって鋳型と障壁との間隔が変わってしまう。すな
わち、障壁の大きさは一定であるため、幅広の鋳片を鋳
造する場合には鋳型と障壁との間隔が広くなり、幅狭の
鋳片を鋳造する場合には鋳型と障壁との間隔が狭くな
る。しかしながら、このように鋳片の幅によって鋳型と
障壁との間隔が変化すると、鋳造された鋳片の品質に大
きな影響を与え、均一な品質を有する鋳片を鋳造するこ
とが困難となる。
辺側が可動とされ、鋳造すべき鋳片の幅に応じて鋳型の
長辺の長さが変更される。このため、鋳造すべき鋳片の
幅によって鋳型と障壁との間隔が変わってしまう。すな
わち、障壁の大きさは一定であるため、幅広の鋳片を鋳
造する場合には鋳型と障壁との間隔が広くなり、幅狭の
鋳片を鋳造する場合には鋳型と障壁との間隔が狭くな
る。しかしながら、このように鋳片の幅によって鋳型と
障壁との間隔が変化すると、鋳造された鋳片の品質に大
きな影響を与え、均一な品質を有する鋳片を鋳造するこ
とが困難となる。
【0009】複合金属材料を連続鋳造する場合には、表
層溶湯が先に鋳型に接触して凝固を開始して表層が形成
され、次に内層溶湯が表層に接触して凝固を開始して内
層が形成される。このとき、表層溶湯が凝固する前に表
層溶湯と内層溶湯が混合すると表層の特性が変化する。
層溶湯が先に鋳型に接触して凝固を開始して表層が形成
され、次に内層溶湯が表層に接触して凝固を開始して内
層が形成される。このとき、表層溶湯が凝固する前に表
層溶湯と内層溶湯が混合すると表層の特性が変化する。
【0010】更に、表層と内層との間には、鋳片の厚み
方向で成分濃度が連続的に変化する遷移層が形成され
る。この遷移層は、一般には表層と内層とを強固に結び
つけるボンディング材として機能するが、特殊な場合に
は鋳片内の構造に欠陥を誘起する場合もある。いずれに
しても、この遷移層は鋳片の品質に大きな影響を与え
る。
方向で成分濃度が連続的に変化する遷移層が形成され
る。この遷移層は、一般には表層と内層とを強固に結び
つけるボンディング材として機能するが、特殊な場合に
は鋳片内の構造に欠陥を誘起する場合もある。いずれに
しても、この遷移層は鋳片の品質に大きな影響を与え
る。
【0011】先に述べたように、連続幅可変鋳造装置に
おいては鋳型の短辺側が可動とされるが、たとえば、幅
狭の鋳片を鋳造する場合には鋳型と障壁との間隔が狭く
なり、この間隔を介して表層溶湯と内層溶湯との混合が
生じ、表層の特性が変化するだけでなく遷移層の特性も
変化する。このため、鋳片の幅によって鋳片の特性が変
化してしまい、鋳造された鋳片の品質を均一に維持する
ことが困難であった。
おいては鋳型の短辺側が可動とされるが、たとえば、幅
狭の鋳片を鋳造する場合には鋳型と障壁との間隔が狭く
なり、この間隔を介して表層溶湯と内層溶湯との混合が
生じ、表層の特性が変化するだけでなく遷移層の特性も
変化する。このため、鋳片の幅によって鋳片の特性が変
化してしまい、鋳造された鋳片の品質を均一に維持する
ことが困難であった。
【0012】そこで本発明は、鋳造中の鋳片幅を連続的
に変更しながら鋳造する複合金属材料の鋳造装置におい
て、鋳片の幅にかかわらず鋳片の品質を均一に維持する
ことを目的とする。
に変更しながら鋳造する複合金属材料の鋳造装置におい
て、鋳片の幅にかかわらず鋳片の品質を均一に維持する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の複合金属材料の
連続幅可変鋳造装置は、異種金属を幅可変型の鋳型内の
上下方向に関して互いに異なる位置に供給するノズル
と、異種金属の境界近傍において鋳造方向に垂直な方向
に磁力線が延在する如く静磁場帯を形成する静磁場発生
装置と、前記幅可変型の鋳型内の異種金属の境界近傍に
配置され前記幅可変型の鋳型の幅変更に連動してその幅
が変更される幅可変障壁とを備えていることを特徴とす
る。
連続幅可変鋳造装置は、異種金属を幅可変型の鋳型内の
上下方向に関して互いに異なる位置に供給するノズル
