JPH062968Y2 - 長尺部材の立掛け装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、建材用の押出形材、或いは木材、パイプ、
軽量鋼材等の長尺部材を保管するための立掛け装置に関
するものである。

【従来の技術】 従来、この種の長尺部材の保管には、横に寝かせて積み
重ねて保管する平置き式と、立設した骨組支持枠体に縦
に立掛けて保管する立掛け式とがある。

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来の平置式による保管は、積み重ねるために
広い床面積が必要であり、抜出し作業が困難であって、
抜取りの際に部材が摺れ或いは打ちつけて損傷し易く、
また屋外保管の際は、雨水、降雪等による冬期間の水漬
けによってしみが発生する恐れがある。これに対して、
立掛け式による保管は、床面積が少なくて済み、雨水の
流れも良いのでしみを作ることなく、出し入れ作業もス
ムーズにできる利点がある。 しかしながら、この立掛け式は激しい風雨、特に暴風
時、或いは地震の際には、激しく揺れ動いて部材同志が
摺れ、打ちつけられて傷ついたり、倒壊する恐れもあっ
て極めて危険である等の欠点がある。 そこで、この考案は、上記の問題点に鑑み、これらの欠
点を解決したものであって、暴風時、或いは地震に際し
て、倒壊することなく堅牢に固定されて確実に保管する
ことができる反面、部材の出し入れ作業を円滑にできる
長尺部材の立掛け装置を得るにある。

【課題を解決するための手段】

これを達成する手段として、この考案は、一定間隔をお
いて対向する支柱間に長尺部材を立掛けて支持する支持
部材を連結させてなる立掛け支持体に、上記長尺部材を
上記支持部材に立掛けできる間隔を設けたアームの一端
を水平軸を介して立掛け支持体に軸着すると共に、該ア
ームを回動操作手段によって上記軸を中心に上下に回動
可能とし、該アームの他端間に上記長尺部材を圧接保持
する弾性体を取付けたものである。

【実施例】

この考案の具体的構成を図面に示す実施例について以下
詳細に説明する。 (1)は押出形材等の長尺部材(A)を立掛ける立掛け支持体
であって、桟(3)によって山形状に組合わせ形成した支
柱(2)を間隔をおいて複数併設すると共に、複数の支持
部材(4)を上下に間隔をおいて該支柱(2)に連結して枠組
み構成し、下底部には部材受け(5)を傾斜突設し、上端
に覆い(6)と、その下方に滑車軸(7)を取付ける。 (8)はＬ形状に屈曲した一対のアームであって、該アー
ム(8)間に長尺部材(A)を保持し得るように間隔をおいて
両アーム(8)のＬ形状屈曲部を連結杆(9)によって連結
し、その基端を立掛け支持体(1)の支柱(2)上部の桟(3)
間に横架した水平軸(10)に回動可能に軸着する。また該
アーム(8)の連結杆(9)取付け部分より直角に屈曲した先
端には、ゴム等よりなる帯状の弾性体(11)を連結する。 (12)は回動操作手段であるエンドレスのロープであっ
て、上記アーム(8)の連結杆(9)に結着すると共に、上記
立掛け支持体(1)の上部滑車軸(7)に取付けた滑車(13)に
掛け渡して水平軸(10)を中心としてアーム(8)を上下に
回動させる。 そしてこのアーム(8)は、立掛け支持体(1)の各支柱(2)
間に複数個（この実施例の第２図においては、左右両端
の各支柱(2)間に夫々４組、その中央部分の各支柱(2)間
に夫々３組）隣接するように併設し、これによって夫々
区画(14)を形成し、各区画(14)ごとに番地等を付せば、
在庫管理が容易になる。 (15)は傾倒防止用突出杆であって、アーム(8)によって
形成された区画(14)に対応して各支持部材(4)に突設さ
れている。 このように構成されているので、長尺部材(A)を立掛け
保管するには、アーム(8)を第１図の左側実線に示すよ
うに上方に引上げておき、各区画(14)ごとに各種類の長
尺部材(A)を区分けして立掛け保持する。しかる後、ア
ーム(8)の連結杆(9)側に結着しているロープ(12)をもっ
て引張り水平軸(10)を中心としてアーム(8)を下動させ
れば、アーム(8)先端の弾性体(11)によって長尺部材(A)
は弾接押圧されて確実に保持保管される。 また、立掛け支持体(1)より長尺部材(A)を取出すには、
上記と反対側のロープ(12)をもって引くと、ロープ(12)
は立掛け支持体(1)の上部滑車軸(7)に取付けられている
滑車(13)を介して連結杆(9)を引張るので、アーム(8)は
水平軸(10)を中心としてを引上げられて第１図の右側鎖
線に示すように上動し、弾性体(11)による保持から長尺
部材(A)は解放され、傷付けること無く容易に取出すこ
とができる。 なお、アームを上記実施例に代えて第５図に示すよう
に、両アーム(8)の基端に回動管(20)を一体に固定し
て、この回動管(20)を水平軸(10)に回動可能に嵌合し、
該回動管(20)にロープ(12)を結着することにより、アー
ム(8)を上下に回動し得るようにしても良い。 また、アーム(8)は、Ｌ字形に限らず、弓形に湾曲し、
へ字形に屈曲し、或いは三角状の平板体であっても良
く、直線状であっても良い。 さらに、立掛け支持体(1)は、両側に限らず、片側であ
っても良く、また、実施例のように、自立型に限らず、
壁等に固定されるものであっても良く、車輪を付けて可
動式にしても良い。 また、アームの回動操作手段は、ロープによる手動に限
らず、電動等によって駆動しても良い。

【考案の効果】

以上、実施例について詳述したように、この考案は、押
出形材等の長尺部材を立掛ける立掛け支持体にアームを
取付け、ロープ等による回動操作手段によって上下に回
動させて上記長尺部材を押圧保持したものであるから、
従来の立掛け式の特徴である床面積を少なくすることが
でき、雨水の流れも良く、しみの発生を防止できる利点
を有することは勿論、アーム先端には弾性体を有し、こ
れによって長尺部材を弾接押圧するので、強固に保持さ
れ暴風時、或いは地震に際して、長尺部材がガタついて
揺れ動き長尺部材同志が摺れ合って損傷したり、倒壊す
るような恐れなく堅牢、確実に保管することができる反
面、長尺部材の出し入れ作業時にも、長尺部材の摺れ或
いは打ちつけによる損傷を確実に防止できてスムーズに
作業することができる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の縦断側面図、第２図は同じく正面
図、第３図は同じく要部の斜視図、第４図は同じく要部
であるアーム部分の横断平面図、第５図はアームの他の
実施例の斜視図を示す。 (1)…立掛け支持体、(2)…支柱、(4)…支持部材、(7)…
滑車軸、(8)…アーム、(9)…連結杆、(10)…水平軸、(1
1)…弾性体、(12)…ロープ、(13)…滑車、(A)…長尺部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一定間隔をおいて対向する支柱間に長尺部
   材を立掛けて支持する支持部材を連結させてなる立掛け
   支持体に、上記長尺部材を上記支持部材に立掛けできる
   間隔を設けたアームの一端を水平軸を介して立掛け支持
   体に軸着すると共に、該アームを回動操作手段によって
   上記軸を中心に上下に回動可能とし、該アームの他端間
   に上記長尺部材を圧接保持する弾性体を取付けたことを
   特徴とする長尺部材の立掛け装置。