JPH06294852A - Squid磁束計測装置 - Google Patents

Squid磁束計測装置

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JPH06294852A
JPH06294852A JP5083666A JP8366693A JPH06294852A JP H06294852 A JPH06294852 A JP H06294852A JP 5083666 A JP5083666 A JP 5083666A JP 8366693 A JP8366693 A JP 8366693A JP H06294852 A JPH06294852 A JP H06294852A
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squid
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高調波ノイズに起因するSQUIDの特性変
化を未然に防止する。 【構成】 SQUID1,2からの信号に対する処理を
行なう電子回路5とバッテリ6との間に印加電圧制御回
路7を接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はSQUID磁束計測装
置に関し、さらに詳細にいえば、SQUID素子に対し
て少なくとも磁束ロックループ回路が接続されてなるS
QUID磁束計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から磁束検出感度が著しく高いとい
う特質に着目して、生態磁場計測に代表される微弱磁場
の計測を行なう場合には、一般的にSQUID磁束計測
装置が採用されている。また、SQUID素子には、1
つのジョセフソン接合が超伝導ループに設けられたrf
−SQUIDと、1対のジョセフソン接合が超伝導ルー
プに設けられたdc−SQUIDとがあるが、近年の薄
膜技術の進歩に伴なって特性が揃った1対のジョセフソ
ン接合の形成が可能になったこと、および原理的に磁束
検出感度が高いこと等を考慮して、殆どの分野において
dc−SQUIDが採用されるに至っている。
【0003】図10は従来のSQUID磁束計測装置の
構成を示す概略図であり、1対のジョセフソン接合92
が設けられた超伝導ループ91に対して定電流源93に
よりバイアス電流を供給している。そして、超伝導ルー
プ91からの出力信号を差動増幅器94に供給し、差動
増幅器94からの出力信号をさらに増幅器95により増
幅して、変調信号源96から出力される矩形波信号に基
づいて復調器97により復調を行ない、復調信号を積分
器98に供給している。また、積分器98からの出力信
号を上記矩形波信号に基づいて変調器99により変調
し、変調信号をフィードバックコイル100に供給する
ことにより、超伝導ループ91に補償用磁束を導いてい
る。尚、101はインプットコイルである。上記増幅器
95、変調信号源96、復調器97、積分器98および
変調器99で磁束ロックループ回路(以下、FLL回路
と略称する)を構成しており、一般にバッテリ(図示せ
ず)によりFLL回路に対する電源電圧の供給を行なっ
ている。
【0004】したがって、図示しないピックアップコイ
ルと接続されたインプットコイル101により外部磁束
に比例する磁束が超伝導ループ91に導かれた場合に
は、超伝導ループ91からの出力信号が差動増幅器94
により増幅され、FLL回路に供給される。そして、F
LL回路からの積分出力信号を矩形波信号で変調してフ
ィードバックコイル100に供給することにより、SQ
UIDループ91に導入される磁束の変動を補償すべく
補償用磁束を発生させることにより、SQUID素子の
動作点を一定に保持する。この結果、磁束に対応して超
伝導ループ91からの出力が周期的に変動するにも拘ら
ず、動作点を一定に保持し、動作点からのずれ量を積分
器98により検出して、磁束を一意に検出できるように
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電源スイッチ