と、異種金属の境界近傍において鋳造方向に垂直な方向
に磁力線が延在する如く静磁場帯を形成する静磁場発生
装置と、前記幅可変型の鋳型内の異種金属の境界近傍に
配置され前記幅可変型の鋳型の幅変更に連動してその幅
が変更される幅可変障壁とを備えていることを特徴とす
る。
【0014】
【作用】異種金属、すなわち、表層溶湯と内層溶湯は、
静磁場帯により電磁的に分離されると共に障壁により機
械的に分離される。障壁は、その幅が可変となってお
り、幅可変型の鋳型の幅変更に連動してしているので、
鋳造すべき鋳片幅の変更に伴って鋳型の幅が変更された
とき、障壁の幅もこれに連動して移動する。これによ
り、鋳片幅が変更された場合でも、障壁と鋳型の間隔は
一定に維持され、表層溶湯と内層溶湯の混合が抑制され
ると共に、遷移層の特性が変化することがなくなり均一
な品質の鋳片が鋳造される。
静磁場帯により電磁的に分離されると共に障壁により機
械的に分離される。障壁は、その幅が可変となってお
り、幅可変型の鋳型の幅変更に連動してしているので、
鋳造すべき鋳片幅の変更に伴って鋳型の幅が変更された
とき、障壁の幅もこれに連動して移動する。これによ
り、鋳片幅が変更された場合でも、障壁と鋳型の間隔は
一定に維持され、表層溶湯と内層溶湯の混合が抑制され
ると共に、遷移層の特性が変化することがなくなり均一
な品質の鋳片が鋳造される。
【0015】
【実施例】図1は、本発明を実施するための装置の一例
を示す図である。図1において、1aは内層用タンディ
ッシュ、1bは表層用タンディッシュであり、両タンデ
ィッシュは隔壁1cで分離されており、内層用タンディ
ッシュ1a内には内層溶湯2aが貯留され、表層用タン
ディッシュ1b内には表層溶湯2bが貯留される。内層
用タンディッシュ1aの底面には内層用浸漬ノズル4a
が、また、表層用タンディッシュ2aの底面には表層用
浸漬ノズル4bが連結されており、更に、内層用タンデ
ィッシュ1aと表層用タンディッシュ1bの内部には、
内層用浸漬ノズル4aと表層用浸漬ノズル4bへの内層
溶湯2aと表層溶湯2bの供給を制御する内層用ストッ
パー3aと表層用ストッパー3bとが設けられている。
内層用浸漬ノズル4aと表層用浸漬ノズル4bとは長さ
が異なっており、それぞれ鋳型5の内部に向かって垂直
方向に伸延している。
を示す図である。図1において、1aは内層用タンディ
ッシュ、1bは表層用タンディッシュであり、両タンデ
ィッシュは隔壁1cで分離されており、内層用タンディ
ッシュ1a内には内層溶湯2aが貯留され、表層用タン
ディッシュ1b内には表層溶湯2bが貯留される。内層
用タンディッシュ1aの底面には内層用浸漬ノズル4a
が、また、表層用タンディッシュ2aの底面には表層用
浸漬ノズル4bが連結されており、更に、内層用タンデ
ィッシュ1aと表層用タンディッシュ1bの内部には、
内層用浸漬ノズル4aと表層用浸漬ノズル4bへの内層
溶湯2aと表層溶湯2bの供給を制御する内層用ストッ
パー3aと表層用ストッパー3bとが設けられている。
内層用浸漬ノズル4aと表層用浸漬ノズル4bとは長さ
が異なっており、それぞれ鋳型5の内部に向かって垂直
方向に伸延している。
【0016】本実施例においては、鋳型5は連続幅可変
鋳造用の鋳型であり、図2に示すように、鋳型5の長辺
部を構成する一対の固定部5a,5bと、短辺部を構成
する一対の可動部5c,5dとから構成されている。一
対の可動部5c,5dは、図示しない駆動装置により、
矢印で示すように、互いに反対方向に駆動されて対称的
に移動する。
鋳造用の鋳型であり、図2に示すように、鋳型5の長辺
部を構成する一対の固定部5a,5bと、短辺部を構成
する一対の可動部5c,5dとから構成されている。一
対の可動部5c,5dは、図示しない駆動装置により、
矢印で示すように、互いに反対方向に駆動されて対称的
に移動する。
【0017】また、鋳型5の外周の湯面レベルから所定
の距離だけ下方の位置に、鋳造方向に垂直な方向に磁力
線が延在する如く静磁場帯を形成させる静磁界発生装置
6が設けられている。この静磁界発生装置6は、鋳型内
湯面レベルからの距離をL、複合金属鋳片の表層厚みを
d、鋳片の引き抜き速度をv、鋳片の平均凝固速度係数
をfとしたとき、下式 L=v・(d/f)2 を満足するような位置に配置される。また、静磁場帯の
鋳造方向の幅は、20cm以上であることが望ましい。
の距離だけ下方の位置に、鋳造方向に垂直な方向に磁力
線が延在する如く静磁場帯を形成させる静磁界発生装置
6が設けられている。この静磁界発生装置6は、鋳型内
湯面レベルからの距離をL、複合金属鋳片の表層厚みを
d、鋳片の引き抜き速度をv、鋳片の平均凝固速度係数
をfとしたとき、下式 L=v・(d/f)2 を満足するような位置に配置される。また、静磁場帯の
鋳造方向の幅は、20cm以上であることが望ましい。
【0018】また、鋳型5内において静磁界発生装置6
の配置位置と略同じ高さに、摺動可能に設けられた一定
厚みの一対の摺動板7a,7bからなる幅可変の障壁7
が配置されている。図2に示すように、各摺動板7a,
7bには、内層用浸漬ノズル4aが接触することなく貫
通可能な程度の長孔7c,7dが鋳片の幅方向に伸延し
て形成されている。この長孔7c,7dの長さは、上記
可動部5c,5dの移動距離より長く選定されている。
各摺動板7a,7bの厚みは、障壁7の下方に供給され
た内層溶湯2aが障壁7の上側まで回り込まない程度の
厚みに選定されている。なお、内層用浸漬ノズル4aの
長さは、その先端が障壁7より下側に位置するように設
定され、前記表層用浸漬ノズル4bの長さは、その先端
が障壁7より上側に位置するように設定される。
の配置位置と略同じ高さに、摺動可能に設けられた一定
厚みの一対の摺動板7a,7bからなる幅可変の障壁7
が配置されている。図2に示すように、各摺動板7a,
7bには、内層用浸漬ノズル4aが接触することなく貫
通可能な程度の長孔7c,7dが鋳片の幅方向に伸延し
て形成されている。この長孔7c,7dの長さは、上記
可動部5c,5dの移動距離より長く選定されている。
各摺動板7a,7bの厚みは、障壁7の下方に供給され
た内層溶湯2aが障壁7の上側まで回り込まない程度の
厚みに選定されている。なお、内層用浸漬ノズル4aの
長さは、その先端が障壁7より下側に位置するように設
定され、前記表層用浸漬ノズル4bの長さは、その先端
が障壁7より上側に位置するように設定される。
【0019】上記障壁7の一方の摺動板7aは、障壁取
付治具8aを介して鋳型5の一方の可動部5cに取り付
けられた障壁取付治具昇降装置11aに連結されてお
り、また、他方の摺動板7bは、障壁取付治具8bを介
して鋳型5の他方の可動部5dに取り付けられた障壁取
付治具昇降装置11bに連結されており、一対の摺動板
7a,7bは、鋳型5内で連動して上下動可能となって
いる。
付治具8aを介して鋳型5の一方の可動部5cに取り付
けられた障壁取付治具昇降装置11aに連結されてお
り、また、他方の摺動板7bは、障壁取付治具8bを介
して鋳型5の他方の可動部5dに取り付けられた障壁取
付治具昇降装置11bに連結されており、一対の摺動板
7a,7bは、鋳型5内で連動して上下動可能となって
いる。
【0020】次に、上述した装置の一般的な鋳造動作に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0021】内層用ストッパー3aと表層用ストッパー
3bとが引き上げられると、内層用タンディッシュ1a
内の内層溶湯2aは、長い内層用浸漬ノズル4aを介し
て障壁7より下側に供給され、また、表層用タンディッ
シュ1b内の表層溶湯2bは、短い表層用浸漬ノズル4
bを介して障壁7より上側に供給される。
3bとが引き上げられると、内層用タンディッシュ1a
内の内層溶湯2aは、長い内層用浸漬ノズル4aを介し
て障壁7より下側に供給され、また、表層用タンディッ
シュ1b内の表層溶湯2bは、短い表層用浸漬ノズル4
bを介して障壁7より上側に供給される。