を操作してFLL回路等にバッテリによる電源電圧の印
加を行なうと、SQUIDのインピーダンスが低いこと
に起因してSQUIDに非対称な(スパイク状の)高周
波電流が流れ、この高周波電流に起因してジョセフソン
接合への電子のトラップ等が生じ、ひいてはSQUID
の特性が変化してしまうという不都合がある。
【0006】また、FLL回路の変調信号として矩形波
を採用しているのであるから、高調波成分を多く含んで
いるとともに、変調信号の変化が急峻であり、この高調
波成分に起因してジョセフソン接合への電子のトラップ
等が生じ、ひいてはSQUIDの特性が変化してしまう
という不都合がある。具体的には、例えば、スイッチン
グノイズにより臨界電流Icが減少し、ヒステリシスが
生じ、SQUID特有のΦ/V特性が得られなくなって
しまう等の不都合が発生する。
【0007】また、上述のように特性の変化が発生して
も、SQUIDを液体ヘリウム等により冷却する場合に
は、SQUIDを液体ヘリウムから僅かに引き上げた後
に再び液体ヘリウム等に浸漬することにより、変化前の
特性に回復させることが可能である。また、SQUID
を超伝導転移温度以下に冷却する前にFLL回路等に対
する電源電圧の印加を行なっておき、この状態で超伝導
転移温度以下に冷却すれば、電源スイッチ操作の影響を
受けることなくSQUID磁束計測装置を動作させるこ
とができ、特性の変化を未然に防止できる。したがっ
て、上述の特性の変化は余り問題にはならない。
【0008】しかし、SQUIDを極低温冷凍機により
冷却する場合には、液体ヘリウム等を用いる場合と比較
して、超伝導転移温度以下に冷却するための所要時間が
著しく長くなるので、スイッチングに起因してSQUI
Dの特性が変化した場合であっても、通常伝導状態に転
移させた後に再び超伝導状態に転移させることは、実験
室等での使用であれば可能であっても、医療現場向けの
生態磁場計測等での使用は到底不可能である。また、電
源スイッチの操作を行なった後に超伝導転移温度以下に
冷却する場合には、SQUID本来の熱容量のみなら
ず、通電に起因する発熱をも考慮した熱容量に対する十
分な冷却能力が極低温冷凍機に要求されることになり、
冷却設備が大容量化するとともに大型化するので、非実
験室での使用に大きな制約を与えることになってしま
う。逆に、冷却設備の容量を増大させなければ、必然的
に冷却所要時間が長くなってしまう。したがって、スイ
ッチングに起因してSQUIDの特性が変化した場合で
あっても、変化した後の特性のままで測定を行なわざる
を得ず、SQUID本来の高い磁束検出感度を得ること
ができなくなってしまう。
【0009】以上には、電源スイッチの操作に伴なう不
都合を詳細に説明したが、FLL回路の変調信号として
採用されている矩形波信号も変化が急峻であるととも
に、高調波成分を多く含んでいるのであるから、矩形波
信号によっても同様の不都合が発生する。また、FLL
回路を自動制御化するような場合には、外部指令に基づ
いて電子回路内部におけるスイッチングを行なわせる必
要が生じることになり、このようなスイッチングによっ
ても同様の不都合が発生する。
【0010】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、電源スイッチ操作に起因するSQUID
の特性変化を未然に防止できるSQUID磁束計測装置
を提供することを第1の目的とし、FLL回路の変調信
号に起因するSQUIDの特性変化を未然に防止できる
SQUID磁束計測装置を提供することを第2の目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るための、請求項1のSQUID磁束計測装置は、SQ
UID素子からの出力信号に基づいて所定の処理を行な
う電子回路と電子回路用電源との間に、立上げ時に電子
回路に対する印加電圧を徐々に増加させる印加電圧制御
手段を含んでいる。
【0012】請求項2のSQUID磁束計測装置は、超
伝導転移温度以下に冷却される第1構成要素と、これら
の第1構成要素に対して電気的に接続され、かつ超伝導
転移温度より高い温度雰囲気中に配置される第2構成要
素との間に、両者間の絶縁、短絡を選択的に制御する絶
縁・短絡制御手段を介在させてある。上記第2の目的を
達成するための、請求項3のSQUID磁束計測装置
は、磁束ロックループ回路の変調信号源として正弦波を
出力するものを採用するとともに、SQUID素子と磁
束ロックループ回路との間にローパスフィルタを介挿し
てある。
【0013】
【作用】請求項1のSQUID磁束計測装置であれば、
SQUID素子を超伝導転移温度以下に冷却し、磁束ロ
ックループ回路によりSQUIDに導入される磁束を一
定値に保持し続けることにより磁束計測を行なうべく電
源スイッチを操作して電源電圧を印加する場合に、印加
電圧制御手段により、立上げ時に電子回路に対する印加
電圧を徐々に増加させるのであるから、非対称な高調波
成分を大幅に低減でき、非対称な高調波成分に起因する
SQUIDの特性の変化を未然に防止できる。したがっ
て、極低温冷凍機によりSQUIDを超伝導転移温度以
下に冷却するSQUID磁束計測装置であっても、超伝
導転移温度以下に冷却した後に電源スイッチを操作する
ことができ、しかも電源スイッチの操作に伴なうSQU
IDの特性変化を防止でき、ひいては高感度の磁束計測
を達成できる。
【0014】請求項2のSQUID磁束計測措置であれ
ば、超伝導転移温度以下に冷却し、磁束ロックループ回
路によりSQUIDに導入される磁束を一定値に保持し
続けることにより磁束計測を行なうべく電源スイッチを
操作して電源電圧を印加する場合に、絶縁・短絡制御手
段により第1構成要素と第2構成要素との間を絶縁状態
に制御しておけばよく、スイッチングに起因する雑音電
流が第1構成要素側に流れ込むことを確実に防止でき、
ひいてはSQUIDの特性の変化を未然に防止できる。
したがって、極低温冷凍機によりSQUIDを超伝導転
移温度以下に冷却するSQUID磁束計測装置であって
も、超伝導転移温度以下に冷却した後に電源スイッチ等
を操作することができ、しかも電源スイッチ等の操作に
伴なうSQUIDの特性変化を防止でき、ひいては高感
度の磁束計測を達成できる。
【0015】請求項3のSQUID磁束計測装置であれ
ば、SQUID素子を超伝導転移温度以下に冷却し、磁
束ロックループ回路によりSQUIDに導入される磁束
を一定値に保持し続けることにより磁束計測を行なう場
合に、磁束ロックループ回路の変調信号源が正弦波を出
力するのであるから、高調波成分を含まない関係上、S
QUID素子と磁束ロックループ回路との間にローパス
フィルタを介挿しても信号波形の乱れを未然に防止する
ことができ、しかも、磁束ロックループ回路側からSQ
UIDに流入する高調波ノイズを効果的に遮断できる。
したがって、高調波ノイズに起因するSQUIDの特性
変化を防止でき、ひいては高感度の磁束計測を達成でき
る。
【0016】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図1はこの発明のSQUID磁束計測装置の
一実施例を示す概略図であり、1対のジョセフソン接合
2を有する超伝導リング1に近接させてインプットコイ
ル3およびフィードバックコイル4を配置してある。そ
して、超伝導リング1からの出力信号をFLL回路5に
供給し、FLL回路5からのフィードバック信号をフィ
ードバックコイル4に供給している。また、バッテリ6
の端子間電圧を印加電圧制御回路7および電源スイッチ
8を介してFLL回路5に動作電圧として印加してい
る。尚、印加電圧制御回路7は、FLL回路5に印加さ
れる動作電圧を徐々に増加させるものである。また、上
記超伝導リング1、インプットコイル3およびフィード
バックコイル4が極低温ケーシング9内に収容されてお
り、図示しない極低温冷凍機により超伝導転移温度以下
に冷却される。尚、10は超伝導リング1にバイアス電
流を供給するためのバイアス電流源である。
【0017】上記の構成のSQUID磁束計測装置の作
用は次のとおりである。先ず、電源スイッチ8をOFF
にした状態で極低温冷凍機を動作させることにより超伝