【0022】表層用浸漬ノズル4bを介して供給された
表層溶湯2bは、障壁7より上側で矢印に示すように流
動しながら一時的に貯留された状態で凝固が進み、障壁
7の位置までに成長した表層9の凝固シェルのみが鋳型
5と障壁7の間から下方に移動する。凝固していない表
層溶湯2bと内層溶湯2aとの境界レベルは障壁7の位
置で安定するように注湯量制御が行われており、従って
表層用浸漬ノズル4bの偏在に拘わらず全ての位置で略
同じとなる。表層溶湯2bは鋳型5に接触して凝固して
表層9が形成されるが、この表層9が形成される工程に
おける表層溶湯2bの深さと流速は略一定であるので、
形成される表層9の厚みは略均一となる。また、内層用
浸漬ノズル4aを介して供給された内層溶湯2aは、障
壁7より下側で矢印に示すように流動し、表層9の内面
に接触して凝固して内層10が形成される。更に、表層
9と内層10との間に遷移層 (図示せず) が形成され
る。このとき、表層溶湯2bと内層溶湯2aは、一定の
厚みを有する障壁7により物理的に分離されているの
で、表層溶湯2bと内層溶湯2aの混合が抑制される。
表層溶湯2bは、障壁7より上側で矢印に示すように流
動しながら一時的に貯留された状態で凝固が進み、障壁
7の位置までに成長した表層9の凝固シェルのみが鋳型
5と障壁7の間から下方に移動する。凝固していない表
層溶湯2bと内層溶湯2aとの境界レベルは障壁7の位
置で安定するように注湯量制御が行われており、従って
表層用浸漬ノズル4bの偏在に拘わらず全ての位置で略
同じとなる。表層溶湯2bは鋳型5に接触して凝固して
表層9が形成されるが、この表層9が形成される工程に
おける表層溶湯2bの深さと流速は略一定であるので、
形成される表層9の厚みは略均一となる。また、内層用
浸漬ノズル4aを介して供給された内層溶湯2aは、障
壁7より下側で矢印に示すように流動し、表層9の内面
に接触して凝固して内層10が形成される。更に、表層
9と内層10との間に遷移層 (図示せず) が形成され
る。このとき、表層溶湯2bと内層溶湯2aは、一定の
厚みを有する障壁7により物理的に分離されているの
で、表層溶湯2bと内層溶湯2aの混合が抑制される。
【0023】更に、溶湯の流れ方向に関して障壁7と略
同じ高さに設けられた電磁場発生装置6からの静磁場に
より溶湯の流れが制動され、表層溶湯2bと内層溶湯2
aの混合が一層抑制される。
同じ高さに設けられた電磁場発生装置6からの静磁場に
より溶湯の流れが制動され、表層溶湯2bと内層溶湯2
aの混合が一層抑制される。
【0024】また、障壁7は、障壁取付治具昇降装置1
1により上下動可能となっており、障壁7の高さを変え
ることにより表層9の厚みを制御することができる。す
なわち、障壁7を上方に移動させることにより、表層溶
湯2bと内層溶湯2aとの境界レベルが上方に移動する
ように注湯量制御が行われ表層9の厚みが薄くなる。逆
に、障壁7を下方に移動させた場合には、表層溶湯2b
と内層溶湯2aとの境界レベルが下方に移動するように
注湯量制御が行われ表層9の厚みが厚くなる。
1により上下動可能となっており、障壁7の高さを変え
ることにより表層9の厚みを制御することができる。す
なわち、障壁7を上方に移動させることにより、表層溶
湯2bと内層溶湯2aとの境界レベルが上方に移動する
ように注湯量制御が行われ表層9の厚みが薄くなる。逆
に、障壁7を下方に移動させた場合には、表層溶湯2b
と内層溶湯2aとの境界レベルが下方に移動するように
注湯量制御が行われ表層9の厚みが厚くなる。
【0025】次に、鋳造中の鋳片幅を変更する場合の動
作について説明する。
作について説明する。
【0026】たとえば、いま鋳片幅を広げる場合につい
て考える。この場合には、鋳型5の可動部5cと可動部
5dは、図2(a)に示されるように、互いに離れる方
向に駆動される。このため、可動部5c,5dに機械的
に連結されている各摺動板7a,7bも、可動部5c,