導リング1、インプットコイル3およびフィードバック
コイル4を超伝導転移温度以下に冷却する。次いで、電
源スイッチ8をON状態にしてFLL回路5に動作電圧
を印加して磁束計測可能な状態にする。この場合に、バ
ッテリ6の端子間電圧は印加電圧制御回路7を通してF
LL回路5に印加されるのであるから、FLL回路5に
対する印加電圧が急峻に立上ることはなく、非対称な高
調波電流を大幅に低減できるので、非対称な高調波電流
に起因するSQUIDの特性の変化を未然に防止でき
る。
【0018】したがって、その後、インプットコイル3
により超伝導リング1に導かれる磁束の変動を補償すべ
くFLL回路5からのフィードバック電流をフィードバ
ックコイル4に供給して補償用磁束を超伝導リング1に
導くことにより、高感度の磁束計測を達成できる。図2
は印加電圧制御回路7の具体的構成例を示す電気回路図
であり、バッテリ6の端子間電圧を安定化するレギュレ
ータ7aの出力端子に、抵抗7bおよびコンデンサ7c
を直列接続してなる時定数回路7dを接続している。し
たがって、FLL回路5に印加される動作電圧は時定数
回路7dの時定数に基づいて徐々に増加し、非対称に高
調波電流を大幅に低減できる。また、上記時定数回路7
dの時定数としては、チャタリングを解消できる時定数
が100msecであることを考慮すれば、数百mse
cに設定することが好ましい。
【0019】図3は電源スイッチ8を閉成する前のI/
V特性{図3(A)参照}およびΦ/V特性{図3
(B)参照}の一例を示す図、図4は電源スイッチ8を
閉成した後のI/V特性{図4(A)参照}およびΦ/
V特性{図4(B)参照}の一例を示す図であり、電源
スイッチ8の操作に伴なう特性の変化が生じないことが
分る。
【0020】
【実施例2】図5はこの発明のSQUID磁束計測装置
の他の実施例を示す概略図であり、1対のジョセフソン
接合12を有する超伝導リング11に近接させてインプ
ットコイル13およびフィードバックコイル14を配置
してある。そして、超伝導リング11からの出力信号を
差動増幅器15およびローパスフィルタ16を介してF
LL回路17に供給し、FLL回路17からのフィード
バック信号をローパスフィルタ18を介してフィードバ
ックコイル14に供給している。そして、バイアス電流
源19により超伝導リング11にバイアス電流を供給し
ている。
【0021】上記FLL回路17は、正弦波信号を変調
用信号として出力する変調信号源17aと、超伝導リン
グ11からの出力信号が差動増幅器15およびローパス
フィルタ16を介して供給される増幅器17bと、変調
信号源17aから出力される変調用信号としての正弦波
信号に基づいて増幅器17bからの出力信号を復調する
復調器17cと、復調信号を入力とする積分器17d
と、変調信号源17aから出力される変調用信号として
の正弦波信号に基づいて積分器17dからの積分出力の
反転信号を変調する変調器17eとを有している。
【0022】上記の構成のSQUID磁束計測装置の作
用は次のとおりである。図6はインプットコイル13か
らの入力磁束がない場合における各部の信号の一例を示
す図であり、図6(A)に示すV/Φ特性のVが最低に
なる点をロック点としている。入力磁束がなければ、変
調器17eにより変調用信号としての正弦波信号が重畳
され、かつ位相が反転されたままの状態で、ローパスフ
ィルタ18を介してフィードバックコイル14に供給さ
れる。したがって、フィードバックコイル18により図
6(E)に示す正弦波状の補償用磁束が超伝導リング1
1に導かれる。ここで、ロック点がV/Φ特性のVが最
低になる点に設定されているのであるから、フィードバ
ック信号の正の周期か負の周期かに拘らず同じ変化特性
を示す信号が超伝導リング11から出力される{図6
(B)参照}。図6(B)に示す信号は復調器17cに
おいて変調信号源17aから出力される変調用信号とし
ての正弦波信号に基づいて復調されるので、図6(C)
に示すように、1/2周期毎に極性が反転し、かつ対称
な復調信号が得られる。したがって、積分器17dから