5dの移動に連動して互いに離れる方向に移動し、図2
(b)に示す状態となる。したがって、鋳片幅が変更さ
れた場合でも、鋳型5の可動部5cと摺動板7aの間
隔、及び、可動部5dと摺動板7bの間隔を常に一定に
維持することができる。これにより、鋳片幅にかかわら
ず表層溶湯2bと内層溶湯2aの混合を効果的に抑制す
ることができると共に、遷移層の特性に変化を与えるこ
とがなくなるので、均一な品質の鋳片が鋳造される。
て考える。この場合には、鋳型5の可動部5cと可動部
5dは、図2(a)に示されるように、互いに離れる方
向に駆動される。このため、可動部5c,5dに機械的
に連結されている各摺動板7a,7bも、可動部5c,
5dの移動に連動して互いに離れる方向に移動し、図2
(b)に示す状態となる。したがって、鋳片幅が変更さ
れた場合でも、鋳型5の可動部5cと摺動板7aの間
隔、及び、可動部5dと摺動板7bの間隔を常に一定に
維持することができる。これにより、鋳片幅にかかわら
ず表層溶湯2bと内層溶湯2aの混合を効果的に抑制す
ることができると共に、遷移層の特性に変化を与えるこ
とがなくなるので、均一な品質の鋳片が鋳造される。
【0027】なお、障壁の幅を可変とする機構は、図2
に示されるものに限定されるものではなく、たとえば、
図3(a),(b)に示すように、同一平面内で嵌め合
されるように構成された凸字状の摺動片7eと凸字状の
摺動片7fとから幅可変の障壁を構成するようにしても
よい。
に示されるものに限定されるものではなく、たとえば、
図3(a),(b)に示すように、同一平面内で嵌め合
されるように構成された凸字状の摺動片7eと凸字状の
摺動片7fとから幅可変の障壁を構成するようにしても
よい。
【0028】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
異種金属を電磁的に分離するだけでなく障壁により機械
的にも分離し、更に、障壁の幅を鋳造片の幅に応じて変
化させている。これにより、鋳造片の幅に拘わらず異種
金属の混合を最小限に抑えることができると共に、遷移
層の特性に変化を与えることが無くなり、鋳造中の複合
金属材料の鋳片幅を連続的に変更しながら鋳造する場合
においても、鋳片の幅にかかわらず鋳片の品質を均一に
維持することができるという効果を奏する。
異種金属を電磁的に分離するだけでなく障壁により機械
的にも分離し、更に、障壁の幅を鋳造片の幅に応じて変
化させている。これにより、鋳造片の幅に拘わらず異種
金属の混合を最小限に抑えることができると共に、遷移
層の特性に変化を与えることが無くなり、鋳造中の複合
金属材料の鋳片幅を連続的に変更しながら鋳造する場合
においても、鋳片の幅にかかわらず鋳片の品質を均一に
維持することができるという効果を奏する。
【図1】 本発明を実施するための装置の一例を示す図
である。
である。
【図2】 連続幅可変鋳造用の鋳型と幅可変障壁との関
係を示す模式図である。
係を示す模式図である。
【図3】 幅可変障壁の他の構造例を示す模式図であ
る。
る。
【図4】 従来の静電場帯を使用した複合金属材料の連
続鋳造方法を示す図である。
続鋳造方法を示す図である。
1a 内層用タンディッシュ 1b 表層用タンディッシュ 1c 隔壁 2a 内層溶湯 2b 表層溶湯 3a 内層用ストッパー 3b 表層用ストッパー 4a 内層用浸漬ノズル 4b 表層用浸漬ノズル 5 鋳型 5a,5b 固定部 5c,5d 可動部 6 静磁場発生装置 7 障壁 7a,7b 摺動板 7c,7d 長孔 7e,7f 摺動片 8a,8b 障壁取付治具 9 表層 10 内層 11a,11b 障壁取付治具昇降装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 27/02 U 7011−4E
Claims (1)
- 【請求項1】 異種金属を幅可変型の鋳型内の上下方向
に関して互いに異なる位置に供給するノズルと、異種金
属の境界近傍において鋳造方向に垂直な方向に磁力線が