の出力信号は、図6(D)に示すように0のままであ
る。
【0023】この結果、積分器17dからの0出力に基
づいて入力磁束がないことを検出できる。入力磁束があ
る場合には、図7(A)に示すように、入力磁束に応じ
てロック点がV/Φ特性のVが最低になる点からずれる
ので、ずれた点を基準としてフィードバックコイル14
により図7(E)に示す正弦波状の補償用磁束が超伝導
リング11に導かれる。この場合には、ずれた点を基準
として超伝導リング11から信号が出力されるのである
から、この出力信号は図7(B)に示すように非対称に
なり、復調器17cにおいて変調信号源17aから出力
される変調用信号としての正弦波信号に基づいて復調し
た場合にも、図7(C)に示すように非対称になる。し
たがって、積分器17dからの出力信号は図7(D)に
示すように入力磁束に対応する信号になる。そして、積
分器17dから出力される信号を反転した信号を上記変
調用信号に基づいて変調してフィードバックコイル14
に供給することにより、ロック点の上記ずれを解消する
ことができる。
【0024】この結果、積分器17dからの出力信号に
基づいて入力磁束の値を検出できる。そして、以上の各
動作において、変調、復調を行なうための変調用信号と
して正弦波を採用しているので、変調用信号は高調波成
分を全く、または殆ど含んでいない状態であり、効率よ
く、しかも動作特性を損なうことなく高調波ノイズ成分
を除去するローパスフィルタ16,18を簡単に介挿で
きる。この結果、高調波ノイズに起因して超伝導リング
に流入するノイズ信号成分を大幅に低減でき、高感度の
磁束計測を達成できる。
【0025】尚、この実施例においては、ローパスフィ
ルタ16,18を介挿しているが、何れかのローパスフ
ィルタを省略することも可能である。
【0026】
【実施例3】図8はこの発明のSQUID磁束計測装置
のさらに他の実施例を示す概略図であり、1対のジョセ
フソン接合22を有する超伝導リング21に近接させて
インプットコイル23およびフィードバックコイル24
を配置してある。そして、超伝導リング21およびフィ
ードバックコイル24をそれぞれ対応する電子回路(F
LL回路等)25と接続するための配線26の途中に絶
縁・短絡機構部27が介在されている。
【0027】したがって、超伝導リング21、インプッ
トコイル23およびフィードバックコイル24を超伝導
転移温度以下に冷却した状態で電子回路25におけるス
イッチングを行なう必要がある場合には、予め絶縁・短
絡機構部27により電子回路25と他の構成要素との間
を絶縁状態にしておけばよく、超伝導リング21等がス
イッチングノイズの影響を受けて特性が変化してしまう
という不都合の発生を未然に防止できる。もちろん、ス
イッチング後、所定時間が経過して電子回路25が安定
した後は、絶縁・短絡機構部27により電子回路25と
他の構成要素との間を短絡状態にすればよく、高感度の
磁束計測を達成できる。但し、スイッチングに起因する
放射ノイズの影響をも排除すべく、絶縁・短絡機構部2
7と電子回路25との物理的距離を可能な限り大きく設
定することが好ましい。また、絶縁・短絡機構部27と
しては、ソリッドステートリレー、フォトモスリレー、
スイッチングオペアンプ等が例示できる。
【0028】図9はこの発明のSQUID磁束計測装置
の具体的構成例を示すブロック図であり、絶縁・短絡機
構部27として6つのスイッチング部27a,27b,
・・・,27fを有するものを採用している。そして、
バイアス電流源30とシグナルグランド31との間に、
スイッチング部27a、超伝導リング21およびスイッ
チング部27bをこの順に直列接続している。また、変
調用発振器32からの出力をスイッチ33を介してアッ
テネータ34に供給することにより所定レベルにまで減
衰された変調信号および積分器35からの積分信号が供
給されるフィードバック電流源36とシグナルグランド
31との間に、スイッチング部27c、フィードバック
コイル24およびスイッチング部27dをこの順に直列
接続している。さらに、超伝導リング21からの出力信
号を増幅する増幅器37とシグナルグランド31との間
に、スイッチング部27e、超伝導リング21およびス
イッチング部27fをこの順に直列接続している。さら
にまた、全てのスイッチング部27a,27b,・・
・,27fの他方の端子部はフレームグランド42に接
続されている。尚、38は増幅器37からの出力を復調
して積分器35に供給する復調器であり、39はバッテ
リ等からなる直流電源であり、40は電源スイッチであ
る。さらに、図中N1〜N3が放射ノイズであり、N1
1〜N15が各信号線を流れるノイズである。
【0029】上記の具体例のSQUID磁束計測装置に
おいて、絶縁・短絡機構部27の全てのスイッチング部
27a,27b,・・・,27fをフレームグランド4
2側に動作させた状態において電子回路25を構成する
各構成要素の諸設定(スイッチ設定等)を行なった後
に、上記全てのスイッチング部27a,27b,・・
・,27fを逆側に動作させることにより、SQUID
の特性変化等を生じさせることを未然に防止し、高精度
の磁束計測を達成できる。
【0030】また、SQUIDを動作させている途中に
おいて諸設定(スイッチ設定等)の変更を行なう必要が
生じた場合には、バイアス電流源31を制御してバイア
ス電流を減少させた時点で全てのスイッチング部27
a,27b,・・・,27fをフレームグランド42側
に動作させる。そして、必要な諸設定の変更を行なう。
諸設定の変更が完了した後は、全てのスイッチング部2
7a,27b,・・・,27fを逆側に動作させ、バイ
アス電流を所定の電流値にまで増加させるので、その後
は、変更された諸設定の条件下における高感度の磁束計
測を達成できる。 即ち、バイアス電流を十分に小さく
した状態で全てのスイッチング部27a,27b,・・
・,27fの動作を行なうのであるから、スイッチング
部27a,27b,・・・,27fの動作に起因する特
性変化等の不都合を未然に阻止できる。
【0031】もちろん、磁束計測動作を終了する場合に
も、バイアス電流を十分に小さくしてから全てのスイッ
チング部27a,27b,・・・,27fをフレームグ
ランド42側に動作させることになる。
【0032】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、非対称
な高調波成分を大幅に低減して、非対称な高調波成分に
起因するSQUIDの特性の変化を未然に防止できるの
で、極低温冷凍機によりSQUIDを超伝導転移温度以
下に冷却するSQUID磁束計測装置であっても、超伝
導転移温度以下に冷却した後に電源スイッチを操作する
ことができ、しかも電源スイッチの操作に伴なうSQU
IDの特性変化を防止でき、ひいては高感度の磁束計測
を達成できるという特有の効果を奏する。
【0033】請求項2の発明は、スイッチングに起因す
る雑音電流が第1構成要素側に流れ込むことを確実に防
止して、SQUIDの特性の変化を未然に防止できるの
で、極低温冷凍機によりSQUIDを超伝導転移温度以
下に冷却するSQUID磁束計測装置であっても、超伝
導転移温度以下に冷却した後に電源スイッチ等を操作す
ることができ、しかも電源スイッチ等の操作に伴なうS
QUIDの特性変化を防止でき、ひいては高感度の磁束
計測を達成できるという特有の効果を奏する。請求項3
の発明は、磁束ロックループ回路の変調信号源が正弦波
を出力するのであるから、高調波成分を含まない関係
上、簡単にSQUID素子と磁束ロックループ回路との
間にローパスフィルタを介挿しても信号波形の乱れを未
然に防止することができ、しかも、磁束ロックループ回
路側からSQUIDに流入する高調波ノイズを効果的に
遮断でき、ひいては、高調波ノイズに起因するSQUI
Dの特性変化を防止して、高感度の磁束計測を達成でき
るという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のSQUID磁束計測装置の一実施例
を示す概略図である。
【図2】印加電圧制御回路の具体的構成例を示す電気回
路図である。
【図3】電源スイッチを閉成する前のI/V特性および
Φ/V特性の一例を示す図である。