延在する如く静磁場帯を形成する静磁場発生装置と、前
記幅可変型の鋳型内の異種金属の境界近傍に配置され前
記幅可変型の鋳型の幅変更に連動してその幅が変更され
る幅可変障壁とを備えていることを特徴とする複合金属
材料の連続幅可変鋳造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9167793A JPH06297092A (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 複合金属材料の連続幅可変鋳造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9167793A JPH06297092A (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 複合金属材料の連続幅可変鋳造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06297092A true JPH06297092A (ja) | 1994-10-25 |
Family
ID=14033128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9167793A Withdrawn JPH06297092A (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 複合金属材料の連続幅可変鋳造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06297092A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008104052A1 (en) * | 2007-02-28 | 2008-09-04 | Novelis Inc. | Co-casting of metals by direct-chill casting |
KR101460199B1 (ko) * | 2012-12-20 | 2014-11-10 | 주식회사 포스코 | 혼합 저감 장치 |
KR20160061062A (ko) * | 2014-11-21 | 2016-05-31 | 주식회사 포스코 | 이강종 용강 혼합 저감 장치 및 이강종 연속 주조 방법 |
CN113165056A (zh) * | 2018-10-26 | 2021-07-23 | 株式会社Posco | 铸造设备和铸造方法 |
-
1993
- 1993-04-19 JP JP9167793A patent/JPH06297092A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008104052A1 (en) * | 2007-02-28 | 2008-09-04 | Novelis Inc. | Co-casting of metals by direct-chill casting |
US7975752B2 (en) | 2007-02-28 | 2011-07-12 | Novelis Inc. | Co-casting of metals by direct chill casting |
KR101460199B1 (ko) * | 2012-12-20 | 2014-11-10 | 주식회사 포스코 | 혼합 저감 장치 |
KR20160061062A (ko) * | 2014-11-21 | 2016-05-31 | 주식회사 포스코 | 이강종 용강 혼합 저감 장치 및 이강종 연속 주조 방법 |
CN113165056A (zh) * | 2018-10-26 | 2021-07-23 | 株式会社Posco | 铸造设备和铸造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000704 |