【図4】電源スイッチを閉成した後のI/V特性および
Φ/V特性の一例を示す図である。
【図5】この発明のSQUID磁束計測装置の他の実施
例を示す概略図である。
【図6】インプットコイルからの入力磁束がない場合に
おける各部の信号の一例を示す図である。
【図7】インプットコイルからの入力磁束がある場合に
おける各部の信号の一例を示す図である。
【図8】この発明のSQUID磁束計測装置のさらに他
の実施例を示す概略図である。
【図9】この発明のSQUID磁束計測装置の具体的構
成例を示すブロック図である。
【図10】従来のSQUID磁束計測装置の構成を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 超伝導リング 2 ジョセフソン接合 5 FLL回路 6 バッテリ 7 印加電圧制御回路 11 超伝導リング 12 ジョセフソン接合 16 ローパスフィルタ 17 FLL回路 17a 変調信号源 18 ローパスフィルタ 21 超伝導リング 22 ジョセフソン接合 24 フィードバックコイ
ル 25 電子回路 27 絶縁・短絡機構部 27a,27b,・・・,27f スイッチング部 30 バイアス電流源 31 シグナルグランド 32 変調用発振器 33 スイッチ 34 アッテネータ 35 積分器 36 フィードバック電流源 37 増幅器 38 復調器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SQUID素子(1)(2)に対して少
    なくとも磁束ロックループ回路(5)が接続されてなる
    SQUID磁束計測装置において、SQUID素子
    (1)(2)からの出力信号に基づいて所定の処理を行
    なう電子回路(5)と電子回路用電源(6)との間に、
    立上げ時に電子回路(5)に対する印加電圧を徐々に増
    加させる印加電圧制御手段(7)を含むことを特徴とす
    るSQUID磁束計測装置。
  2. 【請求項2】 SQUID素子(21)(22)に対し
    て少なくとも磁束ロックループ回路(32)(33)
    (34)(35)(36)(37)(38)が接続され
    てなるSQUID磁束計測装置において、超伝導転移温
    度以下に冷却される第1構成要素(21)(24)と、
    これらの第1構成要素(21)(24)に対して電気的
    に接続され、かつ超伝導転移温度より高い温度雰囲気中
    に配置される第2構成要素(25)(30)(31)
    (32)(33)(34)(35)(36)(37)
    (38)との間に、両者間の絶縁、短絡を選択的に制御
    する絶縁・短絡制御手段(27)(27a)(27b)
    (27c)(27d)(27e)(27f)を介在させ
    てあることを特徴とするSQUID磁束計測装置。
  3. 【請求項3】 SQUID素子(11)(12)に対し
    て少なくとも磁束ロックループ回路(17)が接続され
    てなるSQUID磁束計測装置において、磁束ロックル
    ープ回路(17)の変調信号源(17a)として正弦波
    を出力するものを採用するとともに、SQUID素子
    (11)(12)と磁束ロックループ回路(17)との
    間にローパスフィルタ(16)(18)を介挿してある
    ことを特徴とするSQUID磁束計測装置。
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KR100437785B1 (ko) * 2001-11-08 2004-06-30 엘지전자 주식회사 초전도 양자간섭소자(squid)를 이용한 공진신호검출장치
CN105372606A (zh) * 2015-02-13 2016-03-02 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 一种无死区时间的磁通量子计数装置及方法

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